JP6799621B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、車両に設置され座席の前方で膨張展開する袋状のクッションを備えるエアバッグ装置に関するものである。
近年の車両にはエアバッグ装置がほぼ標準装備されている。エアバッグ装置は、車両衝突などの緊急時に作動する安全装置であって、ガス圧で膨張展開するエアバッグクッションを利用して乗員を受け止めて保護する。エアバッグ装置には、設置箇所や用途に応じて様々な種類がある。例えば、主に前後方向の衝撃から前部座席の乗員を守るために、運転席にはステアリングの中央にフロントエアバッグが設けられていて、助手席の近傍にはインストルメントパネルやその周辺部位にパッセンジャエアバッグが設けられている。他にも、側面衝突やそれに続いて起こるロールオーバ(横転)から前後列の各乗員を守るために、壁部の天井付近にはサイドウィンドウに沿って膨張展開するカーテンエアバッグが設けられ、座席の側部には乗員のすぐ脇へ膨張展開するサイドエアバッグが設けられている。
各種エアバッグ装置のエアバッグクッションは、乗員が効率よく拘束できるよう、身体の部位に応じた形状に作られていることがある。例えば特許文献1の図1に記載のエアバッグ袋体11は、乗員の頭部を保護する第1延出部14aおよび第2延出部14bが設けられている。特許文献1の構成によれば、第1延出部14a等によって頭部の側方までを覆って保護することができると述べられている。
特開2013−14176号公報
現在のエアバッグには、例えば車両に対して斜め前後方向からの衝撃が加わるいわゆるオブリーク衝突など、変則的な衝突や衝撃への対応も求められている。オブリーク衝突時の乗員は、座席の正面に存在するエアバッグクッションに対して、斜め方向等の変則的な角度で進入する。その場合、乗員の頭部が座席の正面のエアバッグクッションに接触すると、頭部には上から見て首を軸にした回転が生じることがある。このような頭部の回転は、人体の構造からみて乗員の傷害値を高くする要因となりやすいため、これを効率よく防ぎたいという要望がある。
上述した特許文献1では、第1延出部14aおよび第2延出部14bを利用することで、車両への衝撃発生時に乗員の頭部が車幅方向にずれた場合にも頭部を保護できると記載されている。しかしながら、図5等を参照する限り第1延出部14a等は車幅方向にさほど厚みがないため、オブリーク衝突時において乗員の頭部を拘束するときに形状を保持できないおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑み、緊急時に乗員の傷害値を効率よく抑えることが可能なエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるエアバッグ装置の代表的な構成は、車両に設置され座席の前方で膨張展開する袋状のクッションを備えるエアバッグ装置であって、クッションは、車両後方へ凸に膨張し乗員の頭部を車両前方から拘束する内側膨張部と、内側膨張部の車幅方向の脇に設けられていて内側膨張部よりも車両後方に突出して膨張可能な少なくとも1つの突出部と、内側膨張部と突出部との間に設けられていて内側膨張部および突出部よりも小さな範囲で車両後方へ一時的に凸に膨張する少なくとも1つの外側膨張部と、を含み、外側膨張部が内側膨張部と突出部とによって押しつぶされ、突出部が内側膨張部側へ引き寄せられた姿勢になっていることを特徴とする。
上記構成によれば、突出部に内側膨張部側へ向かう力がかかり、突出部による乗員の側頭部の拘束力が向上する。したがって、例えば上記突出部によって乗員の頭部の回転も吸収することが可能になるため、乗員の傷害値を効率よく抑えることができる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるエアバッグ装置の他の代表的な構成は、車両に設置され座席の前方で膨張展開する袋状のクッションを備えるエアバッグ装置であって、クッションは、車両後方へ凸に膨張し乗員の頭部を車両前方から拘束する内側膨張部と、内側膨張部の車幅方向の脇に設けられていて車両後方に突出して膨張可能な少なくとも1つの突出部と、内側膨張部と突出部との間に設けられていて内側膨張部および突出部よりも小さな範囲で車両後方に凸に膨張する少なくとも1つの外側膨張部と、を含むことを特徴とする。
上記構成のように、仮に外側膨張部が内側膨張部と突出部とによって押しつぶされなくとも、突出部は、乗員の頭部の回転を吸収して乗員の傷害値を効率よく抑えることができる。外側膨張部が内側膨張部および突出部よりも小さな範囲で車両後方に凸に膨張しているため、乗員が内側膨張部に接触することで、突出部が内側膨張部側へ引き寄せられる効果が得られるからである。
上記の効果は、少なくとも1つの突出部が、内側膨張部よりも車両後方に突出して膨張可能であっても、内側膨張部と同程度に車両後方に突出して膨張可能であっても得られるものである。また上記の効果は、少なくとも1つの外側膨張部が、内側膨張部および突出部よりも車幅方向において小さな範囲で車両後方に凸に膨張するとき、より顕著に得られる。
上記の外側膨張部の膨張したときの曲率半径は、内側膨張部および突出部の曲率半径よりも小さいとよい。この構成によれば、外側膨張部の剛性は、内側膨張部および突出部の剛性よりも低くなる。したがって、外側膨張部は内側膨張部と突出部との間でつぶれ、突出部に対して内側膨張部側に向かう力を効率よくかけることができる。
上記の突出部は、前方拘束部の車幅方向の両脇に設けられていてもよい。この構成によれば、車幅方向のどちら側においても、乗員の頭部の回転を吸収することが可能になる。
当該エアバッグ装置はさらに、クッションの内部において一端が内側膨張部と外側膨張部との境目の部分に接続され緊張して部分を車両前方に引っ張る少なくとも1つの内側テザーと、クッションの内部において一端が外側膨張部と突出部との境目の部分に接続され緊張して部分を車両前方に引っ張る少なくとも1つの外側テザーと、を備えてもよい。
上記の内側テザーおよび外側テザーを備えることで、内側膨張部および外側膨張部を効率よく車両後方へ凸に膨張させることが可能になる。
上記の外側膨張部は、内側膨張部の車幅方向の両脇に設けられていて、内側テザーおよび外側テザーは、車幅方向の左右両側に1つずつ設けられていてもよい。この構成によって、車幅方向のどちら側においても、外側膨張部を好適に形成することが可能になる。
上記の外側テザーの一端および内側テザーの一端のうち少なくとも一方は、突出部に上下範囲にわたる程度の上下寸法を有するとよい。この構成によって、外側膨張部を突出部の上下範囲にわたって形成することが可能になるため、突出部に内側膨張部側に向かう力を効率よく生じさせることが可能になる。
上記の外側テザーおよび内側テザーの他端は、クッションの内部のうち前方拘束部と対面する部分に接続されているとよい。この構成によって、内側テザーおよび外側テザーによって前方拘束部を効率よく引っ張り、外側膨張部を好適に形成することが可能になる。
本発明によれば、緊急時に乗員の傷害値を効率よく抑えることが可能なエアバッグ装置を提供することが可能になる。
本発明の実施形態にかかるエアバッグ装置の概要を例示する図である。 図1(b)の膨張展開時のクッションを各方向から例示した図である。 図2(b)のクッションの断面図である。 図3(a)のクッションが乗員を拘束する過程を例示した図である。 図3(a)のクッションが乗員を拘束する過程を例示した図である。 図3(a)の外側膨張部および内側膨張部付近を拡大した図である。 図3(a)等のクッションの変形例を例示した図である。 図3(a)等のクッションの変形例を例示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態にかかるエアバッグ装置100の概要を例示する図である。図1(a)はエアバッグ装置100の稼動前の車両を例示した図である。図1(a)その他の図面において、車両前後方向をそれぞれ矢印F(Forward)、B(Back)、車幅方向の左右をそれぞれ矢印L(Left)、R(Right)、車両上下方向をそれぞれ矢印U(up)、D(down)で例示する。
本実施形態では、エアバッグ装置100を、左ハンドル車における助手席用(前列右側の座席104)のパッセンジャバッグとして実施している。以下では、前列右側の座席104を想定して説明を行うため、例えば車幅方向の車外側とは車両右側を意味し、車幅方向の車内側とは車両左側を意味する。
エアバッグ装置100のエアバッグクッション(以下、クッション108(図1(b)参照))は、インストルメントパネル102に設けられた収容部106に収容されている。収容部106は、座席104の車両前方に設置されていて、クッション108の他にガス発生装置であるインフレータ118(図3(a)参照)も収納されている。
図1(b)は図1(a)のエアバッグ装置100の稼動後の車両を例示した図である。クッション108は、通常時には収容部106(図1(a)参照)に収容されていて、座席104の前方で膨張展開する。クッション108は袋状であって、その表面を構成する複数の基布を重ねて縫製または接着することや、OPW(One-Piece Woven)を用いての紡織などによって形成されている。
図2は、図1(b)の膨張展開時のクッション108を各方向から例示した図である。図2(a)は、図1(b)のクッション108を車両後方の左下側から見て例示した斜視図である。本実施形態のクッション108は、大きく分けて、基部122と、基部122の車両後方側に設けられている2つの突出部124、126とを有している。
基部122は、クッション108のうちの大部分を占める部位である。基部122の車両後方側の部分は前方拘束部128になっていて、乗員144(図5(b)参照)の頭部146を車両前方から拘束する。突出部124、126は、前方拘束部128の車幅方向の両脇に設けられていて、前方拘束部128よりも車両後方に突出して膨張し、主に乗員144の側頭部148を拘束する。
図2(b)は、図1(b)のクッション108を車内側から見て例示した図である。基部122は、収容部106(図1(a)参照)から、インストルメントパネル102の上面とウィンドシールド120との間を埋めるようにして、車両後方に膨張展開する。突出部124、126は、基部122の車両後方のやや上側に設けられていて、基部122から矩形に近い形状に突出している。
図3は、図2(b)のクッション108の各断面図である。図3(a)は、図2(b)のクッション108のA−A断面図である。クッション108の内部には、インフレータ118の一部が挿入されている。インフレータ118は、不図示のセンサから送られる衝撃の検知信号に起因して稼働し、クッション108にガスを供給する。クッション108は、インフレータ118からのガスによって膨張を始め、その膨張圧で収容部106のカバー107(図1(a)参照)を開裂等して座席104に向かって膨張展開して乗員を車両前方から拘束する。
インフレータ118はディスク型(円盤型)のものであって、一部を基部122に挿入させて、収容部106(図1(a)参照)の内部にてクロスビーム等の車両の剛体部分に固定されている。現在普及しているインフレータには、ガス発生剤が充填されていてこれを燃焼させてガスを発生させるタイプや、圧縮ガスが充填されていて熱を発生させることなくガスを供給するタイプ、または燃焼ガスと圧縮ガスとを両方利用するハイブリッドタイプのものなどがある。インフレータ118としては、いずれのタイプのものも利用可能である。
本実施形態のクッション108の内部には、内側テザー130、132および外側テザー134、136の二種類のテザーが設けられている。内側テザー130、132および外側テザー134、136は、共にクッション108の内部において前方拘束部128に接続され、クッション108の膨張展開に伴って緊張して前方拘束部128を車両前方に引っ張る。これによって、前方拘束部128には、後述する内側膨張部158および外側膨張部160、162が形成される。
外側テザー134、136は、前方拘束部128のうち、車幅方向中央よりも突出部124、126寄りの部分にそれぞれ接続される。内側テザー130、132は、前方拘束部128のうち、外側テザー134、136から車幅方向中央側へ所定距離はなれた部分に接続されている。これら内側テザー130、132および外側テザー134、136は、クッション108を形成している基布と同じ材料を利用して設けることができる。
図3(b)は、図3(a)のクッション108のB−B断面図である。図3(b)には、内側テザー130、132を代表して、内側テザー130が例示されている。内側テザー130、132は同じ構成であるため、代表して内側テザー130を参照する。
内側テザー130は、車両前方側から後方側に向かって次第に広がった形状に設けられていて、一端138が前方拘束部128に接合されている。内側テザー130の他端139は、クッション108の内部のうち前方拘束部128と対面する部分であって、特にインストルメントパネル102(図1(a)参照)に接触する車両前方側の底部分に接続されている。この構成によって、内側テザー130は、クッション108の膨張展開に伴って、前方拘束部128を車両前方側へ効率よく引っ張ることが可能になっている。
図3(c)は、図3(a)のクッション108のC−C断面図である。図3(c)には、外側テザー134、136を代表して、外側テザー134が例示されている。外側テザー134、136は同じ構成であるため、代表して外側テザー134を参照する。
図3(c)に例示するように、外側テザー134もまた、車両前方側から後方側に向かってやや広がった形状に設けられていて、一端140が前方拘束部128の車幅方向の端であって突出部124の根本142の近くに接続されている。外側テザー134の他端141は、内側テザー130(図3(b)参照)と同様に、クッション108の内部のうち前方拘束部128と対面する部分であって、インストルメントパネル102(図1(a)参照)に接触する車両前方側の底部分に接続されている。この構成によって、外側テザー134は、クッション108の膨張展開に伴って、前方拘束部128を車両前方側へ効率よく引っ張ることができる。
図3(a)に例示したように、前方拘束部128には、内側テザー130、132と外側テザー134、136とによって、内側膨張部158および外側膨張部160、162が形成される。内側膨張部158は、前方拘束部128のうち内側テザー130、132よりも車幅方向中央側にて、乗員側へ凸に湾曲して突出するように膨張する。外側膨張部160、162は、前方拘束部128のうち外側テザー134、136と内側テザー130、132との間にて、乗員側へ凸に湾曲して突出するように一時的に膨張する。
本実施形態では、内側膨張部158と外側膨張部160とを利用して、突出部124に内側膨張部158側に向かう力を生じさせ、突出部124、126の乗員拘束力をより一層向上させることができる。以下、図4、5を参照して、クッション108が乗員144を拘束する過程について説明する。
図4、5は、図3(a)のクッション108が乗員144を拘束する過程を例示した図である。図4(a)に例示するように、クッション108は、座席104に着座する乗員144の車両前方に収容されている。図4(b)に例示するように車両に衝撃が発生すると、不図示のセンサからエアバッグ装置100に稼働信号が送信され、クッション108がカバー107(図1(a)参照)を開裂して膨張展開する。そして図4(c)に例示するように、クッション108は乗員144に向かって車両後方に膨張する。
図5(a)に例示するように、クッション108の内部では、車幅方向の左右両側に内側テザー130、132および外側テザー134、136が1つずつ設けられている。内側テザー130、132は一端が前方拘束部128のうち内側膨張部158と外側膨張部160、162との境目の部分に接続されていて、外側テザー134、136は一端が前方拘束部128のうち外側膨張部160、162と突出部124、126との境目の部分に接続されている。これら内側テザー130、132と外側テザー134、136とがクッション108の膨張展開に伴って緊張し、前方拘束部128の各部分を車両前方に引っ張ることで、内側膨張部158と外側膨張部160、162とが車両後方へ凸に膨張する。
クッション108は、前方拘束部128のうち特に内側膨張部158で乗員144の頭部146を拘束するよう、乗員144の車両前方から後方に向かって膨張する。しかしながら、オブリーク衝突においては、乗員144は座席104(図1(a)等参照)から車両前方に向かうだけでなく、車内側の斜め前方に移動する場合がある。そこで、本実施形態では、突出部124、126を、前方拘束部128の車幅方向の両脇から車両後方側に突出するよう設けている。
図5(b)は、図5(a)の乗員144がさらにクッション108側へ進入した図である。図5(b)に例示するように、例えば乗員144が左前方に向かって移動している場合、まずクッション108は前方拘束部128のうち内側膨張部158で乗員144の頭部146を車両前方から拘束する。加えて、クッション108は、突出部124によって乗員144の頭部146を側頭部148側から拘束する。
図5(b)の状態において、突出部124には内側膨張部158側に向かう力がかかっていて、頭部146をより好適に拘束できるようになっている。詳しくは、突出部124は、外側膨張部160を内側膨張部158との間で挟むようにして押しつぶし、内側膨張部158側へ引き寄せられた姿勢になって乗員144を拘束している。
再び図3(a)を参照する。外側膨張部160、162は、内側膨張部158の車幅方向の両脇に設けられていて、内側膨張部158および突出部124、126よりも小さい範囲で膨張する。より具体的に言えば、本実施例では、車幅方向(矢印L、Rで示す左右方向)において小さい範囲で膨張する。言い換えると、外側膨張部160、162の乗員側へ膨張したときの曲率半径が、内側膨張部158および突出部124、126の曲率半径よりも小さくなるよう、内側テザー130、132および外側テザー134、136の接続箇所は設定されている。
図6は、図3(a)の外側膨張部160および内側膨張部158付近を拡大した図である。図6では、外側膨張部160の曲率に沿った円(中心C1)、および内側膨張部158の曲率に沿った円(中心C2)を模式的に例示している。図6に例示するように、外側膨張部160は、その曲率半径r1(中心C1と表面上の点P1とを結んだ半径)が、内側膨張部158の曲率半径r2(中心C2と表面上の点P2とを結んだ半径)よりも小さくなるよう設定されている(曲率半径r1<曲率半径r2)。また、図示は省略するものの、外側膨張部160の曲率半径r1は、突出部124の曲率半径よりも小さく設定されている。
上記構成によって、外側膨張部160の剛性は、内側膨張部158および突出部124の剛性よりも低くなっている。したがって、クッション108の膨張展開時において、外側膨張部160は内側膨張部158と突出部124とによって押しつぶされ、その結果、突出部124が内側膨張部158側へ引き寄せられた姿勢となる(図5(b)参照)。このように、本実施形態の外側膨張部160、162は、クッション108が膨張展開する過程において、一時的に膨張する部位として設けられている。
上記構成によって、図5(b)の突出部124、126は、内側膨張部158との間で外側膨張部160、162をそれぞれ押しつぶすようにして内側膨張部158側に向かう力150、152がかかっている。そのため、例えば乗員144に位置が近い突出部124は、乗員144の頭部146の拘束力が向上している。この突出部124、126の力150、152は、外側テザー134、136の長短によって調節することも可能である。例えば、外側テザー134、136をより短くすれば、突出部124、126にかかる張力も高まり、力150、152は大きくなる。
本実施形態では、突出部124によって乗員144の頭部146の回転も吸収することが可能になり、乗員144の傷害値を効率よく抑えることができる。特に、突出部124、126には互いの間を狭める方向への力150、152がそれぞれ加わっていて、突出部124、126は乗員144の頭部146を両側から包み込むような動きで拘束することが出来る。この働きによって、突出部124、126は乗員144の頭部146に対して、高い乗員拘束力を発揮することが可能になっている。
ここで、オブリーク衝突等において、斜め前方へ移動する乗員144の頭部146が座席104(図1(a)等参照)の前方のクッション108に接触すると、頭部146には上から見て首を軸にした時計回りの回転力(矢印で例示する回転156)が生じることがある。このような頭部146の回転156は、乗員144の傷害値を高めやすいことが判明している。しかし本実施形態では、内側膨張部158と突出部124、126とによって、頭部146の前方側から側頭部148にかけてまでを積極的に拘束し、頭部146に生じる回転156を減少または打ち消し吸収することができる。この構成によれば、乗員144の頭部146の回転156の角速度を小さくし、回転156に伴う頭部146の傷害値を抑えることが可能である。
なお、図5(b)の外側膨張部160、162が内側膨張部158と突出部124、126とによって押しつぶされず、その形状を保ったとしても、突出部124、126は乗員144の頭部146の回転156を吸収し、傷害値を抑えることが可能である。これは、外側膨張部160、162が車幅方向において小さな範囲で車両後方に凸に膨張しているため、乗員144の頭部146が内側膨張部158に接触することで、突出部124、126が内側膨張部158側へ引き寄せられる効果が得られるからである。
再び図3(b)を参照する。内側テザー130の一端138は、突出部124に上下範囲にわたる程度の上下寸法を有している。この構成によって、外側膨張部160、162(図3(a)参照)は、突出部124の上下範囲にわたって形成されている。したがって本実施形態では、突出部124、126に内側膨張部158側に向かう力を効率よく生じさせることが可能になっている。なお、同様の効果は、図3(c)の外側テザー134の一端140を突出部124に上下範囲にわたる程度の上下寸法に設定しても得ることが可能である。すなわち、内側テザー130の一端138および外側テザー134の一端は、少なくとも一方が突出部124に上下範囲にわたる程度の上下寸法を有すると好適である。
(変形例)
図7および図8は、図3(a)等のクッション108の変形例を例示した図である。以降、既に説明した構成要素と同じものについては、同じ符号を付することによって説明を省略する。また、既に説明した構成要素と同じ名称のものについては、異なる符号を付していても、特に明記しない場合は同じ機能を有するものとする。
図7(a)は、図3(a)に対応してクッション108の第1変形例を例示した図である。図7(a)に例示するクッション200では、外側テザー202、204が、内側テザー130、132の中央部分に接続されている。したがって、内側テザー130および外側テザー202、そして内側テザー132および外側テザー204が、それぞれ一体化した二股のテザーを形成している。この構成であっても、内側テザー130、132および外側テザー202、204は、前方拘束部128を車両前方に効率よく引っ張ることができ、内側膨張部158および外側膨張部160を好適に形成することが可能である。
図7(b)は、図3(a)に対応してクッション108の第2変形例を例示した図である。図7(b)に例示するクッション220のように、突出部124は、前方拘束部128の車幅方向の片側に1つだけ設けることも可能である。
例えば、図1(b)に例示したパッセンジャバッグに対して、その車幅方向の右側にはカーテンエアバッグ222が設けられている場合がある。その場合、図7(b)に例示するように、クッション220には車幅方向の左側(車内側)にのみ突出部124および外側テザー134を設け、車幅方向の右側は突出部126(図3(a)参照)を省略してカーテンエアバッグ222によって拘束を行うことでも、オブリーク衝突時に車内側に向かう乗員144(図5(b)参照)の傷害値を抑えて効率よく拘束することが可能である。
このように、突出部124および外側テザー134は、前方拘束部128の車幅方向のいずれか一方のみに設けることでも、乗員の傷害値を抑えることが可能である。また、内側テザー130、132も、内側膨張部158の形状が保てるのであれば、外側テザー134と共に前方拘束部128の車幅方向のいずれか一方のみに設けることも可能である。
図8は、図3(a)〜(c)に対応してクッション108の第3変形例を例示した図である。図8(a)に例示するように、クッション240は、その突出部244、246が内側膨張部158と同程度に車両後方に突出して膨張する点で、クッション108と異なる。これは図8(a)のクッション240のD−D断面図およびE−E断面図である図8(b)(c)にも例示する通りである。
このように、突出部244、246が内側膨張部158と同程度に車両後方に突出して膨張する場合であっても、突出部244、246が内側膨張部158側へ引き寄せられる効果は得られる。したがって、突出部244、246による乗員の側頭部の拘束力は従来より向上し、乗員の頭部の回転を吸収して乗員の傷害値を効率よく抑えることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車両に設置され座席の前方で膨張展開する袋状のクッションを備えるエアバッグ装置に利用することができる。
100…エアバッグ装置、102…インストルメントパネル、104…座席、106…収容部、107…カバー、108…クッション、118…インフレータ、120…ウィンドシールド、122…基部、124…左側の突出部、126…右側の突出部、128…前方拘束部、130…左側の内側テザー、132…右側の内側テザー、134…左側の外側テザー、136…右側の外側テザー、138…内側テザーの一端、139…内側テザーの他端、140…外側テザーの一端、141…外側テザーの他端、142…突出部の根本、144…乗員、146…頭部、150…左側の突出部にかかる力、152…右側の突出部にかかる力、156…頭部の回転、158…内側膨張部、160…左側の外側膨張部、162…右側の外側膨張部、200…第1変形例のクッション、202…左側の外側テザー、204…右側の外側テザー、220…第2変形例のクッション、222…カーテンエアバッグ、240…第3変形例のクッション

Claims (10)

  1. 車両に設置され座席の前方で膨張展開する袋状のクッションを備えるエアバッグ装置であって、
    前記クッションは、
    車両後方へ凸に膨張し乗員の頭部を車両前方から拘束する内側膨張部と、
    前記内側膨張部の車幅方向の脇に設けられていて車両後方に突出して膨張可能な少なくとも1つの突出部と、
    前記内側膨張部と前記突出部との間に設けられていて該内側膨張部および該突出部よりも小さな範囲で車両後方に凸に膨張する少なくとも1つの外側膨張部と、
    を含み、
    前記外側膨張部の膨張したときの曲率半径は、前記内側膨張部および前記突出部の曲率半径よりも小さいことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記少なくとも1つの突出部は、前記内側膨張部よりも車両後方に突出して膨張可能であることを特徴とする請求項に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記少なくとも1つの突出部は、前記内側膨張部と同程度に車両後方に突出して膨張可能であることを特徴とする請求項に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記少なくとも1つの外側膨張部は、前記内側膨張部および前記突出部よりも車幅方向において小さな範囲で車両後方に凸に膨張することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記外側膨張部が前記内側膨張部と前記突出部とによって押しつぶされ、該突出部が該内側膨張部側へ引き寄せられた姿勢になっていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記突出部は、前記内側膨張部および外側膨張部が形成された前方拘束部の車幅方向の両脇に設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  7. 当該エアバッグ装置はさらに、
    前記クッションの内部において一端が前記内側膨張部と前記外側膨張部との境目の部分に接続され緊張して該部分を車両前方に引っ張る少なくとも1つの内側テザーと、
    前記クッションの内部において一端が前記外側膨張部と前記突出部との境目の部分に接続され緊張して該部分を車両前方に引っ張る少なくとも1つの外側テザーと、
    を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  8. 前記外側膨張部は、前記内側膨張部の車幅方向の両脇に設けられていて、
    前記内側テザーおよび外側テザーは、車幅方向の左右両側に1つずつ設けられていることを特徴とする請求項に記載のエアバッグ装置。
  9. 前記外側テザーの一端および内側テザーの一端のうち少なくとも一方は、前記突出部に上下範囲にわたる程度の上下寸法を有することを特徴とする請求項7または8に記載のエアバッグ装置。
  10. 前記外側テザーおよび内側テザーの他端は、前記クッションの内部のうち前記内側膨張部および外側膨張部が形成された前方拘束部と対面する部分に接続されていることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
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