JP6798581B2 - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置の製造方法に関する。
近年、半導体発光素子を備えた発光装置が、照明器具等に広く使用されるようになってきている。例えば、特許文献1には、発光ダイオード等の発光素子の上に複数の蛍光体層を備えた発光装置が開示されている。特許文献1によれば、特許文献1の発光装置により、不均一な色分布が低減できるとされている。
特開2014−170938号公報
しかしながら、複数の蛍光体層を備えた発光装置では、発光装置間で各蛍光体層における蛍光体粒子の分布状態が異なると、発光装置間において発光色のばらつきが生じるという課題がある。
そこで、本発明は、複数の蛍光体層を備えた発光装置を、発光色のばらつきを抑えて製造することができる発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る一実施形態の発光装置の製造方法は、
凹部を有する基体を準備する工程と、
前記凹部の底面に発光素子を配置する配置工程と、
平均粒径が10μm以上30μm以下の第1蛍光体粒子と平均粒径が5μm以上20μm以下の第1フィラーとを含む第1樹脂を発光素子を覆うように配置する第1樹脂配置工程と、
前記第1蛍光体粒子と前記第1フィラーとを前記基体側に遠心沈降させる第1遠心沈降工程と、
前記第1樹脂を仮硬化させる仮硬化工程と、
前記仮硬化させた第1樹脂上に、第2蛍光体粒子と平均粒径が5nm以上100nm以下の第2フィラーとを含む第2樹脂を配置する第2樹脂配置工程と、
前記第2蛍光体粒子と前記第2フィラーとを前記第1樹脂側に遠心沈降させる第2遠心沈降工程と、
前記第1樹脂および前記第2樹脂を硬化する硬化工程と、
を含む。
以上のように構成された発光装置の製造方法は、第1樹脂配置工程後に、第1遠心沈降工程と仮硬化工程とを含み、第2樹脂配置工程後に第2遠心沈降工程を含むので、発光装置間で各蛍光体層における蛍光体粒子の分布状態のばらつきを小さくでき、発光色のばらつきが少ない発光装置を製造することができる。
本発明に係る実施形態1の発光装置の製造方法において準備する、基体が集合状態で配列されたリードフレーム成形体の斜視図である。 実施形態1の発光装置の製造方法において準備する、基体が集合状態で配列されたリードフレーム成形体の一部を拡大して示す平面図である。 本発明に係る実施形態1の発光装置の製造方法において、準備した基体の断面図である。 実施形態1の発光装置の製造方法において、基体の凹部の底面に発光素子を配置したときの断面図である。 実施形態1の発光装置の製造方法において、第1蛍光体粒子と第1フィラーとを分散させた第1樹脂を凹部40r内に配置した直後の第1樹脂層の様子を示す断面図である。 実施形態1の発光装置の製造方法において、配置した第1樹脂層内の第1蛍光体粒子と第1フィラーとを遠心沈降させた後の第1樹脂層内の様子を示す断面図である。 実施形態1の発光装置の製造方法において、第2蛍光体粒子と第2フィラーとを分散させた第2樹脂を凹部40r内に配置した直後の第2樹脂層の様子を示す断面図である。 実施形態1の発光装置の製造方法において、配置した第2樹脂層内の第2蛍光体粒子と第2フィラーとを遠心沈降させた後の第2樹脂層内の様子を示す断面図である。 本発明に係る実施形態2の発光装置の製造方法において、第3蛍光体粒子を分散させた第3樹脂を発光素子の発光面上に配置したときの断面図である。 実施形態2の発光装置の製造方法において、第1蛍光体粒子と第1フィラーとを分散させた第1樹脂を凹部内に配置して第1蛍光体粒子と第1フィラーとを遠心沈降させた後の第1樹脂層内の様子を示す断面図である。 実施形態2の発光装置の製造方法において、第2蛍光体粒子と第2フィラーとを分散させた第2樹脂を凹部内に配置して第2蛍光体粒子と第2フィラーとを遠心沈降させた後の第2樹脂層内の様子を示す断面図である。 発光装置の変形例を示す断面図である。 発光装置の変形例を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施形態の発光装置の製造方法について説明する。
<実施形態1>
実施形態1の発光装置の製造方法は、基体準備工程と、配置工程と、第1樹脂配置工程と、第1遠心沈降工程と、仮硬化工程と、第2樹脂配置工程と、第2遠心沈降工程と、硬化工程と、を含む。
以下、各工程について具体的に説明する。
(基体準備工程)
基体準備工程では、凹部を有する基体を準備する。
ここでは、例えば、図1に示すそれぞれ凹部40rを有するパッケージが複数備えられた基体(リードフレーム成形体100)を準備する。具体的には、まず、個片化後にパッケージとなる単位領域においてそれぞれ、図2に示すように第1リード20と第2リード30とに分離されたリードフレーム100bを準備する。次に、準備したリードフレーム100bを、樹脂成型金型のキャビティー内に各単位領域の第1リード20と第2リード30とを所定の位置に支持した状態で、キャビティー内に成形樹脂を注入して硬化させる。以上のようにして、各単位領域の成形樹脂部42が一体に形成された成形樹脂部100aを含むリードフレーム成形体100を準備する。リードフレーム成形体100において、成形樹脂部42は、図2に示すように、例えば、第1リード20と第2リード30の上に凹部40rを形成するように成形された第1成形樹脂部42aと第1リード20と第2リード30とを分離して絶縁した状態で支持する第2成形樹脂部42bとを含む。各単位領域に形成されたパッケージ40の凹部40rの底面には、図3に示すように、第1リード20の上面の一部と第2リード30の上面の一部と第2成形樹脂部42bの上面を含む。また、第1リード20と第2リード30とを成形樹脂部42によってより強固に支持するために、例えば、第1成形樹脂部42aの直下の第1リード20と第2リード30とに貫通孔を形成し、その貫通孔に成形樹脂が入り込むようにしてもよい。
なお、基体準備工程における基体は、上記の製造工程により製造して準備する以外に、予め製造された基体を購入する等により準備してもよい。
(配置工程)
ここでは、各単位領域において凹部の底面にそれぞれ発光素子10を配置する。
尚、以下の個片化前の工程は、1つのパッケージを拡大して示す図面を参照しながら説明するが、複数のパッケージが配列されたリードフレーム成形体100を用いて集合状体で実施される。
発光素子10は、例えば、発光面側に正負の電極(図示せず)を有しており、図4に示すように、各単位領域において、凹部40rの底面に露出した第1リード20の上面にダイボンディングされ、正負の電極がそれぞれ第1リード20と第2リード30とにワイヤ60により接続される。
発光素子10をダイボンディングする際の接合部材13は、例えば、母材としてシリコーン樹脂やエポキシ樹脂を使用する。
(第1樹脂配置工程)
ここでは、第1蛍光体粒子71と第1フィラー81とを分散させた第1樹脂51を、例えば、ディスペンサー等により吐出させて塗布することにより各単位領域の凹部40r内にそれぞれ所定量配置する。これにより発光素子を覆う第1樹脂層1を形成する。配置した直後の第1樹脂層1は、図5に示すように、第1蛍光体粒子71と第1フィラー81とがほぼ均一に分散されている。ここで、第1樹脂51に分散させる第1蛍光体粒子71の粒径と第1フィラー81の粒径は、後述の遠心沈降により所望の分散状態が実現できるように設定される。具体的には、第1蛍光体粒子71の平均粒径は、1μm以上40μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下の範囲に設定される。第1フィラーの平均粒径は、5μm以上20μm以下、好ましくは8μm以上15μm以下の範囲に設定される。また、第1フィラーの平均粒径は、好ましくは、上記範囲内において第1蛍光体粒子71の平均粒径より小さくなるように設定される。
また、第1樹脂51(100重量部)に対する第1蛍光体粒子71の量は、例えば、23重量部以上64重量部以下の範囲に設定され、第1樹脂51(100重量部)に対する第1フィラー81の量は、例えば、9重量部以上23重量部%以下の範囲に設定される。第1フィラーの含有量をこの範囲に設定することで、ワイヤの断線を抑制しつつ、硬化した後の第1樹脂51にクラックが起こる可能性を低減することができる。
また、第1蛍光体粒子71の比重は、3以上8以下であり、第1フィラー81の比重は、1以上3.5以下である。
また、凹部40rの体積に対する第1樹脂51の量は、例えば10%〜90%であり、50%〜70%であることが好ましい。
また、第1蛍光体粒子71及び第1フィラー81が分散された第1樹脂51の配置時の粘度は、後述の第1遠心沈降により第1蛍光体粒子71及び第1フィラー81が所望の分布に沈降されるように、第1蛍光体粒子71の平均粒径及び粒度分布、第1蛍光体粒子71の比重、第1フィラーの平均粒径及び粒度分布、第1フィラー81の比重等、を考慮して調整される。
ここで、本明細書において、平均粒径は、FSSS法(フィッシャーサブシーブサイザー:Fisher Sub-Sieve Sizer)により測定した粒子径の平均値のことである。フィッシャー法により測定される平均粒径は、例えば、Fisher Sub−Sieve Sizer Model95(Fisher Scientific社製)を用いて測定される。
また、配置工程において例示したように、発光素子10の電極をワイヤにより第1リードフレームと第2リードフレームに接続する場合には、第1樹脂配置工程において、第1樹脂51によってワイヤ60全体が覆われるように第1樹脂層1を形成することが好ましい。このようにすると、ワイヤ60全体が一種類の樹脂により覆われることになので、熱膨張率の異なる2種類以上の樹脂により覆われることがないので、温度変化により過度のストレスがワイヤ60にかかることがなく、信頼性を高くできる。なお、第1樹脂51は、発光素子10を完全に内包していなくてもよく、発光素子10の一部のみを被覆していてもよい。
(第1遠心沈降工程)
第1樹脂層1を形成した後、第1樹脂51が未硬化の状態で、第1樹脂51中に分散された第1蛍光体粒子71と第1フィラー81とを遠心沈降させる。この遠心沈降により第1樹脂51中において、第1蛍光体粒子71と第1フィラー81とは凹部40rの底面側の分布密度が高くなるように偏在される。第1樹脂51中において、第1蛍光体粒子71の平均粒径より小さい平均粒径の第1フィラーが分散されていると、図6に模式的に示すように、第1樹脂層1において、凹部40rの底面側に第1蛍光体粒子の分布密度が第1フィラーの分布密度より高い第1蛍光体層と、第1蛍光体層の上の第1フィラーの分布密度が第1蛍光体粒子の分布密度より高い第1フィラー層と、第1フィラーの分布密度と第1蛍光体粒子の分布密度が共に小さい第1樹脂上部層とが形成される。第1樹脂層1における第1蛍光体粒子71の分布密度は、例えば、第1リード20および第2リード30の上面に垂直な方向の一断面において、第1樹脂層1の下面から第1樹脂層1の1/2の高さまでの領域における第1蛍光体粒子71の個数が、第1樹脂層1の1/2の高さから第1樹脂層1の上面までの領域における第1蛍光体粒子71の個数よりも大きい。尚、上記領域から発光素子10の直上の領域は除くものとする。
遠心沈降工程では、単位領域の凹部40rにそれぞれ第1樹脂51が充填されたリードフレーム成形体100を、例えば、マガジンに入れて遠心機で十分に沈降するまで回転させ、第1蛍光体粒子71と第1フィラー81とを遠心沈降させる。遠心沈降工程では、遠心機において回転数および時間を設定することによって、遠心沈降の度合いを調整することができる。本実施形態において、例えば、回転数300rpm(rotations per minute)で30分間遠心沈降を行う。
(仮硬化工程)
次に、凹部40rに配置された第1樹脂を仮硬化させる。ここでの仮硬化は、例えば、以降の第2樹脂配置工程及び第2遠心沈降工程において第1樹脂層の形状が維持できる程度に硬化させるものであり、この仮硬化により、第1樹脂層の形状を維持することができることに加え、第1樹脂層1内における第1蛍光体粒子71の分散状態及び第1フィラー81の分散状態を実質的に変化させることなく以降の工程を実施できる。
(第2樹脂配置工程)
ここでは、単位領域の凹部40r内で仮硬化させた第1樹脂層1上にそれぞれ、第2蛍光体粒子と平均粒径が5nm以上100nm以下の第2フィラーとが分散させた第2樹脂51を、例えば、ディスペンサー等により吐出させて塗布することにより配置して第2樹脂層2を形成する。配置した直後の第2樹脂層2は、図7に示すように、第2蛍光体粒子72と第2フィラー82とがほぼ均一に分散されている。ここで、第2樹脂52に分散させる第2蛍光体粒子72の粒径と第2フィラー82の粒径は、後述の遠心沈降により所望の分散状態が実現できるように設定されるが、第2フィラー82の平均粒径が5nm以上100nm以下である点が重要である。第2フィラー82の平均粒径を5nm以上100nm以下とすることで、第2樹脂層2内の第2蛍光体粒子の分散効果を向上させることができ、第2蛍光体粒子が第2樹脂層2の下層に完全に沈みこむことを抑制することができる。これにより、例えば、第2蛍光体粒子を発光素子から離間しやすくなり、第2蛍光体粒子の光劣化等を効果的に抑制することができる。また、第2蛍光体粒子72の平均粒径は、例えば、1μm以上40μm以下、好ましくは5μm以上15μm以下の範囲に設定される。第2フィラー82の平均粒径は、より好ましくは5nm以上15nm以下の範囲に設定される。
第2樹脂52(100重量部)に対する第2蛍光体粒子72の含有量は、例えば、17重量部以上47重量部以下の範囲に設定され、第2樹脂52(100重量部)に対する第2フィラー82の含有量は、例えば、0.1重量部以上2重量部以下の範囲に設定される。
また、第2蛍光体粒子72の比重は、1以上5以下であり、2以上4.5以下であることが好ましい。第2フィラー82の比重は、1以上5以下であり、2以上3以下であることが好ましい。
また、凹部40rの体積に対する第2樹脂52の量は、例えば10%〜90%であり、30%〜50%であることが好ましい。また、第1樹脂51の量に対する第2樹脂52の量は、例えば40%〜100%である。
また、第2蛍光体粒子72及び第2フィラー82が分散された第2樹脂52の配置時の粘度は、第1樹脂配置工程における第1樹脂51と同様、後述の第2遠心沈降により第2蛍光体粒子72及び第2フィラー82が所望の分布に沈降されるように、第2蛍光体粒子72の平均粒径及び粒度分布、第2蛍光体粒子72の比重、第2フィラー82の平均粒径及び粒度分布、第2フィラー82の比重等、を考慮して調整される。尚、平均粒径の測定方法及び粒度分布の測定方法は、第1蛍光体粒子71及び第1フィラー81と同様の測定方法である。
(第2遠心沈降工程)
単位領域の凹部40rにそれぞれ第2樹脂層2を形成した後、第2樹脂52が未硬化の状態で、第2樹脂52中に分散された第2蛍光体粒子72と第2フィラー82とを遠心沈降させる。この遠心沈降により第2樹脂52中において、第2蛍光体粒子72は、凹部40r内において第1樹脂層1側の分布密度が高くなるように偏在され、第2フィラー82は第2蛍光体粒子72同士の隙間および周りに配置する。また、第2フィラー82は、第1フィラー81と比較して、第2樹脂層2内でより分散して配置される。
第2遠心沈降工程では、第1遠心沈降工程と同じ遠心機を用いることができる。この時、第2遠心沈降工程において、遠心機の回転数および時間は、第1遠心沈降工程の回転数および時間と同じであってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、第2遠心沈降工程の回転数は、第1遠心沈降工程の回転数よりも少ない、または、第2遠心沈降工程の時間は、第1遠心沈降工程の時間よりも短い。これにより、第2蛍光体粒子72は、第2樹脂層2中において完全に沈降させずに分散して配置することができる。
第1樹脂層1内における第1蛍光体粒子71の分布と第2樹脂層2内における第2蛍光体粒子72の分布については、第1リード20および第2リード30の上面に垂直な方向の一断面において、例えば、第2樹脂層2内における第2樹脂層2の1/2の高さから上の領域に位置する第2蛍光体粒子72の分布は、第1樹脂層1内における1/2の高さから上の領域に位置する第1蛍光体粒子71の分布よりも大きくなる。
(硬化工程)
次に、第1樹脂51および第2樹脂52を硬化させる。
ここでは、第1遠心沈降工程後の第1樹脂層1内における第1蛍光体粒子71と第1フィラー81の分布状態、第2遠心沈降工程後の第2樹脂層2内における第2蛍光体粒子72と第2フィラー82の分布状態を維持したまま第1樹脂51と第2樹脂52とが硬化される。
(個片化工程)
最後に、各単位領域のパッケージ40ごとに個片化する。
以上の工程を経て、実施形態1の発光装置は作製される。
以上のように構成された製造方法により作製された発光装置は、発光装置間における第1樹脂層1内における第1蛍光体粒子71と第1フィラー81の分布ばらつきと、第2樹脂層2内における第2蛍光体粒子72と第2フィラー82の分布のばらつきを小さくできる。これにより、発光色のばらつきが少ない発光装置を製造することができる。
すなわち、実施形態1の発光装置の製造方法は、第1樹脂配置工程後に第1遠心沈降工程を含んでいるので、第1遠心沈降工程における遠心沈降の条件を適宜設定することにより、第1蛍光体粒子71と第1フィラー81とを偏りなく所望の分布になるように沈降させることができる。また、第1遠心沈降工程後の第1蛍光体粒子71と第1フィラー81の分布状態は、以後の工程において加わる外力によっては実質的に変化することはない。例えば、自然沈降により沈降させると以後の時間の経過に伴いさらに沈降することがあり、経過時間の長短により分布状態が変化して分布バラツキの原因になるが、遠心沈降に依る場合には、遠心沈降後に自然沈降はほとんど起こらない。加えて、実施形態1の発光装置の製造方法では、第1遠心沈降工程後に仮硬化工程を含んでいるので、第1遠心沈降工程後の第1蛍光体粒子71と第1フィラー81の分布状態はより強固に維持される。
また、実施形態1の発光装置の製造方法は、第2樹脂配置工程後に第2遠心沈降工程を含んでいるので、第2遠心沈降工程における遠心沈降の条件を最適化することにより、第2蛍光体粒子72と第2フィラー82とを偏りなく所望の分布になるように沈降させることができる。また、第1遠心沈降工程のところで説明したように、第2遠心沈降工程後の第2蛍光体粒子72と第2フィラー82の分布状態は、以後の工程において加わる外力によっては実質的に変化することはない。加えて、実施形態1の発光装置の製造方法では、第2遠心沈降工程後に硬化工程を含んでいるので、第2遠心沈降工程後の第2蛍光体粒子72と第2フィラー82の分布状態はよりいっそう強固に維持される。
したがって、実施形態1の発光装置の製造方法によれば、発光装置間において各蛍光体層における蛍光体粒子の分布状態のばらつきを小さくでき、発光色のばらつきが少ない発光装置を製造することができる。
また、以上のようにして作製された実施形態1の発光装置は、第1蛍光体層1及び第2蛍光体層2においてそれぞれ、第1蛍光体粒子71及び第2蛍光体粒子72が凹部40の底面側の分布密度が高くなるように偏在されているので、これにより、例えば、耐湿性の低い蛍光体を凹部の開口部から遠ざけることができる。
また、実施形態1の発光装置は、第1蛍光体層1において、第1蛍光体粒子71が凹部40の底面側に偏在されていることに加え、第1フィラー81が、第1蛍光体層1において第1蛍光体粒子71が多く偏在されている領域(以下、偏在領域という)を除いた領域において偏在領域側に多く分布するように偏在されている。これにより、例えば、ワイヤ周辺の熱衝撃性が改善され、ワイヤの断線を防ぐことができる。
さらに、実施形態1の発光装置は、第2蛍光体層2において、第2蛍光体粒子71が第1蛍光体層1側に多く分布するように偏在されているので、例えば、耐湿性の低い蛍光体を用いた場合に、外気に含まれる水分から効果的に遠ざけることができる。
また、実施形態1の発光装置は、第2蛍光体層2において、第2蛍光体粒子71が第1蛍光体層1側に多く分布するように偏在されていることに加え、第2フィラー82が、蛍光体同士の隙間に配置するように分布している。これにより、第2蛍光体層2内において第2蛍光体粒子71が完全に沈降することを抑制することができ、第2蛍光体粒子71を第2蛍光体層2内に分散して配置することができる。
<実施形態2>
実施形態2の発光装置は、図9〜11に示すように、発光素子10の発光面に第3蛍光体粒子73を含む第3蛍光体層3が形成されていることを除いて、実施形態1の発光装置と同様に構成される。例えば、第3蛍光体層3は、第3蛍光体粒子73が分散された第3樹脂からなり、上面が曲面の凸形状に形成されている。
以上のように構成された実施形態2の発光装置では、例えば、3種類の蛍光体粒子を蛍光体粒子ごとに3つの層に分けて分離して分散させることができる。これにより、例えば、3つの蛍光体粒子の層を、発光素子の発光面から順に蛍光体粒子の波長が小さくなるように配置することで、蛍光体同士の光の吸収を抑制することができ、光取り出しが良好な発光装置とすることができる。
また、実施形態2の発光装置の製造方法は、発光素子10の発光面に第3蛍光体粒子73を含む第3蛍光体層3を形成する工程を含む以外は実施形態1と同様に構成される。なお、第3蛍光体層3を形成する工程は、発光素子10を配置する配置工程と第1樹脂を配置する第1樹脂配置工程の間に行ってもよく、また、第1樹脂配置工程と第2樹脂配置工程の間に行ってもよい。
以下、実施形態1の発光装置の製造方法に追加された第3蛍光体層3を形成する工程(第3蛍光体層形成工程)について具体的に説明する。
第3蛍光体層形成工程は、第3樹脂配置工程と仮硬化工程とを含み、第3樹脂配置工程と仮硬化工程の間に、必要に応じて第3沈降工程を含んでいてもよい。
(第3樹脂配置工程)
ここでは、図9に示すように、第3蛍光体粒子73を分散させた第3樹脂53を、例えば、ディスペンサー等により吐出させて塗布することにより発光素子10の発光面上に配置する。尚、第3樹脂53には第3蛍光体粒子73に加えてさらに第3フィラーを分散させるようにしてもよい。この第3樹脂53の配置は、好ましくは、第3樹脂53の表面張力を利用して、発光素子10の発光面の外周端部と配置した第3樹脂53の外周端部(下端部)とが一致し、かつ、上面が所望の曲率の曲面となるように形成する。すなわち、第3樹脂53を準備する際、配置後の第3樹脂53の外周端部(下端部)が発光面の外周端部と一致し、配置した第3樹脂53の上面が所望の曲率に、言い換えれば、発光面の外周端部における第3樹脂53の接触角が所定の値になるように、第3樹脂53のぬれ性及び粘度等を調整する。このように、第3樹脂53の表面張力を利用して第3樹脂層3を発光素子10の上面にのみ設けるようにすると、形状のバラツキの小さい第3樹脂層3を安定して形成することが可能になる。なお、発光素子10の発光面の外周端部と配置した第3樹脂53の外周端部(下端部)とは必ずしも一致する必要はない。
上述したように、第3樹脂配置工程において、第3樹脂53の表面張力を利用して発光素子10の発光面の外周端部と配置した第3樹脂53の外周端部(下端部)とが一致するように形成すると、第3樹脂層3は、発光素子10の側面を被覆しないように形成される。これにより、発光素子10の側面から出射される光を第1樹脂層1に直接照射することができ、効率良く第1樹脂層1に含まれる第1蛍光体粒子71を励起することができる。
尚、配置した直後の第3樹脂層3において、第3蛍光体粒子73、第3フィラー83を含有させる場合には第3蛍光体粒子73と第3フィラー83とが第3樹脂53内に分散されている。
また、第3樹脂53に分散させる第3蛍光体粒子73の粒径は、例えば、1μm以上40μm以下、好ましくは10μm以上18μm以下の範囲に設定される。
(第3沈降工程)
第3沈降工程を実施するか否かは任意であり、ここでは、必要に応じて第3蛍光体粒子73を沈降させる。第3沈降工程では、第3樹脂層3の形状を維持するために、例えば、自然沈降させる。また、遠心沈降により第3蛍光体粒子73を沈降させてもよいが、第3蛍光体粒子73を遠心沈降させる場合には、第3樹脂層3の形状が変化しないように条件設定される。第3樹脂層3に第3フィラー83を分散させる場合には、第3蛍光体粒子73とともに第3フィラー83を沈降させてもよいし、例えば、第3蛍光体粒子73の粒径に比べて第3フィラー83の粒径を小さくして第3フィラー83の沈降を遅くし、第3フィラー83を実質的に沈降させないようにしてもよい。
(硬化工程)
次に、発光素子10の発光面上に配置された第3樹脂53を硬化させる。ここでの硬化は、例えば、以降の工程において第3樹脂層3の形状及び第3蛍光体粒子73の分散状態が維持できればよく、仮硬化であっても本硬化であってもよい。
硬化工程後は、実施形態1と同様の、第1樹脂配置工程、遠心沈降工程、仮硬化工程、第2樹脂配置工程、第2遠心沈降工程及び硬化工程を経て実施形態2の発光装置が作製される。
尚、第3樹脂53を硬化させる硬化工程後に実施される第1樹脂配置工程では、第3樹脂層3を被覆するように第1樹脂層51を設ける。
また、第3蛍光体粒子73として、第1蛍光体粒子71より長波長の光を出射する蛍光体粒子を用いることが好ましく、これにより、第3蛍光体粒子73が出射する光の第1蛍光体粒子71による吸収を抑えることができる。
さらに、第3蛍光体粒子73として、第1蛍光体粒子71及び第2蛍光体粒子72より長波長の光を出射する蛍光体粒子を用いることが好ましく、これにより、第3蛍光体粒子73が出射する光の第1蛍光体粒子71及び第2蛍光体粒子72による吸収を抑えることができる。なお、第1樹脂層1は、第3樹脂層3を完全に内包していなくてもよく、第3樹脂層3の一部のみを被覆していてもよい。
以上のようにして作製される実施形態2の発光装置では、例えば、第3蛍光体粒子として、発光ピークが長波長の蛍光体からなる粒子(例えば、後述するSCASN蛍光体、KSF蛍光体またはMGF蛍光体(赤色))を選択して発光素子10の発光面近傍に設け、該長波長の蛍光体より短波長側に発光ピークを有する短波長の蛍光体(例えば、後述するYAG蛍光体(黄色))を第1蛍光体粒子又は第2蛍光体粒子として選択して、長波長の蛍光体の外側に配置することが可能になる。このようにすると、蛍光体同士の吸収を抑えることができ、発光効率を高くできる。
以下、実施形態1及び2の発光装置における、第1〜第3蛍光体粒子、第1〜第3樹脂、発光素子等について説明する。
(第1〜第3蛍光体粒子)
第1〜第3樹脂層1,2,3に分散させる第1〜第3蛍光体粒子は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の蛍光体からなる粒子を選択して使用することができる。
尚、第1〜第3蛍光体粒子は、2種以上の蛍光体からなる粒子を含んでいても良く、例えば、以下の蛍光体からなる粒子を2種類以上選択して用いてもよい。
(1)Euで賦活されるアルカリ土類アルミン酸塩を含む緑色発光の蛍光体
アルカリ土類アルミン酸塩は、例えば下記式(1a)で示される組成を有することが好ましく、下記式(1a’)で示される組成を有することがより好ましい。
(Sr,Ca,Ba)Al1425:Eu (1a)
SrAl1425:Eu (1a’)
このEuで賦活されるアルカリ土類アルミン酸塩を含む緑色発光の蛍光体は、組成を適宜調整することにより、発光ピーク波長を、例えば400nm以上550nm以下の範囲に設定できる。
(2)Ca、Mg及びClを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩を含む緑色発光の蛍光体
ケイ酸塩は、例えば下記式(1b)で示される組成を有することが好ましく、下記式(1b’)で示される組成を有することがより好ましい。
(Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu (1b)
CaMgSi16Cl:Eu (1b’)
このCa、Mg及びClを組成に有しEuで賦活されるケイ酸塩を含む緑色発光の蛍光体は、組成を適宜調整することにより、発光ピーク波長を、例えば510nm以上540nm以下の範囲に設定できる。
(3)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩を含む黄色発光の蛍光体
Ceで賦活される希土類アルミン酸塩は、例えば下記式(1c)で示される組成を有することが好ましく、下記式(1c’)で示される組成を有することがより好ましい。
(Y,Lu,Gd)(Al,Ga)12:Ce (1c)
Al12:Ce (1c’)
Ceで賦活される希土類アルミン酸塩を含む黄色発光の蛍光体は、組成を適宜調整することにより、発光ピーク波長を、例えば480nm以上630nm以下の範囲に設定することができる。
(4)Sr及びCaの少なくとも一方とAlとを組成に有しEuで賦活されるシリコンナイトライドを含む赤色発光の蛍光体
Sr及びCaの少なくとも一方とAlとを組成に有しEuで賦活されるシリコンナイトライドは、例えば下記式(1d)で示される組成を有する
(Sr,Ca)AlSiN:Eu (1d)
(1d)で示される組成のシリコンナイトライドは、Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいればよいが、SrとCaの両方を含むことが好ましい。
Sr及びCaの少なくとも一方とAlとを組成に有しEuで賦活されるシリコンナイトライドは、組成を適宜調整することにより、発光ピーク波長を、例えば620nm以上650nm以下の範囲に設定することができる。
(5)Mnで賦活されるフルオロジャーマネートを含む深赤色発光の蛍光体(MGF蛍光体)
フルオロジャーマネートは、例えば下記式(1e)又は(1e’)で示される組成を有することが好ましい。
3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn (1e)
(x-s)MgO・(s/2)Sc・yMgF・uCaF・(1-t)GeO・(t/2)M :zMn (1e’)
ただし、式(1e)中、x、y、z、s、t及びuは、2.0≦x≦4.0、0<y<1.5、0<z<0.05、0≦s<0.5、0<t<0.5、0≦u<1.5を満たし、さらにy+u<1.5を満たすことが好ましい。また上記一般式(1e)中のMtはAl、Ga及びInからなる群から選択される少なくとも1種である。
Mnで賦活されるフルオロジャーマネートを含む深赤色発光の蛍光体(MGF蛍光体)は、組成を適宜調整することにより、発光ピーク波長を、650nm以上670nm以下の範囲に設定することができる。
(6)Clを組成に有しEuで賦活されるアルカリ土類リン酸塩を含む青色発光の蛍光体
(CCA蛍光体)
Clを組成に有しEuで賦活されるアルカリ土類リン酸塩を含む青色発光の蛍光体(CCA蛍光体)は、例えば下記式(1f)で示される組成を有することが好ましく、下記式
(1f’)で示される組成を有することがより好ましい。
(Ca,Sr,Ba)(PO(Cl,Br):Eu (1f)
Ca(POCl:Eu (1f’)
Clを組成に有しEuで賦活されるアルカリ土類リン酸塩を含む青色発光の蛍光体(CCA蛍光体)は、組成を適宜調整することにより、発光ピーク波長を、430nm以上500nm以下の範囲に設定することができる。
(7)その他の蛍光体
CaScSi12:Ce、
CaSc:Ce、
(La,Y)Si11:Ce、
(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、
(Ca,Sr,Ba)Si12:Eu、
(Ba,Sr,Ca)Si:Eu、
(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、
(Ca,Sr,Ba)S:Eu、
(Ba,Sr,Ca)Ga:Eu、
(Si,Ti,Ge)F:Mn
等を挙げることができる。
第1〜第3蛍光体粒子として、例えば、上記列挙した蛍光体から、求められる発光装置の演色性を考慮して適宜選択されるが、選択した蛍光体粒子を第1蛍光体層1、第2蛍光体層2及び第3蛍光体層3のいずれの蛍光体層に分散させるかについては、各蛍光体の光による劣化、水分による劣化を考慮して決定することが好ましい。例えば、他の蛍光体に比べて水分による劣化が大きい、例えばMGF蛍光体を使用する場合には、MGF蛍光体を含む蛍光体粒子を第1樹脂層1又は第3樹脂層に分散させる。このようにすると、MGF蛍光体を第1樹脂51及び第2樹脂52によって覆うことができるので外部環境に含まれる水分の影響を小さくでき、MGF蛍光体の劣化を抑制することができる。また、例えば、他の蛍光体に比べて発光素子10からの光による劣化が大きい、例えばCCA蛍光体を使用する場合には、CCA蛍光体を含む蛍光体粒子を発光素子10から離れた第2樹脂層2に分散させる。このようにすると、CCAに照射される光の強度を低くでき、CCA蛍光体の劣化を抑制することができる。
以上のように、蛍光体の特性に応じて蛍光体を分散させる蛍光体層を選択することにより蛍光体劣化の少ない安定した発光装置を提供できる。
(第1樹脂〜第3樹脂)
第1樹脂層〜第3樹脂層を構成する第1樹脂〜第3樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂として、具体的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂等の変性シリコーン樹脂などを挙げることができる。
(第1フィラー〜第3フィラー等)
第1フィラー〜第3フィラーとして、例えば、シリカ、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等のフィラーを用いることができる。
また、第1樹脂層〜第3樹脂層は、光安定化剤、着色剤等を含んでいてもよい。
(発光素子10)
発光素子10の発光ピーク波長は、例えば、440nm以上460nm以下の範囲に設定される。発光効率の観点から、445nm以上455nm以下の範囲にあることが好ましい。この範囲に発光ピーク波長を有する発光素子10を励起光源として用いることにより、上記列挙した蛍光体を効率良く励起することができる。また、発光素子10からの光と蛍光体からの蛍光との混色により白色光を出射させることができる。
発光素子10の発光スペクトルの半値幅は例えば、例えば、30nm以下とすることができる。発光素子10にはLEDなどの半導体発光素子を用いることが好ましい。発光素子10として、高効率で入力に対する出力の線形性が高い半導体発光素子を用いることが好ましい。
半導体発光素子としては、例えば、窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、ここでX及びYは、0≦X、0≦Y、X+Y≦1を満たす)を用いた青色に発光する半導体発光素子を用いることができる。なお、発光装置は、少なくとも1つの発光素子10を備えていればよく、2つ以上の発光素子を備えていてもよい。2つ以上の発光素子を含む場合、2つの発光素子は互いに異なる発光ピーク波長を有していてもよい。
<変形例1>
図12に発光装置の変形例を示す。図12で示すように、変形例の発光装置は、第1リード20および第2リード30を通り第1リード20の上面と垂直な方向の断面において、第1成形樹脂部42aの側面が第1傾斜部421と第2傾斜部422とを有している。第1傾斜部421は、凹部40rの底面から開口部に向かって延伸し、凹部40rの底面と成す角度はθ1となっている。また、第2傾斜部422は、第1傾斜部421の上端から開口部に向かって延伸し、凹部40rの底面と成す角度はθ2となっている。θ1はθ2よりも大きくなっている。
また、第1樹脂層1は、第1傾斜部421と第2傾斜部422との変曲点Pの高さ以下の高さに位置し、かつ、変曲点Pに接して配置されている。また、第2樹脂層2は、第1樹脂層1の上方に位置している。発光装置が第1傾斜部421および第2傾斜部422を有し、第1樹脂層1をそれらの変曲点Pを基準に配置することで、第1樹脂層1の塗布量および形状を均一化させやすい。つまり、第1樹脂層1を凹部40r内に塗布により配置する際に、変曲点Pの高さを基準に第1樹脂層1の樹脂量および高さを決定する。これにより、複数の発光装置を製造する際に、各発光装置の第1樹脂層1の樹脂量および形状がより均一化し、各発光装置間の色むらを効果的に抑制することができる。
なお、第1成形樹脂部42aの側面は、第1傾斜部421と第2傾斜部422に加えて1以上の傾斜部を備えていてもよい。これにより、例えば、発光装置が3以上の樹脂層を備えている場合に、各樹脂層を各傾斜部の変曲点を基準に配置することで、複数の発光装置間の色むらを効果的に抑制することができる。
<変形例2>
図13に発光装置の別の変形例を示す。図13に示す発光装置は、発光素子10の側面を取り囲む光反射性樹脂90と、光反射性樹脂90が発光素子10の側面から離間するように光反射性樹脂90を堰き止める堰き止め部95とを有している。
光反射性樹脂90は、凹部40r内において光反射面を形成し発光素子10の光を効率よく上方に取り出す機能を有する。光反射性樹脂90は発光素子10からの光や外光などに対して透過や吸収が起こりにくい部材が好ましい。光反射性樹脂90は、白色であることが好ましい。光反射性樹脂90の母材となる樹脂材料は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジンや、PPAやシリコーン樹脂などを用いることができる。光反射性樹脂90は、これらの母材となる樹脂材料に光反射性物質を含有する。光反射性物質としては、発光素子からの光を吸収しにくく、且つ、母材となる樹脂材料に対して屈折率差の大きい部材を用いることが好ましい。このような光反射性物質は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムである。
光反射性樹脂90は、成形樹脂部42よりも光反射率が高いことが好ましい。例えば、光反射性樹脂90に含有される光反射性物質(例えば酸化チタン)の含有量は、成形樹脂部42に含有される光反射性物質(例えば酸化チタン)の含有量よりも多い。具体的には、光反射性樹脂90に含有される光反射性物質の含有量は、成形樹脂部42に含有される光反射性物質の含有量の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましく、2.5倍以上であることがさらに好ましい。例えば、光反射性樹脂90には、未硬化の樹脂材料の全重量のうち酸化チタンが30〜75重量%含有されており、成形樹脂部42には、未硬化の樹脂材料の全重量のうち酸化チタンが15〜20重量%含有されている。
堰き止め部95は、凹部40rの底面に位置している。堰き止め部95は、光反射性樹脂90が発光素子10の側面と接することを抑制する機能を有する。光反射性樹脂90が発光素子10の側面を直接覆わないことで、発光素子10の側方に出る光が光反射性樹脂90内に閉じこもることを抑制することができる。堰き止め部95は、成形樹脂部42の一部として一体的に形成されてもよく、また成形樹脂部42と別部材として塗布等により形成されてもよい。
第1樹脂層1は、堰き止め部95の上面に接して形成されている。つまり、第1樹脂層1は、第1樹脂層1の外周下端が堰き止め部95の上面の上に位置するように形成されている。これにより、発光装置の第1樹脂層1の樹脂量および形状がより均一化しやすい。その結果、複数の発光装置を製造する際に、各発光装置の第1樹脂層1の樹脂量および形状がより均一化し、各発光装置間の色むらを効果的に抑制することができる。第2樹脂層2は、第1樹脂層1および光反射性樹脂90の上方に配置されている。
1 第1樹脂層
2 第2樹脂層
3 第3樹脂層
10 発光素子
13 接合部材
20 第1リード
30 第2リード
40 基体(パッケージ)
40r 凹部
42 成形樹脂部
42a 第1成形樹脂部
42b 第2成形樹脂部
421 第1傾斜部
422 第2傾斜部
51 第1樹脂
52 第2樹脂
60 ワイヤ
71 第1蛍光体粒子
72 第2蛍光体粒子
73 第3蛍光体粒子
81 第1フィラー
82 第2フィラー
83 第3フィラー
90 光反射性樹脂
95 堰き止め部
P 変曲点

Claims (10)

  1. 凹部を有する基体を準備する工程と、
    前記凹部の底面に発光素子を配置する配置工程と、
    平均粒径が10μm以上30μm以下の第1蛍光体粒子と平均粒径が5μm以上20μm以下の第1フィラーとを含む第1樹脂を発光素子を覆うように配置する第1樹脂配置工程と、
    前記第1蛍光体粒子と前記第1フィラーとを前記基体側に遠心沈降させる第1遠心沈降工程と、
    前記第1樹脂を仮硬化させる仮硬化工程と、
    前記仮硬化させた第1樹脂上に、第2蛍光体粒子と平均粒径が5nm以上100nm以下の第2フィラーとを含む第2樹脂を配置する第2樹脂配置工程と、
    前記第2蛍光体粒子と前記第2フィラーとを前記第1樹脂側に遠心沈降させる第2遠心沈降工程と、
    前記第1樹脂および前記第2樹脂を硬化する硬化工程と、
    を含む発光装置の製造方法。
  2. 前記第1樹脂100重量部に対する前記第1蛍光体粒子の量は、23重量部以上64重量部以下であり、前記第1樹脂100重量部に対する前記第1フィラーの量は、9重量部以上23重量部以下である請求項1記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記第1蛍光体粒子の比重は、3以上8以下であり、前記第1フィラーの比重は、1以上3.5以下である請求項2記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記第2樹脂100重量部に対する前記第2蛍光体粒子の量は、17重量部以上47重量部以下であり、前記第2樹脂100重量部に対する前記第2フィラーの含有量は、0.1重量部以上2重量部以下である請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  5. 前記第1蛍光体粒子は、650nm以上670nm以下の範囲に発光ピーク波長を有し、Mnで賦活されるフルオロジャーマネートからなる蛍光体粒子を含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  6. 前記第2蛍光体粒子は、430nm以上500nm以下の範囲に発光ピーク波長を有し、Clを組成に有しEuで賦活されるアルカリ土類リン酸塩からなる蛍光体粒子を含む請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  7. 前記発光素子を配置する配置工程は、前記凹部内において前記基体と前記発光素子をワイヤにより電気的に接続するワイヤ接続工程を含み、
    前記第1樹脂配置工程は、高さ方向において、前記第1樹脂の上面が前記ワイヤの高さよりも上に位置するように配置する請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記配置工程と前記第1樹脂配置工程の間に、第3蛍光体粒子を含む第3樹脂を前記発光素子の発光面に配置する第3樹脂配置工程と、
    前記第3樹脂を硬化又は仮硬化する第3樹脂硬化工程と、
    を含む請求項1〜7のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  9. 前記第3樹脂配置工程において、
    前記第3樹脂を、前記発光素子の側面を被覆しないように設ける請求項8に記載の発光装置の製造方法。
  10. 前記第3樹脂配置工程と第3樹脂硬化工程の間に、前記第3樹脂中の前記第3蛍光体粒子を沈降させる第3蛍光体沈降工程を含む請求項8又は9に記載の発光装置の製造方法。
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