JP6797605B2 - 長繊維強化炭化ケイ素部材、および、その製造方法 - Google Patents
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Description
[構成]
図1は、第1実施形態に係る長繊維強化炭化ケイ素部材を模式的に示す斜視図である。
本実施形態において、上記の長繊維強化炭化ケイ素部材1を製造するときに行う各工程に関して順次説明する。
図4は、第1実施形態の変形例に係る長繊維強化炭化ケイ素部材の一部を拡大して示す断面図である。図4では、図2と同様に、長繊維強化炭化ケイ素部材1に関して、軸方向が直交する断面について示している。
[構成]
図8は、第2実施形態に係る長繊維強化炭化ケイ素部材の一部を模式的に示す断面図である。図8では、図3と同様に、長繊維強化炭化ケイ素部材1に関して、軸方向が直交する断面を更に拡大して示している。
本実施形態において、上記の長繊維強化炭化ケイ素部材1を製造する各工程に関して説明する。
なお、中間層31は、上記の二元系の炭化物の他に、チタンアルミニウムカーバイド、バナジウムアルミニウムカーバイド、クロムアルミニウムカーバイド、ニオブアルミニウムカーバイド、タンタルアルミニウムカーバイド、チタンケイ素カーバイドからなる群より選択される三元系の炭化物で形成されていても、好適である。この場合においても中間層31によって複合材料層11と金属蒸着層21との間の密着性を向上可能であるので、長繊維強化炭化ケイ素部材1の気密性および耐環境性を向上することができる。
実施例1において、長繊維強化炭化ケイ素部材1について作製を行う際には、最初に、予備成形体(プリフォーム)の形成を行った。本工程では、まず、直径が12μmである炭化ケイ素の長繊維(商品名:ハイニカロン(登録商標) タイプS,日本カーボン製)の表面に、カーボンをCVD法で被覆した。そして、その長繊維を500本束ねた繊維束(ヤーン)を用いて、フィラメントワインディング法によって、直径が1cmである円筒形状の予備成形体を作製した。
実施例2においては、ジルコニウムの単体を複合材料層11の面に厚みが0.5mmになるように成膜することで金属蒸着層21の形成を行った点を除き、実施例1の場合と同様にして、長繊維強化炭化ケイ素部材1の作製を行った。
実施例3においては、ニオブの単体を複合材料層11の面に厚みが1.0mmになるように成膜することで、金属蒸着層21の形成を行った点を除き、実施例1の場合と同様にして、長繊維強化炭化ケイ素部材1の作製を行った。
比較例においては、金属蒸着層21の形成を行わない点を除き、実施例1の場合と同様にして、長繊維強化炭化ケイ素部材1の作製を行った。つまり、実施例1の長繊維強化炭化ケイ素部材において金属蒸着層21を形成する前の状態のものを、比較例の長繊維強化炭化ケイ素部材として準備した。
実施例4において、長繊維強化炭化ケイ素部材1について作製を行う際には、最初に、予備成形体(図示省略)の作製を行った。本工程では、まず、直径が10μmである炭化ケイ素の長繊維(商品名:チラノ(登録商標)SA、宇部興産製)の表面に、厚さが約0.5μmのカーボンをCVD法で形成した。そして、その長繊維を800本束ねた繊維束(ヤーン)を用いて、フィラメントワインディング法によって、角筒形状の予備成形体を作製した。
実施例5においては、炭化タンタルを厚みが0.05mmになるように成膜することで中間層31の形成を行うと共に、タンタルの単体を厚みが0.5mmになるように成膜することで金属蒸着層21の形成を行った点を除き、実施例4の場合と同様にして、長繊維強化炭化ケイ素部材1の作製を行った。
実施例6においては、クロムアルミカーバイド(Cr2AlC)を厚みが0.1mmになるように成膜することで中間層31の形成を行うと共に、クロムの単体を厚みが0.5mmになるように成膜することで金属蒸着層21の形成を行った点を除き、実施例4の場合と同様にして、長繊維強化炭化ケイ素部材1の作製を行った。
実施例7においては、バナジウムアルミカーバイド(V2AlC)を厚みが0.05mmになるように成膜することで中間層31の形成を行うと共に、バナジウムの単体を厚みが0.5mmになるように成膜することで金属蒸着層21の形成を行った点を除き、実施例4の場合と同様にして、長繊維強化炭化ケイ素部材1の作製を行った。
実施例8においては、チタンケイ素カーバイド(Ti3SiC2)を厚みが0.05mmになるように成膜することで中間層31の形成を行うと共に、チタンの単体を厚みが1.5mmになるように成膜することで金属蒸着層21の形成を行った点を除き、実施例4の場合と同様にして、長繊維強化炭化ケイ素部材1の作製を行った。
表1および表2は、上記の実施例および比較例のサンプルについて評価した結果を示している。表1は、実施例1〜4および比較例について示しており、表2は、実施例5〜8について示している。
・臨界荷重200mN以上…優(合格)
・臨界荷重150mN以上…良(合格)
・臨界荷重100mN以上…可(合格)
・臨界荷重100mN未満…不可(不合格)
・リーク無し…可(合格)
・リーク有り…不可(不合格)
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
Claims (7)
- 筒形状の長繊維強化炭化ケイ素部材であって、
炭化ケイ素のマトリックスに炭化ケイ素の長繊維が複合化した複合材料層と、
前記複合材料層の面に設けられている中間層と、
前記中間層の面に設けられている金属蒸着層と、
を有し、
前記金属蒸着層は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンからなる群より選択される金属材料の単体で形成され、
前記中間層は、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化タングステンからなる群より選択される材料であって、前記金属蒸着層を形成する金属材料の炭化物で形成されている、
長繊維強化炭化ケイ素部材。 - 筒形状の長繊維強化炭化ケイ素部材であって、
炭化ケイ素のマトリックスに炭化ケイ素の長繊維が複合化した複合材料層と、
前記複合材料層の面に設けられている中間層と、
前記中間層の面に設けられている金属蒸着層と、
を有し、
前記金属蒸着層は、チタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロムからなる群より選択される金属材料の単体で形成され、
前記中間層は、チタンアルミニウムカーバイド、バナジウムアルミニウムカーバイド、クロムアルミニウムカーバイド、ニオブアルミニウムカーバイド、タンタルアルミニウムカーバイド、チタンケイ素カーバイドからなる群より選択される材料であって、前記金属蒸着層を形成する金属材料の三元系の炭化物で形成されている、
長繊維強化炭化ケイ素部材。 - 前記中間層は、結晶形態が六方晶である、
請求項2に記載の長繊維強化炭化ケイ素部材。 - 前記金属蒸着層は、厚みが0.1mm以上、0.5mm以下である、
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の長繊維強化炭化ケイ素部材。 - 前記中間層は、厚みが0.01mm以上、0.1mm以下である、
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の長繊維強化炭化ケイ素部材。 - 筒形状の長繊維強化炭化ケイ素部材を製造する製造方法であって、
炭化ケイ素のマトリックスに炭化ケイ素の長繊維が複合化した複合材料層を準備する工程と、
炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化タングステンからなる群より選択される材料、または、チタンアルミニウムカーバイド、バナジウムアルミニウムカーバイド、クロムアルミニウムカーバイド、ニオブアルミニウムカーバイド、タンタルアルミニウムカーバイド、チタンケイ素カーバイドからなる群より選択される材料のいずれかで前記複合材料層の面に中間層を形成する工程と、
チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンからなる群より選択される金属材料の単体を前記中間層の面に蒸着法で成膜することによって金属蒸着層を形成する工程と、
を有し、
前記中間層を形成する材料は、予め前記金属蒸着層を形成する金属材料の炭化物または三元系の炭化物から選択される
長繊維強化炭化ケイ素部材の製造方法。 - 化学気相蒸着法と化学気相浸透法との少なくとも一方で前記複合材料層を形成する、
請求項6に記載の長繊維強化炭化ケイ素部材の製造方法。
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JP2016163799A JP6797605B2 (ja) | 2016-08-24 | 2016-08-24 | 長繊維強化炭化ケイ素部材、および、その製造方法 |
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