JP6796632B2 - 酵母菌及びカビを検出するための方法及び培養装置 - Google Patents

酵母菌及びカビを検出するための方法及び培養装置 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許出願第13/775,495(2013年2月25日に出願)、及び米国特許仮出願第61/760,412号(2013年2月4日に出願)の利益を主張する。なおこれは本明細書において参照により全体として取り入れられている。
酵母菌及びカビは真核性の微生物である。それらは、自然環境(すなわち、汚れ、空気、水、及び植物表面)のどこにでもいる。その従属栄養性及びその広範囲の環境条件に適応する能力のせいで、これらの病原菌は多くの場合、種々の商品(例えば、食品成分、加工食品、飲料、洗浄が不適切な食品加工装置、及び食品貯蔵設備)中及び上で費用のかかる厄介者として発生する。加えて、酵母菌及びカビの中には人間及び動物の健康に対して潜在的な障害を及ぼすものがある。例えば、多くのカビがマイコトキシンを生成し、酵母菌及びカビの中には人間及び動物感染の原因となっているものがある。
食品及び他の商品中に酵母菌又はカビ汚染が生じると、製造業者、加工業者、及び消費者に対してかなりの経済的損失が起こる可能性がある。商品(例えば、食品成分、加工食品、及び飲料)中の酵母菌及び/又はカビ汚染を迅速かつ正確に決定することは、食品業界において高品質の食品生産物を製造する上で重要である。
食品商品中の酵母菌及びカビの日常試験に対して現在実施していることは、半固体寒天培地上の生存可能な真菌細胞を計数するための従来の培養技術に大きく依拠している。これらの方法は、広く受け入れられているが、一般的に大きな労力を要し、再現性が低いという多くの不利点がある。加えて、従来の方法で起きる良く知られた問題は、あるカビの拡散型の菌糸生長がコロニーのすぐ近くでは行き過ぎてしまうことが多く、試料中の生存細胞を正確に計数することができないことである。
最も重大なことは、これらの方法のほとんどが、正確で定量的な結果が得られる前に、5日間の培養期間を25℃において必要とするということである。これらの方法は培養期間が長いために、食品生産物を数日間貯蔵することを、汚染性酵母菌及び/又はカビの存在又は濃度が最終的に分かるまで行なう必要がある可能性がある。したがって、試験及び関連材料の改善が求められている。試験手順を単純化できて試験結果を得る時間を短くできたならば、製造業者は製品を発売して、製品品質及び完全性を犠牲にすることなく貯蔵費用を下げることができることになる。
本開示は概ね、試料中の酵母菌又はカビ微生物を検出するための培養装置及び方法に関する。詳細には、本開示は、接着剤組成物中に高濃度で配置された複数の標識剤を含む乾燥した還元可能な培養装置内の酵母菌及びカビ微生物を迅速に検出することに関する。複数の標識剤は、アルキルエステラーゼ酵素活性を検出するための標識剤、ホスファターゼ酵素活性を検出するための標識剤、及び異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための3つの標識剤を含んでいる。有利なことに、複数の標識剤によって、広範囲の低成長酵母菌及びカビ微生物を検出及び計数することができる。更にもっと有利なことに、特定の標識剤並びにその濃度と、標識剤を微生物に与えるための手段とによって、酵母菌及びカビ微生物の検出及び計数を120時間未満で、好ましくは72時間未満で行なうことが可能になる。任意の実施形態において、培養装置は麦芽抽出物を含んでいても良い。有利なことに、麦芽抽出物は、複数の標識と協力して作用して、他の場合に可能な場合よりも酵母菌及び/又はカビコロニーを速く検出することを実現する。
一態様では、本開示によって培養装置が提供される。培養装置は、第1の主表面及び第2の主表面を有する自立基材を含む本体と、基材の第1の主表面の一部上に配置されている第1の接着剤組成物と、第1の接着剤組成物に接着されている実質的に乾燥した冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物と、複数の標識剤と、を含むことができる。複数の標識剤は、異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための3つの標識剤、アルキルエステラーゼ酵素活性を検出するための標識剤、及びホスファターゼ酵素活性を検出するための標識剤を含み、複数の標識剤のそれぞれは検出可能なレポーター基を含んでいる。任意の実施形態において、培養装置は更に、本体部材に取り付けられているカバーシートを含むことができる。
上述の実施形態のいずれかにおいて、培養装置は更に、本体部材に取り付けられているカバーシートを含むことができる。任意の実施形態において、カバーシートは、本体部材に面する第1の主表面を含むことができる。培養装置は更に、カバーシートの第1の主表面の一部上に配置されている第2の接着剤組成物と、第2の接着剤組成物に接着されている実質的に乾燥した冷水可溶性の第2のヒドロゲル形成用組成物と、を含むことができる。上述の実施形態のいずれかにおいて、異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための少なくとも3つの標識剤は、アルファ−グルコシダーゼ酵素活性を検出する化合物、ベータ−グルコシダーゼ酵素活性に対する化合物、及びベータ−ガラクトシダーゼ酵素活性に対する化合物を含むことができる。上述の実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つの栄養素は麦芽抽出物を含むことができる。上述の実施形態のいずれかにおいて、培養装置は更に、アパーチャを有する非水溶性スペーサを含み、スペーサは本体部材又はカバーシートに取り付けられ、アパーチャ全体は本体部材とカバーシートとの間に位置することができる。上述の実施形態のいずれかにおいて、複数の標識剤のうちの少なくとも1つを、第1の接着剤組成物、第2の接着剤組成物、第1のヒドロゲル形成用組成物、及び/又は第2のヒドロゲル形成用組成物中に配置することができる。上述の実施形態のいずれかにおいて、第1のヒドロゲル形成用組成物又は第2のヒドロゲル形成用組成物は、酵母菌又はカビ微生物を培養するための少なくとも1つの栄養素を含むことができる。
別の態様では、本開示によって、試料中の酵母菌及びカビを検出する方法が提供される。本方法は、試料及び水性液体を培養装置のゲル化剤と接触させて、接種された培養装置を形成するステップと、接種された培養装置を一定時間培養するステップと、培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出するステップと、を含むことができる。培養装置は、第1の主表面及び第2の主表面を有する自立基材と、基材の第1の主表面の一部上に配置されている第1の接着剤組成物と、第1の接着剤組成物に接着された冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物と、複数の標識剤と、を含んでいる。複数の標識剤は、異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための3つの標識剤、アルキルエステラーゼ酵素活性を検出するための標識剤、及びホスファターゼ酵素活性を検出するための標識剤を含み、複数の標識剤のそれぞれは検出可能なレポーター基を含んでいる。任意的に、培養装置はカバーシートを含み、カバーシートは、その上に配置されている第2の接着剤組成物と、第2の接着剤組成物に接着された冷水可溶性の第2のヒドロゲル形成用組成物と、を含んでいる。第1のヒドロゲル形成用組成物又は第2のヒドロゲル形成用組成物(もしあれば)は、ゲル化剤と、任意的に、酵母菌又はカビ微生物を培養するための少なくとも1つの栄養素とを含んでいる。複数の標識剤のそれぞれは、第1の接着剤組成物、第2の接着剤組成物、第1のヒドロゲル形成用組成物、又は第2のヒドロゲル形成用組成物中に配置される。任意の実施形態において、本方法は、接種された培養装置を培養した後に接種された培養装置内に存在する酵母菌又はカビコロニーを計数するステップを更に含むことができる。任意の実施形態において、培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出するステップは、培養装置内で複数の標識剤のうちの少なくとも1つが有する検出可能なレポーター基の存在又は不在を検出するステップを含むことができる。検出可能なレポーター基の存在を検出することは、酵母菌又はカビ微生物コロニーの存在を示している。
用語「粉末」は、本明細書で用いる場合、1又は複数のゲル化剤又は栄養素の粒子状物質であって、本発明の薄膜培養装置で用いるのに適した平均直径、好ましくは約10〜400ミクロンの直径、より好ましくは約30〜90ミクロンの直径を有するものを指す。
本明細書で用いる場合、「還元培地」は、冷水可溶性粉末を水性液体によって還元することから形成される溶液又はゲルを指す。
用語「冷水可溶性粉末」は、本明細書で用いる場合、水性試験試料と混合したときに室温水(例えば、約18℃〜24℃)中でゲルを形成する粉末を指す。
用語「微生物及び水蒸気に対して実質的に不透過性である」は、本明細書で用いる場合、カバーシートが、出荷、貯蔵、及び薄膜培養装置の使用中にその下にある冷水可溶性粉末層の望ましくない汚染及び水和を防ぎ、還元培地の乾燥を回避して、還元培地が培養期間中の微生物の成長を支えるのに適するようにすることを指す。
本明細書で用いる場合、「選択剤」は、任意の元素、化合物、又は組成物であって、あるタイプの微生物(例えば、バクテリア)の成長を別のタイプの微生物(例えば、酵母菌又はカビ)に対して抑制し、その結果、本開示による薄膜培養装置上で成長する微生物の成長及び/又は特定を容易にする働きをするものを指す。
用語「酵母菌」は、本明細書で用いる場合、分裂及び/又は出芽によって無性的に繁殖する子嚢菌門の通常単細胞菌類を指す。酵母菌は、試験試料中に存在しているか又は集団で共存している1又は複数の種を含む。用語「酵母菌」は、例えば試験試料中に見出される酵母菌の配列も指す。用語「酵母菌」又は「酵母菌ら」は、任意の所定数のこれらの種を意味することに限定されず、また未だ発見されていないが後で当業者によって特定されてこの定義に含まれ得る種を除外することは意図されていない。
用語「カビ」は、本明細書で用いる場合、微細な菌類を指す。この用語は、任意の所定数のこれらの種を意味することに限定されず、また未だ発見されていないが後で当業者によって特定されてこの属に含まれ得る種を除外することは意図されていない。
用語「試験試料」は、本明細書で用いる場合、食品生産物、人間若しくは動物被験者、薬剤若しくは美容商品、汚れ、水、空気若しくは他の環境源、又は任意の他の供給源であってそこからの酵母菌及びカビ濃度を判定すべき供給源から採取した構成要素又は部分を指す。当業者に既知の技術を用いて、試験試料を供給源から採取しても良い。該技術としては、例えば、注ぐこと、ピペットで取ること、綿棒で採取すること、濾過すること、及び接触させること、が挙げられる。加えて、試験試料に当該技術分野で既知の種々の試料調製プロセスを施しても良い。該試料調製プロセスとしては、例えば、ブレンドすること、消化すること、均質化させること、富化させること、選択的に富化させること、又は希釈すること、が挙げられる。
用語「好ましい」及び「好ましくは」とは、特定の状況下で、特定の利益をもたらすことができる、本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一又は他の環境下で、他の実施形態も好ましい可能性がある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用でないことを示唆するものではなく、また、本発明の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものでもない。
本明細書で用いる場合、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は、互換可能に使用される。したがって、例えば、培養装置が「an」標識剤を含む場合、培養装置は「1又は複数の」標識剤を含むことができることを意味すると解釈することができる。
用語「及び/又は」は、列挙された要素の1つ又は全てを、若しくは列挙された要素の任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
また本明細書において、端点による数字範囲の列挙には、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、など)が含まれる。
本発明の特徴及び利点は、発明を実施するための形態、及び添付の特許請求の範囲を考慮することで理解される。本発明のこれら並びに他の特徴及び利点は、本発明の様々な例示的な実施形態に関連して以下で説明され得る。
上記の本発明の課題を解決するための手段は、本発明の開示されるそれぞれの実施形態又は本発明の全ての実施を説明することを目的としたものではない。以下の図面及び発明を実施するための形態は、実例となる実施形態をより具体的に例示するものである。他の特徴、目的、及び利点は、説明文及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなろう。
本開示の装置の断面図であり、ある特定の特徴を示す図である。 本開示による培養装置の一実施形態の上面斜視図(部分的に断面)である。 本開示による培養装置の代替的な実施形態の上面斜視図である。 図2の線分4−4に沿って見た培養装置の断面図である。 図2の培養装置の平面図であり、微多孔膜上に刻まれた格子パターンを示す図である。
本開示の何らかの実施形態が詳細に説明される前に、本発明はその用途で、以下の説明に記載される又は以下の図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解すべきである。本発明は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用する語法及び専門用語は、説明を目的としたものであり、発明を限定するものとして見なされるべきでない点が、理解されるべきである。「含む(including)」、「備える(comprising)」、又は「有する(having)」、及びこれらの変化形の使用は、その後に列記される要素及びそれらの均等物、並びに更なる要素を包むものである。別段の指定又は限定がない限り、用語「接続された」及び「結合された」並びにその変化形は、広義で使用され、直接的及び間接的な接続及び結合の両方を包含する。更に、「接続される」及び「結合される」は、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されない。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、構造的又は論理的な変更がなされてもよいことを理解すべきである。更に、「前方」、「後方」、「上」、「下」といった用語は、各要素の互いに対する関係を説明するためにのみ用いられるものであり、装置の特定の向きを説明すること、装置に必要とされる若しくは求められる向きを指示又は示唆すること、又は本明細書に記載される発明が、使用時にどのように使用、装着、表示、又は配置されるかを特定することを目的とするものでは決してない。
酵母菌及びカビは、どこにでもいる真核性微生物であり、他のほとんどの単細胞微生物にとって有害なある特定の(例えば、低水分活性、低pHの)環境で生き抜くものである。食品損傷指標生物として分類されているため、酵母菌及びカビに対する試験が、日常的に行なわれる全ての指標生物試験の約14%を構成する。なぜならば、酵母菌及びカビ微生物は多くの場合に、種々の商品(例えば、食品成分、加工食品、飲料)、洗浄が不適切な食品加工装置、及び食品貯蔵設備内及び上で費用のかかる厄介者として発生するからである。加えて、酵母菌及びカビの中には、人間及び動物感染の原因物質としての臨床的関連を有するものがある。
酵母菌及びカビに対する従来の試験は通常、微生物を寒天培地上で、又は、3M PETRIFILM Yeast & Mold Count Plate(3M Company,St.Paul,MNから入手可能)などの薄膜培養装置内で培養することを伴う。試料中の酵母菌及びカビを検出するための薄膜培養装置が、例えば米国特許第5,089,413号(本明細書において参照により全体として取り入れられている)に記載されている。従来の試験方法は、正確なカウントを得るために最大で5〜7日間の間、試験板を培養する必要がある。結果が得られるまでの時間がこのように比較的長いため、食品製造業者は食品生産物を前もって最大で7日間保持して、食品生産物が酵母菌又はカビ微生物(通常の貯蔵状態中に食品生産物の品質及び/又は安全性に悪影響を与える場合がある)を含むか否かを判定することになる可能性がある。
一部の培地(例えば、3M PETRIFILM Yeast & Mold Count plateで用いる培地)は、酵母菌又はカビ微生物によって、検出可能な(例えば、光吸収、反射率、及び又は蛍光によって検出可能な)生産物に転化される少なくとも1種の標識試薬(例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸ナトリウム塩)を含んでいる。米国特許第6,387,650号(本明細書において参照により全体として取り入れられている)には、試験試料中の酵母菌及び菌類を検出するための組成物が開示されている。この組成物は、微生物中に見出される対応する酵素活性によって加水分解されると同一タイプの検出可能信号(例えば、蛍光)を発生又は生成する3つの酵素基質を含んでいる。ある酵素基質はグリコシダーゼ酵素活性によって加水分解され、第2の酵素基質はペプチダーゼ酵素活性によって加水分解され、第3の酵素基質ホスファターゼ酵素活性によって加水分解される。該特許では、タウゼント(Townsend)及びチェン(Chen)が更に、試験試料中の微生物の最確数(MPN)を計算することを可能にする培養装置内で標識試薬を含む培地を用いることについて記載している。
チェン及びグー(Gu)(米国特許第5,854,011号、本明細書において参照により全体として取り入れられている)は、試料中の酵母菌及び/又はカビを検出するための方法及び組成物について記載している。この組成物は、アミノペプチダーゼ酵素基質とアミノペプチダーゼ酵素活性の抑制剤とを、試験試料に対して内因性のアミノペプチダーゼ活性を抑制するのに効果的な量で含んでいる。例1では、チェン及びグーは、それらが見出されたのは試験した微生物の≦64%であるので、ホスファターゼ、β−グルコシダーゼ、及びα−グルコシダーゼ酵素は、試料中の酵母菌及びカビ全体を検出するための標的酵素として用いるには不適切であると結論している。
チェン及びグーが証明したように、自然界で見出される広範囲の酵母菌及びカビを検出することができる酵素基質を見つけることは難しい。本開示での本発明の物品及び方法によって、種々の酵母菌及びカビの検出が提供される。加えて、本発明の物品及び方法によって、酵母菌及びカビ微生物の迅速な検出を提供することができり。一部の実施形態では、研究者らによって、麦芽抽出物を含む栄養培地における標識の固有の組み合わせを含む組成物が発見されている。本開示の培養装置では、組成物は、種々の酵母菌及びカビ微生物の迅速な検出に適している。
一態様では、本開示によって、試料中の酵母菌及びカビ微生物を検出するための培養装置が提供される。培養装置の構成要素は、水性液体と接触すると、協力して作用して、酵母菌及びカビ(例えば、糸状菌)微生物を培養するのに用いられる水性培地を形成することができる。任意の実施形態において、本開示の培地は、酵母菌及びカビの成長を支えるのに必要な栄養素の全て又は実質的に全てを含む混合物とすることができる。一部の実施形態では、酵母菌及びカビ微生物の成長を支える1又は複数の栄養素を試料中に与えても良い。
本開示の培養装置によって、当該技術分野で既知の他の装置及び方法と比べて検出が改善される(すなわち、検出時間が短くなり、特定の培養期間内に酵母菌及びカビ微生物がより包括的に検出される)。いくつかの態様では、本開示の培養装置は、米国特許第4,565,783号、第5,089,413号、及び第5,681,712号(これらは全て本明細書において参照によりそれらの全体において取り入れられている)に開示された薄膜培養装置に関係づけられる。
本発明の培養装置とともに用いるための好適な試料は、種々の供給源から得ることができる、又は種々の供給源に由来し得る。「供給源」なる用語は、微生物について試験することが望ましい食品又は非食品を指して一般的に用いられる。供給源は、固体、液体、半固体、ゼラチン状物質、気体(例えば、空気)、及びこれらの組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、供給源は、捕捉要素(例えば、フィルタメンブレン、モップ、織物、又はスポンジ)によって与えることができる。捕捉要素は、例えば、対象とする表面又は空気から供給源を集めるために用いたものである。一部の実施形態では、試料液体は捕捉要素を含むことができ、捕捉要素を更に破砕して(例えば、撹拌又は溶解プロセス中に)、供給源及び対象とする任意の微生物の回収を高めることができる。対象とする表面には、これらに限定されるものではないが、壁(ドアを含む)、床、天井、排水管、冷蔵システム、ダクト(例えば、エアダクト)、通気口、トイレの便座、ハンドル、ドアノブ、手すり、カウンタートップ、テーブルトップ、食事用表面(例、トレイ、皿等)、作業面、機器表面、衣類等、及びこれらの組み合わせを含む様々な表面の少なくとも一部を含むことができる。供給源の全て又は一部分を、本方法で使用することができる。分析物源の一部が使用される場合、これを分析物源の「試料」と呼ぶ場合がある。しかしながら、「試料」なる用語は、一般に、供給源から得られ、微生物の検出のための試験器具に導入される材料の容量又は質量の一部を指すために本明細書で使用される。
「食品」なる用語は、固体、液体(例えば、これらに限定されないが溶液、分散液、乳濁液、懸濁液など、及びこれらの組み合わせを含む)、及び/又は半固体の食用組成物を指すものとして一般的に用いられる。食品の例としては、これらに限定されるものではないが、肉、鶏肉、卵、魚、魚介類、野菜、果物、調理済み食品(例えば、スープ、ソース、ペースト)、穀物製品(例、小麦粉、シリアル、パン)、缶詰食品、牛乳、他の乳製品(例えば、チーズ、ヨーグルト、サワークリーム)、脂肪、油、デザート、香辛料、スパイス、パスタ、飲料、水、動物飼料、他の適当な食用材料、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
図1を参照して、本開示の装置を、3つの顕著な特徴、すなわち、防水性の基材12、通気性メンブレン14、及び実質的に乾燥した冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物22を伴う本体部材10として示す。これらの配列は任意の好適な関係で行なうことができるが、図1に例示するのはこれらの構成要素の好ましい配列である。通気性メンブレン14は、基材12の上面の少なくとも成長領域(図示せず)に固定されてそれを覆っている。第1のヒドロゲル形成用組成物22は、メンブレン14の上面の少なくとも成長領域に固定されてそれを覆っている。出荷、貯蔵、及び培養中に第1のヒドロゲル形成用組成物22を覆うためのカバー手段(カバーシート18)も図1に示し、本体部材10の一端に沿ってヒンジ状の方法で取り付けられている。カバー手段は、本開示の装置では任意的であるが好ましい。好適な基材、第1のヒドロゲル形成用組成物、及びカバー手段は、米国特許第4,565,783号(本明細書において参照により全体として取り入れられている)に記載されたものを含んでいる。
基材12は、比較的堅いフィルム(例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、若しくはポリスチレン)又は比較的堅い紙若しくは厚紙であって耐水性コーティングが施されたもの(水を吸収しないかそうでなければ水の影響を受けない)とすることができる。ポリエステルフィルムとして約100μ〜180μ厚、ポリプロピレンフィルムとして約100μ〜200μ厚、及びポリスチレンフィルムとして約300μ〜380μ厚が、基材12に対する好適な材料の非限定的な例である。基材12は、透明であっても又は不透明であっても良く、これは、基材を通して微生物コロニーを見たいか否かによる。微生物コロニーの計数を容易にするために、基材12上に任意的に、格子パターン(例えば、正方形、図示せず)を刻むことができる。
通気性メンブレン14によって、装置が接種された後にカバーシート18が所定の位置にあるときに第1のヒドロゲル形成用組成物22に空気を適切に供給することができる。その際、メンブレン14は、装置内での好気性微生物の成長を支えるのに有用である。メンブレンが空気透過性であること及びメンブレンの縁部が空気に実質的に露出していることによって、空気はメンブレンの縁部内に進み、メンブレンを水平方向に通り、培地内に入ることができる。特定のメンブレンに対して空気が水平に通ることは、メンブレンの垂直方向の空気透過性(すなわち、メンブレンの上面及び底面に垂直な方向での透過性)を評価することによって、最も好都合に推定される。好適な通気性メンブレン14の材料(合成又は天然材料の微多孔性フィルム及び微多孔性不織ウェブを含む)が米国特許第5,089,413号(本明細書において参照により全体として取り入れられている)に記載されている。好ましいメンブレン材料の非限定的な例は、微多孔性ポリオレフィンフィルム(TREDEGAR EXXAIREフィルム、Tredegar Film Products,Richmond,VA)である。
任意の実施形態において、メンブレン14には可視の正方形格子パターンが刻まれていて(図5に示す)、微生物コロニーの計数を容易にしている。本開示の装置の調製を、種々の技術を用いて行なうことができる。概して、装置の作製を、手動で行なうこともできるし、又は以下で詳細に説明するように良く知られた実験装置を用いて行なうこともできる。
図2及び4に例示するのは、本開示による装置である。装置28は、本体部材10’を含み、本体部材10’は上面及び底面を伴う防水基材12を有している。メンブレン14の底面は、基材12の上面の少なくとも成長領域(図示せず)に固定されている(例えば、接着剤によって固定されているか、ないしは別の方法で取り付けられている)。好ましくは、基材12の上面には接着剤層30がコーティングされている。接着剤層30はメンブレン14を固定するために用いられる。接着剤層30は好ましくは、感圧性で、水に不溶で、本明細書で説明したように、目的とする微生物の成長に対して実質的に非抑制性である。好ましい接着剤には、第1の接着剤組成物20及び第2の接着剤組成物20’と関連して後述されるものが含まれる。多くの場合に、好適な基材に好適な接着剤がすでにコーティングされているものが入手可能である。しかし要望があれば、好適な基材を選択して、好適な接着剤をコーティングすることができる(例えば、ナイフコーターを用いて)。
メンブレン14を基材12に固定する方法は、接着剤層30の性質に依存する。接着剤層30が例えば感圧性であるならば、メンブレン14を接着剤層30上に配置して、押圧し、その結果、所定の位置に接着することができる。
図2及び3を参照して、基材12の第1の表面の一部上に、第1の接着剤組成物20層をコーティングする。任意の実施形態において、第1の接着剤組成物20は、本明細書で説明したように、1若しくは複数の標識剤(図示せず)及び/又は1若しくは複数の選択剤(図示せず)を含んでいても良い。第1の接着剤組成物20に接着しているのは、実質的に乾燥した冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物22(任意的に、粉末栄養素16を含む)である。そのため、第1の接着剤組成物20の厚さは好ましくは、冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物22を構成する粉末ゲル化剤及び/又は栄養素の粒子の直径を下回らなければならない。冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物22の均一な単層が、水和に対して露出する表面積が十分なので望ましい。
接着された粉末培地(図2及び3に例示する)の調製及び固定を、最初に第1の接着剤組成物20の層を少なくともメンブレン14の上面の成長領域上に形成することによって行なう。第1の接着剤組成物20の接着剤は好ましくは、感圧性で、水に不溶性であり、目的とする微生物の成長に対して実質的に非抑制性である。好ましくは、第1の接着剤組成物20はまた、湿潤時に十分に透明であり、微生物コロニーを視認することができる。
基材12に取り付けられるのは、任意的なカバーシート18である。任意の実施形態において、カバーシート18は基材12の一端に取り付けることができる(例えば、ヒートシーリング又は両面テープを介して)。カバーシート18は、半透明又は好ましくは透明であって微生物コロニーの計数を容易にし、微生物及び水蒸気の両方に対して実質的に不透過性である。概して、カバーシート18は、基材12と同じ特性(例えば透明性及び好ましい不透水性)を有している。更に、カバーシート18には、パターン(例えば正方形格子パターン)を刻み付けること、又は微生物コロニーの計数を助けるマスク縁部(図示せず)を設けることが、水性試験試料を配置するための標的を得るために及び/又は美的理由で可能である。カバーシート18を、酵母菌及びカビ微生物にとって必要な酸素透過量が得られるように選ぶことができる。酵母菌及びカビ微生物の中には、比較的酸素リッチな環境を最適な成長条件として必要とするものがある。好適なカバーシート材料が、米国特許第5,681,712号に開示されている。
カバー手段(例えば、カバーシート18)は、わずかなコーティングも無いようにすることもできるし、又はコーティングすることを、例えば乾燥培地に面する表面上に感圧接着剤層によって行なって、カバー手段を培地上で封止することを容易にすることもできる。更に、カバーシート18に対する任意的なコーティングを、第1のヒドロゲル形成用組成物22に面する表面上に、第2の接着剤組成物20’及び第2のヒドロゲル形成用組成物22’の層によって行なうことができる。これらは、第1の接着剤組成物20及び第1のヒドロゲル形成用組成物22と、それぞれ同じか又は異なる。カバーシート18上のコーティングは、第1のヒドロゲル形成用組成物22に面する表面全体をカバーすることができるが、好ましくは、少なくとも培養装置の成長領域を覆うように意図された表面部分を覆う。このようなコーティングされたカバーシートが特に好ましいのは、第1のヒドロゲル形成用組成物に単独で取り入れられる量よりも多いゲル化剤を有する装置を提供することが望ましいときである。
カバーシート18は、好ましくは、スペーサ24の一端に沿ってヒンジ状の方法で接着され、任意的に、第2の接着剤組成物20’及び第2のヒドロゲル形成用組成物22’の層がコーティングされている。任意の実施形態において、第2の接着剤組成物は、酵母菌及び/又はカビ微生物を検出するために用いられる複数の標識剤のうちの1又は複数(例えば、全て)を含むことができる。代替的に、カバーシート18を、図3に例示するように基材12に直接接着することができる。
本開示の培養装置(図示せず)が、基材に取り付けられているカバーシートを含まない場合には、培養装置を容器(例えば、ペトリ皿)内で貯蔵及び培養して、接種前後において装置及び試料の汚染及び/又は乾燥を防がなければならない。
また図2に示すのは、カバーシート18の少なくとも一部上に配置された任意的な第2の接着剤組成物20’、第2の接着剤組成物20’上に配置された実質的に乾燥した冷水可溶性の第2のヒドロゲル形成用組成物22’、及び任意的なスペーサ24である。水性液体(例えば、液体試料及び/又は水溶性懸濁化剤、例えば水又は緩衝液)によって水和するときに、ゲル化剤が第1のヒドロゲル形成用組成物22及び/又は第2のヒドロゲル形成用組成物22’内に存在すると、ヒドロゲルが形成される。
図2及び4に示したように、培養装置はスペーサ24を含むことができる。スペーサ24は(例えば、熱接合又は感圧接着剤を介して)基材12の第1の表面、第1の接着剤組成物20、及び又は第1のヒドロゲル形成用組成物22に取り付けられている。スペーサ24は、中心を通して切られたアパーチャ(例えば、円形アパーチャ26)を含んで、第1のヒドロゲル形成用組成物22を露出させている。アパーチャ26の壁によって、第1のヒドロゲル形成用組成物22を水性液体によって水和させた後にヒドロゲルを閉じ込めるための所定のサイズ及び形状のウエルが得られる。アパーチャ26によって概ね、培養装置の成長領域の輪郭が描かれる。スペーサ24は、所望の体積、例えば、1、2又は3ミリリットルのウエルを形成できるように十分厚くなければならない。独立気泡ポリエチレンフォームは、スペーサ24の好ましい材料であるが、疎水性(濡れない)であり、微生物に対して不活性、かつ滅菌に対して持ちこたえ得る任意の材料を用いても良い。一部の実施形態(図示せず)では、スペーサは、複数のアパーチャ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、又は20のアパーチャ)を含むことができ、それぞれに異なった試料を接種することができる。
スペーサ部材にとって好適な材料は、任意の固体の非抑制性の天然又は合成物質であって、シート状で容易に入手可能ではあるが、微生物成長サイトではないものである。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート及びポリスチレンは好適な合成材料の少数の例である。特に、比較的安価な市販のポリスチレン発砲体及びポリエチレン発砲体が好ましい。
スペーサ24は、比較的厚いデザイン(例えば米国特許第5,681,712号に記載されたもの)を含むことができる。より厚い(例えば、少なくとも約0.5mm厚、約1mm厚、約1.5mm厚、及び約2mm厚の)孔あきスペーサ24の目的の1つは、スペーサ24のアパーチャ26内に配置されたメンブレン(例えば、微多孔性フィルタメンブレン、図示せず)の位置を特定して保護することである。より厚いスペーサ24の別の目的は、カバーシート18が微生物の成長しつつあるコロニーと接触することを減少又は防ぐことである(即ち、成長表面とカバーシート18の間の「ヘッドスペース」を提供することであり、これにより微生物コロニーの成長のために通気を増加させることもできる)。
第1の接着剤組成物20及び(もしあれば)第2の接着剤組成物20’は、好ましくは感圧接着剤である。より好ましくは、接着剤は感圧接着剤、例えば非水溶性接着剤であり、アクリル酸アルキルモノマー及びアルキルアミドモノマーのコポリマーを含む。好ましくは、これらのコポリマー中のアクリル酸アルキルモノマー対アルキルアミドモノマーの重量比は約90:10〜99:1、より好ましくは94:6〜98:2である。アクリル酸アルキルモノマーは、アクリル酸の低級アルキル(C2〜C10)モノマーを含み、例えば、アクリル酸イソオクチル(IOA)、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソアミル、及びこれらの混合物などであり、一方で、アルキルアミドモノマーは、限定することなく、アクリルアミド(ACM)、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン(NVP)、N−ビニルカプロラクタム(NVCL)、N−ビニル−2−ピペリジン、N−(モノ−又はジ−低級アルキル(C2〜C5))(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、又はそれらの混合物を含むことができる。
任意の実施形態において、第1の接着剤組成物20及び/又は第2の接着剤組成物20’は、標識剤(図示せず)及び/又は選択剤を含んでいても良い。任意の実施形態において、標識剤を有機溶媒(例えば、メタノール)中に溶解して接着剤組成物とブレンドすることを、組成物を基材12及び又はカバーシート18に塗布する前に行なっても良い。任意の実施形態において、第1の接着剤組成物20及び/又は第2の接着剤組成物20’は、複数の標識剤を含んでいても良い。任意の実施形態において、第1の接着剤組成物20及び第2の接着剤組成物20’はそれぞれ、同一の標識剤を含んでいても良い。任意の実施形態において、第1の接着剤組成物20及び第2の接着剤組成物20’はそれぞれ、他の接着剤組成物には含まれていない標識剤又は選択剤を含んでいても良い。
任意の実施形態において、本開示の1又は複数の標識剤を、粉末(又は凝集粉)として、本明細書で開示した第1のヒドロゲル形成用組成物22及び/又は第2のヒドロゲル形成用組成物22’中に配置することができる。
任意の実施形態において、本開示の培養装置は複数の標識剤(例えば、酵素基質)を含み、各標識剤は、標識剤と生物活性(すなわち、酵母菌又はカビ微生物と関連付けられる酵素活性)との間の反応及び標識剤の検出を可能にするレポーター基(例えば、蛍光発生基又は発色性基)含んでいる。任意の実施形態において、複数の標識剤は5つの標識剤を含むことができる。任意の実施形態において、5つの標識剤は、3つの異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための3つの剤、エステラーゼ酵素活性(例えば、アルキルエステラーゼ酵素活性)を検出するための標識剤、及びホスファターゼ酵素活性を検出するための標識剤を含むことができる。培地は更にゲル化剤を含んでいる。任意の実施形態において、複数の標識剤には、アミノペプチダーゼ酵素活性を検出するための標識剤は含まれていない。
酵母菌及びカビ微生物は、種々のグリコシダーゼ酵素活性(各グリコシダーゼ酵素活性は、指示薬と反応して、検出可能な生産物を生成することができる)のうちの1又は複数を生成する。表1及び2に列記するのは、酵母菌又はカビ微生物のコロニー内の又はコロニーに隣接する対応する酵素活性(もしあれば)と反応する場合がある標識剤の非限定的な例である。
Figure 0006796632
酵母菌及びカビ微生物によって、種々のエステラーゼ酵素活性が生成され、例えば、アルキルエステラーゼ(例えば、脂肪酸アルキルエステラーゼ)酵素活性及びホスファターゼ(例えば、リン酸モノエステル加水分解酵素)酵素活性などである。表2に列挙するのは、酵母菌又はカビ微生物のコロニー内の又はコロニーに隣接する対応するエステラーゼ酵素活性(もしあれば)と反応する場合がある標識剤の非限定的な例である。
Figure 0006796632
好ましい実施形態では、本開示の培養装置は、α−グルコシダーゼ酵素活性を検出するための標識剤、β−グルコシダーゼ酵素活性を検出するための標識剤、及びβ−ガラクトシダーゼ酵素活性を検出するための標識剤を含んでいる。任意の実施形態において、前述の標識剤の3つ全てが同様な又は同一のレポーター基を含んでいる。特に好ましい実施形態では、本開示の培養装置は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−グルコピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコピラノシド、及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシドを含んでいる。
本開示によれば、標識剤を培養装置内に与えることを、粉末又は凝集粉として(すなわち、本明細書で説明した冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物及び/又は冷水可溶性の第2のヒドロゲル形成用組成物の構成要素として)又は本明細書で説明した第1の接着剤組成物及び/又は第2の接着剤組成物の一部として行なうことができる。有利なことに、接着剤組成物の少なくとも1つの中に与えると、標識剤は、培養装置の成長領域内に均一に分散することができ、接着剤組成物中に非常に高濃度で与えることができる。理論に拘束されるものではないが、標識剤は比較的疎水性の接着剤組成物から比較的疎水性の還元ゲルに効率的に分かれる結果、培養装置内の酵母菌又はカビ微生物(もし試料中にあれば)と反応する安定した均一な濃度の標識剤が得られるものと考えられる。
任意の実施形態において、第1及び/又は第2の接着剤組成物は5つの標識剤を含むことができる。5つの標識剤としては、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルアセテート、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−グルコピラノシド、及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートp−トルイジン塩を挙げることができる。下表13に示すように、研究者らは、標識剤のこの特定の組み合わせによって、少なくとも1種の生物(例えば、ボトリチス属に属する微生物)であって、その他の場合に前述の標識剤のうちの1つのみを有する同様の培養装置を用いて検出することはできない生物の検出が行なわれるという驚くべき効果が得られることを見出した。このように、組み合わせの可能な相乗効果が示されている。
任意の実施形態において、第1又は第2の接着剤組成物は、約0.05〜1.0重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルアセテート、約0.05〜1.0重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、0.05〜1.0重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコピラノシド、約0.05〜1.0重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−グルコピラノシド、及び/又は約0.05〜1.0重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートp−トルイジン塩を含むことができる。
任意の実施形態において、第1又は第2の接着剤組成物は、約0.18〜0.5重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルアセテートを含むことができる。任意の実施形態において、第1又は第2の接着剤組成物は、約0.34〜0.72重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシドを含むことができる。任意の実施形態において、第1又は第2の接着剤組成物は、約0.34〜0.72重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコピラノシドを含むことができる。任意の実施形態において、第1又は第2の接着剤組成物は、約0.34〜0.72重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−グルコピラノシドを含むことができる。任意の実施形態において、第1又は第2の接着剤組成物は、約0.36〜0.76重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートp−トルイジン塩を含むことができる。
任意の実施形態において、第1又は第2の接着剤組成物は、約0.18〜0.5重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルアセテート、約0.34〜0.72重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、約0.34〜0.72重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコピラノシド、約0.34〜0.72重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−α−D−グルコピラノシド、及び約0.36〜0.76重量パーセントの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートp−トルイジン塩を含むことができる。
第1の接着剤組成物20に接着されるのは、冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物22である。第1のヒドロゲル形成用組成物22は、少なくとも1つの冷水可溶性のゲル化剤を含んでいる。前述したように、乾燥培地はゲル化剤のみを含むことができ、栄養素は含まない。任意的に、任意の実施形態において、第1のヒドロゲル形成用組成物22はまた、酵母菌又はカビ微生物を培養するための栄養素を含んでいても良い。第1のヒドロゲル形成用組成物22で用いる好適なゲル化剤は、冷水可溶性の天然及び合成のゲル化剤を含んでいる。好適な天然のゲル化剤の非限定的な例としては、アルギン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ローカストビーンガム、キサンタンガムが挙げられる。好適な合成のゲル化剤は、例えばポリアクリルアミドを含んでいる。天然及び/又は合成のゲル化剤を組み合わせることが考えられる。好ましいゲル化剤としては、ローカストビーンガム及びキサンタンガムが挙げられ、これらのゲル化剤は、別個に、又は任意の実施形態において互いと組み合わせて、有用である。
第1のヒドロゲル形成用組成物22は、乾燥培地に関連して前述した構成要素を含むことができる。好ましくは、ゲル化剤が第1のヒドロゲル形成用組成物22に含まれるとき、それが含まれる量は、所定の量の水又は水性試料(例えば、1〜3mL)を培地上に配置したときに、還元培地として、好適な粘度(例えば、約1500cps以上、60rpmでBrookfield Model VF粘度計を用いて25℃で測定時)を有するものが形成されるような値である。この粘度の培地であれば、培養中に装置を好都合に取り扱うこと及び積み重ねることが可能になり、異なったコロニー形成が培地内に行なわれる。例えば、0.025g〜0.050gの粉末状グアーガムが、20.3cmの表面積に渡って実質的に一様に広がる結果、十分に粘性のある培地が、1〜3mLの水性試料を用いて還元したときに得られる。単位面積当たりのコーティング重量を制御するために、粉末粒径が使用され得る。例えば、100メッシュグアーガムのコーティングが約0.05g/20.3cmの重量まで行なわれる条件下では、400メッシュグアーガムのコーティングが約0.025g/20.3cmの重量まで行なわれる。第1のヒドロゲル形成用組成物を第1の接着剤組成物20に適用することを、米国特許第5,089,413号に記載された方法を用いて行なうことができる。
前述したように、乾燥培地はゲル化剤のみを含み、栄養素は含まないようにすることができる。水性試料液体(例えば、酵母菌又はカビ微生物を含んでいると疑われる液体試料)を培養装置に加える前に、ユーザは、培養すべき微生物のタイプに適応した栄養素を加えることができる。例えば、乾燥した粉末栄養素を、急速に蒸発する液体(例えばエタノール又は揮発性クロロフルオロカーボン)中で懸濁させることができる。他の場合では、乾燥した粉末栄養素を、水溶液中で懸濁させる(例えば、分散させるか又は溶解する)ことができる。どちらの場合でも、栄養素懸濁液又は溶液のアリコートを培地の表面に加えたときに、液体が蒸発して十分な栄養素がゲル化剤とともに残るようにすることができる。それに加えて又はその代わりに、任意の実施形態において、酵母菌又はカビ微生物を培養するための1又は複数の栄養素を、培養装置が接種されたときに、水性液体(例えば、水溶性懸濁化剤又は希釈剤)中の培養装置内に堆積させることができる。
本開示の第1及び/又は第2のヒドロゲル形成用組成物(それぞれ22及び22’)は更に、酵母菌又はカビ微生物の培養を促進する少なくとも1つの栄養素を含んでいても良い。酵母菌及びカビ微生物は代謝的及び生態学的に多様であり、したがって種々の栄養素を用いてそれらの成長と繁殖を支えることができる。表3に示すのは、本開示による酵母菌及びカビ微生物を含む属の非限定的な例である。
Figure 0006796632
酵母菌及びカビ微生物の成長と繁殖を促進する栄養素を含む培地(例えば、脱水された粉末状の培地)が当該技術分野で知られている。培地の構成要素としては、例えば、以下のものが挙げられる。窒素源(例えば、酵母抽出物、肉又は他のタンパク質の酵素消化物、麦芽抽出物)、炭素源(例えば、種々の砂糖、多糖類、オリゴ糖、麦芽抽出物)、1又は複数の種々の無機塩(例えば、塩化カルシウム、クエン酸鉄アンモニウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸亜鉛)、任意的に緩衝剤、及び、任意的に抗生物質、例えばテトラサイクリン又はクロラムフェニコール(例えば、バクテリアの成長を抑制するため)である。本開示を鑑みて、当業者であれば分かるように、種々の栄養組成物を本開示の酵素基質混合物とともに用いて酵母菌及びカビ微生物を検出することが、栄養組成物の成分が、酵素基質混合物中の酵素基質の加水分解を実質的に抑制することがない場合に、及び栄養組成物の成分が、酵素基質混合物中の酵素基質の生成物を実質的にマスクすること(例えば、蛍光消光によって)がない場合に、可能である。
任意の実施形態において、培養装置は、タンパク質、オリゴペプチド、及び/又はアミノ酸を含む栄養素を含むことができる。このような栄養素の非限定的な例としては、酵母抽出物(例えば、酵母菌自己消化物)、麦芽抽出物、及び肉のペプシン消化物が挙げられる。
任意の実施形態において、培養装置は、炭水化物栄養素(例えば、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖、又は前述のうちの任意の2つ以上の組み合わせ)を含むことができる。また当業者であれば分かるように、種々の炭水化物源を用いることができる。それらは天然源(例えば、ジャガイモ又は植物抽出物)、天然源の混合物として、純粋な形で(例えばオリゴ糖類又は単糖類)、純粋な形の混合物で、又は純粋及び天然の形の混合物とすることができる。天然の混合物は種々の量の炭水化物を含むことができる。したがって、炭水化物を種々の供給源から提供しても良い。麦芽抽出物は、種々の炭水化物の典型的な供給源である。酵母菌及びカビ微生物の成長と繁殖を促進するタンパク質、オリゴペプチド、及び/又はアミノ酸を含むことに加えて、麦芽抽出物は、酵母菌及びカビ微生物の成長と繁殖を促進する炭水化物栄養素も含んでいる。
天然の混合物は、種々のタイプ及び量の炭水化物(例えば多糖類、オリゴ糖、及び単糖類)を含むことができる。酵母菌及びカビが吸収可能な多糖類には、可溶性のデンプン又はイヌリンが含まれる。酵母菌及びカビが吸収可能なオリゴ糖は、ショ糖、麦芽糖、セロビオース、トレハロース、乳糖、メリビオース、ラフィノース、及びメレジトースである。酵母菌及びカビが代謝可能な単糖類としては、ヘキソース(六炭糖):例えば、D−グルコース、D−フルクトース、D−ガラクトース、D−マンノース、L−ラムノース、及びL−ソルボース、並びにペントース(五炭糖):例えば、D−キシロース、D−リボース、L−アラビノース、及びD−アラビノースが挙げられる。
全ての炭水化物を提供しなければならないわけではなく、それぞれの相対量は変わっても良い。当業者であれば分かるように、単糖類の多くの異なる組み合わせを本開示の培地において用いることができる。普通は、酵母菌及びカビが代謝可能な砂糖のみを提供する。
一般的ガイダンスとして、具体的な量の炭水化物を本明細書で示す。これらの量は、一般的ガイダンスを与えるためだけのものであり、当業者に知られた情報に従って決定することができ、限定することは意図されていない。当業者であれば分かるように、炭水化物の多くの異なる組み合わせを本開示の培養装置において用いることができる。普通は、検出すべき任意の特定の酵母菌及びカビが利用できる砂糖のみを、培地に提供しなければならない。当業者であれば分かるように、本発明から逸脱することなく他の炭水化物を提供しても良い。
任意の実施形態において、培養装置は緩衝液を含むことができる。緩衝液を第1及び/又は第2のヒドロゲル形成用組成物中に提供することができる。好適な緩衝液の非限定的な例としては、リン酸化合物(例えば、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム)、炭酸ナトリウム、MOPS(2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸)遊離酸、及びMOPSナトリウム塩が挙げられる。
本開示の培養装置は、酵母菌及び/又はカビの成長を促進する1又は複数の無機元素を含むことができる。これらには、以下のうちの任意の1又は複数が含まれる(培地の種々の構成要素の前述の供給源においてすでに示されてはいない範囲で):カルシウム、塩化物、コバルト、鉄、マンガン、リン、カリウム、硫黄、ナトリウム、スズ、及び亜鉛。塩をイオン源として提供しても良い。塩は以下のものを含んでいても良い(培地リットルあたりの量として):リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ホウ酸、硫酸銅、ヨウ化カリウム、塩化第二鉄、硫酸マンガン、モリブデン酸ナトリウム、及び硫酸亜鉛。無機元素及び/又は塩を、第1の粉末及び/又は第2の粉末(もしあれば)中に提供することができる。
任意の実施形態において、本開示の培養装置は更に選択剤を含むことができる。酵母菌又はカビ試料の培養をバクテリアからの妨害を受けずに行なうために、例えば、静菌性又は殺菌性の選択剤(例えばクロラムフェニコール、クロルテトラサイクリン、酒石酸、又は好適なペニシリンなど)を含むことができる。選択剤を、第1のヒドロゲル形成用組成物及び/又は第2のヒドロゲル形成用組成物(もしあれば)中に提供しても良い。その代わりに又はそれに加えて、選択剤を第1の接着剤組成物及び/又は第2の接着剤組成物(もしあれば)中に提供しても良い。
別の態様では、本開示によって酵母菌又はカビ微生物を検出する方法が提供される。本方法は、試料及び水性液体を、本明細書で開示した培養装置の任意の実施形態の第1又は第2の接着剤組成物上に配置されているゲル化剤と接触させるステップを含んでいる。任意の実施形態において、試料は水性液体を含むことができる。一般的に、培養装置内のゲル化剤、標識剤、及び栄養素(もしあれば)の量は、酵母菌又はカビ微生物を検出するための有効濃度が、それらが所定の量(例えば、1ミリリットル、2ミリリットル、5ミリリットル)の水性液体によって還元されたときに得られるように選択される。水性液体に試料材料を加えることができる(例えば、試料材料を、水性液体、例えば滅菌水、水性緩衝液、又は水性栄養培地などに溶解し、均質化し、懸濁し、及び/又は希釈することができる)。任意の実施形態として、試料が固体(例えば、メンブレンフィルタ内又は上に材料が保持されているもの)又は半固体材料を含む場合には、所定量の液体(例えば、滅菌水、水性栄養培地)を用いて培養装置を還元することを、固体又は半固体試料を用いて装置に接種する前又は後に行なうことができる。
試料をゲル化剤と接触させることを、当該技術分野で既知の方法を用いて行なうことができる(例えば、液体試料をゲル化剤上に注ぐか又はピペットで取ることによって)。培養装置がカバーシートを含む実施形態では、カバーシートを、通常、持ち上げて、試料をカバーシートと基材との間に、好ましくは培養装置内のスペーサのアパーチャ(もしあれば)内に堆積することができるようにする。任意の実施形態において、試料及び水性液体をゲル化剤と接触させることによって、接種された培養装置が形成される。接種された培養装置を形成した後で、カバーシート(もしあれば)を下げて、培養中の水性液体の汚染及び/又は過剰な蒸発に対して保護バリヤーを形成する。任意の実施形態において、試料を成長領域上に一様に広げることを、例えば重り付きプレートをカバーされた装置の最上部に配置することによって、行なっても良い。カバーシートが存在しない場合は、好ましくは、接種された培養装置を殺菌した容器内に配置して、培養中の水性液体の汚染及び/又は過剰な蒸発を防ぐ。
図3に例示する装置11の実施形態は、図2のそれと同一であるが、図3においてスペーサ24は存在しない。このような実施形態を用いるために、テンプレート(例えば、成長領域を画定する重り付き円形リング)をカバーシート18の最上部に一時的に適用することを、閉じた後に行なって、培地の還元を培地の成長領域に限定することができる。
任意の実施形態において、試料を培養装置の第1又は第2の接着剤組成物上に配置されているゲル化剤と接触させるステップは、試料を少なくとも1つの栄養素と流体連絡させるステップを含む。これは、試料を栄養素を含む液体(例えば、水性液体)中で懸濁若しくは希釈することによってか、又は試料及び水性液体を少なくとも1つの栄養素を含む第1のヒドロゲル形成用組成物若しくは第2のヒドロゲル形成用組成物(本明細書で説明した)と接触させることによって、実現することができる。
任意の実施形態において、本方法は更に、接種された培養装置を一定時間の間(例えば、温度制御された環境室内で)培養するステップを含む。培養条件(例えば、培養温度)は、試料中に存在する酵母菌及びカビ微生物の成長速度に影響する可能性がある。当業者であれば、特定の酵母菌及びカビ微生物を検出するための好適な培養温度が分かる。本開示の接種された培養装置を培養するステップを、例えば約20℃〜約32℃(両端を含む)の温度で行なうことができる。任意の実施形態において、培養装置を好気条件下で培養することができる。
接種された培養装置を培養することを、酵母菌又はカビ微生物の成長を可能にする十分な時間の間、行なう。任意の実施形態において、時間を約36時間〜約120時間(両端を含む)とすることができる。任意の実施形態において、時間を約48時間〜約120時間(両端を含む)とすることができる。任意の実施形態において、時間を約48時間〜約96時間(両端を含む)とすることができる。任意の実施形態において、時間を約48時間〜約72時間(両端を含む)とすることができる。任意の実施形態において、時間を約48時間〜約48時間(両端を含む)とすることができる。任意の実施形態において、時間を最大で約72時間とすることができる。任意の実施形態において、時間を最大で約60時間とすることができる。任意の実施形態において、時間を最大で約48時間とすることができる。
本開示の方法は更に、培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出する(例えば、培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを観察する)ことを含んでいる。任意の実施形態において、培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出するステップは、培養装置内で、標識剤のうちの少なくとも1つが有する検出可能なレポーター基の存在又は不在を検出するステップを含むことができる。検出可能なレポーター基の存在を検出することは、酵母菌又はカビ微生物のコロニーの存在を示している。酵母菌又はカビコロニーが本開示の培養装置内で成長すると、コロニー内の細胞が標識剤のうちの1又は複数と反応してレポーター基を活性化させ(例えば、発色性又は蛍光発生酵素基質の加水分解によって)、その結果、直接又は間接的にレポーター基が検出可能になる。発色性標識剤の場合、レポーター基を検出することを、レポーター基が吸収及び/又は反射する光の固有波長によって行なうことができる。例えば、インドリルレポーター基を含む標識剤を二量体化して、藍色又はその誘導体を形成することができる。したがって、特定のレポーター基に関連する色を有するコロニー(例えば、色を有するコロニーか又は色を有するコロニーに隣接するヒドロゲル)の存在は、酵母菌又はカビ微生物のコロニーを示している。
蛍光発生標識剤の場合は、検出可能なレポーター基を観察することを、培養装置に適切な波長の光(例えば、4−メチルウンベリフェロンを含むレポーター基を検出するために約365nm)を照射すること、及びレポーター基によって発せられた光を観察することによって、行なうことができる。当業者であれば、培養装置に照射すること及び特定の蛍光発生標識剤に関連するレポーター基を検出することにそれぞれ必要な好適な波長の光が分かる。コロニーが蛍光レポーター基の色を有しているか又はコロニーに隣接するヒドロゲル中に蛍光レポーター基が存在する場合、コロニーは酵母菌コロニー又はカビコロニーであることを示している。
任意の実施形態において、レポーター基を検出するステップは、培養装置を視覚的に観察するステップを含むことができる。任意の実施形態において、レポーター基を検出するステップは、培養装置の画像を得るステップと、画像を視覚的に観察するか又は画像を分析することを自動画像解析技術を用いて行なうステップと、を含むことができる。培養装置内で微生物コロニーを自動検出するための方法及び装置は、例えば、米国特許第5,448,652号、同第6,058,209号、同第6,243,486号、同第6,271,022号、同第7,298,885号、及び同第7,319,031号に記載されている。なお、これらは全て本明細書において参照により全体として取り入れられている。
任意の実施形態において、本開示の方法は更に、接種された培養装置を培養した後に、接種された培養装置内に存在する酵母菌又はカビコロニーを計数するステップを含む。こうして、本明細書で説明したように酵母菌又はカビコロニーを検出した後で、検出されたコロニーの数の決定を、手動で又は当該技術分野で既知の自動プロセスを用いて行なう。
実施形態
実施形態Aは、
第1の主表面及び第2の主表面を有する自立基材を含む本体と、
基材の第1の主表面の一部上に配置されている第1の接着剤組成物と、
第1の接着剤組成物に接着されている実質的に乾燥した冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物と、
複数の標識剤とを含み、複数の標識剤が、
異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための3つの標識剤、
アルキルエステラーゼ酵素活性を検出するための標識剤、及び
ホスファターゼ酵素活性を検出するための標識剤、を含み、
複数の標識剤のそれぞれが検出可能なレポーター基を含む、培養装置である。
実施形態Bは、実施形態Aの培養装置であり、本体部材に取り付けられているカバーシート更に含む。
実施形態Cは実施形態Bの培養装置であり、カバーシートは本体部材に面する第1の主表面を含み、培養装置は更に、カバーシートの第1の主表面の一部上に配置されている第2の接着剤組成物と、第2の接着剤組成物に接着されている実質的に乾燥した冷水可溶性の第2のヒドロゲル形成用組成物と、を含む。
実施形態Dは先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、複数の標識剤のうちの少なくとも1つが、第1の接着剤組成物、第2の接着剤組成物、第1のヒドロゲル形成用組成物、及び/又は第2のヒドロゲル形成用組成物内に配置される。
実施形態Eは実施形態Dの培養装置であり、複数の標識剤のうちの少なくとも3つが第1の接着剤組成物及び/又は第2の接着剤組成物中に配置される。
実施形態Fは実施形態Eの培養装置であり、標識剤のうちの少なくとも5つが第1の接着剤組成物及び/又は第2の接着剤組成物中に配置される。
実施形態Gは、先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、基材と第1のヒドロゲル形成用組成物との間に配置されている通気性メンブレンを更に含む。
実施形態Hは、先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための少なくとも3つの標識剤は、アルファ−グルコシダーゼ酵素活性を検出する化合物、ベータ−グルコシダーゼ酵素活性を検出する化合物、及びベータ−ガラクトシダーゼ酵素活性を検出する化合物を含む。
実施形態Iは、先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、複数の標識剤のうちの少なくとも1つは発色性酵素基質又は蛍光発生酵素基質である。
実施形態Jは実施形態Iの培養装置であり、複数の標識剤のそれぞれは発色性酵素基質又は蛍光発生酵素基質である。
実施形態Kは、先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための少なくとも3つの標識剤は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−アルファ−D−グルコピラノシド、及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−グルコピラノシドを含む。
実施形態Lは、先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、アルキルエステラーゼ酵素活性を検出するための標識剤は3−インドリル−アセテートを含む。
実施形態Mは、実施形態Lの培養装置であり、アルキルエステラーゼ酵素活性を検出するための標識剤は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−アセテートを含む。
実施形態Nは、先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、ホスファターゼ酵素活性を検出するための標識剤は5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ホスフェートを含む。
実施形態Oは先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、アパーチャを有する非水溶性スペーサを更に含み、スペーサは本体部材又はカバーシートに取り付けられ、アパーチャ全体は本体部材とカバーシートとの間に位置する。
実施形態Pは、先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、本体部材とカバーシートとの間に配置されている所定の体積の水性液体を更に含み、水性液体とゲル化剤がヒドロゲルを形成している。
実施形態Qは実施形態Pの培養装置であり、少なくとも1つの栄養素は麦芽抽出物を含む。
実施形態Rは実施形態P又は実施形態Qの培養装置であり、少なくとも1つの栄養素は、肉のペプシン消化物、酵母抽出物、デキストロース、リン酸カリウム、クエン酸鉄アンモニウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガン、炭酸ナトリウム、硫酸亜鉛、又は前述の栄養素の任意の2つ以上の組み合わせから成る群から選択される。
実施形態Sは、先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、第1のヒドロゲル形成用組成物又は第2のヒドロゲル形成用組成物は、実質的に乾燥した凝集粉を含む。
実施形態Tは実施形態Sの培養装置であり、複数の標識剤のうちの少なくとも1つが第2の接着剤組成物中に配置される。
実施形態Uは、実施形態Nに対する従属項としての実施形態Oの培養装置であり、スペーサは成長領域と厚さ寸法とを画定する周囲を含み、厚さ寸法は、成長領域におけるヒドロゲルとカバーシートとの間の接触を防ぐように選択される。
実施形態Vは、先行する実施形態のいずれか1つの培養装置であり、第1の接着剤組成物又は第2の接着剤組成物中に配置される選択剤を更に含む。
実施形態Wは、試料中の酵母菌及びカビを検出する方法であって、
試料及び水性液体を、実施形態A〜Vのいずれか1つの培養装置の第1又は第2の接着剤組成物上に配置されているゲル化剤と接触させて、接種された培養装置を形成するステップと、
接種された培養装置を一定時間培養するステップと、
培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出するステップと、を含む方法である。
実施形態Xは実施形態Wの方法であり、培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出するステップは、培養装置内で標識剤のうちの少なくとも1つが有する検出可能なレポーター基の存在又は不在を検出するステップを含み、検出可能なレポーター基の存在を検出することは、酵母菌又はカビ微生物のコロニーの存在を示している。
実施形態Yは実施形態W又は実施形態Xの方法であり、試料を培養装置の第1又は第2の接着剤組成物上に配置されているゲル化剤と接触させるステップは、試料を少なくとも1つの栄養素と流体連絡させるステップを含む。
実施形態Zは実施形態W〜Yのうちのいずれか1つの方法であり、接種された培養装置を培養するステップは、接種された培養装置を約20℃〜約32℃(両端を含む)の温度で培養するステップを含む。
実施形態AAは実施形態W〜Zのうちのいずれか1つの方法であり、接種された培養装置を一定時間、培養するステップは、接種された培養装置を最大で約72時間培養するステップを含む。
実施形態BBは実施形態AAの方法であり、接種された培養装置を一定時間、培養するステップは、接種された培養装置を最大で約60時間培養するステップを含む。
実施形態CCは実施形態BBの方法であり、接種された培養装置を一定時間、培養するステップは、接種された培養装置を最大で約48時間培養するステップを含む。
実施形態DDは実施形態W〜CCのうちのいずれか1つの方法であり、接種された培養装置を培養した後に、接種された培養装置内に存在する酵母菌又はカビコロニーを計数するステップを更に含む。
本開示の利点及び実施形態を以降の実施例によって更に例示するが、これら実施例において列挙される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に制限するように解釈されるべきではない。特に断らない限り、全ての材料は市販されているか、又は当業者に既知である。
標識
実施例で用いた発色性基質標識を表4に列記し、これらはBiosynth International,Inc.(Itasca,IL)から購入した。
Figure 0006796632
標識コーティング処方A〜D(表5)のそれぞれの調製は、表5に特定された量の5つの発色性基質標識と、アクリル酸イソオクチル及びアクリルアミドの100gの非抑制性の接着剤コポリマーとから行なった(後述する)。
Figure 0006796632
培地処方
6つの別個の培地処方の調製を、処方成分を一緒にブレンドすることによって、均質な混合物として行なった。培地処方E〜Jの組成物を表6〜11に記述する。
Figure 0006796632
Figure 0006796632
Figure 0006796632
Figure 0006796632
Figure 0006796632
Figure 0006796632
接種及び培養
S.セレビシエ、H.アノマラ、及びC.アルビカンスを例外として、実施例で用いた(及び表12に列記した)酵母菌及びカビ株を、凍結乾燥ディスクとしてMicro Biologics,Inc.(St.Cloud,MN)から購入した。S.セレビシエ、H.アノマラ、及びC.アルビカンスの株を、KWIK STIK装置として、MicroBiologics,Inc.から購入し、製造業者の指示に従って繁殖させた。各株の単一の凍結乾燥ディスクを別個に、10〜30ミリリットルの0.1%ペプトン水(カタログ番号D299、Hardy Diagnostics,Santa Maria,CA)に加えて、凍結乾燥ディスク材料からの生物を再懸濁した。試料をそれぞれ、0.1%ペプトン水で順次に希釈して、コロニー形成単位(cfu)のカウントが薄膜培養装置の計数範囲内で得られる濃度にした(約15〜150cfu/装置)。
Dichloran Rose Bengal Chloramphenicol(DRBC)Agar Petri dish platesを参照培養装置として調製した(Becton Dickinson Company,Franklin Lakes,NJ)。接種材料の100マイクロリットルアリコートをDRBCプレート上に広げて培養し、プレートを25℃で5日間培養した。DRBC参照プレートを用いて得られたカウントに希釈係数10を乗じて、DRBC参照プレート及び実験用薄膜培養プレートに加えた接種材料体積の違いを説明した。
Figure 0006796632
(実施例1)
標識コーティング処方B(表5)の調製は、5つの発色性基質標識をDMSO(5〜15mL)中で混合した後に、100gの非抑制性の接着剤コポリマー(約24%の固形物が酢酸エチル及びヘプタンの溶液中にある)に加えることによって行なった。これは、米国特許第5,635,367号の実施例1で説明されている。なおこの文献は、本明細書において参照により全体として取り入れられている。結果として生じるコーティング処方を、均質になるまで撹拌した。処方のナイフコーティング(間隙設定は約1ミル(約0.03ミリメートル))を、1.6ミル(0.04ミリメートル)厚の二軸配向ポリプロピレン(BOPP)フィルム基材(Vifan Company,Morristown,TN)の一方の側面上に行なった。コーティングされたフィルムを乾燥させることを、炉内で70〜80℃で10〜15分間行なった。BOPPフィルムのコーティング側に次に、キサンタンガム及びローカストビーンガムの1:1混合物をパウダーコーティングした。過剰な粉末を緩く振った。
実験用の薄膜培養装置の調製を、薄膜カバーシートを市販の3M PETRIFILM Yeast & Mold Count Pate(3M Company)から取り除いて、それを前述のコーティングされたBOPPフィルムと交換することによって行なった。コーティングされたBOPPフィルムを切断して最下部フィルムと同じ寸法にし、フィルムのコーティング表面が培地に面するように配向した。5つの標識を含む新しい薄膜カバーシートを最下部フィルムに取り付けることを、両面テープを用いて行なった。
薄膜培養装置に、ペシロマイセスspp.、サッカロマイセスセレヴィシエ、ボトリチスspp.、ハンセヌラアノマラ、カンジダアルビカンス、ペニシリウムクリソゲナムから選択される単一の酵母菌又はカビ試料を接種した。装置の最上部フィルムを持ち上げて、1mLの接種材料を最下部フィルム上の培地に(ピペットによって)加えた。最上部フィルムを交換し、試料を均一に分散させて望ましい面積(30mm)にすることを、3M PETRIFILM Flat Spreader(3M Company)を用いて行なった。全く同じ薄膜培養装置を各試料に対して調製した。接種された装置を培養することを、25℃で60〜72時間、行なった。
各装置内のコロニーを計数することを目視検査によって、48時間において及び培養期間の終わり(60〜72時間時点)において行なった。各時点において、個々の装置のcfuカウントを平均化して、平均のカウント値を求めた。参照DRBCプレート上のコロニーを計数することを、薄膜培養装置に対して説明したのと同様に行なった。48時間時点に対する結果を、表13及び14に、比較例1〜6及びDRBC参照プレートに対して得られた結果とともに示す。DRBCプレートに対するcfuカウンを取ることを、5日間の培養後に行なった。
比較例1
実施例1で説明したものと同じ手順を用いた。但し例外として、単一の標識剤5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルアセテートのみ(接着剤100g当たり57.7mg)を、最上部フィルムコーティングに含めた(5つの標識剤の代わり)。各酵母菌又はカビ試料に対して、装置に接種することを実施例1で用いたものと同じ試料調製によって行なった。結果を表13及び14に示す。
比較例2
実施例1で説明したものと同じ手順を用いた。但し例外として、単一の標識剤5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−ガラクトピラノシドのみ(接着剤100g当たり81.8mg)を、最上部フィルムコーティングに含めた(5つの標識剤の代わり)。各酵母菌又はカビ試料に対して、装置に接種することを実施例1で用いたものと同じ試料調製によって行なった。結果を表13及び14に示す。
比較例3
実施例1で説明したものと同じ手順を用いた。但し例外として、単一の標識剤5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−グルコピラノシドのみ(接着剤100g当たり81.8mg)を、最上部フィルムコーティングに含めた(5つの標識剤の代わり)。各酵母菌又はカビ試料に対して、装置に接種することを実施例1で用いたものと同じ試料調製によって行なった。結果を表13及び14に示す。
比較例4
実施例1で説明したものと同じ手順を用いた。但し例外として、単一の標識剤5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−アルファ−D−グルコピラノシドのみ(接着剤100g当たり81.8mg)を、最上部フィルムコーティングに含めた(5つの標識剤の代わり)。各酵母菌又はカビ試料に対して、装置に接種することを実施例1で用いたものと同じ試料調製によって行なった。結果を表13及び14に示す。
比較例5
実施例1で説明したものと同じ手順を用いた。但し例外として、単一の標識剤5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートパラ−トルイジン塩のみ(接着剤100g当たり130mg)を、最上部フィルムコーティングに含めた(5つの標識剤の代わり)。各酵母菌又はカビ試料に対して、装置に接種することを実施例1で用いたものと同じ試料調製によって行なった。結果を表13及び14に示す。
Figure 0006796632
Figure 0006796632
(実施例2)
薄膜培養装置の調製を、米国特許第4,565,783号及び同第5,089,413号に記載された一般的な手順を用いて行なった。コーティング処方の調製は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートパラ−トルイジン塩(86.7mg)、クロロテトラサイクリン(13.6mg)、及びクロラムフェニコール(10.9mg)をメタノール(5〜10mL)中に含む溶液を、実施例1で説明したアクリレートコポリマー接着剤100gに加えることによって行なった。結果として生じるコーティング処方を均質になるまで撹拌した。コーティング基材は、微多孔性ポリオレフィンフィルム(Tredegar EXXAIRE film,Tredegar Film Products,Richmond,VA)を、ポリシルクペーパに接着によって積層したものであった。コーティング処方のナイフコーティング(間隙設定は約1ミル(約0.03ミリメートル))を基材の微多孔性ポリオレフィンフィルム側上に行なって、マスターロールを形成した。マスターロールを切断して76mm幅×102mm長の部分にした。この部分が装置の最下層を形成した。発泡層(76mm幅×102mm長×0.57mm厚)に円形開口部(直径61mm)を設けたものを、最下部フィルムのコーティング側に接着によって積層した。円形開口部を発泡層の中心に位置させた。
培地の調製を、キサンタンガムとローカストビーンガムとの混合物(重量で1:1)を、予めブレンドされた培地処方E(表6に記述する)に、3部ガム混合物対1部培地処方Eの割合で加えることによって行なった。組み合わせた混合物をブレンドして混合を終了した。組み合わせた粉末混合物の約2グラムを一様に塗布して、薄膜培養装置内の円形開口部によって露出した接着剤を覆った。過剰な粉末を取り除くことを、装置をひっくり返すことによって行なった。結果として、組み合わせた粉末混合物(培地及びガム)の薄層が装置の接着剤層に接合されたものが得られた。
標識コーティング処方Bを含む薄膜カバーシートを調製することを、実施例1で説明した手順に従って行なった。コーティングされたカバーシートを切断して最下部フィルム部分と同じ寸法にし、カバーシートのコーティング表面が培地に面するように配向した。カバーシートを最下部フィルムに取り付けることを両面テープ用いて行なった。
薄膜培養装置に、カンジダアルビカンス、トリコスポロンムコイデス、カンジダギリエルモンジィから選択された単一の酵母菌試料を接種した。装置の最上部フィルムを持ち上げて、1mLの接種材料を最下部フィルム上の培地に(ピペットによって)加えた。最上部フィルムを交換し、試料を円形開口部の縁部に均一に広げることを、下方への圧力を3M PETRIFILM Flat Spreaderを用いて印加することによって行なった。全く同じ薄膜培養装置を各試料に対して調製した。接種された装置を培養することを、25℃で60〜72時間、行なった。
各試料からのコロニーを計数することを目視検査によって、48時間において及び培養期間の終わり(60〜72時間時点)において行なった。コロニーは白色又は青色であった。各時点において、個々の装置のcfuカウントを平均し、平均カウント値を用いて、最初の不希釈試料中のコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)の数を計算した。48時間時点における各試料に対する計算したcfu/mL値及びコロニー色(白色又は青色)を表15に、実施例3〜6に対して得られた結果とともに報告する。
(実施例3)
実施例2で説明したものと同じ実験条件及び手順に従ったが、例外として、薄膜培養装置の調製を、培地処方E(表6に記述する)の代わりに培地処方F(表7に記述する)を用いて行なった。
(実施例4)
実施例2で説明したものと同じ実験条件及び手順に従ったが、例外として、薄膜培養装置の調製を、培地処方E(表6に記述する)の代わりに培地処方G(表8に記述する)を用いて行なった。
(実施例5)
実施例2で説明したものと同じ実験条件及び手順に従ったが、例外として、薄膜培養装置の調製を、培地処方E(表6に記述する)の代わりに培地処方H(表9に記述する)を用いて行なった。
(実施例6)
実施例2で説明したものと同じ実験条件及び手順に従ったが、例外として、薄膜培養装置の調製を、培地処方E(表6に記述する)の代わりに培地処方I(表10に記述する)を用いて行なった。
(実施例7)
実施例2で説明したものと同じ実験条件及び手順に従ったが、例外として、薄膜培養装置の調製を、培地処方E(表6に記述する)の代わりに培地処方J(表11に記述する)を用いて行なった。
Figure 0006796632
(実施例8)
実施例2で説明した薄膜培養装置を2つの例外を伴って調製した。第1に、薄膜培養装置の調製を培地処方E(表6に記述する)の代わりに培地処方H(表9に記述する)を用いて行なった。第2に、装置の薄膜カバーシートのコーティングを、標識コーティング処方Bの代わりに標識コーティング処方Aを用いて行なった。
薄膜培養装置に、ペシロマイセスspp.、サッカロマイセスセレヴィシエ、ボトリチスspp.、ハンセヌラアノマラ、カンジダアルビカンス、ペニシリウムクリソゲナム、アスペルギルスニガーから選択される単一の酵母菌又はカビ試料を接種した。装置の最上部フィルムを持ち上げて、1mLの接種材料を最下部フィルム上の培地に(ピペットによって)加えた。最上部フィルムを交換し、試料を円形開口部の縁部に均一に広げることを、下方への圧力を3M PETRIFILM Flat Spreaderを用いて印加することによって行なった。全く同じ薄膜培養装置を各試料に対して調製した。接種された装置を培養することを25℃で48〜60時間、行なった。
各試料からのコロニーを計数することを目視検査によって、48時間又は60時間時点で行なった。個々の装置のcfuカウントを平均し、平均カウント値を用いて、最初の不希釈試料中のコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)の数を計算した。表16及び17において、48時間又は60時間時点における各試料に対する計算されたcfu/mL値を示す。
(実施例9)
実施例8で説明したものと同じ実験条件及び手順に従ったが、例外として、装置の薄膜カバーシートのコーティングを、標識コーティング処方Aの代わりに標識コーティング処方Bを用いて行なった。結果表16及び17に示す。
(実施例10)
実施例8で説明したものと同じ実験条件及び手順に従ったが、例外として、装置の薄膜カバーシートのコーティングを、標識コーティング処方Aの代わりに標識コーティング処方Cを用いて行なった。結果を表16及び17に示す。
Figure 0006796632
Figure 0006796632
(a)48時間の培養後に計数されたコロニー
(b)60時間の培養後に計数されたコロニー
(実施例11)
実施例8で説明したものと同じ薄膜培養装置を調製したが、例外として、装置の薄膜カバーシートのコーティングを、標識コーティング処方Aの代わりに標識コーティング処方Dを用いて行なった。
6つの食品品目を試験用に選択した(トウモロコシ穀粒、カットキャロット、トマトペースト、グリーンチリピューレ、ミートソースパスタ、及びチキンシーズニング)。各食品品目を別個に試験した。食品試料の11g部分を、99mLの0.1%ペプトン水を含むプラスチック富化バッグに加えて、バッグを振った。食品試料を0.1%ペプトン水を用いて順次に希釈して、コロニー形成単位(cfu)のカウントが薄膜培養装置の計数範囲内で得られる濃度にした(約15〜100cfu/装置)。薄膜装置への接種を、透明なフィルムカバーシートを持ち上げ、希釈試料の1mLをピペットで取ってコーティングされた最下部フィルムの中心に加え、カバーシートを交換することによって行なった。試料を円形開口部の縁部に均一に広げることを、下方への圧力を3M PETRIFILM Flat Spreaderを用いて印加することによって行なった。全く同じ薄膜培養装置を各試料に対して調製した。接種された装置を培養することを25℃で60〜72時間、行なった。
各試料からの酵母菌及びカビコロニーの総数の計数を、目視検査によって、48時間及び培養期間の終わり(60〜72時間時点)において行なった。各時点において、個々の装置のcfuカウントを平均し、平均カウント値を用いて、最初の不希釈試料中のコロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)の数を計算した。参照DRBCプレート上のコロニーを計数することを、薄膜培養装置に対して説明したのと同様に行なった。48時間時点における各試料に対する計算されたcfu/mL値を表18に示す。DRBC参照プレートに対するcfuカウントを5日間の培養後に取った。
Figure 0006796632
本明細書に引用する全ての特許、特許出願、及び公開公報、並びに電子的に入手可能な資料の開示内容の全体を、参照により援用する。本出願の開示と本明細書に参照として援用される任意の文書の開示(複数可)との間にいずれの不一致が認められる場合にも、本出願の開示が優先される。上記の詳細な説明及び実施例は、あくまで理解を助ける明確さのために示したものである。これらによって不要な限定をするものと理解されるべきではない。本発明は、示され記載された厳密な詳細事項に限定されるべきではないが、それは当業者に対して明らかな変形が特許請求の範囲において規定された本発明の範囲に包含されるからである。
全ての見出しは読者の利便性のためであって、特に指示がない限り、見出しの後に続く文面の意味を制限するために使用しているのではない。
本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な改変を行うことが可能である。これら及び他の実施形態は以下の「特許請求の範囲」に含まれる。

Claims (13)

  1. 第1の面及び第2の面を有する自立基材を含む本体部材と、
    前記基材の前記第1の面の一部上に配置されている第1の接着剤組成物と、
    前記第1の接着剤組成物に接着されている、燥した、冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物と、
    前記第1の接着剤組成物中に配置された複数の標識剤とを含み、前記複数の標識剤が、
    5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−アルファ−D−グルコピラノシド、及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−グルコピラノシドを含む、異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための少なくとも3つの標識剤、
    3−インドリル−アセテートを含む、カルボキシルエステラーゼ酵素活性を検出するための標識剤、及び
    5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ホスフェートを含む、ホスファターゼ酵素活性を検出するための標識剤、を含み、
    前記複数の標識剤のそれぞれが検出可能なレポーター基を含む、培養装置。
  2. 前記本体部材に取り付けられているカバーシートを更に含み、
    前記カバーシートは前記本体部材に面する面を含み、前記培養装置は更に、前記バーシート面の一部上に配置されている第2の接着剤組成物と、前記第2の接着剤組成物に接着されている、燥した、冷水可溶性の第2のヒドロゲル形成用組成物と、を含む、請求項1に記載の培養装置。
  3. 前記第1のヒドロゲル形成用組成物は更に、酵母菌又はカビ微生物を培養するための少なくとも1つの栄養素を含む、請求項1又は2に記載の培養装置。
  4. 前記基材と前記第1のヒドロゲル形成用組成物との間に配置されている通気性メンブレンを更に含み、前記第1のヒドロゲル形成用組成物は、成長領域内の前記メンブレンに固定されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の培養装置。
  5. 試料中の酵母菌及びカビを検出する方法であって、
    試料及び水性液体を、請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記培養装置の前記第1の接着剤組成物又は存在する場合は第2の接着剤組成物のいずれかの上に配置されているゲル化剤と接触させて、接種された培養装置を形成することと、
    前記接種された培養装置を一定時間培養することと、
    前記培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出することと、を含む方法。
  6. 前記培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出することが、前記培養装置内で、前記標識剤のうちの少なくとも1つが有する検出可能なレポーター基の存在又は不在を検出することを含み、前記検出可能なレポーター基の存在を検出することは、酵母菌又はカビ微生物のコロニーの存在を示す、請求項5に記載の方法。
  7. 試料中の酵母菌及びカビを検出する方法であって、
    培養装置であって、
    第1の面及び第2の面を有する自立基材を含む本体と、
    前記基材の前記第1の面の一部上に配置されている第1の接着剤組成物と、
    前記第1の接着剤組成物に接着されており、ゲル化剤を含む、燥した、冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物と、
    前記第1の接着剤組成物中に配置された複数の標識剤とを含み、前記複数の標識剤が、
    5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−アルファ−D−グルコピラノシド、及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−グルコピラノシドを含む、異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための3つの標識剤、
    3−インドリル−アセテートを含む、カルボキシルエステラーゼ酵素活性を検出するための標識剤、及び
    5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ホスフェートを含む、ホスファターゼ酵素活性を検出するための標識剤、を含み、
    前記複数の標識剤のそれぞれが検出可能なレポーター基を含む、培養装置
    を提供することと、
    試料及び水性液体を前記ゲル化剤と接触させて、接種された培養装置を形成することと、
    前記接種された前記培養装置を一定時間培養することと、
    前記培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出することと
    を含む、方法。
  8. 第1の面及び第2の面を有する自立基材を含む本体と、
    前記基材の前記第1の面の一部上に配置されている第1の接着剤組成物と、
    前記第1の接着剤組成物に接着されている、燥した、冷水可溶性の第1のヒドロゲル形成用組成物と、
    複数の標識剤とを含み、前記複数の標識剤が、
    5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−アルファ−D−グルコピラノシド、及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ベータ−D−グルコピラノシドを含む、異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための3つの標識剤、
    3−インドリル−アセテートを含む、カルボキシルエステラーゼ酵素活性を検出するための標識剤、及び
    5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ホスフェートを含む、ホスファターゼ酵素活性を検出するための標識剤、を含み、
    前記複数の標識剤のそれぞれが検出可能なレポーター基を含む培養装置であって、
    前記本体部材に取り付けられているカバーシートを更に含み、
    前記カバーシートは、前記本体部材に面する面を含み、
    前記培養装置は、前記カバーシート面の一部上に配置されている第2の接着剤組成物と、前記第2の接着剤組成物接着されている、燥した、冷水可溶性の第2のヒドロゲル形成用組成物とを含む、培養装置。
  9. 前記標識剤のうちの少なくとも5つが第1の接着剤組成物及び/又は第2の接着剤組成物中に配置されている、請求項8に記載の培養装置。
  10. 異なるグリコシダーゼ酵素活性を検出するための前記少なくとも3つの標識剤は、アルファ−グルコシダーゼ酵素活性を検出する化合物、ベータ−グルコシダーゼ酵素活性を検
    出する化合物、及びベータ−ガラクトシダーゼ酵素活性を検出する化合物を含む、請求項8又は9に記載の培養装置。
  11. アパーチャを有する非水溶性スペーサを更に含み、前記スペーサは前記本体部材又は前記カバーシートに取り付けられ、前記アパーチャ全体は前記本体部材と前記カバーシートとの間に位置する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の培養装置。
  12. 試料中の酵母菌及びカビを検出する方法であって、
    試料及び水性液体を、請求項9に記載の前記培養装置の前記第1又は第2の接着剤組成物上に配置されているゲル化剤と接触させて、接種された培養装置を形成することと、
    前記接種された培養装置を一定時間培養することと、
    前記培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出することと、を含む方法。
  13. 培養装置内の酵母菌又はカビコロニーを検出することが、前記培養装置内で、前記標識剤のうちの少なくとも1つが有する検出可能なレポーター基の存在又は不在を検出することを含み、前記検出可能なレポーター基の存在を検出することは、酵母菌又はカビ微生物のコロニーの存在を示す、請求項7又は12に記載の方法。
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