JP6801000B2 - 細胞画像評価装置および細胞画像評価制御プログラム - Google Patents

細胞画像評価装置および細胞画像評価制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、細胞画像を評価した結果に基づいて、細胞画像に含まれる細胞の将来の状態の予測結果を出力する細胞画像評価装置およびプログラムに関するものである。
ES(Embryonic Stem)細胞およびiPS(Induced Pluripotent Stem)細胞などの多能性幹細胞は、種々の組織の細胞に分化する能力を備えたものであり、再生医療、薬の開発、および病気の解明などにおいて応用が可能なものとして注目されている。
一方、従来、ES細胞およびiPS細胞などの多能性幹細胞や分化誘導された細胞などを顕微鏡などにより撮像し、その画像の特徴を捉えることによって細胞の分化状態などを判定する方法が提案されている。
たとえば特許文献1においては、培養された細胞の品質を非破壊に評価するため、細胞を異なる時点において撮影した画像を解析して取得された指標と実際の細胞の品質の実測データとを用いて、ファジーニューラルネットワーク解析を行って予測モデルを構築し、その予測モデルに対して、品質の評価対象の細胞の画像を入力することによって、その細胞の品質を評価することが提案されている。
また、特許文献2においては、培養容器内で培養される複数の細胞を時系列に撮像した複数の画像を取得し、その画像に含まれる細胞の形態的な特徴を示す特徴値を求め、各画像に対応する特徴値の度数分布をそれぞれ求め、画像間での度数分布の変化に基づいて、培養容器における細胞の培養状態を評価する方法が提案されている。
また、特許文献3においては、ES細胞とフィーダー細胞とが撮像された画像において、ES細胞が占める領域とフィーダー細胞が占める領域とを抽出し、ES細胞が占める領域に存在するフィーダー細胞の形態的特徴を示す特徴量を算出し、その特徴量と、ES細胞の状態との対応関係に基づいて、ファジーニューラルネットワークを用いてES細胞の状態を評価する方法が提案されている。
特開2009−44974号公報 国際公開第2010/098105号公報 特開2011−229409号公報
ここで、細胞を培養する過程において、培養対象の細胞が、今後どのように成長するのかを予測することは非常に重要である。このように細胞の将来の状態の予測することによって、継代のタイミングなどを前もって把握することができ、今後の培養計画を建て易くなる。
また、複数のウェルで同時に培養を行い、品質の高い細胞のウェルだけを継代し、残りのウェルの細胞は破棄する場合があるが、このような場合においても、各ウェル内の細胞の将来の状態を予測することができれば、必要のないウェルの細胞をタイミングよく破棄することができ、資源およびコストを削減することができる。
さらに、細胞の将来の状態の予測することができれば、細胞の出荷日時などのタイミングを把握することができる。細胞には個性があり、ドナーによっては培養が想定通りに進まないことがある。一方で、特に再生医療の場合、出荷日時(手術日)は決まっており、それまでに必要量を必ず用意しなければならない場合がある。このような場合、細胞の将来の状態の予測することができれば、その予測結果に基づいて、細胞の培養量を増やすなどの対策をとることが可能であり、細胞の出荷を安定させることができる。
しかしながら、たとえば現時点において細胞を撮影した画像のみの特徴量などを解析して、細胞の将来の状態を予測することは容易ではない。特に、培養対象の細胞が今後どのように成長するかは、その細胞のみで決まるものではなく、その細胞の周囲の状態も大きく影響する。特許文献1〜特許文献3においても、細胞を撮影した画像を用いて、細胞の将来の状態を予測する方法は何も提案されていない。
本発明は、上記の問題に鑑み、培養対象の細胞が、将来、どのように変化するかを把握することができ、たとえば継代および培地交換などの細胞に対する操作を適切なタイミングで行うことができる細胞画像評価装置および細胞画像評価プログラムを提供することを目的とする。
本発明の細胞画像評価装置は、細胞を撮影した細胞画像の各関心領域について、その各関心領域に含まれる細胞の状態を評価し、その評価結果を出力する評価器と、時系列に細胞を撮影した少なくとも2以上の細胞画像のうち、成長前段階の細胞を撮影した少なくとも1つの第1の細胞画像内における特定の関心領域の周辺領域の評価器による評価結果と、成長前段階よりも後の時点において第1の細胞画像と同じ撮影対象を撮影した第2の細胞画像内における特定の関心領域の細胞の状態との関係を予め機械学習させた予測器とを備え、予測器が、少なくとも1つの特定の時点に撮影した第3の細胞画像の評価器による評価結果のうちの特定の関心領域の周辺領域の評価結果に基づいて、特定の時点よりも後の時点の特定の関心領域の細胞の状態を予測して出力する。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、予測器は、細胞の状態の出力として、2以上の各状態への遷移確率を出力することができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、予測器は、細胞が収容された容器内を撮影した第3の細胞画像の評価結果の入力を受け付け、特定の時点よりも後の時点の容器内の複数の関心領域の細胞の状態をそれぞれ出力することができ、複数の関心領域の細胞の状態を統合して、容器全体の細胞の状態を取得する統合部を備えることができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、予測器は、細胞の状態の出力として、2以上の各状態への遷移確率をそれぞれ出力することができ、統合部は、各関心領域の2以上の各状態の遷移確率をその状態毎に統合して、容器全体の細胞の状態を取得することができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、予測器は、細胞の状態の出力として、2以上の各細胞の状態への遷移確率をそれぞれ出力することができ、統合部は、各関心領域の2以上の各状態の遷移確率のうち、最も大きい遷移確率の状態を統合して、容器全体の細胞の状態を取得することができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、予測器は、少なくとも1つの培養条件の入力を受け付けることができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、評価器は、少なくとも細胞が未分化状態であるか、または分化状態であるかを評価することができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、評価器は、少なくとも核小体の密度を評価することができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、評価器は、少なくとも白すじの密度を評価することができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、評価器は、少なくとも細胞が線維芽細胞であるか、またはフィーダー細胞であるかを評価することができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、評価器は、少なくとも細胞が多能性幹細胞であるか、またはフィーダー細胞であるかを評価することができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、評価器は、少なくとも細胞であるか、または非細胞であるかを評価することができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、評価器は、少なくとも細胞が生細胞であるか、または死細胞であるかを評価することができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置においては、予測器から出力された細胞の状態の情報を取得し、その細胞の状態の情報に基づいて、細胞に対する操作内容を決定する操作内容決定部を備えることができる。
また、上記本発明の細胞画像評価装置において、細胞に対する操作内容は、継代、培地交換、培地の変更、薬剤添加、ピッキングまたは遺伝子検査であることが好ましい。
本発明の細胞画像評価プログラムは、コンピュータを、細胞を撮影した細胞画像の各関心領域について、その各関心領域に含まれる細胞の状態を評価し、その評価結果を出力する評価器と、時系列に細胞を撮影した少なくとも2以上の細胞画像のうち、成長前段階の細胞を撮影した少なくとも1つの第1の細胞画像内における特定の関心領域の周辺領域の評価器による評価結果と、成長前段階よりも後の時点において第1の細胞画像と同じ撮影対象を撮影した第2の細胞画像内における特定の関心領域の細胞の状態との関係を予め機械学習させた予測器として機能させ、予測器が、少なくとも1つの特定の時点に撮影した第3の細胞画像の評価器による評価結果のうちの特定の関心領域の周辺領域の評価結果に基づいて、特定の時点よりも後の時点の特定の関心領域の細胞の状態を予測して出力することができる。
本発明の細胞画像評価装置および細胞画像評価プログラムによれば、細胞を撮影した細胞画像の各関心領域について、その細胞の状態の評価結果を出力する評価器と、成長前段階の細胞を撮影した第1の細胞画像内における特定の関心領域の周辺領域の評価器による評価結果と、成長前段階よりも後の時点において第1の細胞画像と同じ撮影対象を撮影した第2の細胞画像内における特定の関心領域の細胞の状態との関係を予め機械学習させた予測器とを備える。
そして、予測器が、特定の時点に撮影した第3の細胞画像の評価器による評価結果のうちの特定の関心領域の周辺領域の評価結果に基づいて、特定の時点よりも後の時点の特定の関心領域の細胞の状態を予測して出力するようにしたので、ユーザは、特定の関心領域の細胞の状態が、将来、どのように変化するかを把握することができ、たとえば継代および培地交換などの細胞に対する操作を適切なタイミングで行うことができる。
本発明の細胞画像評価装置の一実施形態を用いた細胞画像評価予測システムの概略構成を示すブロック図 評価器を説明するための説明図 細胞の種々の状態を撮影した細胞画像の一例を示す図 予測器を説明するための説明図 予測器の機械学習の方法の一例を説明するためのフローチャート 予測器の機械学習の方法の一例を説明するための説明図 予測器の機械学習の方法の一例を説明するための説明図 予測器の機械学習の方法の一例を説明するための説明図 機械学習された予測器を用いて、細胞の将来の状態を予測する方法を説明するためのフローチャート 本発明の細胞画像評価装置のその他の実施形態を用いた細胞画像評価予測システムの概略構成を示すブロック図 各関心領域の分化細胞への遷移確率および未分化細胞への遷移確率の一例を示す図 ウェル内における細胞コロニー領域毎に、その各状態の遷移確率を統合した例を示す図 異なる時点で撮影された複数の第3の細胞画像の評価結果を予測器に入力して、1つの予測結果を得る例を示す図 本発明の細胞画像評価装置のその他の実施形態を用いた細胞画像評価予測システムの概略構成を示すブロック図
以下、本発明の細胞画像評価装置および細胞画像評価プログラムの一実施形態を用いた細胞画像評価予測システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の細胞画像評価予測システムの概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の細胞画像評価予測システムは、図1に示すように、顕微鏡装置10と、細胞画像評価装置20と、表示装置30と、入力装置40とを備えている。
顕微鏡装置10は、培養容器内に収容された細胞を撮影し、細胞画像を出力するものである。本実施形態においては、具体的には、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を備えた位相差顕微鏡装置を用いる。撮像素子としては、RGB(Red Green Blue)のカラーフィルタが設けられた撮像素子を用いてもよいし、モノクロの撮像素子を用いるようにしてもよい。培養容器内に収容された細胞の位相差像が撮像素子に結像され、撮像素子から細胞画像として位相差画像が出力される。なお、顕微鏡装置10としては、位相差顕微鏡装置に限らず、微分干渉顕微鏡装置および明視野顕微鏡装置などのその他の顕微鏡装置を用いるようにしてもよい。
細胞画像としては、複数の細胞が凝集した細胞コロニーを撮影した画像でもよいし、複数の細胞が分散して分布した画像でもよい。また、本実施形態においては、撮影対象として、iPS細胞およびES細胞といった多能性幹細胞、並びに幹細胞から分化誘導された神経、皮膚、心筋および肝臓の細胞を撮影するものとする。
また、本実施形態においては、撮影対象の細胞は、複数のウェルを有するウェルプレートなどに収容される。そして、顕微鏡装置10は、水平面内の直交するX方向およびY方向に移動するステージを備えており、そのステージ上にウェルプレートが設置される。ステージがX方向およびY方向に移動することによって、ウェルプレート内における各観察領域が走査され、観察領域毎の細胞画像が撮像される。観察領域毎の細胞画像は1枚の細胞画像として合成され、細胞画像評価装置20に出力される。また、本実施形態においては、ウェルプレートを用いるようにしたが、細胞が収容される容器としてはこれに限らず、たとえばシャーレまたはディッシュなどその他の容器を用いるようにしてもよい。
細胞画像評価装置20は、図1に示すように、評価器21と、予測器22と、制御部23とを備えている。細胞画像評価装置20は、中央処理装置(CPU)、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えたコンピュータから構成されるものであり、ハードディスク等の記録媒体に本発明の細胞画像評価プログラムの一実施形態がインストールされている。そして、この細胞画像評価プログラムが中央処理装置によって実行されることによって、図1に示す評価器21、予測器22および制御部23が機能する。
評価器21は、顕微鏡装置10から出力された細胞画像を取得し、その取得した細胞画像に含まれる細胞の状態を評価するものである。具体的には、評価器21は、図2に示すように、入力された細胞画像を複数の関心領域Rに分割し、その各関心領域Rの細胞画像に含まれる細胞の状態をそれぞれ評価して、各関心領域Rの評価結果を出力する。なお、図2において点線で示す矩形領域が関心領域Rである。また、本実施形態においては、顕微鏡装置10の観察領域と上述した関心領域は同一の領域とするが、これに限らず、関心領域Rを観察領域よりも広く設定するようにしてもよいし、逆に、関心領域Rを観察領域よりも狭く設定するようにしてもよい。
本実施形態の評価器21は、各関心領域Rの細胞画像に基づいて、細胞画像に含まれる細胞が分化細胞であるか、または未分化細胞であるかを評価する。さらに、評価器21は、各関心領域Rの細胞画像が、細胞を含まない培地のみの画像であるか否かの評価と、細胞画像に含まれる白すじ(クラック)の密度の評価と、細胞画像に含まれる細胞が積層状態であるか否かの評価とを行う。そして、評価器21は、各関心領域の評価結果として、「未分化細胞(未分化状態の細胞)の領域である」、「分化細胞(分化状態の細胞)の領域である」、「白すじが密に存在する領域である」、「細胞が積層状態の領域である」、および「培地領域である」のいずれかを出力する。なお、白すじ(クラック)とは、細胞と背景間に発生する回折光による光のにじみ(ハロ)のことである。
図3Iは、培地の画像の一例を示したものであり、図3IIは、分化細胞の細胞画像の一例を示したものであり、図3IIIは、白すじの密度が高い細胞画像の一例を示したものであり、図3IVは、未分化細胞の細胞画像の一例を示したものであり、図3Vは、積層状態の細胞画像の一例を示すものである。
細胞画像に含まれる細胞が分化細胞であるか、または未分化細胞であるかの評価については、たとえば細胞画像から1つ1つの細胞単体を抽出し、その細胞単体の円形度を評価することによって評価できる。具体的には、未分化細胞は円形度が相対的に高くなるが、分化細胞は細長い形状となり、円形度が相対的に低くなる。したがって、細胞単体の円形度を算出することによって分化細胞であるか、または未分化細胞であるかを評価することができる。なお、細胞画像から細胞単体を抽出する方法としては、エッジ検出処理など公知な画像処理方法を用いることができる。
また、分化細胞であるか、または未分化細胞であるかを評価する方法としては、上述した細胞単体の円形度に基づく評価に限らず、その他にも細胞単体の単位面積当たりの数(密度)、核小体の単位面積当たりの数(密度)、および細胞単体の平均面積などを用いて評価するようにしてもよい。細胞単体の密度は、分化細胞よりも未分化細胞の方が高くなる傾向があり、核小体の密度も、同様に、分化細胞よりも未分化細胞の方が高くなる傾向がある。また、細胞単体の平均面積については、未分化細胞よりも分化細胞の方が大きくなる傾向がある。なお、上記の評価方法に限らず、その他の公知な評価方法を用いるようにしてもよい。
関心領域が、培地領域であるか否かの評価については、たとえば各関心領域の細胞画像から細胞単体を抽出し、その細胞単体の数が予め設定された閾値以下である場合には、培地領域であると評価するようにすればよい。
関心領域の細胞画像に含まれる白すじの密度の評価については、たとえば細胞画像に対して2値化処理を施し、その2値化処理後の画像から白画素が細長く連続して存在する白画素領域を抽出し、その面積の密度を算出するようにすればよい。そして、その算出した白画素領域の密度が、予め設定された閾値以上である場合に、白すじが密に存在する領域であると評価するようにすればよい。
細胞画像に含まれる細胞が積層状態であるか否かの評価については、細胞が積層状態である場合には、細胞の密集度が高くなり、細胞画像の輝度が高くなる。したがって、細胞画像の輝度分布を取得し、輝度の平均値が、予め設定された閾値よりも高い場合には、細胞が積層状態であると評価するようにすればよい。または、細胞画像の輝度分布の空間周波数を解析することによって細胞が積層状態であるか否かを評価するようにしてもよい。なお、細胞が積層状態であるか否かの評価方法についても、その他の公知な方法を用いることができる。
次に、予測器22は、特定の時点に撮影した細胞画像の評価器21による評価結果の入力を受け付け、その細胞画像内における特定の関心領域の周辺領域の評価器21による評価結果に基づいて、特定の時点よりも後の時点の特定の関心領域の細胞の状態を出力するものである。
特定の時点とは、たとえば現時点であり、特定の時点よりも後の時点とは、現時点よりも将来の時点である。すなわち、予測器22は、たとえば特定の関心領域および特定の関心領域の周辺領域に含まれる現在の細胞の状態の評価結果に基づいて、上記特定の関心領域に含まれる細胞の将来の状態を予測して出力するものである。なお、細胞の将来の状態とは、細胞が時間の経過にともなって変化した結果を示す状態であり、たとえば未分化状態、分化状態、白すじが密に存在した状態、および積層状態などがある。ただし、これらの状態に限られず、適宜設定することが可能である。
具体的には、予測器22は、図4に示すように、特定の時点に撮影した細胞画像の各関心領域Rの評価結果の入力を受け付ける。そして、予測器22は、入力された細胞画像内の複数の関心領域Rのうちの特定の関心領域SRおよび特定の関心領域SRの周辺の関心領域Rの評価結果に基づいて、特定の関心領域SRに含まれる細胞の将来の状態を予測して出力するものである。なお、図4においては、周辺の関心領域Rを斜線で示している。
予測器22は、上述したように細胞の将来の状態を予測して出力するため、予め機械学習されたものである。具体的には、予測器22は、時系列に細胞を撮影した少なくとも2以上の細胞画像のうち、成長前段階の細胞を撮影した第1の細胞画像内における特定の関心領域および特定の関心領域の周辺領域の評価結果と、成長前段階よりも後の時点において第1の細胞画像と同じ撮影対象を撮影した第2の細胞画像内における特定の関心領域の細胞の状態との関係を予め機械学習させたものである。以下、予測器22の機械学習の方法の一例を、図5に示すフローチャートおよび図6〜図8を参照しながら説明する。
まず、成長段階前の細胞を撮影した第1の細胞画像と、成長前段階よりも後の時点の第2の細胞画像を取得し(S10)、これらの画像を評価器21に入力して、上述したような各関心領域Rの評価結果を取得する(S12)。図6Iは、成長前段階の第1の細胞画像内における各関心領域Rの評価結果の一例を示す図である。また、図6IIは、第1の細胞画像が撮影された時点から2日後に撮影された第2の細胞画像内における各関心領域Rの評価結果の一例を示す図である。図6Iおよび図6IIにおいては、「培地領域である」
との評価結果を「1」、「分化細胞の領域である」との評価結果を「2」、「白すじが密に存在する領域である」との評価結果を「3」、「未分化細胞の領域である」との評価結果を「4」、および「細胞が積層状態の領域である」との評価結果を「5」として示している。
そして、図6Iに示す第1の細胞画像の評価結果と、図6IIに示す第2の細胞画像の評価結果との対応関係が取得され(S14)、その関係が予測器22によって機械学習される(S16)。具体的には、たとえば図6Iに示す3×3の関心領域の領域ER11と、
その領域ER11に対応する第2の細胞画像における領域ER12とが特定される。そして、図7Iに示すように、領域ER11に含まれる関心領域Rのうち、中心に位置する特定の関心領域SR11およびその周辺の関心領域R11の評価結果と、領域ER12の中心に位置する特定の関心領域SR12の評価結果とが対応付けられ、この対応関係が予測器22によって機械学習される。より具体的には、図8に示すように、領域ER11の各関心領域Rの評価結果を左上の評価結果から右下の評価結果に向けて順に配列した学習特徴量が求められ、この学習特徴量に対応する学習クラスとして、領域ER12の特定の関心領域SR12の評価結果が求められる。そして、図8に示す学習特徴量と学習クラスとの関係が、予測器22によって機械学習される。
同様に、図6Iに示す3×3の関心領域の領域ER21と、その領域ER21に対応する第2の細胞画像における領域ER22とが特定される。そして、図7IIに示すように、領域ER21に含まれる関心領域Rのうち、中心に位置する特定の関心領域SR21およびその周辺の関心領域R21の評価結果と、領域ER22の中心に位置する特定の関心領域SR22の評価結果とが対応付けられ、この対応関係が予測器22によって機械学習される。具体的には、図8に示すように、領域ER21の各関心領域Rの評価結果を左上の評価結果から右下の評価結果に向けて順に配列した学習特徴量が求められ、この学習特徴量に対応する学習クラスとして、領域ER22の特定の関心領域SR22の評価結果が求められる。そして、図8に示す学習特徴量と学習クラスとの関係が、予測器22によって機械学習される。
また、同様に、図6Iに示す3×3の関心領域の領域ER31と、その領域ER31に対応する第2の細胞画像における領域ER32とが特定される。そして、図7IIIに示すように、領域ER31に含まれる関心領域Rのうち、中心に位置する特定の関心領域SR31およびその周辺の関心領域R31の評価結果と、領域ER32の中心に位置する特定の関心領域SR32の評価結果とが対応付けられ、この対応関係が予測器22によって機械学習される。そして、図8に示すように、領域ER31の学習特徴量とその学習特徴量に対応する学習クラスとして、領域ER32の特定の関心領域SR32の評価結果が求められる。そして、図8に示す学習特徴量と学習クラスとの関係が、予測器22によって機械学習される。
なお、ここでは、3つの領域の評価結果の対応関係を機械学習する場合について説明したが、3つの領域だけでなく、その他の多数の領域の評価結果の対応関係が、予測器22によって機械学習される。また、上記説明では、3×3の関心領域の評価結果の対応関係を用いるようにしたが、3×3に限るものではない。たとえば、5×5の関心領域の評価結果の対応関係を用いて機械学習するようにしてもよい。
なお、機械学習の手法としては、サポートベクタマシン(SVM)、ディープニューラルネットワーク(DNN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、およびデノイジングスタックオートエンコーダ(DSA)などを用いることができる。
また、予測器22を機械学習させる際に用いる第1の細胞画像および第2の細胞画像は、必ずしも顕微鏡装置10によって撮影されたものでなくてもよく、本実施形態の細胞画像評価予測システム以外の外部のサーバ装置になどに保存された細胞画像を用いるようにしてもよい。
図9は、上述したようにして機械学習された予測器を用いて、細胞の将来の状態を予測する方法を説明するためのフローチャートである。
図9に示すように、まず、顕微鏡装置10によって特定の時点に撮影された第3の細胞画像が評価器21に入力される(S20)。そして、評価器21によって第3の細胞画像の各関心領域Rの細胞の状態が評価される(S22)。
次いで、第3の細胞画像の各関心領域Rの評価結果が予測器22に入力される。予測器22は、図4に示すように、第3の細胞画像内における特定の関心領域SRの評価結果とその周辺の関心領域Rの評価結果に基づいて、特定の時点よりも後の時点の特定の関心領域SRの細胞の状態を予測する(S24)。
そして、本実施形態の予測器22は、第3の細胞画像内の各関心領域Rを特定の関心領域SRに設定して、上記と同様にして、細胞の状態を予測し、上述した学習クラスを評価結果とする予測マップを生成する(S26)。
図1に戻り、制御部23は、細胞画像評価装置20全体を制御するものである。また、制御部23は、予測器22において生成された予測マップを表示装置30に表示させるものである。本実施形態においては、ウェル毎の第3の細胞画像が評価器21に入力され、その評価結果に基づいて、ウェル毎の予測マップが生成される。予測マップとしては、たとえば予測された評価結果に基づいて、それぞれ色分けされたカラーマップを生成して表示装置30に表示するようにすればよい。
上記実施形態の細胞画像評価予測システムによれば、細胞を撮影した細胞画像を複数の領域に分割した各関心領域について、その細胞の状態の評価結果を出力する評価器21と、成長前段階の細胞を撮影した第1の細胞画像内における特定の関心領域および特定の関心領域の周辺領域の評価器21による評価結果と、成長前段階よりも後の時点において第1の細胞画像と同じ撮影対象を撮影した第2の細胞画像内における特定の関心領域の細胞の状態との関係を予め機械学習させた予測器22とを備える。
そして、予測器22が、特定の時点に撮影した第3の細胞画像の評価器21による評価結果の入力を受け付け、第3の細胞画像内における特定の関心領域および特定の関心領域の周辺領域の評価器21による評価結果に基づいて、特定の時点よりも後の時点の特定の関心領域の細胞の状態を出力するようにしたので、ユーザは、特定の関心領域の細胞の状態が、将来、どのように変化するかを把握することができ、たとえば継代などの細胞に対する操作を適切なタイミングで行うことができる。
なお、本実施形態においては、第1の細胞画像および第3の細胞画像の評価器21による評価として、核小体の密度を含めるようにしてもよい。未分化細胞は、細胞が凝集してコロニーを形成するので核小体の密度が高く、分化細胞は、各細胞同士が離れて分布するため核小体の密度は低くなる。したがって、評価器21による評価として核小体の密度を含めることによって、分化細胞であるか、または未分化細胞であるかの予測器22の予測結果の精度を向上させることができる。
また、本実施形態においては、成長前段階の細胞を撮影した第1の細胞画像内における特定の関心領域および特定の関心領域の周辺領域の評価器21による評価結果と、成長前段階よりも後の時点において第1の細胞画像と同じ撮影対象を撮影した第2の細胞画像内における特定の関心領域の細胞の状態との関係を予め機械学習させた予測器22を設け、その予測器22が、特定の時点に撮影した第3の細胞画像の評価器21による評価結果の入力を受け付け、特定の時点に撮影した第3の細胞画像内における特定の関心領域および特定の関心領域の周辺領域の評価器21による評価結果に基づいて、特定の時点よりも後の時点の特定の関心領域の細胞の状態を出力するようにしたが、すなわち、特定の関心領域の評価とその周辺領域の評価結果とを用いて予測器22の機械学習を行い、特定の関心領域の評価とその周辺領域の評価結果とを用いて特定の関心領域の細胞の状態を予測して出力するようにしたが、予測器22の機械学習を行う際、成長前段階の細胞の評価結果として、特定の関心領域の評価結果を用いることなく、特定の関心領域の周辺領域の評価結果のみを用いるようにしてもよい。また、予測器22によって特定の関心領域の細胞の状態を予測して出力させる際、特定の関心領域の評価結果を用いることなく、特定の関心領域の周辺領域の評価結果のみを用いるようにしてもよい。
すなわち、成長前段階の細胞を撮影した第1の細胞画像内における特定の関心領域の周辺領域の評価器21による評価結果と、成長前段階よりも後の時点において第1の細胞画像と同じ撮影対象を撮影した第2の細胞画像内における特定の関心領域の細胞の状態との関係を予め機械学習させた予測器22を設け、特定の時点に撮影した第3の細胞画像内における特定の関心領域の周辺領域の評価器21による評価結果に基づいて、特定の時点よりも後の時点の特定の関心領域の細胞の状態を出力するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、予測器22によって生成された予測マップを表示装置30に表示させるようにしたが、これに限らず、予測器22から出力された各関心領域の予測結果を統合して、ウェル全体の細胞の状態を表す指標を表示装置30に表示させるようにしてもよい。図10は、上述したように各関心領域の予測結果を統合して、ウェル全体の細胞の状態を表す指標を取得する統合部23aを有する細胞画像評価予測システムの概略構成を示すブロック図である。
統合部23aは、たとえば分化細胞の領域および未分化細胞の領域に基づいて、ウェル全体における細胞のコンフルエンシーを算出し、その割合を予測マップとともに表示装置30に表示させる。または、たとえばウェル全体の平均品質を算出し、予測マップとともに表示装置30に表示させるようにしてもよい。ウェル全体の平均品質を算出する方法としては、たとえば細胞領域全体に占める分化細胞の領域または未分化細胞の領域の割合と、人間の目視による評価点(たとえば3段階の評価点)を元に回帰式を予め準備しておき、ウェル全体に占める分化細胞の領域または未分化細胞の領域の割合に対して、上述した回帰式を当てはめることによって、ウェル全体の平均品質を算出するようにすればよい。回帰の方法としては、これに限らず、重回帰でもよいし、ロジスティック回帰でもよい。
また、コンフルエンシーおよび平均品質に限らず、ウェル全体の細胞の状態を表す指標であれば、その他の指標を表示装置30に表示させるようにしてもよい。また、ウェル全体の指標に限らず、ウェルプレート全体の指標を算出して表示させるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、分化細胞の領域であるか、または未分化細胞の領域であるかなど、関心領域がどの領域に属するかを予測器22から出力させるようにしたが、これに限らず、関心領域内に含まれる細胞の2以上の各状態への遷移確率を予測器22から出力させるようにしてもよい。具体的には、たとえば図11に示すように、各関心領域Rについて分化細胞への遷移確率と未分化細胞への遷移確率とを出力するように予測器22を構成してもよい。
そして、予測器22から出力された各関心領域の2以上の遷移確率をマッピングして予測マップを生成し、表示装置30に表示させるようにしてもよい。または、統合部23aが、各関心領域の2以上の遷移確率を統合して、ウェル全体の細胞の状態を取得するようにしてもよい。
統合部23aにおける各関心領域の2以上の遷移確率の統合方法としては、たとえば各関心領域の2以上の遷移確率のうちの、最も大きい遷移確率の細胞の状態を統合するようにしてもよい。具体的には、図11に示すように、各関心領域Rについて、分化細胞への遷移確率と未分化細胞への遷移確率を予測器22が出力する場合には、各関心領域Rの2つの遷移確率のうちの大きい方の遷移確率の細胞の状態を、その関心領域Rの細胞の状態として取得する。たとえば所定の関心領域Rの分化細胞への遷移確率が80%であり、未分化細胞への遷移確率が20%である場合には、その所定の関心領域Rの細胞の状態は分化細胞であるとする。そして、ウェル内のその他の関心領域Rについても、同様にして、分化細胞であるか、未分化細胞であるかを特定する。そして、ウェル全体の関心領域Rの数に対する分化細胞の関心領域Rの数の比率と、ウェル全体の関心領域Rの数に対する未分化細胞の関心領域Rの数の比率とを算出することによって、ウェル全体の細胞の状態を取得する。
または、上述したように各関心領域の2以上の遷移確率のうちの、最も大きい遷移確率を統合するのではなく、各関心領域の各遷移確率をウェル全体で統合するようにしてもよい。具体的には、ウェル内の各関心領域について、たとえば分化細胞への遷移確率と、未分化細胞への遷移確率と、積層状態への遷移確率と、培地への遷移確率とを予測器22から出力する場合には、ウェル内の全ての関心領域の各状態の遷移確率を、状態毎にそれぞれ加算し、その加算した確率を関心領域の数で除算することによって、ウェル全体について、分化細胞への遷移確率と、未分化細胞への遷移確率と、積層状態への遷移確率と、培地への遷移確率とを取得するようにしてもよい。
また、ウェル全体について各状態への遷移確率を統合するのではなく、細胞コロニー単位で各状態への遷移確率を統合するようにしてもよい。図12は、ウェルW内における細胞コロニー領域CR毎に、その各状態への遷移確率を統合した例を示したものである。図12では、細胞コロニー領域CRに含まれる各関心領域の分化状態への遷移確率と、未分化細胞への遷移確率と、積層状態への遷移確率とを統合した例を示している。図12に示すような遷移確率マップを生成して表示装置30に表示させるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、予測器22に対して、1つの第3の細胞画像の評価結果を入力するようにしたが、これに限らず、複数の異なる時点で撮影された第3の細胞画像の評価結果を入力するようにしてもよい。図13は、現時点において撮影された第3の細胞画像の評価結果と、1日前に撮影された第3の細胞画像の評価結果と、2日前に撮影された第3の細胞画像の評価結果とを予測器22に入力して、1つの予測結果を得る例を示す図である。なお、この場合、予測器22を機械学習させる際にも、複数の異なる時点で撮影された第1の細胞画像の評価結果が入力される。
また、上記実施形態においては、予測器22に対して、第3の細胞画像の評価結果を入力するようにしたが、第3の細胞画像の評価結果に加えて、少なくとも1つの培養条件を入力するようにしてもよい。培養条件としては、培地の種類および量、培養における環境温度および湿度、並びに成長因子の有無などがある。なお、この場合、予測器22を機械学習させる際にも、上述したような培養条件が予測器22に入力される。培養条件については、たとえばユーザが入力装置40を用いて設定入力すればよい。
また、上記実施形態においては、予測器22が、たとえば1日後および2日後などの予測日時の入力を受け付けるようにし、その予測日時における細胞の状態を予測して出力するようにしてもよい。なお、この場合、予測器22を機械学習させる際、第1の細胞画像と第2の細胞画像との間の時間情報も予測器22に入力される。時間情報については、たとえばユーザが入力装置40を用いて設定入力すればよい。
また、上記実施形態においては、図14に示すように、予測器22から出力された細胞の状態の情報を取得し、その細胞の状態の情報に基づいて、細胞に対する操作内容を決定する操作内容決定部23bを設けるようにしてもよい。具体的には、上述したようにウェル内の細胞のコンフルエンシーを算出する場合には、操作内容決定部23bが、コンフルエンシーの値に基づいて、継代、薬剤添加、およびピッキングなどの操作を決定するようにしてもよい。操作内容決定部23bによって決定された操作内容は表示装置30に表示され、ユーザに対してその操作を行うように促す。また、上述したようにウェル内の細胞の平均品質を算出する場合には、操作内容決定部23bが、平均品質の値に基づいて、培地交換および培地変更などの操作を決定するようにしてもよい。操作内容決定部23bによって決定された操作内容は表示装置30に表示され、ユーザに対してその操作を行うように促す。また、操作内容決定部23bにおいて決定する操作内容としては、上述した例に限らず、遺伝子検査を行うように表示装置30に表示させるようにしてもよい。具体的には、たとえば細胞の品質が予め設定しておいた基準値を下回り、品質が悪い場合に、遺伝子検査を行うようユーザに促すようにしてもよい。また、細胞の状態の予測結果として、“不明”というクラスを設けておき、このクラスの出現数が多い場合に、遺伝子検査を行うよう促し、これにより細胞の状態を確定するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、評価器21において未分化細胞であるか、または分化細胞であるかを評価するようにしたが、これに限られるものではない。たとえば評価器21において、関心領域内の細胞が線維芽細胞であるか、フィーダー細胞であるかを評価するようにしてもよい。線維芽細胞は、皮膚を構成する細胞の1つである。評価器21によって線維芽細胞であるか、またはフィーダー細胞であるかを評価し、上記実施形態と同様にして予測器22に機械学習させ、予測器22から各関心領域が線維芽細胞であるか、フィーダー細胞であるかを出力させることによって、線維芽細胞の成長度を知ることができる。
また、評価器21において、関心領域内の細胞が多能性幹細胞であるか、フィーダー細胞であるかを評価するようにしてもよい。多能性幹細胞としては、iPS細胞およびES細胞がある。評価器21によって多能性幹細胞であるか、またはフィーダー細胞であるかを評価し、上記実施形態と同様にして予測器22に機械学習させ、予測器22から各関心領域内の細胞が多能性幹細胞であるか、またはフィーダー細胞であるかを出力させることによって、多能性幹細胞の成長度を知ることができる。
また、評価器21において、関心領域が細胞の領域であるか、非細胞の領域であるかを評価するようにしてもよい。評価器21によって細胞の領域であるか、または非細胞の領域であるかを評価し、上記実施形態と同様にして予測器22に機械学習させ、予測器22から各関心領域が細胞の領域であるか、または非細胞の領域であるかを出力させることによって、細胞の成長度および分布状態を知ることができる。
また、評価器21において、関心領域内の細胞が生細胞であるか、死細胞であるかを評価するようにしてもよい。評価器21によって細胞が生細胞であるか、または死細胞であるかを評価し、上記実施形態と同様にして予測器22に機械学習させ、予測器22から各関心領域が生細胞の領域であるか、死細胞の領域であるかを出力させることによって、細胞の成長度およびウェル内の細胞の培養状態を知ることができる。なお、生細胞であるか、死細胞であるかを評価する方法としては、たとえば細胞に含まれる核小体を抽出し、核小体が存在する細胞を生細胞として評価し、核小体が存在しない細胞を死細胞として評価するようにすればよい。
10 顕微鏡装置
20 細胞画像評価装置
21 評価器
22 予測器
23 制御部
23a 統合部
23b 操作内容決定部
30 表示装置
40 入力装置
CR 細胞コロニー領域
ER11 領域
ER12 領域
ER21 領域
ER22 領域
ER31 領域
ER32 領域
R 関心領域
SR 特定の関心領域
W ウェル

Claims (15)

  1. 細胞を撮影した細胞画像の各関心領域について、該各関心領域に含まれる細胞の状態を評価し、該評価結果を出力する評価器と、
    時系列に細胞を撮影した少なくとも2以上の細胞画像のうち、成長前段階の細胞を撮影した少なくとも1つの第1の細胞画像内における特定の前記関心領域の周辺領域の前記評価器による評価結果と、前記成長前段階よりも後の時点において前記第1の細胞画像と同じ撮影対象を撮影した第2の細胞画像内における前記特定の関心領域の細胞の状態との関係を予め機械学習させた予測器であって、細胞が収容された容器内を少なくとも1つの特定の時点に撮影した第3の細胞画像の前記評価器による評価結果のうちの複数の関心領域各々の周辺領域の評価結果に基づいて、前記特定の時点よりも後の時点の前記容器内の前記複数の関心領域の細胞の状態を予測して出力する予測器と、
    前記予測器により出力された前記複数の関心領域の細胞の状態を統合して、前記容器全体の細胞の状態を取得する統合部と、
    を備えた細胞画像評価装置。
  2. 前記予測器が、前記細胞の状態の出力として、2以上の各状態への遷移確率を出力する請求項1記載の細胞画像評価装置。
  3. 前記予測器が、前記細胞の状態の出力として、2以上の各状態への遷移確率をそれぞれ出力し、
    前記統合部が、前記各関心領域の2以上の各状態の遷移確率を該状態毎に統合して、前記容器全体の細胞の状態を取得する請求項記載の細胞画像評価装置。
  4. 前記予測器が、前記細胞の状態の出力として、2以上の各細胞の状態への遷移確率をそれぞれ出力し、
    前記統合部が、前記各関心領域の2以上の各状態の遷移確率のうち、最も大きい遷移確率の状態を統合して、前記容器全体の細胞の状態を取得する請求項記載の細胞画像評価装置。
  5. 前記予測器が、少なくとも1つの培養条件の入力を受け付ける請求項1からいずれか1項記載の細胞画像評価装置。
  6. 前記評価器が、少なくとも細胞が未分化状態であるか、または分化状態であるかを評価する請求項1からいずれか1項記載の細胞画像評価装置。
  7. 前記評価器が、少なくとも核小体の密度を評価する請求項1からいずれか1項記載の細胞画像評価装置。
  8. 前記評価器が、少なくとも白すじの密度を評価する請求項1からいずれか1項記載の細胞画像評価装置。
  9. 前記評価器が、少なくとも細胞が線維芽細胞であるか、またはフィーダー細胞であるかを評価する請求項1からいずれか1項記載の細胞画像評価装置。
  10. 前記評価器が、少なくとも細胞が多能性幹細胞であるか、またはフィーダー細胞であるかを評価する請求項1からいずれか1項記載の細胞画像評価装置。
  11. 前記評価器が、少なくとも細胞であるか、または非細胞であるかを評価する請求項1からいずれか1項記載の細胞画像評価装置。
  12. 前記評価器が、少なくとも細胞が生細胞であるか、または死細胞であるかを評価する請求項1からいずれか1項記載の細胞画像評価装置。
  13. 前記予測器から出力された細胞の状態の情報を取得し、該細胞の状態の情報に基づいて、前記細胞に対する操作内容を決定する操作内容決定部を備えた請求項1から12いずれか1項記載の細胞画像評価装置。
  14. 前記細胞に対する操作内容が、継代、培地交換、培地の変更、薬剤添加、ピッキングまたは遺伝子検査である請求項13記載の細胞画像評価装置。
  15. コンピュータを、
    細胞を撮影した細胞画像の各関心領域について、該各関心領域に含まれる細胞の状態を評価し、該評価結果を出力する評価器と、
    時系列に細胞を撮影した少なくとも2以上の細胞画像のうち、成長前段階の細胞を撮影した少なくとも1つの第1の細胞画像内における特定の前記関心領域の周辺領域の前記評価器による評価結果と、前記成長前段階よりも後の時点において前記第1の細胞画像と同じ撮影対象を撮影した第2の細胞画像内における前記特定の関心領域の細胞の状態との関係を予め機械学習させた予測器であって、細胞が収容された容器内を少なくとも1つの特定の時点に撮影した第3の細胞画像の前記評価器による評価結果のうちの複数の関心領域各々の周辺領域の評価結果に基づいて、前記特定の時点よりも後の時点の前記容器内の前記複数の関心領域の細胞の状態を予測して出力する予測器と、
    前記予測器により出力された前記複数の関心領域の細胞の状態を統合して、前記容器全体の細胞の状態を取得する統合部として機能させる細胞画像評価プログラム。
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