以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置、構成要素の接続形態、ステップ、及び、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係る照明器具を含む照明システムについて、図1〜図4を参照しながら説明する。本実施の形態では、屋内に設置された複数の照明器具を制御する場合について説明する。
[1.照明システムの構成]
まず、本実施の形態に係る照明システム1について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る照明システム1の全体構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係る照明システム1は、複数の照明器具(例えば、照明器具10a、10b)及び端末装置60を備える。複数の照明器具及び端末装置60は、無線通信機能を有しており、複数の照明器具は、端末装置60からの制御情報に基づいて点灯状態を変更する。なお、図1では、照明器具が2台である例を示しているが、照明システム1が備える照明器具の数は特に限定されず、2台以上であればよい。
[1−1.照明器具]
次に、本実施の形態に係る照明器具10a及び10bの構成について、図1を参照しながら説明する。なお、図1では、2台の照明器具10a及び10bを示しているが、それぞれの構成は同一であるため、主に照明器具10aについて説明する。
照明器具10aは、屋内に設置され、空間を照らす屋内用の照明器具である。照明器具10aは、電力が供給され、供給された電力により点灯することで、照明器具10aが設置された空間を照明する。
照明器具10aは、例えば、シーリングライト、スポットライト又はペンダントライトなどである。複数の照明器具は、それぞれ同じ種類のライトであってもよいし、異なる種類のライトであってもよい。例えば、照明器具10aはシーリングライトであり、照明器具10bはスポットライトであってもよい。
図1に示すように、照明器具10aは、無線通信部20、制御部30、光源部40及び記憶部50を備える。
無線通信部20は、無線通信を行う無線通信インターフェースである。無線通信部20は、無線通信の通信相手装置との間で無線通信接続を確立したうえで、通信相手装置と無線通信を行う。本実施の形態では、無線通信部20は、端末装置60又は他の照明器具(本実施の形態では、照明器具10b)との無線通信接続を確立する。無線通信部20は、端末装置60からの制御情報を受信する受信部の一例であり、また他の照明器具へ制御情報を送信する送信部の一例でもある。
無線通信とは、一例として、Bluetooth(登録商標)の通信規格を用いた無線通信である。その場合、無線通信部20は、Bluetooth(登録商標)の通信規格に対応した通信モジュール(通信回路)である。なお、Bluetooth(登録商標)の通信規格に限定されず、無線LAN(例えば、Wi−Fi(登録商標))などの通信規格を用いた無線通信であってもよい。
また、詳細は後述するが、本実施の形態に係る複数の照明器具(例えば、照明器具10a、10b)は、マルチホップ通信を行う。具体的には、照明器具10aは端末装置60からの制御情報を無線通信部20を介して受信すると、端末装置60からの制御情報を受信していない照明器具10bに対して当該制御情報を無線通信部20を介して送信する。言い換えると、照明器具10aは、端末装置60から受信した制御情報を照明器具10bに転送する。つまり、照明器具10a、10bは、マルチホップ機能を有する照明器具であり、照明器具10bは、照明器具10aを介して端末装置60からの制御情報を受信する。なお、マルチホップ通信の通信経路は、一例としてメッシュ型であるが、特に限定されず、スター型又はツリー型であってもよい。また、例えば、記憶部50は転送するための情報である経路情報を記憶しており、制御部30は当該経路情報に応じて制御情報を他の照明器具に転送してもよい。
制御部30は、無線通信部20(受信部)を介して照明器具の点灯状態に関する制御情報を受信し、受信した制御情報に従って照明器具10aの点灯状態を制御する制御装置である。具体的には、制御部30は、光源部40を制御することにより、照明器具10aの点灯状態を制御する。制御部30は、記憶部50に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサであるが、マイクロコンピュータ、または専用回路などにより実現されてもよい。
ここで、照明器具10aの点灯状態とは、照明器具10aが照明光を発することである点灯、照明光を発しないことである消灯、点灯と消灯とを繰り返す点滅、照明光の強度を変更又は調整することである調光、及び、照明光の色合いを変更又は調整することである調色などを含む。また、制御情報とは、ユーザが端末装置60で操作した、照明器具の点灯状態に関する指示を含む。
また、制御部30は、送信元判定部31、ホッピング回数取得部32及び送信回数決定部33を有する。
送信元判定部31は、無線通信部20を介して受信した制御情報の送信元を特定する処理部である。送信元判定部31は、受信した制御情報である通信パケットに含まれる送信元アドレス(ソースアドレス)から送信元を特定する。例えば、記憶部50に記憶されている機器ごとのデバイスIDと、受信した通信パケットに含まれる送信元アドレスとから、送信元を特定する。なお、送信元アドレスとは、例えば、送信元の端末装置又は照明器具に固有の識別番号(例えば、デバイスID)である。また、通信パケットには、送信元アドレス、送信先アドレス、ホッピング回数及び点灯状態に関する情報が含まれる。
ホッピング回数取得部32は、受信した制御情報に含まれるホッピング回数(第1のホッピング回数の一例)から1を減算したホッピング回数(第2のホッピング回数の一例)を取得する。ホッピング回数取得部32が取得した第2のホッピング回数が1以上である場合、制御部30は無線通信部20を介して他の照明器具に対して制御情報を送信する。つまり、照明器具10aは、制御情報を他の照明器具に転送する。また、第2のホッピング回数が0回である場合、制御部30は他の照明器具に対して制御情報を送信しない。つまり、照明器具10aは、制御情報を他の照明器具に転送しない。これは、1つの制御情報が複数の照明器具間で転送され続けることを抑制するためである。なお、ホッピング回数は、例えば、通信パケットのうちの1オクテットで表される情報である。
ここで、ホッピング回数とは、機器から機器(例えば、端末装置60から照明器具10a、又は、照明器具10aから照明器具10bなど)へ制御情報を送信できる回数を示す。ホッピング回数は、制御情報の発信元である端末装置60で設定される。例えば、ユーザがホッピング回数を設定する。
なお、以降の説明において、一例として、端末装置60から送信される制御情報に含まれるホッピング回数は、3回である場合について説明する。この場合、端末装置60又は照明器具10a、10bは、合計3回まで制御情報を送信できる。端末装置60は、ホッピング回数を3回として制御情報を照明器具10aに送信する。照明器具10aは端末装置60からの制御情報を受信し、受信したホッピング回数から1を減算する。ホッピング回数取得部32は、受信したホッピング回数(第1のホッピング回数の一例)は3回であるので、1を減算したホッピング回数(第2のホッピング回数の一例)は2回とする。これは、端末装置60から照明器具10aに制御情報が送信されたことを1回送信したとカウントするためである。なお、図1中のTTL(Time to live)=3とは、制御情報に含まれるホッピング回数が3回であることを示しており、図1中のTTL=2とは、制御情報に含まれるホッピング回数が2回であることを示している。
そして、第2のホッピング回数が2回である、つまりまだ送信が可能であるので、照明器具10aは照明器具10bに対して第2のホッピンング回数を含む制御情報を送信する。照明器具10bは受信した制御情報に含まれるホッピング回数(具体的には、2回)から1を減算する。これは、照明器具10aから照明器具10bに制御情報が送信されたことを1回送信したとカウントするためである。この場合、減算されたホッピング回数は1回となる。照明器具10bは、ホッピング回数が1回であることを含む制御情報を別の照明器具(図示しない)に送信する。別の照明器具は、受信した制御情報に含まれるホッピング回数から1を減算する。これは、照明器具10bから別の照明器具に制御情報が送信されたことを1回送信したとカウントするためである。この場合、減算されたホッピング回数は0回となる。つまり、別の照明器具は、ホッピング回数が0回であるので、制御情報を他の照明器具に送信しない。
上記のように、ホッピング回数取得部32は、無線通信部20を介して受信した制御情報に含まれるホッピング回数から1を減算し、制御部30は減算したホッピング回数が1回以上であれば、無線通信部20を介して他の照明器具に制御情報を送信する制御を行う。
送信回数決定部33は、照明器具10aが他の照明器具に制御情報を繰り返し送信する回数を決定する処理部である。上記で説明したように、第2のホッピング回数が1回以上であれば、当該照明器具は制御情報を他の照明器具に送信する。例えば、照明器具10aは照明器具10bに制御情報を送信する。この場合、照明器具10aは照明器具10bに対して、複数回繰り返して制御情報を送信する。これは、照明器具10bが照明器具10aからの制御情報を受信する確率である受信確率を向上させるためである。
詳細は後述するが、送信回数決定部33は受信した制御情報に含まれるホッピング回数に応じて制御情報を繰り返し送信する回数である送信回数を決定する。本実施の形態では、ホッピング回数が少ないほど、繰り返し送信する回数が少なくなるように送信回数を決定する。例えば、上記で示したように、照明器具10aが端末装置60から受信した制御情報に含まれるホッピング回数と、照明器具10bが照明器具10aから受信した制御情報に含まれるホッピング回数とは異なる。具体的には、後者のホッピング回数は、前者のホッピング回数より1少ない。この場合、照明器具10aが照明器具10bに制御情報を送信する送信回数と、照明器具10bが別の照明器具に制御情報を送信する送信回数とでは、前者の送信回数の方が多くなるように送信回数決定部33は、送信回数を決定する。例えば、送信回数決定部33は、端末装置60から送信されたホッピング回数(以降、最大ホッピング回数とも記載する)をnとし、制御情報がホッピングされた回数をmとすると、送信回数を(n−m)回としてもよい。また、記憶部50に記憶されているホッピング回数と送信回数とが関連付けられたテーブルから、送信回数を決定してもよい。なお、制御情報には、最大ホッピング回数を示す情報が含まれていてもよい。例えば、送信回数決定部33は、最大ホッピング回数と第1のホッピング回数とから、ホッピングされた回数mを取得してもよい。
図2は、ホッピング回数と送信回数とが関連付けられたテーブル70の一例を示す図である。具体的には、受信した制御情報に含まれるホッピング回数である第1のホッピング回数と送信回数とが関連付けられたテーブル70である。図2に示すように、第1のホッピング回数が少ないほど、送信回数が少なくなるようにテーブル70が作成される。なお、図2では、第1のホッピング回数が1回減るたびに送信回数が1回減る例を示しているが、これに限定されない。例えば、第1のホッピング回数が1回減るたびに送信回数が2回減ってもよいし、その他でもよい。
光源部40は、照明光を発する光源である。光源部40は、LED(Light Emitting Diode)などにより実現されるが、白熱電球又は蛍光灯などにより実現されてもよい。または、半導体レーザ、有機EL(Electro Luminescence)、無機ELなどにより実現されてもよい。
記憶部50は、制御部30が実行する制御プログラム、及び、テーブル70などが記憶される記憶装置である。例えば、記憶部50は、フラッシュメモリ又は半導体メモリなどにより実現される。
[1−2.端末装置]
端末装置60は、複数の照明器具を制御する制御装置である。本実施の形態では、端末装置60は、照明器具10a、10bを制御する。本実施の形態では、端末装置60は、無線通信により照明器具10aと直接通信する。
端末装置60は、例えば、スマートフォンつまり高機能携帯電話端末、携帯電話端末、タブレット端末、専用に開発されたコントローラ端末(以降、リモコンと記載する)、又はPC(Personal Computer)等により実現される。なお、本実施の形態では、端末装置60はスマートフォンである。端末装置60がスマートフォンである場合、専用のアプリケーションをダウンロードし、照明器具との操作に関する初期設定を行うことで、当該照明器具をスマートフォンから操作可能となる。
端末装置60は、複数の照明器具の中から1台の照明器具に対して、制御情報を送信する。端末装置60は、アプリケーション上で自動的に通信する照明器具を1台選定する。例えば、端末装置60は、照明器具それぞれから受信した信号の強度(RSS1:Received Signal Strength Indicator)に基づいて、通信する照明器具を選定する。例えば、端末装置60が受信した信号強度が最も高い照明器具を通信する照明器具として選定してもよい。なお、以降において、選定された照明器具(端末装置60と直接通信する照明器具)を、Bridge器具とも記載する。図1では、照明器具10aがBridge器具である例を示している。
なお、照明システム1は端末装置60を1台備える例について説明したが、照明システム1が備える端末装置60の台数は特に限定されない。また、端末装置60と照明器具とは1対1で無線通信を行うため、他の端末装置は端末装置60と通信している照明器具(例えば、照明器具10a)とは通信することはできない。例えば、端末装置60がスリープモードとなると、端末装置60と、当該端末装置60と通信していた照明器具との通信は、切断される。これにより、他の端末装置は端末装置60と通信していた照明器具との通信ができるようになる。
[2.照明器具の動作]
続いて、照明器具10a及び10bの動作について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施の形態に係る照明器具10a、10bの動作を示すフローチャートである。
まず、Bridge器具である照明器具10a、つまり端末装置60から直接制御情報を受信する照明器具10aの動作について説明する。
照明器具10aは、無線通信部20を介して端末装置60から制御情報を受信する。具体的には、照明器具10aは、照明システム1が備える複数の照明器具の点灯状態、及び、ホッピング回数に関する情報を端末装置60から受信する(S10でYes)。なお、照明器具10aが端末装置60から受信した制御情報に含まれるホッピング回数は、第1のホッピング回数の一例である。上記で説明したように、第1のホッピング回数は一例として3回である。また、端末装置60から受信した点灯状態及び第1のホッピング回数に関する情報を含む制御情報は、第1の情報の一例である。つまり、照明器具10aは、照明器具の点灯状態、及び、第1のホッピング回数に関する情報を含む第1の情報を無線通信部20(受信部)を介して受信する。制御部30は、受信した第1の情報を記憶部50に記憶してもよい。
なお、照明器具10aが制御情報を受信していない場合(S10でNo)、照明器具10aは制御情報を受信するまで待機している。
送信元判定部31は、無線通信部20を介して制御情報を受信すると、制御情報の送信元の判定を行う。具体的には、制御情報に含まれる送信元アドレスと記憶部50に記憶されている機器ごとのデバイスIDとから、送信元を判定する。本実施の形態では、送信元判定部31は端末装置60が送信元であると判定する。
次に、ホッピング回数取得部32は、受信した制御情報から、第1のホッピング回数を取得する。上記でも説明したように第1のホッピング回数は3回であるので、ホッピング回数取得部32は、第1のホッピング回数として3回を取得する。そして、ホッピング回数取得部32は、第1のホッピング回数から1を減算した第2のホッピング回数を取得し(S20)、制御部30は取得した第2のホッピング回数が1回以上であるか否かを判定する(S30)。第2のホッピング回数が1以上である場合(S30でYes)、制御部30は制御情報を他の照明器具に送信すると判定する。
また、第2のホッピング回数が1以上ではない、つまり第2のホッピング回数が0回であった場合(S30でNo)、制御部30は制御情報を他の照明器具に送信しないと判定する。制御部30が当該判定を行った場合、制御部30は制御情報の送信における処理を終了する。
ステップS30でYesであった場合、制御部30は端末装置60から受信した第1の情報と、ホッピング回数取得部32で取得された第2のホッピング回数とから、他の照明器具に送信するための情報である第2の情報を生成する(S40)。例えば、制御部30は、受信した第1の情報に含まれるホッピング回数を第2のホッピング回数に更新することで第2の情報を生成する。なお、送信元アドレス及び送信先アドレスも更新される。
ここで、照明器具10aが端末装置60から受信する第1の情報、及び、照明器具10aが他の照明器具に送信する第2の情報について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態に係る通信パケットのデータ構成を説明するための模式図である。具体的には、図4の(a)は第1の情報における通信パケット80aの一例を示しており、図4の(b)は第2の情報における通信パケット80bの一例を示している。
図4の(a)及び図4の(b)に示すように、通信パケットは、送信元アドレス、送信先アドレス、ホッピング回数及び照明器具の点灯状態に関する情報(図4の(a)及び図4の(b)中の点灯情報)を含む。
図4の(a)に示す通信パケット80aに含まれるホッピング回数は第1のホッピング回数であり、送信元アドレスは端末装置60のデバイスIDであり、送信先アドレスは照明器具10aのデバイスIDである。また、点灯状態に関する情報(以降、点灯情報と記載する)とは、ユーザが端末装置60に入力した照明器具に対する指示を示す情報である。例えば、図4の(a)では、点灯情報は照明器具の調光レベル及び調色レベルを含む情報である例を示している。
図4の(b)は、照明器具10aが他の照明器具(例えば、照明器具10b)に送信する第2の情報における通信パケット80bの一例を示している。通信パケット80bに含まれるホッピング回数は第2のホッピング回数であり、送信元アドレスは照明器具10aのデバイスIDであり、送信先アドレスは照明器具10bのデバイスIDである。第2の情報に含まれる点灯情報は、第1の情報に含まれる点灯情報と同じ情報である。つまり、第2の情報に含まれる点灯情報は、端末装置60から送信された情報である。これにより、端末装置60が送信した点灯情報は、照明器具10aを介して照明器具10bに送信される。言い換えると、照明器具10aは、制御情報を照明器具10b(他の照明器具の一例)に転送する。
ステップS40で他の照明器具に送信するための第2の情報が生成されると、送信回数決定部33は第2の情報を送信する送信回数を決定する(S50)。なお、送信回数とは、照明器具10aが他の照明器具に第2の情報を繰り返し送信する回数である。
照明器具10aが端末装置60から制御情報を受信したことは、送信元判定部31により判定されている。送信回数決定部33は、端末装置60から制御情報を受信した場合、例えば3回以上の回数を送信回数であると決定する。端末装置60から制御情報を受信した照明器具10aが送信回数を3回以上とすることで、送信先(転送先)である他の照明器具を含め、照明システム1が備える複数の照明器具がより確実に制御情報を受信できる。例えば、記憶部50は送信元が端末装置60である場合の送信回数を記憶しており、送信回数決定部33は記憶部50から読み出した当該送信回数を他の照明器具への制御情報の送信回数であると決定してもよい。また、例えば、送信回数決定部33は、テーブル70から送信回数を決定してもよいし、予め定められた計算式により送信回数を決定してもよい。また、端末装置60から受信した第1のホッピング回数が多いほど、送信回数を多く決定してもよい。例えば、送信回数決定部33は、テーブル70から送信回数を3回に決定する。
送信回数が決定されると、制御部30は無線通信部20を介して第2の情報を他の照明器具(例えば、照明器具10b)に繰り返し送信する(S60)。例えば、制御部30は、送信回数である3回繰り返して第2の情報を送信する。言い換えると、無線通信部20(送信部)は、送信回数決定部33が取得した送信回数、第2の情報の送信を繰り返す。なお、照明器具10aが第2の情報を送信する送信先である他の照明器具(例えば、照明器具10b)は、第2の照明器具の一例である。第2の照明器具は、1台であってもよく、複数台であってもよい。
なお、無線通信部20は、第2の情報を送信する際、複数の無線チャネルを用いて第2の情報を送信してもよい。例えば、無線通信部20は、3つのチャネルを用いて第2の情報を送信してもよい。例えば、照明システム1に含まれていない電子機器(例えば、電子レンジ又は無線通信機能を有する電子機器)が発する電波などの電波環境により照明器具の受信状態が変わるので、複数のチャネルを用いて第2の情報を送信することで第2の情報の受信確率を向上させることができる。例えば、受信側の照明器具(例えば、照明器具10b)は、所定時間間隔ごとに受信チャネルを変えながら第2の情報の受信を行っている。例えば、所定時間間隔とは5msなどである。
複数のチャネルを用いて第2の情報を送信している場合、複数のチャネルごとに第2の情報を送信したことを1回送信したとカウントする。送信回数が3回であるので、複数のチャネルごとに第2の情報を送信することを、3回繰り返す。つまり、照明器具10aは、合計9回、第2の情報を送信する。
そして、制御部30は、無線通信部20を介して第2の情報を送信すると、第1の情報に含まれる制御情報(点灯情報)に基づいて、光源部40の動作を制御する。例えば、制御部30が照明器具10aを点灯させる制御情報を受信した場合、制御部30は光源部40を点灯させる。また、制御部30が照明器具10aを点滅させる制御情報を受信した場合、制御部30は光源部40を点滅させる。具体的には、制御部30は光源部40へ電力を供給する駆動回路(図示しない)を制御することで、光源部40の点灯状態を変化させる。
上記のように、照明器具10aは、無線通信により端末装置60から受信した第1の情報から第2の情報を生成し、当該第2の情報を第2の照明器具に送信する。言い換えると、Bridge器具である照明器具10aは、端末装置60から受信した情報を第2の照明器具に転送する役割を有する。照明器具10aは、第2の照明器具に第2の情報を3回以上送信することで、第2の照明器具が照明器具10aから第2の情報を受信する受信確率が向上する。第2の照明器具が第2の情報を受信することで、第2の照明器具がさらに他の照明器具に第2の情報を送信することができるので、照明システム1が備える複数の照明器具が制御情報を受信できる受信確率を向上させることができる。
続いて、Bridge器具である照明器具10aから制御情報を受信する照明器具10bの動作について説明する。なお、照明器具10aと同じ動作については、説明を省略する場合がある。
照明器具10bは、無線通信部20を介して照明器具10aから制御情報を受信する。具体的には、照明器具10aは、照明システム1が備える複数の照明器具の点灯状態、及び、ホッピング回数を含む情報を照明器具10aから受信する(S10でYes)。なお、照明器具10bに制御情報を送信した照明器具10aは、第1の照明器具の一例である。また、照明器具10bが照明器具10aから受信した制御情報に含まれるホッピング回数は、第1のホッピング回数の一例である。以降では、一例として第1のホッピング回数が2回である場合について説明する。また、照明器具10bが照明器具10aから受信した制御情報は、第1の情報の一例である。なお、照明器具10bが制御情報を受信していない場合(S10でNo)、照明器具10bは制御情報を受信するまで待機している。
送信元判定部31は、無線通信部20を介して制御情報を受信すると、制御情報の送信元の判定を行う。照明器具10bが行う送信元の判定は、照明器具10aが行う送信元と判定と同様である。
次に、ホッピング回数取得部32は、受信した制御情報から、第1のホッピング回数を取得する。照明器具10bから受信した制御情報に含まれるホッピング回数は2回である。ステップS20及びステップS30の処理は、照明器具10aと同様である。なお、ホッピング回数取得部32は、第2のホッピング回数として1回を取得する。
ステップS30でYesであった場合、制御部30は照明器具10aから受信した第1の情報と、ホッピング回数取得部32で取得した第2のホッピング回数とから、他の照明器具に送信するための情報である第2の情報を生成する(S40)。
ステップS40で他の照明器具に送信するための第2の情報が生成されると、送信回数決定部33は第2の情報を送信する送信回数を決定する(S50)。ここでは、予め設定された計算式により決定される場合について説明する。予め定められた計算式とは、一例として、端末装置60が送信した制御情報に含まれるホッピング回数をnとし、照明器具10bが制御信号を受信するまでにホッピングされた回数mとすると、(n−m)である。本実施の形態では、nは3回であり、mは2回(端末装置60から照明器具10aに送信された1回、及び、照明器具10aから照明器具10bに送信された1回)である。つまり、n−m=1となり、照明器具10bが第2の制御情報を送信する送信回数は1回となる。言い換えると、送信回数決定部33は、予め設定された計算式により、送信回数を1回に決定する。
また、例えばテーブル70を用いて送信回数を決定してもよい。具体的には、図2に示すように、送信回数決定部33は、第1のホッピング回数から送信回数を決定してもよい。第1のホッピング回数は、2回である。テーブル70から第1のホッピング回数に対応する送信回数は2回である。つまり、送信回数決定部33は、第2の情報の送信回数を2回に決定する。そして、照明器具10bは、他の照明器具に対して2回繰り返して第2の情報を送信する。
照明器具10aは、上記でも説明したように3回繰り返し情報を送信する。照明器具10bは上記で説明したように1回又は2回、第2の情報を送信する。つまり、照明器具10bは照明器具10aより送信回数が少ない。例えば、テーブル70を用いた場合、送信回数決定部33は、照明器具10aが送信した回数であり照明器具10aが受信したホッピング回数に対応する送信回数である3回(第1の送信回数の一例)から1回を減算した2回(第2の送信回数の一例)を照明器具10bが受信したホッピング回数に対応する送信回数であると決定する。以降、照明器具10bが第2の情報を送信する送信回数は2回である例について説明する。
送信回数が決定されると、制御部30は無線通信部20(送信部)を介して第2の情報を他の照明器具(図示しない)に繰り返し送信する(S60)。例えば、制御部30は、送信回数である2回繰り返して第2の情報を送信する。なお、照明器具10bが第2の情報を送信する送信先である他の照明器具は、第2の照明器具の一例である。第2の照明器具は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。
そして、制御部30は、無線通信部20を介して第2の情報を送信すると、第1の情報に含まれる制御情報に基づいて、光源部40の動作を制御する。光源部40の制御についても、照明器具10aと同様であり、説明を省略する。
上記のように、制御情報がホッピングされた回数に応じて、照明器具が制御情報を送信する回数が決定される。具体的には、送信回数決定部33は、ホッピング回数が少ないほど少ない回数を送信回数として決定する。そのため、制御情報がホッピングされるに従って、制御情報を受信した照明器具が他の照明器具に制御情報を繰り返し送信する回数(送信回数)は減っていく。
上記のように、照明器具10bは、無線通信により照明器具10a(第1の照明器具の一例)から受信した第1の情報から第2の情報を生成し、当該第2の情報を他の照明器具(第2の照明器具の一例)に送信する。言い換えると、照明器具10bは、照明器具10aから受信した点灯情報を第2の照明器具に転送する役割を有する。照明器具10bが他の照明器具に第2の情報を送信する送信回数は、第1のホッピング回数が少ないほど少ない送信回数に決定される。例えば、送信回数決定部33は、照明器具10aが送信した送信回数より少ない回数を送信回数に決定する。また、例えば、送信回数決定部33は、照明器具10aが送信した送信回数である第1の送信回数(照明器具10aが受信したホッピング回数に対応する送信回数であり、例えば3回)から1を減算した第2の送信回数(照明器具10bが受信したホッピング回数に対応する送信回数であり、例えば2回)を送信回数に決定する。
これにより、ホッピングされる度に、受信した照明器具が他の照明器具に第2の情報を送信する送信回数が減る。つまり、照明システム1全体として、情報が送信される送信回数(言い換えると、送信される情報量)が減る。よって、無線信号同士が干渉することを抑制することができるので、制御情報の受信確率を向上させることができる。例えば、照明システム1が備える照明器具の数が多くても、制御情報を送信する送信回数を抑制できるので、無線信号同士の干渉を低減できる。つまり、照明器具の数が多くても、本実施の形態に係る照明システム1は、高い受信確率を維持することができる。
[3.効果]
次に、本実施の形態に係る照明器具10a、10bの効果について説明する。
本実施の形態に係る照明器具10a、10bは、無線通信により端末装置60又は第1の照明器具から受信した情報を第2の照明器具(例えば、照明器具10b)に転送するマルチホップ機能を備える照明器具(例えば、照明器具10a)であって、光源(光源部40)と、照明器具(例えば、照明器具10a)の点灯状態、及び、第1のホッピング回数に関する情報を含む第1の情報を端末装置60又は第1の照明器具から受信する受信部(例えば、無線通信部20)と、第1の情報に含まれる第1のホッピング回数から1を減算することで第2のホッピング回数を取得するホッピング回数取得部32と、第2のホッピング回数が1以上である場合、点灯状態、及び、第2のホッピング回数に関する情報を含む第2の情報を第2の照明器具に送信する送信部(例えば、無線通信部20)と、第2の情報を第2の照明器具に繰り返し送信する送信回数を決定する送信回数決定部33とを備える。そして、送信回数決定部33は、第1のホッピング回数が少ないほど少ない回数を送信回数として決定し、送信部は、送信回数決定部33が決定した送信回数、第2の情報の送信を繰り返す。
これにより、第1のホッピング回数に応じて第2の情報を送信する送信回数が決定される。また、第1のホッピング回数は、制御情報がホッピングされる(送信される)に従って少ない値となる。具体的には、第1のホッピング回数は、1回ホッピングされるごとに、端末装置60が送信したホッピング回数から1ずつ少なくなる。送信回数決定部33は第1のホッピング回数が少ないほど少ない回数を送信回数として決定するので、制御情報がホッピングされるごとに当該制御情報を受信した照明器具が制御情報を他の照明器具に送信する送信回数は少なくなる。よって、複数の照明器具を備える照明システム1を住宅などで使用した場合、照明器具同士が無線通信する制御情報の送信回数を減らすことができるので、無線信号の干渉が発生することを抑制でき、制御情報の受信確率を向上させることができる。特に、多数の照明器具を備える照明システム1に対して、より高い効果を奏する。つまり、本実施の形態に係る照明器具は、使用環境に応じて適切に無線通信を行うことができる。
また、照明器具(例えば、照明器具10a)が端末装置60から第1の情報を受信した場合には、送信回数決定部33は、3以上の回数を送信回数として決定し、照明器具(例えば照明器具10b)が第1の照明器具(例えば、照明器具10a)から第1の情報を受信した場合には、送信回数決定部33は、第1の照明器具が送信した回数であり第1のホッピング回数に対応する送信回数である第1の送信回数から1を減算した第2の送信回数を第2のホッピング回数に対応する送信回数として決定してもよい。
これにより、端末装置60から第1の情報を受信した照明器具10a(Bridge器具)は第2の情報を3回以上繰り返し送信するので、照明器具10b(第2の照明器具)が第2の情報を受信する受信確率を向上することができる。そして、照明器具10aから送信された第2の情報を受信した照明器具10bは、さらに他の照明器具に第2の情報を送信する。よって、照明システム1が備える複数の照明器具の全てが制御情報を受信できる受信確率を向上させることができる。
また、送信回数決定部33は、照明器具10bが第2の情報を送信する送信回数を第1の送信回数から1を減算した第2の送信回数に決定することで、照明器具10bの送信回数は照明器具10aの送信回数より少なくなる。つまり、照明システム1の制御情報の送信回数を減らすことができるので、無線信号同士の干渉を低減できる。
上記に記載したように、Bridge器具が送信する送信回数を3回以上に決定し、かつ第2の照明器具は第1の照明器具より送信回数を少なくすることで、制御情報を送信する送信回数を減らしつつ、受信確率を向上させることができる。
(実施の形態2)
以下、本実施の形態に係る端末装置を含む照明システムについて、図5A〜図6を参照しながら説明する。本実施の形態では、店舗等に展示された複数の照明器具の中から、デモなどのために所定の照明器具のみを制御する場合について説明する。
本実施の形態に係る照明システム100は、複数の照明器具(照明器具10a、10b、10c)及びリモコン110(遠隔操作装置)を備える。複数の照明器具及びリモコン110は、無線通信機能を有しており、複数の照明器具は、リモコン110から送信される制御情報に基づいて点灯状態を変更する。なお、図5A及び図5Bでは、照明器具が3台である例を示しているが、照明システム100が備える照明器具の数は特に限定されない。また、本実施の形態に係る複数の照明器具は、実施の形態1で説明した照明器具と同一の構成であり、照明器具の説明は省略する。なお、照明システム100に用いられる照明器具は実施の形態1に係る照明器具に限定されない。無線通信機能を有する照明器具であればよい。
本実施の形態に係る照明システム100について、図5A及び図5Bを参照しながら説明する。図5Aは、リモコン110が通常使用モードで動作している場合の制御情報の転送経路を含む、照明システム100の全体構成を示すブロック図である。図5Bは、リモコン110が非通常使用モードで動作している場合の制御情報の転送経路を含む、照明システム100の全体構成を示すブロック図である。
まず、リモコン110について説明する。なお、図5A及び図5Bのリモコン110及び複数の照明器具はそれぞれ同一の構成であり、図5Aを用いて説明する。
図5Aに示すように、リモコン110は、モード取得部120、入力部130、制御部140、記憶部150、及び、無線通信部160を備える。
モード取得部120は、複数の照明器具を動作させるモードの切り替えをユーザから受け付ける取得部である。本実施の形態では、リモコン110は、照明システム100に含まれる複数の照明器具を動作させる通常使用モードと、照明システム100に含まれる複数の照明器具のうち、特定の照明器具のみを動作させる非通常使用モードの2つのモードを有する。例えば、通常使用モードとは、住宅やオフィスなどに設置された複数の照明器具を略同時に動作させる場合に用いられるモードであり、非通常使用モードとは、店頭に展示されている複数の照明器具の中から特定の照明器具のみを動作させる、又は工場などで照明器具を検査するために特定の照明器具のみを動作させる場合に用いられるモードである。なお、リモコン110は、それ以外のモードを有していてもよい。
モード取得部120は、例えばスイッチであり、ユーザがスイッチを切り替えることにより2つのモードの切り替えを取得してもよいし、入力部130に対して所定の操作が行われることでモードの切り替えを取得してもよい。例えば、所定の操作とは、入力部130がボタンである場合、所定のボタンを一定時間以上長押しするなどである。また、図示していないが、リモコン110は、現在設定されているモードなどを表示する表示部を備えていてもよい。
入力部130は、ユーザからの照明器具の点灯状態の指示を受け付けるユーザインターフェースであり、例えば押しボタンなどである。
制御部140は、ユーザの操作に応じて、各部を制御する。例えば、ユーザから入力部130を介して点灯状態が入力(点灯状態の変更が入力)されると、制御部140は無線通信部160(出力部の一例)を介して制御情報を照明器具に送信する。図5A及び図5Bでは、リモコン110は照明器具10aに対して、制御情報を送信している例を示している。
制御部140は、記憶部150に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサであるが、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現されてもよい。
制御部140が有するホッピング回数決定部141は、送信する制御情報に含まれるホッピング回数を決定する。具体的には、ホッピング回数決定部141は、現在設定されているモードに応じて、ホッピング回数を決定する。例えば、ホッピング回数決定部141は、通常使用モードに設定されている場合には、予め定められているホッピング回数を制御情報として送信するホッピング回数に決定し、非通常使用モードに設定されている場合には、制御情報として送信するホッピング回数を1回に決定する。本実施の形態に係るリモコン110は、モードに応じてホッピング回数を変更することができ、非通常使用モードに設定されている場合のホッピング回数を1回に決定する点に特徴を有する。なお、予め設定されている場合のホッピング回数は、例えば、記憶部150に記憶されており、ホッピング回数決定部141は、通常設定モードである場合、記憶部150から読みだしたホッピング回数を制御情報として送信するホッピング回数に決定してもよい。
記憶部150は、制御部140が実行する制御プログラム、及び、ホッピング回数などが記憶される記憶装置である。例えば、記憶部150は、フラッシュメモリ又は半導体メモリなどにより実現される。
無線通信部160は、無線通信を行う無線通信インターフェースである。無線通信部160は、無線通信の通信相手装置との間で無線通信接続を確立したうえで、通信相手装置と無線通信を行う。本実施の形態では、無線通信部160は、照明器具(本実施の形態では、照明器具10a)との無線通信接続を確立する。無線通信部160は、制御情報を送信する出力部の一例である。なお、無線通信とは、一例として、Bluetooth(登録商標)の通信規格を用いた無線通信である。その場合、無線通信部160は、Bluetooth(登録商標)の通信規格に対応した通信モジュール(通信回路)である。なお、Bluetooth(登録商標)の通信規格に限定されず、無線LAN(例えば、Wi−Fi(登録商標))などの通信規格を用いた無線通信であってもよい。
なお、本実施の形態に係る照明器具10a、10b、10cは、マルチホップ通信を行う。具体的には、照明器具10aはリモコン110からの制御情報を無線通信部を介して受信すると、当該制御情報をリモコン110から制御情報を受信していない照明器具10b、10cに無線通信部を介して送信する。また、例えば、記憶部150は送信するための情報である経路情報を記憶しており、制御部140は当該経路情報に応じて制御情報を照明器具に送信してもよい。つまり、本実施の形態に係る照明器具10a、10b、10cは、マルチホップ機能を有する照明器具である。また、本実施の形態に係るリモコン110は、マルチホップ機能を有する複数の照明器具の動作を制御するための遠隔操作装置である。
続いて、リモコン110の動作について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態に係るリモコン110の動作を示すフローチャートである。
リモコン110が入力部130を介してユーザからの点灯状態の変更を受け付ける(S110でYes)と、ホッピング回数決定部141は現在設定されているモードの確認を行う。現在設定されているモードが通常使用モードである場合(S120でYes)、ホッピング回数決定部141は、制御情報として送信するホッピング回数を予め定められたホッピング回数に決定する(S130)。また、現在設定されているモードが非通常使用モードである場合(S120でNo)、ホッピング回数決定部141は、制御情報として送信するホッピング回数を1回に決定する(S140)。なお、入力部130を介してユーザからの点灯状態の変更を受け付けていない場合(S110でNo)、リモコン110は点灯状態の変更を受け付けるまで待機している。
ホッピング回数がホッピング回数決定部141により決定されると、制御部140は、当該ホッピング回数と入力部130が受け付けた点灯状態とから、送信する制御情報を生成して(S150)、当該制御情報を無線通信部160(出力部)を介して照明器具10aに送信する。なお、制御情報には、送信元アドレス(例えば、リモコン110のデバイスIDなど)及び送信先アドレス(例えば、照明器具10aのデバイスIDなど)が含まれる。
例えば、従来では、リモコンが制御情報を送信する際の出力を変更することで、モードを切り替えることが行われている。具体的には、特定の照明器具のみ動作させる場合には、制御情報を送信する際の出力を下げることで制御情報が特定の照明器具のみに届くようにしている。しかしながら、本実施の形態に係る照明器具のようにマルチホップ通信を行う照明器具であれば、照明器具の少なくとも1台がリモコンから制御情報を受信すると、マルチホップ通信により他の照明器具も当該制御情報を受信してしまう。つまり、従来の方法では、マルチホップ通信を行う複数の照明器具の中から、特定の照明器具のみを動作させることが困難であった。
一方、本実施の形態に係るリモコン110は、モードに応じて送信する制御情報を変更している。具体的には、制御情報に含まれるホッピング回数をモードに応じて変更している。例えば、非通常使用モードであれば、特定の照明器具のみが動作すればよいので、制御情報に含まれるホッピング回数を1回とすることで、当該制御情報を受信した照明器具は、他の照明器具に当該制御情報を転送しない。これにより、マルチホップ通信を行う複数の照明器具の中から、特定の照明器具のみを動作させることができる。
続いて、通常使用モード及び非通常使用モードでの制御情報の転送経路をについて、図5A及び図5Bを用いて説明する。
図5Aは、通常使用モードでの制御情報の転送経路を示している。例えば、予め定められているホッピング回数が3回である場合、リモコン110はホッピング回数が3回である制御情報(図5Aに示すTTL=3)を照明器具10aに送信する。照明器具10aは、受信した制御情報に含まれるホッピンング回数(第1のホッピング回数の一例)から1を減算したホッピング回数(第2のホッピング回数の一例)が2回である、つまり第2のホッピング回数が1回以上であるので、他の照明器具(例えば、照明器具10b、10c)に制御情報を送信する。つまり、照明器具10aは、他の照明器具に制御情報を転送する。そして、照明器具10aから制御情報を受信した照明器具10b、10cは、それぞれ別の照明器具(図示しない)に制御情報を送信する。これにより、複数の照明器具にリモコン110からの制御情報を受信させることができる。
なお、照明器具10aが制御情報を送信する送信先である照明器具10b、10cは、第2の照明器具の一例である。また、照明器具10b、10cからみると、照明器具10b、10cに制御情報を送信する照明器具10aは第1の照明器具の一例であり、照明器具10b、10cが制御情報を送信する別の照明器具は第2の照明器具の一例である。
また、図5Bは、非通常使用モードでの制御情報の転送経路を示している。リモコン110は、ホッピング回数が1回である制御情報(図5Bに示すTTL=1)を照明器具10aに送信する。照明器具10aは受信した制御情報に含まれるホッピング回数(第1のホッピング回数の一例)から1を減算したホッピング回数(第2のホッピング回数の一例)が0回であるので、他の照明器具に制御情報の転送を行わない。これにより、リモコン110からの制御情報を特定の照明器具(例えば、照明器具10a)のみに受信させ、制御情報を受信した照明器具のみを動作させることができる。また、照明器具側での設定の変更などをすることなく、リモコン110のモード取得部120でモードを変更するといった簡単な操作で、特定の照明器具のみを動作させることができる。
なお、リモコン110は、非通常モードである場合、出力を下げて制御情報を照明器具に送信してもよい。これにより、より確実に特定の照明器具のみを動作させることができる。また、上記では制御信号をリモコン110が送信する例について説明したが、これに限定されない。例えば、スマートフォンつまり高機能携帯電話端末、携帯電話端末、タブレット端末、又はPC(Personal Computer)等により実現されてもよい。つまり、リモコン110は端末装置の一例である。
本実施の形態に係る端末装置は、無線通信により受信した情報を他の照明器具(例えば、照明器具10b、10c)に転送するマルチホップ機能を備える照明器具を操作するための端末装置であって、端末装置は、通常使用モードと非通常使用モードとの切り替えを受け付けるモード取得部120と、ユーザから照明器具の点灯状態を受け付ける入力部130と、ホッピング回数を決定するホッピング回数決定部141と、点灯状態、及び、ホッピング回数に関する情報を含む制御情報を照明器具(例えば、照明器具10a)に送信する出力部(例えば、無線通信部160)とを備える。そして、ホッピング回数決定部141は、通常使用モードに設定されている場合には、予め定められているホッピング回数が制御情報として送信するホッピング回数であると決定し、非通常使用モードに設定されている場合には、制御情報として送信するホッピング回数は1回であると決定する。
これにより、ユーザが端末装置(例えば、リモコン110)でモードの切り換えを行うといった簡単な操作で、特定の照明器具(例えば、照明器具10a)のみを動作させるか否かを変更することができる。具体的には、非通常使用モードに設定されている場合に、ホッピング回数決定部141はホッピング回数を1回に決定し、決定したホッピング回数を含む制御情報を照明器具10aに送信することで、当該制御情報を受信した照明器具10aのみを動作させることができる。つまり、端末装置は、通常使用モード又は非通常使用モードなどの使用環境に応じて、動作させる照明器具(ユーザが意図している照明器具)のみに制御情報を受信させることができる。よって、本実施の形態に係る端末装置は、使用環境に応じて適切に無線通信を行うことができる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、照明器具は制御情報を他の照明器具に送信した後に光源の点灯状態を制御する例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御情報の送信と光源の点灯状態の制御とを平行して行ってもよい。
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
また、上記実施の形態では、テーブルは、第1のホッピング回数と送信回数とが関連付けられたテーブルであったが、これに限定されない。例えば、テーブルは、第2のホッピング回数と送信回数とが関連付けられたテーブルでもよい。
以上、一つまたは複数の態様に係る照明器具及び端末装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。