JP6797386B1 - 気体溶解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の気体を水中に効率よく溶解させるとともに、水中における当該気体の溶存濃度を高めることが可能な気体溶解装置及び気体溶解方法を提供する。【解決手段】本発明の気体溶解装置1aは、大気圧よりも高い圧力の酸素からなる気相が上部に形成されているタンク2と、タンク2の給水口2aに一端が接続されている給水管3と、給水管3の他端が吐出口に接続されている給水ポンプ5と、給水ポンプ5の吸込口に接続されている配管6と、給水ポンプ5の入口や吸込口の近傍に接続され給水管3に酸素を供給する給気管7と、タンク2の排水口2bに一端が接続されている排水管4と、タンク2内の気相中に設置され、給水管3から水と酸素の混合流体が供給される旋回流生成器8を備えており、旋回流生成器8からタンク2内の気相中に噴出させた水によって膜状の旋回流fsを形成させることを特徴としている。【選択図】図1

Description

本発明は、湖沼や魚介類の養殖場、あるいは汚水処理場等において、水中に所望の気体を溶解させる装置及び気体溶解方法に係り、特に、当該気体が水中に溶存する濃度を高めることができる気体溶解装置及び気体溶解方法に関する。
従来、水中の溶存酸素濃度を高めるために、湖沼等の底部に散気装置が設置されていた。しかしながら、散気装置のように、ただ単に水中へ空気を供給するだけでは、水中の溶存酸素濃度を効率よく高めることはできない。
このような課題を解決するものとして、例えば、特許文献1には「気体溶解装置」という名称で、所望の気体を液体に溶解させた気体溶存液を安定的に製造することを目的とする発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、気体と液体の圧力差により気体中の所定のガス成分を液体中に溶け込ませる装置であって、内部が大気圧以上に加圧された密閉空間を有する容器本体と、この容器本体の内壁に取り付けられた3枚のリング状の整流板と、容器内の中心部まで水平に伸びた後、垂直上方に向かって液体を吐出するように容器内で上方に屈曲され、先端に吐出ノズルが設けられた液体注入管と、この液体注入管の垂直部分に取り付けられた2枚の羽根付き整流板と、ガス供給管と、ガス排出管と、液体排出管を備えた構造となっている。
このような構造の気体溶解装置において、容器本体の内部に水が供給された場合、整流板によって整流された水が滝のように流下することでカーテン状の水膜を形成する。これにより、気体と液体の接触面積が増すため、気体が液体に溶解し易くなる。
また、特許文献2には「気体置換装置」という名称で、容器本体からの排気と容器本体への吸気を確実に実行できることを目的とする発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、特許文献1に開示された気体溶解装置において、液体注入管、ガス供給管、ガス排出管及び液体排出管の代わりに、それらと同様の構造を有する液体供給管、置換ガス供給管及び気体排出管を備えており、気体排出管が、最上段の整流板の裏面直下に吸い込み口が位置するように容器本体の側壁を貫通して水平に引き込まれるとともに、上に凸の湾曲面を有する湾曲板によって構成された遮蔽部材が液体供給管の上部に設置され、この遮蔽部材の上面中心に吐出口が位置するように置換ガス供給管が天井部中央から挿入された構造となっている。
このような構造の気体置換装置においては、容器本体内に液体供給管から供給される液体よりも高い圧力の置換ガスを置換ガス供給管から供給すると、カーテン状の水膜を形成している液体中に含まれる気体が置換ガスに追い出されるという作用を有する。したがって、当該装置を湖沼等に設置して、水中に含まれる気体を酸素で置換すれば、水中の溶存酸素濃度を高めることができる。
特許文献3には「マイクロバブル・炭酸泉発生装置と気液混合タンク」という名称で、浴槽等においてマイクロバブルや炭酸泉を発生させる装置に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された気液混合タンクは、密閉型の混合容器であって、浴槽の水を噴射する水噴射ノズルと、二酸化炭素ガスを噴射するガス噴射ノズルと、混合容器の上限水位及び下限水位を検出する水位検出部材と、水噴射ノズルに対向する位置に設けられた撹拌用の衝突部材を備えた構造となっている。
このような構造の気液混合タンクにおいて、空気を混入させた水を水噴射ノズルから噴射すると、その水が衝突部材に衝突することにより空気や二酸化炭素を撹拌する。これにより、空気や二酸化炭素の水への溶解が促進される。
特許文献4には「旋回ユニット基盤の微細気泡発生装置」という名称で、水中で微細気泡を発生させる装置に関する発明が開示されている。
特許文献4に開示された発明は、供給された水と気体を衝突させながら旋回させて溶解水を流出する旋回ユニットと、この旋回ユニットから噴霧形態で噴射されて空気と接触した後、落下した溶解水が収容される溶解タンクと、この溶解タンクに設置されて溶解水を水中に噴出させて微細気泡を生成させるノズルユニットを備えた構造となっている。
このような構造によれば、低電力で大量の微細気泡を生成することができる。
特許文献5には「微細気泡発生装置」という名称で、水と空気を取り込んで微細な気泡を含有する水を生成して吐出する装置に関する発明が開示されている。
特許文献5に開示された発明は、外部から空気を取り込む吸気口を有する空気導入部と、この空気導入部から取り込まれた空気と水を混合して空気混合水を形成する空気混合部と、この空気混合水を加圧して送水する加圧ポンプと、この加圧ポンプによって加圧された空気混合水から微細気泡含有水を生成して吐出する生成吐出部と、空気導入部に設けられたオゾン発生機構を備えている。
そして、下面に細孔状の複数の噴射口が形成されて中空の円盤をなす噴射ノズルが加圧状態にあるタンクの内方に突出するように設けられており、上述の空気混合水が噴射ノズルの噴射口から下方の溶存促進部へ向かって勢いよく噴射されることにより激しい気泡と水の流動が形成されて水中への空気の溶存が促進される構造となっている。
特許文献6には「炭酸飲料製造装置」という名称で、炭酸ガスの吸収効率を向上させることができる装置に関する発明が開示されている。
特許文献6に開示された発明は、内部に充填された炭酸ガスを所定の圧力で保持可能に形成されたサーチュレータタンクに供給された処理液に炭酸ガスを溶解させる炭酸飲料製造装置において、サーチュレータタンク内の上方に配置されて処理液を霧状又は薄膜状に放出するノズルを備えた構造となっている。
このような構造によれば、このノズルを介してサーチュレータタンクの内部に霧状又は薄膜状に放出された処理液に炭酸ガスが吸収されることになるため、炭酸ガスの吸収効率が向上する。
また、本願の出願人は「気体溶解装置」という名称で、微細な気泡を多量に発生させることが可能な生産性に優れた装置に関する発明を既に出願している(特許文献7)。
特許文献7に開示された発明は、液体を送液するポンプと、このポンプの吐出口と導管によって連結されたタンクと 、このタンク内に導管から供給された流体を噴出する噴出器を備えており、 液体に溶解させようとする気体をポンプの吸込口又は導管内に投入することにより生成された気液混合流体を噴出器からタンク内の気相領域に噴出させることを特徴とする。
上記構造の気体溶解装置においては、噴出器からタンク内の気相領域に噴出された気液混合流体に細かい水滴や霧状粒が含まれており、酸素と接触する面積が大きいことから、酸素が溶解し易いという作用を有する。また、気液混合流体は水滴や霧等に変化することから、水を自然落下させる場合に比べると、気相領域に滞留する時間が長くなるという作用を有する。
すなわち、特許文献7に開示された発明では、気液混合流体に酸素が溶解し易く、かつ、気液混合流体が酸素に接触する時間が長いため、液中に溶存酸素量を増加させることが可能である。
特開2013−27814号公報 再表2016/113877号公報 特開2008−237956号公報 特表2013−523448号公報 特開2010−155749号公報 特開2015−147183号公報 特開2018−176094号公報
従来技術に開示された発明に関し、図9を適宜参照しながら水滴や霧に対する酸素の溶解のし易さについて説明する。なお、図9(a)及び図9(b)はそれぞれ霧状に噴射された水及び水滴の状態を示した模式図である。なお、図9(b)においてハッチングで示された部分は、水滴に接触している酸素が溶解し得る範囲を表している。
特許文献1及び特許文献2に開示された発明において容器本体の内部に供給された液体は、整流板によって整流された後、滝のように流下してカーテン状の液体膜を形成する。しかしながら、この液体膜は液体の自然落下により形成されるものであり、相応の厚さを有していることから、容器内の気体を液体幕内部の液体に接触させることができない。
このように、特許文献1及び特許文献2に開示された発明では、液体注入管から吐出された液体が容器内の気体に対して十分に接触する構造となっていないため、容器内の気体を所望の液体に対して効率よく溶解させることが容易とは言い難い。
特許文献3に開示された発明では、空気を混入させた水が水噴射ノズルから噴射された直後に衝突部材に衝突する構造となっているが、水噴射ノズルから噴射された水が衝突部材に衝突するまでのわずかな時間に気液混合タンク内に充満している気体と接触することによって、当該気体が十分に溶解した水が得られるとは考えられない。
また、上述の水が衝突部材に衝突することにより撹拌される構造となっているが、水に空気を混入させて撹拌しただけでは、水への空気の溶解効率を高めることは困難である。
すなわち、特許文献3に開示された発明には、水に対して所望の気体を効率よく溶解させることができないという課題があった。
特許文献4に開示された発明は、旋回ユニットに流入した水と気体を衝突させながら旋回させるものであるが、水と気体を旋回させるだけでは、水に対して気体を十分に溶解させることはできない。
また、特許文献4に開示された発明では、溶解タンク内に流入した水を噴霧形態で噴射するために溶解タンクへの水の流入量を制限する必要がある。なお、水を霧状にすると、図9(a)に示すように酸素と接触する面積が増えることで酸素が溶解し易くなる。しかしながら、一度に酸素と接触する水の量は少ないため、溶解水(酸素が溶解した水)の単位時間あたりの生成量は霧状に水を噴射しない場合に比べると、極端に減少する。したがって、このような構造では、酸素を効率よく水に溶解させることができない。
また、特許文献4に開示された発明では、溶解タンクに収容された溶解水を水中に噴射させて微細気泡を生成する構造となっているが、この場合、水中の溶存酸素量が時間の経過とともに減少し易いため、魚介類の養殖場などには適用できないという課題があった。
特許文献5に開示された発明では、空気混合水が噴射ノズルから下方の溶存促進部へ向かって噴射される構造となっているが、噴射ノズルから噴射された空気混合水が溶存促進部に達するまでのわずかな時間にタンク内の気体と接触することで、当該気体が空気混合水に溶解することは考え難い。
また、噴射ノズルから噴射された空気混合水によって溶存促進部において激しい気泡と水の流動が形成されたとしても、それだけでは、水への空気の溶解効率を高めることは困難である。
すなわち、特許文献5に開示された発明は、空気を水に効率よく溶解させることができないという課題があった。
特許文献6に開示された発明では、噴霧ノズルによってサーチュレータタンク内の上部から処理液をタンク壁面に達するように、かつ、タンク内全体に均一に噴霧することで、タンク内に充満する処理液の液滴が落下する間やタンク壁面に当たった処理液が薄膜状に流下する間に炭酸ガスが当該処理液に吸収される構造となっている。
しかしながら、この薄膜は処理液の自然落下により形成されるものであり、相応の厚さを有していることから、炭酸ガスを薄膜内部の液体に接触させることができず、また、薄膜がタンク壁面に接触している側にも炭酸ガスを接触させることができない。
さらに、噴霧ノズルによって処理液を霧状に噴射すると、水を霧状に噴射する場合について図9(a)を用いて説明したように、炭酸ガスと接触する面積が増えるため、炭酸ガスが溶解し易くなるというメリットはあるが、一度に炭酸ガスと接触させる処理液の量を増やすことはできないため、炭酸ガスを効率よく処理液に溶解させることは困難である。
したがって、特許文献6に開示された発明では、炭酸ガスに限らず、所望の気体を処理液に効率よく溶解させることができないという課題があった。
特許文献7に開示された発明では、噴出器からタンク内の気相領域に噴出された気液混合流体に細かい水滴や霧状粒が含まれているため、酸素と接触する面積が大きく、酸素が溶解し易いことに加え、気液混合流体が水滴や霧等に変化するため、水を自然落下させる場合に比べて気相領域に滞留する時間が長いというメリットがある。
しかしながら、タンク内の気相中に噴出された気液混合流体が水滴の形態をなしている場合、図9(b)に示すようにタンク内の酸素は水滴Wdの表面にしか接触できない。この場合、酸素は水滴Wdに対し、その表面付近の水に溶解するだけで、その内部の水には溶解しないため、水に溶解する酸素の濃度はそれほど高くならない。一方、タンク内の気相中に噴出された気液混合流体が霧状である場合、図9(a)を用いて説明したように、一度に酸素と接触させる気液混合流体の量を増やすことができないため、処理効率が良くない。
このように、当該発明は、酸素を水に効率よく溶解させるという点においてまだ改善の余地があると考えられる。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、所望の気体を水中に効率よく溶解させるとともに、水中における当該気体の溶存濃度を高めることが可能な気体溶解装置及び気体溶解方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る気体溶解装置は、上部と下部に給水口と排水口がそれぞれ設けられるとともに、大気圧よりも高い圧力の気体からなる気相が内部に形成されているタンクと、このタンクの内部に給水口を通して水を供給するための給水管と、この給水管に水を送出するための給水ポンプと、この給水ポンプに水を供給するための配管と、タンクに気体を供給するための給気管と、タンク内の下部に溜まった処理水を排水口から排出するための排水管と、タンク内に設置されて給水口を介して給水管から供給された水を気相中へ噴出し、直線的に進行する水によって形成される膜よりも薄い膜からなる旋回流を形成する旋回流生成器と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構造の気体溶解装置においては、旋回流生成器によって形成される旋回流が、噴出孔から噴出され、前方に向かって次第に拡径する螺旋状をなすように進行する水によって形成されるものであることから、遠心力の作用によって前方にいくほど膜厚が薄くなり、最終的には粒状若しくは霧状になるという作用を有する。また、当該旋回流は、直線的に進行する水によって形成される膜状流に比べて、噴出孔から噴出された水が粒状若しくは霧状になるまでの経路が長く、しかも、流れが遅いため、上述の水が膜状をなして周囲の気体と接触し得る時間が上記膜状流の場合よりも格段に長いという作用を有する。さらに、当該旋回流では、水が旋回することで、周囲の気体と接触する面が絶えず更新されるため、上記膜状流に比べて、周囲の気体が溶解し易いという作用を有する。
そして、当該旋回流は気相中に形成されるものであるため、液相中に微細気泡を発生させる場合に比べて、処理水中の溶存酸素量が多いという作用を有する。
第2の発明に係る気体溶解装置は、鉛直方向に細長く形成されて、少なくとも一部が水中に没するように設置されるとともに、上部と下部にそれぞれ給水口と排水口を有し、大気圧よりも高い圧力の気体からなる気相が内部に形成されているタンクと、このタンクの内部に給水口を通して水を供給するための給水管と、この給水管に水を送出するための給水ポンプと、この給水ポンプに水を供給するための配管と、タンクに気体を供給するための給気管と、この給気管に設置された給気ポンプと、排水口よりも上方であって、かつ、水面下に位置するようにタンクの側面に設けられた排気口と、この排気口に接続された排気管と、この排気管に設置されたバルブと、排気口よりも上方においてタンク内に設置されて給水口を介して給水管から供給された水を気相中へ噴出し、直線的に進行する水によって形成される膜よりも薄い膜からなる旋回流を形成する旋回流生成器と、を備えていることを特徴とする。
第2の発明においては、給気ポンプを稼働して給気管からタンク内へ空気を供給すると、水の一部が排水口から押し出されて気液界面が下方へ移動するが、排気管のバルブを開くと、その位置に気液界面が留まり、タンク内の気相の圧力が大気圧よりも高い状態で一定に保たれるという作用を有する。
また、第2の発明においても、大気圧よりも高い圧力を示す気相中に旋回流生成器を用いて旋回流を形成する構造となっていることから、当該旋回流について第1の発明と同様の作用を有する。そして、第2の発明では、タンク内の気体が常に入れ替わることから、その気体の組成が一定に保たれるという作用を有する。
さらに、第2の発明において、給気ポンプの上流で給気管に分岐管を接続し、給気管からタンクに供給される空気に含まれる所望の気体成分を分岐管から給気管に供給することで当該気体成分の割合を高めると、タンク内に形成される気相中の当該気体成分の分圧が高まるという作用を有する。
また、第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、旋回流生成器は、中空部を有し略回転対称をなすとともに、回転対称軸の軸方向の一方に向かって縮径するように形成されている本体を備え、この本体は、給水管に接続される導入孔が周壁部に接線方向へ開口するように設けられるとともに、縮径された部分に回転対称軸の軸方向へ開口するように噴出孔が設けられていることを特徴とするものである。
このような構造の気体溶解装置においては、第1の発明又は第2の発明の作用に加え、給水管から導入孔を通して旋回流生成器の内部に供給された水が、本体の内面に沿って旋回しながら本体が縮径する方向へ移動する際に、遠心力によって回転しながら噴出孔から放射状に噴出される結果、膜状の旋回流が形成されるという作用を有する。
第4の発明に係る気体溶解方法は、密閉されたタンクの内部に大気圧よりも高い圧力の気体からなる気相を形成する工程と、タンクの内部に水を供給し、気相中に水からなる薄膜状の旋回流を形成する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
第4の発明によれば、液相中に微細な気泡を発生させる方法や直線的に進行する水によって気相中に水膜を形成させる方法に比べて、処理対象である水に周囲の気体が格段に溶解し易いという作用を有する。
以上説明したように、第1の発明によれば、処理対象となる水に所望の気体を効率よく溶解させるとともに、その水に溶存する当該気体の濃度を高い状態で維持することが可能である。
第2の発明によれば、排気口の個数や設置個所を変更することで、タンク内に形成される気相の圧力を容易に調節することが可能である。また、第2の発明では、気液界面の位置を検出するためのセンサや、タンク内に形成される気相を一定の圧力に維持するための制御機構等を必要としないため、製造コストの削減を図ることができる。そして、第2の発明によれば、大気圧よりも高い圧力を示す気相中に第1の発明と同様の旋回流が形成されるため、第1の発明について当該旋回流によって発揮される効果と同様の効果を奏する
さらに、第2の発明では、タンク内の気体が常に入れ替わり、その組成が維持されることから、排気口から排出される処理水中の気体の溶解濃度を一定に保つことができる。また、第2の発明によれば、タンク内に形成される気相に含まれる所望の気体成分の分圧の調整が容易であるため、排気口から排出される処理水中の当該気体成分の溶存量を効率よく高めることが可能である。
第3の発明によれば、第1の発明又は第2の発明の効果に加え、直線的に進行する水によって形成される膜よりも薄い膜からなる旋回流を形成することができるという効果を奏する。
第4の発明によれば、所望の気体を水中に効率よく溶解させるとともに、水中における当該気体の溶存濃度を高めることが可能である。
(a)は本発明の実施の形態に係る気体溶解装置の実施例1の外観を示した図であり、(b)は同図(a)においてタンク内で旋回流生成器によって薄膜状の旋回流が生成される様子を拡大して示した図である。 (a)は図1(a)又は図1(b)に示した旋回流生成器の要部断面図であり、(b)及び(c)はそれぞれ旋回流生成器によって生成された薄膜状の旋回流及び噴出孔から噴出されて直線的に進行する水によって形成された膜状流を模式的に示した斜視図であり、(d)及び(e)はそれぞれ同図(b)におけるB−B線矢視断面図及び同図(c)におけるC−C線矢視断面図である。 (a)乃至(c)は各種の旋回流生成器によって薄膜状の旋回流が形成される様子を表した写真である。 (a)及び(b)は本発明の気体溶解装置によって処理された水に溶存する酸素の量を示したグラフである。 (a)及び(b)は本発明の気体溶解装置によって処理された水に溶存する酸素の量が変化する割合を示したグラフである。 本発明の気体溶解装置と従来装置によって処理された水に溶存する酸素濃度の時間的な変化を示したグラフである。 本発明の実施の形態に係る気体溶解装置の実施例2の外観を示した図である。 本発明の実施の形態に係る気体溶解装置の実施例3の外観を示した図である。 (a)及び(b)はそれぞれ霧状に噴射された水及び水滴を模式的に示した図である。
本発明の気体溶解装置について、図1乃至図8を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の説明では、水に酸素を溶解させているが、水に溶解させる気体は酸素に限定されるものではない。すなわち、本発明の気体溶解装置においては、酸素以外の気体を水に溶解させる場合にも以下に述べる作用及び効果が同様に発揮される。
図1(a)は本発明の気体溶解装置の外観の一例を示しており、図1(b)は図1(a)に示した旋回流生成器の拡大図であり、旋回流生成器によって膜状の旋回流が生成される様子を示している。
図1(a)に示すように、気体溶解装置1aは、大気圧よりも高い圧力の酸素からなる気相が上部に形成されている密閉されたタンク2と、タンク2の上部に設けられた給水口2aに一端が接続された給水管3と、タンク2の下部に設けられた排水口2bに一端が接続された排水管4と、吸込口に接続された配管6から供給された水を給水管3へ送出可能に給水管3の他端が吐出口に接続された給水ポンプ5と、給水ポンプ5の入口(遠心ポンプであれば、インペラ入口)や吸込口の近傍に接続されるとともに、配管6から供給された水に酸素を混合する給気管7と、タンク2内の気相中に設置され、給水口2aを介して給水管3から水と酸素の混合流体が供給される旋回流生成器8を備えている。
排水管4には、タンク2の内圧を維持するための圧力調整弁4aが設けられており、給気管7には、気体の供給量を調節するための電磁弁7aが設けられている。また、気体溶解装置1aには、タンク2の内部に溜まった水の上限水位と下限水位を検出するための水位センサ2cと、水位センサ2cの検出結果に基づいて電磁弁7aの開度を制御する制御ユニット(図示せず)が設置されている。すなわち、気体溶解装置1aは、水位センサ2cによって検出されたタンク内水位に基づいて、給気管7からタンク2への気体の供給量を制御することにより、タンク内水位を安定させる構造となっている。
そして、気体溶解装置1aは、図1(b)に示すように旋回流生成器8からタンク2内の気相中に噴出した水によって膜状の旋回流fsが形成されることを特徴としている。
図2(a)は旋回流生成器8の要部断面図であり、回転対称軸を含む平面で本体を切断した状態を表している。また、図2(b)及び図2(c)はそれぞれ旋回流生成器8によって形成された膜状の旋回流fs及び円筒形の噴出孔から、その円筒軸に対して一定の角度をなして離れる方向へ直線的に噴出された水によって形成された膜状流f´を模式的に示した斜視図である。さらに、図2(d)及び図2(e)はそれぞれ図2(b)におけるB−B線矢視断面図及び図2(c)におけるC−C線矢視断面図である。なお、図2(d)及び図2(e)においてハッチングで示された部分は、旋回流fs及び膜状流f´に接触している酸素が溶解し得る範囲を表している。
図2(a)に示すように、旋回流生成器8は、中空部を有する本体9が略回転対称をなし、かつ、回転対称軸の軸方向の一方に向かって縮径するように形成されている。本体9の周壁部9aには、タンク2の給水口2aを介して給水管3に接続される導入孔10が接線方向へ開口するように設けられるとともに、上述の縮径された部分に回転対称軸の軸方向へ開口するように噴出孔9bが設けられている。
給水管3から導入孔10を通して旋回流生成器8の内部に供給された水と酸素の混合流体は、図2(a)に破線の矢印Aで示したように周壁部9aの内面に沿って旋回しながら本体9が縮径する方向へ移動する。その際、水と酸素の比重の差によって、水と酸素にはそれぞれ遠心力と向心力が作用するため、上記混合流体中に溶存している酸素が連続的に本体9の中心部に集まり、その結果、噴出孔9bから噴出される水によって、図2(b)に示すような膜状の旋回流fsが形成される。このとき、タンク2の気相を形成している酸素は、旋回流fsの外部だけでなく内部にも存在するため、図2(d)に示すように、旋回流fsの外面と内面に接触する。これにより、旋回流fsを形成する水に対する酸素の溶解濃度が高まる。
図2(c)に矢印で示すように噴出孔から直線的に水が噴出された場合でも図2(b)に示した旋回流fsと略同様の形状をなす膜状流f´が形成される。旋回流fsは、噴出孔9bから噴出され、前方に向かって次第に拡径する螺旋状をなすように進行する水によって形成されるものであるため、遠心力の作用によって前方にいくほど膜厚が薄くなり、最終的には粒状若しくは霧状になる。
一方、膜状流f´は噴出孔から噴出され直線的に進行する水によって形成されるものであり、遠心力は発生しない。すなわち、図2(c)の場合、噴出孔から噴出されて直線的に進行する水の勢いのみによって、重力に逆らってラッパ状に拡開する水膜を形成するものであるため、図2(b)の場合よりも多くの水を噴出孔から短時間に噴出させる必要がある。そのため、膜状流f´の膜厚(図2(e)参照)は旋回流fs(図2(d)参照)の膜厚よりも厚い。
したがって、旋回流fsに酸素が接触している場合、図2(d)に示すように旋回流fsの内部の水にも酸素が溶解するのに対し、膜状流f´に酸素が接触している場合、図2(e)に示すように酸素は膜状流f´に対し、その表面付近の水に溶解するだけで、その内部の水には溶解しないため、水に溶解する酸素の濃度はそれほど高くならない。
また、図2(c)の場合には、図2(b)の場合に比べて、噴出孔から噴出された水が粒状若しくは霧状になるまでの経路が短く、しかも、流れが速いため、上述の水が膜状をなして周囲の気体と接触し得る時間は図2(b)の場合よりも格段に短い。
さらに、旋回流fsでは、水が旋回することで、周囲の気体と接触する面が絶えず更新されるため、このような現象が起こり得ない膜状流f´に比べて、当該気体が溶解し易いという作用を有している。
既に述べたように、特許文献1及び特許文献2には、整流板によって整流された水が滝のように流下することでカーテン状の水膜が形成されることが記載されている。この水膜は、自然落下によって直線的に進行する水によって形成されるものであるため、その厚さはほとんど変化せず、しかも図2(b)に示した旋回流fsと比べると格段に厚い。すなわち、本発明の気体溶解装置では、特許文献1及び特許文献2に記載されているような水の自然落下によって形成されるカーテン状の水膜よりも薄い膜が形成されるのである。
また、上記カーテン状の水膜では、水が直線的に進行するのみで旋回はしないため、周囲の気体と接触する面が絶えず更新されるという現象は起こらない。したがって、当該水膜では、旋回流fsに比べると、周囲の気体が溶解する効率が低い。
なお、特許文献6には、サーチュレータタンクの内部に処理液が薄膜状に放出されることが記載されているが、当該処理液に周囲の気体(炭酸ガス)が溶解する効率は、炭酸ガスの気相中に旋回流fsを形成した場合に旋回流fsに炭酸ガスが溶解する効率よりも格段に低いと考えられる。
図3(a)乃至図3(c)はそれぞれバブルタンク社製の微細気泡発生器(BT50)、野村電子工業製の気液混合器(TR6242)及び畑田鐵工所製の旋回式微細気泡発生器(HFB20)によって薄膜状の旋回流が形成される様子を表した写真である。
図3(a)に示した微細気泡発生器は、図2(a)に示した旋回流生成器8において略回転対称をなす本体9が回転対称軸の軸方向の両側に向かって縮径するように形成されるとともに、噴出孔9bが対をなすように軸方向の両側にそれぞれ設けられた構造となっている。
したがって、この微細気泡発生器を図2(a)に示した旋回流生成器8の代わりに用いた場合、給水管3から本体9の内部に供給された酸素と水の混合流体は一対の噴出孔9b,9bから噴出して、図2(b)に示した旋回流fsと同様の薄膜状の旋回流を形成する(図3(a)参照)。
図3(b)に示した気液混合器は、内部に円形の液室を有し、断面が略鈎形コ字状をなす短いディスク形状の筒体から形成され、一端が端壁で閉じられるとともに、液室に連通する開口が他端に設けられた混合筒と、液室に連通するように液室外周の接線方向に設けられた導水管と、混合筒の端壁に接続された送気管を備えた構造となっている。
したがって、この気液混合器を図2(a)に示した旋回流生成器8の代わりに用いた場合、導水管と送気管から混合筒の内部にそれぞれ供給された水と酸素は混合筒の開口から噴出して、図2(b)に示した旋回流fsと同様の薄膜状の旋回流を形成する(図3(b)参照)。
図3(c)に示した旋回式微細気泡発生器は、内部が中空の略半球形をなし、外壁の回転対称軸上の正対する位置に気液噴出口と気体導入口を有する器体と、この器体の気液噴出口の近傍において回転対称軸に対し垂直方向に向けて接続された加圧液導入管と、気体導入口に接続された気体導入管を備えている。
器体は、中空部の内壁が気液噴出口を頂点とする滑らかな半球内側面をなすとともに気体導入口側は半球の底面を塞ぐ円形の壁体となっている。気体導入口は回転対称軸に沿って壁体から中空部内に突出した略円錐台形をなしており、中空部の内壁から壁体を経て該略円錐台形の側面にかけて滑らかな湾曲面を形成している。
気体導入管は器体の外部から壁体と気体導入口を貫通するように設けられており、加圧液導入管は気液噴出口の中空部内壁の開口部近傍において、回転対称軸に対し垂直方向に向けて接続されている。そして、中空部内壁には加圧液導入口が形成されている。
したがって、この旋回式微細気泡発生器を図2(a)に示した旋回流生成器8の代わりに用いた場合、加圧液導入管と気体導入管から器体の内部にそれぞれ供給された水と酸素は器体の気液噴出口から噴出して、図2(b)に示した旋回流fsと同様の薄膜状の旋回流を形成する(図3(c)参照)。
気体溶解装置1の旋回流生成器8は、図2(a)に示した構造に限らず、たとえば、図3(a)乃至図3(c)のいずれかに示した構造のものを用いてもタンク2の内部の気相中に旋回流fsを形成させることができる。そして、そのような場合にも、図2(b)を用いて説明した本発明の作用及び効果は同様に発揮される。
図4(a)及び図4(b)のグラフは、気体溶解装置1において図2(a)に示した旋回流生成器8の代わりにバブルタンク社製の微細気泡発生器(図3(a)参照)を用いて処理した水について溶存酸素量を測定した結果を示している。
横軸はタンク2の内部のゲージ圧力を示し、縦軸は溶存酸素量を示している。また、黒丸は、タンク2内の上部に上記微細気泡発生器を設置した場合の実験結果を表し、白抜きの三角は、タンク2内の底部に水を貯めて形成した液相中に上記微細気泡発生器を設置した場合の実験結果を表している。
なお、図4(a)において、給気管7の内部の酸素の流量は2[L/min]であり、微細気泡発生器を気相中と液相中に設置した場合の給水管3からタンク2に供給される水の温度は、それぞれ26.2[℃]及び26.1[℃]である。また、図4(b)において、給気管7の内部の酸素の流量は3[L/min]であり、微細気泡発生器を気相中と液相中に設置した場合の給水管3からタンク2に供給される水の温度は、それぞれ26.9[℃]及び27.0[℃]である。
図4(a)及び図4(b)は、給気管7の内部の酸素の流量が2[L/min]と3[L/min]のいずれの場合も、タンク内の圧力が高いほど処理水中の溶存酸素量が多く、しかも微細気泡発生器を気相中に設置した方が微細気泡発生器を液相中に設置するよりも処理水中の溶存酸素量が多いことを示している。
すなわち、気相中に旋回流fsを形成させる本発明の気体溶解方法によれば、液相中に微細な気泡を発生させる従来の方法よりも処理水中の溶存酸素量を多くすることが可能である。
図5(a)及び図5(b)のグラフは、図4(a)及び図4(b)を用いて説明した実験において気体溶解装置1により処理された水について酸素溶解効率(OTE:Oxygen Transfer Efficiency)を測定した結果を示している。
横軸はタンク2の内部のゲージ圧力を示し、縦軸は酸素溶解効率を示している。また、黒丸は、タンク2内の上部に上記微細気泡発生器を設置した場合の実験結果を表し、白抜きの三角は、タンク2内の底部に水を貯めて形成した液相中に上記微細気泡発生器を設置した場合の実験結果を表している。
なお、酸素溶解効率OTEは次の式(1)によって表される。ただし、式(1)において、Kaは統括酸素移動容量係数(1/min)であり、単位時間に気相から液相へ酸素を移動させる能力を示す値である。また、Csは飽和溶存酸素濃度(g/L)、Vはタンク2の容積(L)、Gsは給気管7の内部の酸素の流量(L/min)、ρは空気密度(g/L)、Oは空気中の酸素の質量分率である。
図5(a)及び図5(b)は、給気管7の内部の酸素の流量が2[L/min]と3[L/min]のいずれの場合も、タンク内の圧力が一定の値を超えると、微細気泡発生器を気相中に設置した方が微細気泡発生器を液相中に設置するよりも処理水中の酸素溶解効率が低い場合があること、及び、給気管7の内部の酸素の流量が2[L/min]の場合には給気管7の内部の酸素の流量が3[L/min]の場合よりも酸素溶解効率が高いことを示している。
すなわち、気相中に旋回流fsを形成させる本発明の気体溶解方法によれば、給気管7の内部の酸素の流量とタンク内の圧力を調整することで、液相中に微細な気泡を発生させる従来の方法よりも処理水中の酸素溶解効率を高めることが可能である。
図6のグラフは、本発明の気体溶解装置と従来装置によって処理された水について溶存酸素濃度の時間的な変化を測定した結果を表している。
横軸は測定を開始した時点から経過した時間を示し、縦軸は各装置によって処理された水500mmL中に溶存している酸素の濃度(測定値)を示している。
なお、黒丸は、気体溶解装置1において図2(a)に示した旋回流生成器8の代わりにバブルタンク社製の微細気泡発生器(図3(a)参照)を用いた場合の実験結果を表し、白抜きの菱形は、特許文献1に記載された大栄製作所製の気体溶解装置を用いた場合の実験結果を表している。
図6は、本発明の気体溶解装置1aを用いると、特許文献1に記載された従来技術の気体溶解装置を用いる場合よりも処理水中の溶存酸素濃度が高く、しかも当該溶存酸素濃度は時間が経過しても低下し難いことを示している。
すなわち、気相中に旋回流fsを形成させる本発明の気体溶解方法によれば、水の自然落下により気相中にカーテン状の水膜を形成させる方法よりも処理水中の溶存酸素濃度を高めるとともに、その溶存酸素濃度を高い状態で維持することが可能である。
図7は実施例1の気体溶解装置1aの変形例に係る気体溶解装置1bの外観を示した図である。なお、図1及び図2に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、気体溶解装置1bは、実施例1の気体溶解装置1aにおいて給気管7が給水ポンプ5の入口(遠心ポンプであれば、インペラ入口)や吸込口の近傍に接続される代わりに、タンク2の上部に設けられた給気口(図示せず)に一端が接続された構造となっている。また、給気管7には、電磁弁7aの代わりに給気ポンプ11が設置されるとともに、給気ポンプ11の上流側において、気体の供給量を調節するための電磁弁12aが設置された分岐管12が接続されている。なお、給気管7はタンク2に空気を供給するために用いられ、分岐管12は給気管7からタンク2に供給される空気に酸素を混合するために用いられる。
気体溶解装置1bでは、給水管3から導入孔10を通して旋回流生成器8の内部に水のみが供給されることになるが、このような構造であっても、噴出孔9bから噴出される水によって、気体溶解装置1aと同様に図2(b)に示したような膜状の旋回流fsがタンク2の気相中に形成される。したがって、気体溶解装置1bを用いることによれば、特許文献1に記載された従来技術の気体溶解装置を用いる場合よりも処理水中の溶存酸素濃度が高く、しかも当該溶存酸素濃度は時間が経過しても低下し難いという気体溶解装置1aの作用及び効果が同様に発揮される。
図8は実施例2の気体溶解装置1bの変形例に係る気体溶解装置1cの外観を示した図である。なお、図1乃至図3に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、気体溶解装置1cは、実施例2の気体溶解装置1bにおいて、鉛直方向に細長く形成され、少なくとも一部が水中に没するように設置されたタンク2の内部に、3個の旋回流生成器8が給水管3から水をそれぞれ供給可能な状態で設置され、タンク2の下部に排水口2b,2bが設けられるとともに、排水口2b,2bよりも上方であって、かつ、互いに所定の間隔をあけるようにしてタンク2の側面に設けられた2つの排気口2d,2dに排気管13,14の一端がそれぞれ接続された構造となっている。
水位センサ2cはタンク2には設置されていない。また、2つの排気口2d,2dは、いずれも3個の旋回流生成器8の下方であって、かつ、水面下に位置するように設けられている。すなわち、気体溶解装置1cでは、給気管7から供給される空気によってタンク2の上部に形成される気液界面(気相と液相の境界面)が水面よりも低い位置に形成されている。
タンク2の内部が水で満たされている状態の気体溶解装置1cにおいて、給気ポンプ11を稼働して給気管7からタンク2の内部へ空気を供給すると、水の一部が排水口2b,2bから押し出される結果、気液界面が下方へ移動し、タンク2の上部に気相が形成される。
ただし、電磁弁13aを開いておくと、排気管13が接続された排気口2dに気液界面が達した時点で、給気管7からタンク2に供給される空気が排気管13を通ってタンク2の外部へ排出されるため、気液界面は下方へ移動することなく、排気管13が接続された排気口2dの位置に留まる。これにより、タンク2の内部に形成された気相の圧力は大気圧よりも高い状態で一定に保たれる。例えば、水面から排気管13が接続された排気口2dまでの深さが3mの場合、上述の気相の圧力は約30kPa(ゲージ圧)となる。
また、電磁弁13aの代わりに電磁弁14aを開いておくと、排気管14が接続された排気口2dに気液界面が達した時点で、給気管7からタンク2に供給される空気が排気管14を通ってタンク2の外部へ排出されるため、排気管14が接続された排気口2dの位置に留まり、タンク2の内部に形成された気相の圧力は電磁弁13aを開いた場合よりもさらに高い状態で維持される。例えば、水面から排気管14が接続された排気口2dまでの深さが6mの場合、上述の気相の圧力は約60kPa(ゲージ圧)となる。
このように、気体溶解装置1cによれば、排気口2dの個数や設置個所を変更することで、タンク2の内部に形成される気相の圧力を容易に調節することが可能である。また、気体溶解装置1cでは、気液界面の位置を検出するためのセンサや、タンク2の内部に形成される気相を一定の圧力に維持するための制御機構等を設置する必要がないため、製造コストの削減を図ることができる。さらに、気体溶解装置1cにおいては、タンク2の内部の気体が常に入れ替わり、その組成が一定に保たれることから、排水口2bから排出される処理水に溶解している気体の濃度が変動し難い。
また、気体溶解装置1cにおいて、電磁弁12aの開度を調節することにより分岐管12から給気管7への酸素の供給量を増やすと、タンク2の内部に形成される気相中における酸素の分圧が高まる。例えば、酸素が20%含まれている空気では、20度の大気圧下における酸素の飽和量が8.8mg/Lであるが、気体溶解装置1cにおいて、気相を形成する空気に含まれる酸素の割合を30%に高めた場合、酸素の飽和量は上記値の1.5倍となる。このように、気体溶解装置1cによれば、タンク2の内部に形成される気相に含まれる酸素の分圧の調整が容易であるため、排水口2bから排出される処理水中の溶存酸素量を効率よく高めることが可能である。
本発明は、酸素に限らず、所望の気体を所望の液体中に溶解させる必要がある場合に適用可能である。
1a〜1c…気体溶解装置 2…タンク 2a…給水口 2b…排水口 2c…水位センサ 2d…排気口 3…給水管 4…排水管 4a…圧力調整弁 5…給水ポンプ 6…配管 7…給気管 7a…電磁弁 8…旋回流生成器 9…本体 9a…周壁部 9b…噴出孔 10…導入孔 11…給気ポンプ 12…分岐管 12a…電磁弁 13,14…排気管 13a,14a…電磁弁 fs…旋回流 f´…膜状流

Claims (2)

  1. 鉛直方向に細長く形成されて、少なくとも一部が水中に没するように設置されるとともに、上部と下部にそれぞれ給水口と排水口を有し、大気圧よりも高い圧力の気体からなる気相が内部に形成されているタンクと、
    このタンクの内部に前記給水口を通して水を供給するための給水管と、
    この給水管に前記水を送出するための給水ポンプと、
    この給水ポンプに前記水を供給するための配管と、
    前記タンクに前記気体を供給するための給気管と、
    この給気管に設置された給気ポンプと、
    前記排水口よりも上方であって、かつ、水面下に位置するように前記タンクの側面に設けられた排気口と、
    この排気口に接続された排気管と、
    この排気管に設置されたバルブと、
    前記排気口よりも上方において前記タンク内に設置されて前記給水口を介して前記給水管から供給された前記水を前記気相中へ噴出し、直線的に進行する水によって形成される膜よりも薄い膜からなる旋回流を形成する旋回流生成器と、を備えていることを特徴とする気体溶解装置。
  2. 前記旋回流生成器は、
    中空部を有し略回転対称をなすとともに、回転対称軸の軸方向の一方に向かって縮径するように形成されている本体を備え、
    この本体は、
    前記給水管に接続される導入孔が周壁部に接線方向へ開口するように設けられるとともに、
    縮径された部分に前記回転対称軸の軸方向へ開口するように噴出孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の気体溶解装置。
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