JP6799232B2 - 寸法測定装置及び寸法測定方法 - Google Patents
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Description
このように、ステージ上に被測定対象と基準ゲージを配置することにより、被測定対象の材料に適したX線条件を容易に設定することができる。
一実施の形態における寸法測定装置は、X線Xを照射するX線源10と、被測定対象Oが配置され移動可能なステージ20と、被測定対象Oを透過したX線Xを検出する検出器30と、X線Xの線質を調整する線質調整手段40と、制御処理部50と、検出器30の検出信号を表示可能な表示部60と、を備えている。また、被測定対象Oの材料に対応した基準ゲージO2をさらに備えても良い。
X線源10は、X線Xを照射可能な構成であればよく、X線Xの条件を制御するX線源制御部11を有している。このX線源制御部11は、制御処理部50に接続されており、制御処理部50からの信号を受け付けてX線源10の条件を制御することができる。
ステージ20は、被測定対象Oの座標位置(XYZ方向)及び角度(回転角度θ及び/又は傾斜角度φ)を調節可能な構成であればよく、ステージ20の移動を制御するステージ制御部21と、ステージ20が移動した移動量を算出する移動量算出部22と、を有している。
また、移動量算出部22は、制御処理部50に接続されており、ステージ20が移動した移動量を算出して、制御処理部50に信号を送信することができる。
なお、この移動量算出部22が算出する移動量は、X軸及びZ軸の2軸情報である。
検出器30は、被測定対象Oを透過したX線Xを検出可能な構成であればよく、フラットパネル(FPD),イメージインテンシファイア(I.I),CCDイメージセンサ等の方式を採用することができる。また、この他にも慣用のX線検出器を採用することができる。
検出器制御部31は、制御処理部50に接続されており、制御処理部50からの信号を受け付けて検出器30の読み出し速度や枚数、階調等を制御することができる。
検出信号処理部32は、制御処理部50に接続されており、検出器30が検出したデータに基づいて被測定対象OのX線投影像(画像等)を構成することができる。
線質調整手段40は、X線Xの線質を調整する複数のフィルタ401と、これらのフィルタ401を適宜交換可能なフィルタ交換器402と、このフィルタ交換器402を制御するフィルタ制御部41と、を有している。
また、厚さを変えた同じ材質のフィルタ401を複数用意することが望ましく、例えば、0.005mm、0.01mm、0.05mm、0.1mm、0.5mm、1mmといったように、数μm〜数mm程度の厚さの異なるフィルタ401を用意することが望ましい。
すなわち、フィルタ交換器402を採用することにより、被測定対象Oに適したフィルタ401を適宜選択することができ、被測定対象Oをより好ましい条件で測定することができる。
基準ゲージO2は、測定したい被測定対象Oの材質に対応した基準ゲージO2を選択して、ステージ20上に配置される。この基準ゲージO2を、被測定対象Oの近傍に配置することで、ステージ20を移動させるだけで、被測定対象Oに適切なX線源10の条件や検出器30の条件の条件出しを行うことができる。
なお、図3においては、上下に貫通する孔を有した筒状の基準ゲージO2を示したが、天面を有する有天筒状や底面を有する有底筒状等、適宜変更してもよい。
すなわち、X線投影像より被測定対象O辺の始点SPを検出器30の中央一定点に位置決めし記憶し、被測定対象Oの他辺終点EPを同様に検出器30中央の同一位置に移動させて、その移動量を測定寸法とするものである。内部寸法であっても単純な形状では容易に始点SP、終点EPの確定が行え、X線CT装置より早く誤差の少ない寸法測定が行えることが本機の最大の特徴である。なお、X線Xをプローブとして用いる寸法測定装置であるため、XPMM(X−ray Probe Measuring Microscope)と称することができる。
すなわち、質量吸収係数差の少ない2部品の組み合わせや、輪郭形状が複雑なものなどの被測定対象Oにおいては、条件によって輪郭部O1のボケ量が大きくなる。そのため、被測定対象Oと類似の材料を採用した基準ゲージO2との相対比較により始点SP、終点EPの決定作業を行い、被測定対象Oの材質や形状に関する誤差要因を少なくすることができる。
一実施の形態に係る寸法測定方法は、図4に示すように、被測定対象Oをステージ20上に設置する設置工程S10と、被測定対象OにX線Xを照射して測定したX線投影像の輪郭部O1を鮮明化させる輪郭調整工程S20と、被測定対象Oの寸法測定の始点SPを設定する始点設定工程S30と、被測定対象Oを移動させて寸法測定の終点EPを設定する終点設定工程S40と、始点SPから終点EPへの移動量に基づいて寸法を算出する寸法算出工程S50と、を含む。
設置工程S10は、被測定対象Oをステージ20上に設置する工程である。被測定対象Oをステージ20に固定し、ステージ20を操作して被測定対象Oの寸法測定に好ましい位置・角度に調整する。この時、被測定対象Oの材質に対応した基準ゲージO2を選択して、ステージ20上に配置しても良い。
輪郭調整工程S20は、被測定対象Oの測定したい箇所の輪郭部O1を鮮明化させる工程であり、X線Xの照射方向と平行なY軸方向に被測定対象Oを移動させるY軸移動工程S21と、X線源10の条件を最適化する線源最適化工程S22と、検出器30の条件を最適化する検出器最適化工程S23と、を含む。
線源最適化工程S22は、X線源制御部11を介して、X線源10の条件を最適化する工程である。X線源10に供給される管電圧や管電流,照射時間,焦点サイズ等を適宜変更することにより、輪郭部O1が鮮明となる条件に決定する。
検出器最適化工程S23は、検出器制御部31を介して、検出器30の条件を最適化する工程である。検出器30の読み出し速度や枚数、階調等を適宜変更することにより、輪郭部O1が鮮明となる条件に決定する。
始点設定工程S30は、図5(a)に示すように、被測定対象Oの寸法測定の始点SPとなる座標位置を設定する工程であり、X線Xの軸線上に設定された測定領域MA内に被測定対象Oの輪郭部O1を移動させる移動工程S31と、輪郭部O1に始点SPを登録する始点登録工程S32と、を含む。
終点設定工程S40は、図5(b)に示すように、被測定対象Oの寸法測定の終点EPとなる座標位置を登録する工程であり、X線Xの軸線上に設定された測定領域MA内に被測定対象Oの輪郭部O1を移動させる移動工程S41と、輪郭部O1に終点EPを登録する終点登録工程S42と、を含む。
寸法算出工程S50は、ステージ20の移動量に基づいて寸法を算出する工程である。具体的には、移動量算出部22(若しくは制御処理部50)に登録された始点SPと終点EPの座標情報から、ステージ20の移動量を算出する。
11 X線源制御部
20 ステージ
201 Xステージ
202 Yステージ
203 Zステージ
204 θステージ
205 調芯用XYステージ
21 ステージ制御部
22 移動量算出部
30 検出器
31 検出器制御部
32 検出信号処理部
40 線質調整手段
401 フィルタ
402 フィルタ交換器
41 フィルタ制御部
50 制御処理部
60 表示部
S10 設置工程
S20 輪郭調整工程
S30 始点設定工程
S40 終点設定工程
S50 寸法算出工程
X X線
O 被測定対象
O2 基準ゲージ
Claims (6)
- X線を照射するX線源と、
被測定対象の材料に対応した基準ゲージと、
前記被測定対象と前記基準ゲージとが隣り合って配置され、前記基準ゲージを、その配置位置と、前記被測定対象の配置位置との間で往復移動可能なステージと、
前記被測定対象を透過した前記X線を検出する検出器と、
前記X線の軸線上に設定された測定領域を用いて位置決めされる始点及び終点に基いて、被測定対象の寸法となる前記ステージの移動量を算出する移動量算出部と、を備え、
前記X線源と前記被測定対象と前記検出器とは、前記X線の軸線上に一直線に配置される、寸法測定装置。 - 前記X線の線質を調整する線質調整手段をさらに備え、
前記線質調整手段は、前記X線源と前記ステージの間に配置される、請求項1に記載の寸法測定装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の寸法測定装置を用いた寸法測定方法であって、
被測定対象にX線を照射し、X線の軸線上に設定される測定領域を用いて寸法測定の始点を設定する始点設定工程と、
前記被測定対象を移動させ、X線の軸線上に設定される測定領域を用いて寸法測定の終点を設定する終点設定工程と、
前記始点から前記終点への移動量に基づいて寸法を算出する寸法算出工程と、を含み、
前記始点設定工程及び前記終点設定工程は、表示部上に配置された二重カーソル内に設定された測定領域内に前記被測定対象の輪郭部を移動させる移動工程と、
前記始点及び前記終点の座標情報を登録する登録工程と、を有し、
前記移動量は、前記被測定対象を移動させるステージの移動量に基づいて決定される、寸法測定方法。 - 前記被測定対象の輪郭部を鮮明化させる輪郭調整工程をさらに含み、
前記輪郭調整工程は、被測定対象の材質に対応した基準ゲージを用いて輪郭部を鮮明化させる工程である、請求項3に記載の寸法測定方法。 - 前記被測定対象の輪郭部を鮮明化させる輪郭調整工程をさらに含み、
前記輪郭調整工程は、前記X線の照射方向と平行なY軸方向に移動させるY軸移動工程と、
X線源の条件を最適化する線源最適化工程と、
検出器の条件を最適化する検出器最適化工程と、を行う、請求項3又は請求項4に記載の寸法測定方法。 - 前記移動量は、前記X線の照射方向と直交するX軸方向及び/又はZ軸方向に前記ステージを移動させて得る、請求項3〜5の何れかに記載の寸法測定方法。
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