JP6800951B2 - 医療装置 - Google Patents
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Description
<医療装置の構成>
図1は、第1実施形態の薬液投与装置1の全体構成を説明するための分解斜視図である。図2は、第1実施形態の薬液投与装置1の要部を抜粋した断面図である。図3は、第1実施形態の薬液投与装置1の要部の平面図である。図4は、第1実施形態の薬液投与装置1のブロック図である。これらの図に示す薬液投与装置1は、装置本体20、クレードル30、およびリモートコントローラ40を有する。装置本体20は、リユース部20aとディスポ部20bとに分離される。以下、薬液投与装置1の詳細な構成を、装置本体20を構成するリユース部20aおよびディスポ部20b、クレードル30、リモートコントローラ40の順に説明する。
リユース部20aは、装置本体20の電子制御機能が集約的に配置された部分である。このリユース部20aは、図1に示した蓋体11の内部に、電子制御機能を収容して構成されている。蓋体11の内部に収容された電子制御機能は、電源部12aを有する回路基板12、モータや歯車部等の駆動部13、エネルギー照射部14、検知部としての光センサ15、出力部16、本体通信部17、および本体演算部18である。
蓋体11は、以降に説明するディスポ部20bの筐体21と嵌合するものであり、ディスポ部20bに向かう主面側に、上述した電子制御機能が収容された構成となっている。
回路基板12は、蓋体11内に固定されたもので、上述した駆動部13、エネルギー照射部14、光センサ15、出力部16、本体通信部17、および本体演算部18を相互に接続する状態で、これらを搭載する。またこの回路基板12は、以降に説明するディスポ部20bに配置される電池からの電力を、配線を介して各部に供給するための電源部12aを備えている。
駆動部13は、ディスポ部20bに設けられた注射器22の押し子を駆動させるものである。この駆動部13は、例えば電池によって駆動されるモータおよび、モータの駆動によって連動して回転する複数段の歯車で構成されている。
エネルギー照射部14は、以降に説明するクレードル30に設けられた変色部材34を変色させるためのエネルギー線Eを照射する。エネルギー線Eは、例えば光線または熱線である。光線であれば紫外光が好ましく用いられる。また熱線であれば、例えば80℃〜90℃程度の加熱が可能な輻射熱ヒータが用いられる。エネルギー照射部14は、このようなエネルギー線Eの照射により、変色部材34を変色させる。
光センサ15は、検査光Hを発信する発光素子と、発信した検査光Hの反射光を検出する受光素子とで構成された検知部である。受光素子としては、次に説明する変色部材34の変色を検知できるもの、例えば変色部材34の色変化を検出できるカラーセンサが用いられる。なお、変色部材34の色変化を、変色部材34で反射させた検査光Hの検出強度差として検出できる場合、光センサ15の受光素子はモノクロセンサであってもよい。
出力部16は、警報Wを出力する。この出力部16が出力する警報Wとしては、例えば振動または音などを単独で、またはこれらを併用して発するものが適用され、さらに光を発するものであってもよい。
本体通信部17は、ペアリングされたリモートコントローラ40との間で無線通信を行う部分である。この本体通信部17は、発信部と受信部とを有し、所定の波長帯域の電波を使った無線通信を行う部分であり、特に極超短波またはマイクロ波を用いた無線通信を行う。
本体演算部18は、ペアリングされたリモートコントローラ40から送信された信号に基づいて、駆動部13、エネルギー照射部14、光センサ15、および出力部16の動作を制御する。
ディスポ部20bは、リユース部20aの蓋体11によって閉塞される筐体21と、この筐体21の内部に収納された注射器22、電池ボックス23、および装着検出部としてのマイクロスイッチ25を備えている。
筐体21は、平箱形状の主面側を大きく開口した凹状の収納部21aと、平箱形状の裏側主面の角部を開口した小容量の凹状の裏面収納部21bを有する。裏面収納部21bの底面は、収納部21a側に凸となっている。これらの収納部21aと裏面収納部21bとは、収納部21aと裏面収納部21bとを隔てる壁面に設けた開口において連通している。
注射器22は、患者に投与する薬液が貯留された外筒と、外筒に陥入される押し子とを備えている。外筒には、薬液の排出ポートが設けられており、排出ポートを介して中空管22aが接続されている。押し子の端部には歯車が設けられている。リユース部20aとディスポ部20bとを結合させた状態において、押し子の端部に設けた歯車は、リユース部20aを構成する駆動部13の歯車と嵌合される。これにより、駆動部13の駆動によって押し子が外筒に押し込まれ、外筒の排出ポートから薬液が押し出される構成となっている。
電池ボックス23は、リユース部20aを構成する駆動部13およびその他の構成要素の電源となる電池を収納するものであり、筐体21の収納部21aに対して固定された状態で収納されている。この電池ボックス23は、内部に収納した電池を、リユース部20aの回路基板12に設けられた電源部12aに接続するための電極を備えている。なお、この電池ボックス23は、リユース部20aの構成要素として設けられてもよく、電池ボックス23を電源部12aに含めてもよい。
マイクロスイッチ25は、クレードル30に対する装置本体20の装着を検出するための装着検出部である。このマイクロスイッチ25は、筐体21の外周壁にスイッチ面を臨ませた状態で配置されている。より詳しくは、クレードル30に対して装置本体20をスライドさせながら装着させる場合に、以降に説明するクレードル30におけるプレート31の壁部31bに正面から近接して接触する筐体21の部分に、マイクロスイッチ25が配置されている。
クレードル30は、穿刺針を保持し、上述したリユース部20aとディスポ部20bとを結合させた装置本体20が装着されるものである。このようなクレードル30は、プレート31と、投与ポート32と、接着層33と、状態変化部を構成する変色部材34と、スイッチ押圧部35とを備えている。
プレート31は、クレードル30の筐体となる部分であり、装置本体20に対して着脱自在なものである。より詳しくは、プレート31は、ディスポ部20bの筐体21に対して、リユース部20aとは逆側から着脱自在に装着される。このようなプレート31は、底板31aの周縁を部分的に立ち上げた壁部31bを備えており、壁部31bが開口している側から装置本体20をスライドさせることにより、クレードル30に装置本体20を装着させる。このようなプレート31は、投与ポート32を保持するための保持部36と、センサ開口31hとを備えている。
投与ポート32は、穿刺針を保持するものであって、注射器22の外筒から引き出された中空管22aを保持するためのシール部32aを備え、プレート31の保持部36に対して着脱自在に設けられている。投与ポート32をプレート31の保持部36に保持させた状態においては、投与ポート32に保持された穿刺針が、プレート31に設けた貫通孔(図示省略)からディスポ部20bとは逆側に突出する。
接着層33は、プレート31において、装置本体20が装着される側とは逆側の面に設けられた軟質のシートであり、皮膚に対する接着性を有する。この接着層33は、プレート31において、投与ポート32の穿刺針を突出させる貫通孔を避けて、プレート31の広い範囲に設けられていることとする。
変色部材34は、状態変化部を構成する。この変色部材34は、エネルギー照射部14から照射されるエネルギー線Eが紫外光であれば紫外光(ultraviolet ray:UV)の照射によって変色するもの、例えばUVラベルが用いられる。またエネルギー線Eが熱線であれば、加熱によって変色するもの、例えば加熱積算ラベルが用いられる。
スイッチ押圧部35は、クレードル30に対して装置本体20をスライドさせながら装着させる場合に、装置本体20のディスポ部20bに設けられたマイクロスイッチ25を押し圧してオンとする位置に設けられている。
リモートコントローラ40は、装置本体20の駆動を操作するものである。このようなリモートコントローラ40は、電源部41、表示部42、入力部43、出力部44、コントローラ通信部45、およびこれらを制御するコントローラ演算部46を備えている。各構成要素の詳細は次のようである。
電源部41は、リモートコントローラ40を構成する各構成要素に電力を供給するためのものであり、例えば電池およびこれを収納する電池ボックス、さらには電池からの電力の供給をオン/オフするスイッチなどで構成されている。
表示部42は、装置本体20の駆動に関する各種の設定内容、次に説明する入力部43による入力内容、また装置本体20での投与履歴等を表示する。このような表示部42は、例えば液晶ディスプレイを用いて構成されている。
入力部43は、電源のオンオフ操作、装置本体20によるインスリンの投与設定、上述した各種のデータ、および表示部42での表示内容の選択等を入力する部分である。このような入力部43は、例えば図示したような操作ボタン形状のものの他、表示部42の前面に設けたタッチパネルであってもよい。入力部43が、タッチパネルである場合、表示部42は、タッチパネル用の選択ボタンやテンキーなどを表示する。
出力部44は、以降に説明するコントローラ演算部46からの指示により、警報Wを出力する。この出力部44は、警報Wとして、例えば振動、音、発光などを単独で、または併用して発するものが適用される。
コントローラ通信部45は、ペアリングされた装置本体20との通信を行う部分である。このコントローラ通信部45は、発信部と受信部とで構成されている。このコントローラ通信部45は、装置本体20側の本体通信部17との間で無線通信を行う部分であり、この本体通信部17と同様の規格化された無線通信技術が適用される。
コントローラ演算部46は、入力部43において入力された各種の設定を、表示部42に表示させ、またコントローラ通信部45から装置本体20の本体通信部17に送信させ、また出力部44に対して警報Wを出力させる。
次に、以上のような構成の薬液投与装置1の動作例(その1)として、クレードル30の使い回し防止の一連の動作の一例を説明する。以下に説明する動作は、装置本体20の本体演算部18を構成するCPUが、ROMやRAMに記録されたプログラムを実行することにより実現される。
ステップS101において、本体演算部18は、光センサ15に対して光検出を実施させる。これにより、光センサ15は、発光素子による検査光Hの発信と、受光素子による光検出とを実施する。
次にステップS102において、本体演算部18は、ステップS101で光センサ15が検出した変色部材34の色は、初期の色[C1]であるか否かを判断する。ここで、初期の色[C1]とは、エネルギー線Eの照射によって変色する前の変色部材34の色である。
ステップS103において、本体演算部18は、装置本体20に対するクレードル10の着脱回数Mを1回にリセットする処理を実施する。この着脱回数Mは、本体演算部18を構成する記憶部(例えばRAM)に記憶される。ここで、装置本体20に対するクレードル30の着脱回数Mとは、そのクレードル30の投与ポート32に対する装置本体20の中空管22aの抜き差しの回数であり、以降において同様である。
ステップS104において、本体演算部18は、図8に示すように、エネルギー照射部14に対して、所定量のエネルギー線Eの照射を指示する。ここで所定量とは、初期の色[C1]の変色部材34を、光センサ15による検出で初期の色[C1]と区別できる第2の色[C2]に変色させるだけの量である。これにより、第2の色[C2]に変色した変色部材34は、この変色部材34を備えたクレードル30が、未使用品ではなく使用済み品であることを表すものとなる。
一方、ステップS105において、本体演算部18は、クレードル30の着脱回数MをM+1とする処理を実施する。これにより、クレードル30に対する装置本体20の装着が検出された後、ステップS102において、光センサ15によって検出した変色部材34の色が初期の色[C1]ではないと判断される毎に、クレードル30の着脱回数Mが積算される。
その後ステップS106において、本体演算部18は、記憶されたクレードル30の着脱回数Mが、予め設定された閾値Mtを超えているか否かを判断する。超えている(YES)と判断した場合には、ステップS107に進む。一方、超えていない(NO)と判断した場合には、本体演算部18は、次に改めてクレードル30に対する装置本体20の装着が検出されるまで待ち、ステップS101以降の処理を繰り返す。なお、クレードル30の着脱回数Mの閾値Mtは、装置本体20の中空管22aの抜き差しに対して、投与ポート32のシール部32aの信頼性が確保できる回数が設定される。これは以降において同様である。
ステップS107において、本体演算部18は、出力部16に対して警報の出力を指示する。これにより、出力部16が警報を出力し、薬液投与装置1のユーザに対してクレードル30の着脱回数Mが、閾値Mtを超えて使い回されたものであることを通知し、クレードル30の交換を促す。なお、ステップS107は、装置本体20の出力部16から警報を出力させる処理とした。しかしながらステップS107は、本体通信部17とコントローラ通信部45との通信により、リモートコントローラ40の出力部44からも警報を出力させる処理としてもよい。またステップS107は、リモートコントローラ40の出力部44からのみ警報を出力させる処理としてもよい。
次に、以上のような構成の薬液投与装置1の動作例(その2)として、クレードル30の使い回し防止の一連の動作の他の例を説明する。以下に説明する動作は、装置本体20の本体演算部18を構成するCPUが、ROMやRAMに記録されたプログラムを実行することにより実現される。
ステップS110において、本体演算部18は、クレードル30に対する装置本体20の着脱回数Nを0回にリセットするポンプ初期化処理を実施する。この着脱回数Nは、本体演算部18を構成する記憶部(例えばRAM)に記憶される。ここで、クレードル30に対する装置本体20の着脱回数Nとは、クレードル30の投与ポート32に対して、その装置本体20の中空管22aを抜き差しした回数であり、以降において同様である。以上の後、本体演算部18は、次に改めてリユース部20aとディスポ部20bとの結合が検知されるまで待ち、ステップS110の処理を繰り返す。
先ず、ステップS101およびステップS102を、図5のフローチャートを用いて説明した動作例(その1)と同様に行う。
ステップS103’において、本体演算部18は、クレードル30の着脱回数Mを1回にリセットする処理を実行する。またさらに、本体演算部18は、装置本体20の着脱回数NをN+1とする処理を実施する。
次いで、ステップS104において、本体演算部18は、エネルギー照射部14に対して、所定量のエネルギー線Eの照射を指示し、変色部材34を第2の色[C2]に変色させる。これにより、第2の色[C2]に変色した変色部材34を備えたクレードル30が、未使用品ではなく使用済み品であることを表すものとなる。そしてステップS104の後は、本体演算部18は、次に改めてクレードル30に対する装置本体20の装着が検出されるまで待ち、ステップS101以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS102の判断で初期の色[C1]を検出していない(NO)と判断して進んだステップS105’において、本体演算部18は、クレードル30の着脱回数MをM+1とする処理を実施する。これにより、クレードル30に対する装置本体20の装着が検出された後、ステップS102において、光センサ15によって検出した変色部材34の色が初期の色[C1]ではないと判断される毎に、クレードル30の着脱回数Mが積算される。
次いでステップS121において、本体演算部18は、クレードル30の着脱回数Mが、予め設定された閾値Mtを超えているか否かを判断する。超えている(YES)と判断した場合には、ステップS122に進む。一方、超えていない(NO)と判断した場合には、ステップS125に進む。
ステップS122において、本体演算部18は、装置本体20の着脱回数Nが、予め設定された閾値Ntを超えているか否かを判断する。超えている(YES)と判断した場合には、ステップS123に進む。一方、超えていない(NO)と判断した場合には、ステップS124に進む。なお、装置本体20の着脱回数Nの閾値Ntは、投与ポート32のシール部32aに対する装置本体20の中空管22aの抜き差しに際し、中空管22aの信頼性が確保できる回数が設定される。これは以降において同様である。
ステップS123において、本体演算部18は、出力部16に対して第1警報の出力を指示する。これにより、出力部16が第1警報を出力し、薬液投与装置1のユーザに対してクレードル30の着脱回数Mが閾値Mtを超え、かつ装置本体20の着脱回数Nも閾値Ntを超えていることを通知し、クレードル30およびディスポ部20bの交換を促す。以上の後、本体演算部18は、次に改めてリユース部20aとディスポ部20bとの結合が検知されるまで待ち、ステップS110の処理を繰り返す。
ステップS124において、本体演算部18は、出力部16に対して第2警報の出力を指示する。これにより、出力部16が第2警報を出力し、薬液投与装置1のユーザに対してクレードル30の着脱回数Mが閾値Mtを超えていることを通知し、クレードル30の交換を促す。なお、第2警報は、第1警報と区別できる警報であってもよいが、区別できなくてもよい。以上の後、本体演算部18は、次に改めてマイクロスイッチがオンの状態となったと検知されるまで待ち、ステップS101以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS121の判断で、クレードル30の着脱回数Mが予め設定された閾値Mtを超えていない(NO)として進んだステップS125において、本体演算部18は、装置本体20の着脱回数Nが、予め設定された閾値Ntを超えているか否かを判断する。超えている(YES)と判断した場合には、ステップS126に進む。
ステップS126において、本体演算部18は、出力部16に対して第3警報の出力を指示する。これにより、出力部16が第3警報を出力し、薬液投与装置1のユーザに対して、クレードル30の着脱回数Mは閾値Mtを超えていないが、装置本体20の着脱回数Nが閾値Ntを超えていることを通知し、装置本体20におけるディスポ部20bの交換を促す。なお、第3警報は、第1警報および第2警報と区別できる警報であってもよいが、区別できなくてもよい。以上の後は、次に改めてリユース部20aとディスポ部20bとの結合が検知されるまで待ち、ステップS110の処理を繰り返す。
クレードル30と装置本体20の間で着脱を繰り返し行うと、投与ポート32においては、シール部32aの一部が削れたり、その削れた一部が投与ポート32内に入って穿刺針を詰まらせる。また、ディスポ部20bの中空管22aにおいては、中空管22aの鋭端部を鈍らせたり、中空管22aを詰まらせる。これにより、投与ポート32とディスポ部20bの接合部分で流路閉塞や薬液の漏れが起こる。しかしながら、以上説明した第1実施形態の薬液投与装置1によれば、装置本体20に対する1つのクレードル30の着脱回数M、さらにはクレードル30に対する1つの装置本体20の着脱回数Nを検知することができる。そして、着脱回数Mおよび着脱回数Nのそれぞれが閾値Mt、または閾値Ntを超えた場合に、出力部16から警報が出力され、薬液投与装置1のユーザに、クレードル30や装置本体20の着脱の繰り返しを通知して、クレードル30やディスポ部20bの交換を促すことができる。
<医療装置の構成>
図11は、第2実施形態の薬液投与装置2の全体構成を説明するための分解斜視図である。図12は、第2実施形態の薬液投与装置2の要部の平面図である。図13は、第2実施形態の薬液投与装置2の要部を抜粋した断面図である。図14は、第2実施形態の薬液投与装置2のブロック図である。
リユース部20aは、装置本体20の電子制御機能が集約的に配置された部分である。このリユース部20aは、図11に示した蓋体11の内部に、電子制御機能を収容して構成されている。蓋体11の内部に収容された電子制御機能は、電源部12aを有する回路基板12、モータや歯車部等の駆動部13、出力部16、本体通信部17、本体演算部18、さらには本第2実施形態に特徴的な検知部300を構成する第1マイクロスイッチ301aおよび第2マイクロスイッチ301bである。また、蓋体11には、本第2実施形態に特徴的な作用部としてのストッパ解除部310が設けられている。
検知部300は、リユース部20aにおける蓋体11の周縁部に設けられている。より詳しくは、クレードル30に対して装置本体20をスライドさせながら装着させる場合に、クレードル30におけるプレート31の壁部31bに正面から近接して接触する蓋体11の部分に、検知部300が配置されている。図13に示すように、このような検知部300は、第1マイクロスイッチ301aおよび第2マイクロスイッチ301b、蓋体11の壁部に設けられた第1開口302aおよび第2開口302b、さらに第1開口302aと第2開口302bとの間の隔壁部303とで構成されている。
ストッパ解除部310は、次に説明するクレードル30の状態変化部320の状態を変化させるための作用部として設けられたものである。このストッパ解除部310は、リユース部20aにおける蓋体11の周縁部において、検知部300に近接する位置に設けられている。このストッパ解除部310は、クレードル30に対して装置本体20をスライドさせながら装着させる場合に、クレードル30におけるプレート31の壁部31bに向かって、リユース部20aから突出させた棒状部材である。
クレードル30は、筐体となるプレート31の壁部31bに、本第2実施形態に特徴的な状態変化部320を設けている。プレート31の壁部31bにおいて、状態変化部320が設けられる位置は、クレードル30に対して装置本体20をスライドさせながら装着させる場合に、装置本体20に正面から近接して接触する位置である。プレート31の壁部31bにおいて、状態変化部320が設けられる位置には、状態変化部320を設けるための戸袋状の収容部31cが形成されている。収容部31cには、装置本体20に向かう側に、第1開口31dおよび第2開口31eが設けられている。
状態変化部320は、戸袋状の収容部31cに収容されたスイッチ押圧部321を備え、このスイッチ押圧部321の突出位置が変化するものである。このような状態変化部320は、スイッチ押圧部321の他、弾性部材322、ストッパ323、係止突起324、第1係止溝325aおよび第2係止溝325bを備えている。
次に、以上のような構成の薬液投与装置2の動作例として、クレードル30の使い回し防止の一連の動作の一例を説明する。以下に説明する動作は、装置本体20の本体演算部18を構成するCPUが、ROMやRAMに記録されたプログラムを実行することにより実現される。
ステップS201において、本体演算部18は、上述した装着の検出においてオンとなったスイッチが、第1マイクロスイッチ301aであるか否かを判断する。このステップS201において、第1マイクロスイッチ301aがオンである(YES)と判断した場合には、図16に示したように、状態変化部320のスイッチ押圧部321が初期の位置にあり、この状態で第1マイクロスイッチ301aが押し圧されたと判断し、ステップS103に進む。
ステップS103において、本体演算部18は、クレードル30の着脱回数Mを1回にリセットする処理を実施する。この着脱回数Mは、本体演算部18を構成する記憶部(例えばRAM)に記憶される。ステップS103の後、本体演算部18は、次に改めてクレードル30に対する装置本体20の装着が検出されるまで待ち、ステップS201以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS201からステップS105に進んだ場合には、図5を用いて説明した第1実施形態の医療装置の動作例(その1)と同様にステップS105〜ステップS107を実施する。
以上説明した第2実施形態の薬液投与装置2であっても、装置本体20に対する1つのクレードル30の着脱回数M、さらにはクレードル30に対する1つの装置本体20の着脱回数Nを検知することができる。そして、着脱回数Mおよび着脱回数Nのそれぞれが閾値Mt、または閾値Ntを超えた場合に、出力部16から警報が出力され、薬液投与装置2のユーザに、クレードル30や装置本体20の着脱の繰り返しを通知して、クレードル30やディスポ部20bの交換を促すことができる。
<薬液投与装置の構成>
図20は、第3実施形態の薬液投与装置3の全体構成を説明するための分解斜視図である。図21は、第3実施形態の薬液投与装置3の要部を抜粋した断面図である。図22は第3実施形態の薬液投与装置3のブロック図である。
装置本体20のリユース部20aは、装置本体20の電子制御機能が集約的に配置された部分である。このリユース部20aは、図20に示した蓋体11の内部に、電子制御機能を収容して構成されている。蓋体11の内部に収容された電子制御機能は、電源部12aを有する回路基板12、モータや歯車部等の駆動部13、出力部16、本体通信部17、本体演算部18である。
図21に示すように、磁気センサ400は、ディスポ部20bにおける筐体21の底面であって、クレードル30に向かう面に設けられている。より詳しくは、磁気センサ400は、クレードル30に対して装置本体20をスライドさせながら装着させた場合に、クレードル30に設けた磁石421と対向する位置に固定されている。
引掛部材410は、次に説明するクレードル30の状態変化部420の状態を変化させるための作用部として設けられたものである。この引掛部材410は、ディスポ部20bにおける筐体21の底面であって、クレードル30に向かう面において、磁気センサ400に近接して配置されている。
クレードル30は、筐体となるプレート31の底板31aに、本第3実施形態に特徴的な状態変化部420を設けている。状態変化部420は、プレート31の底板31aにおいて装置本体20をスライドさせる方向に沿って設けられている。プレート31の底板31aにおいて、状態変化部420が設けられる位置には、スライド方向に沿って第1溝部31fが設けられている。第1溝部31fの底面には、第1溝部31fに沿ってその中央をさらに掘り下げた第2溝部31gが設けられている。
状態変化部420は、第1溝部31fの底部に埋め込まれた磁石421と、第1溝部31fに嵌め込まれた遮蔽板422とを備え、遮蔽板422の位置によって磁石421の露出状態が変化するものである。このような状態変化部420は、磁石421および遮蔽板422の他、係止突起423を備えている。
次に、以上のような構成の薬液投与装置3の動作例として、クレードル30の使い回し防止の一連の動作の一例を説明する。以下に説明する動作は、装置本体20の本体演算部18を構成するCPUが、ROMやRAMに記録されたプログラムを実行することにより実現される。
ステップS301において、本体演算部18は、磁気センサ300において磁気検出がなされているか否かを判断する。ここで、図26に示すように、磁気センサ400は、遮蔽板422を介することなく磁石421と対向配置されることにより、磁気検出が可能となるものである。
ステップS103において、本体演算部18は、クレードル30の着脱回数Mを1回にリセットする処理を実施する。この着脱回数Mは、本体演算部18を構成する記憶部(例えばRAM)に記憶される。
一方、ステップS301からステップS105に進んだ場合には、図5を用いて説明した第1実施形態の医療装置の動作例(その1)と同様にステップS105〜ステップS107を実施する。
以上説明した第3実施形態の薬液投与装置3であっても、装置本体20に対する1つのクレードル30の着脱回数M、さらにはクレードル30に対する1つの装置本体20の着脱回数Nを検知することができる。そして、着脱回数Mおよび着脱回数Nのそれぞれが閾値Mt、または閾値Ntを超えた場合に、出力部16から警報が出力され、薬液投与装置3のユーザに、クレードル30や装置本体20の着脱の繰り返しを通知して、クレードル30やディスポ部20bの交換を促すことができる。
14…エネルギー照射部
15…光センサ(検知部)
16…出力部
18…本体演算部(演算部)
20…装置本体
25…マイクロスイッチ(装着検出部)
26…コントローラ演算部(演算部)
30…クレードル
34…変色部材(状態変化部)
300…検知部
301a…第1マイクロスイッチ(検知部、装着検出部)
301b…第2マイクロスイッチ(検知部、装着検出部)
310…ストッパ解除部(作用部)
320…状態変化部
321…スイッチ押圧部
400…磁気センサ(検知部)
410…引掛け部(作用部)
420…状態変化部
421…磁石
422…遮蔽板
E…エネルギー線
M…クレードル側着脱回数(装置本体に対するクレードルの着脱回数)
N…装置本体側着脱回数(クレードルに対する装置本体の着脱回数)
Mt…クレードル側着脱回数の閾値
Nt…装置本体側着脱回数の閾値
Claims (9)
- 皮膚に対して接着して用いられるクレードルと、
前記クレードルに対して装着される装置本体と、
前記クレードルに設けられた状態変化部と、
前記装置本体を前記クレードルに対して装着した状態で、前記状態変化部の状態を検知するように当該装置本体に設けられた検知部と、
前記クレードルに対する前記装置本体の装着を検出する装着検出部と、
警報を出力する出力部と、
前記装置本体に設けられた演算部とを備え、
前記演算部は、
前記装着検出部において前記クレードルに対する前記装置本体の装着が検出された場合に、前記検知部によって検知した前記状態変化部の状態が初期状態であるか否かを判断し、
初期状態で有ると判断した場合に前記装置本体に対する前記クレードルの着脱回数をリセットし、初期状態ではないと判断される毎に前記クレードルの着脱回数を積算し、
前記クレードルの着脱回数と予め設定された閾値との比較結果に基づいて、前記出力部に対して警報の出力を指示する
医療装置。 - 前記装置本体は、前記演算部を有するリユース部と、当該リユース部に結合されるディスポ部とを備えた
請求項1記載の医療装置。 - 前記演算部は、前記リユース部と前記ディスポ部とが結合されたことを検知した場合に、前記クレードルに対する前記装置本体の着脱回数をリセットし、前記装着検出部において前記クレードルに対する前記装置本体の装着が検出される毎に、前記装置本体の着脱回数を積算し、前記装置本体の着脱回数と予め設定された閾値との比較結果に基づいて、前記出力部に対して警報の出力を指示する
請求項2に記載の医療装置。 - 前記状態変化部は、変色部材によって構成され、
前記検知部は、前記変色部材の色を検知する光センサであり、
前記演算部は、前記光センサによって検知した前記変色部材の色により、前記変色部材によって構成された前記状態変化部の状態が初期の状態から変化しているか否かを判断する
請求項1〜3の何れか1項に記載の医療装置。 - さらに、前記変色部材を変色させるためのエネルギー線を照射するもので、前記装置本体が前記クレードルに対して装着された状態で、当該変色部材に対して当該エネルギー線が照射されるように当該装置本体に設けられたエネルギー照射部を備え、
前記演算部は、前記光センサによって検知した前記変色部材の色が初期の色であると判断された場合に、前記エネルギー照射部に対して前記変色部材への前記エネルギー線の照射を指示する
請求項4に記載の医療装置。 - 前記エネルギー照射部は、前記エネルギー線として、紫外光または熱線を照射する
請求項5記載の医療装置。 - さらに、前記装置本体を前記クレードルに対して装着した状態で、前記状態変化部の状態を変化させるように当該装置本体に設けられた作用部を備えている
請求項1〜3の何れか1項に記載の医療装置。 - 前記状態変化部は、前記作用部の作用によって位置変化するスイッチ押圧部を備え、
前記検知部は、前記スイッチ押圧部の初期の位置と前記状態変化部によって前記スイッチ押圧部が移動した位置とに対応する位置にそれぞれ設けられた複数のマイクロスイッチを有し、
前記演算部は、前記複数のマイクロスイッチのうちどのマイクロスイッチが前記スイッチ押圧部によって押し圧されたかによって、前記状態変化部の状態が初期の状態から変化しているか否かを判断する
請求項7記載の医療装置。 - 前記状態変化部は、前記クレードルに固定された磁石と、当該磁石を覆って当該クレードルに設けられた遮蔽板とを有し、
前記検知部は、磁気センサであり、
前記作用部は、前記装置本体を前記クレードルに対して装着した状態で前記遮蔽板に嵌合されるもので、当該装置本体を当該クレードルから離脱させる動作に伴って当該遮蔽板の位置を変化させる
請求項7記載の医療装置。
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