JP6795244B2 - ドローン、その制御方法、および、プログラム - Google Patents

ドローン、その制御方法、および、プログラム Download PDF

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Description

本願発明は、飛行体(ドローン)、特に、安全性を高めたドローン、その制御方法、および、プログラムに関する。
一般にドローンと呼ばれる小型無人ヘリコプター(マルチコプター)の応用が進んでいる。その重要な応用分野の一つとして農地(圃場)への農薬や液肥などの薬剤散布が挙げられる(たとえば、特許文献1。欧米と比較して農地が狭い日本においては、有人の飛行機やヘリコプターではなくドローンの使用が適しているケースが多い。
準天頂衛星システムやRTK-GPS(Real Time Kinematic-Global Positioning System)などの技術によりドローンが飛行中に自機の絶対位置をセンチメートル単位で正確に知ることができるようになったことで、日本において典型的な狭く複雑な地形の農地でも、人手による操縦を最小限として自律的に飛行し、効率的かつ正確に薬剤散布を行なえるようになっている。
その一方で、農業用の薬剤散布向け自律飛行型ドローンについては安全性に対する考慮が十分とは言いがたいケースがあった。薬剤を搭載したドローンの重量は数10キログラムになるため、人の上に落下する等の事故が起きた場合に重大な結果を招きかねない。また、通常、ドローンの操作者は専門家ではないためフールプルーフの仕組みが必要であるが、これに対する考慮も不十分であった。今までに、人間による操縦を前提としたドローンの安全性技術は存在していたが(たとえば、特許文献2、特に農業用の薬剤散布向けの自律飛行型ドローンに特有の安全性課題に対応するための技術は存在していなかった。
特許公開公報 特開2001−120151 特許公開公報 特開2017−163265
自律飛行時であっても、高い安全性を維持できるドローン、すなわち無人飛行体を提供することができる。
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係るドローンは、飛行手段と、前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、異物が引っ掛かっているか否かを判定して検知信号を生成する引っ掛かり検知部と、を備えるドローンであって、前記飛行制御部は、前記検知信号に基づいて前記ドローンに退避行動を取らせ、前記退避行動は、ホバリング、前記ドローンを繰り返しゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸のうち少なくとも1つの行動を含む。
前記ドローンをゆする動作は、前記ドローンを進行方向に対して前後に繰り返し進退させる行動であるものとしてもよい。
前記着陸動作は、通常の着陸よりも低速で着陸を実施する動作であるものとしてもよい。
前記飛行制御部が前記検知信号に基づいて前記ドローンを後退させた後、前記引っ掛かり検知部は、依然として異物が引っ掛かっているか否かを判定し、異物が引っ掛かっていると判定された場合、第2検知信号を生成し、前記飛行制御部は、前記第2検知信号に基づいて前記ドローン繰り返しゆするものとしてもよい。
前記飛行制御部が前記ドローンを繰り返しゆすった後、前記引っ掛かり検知部は、依然として異物が引っ掛かっているか否かを判定し、異物が引っ掛かっていると判定された場合、第3検知信号を生成し、前記飛行制御部は、前記第3検知信号に基づいて、前記ドローンを着陸させるものとしてもよい。
前記引っ掛かり検知部は、加速度、角速度、移動速度、絶対位置、および推力のいずれか1つ以上の情報に基づいて、異物が引っ掛かっているか否かを検知して検知信号を生成するものとしてもよい。
前記引っ掛かり検知部は、通常着陸の動作中において、加速度、角速度、移動速度、絶対位置、および推力のいずれか1つ以上の情報に基づいて、前記ドローンが前記通常着陸を安全に遂行できるか否かを判定し、安全な前記通常着陸が行えないと判定される場合、前記通常着陸とは異なる着陸動作を行うものとしてもよい。
前記引っ掛かり検知部は、所定時間内に前記加速度が所定以上減速するとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定するものとしてもよい。
前記引っ掛かり検知部は、前記絶対位置と計画される飛行経路との差を比較し、前記絶対位置と計画される飛行経路との差が、計画される飛行経路への飛行動作を開始してから所定時間経過後において所定以上あるとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定するものとしてもよい。
前記引っ掛かり検知部は、計測される前記推力と推力の指令値との差を比較し、前記推力と前記指令値との差が所定以上あるとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定するものとしてもよい。
前記ドローンから外部に薬剤を吐出するか否かを制御する薬剤制御部をさらに備え、前記薬剤制御部は、前記検知信号に基づいて前記薬剤の吐出を停止するものとしてもよい。
前記引っ掛かり検知部は、前記ドローンが着地している状態において前記ドローンに異物が引っ掛かっているか否かを判定し、異物が引っ掛かっていると判定される場合、前記飛行制御部は前記ドローンを飛行させないものとしてもよい。
前記引っ掛かり検知部は、前記ドローンが離陸してからホバリングしている状態に至るまでの間において前記ドローンに異物が引っ掛かっているか否かを判定し、異物が引っ掛かっていると判定される場合、前記飛行制御部は前記ドローンを着陸させるものとしてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係るドローンの制御方法は、飛行手段と、前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、異物が引っ掛かっているか否かを判定して検知信号を生成する引っ掛かり検知部と、を備えるドローンの制御方法であって、異物が引っ掛かっているか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおける異物が引っ掛かっているとの判定に基づいて、検知信号を生成するステップと、前記検知信号に基づいて前記ドローンに退避行動を取らせるステップと、を含み、前記退避行動は、ホバリング、前記ドローンを繰り返しゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸のうち少なくとも1つの行動を含む。
前記ドローンをゆする動作は、前記ドローンを進行方向に対して前後に繰り返し進退させる行動であるものとしてもよい。
前記着陸動作は、通常の着陸よりも低速で着陸を実施する動作であるものとしてもよい。
前記検知信号に基づいて前記ドローンを後退させるステップと、前記後退させるステップに次いで、依然として異物が引っ掛かっているか否かを判定するステップと、異物が引っ掛かっていると判定された場合、前記ドローン繰り返しゆするステップと、をさらに含む、ものとしてもよい。
前記ドローンを繰り返しゆするステップと、前記繰り返しゆするステップに次いで、依然として異物が引っ掛かっているか否かを判定するステップと、異物が引っ掛かっていると判定される場合、前記ドローンを着陸させるステップと、をさらに含むものとしてもよい。
前記引っ掛かり検知部は、加速度、角速度、移動速度、絶対位置、および推力のいずれか1つ以上の情報に基づいて、異物が引っ掛かっているか否かを検知して検知信号を生成するものとしてもよい。
通常着陸をするステップと、前記通常着陸をするステップ中において、加速度、角速度、移動速度、絶対位置、および推力のいずれか1つ以上の情報に基づいて、前記ドローンが前記通常着陸を安全に遂行できるか否かを判定するステップと、安全な前記通常着陸が行えないと判断された場合、前記通常着陸とは異なる着陸動作を行うステップと、を含むものとしてもよい。
前記判定ステップは、所定時間内に前記加速度が所定以上減速するとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定するものとしてもよい。
前記判定ステップは、前記絶対位置と計画される飛行経路との差を比較し、前記絶対位置と計画される飛行経路との差が、計画される飛行経路への飛行動作を開始してから所定時間経過後において所定以上あるとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定するものとしてもよい。
前記判定ステップは、計測される前記推力と推力の指令値との差を比較し、前記推力と前記指令値との差が所定以上あるとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定するものとしてもよい。
前記ドローンから外部に薬剤を吐出するか否かを制御する薬剤制御部をさらに備え、前記検知信号に基づいて前記薬剤の吐出を停止するステップをさらに含むものとしてもよい。
前記ドローンが着地している状態において前記ドローンに異物が引っ掛かっているか否かを判定するステップと、異物が引っ掛かっていると判定される場合、前記ドローンの飛行を禁止するステップと、をさらに含むものとしてもよい。
前記ドローンが離陸してからホバリングしている状態に至るまでの間において前記ドローンに異物が引っ掛かっているか否かを判定するステップと、異物が引っ掛かっていると判定される場合、前記ドローンを着陸させるステップと、をさらに含むものとしてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係るドローンの制御プログラムは、飛行手段と、前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、異物が引っ掛かっているか否かを検知して検知信号を生成する引っ掛かり検知部と、を備えるドローンの制御プログラムであって、異物が引っ掛かっているか否かを判定する判定命令と、前記判定ステップにおける異物が引っ掛かっているとの判定に基づいて、検知信号を生成する命令と、前記検知信号に基づいて前記ドローンに退避行動を取らせる命令と、をコンピューターに実行させ、前記退避行動は、ホバリング、前記ドローンを繰り返しゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸のうち少なくとも1つの行動を含む。
前記ドローンをゆする動作は、前記ドローンを進行方向に対して前後に繰り返し進退させる行動であるものとしてもよい。
前記着陸動作は、通常の着陸よりも低速で着陸を実施する動作であるものとしてもよい。
前記検知信号に基づいて前記ドローンを後退させる命令と、前記後退させる命令に次いで、依然として異物が引っ掛かっているか否かを判定する命令と、異物が引っ掛かっていると判定された場合、前記ドローン繰り返しゆする命令と、をさらにコンピューターに実行させるものとしてもよい。
前記ドローンを繰り返しゆする命令と、前記繰り返しゆする命令に次いで、依然として異物が引っ掛かっているか否かを判定する命令と、異物が引っ掛かっていると判定された場合、前記ドローンを着陸させる命令と、をさらにコンピューターに実行させるものとしてもよい。
前記判定命令は、加速度、角速度、移動速度、絶対位置、および推力のいずれか1つ以上の情報に基づいて、異物が引っ掛かっているか否かを検知して検知信号を生成するものとしてもよい。
通常着陸をする命令と、前記通常着陸の動作中において、加速度、角速度、移動速度、絶対位置、および推力のいずれか1つ以上の情報に基づいて、前記ドローンが前記通常着陸を安全に遂行できるか否かを判定する命令と、安全な前記通常着陸が行えないと判定される場合、前記通常着陸とは異なる着陸動作を行う命令と、をコンピューターに実行させるものとしてもよい。
前記判定命令は、所定時間内に前記加速度が所定以上減速するとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定するものとしてもよい。
前記判定命令は、前記絶対位置と計画される飛行経路との差を比較し、前記絶対位置と計画される飛行経路との差が、計画される飛行経路への飛行動作を開始してから所定時間経過後において所定以上あるとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定するものとしてもよい。
前記判定命令は、計測される前記推力と推力の指令値との差を比較し、前記推力と前記指令値との差が所定以上あるとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定するものとしてもよい。
前記ドローンから外部に薬剤を吐出するか否かを制御する薬剤制御部をさらに備え、前記検知信号に基づいて前記薬剤の吐出を停止する命令をさらにコンピューターに実行させるものとしてもよい。
前記ドローンが着地している状態において前記ドローンに異物が引っ掛かっているか否かを判定する命令と、異物が引っ掛かっていると判定される場合、前記ドローンの飛行を禁止する命令と、をさらにコンピューターに実行させるものとしてもよい。
前記ドローンが離陸してからホバリングしている状態に至るまでの間において前記ドローンに異物が引っ掛かっているか否かを判定する命令と、異物が引っ掛かっていると判定される場合、前記ドローンを着陸させる命令と、をさらにコンピューターに実行させるものとしてもよい。
なお、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
自律飛行時であっても、高い安全性を維持できるドローン(無人飛行体)を提供する。
本願発明に係るドローンの実施例の平面図である。 本願発明に係るドローンの実施例の正面図である。 本願発明に係るドローンの実施例の右側面図である。 本願発明に係るドローンの実施例を使用した薬剤散布システムの全体概念図の例である。 本願発明に係るドローンの実施例の制御機能を表した模式図である。 上記ドローンが有する、上記ドローンへの異物の引っ掛かりを検知する構成に関する機能ブロック図である。 上記ドローンが着地している状態から離陸してホバリング状態に至る場合において、上記ドローンが有する引っ掛かり検知部により異物の引っ掛かりを検知するフローチャートである。 上記ドローンが通常飛行又はホバリング中において、上記引っ掛かり検知部により異物の引っ掛かりを検知するフローチャートである。
以下、図を参照しながら、本願発明を実施するための形態について説明する。図はすべて例示である。
図1に本願発明に係るドローン100の実施例の平面図を、図2にその(進行方向側から見た)正面図を、図3にその右側面図を示す。なお、本願明細書において、ドローンとは、動力手段(電力、原動機等)、操縦方式(無線であるか有線であるか、および、自律飛行型であるか手動操縦型であるか等)を問わず、複数の回転翼または飛行手段を有する飛行体全般を指すこととする。
回転翼101-1a、101-1b、101-2a、101-2b、101-3a、101-3b、101-4a、101-4b(ローターとも呼ばれる)は、ドローン100を飛行させるための手段であり、飛行の安定性、機体サイズ、および、バッテリー消費量のバランスを考慮し、8機2段構成の回転翼が4セット)備えられていることが望ましい。
モーター102-1a、102-1b、102-2a、102-2b、102-3a、102-3b、102-4a、102-4bは、回転翼101-1a、101-1b、101-2a、101-2b、101-3a、101-3b、101-4a、101-4bを回転させる手段(典型的には電動機だが発動機等であってもよい)であり、一つの回転翼に対して1機設けられていることが望ましい。1セット内の上下の回転翼(たとえば、101-1aと101-1b)、および、それらに対応するモーター(たとえば、102-1aと102-1b)は、ドローンの飛行の安定性等のために軸が同一直線上にあり、かつ、互いに反対方向に回転することが望ましい。なお、一部の回転翼101-3b、および、モーター102-3bが図示されていないが、その位置は自明であり、もし左側面図があったならば示される位置にある。図2、および、図3に示されるように、ローターが異物と干渉しないよう設けられたプロペラガードを支えるための放射状の部材は水平ではなくやぐら上の構造であることが望ましい。衝突時に当該部材が回転翼の外側に座屈することを促し、ローターと干渉することを防ぐためである。
薬剤ノズル103-1、103-2、103-3、103-4は、薬剤を下方に向けて散布するための手段であり4機備えられていることが望ましい。なお、本願明細書において、薬剤とは、農薬、除草剤、液肥、殺虫剤、種、および、水などの圃場に散布される液体または粉体を一般的に指すこととする。
薬剤タンク104は散布される薬剤を保管するためのタンクであり、重量バランスの観点からドローン100の重心に近い位置でかつ重心より低い位置に設けられていることが望ましい。薬剤ホース105-1、105-2、105-3、105-4は、薬剤タンク104と各薬剤ノズル103-1、103-2、103-3、103-4とを接続する手段であり、硬質の素材から成り、当該薬剤ノズルを支持する役割を兼ねていてもよい。ポンプ106は、薬剤をノズルから吐出するための手段である。
図4に本願発明に係るドローン100の薬剤散布用途の実施例を使用したシステムの全体概念図を示す。本図は模式図であって、縮尺は正確ではない。操縦器401は、使用者402の操作によりドローン100に指令を送信し、また、ドローン100から受信した情報(たとえば、位置、薬剤量、電池残量、カメラ映像等)を表示するための手段であり、コンピューター・プログラムを稼働する一般的なタブレット端末等の携帯情報機器によって実現されてよい。本願発明に係るドローン100は自律飛行を行なうよう制御されることが望ましいが、離陸や帰還などの基本操作時、および、緊急時にはマニュアル操作が行なえるようになっていることが望ましい。携帯情報機器に加えて、緊急停止専用の機能を有する非常用操作機を使用してもよい(非常用操作機は緊急時に迅速に対応が取れるよう大型の緊急停止ボタン等を備えた専用機器であることが望ましい)。操縦器401とドローン100はWi-Fi等による無線通信を行なうことが望ましい。
圃場403は、ドローン100による薬剤散布の対象となる田圃や畑等である。実際には、圃場403の地形は複雑であり、事前に地形図が入手できない場合、あるいは、地形図と現場の状況が食い違っている場合がある。通常、圃場403は家屋、病院、学校、他作物圃場、道路、鉄道等と隣接している。また、圃場403内に、建築物や電線等の障害物が存在する場合もある。
基地局404は、Wi-Fi通信の親機機能等を提供する装置であり、RTK-GPS基地局としても機能し、ドローン100の正確な位置を提供できるようにすることが望ましい(Wi-Fi通信の親機機能とRTK-GPS基地局が独立した装置であってもよい)。営農クラウド405は、典型的にはクラウドサービス上で運営されているコンピューター群と関連ソフトウェアであり、操縦器401と携帯電話回線等で無線接続されていることが望ましい。営農クラウド405は、ドローン100が撮影した圃場403の画像を分析し、作物の生育状況を把握して、飛行ルートを決定するための処理を行なってよい。また、保存していた圃場403の地形情報等をドローン100に提供してよい。加えて、ドローン100の飛行および撮影映像の履歴を蓄積し、様々な分析処理を行なってもよい。
通常、ドローン100は圃場403の外部にある発着地点406から離陸し、圃場403に薬剤を散布した後に、あるいは、薬剤補充や充電等が必要になった時に発着地点406に帰還する。発着地点406から目的の圃場403に至るまでの飛行経路(侵入経路)は、営農クラウド405等で事前に保存されていてもよいし、使用者402が離陸開始前に入力してもよい。
図5に本願発明に係る薬剤散布用ドローンの実施例の制御機能を表した模式図を示す。フライトコントローラー501は、ドローン全体の制御を司る構成要素であり、具体的にはCPU、メモリー、関連ソフトウェア等を含む組み込み型コンピューターであってよい。フライトコントローラー501は、操縦器401から受信した入力情報、および、後述の各種センサーから得た入力情報に基づき、ESC(Electronic Speed Control)等の制御手段を介して、モーター102-1a、102-1b、102-2a、102-2b、102-3a、102-3b、104-a、104-bの回転数を制御することで、ドローン100の飛行を制御する。モーター102-1a、102-1b、102-2a、102-2b、102-3a、102-3b、104-a、104-bの実際の回転数はフライトコントローラー501にフィードバックされ、正常な回転が行なわれているかを監視できる構成になっていることが望ましい。あるいは、回転翼101に光学センサー等を設けて回転翼101の回転がフライトコントローラー501にフィードバックされる構成でもよい。
フライトコントローラー501が使用するソフトウェアは、機能拡張・変更、問題修正等のために記憶媒体等を通じて、または、Wi-Fi通信やUSB等の通信手段を通じて書き換え可能になっていることが望ましい。この場合において、不正なソフトウェアによる書き換えが行なわれないように、暗号化、チェックサム、電子署名、ウィルスチェックソフト等による保護を行なうことが望ましい。また、フライトコントローラー501が制御に使用する計算処理の一部が、操縦器401上、または、営農クラウド405上や他の場所に存在する別のコンピューターによって実行されてもよい。フライトコントローラー501は重要性が高いため、その構成要素の一部または全部が二重化されていてもよい。
バッテリー502は、フライトコントローラー501、および、ドローンのその他の構成要素に電力を供給する手段であり、充電式であることが望ましい。バッテリー502はヒューズ、または、サーキットブレーカー等を含む電源ユニットを介してフライトコントローラー501に接続されていることが望ましい。バッテリー502は電力供給機能に加えて、その内部状態(蓄電量、積算使用時間等)をフライトコントローラー501に伝達する機能を有するスマートバッテリーであることが望ましい。
フライトコントローラー501は、Wi-Fi子機機能503を介して、さらに、基地局404を介して操縦器401とやり取りを行ない、必要な指令を操縦器401から受信すると共に、必要な情報を操縦器401に送信できることが望ましい。この場合に、通信には暗号化を施し、傍受、成り済まし、機器の乗っ取り等の不正行為を防止できるようにしておくことが望ましい。基地局404は、Wi-Fiによる通信機能に加えて、RTK-GPS基地局の機能も備えていることが望ましい。RTK基地局の信号とGPS測位衛星からの信号を組み合わせることで、GPSモジュール504により、ドローン100の絶対位置を数センチメートル程度の精度で測定可能となる。GPSモジュール504は重要性が高いため、二重化・多重化しておくことが望ましく、また、特定のGPS衛星の障害に対応するため、冗長化されたそれぞれのGPSモジュール504は別の衛星を使用するよう制御することが望ましい。
6軸ジャイロセンサー505はドローン機体の加速度を測定する手段(さらに、加速度の積分により速度を計算する手段)である。地磁気センサー506は、地磁気の測定によりドローン機体の方向を測定する手段である。気圧センサー507は、気圧を測定する手段であり、間接的にドローンの高度も測定することもできる。レーザーセンサー508は、レーザー光の反射を利用してドローン機体と地表との距離を測定する手段であり、IR(赤外線)レーザーを使用することが望ましい。ソナー509は、超音波等の音波の反射を利用してドローン機体と地表との距離を測定する手段である。これらのセンサー類は、ドローンのコスト目標や性能要件に応じて取捨選択してよい。また、機体の傾きを測定するためのジャイロセンサー(角速度センサー)、風力を測定するための風力センサーなどが追加されていてもよい。また、これらのセンサー類は、二重化または多重化されていることが望ましい。同一目的複数のセンサーが存在する場合には、フライトコントローラー501はそのうちの一つのみを使用し、それが障害を起こした際には、代替のセンサーに切り替えて使用するようにしてもよい。あるいは、複数のセンサーを同時に使用し、それぞれの測定結果が一致しない場合には障害が発生したと見なすようにしてもよい。
流量センサー510は薬剤の流量を測定するための手段であり、薬剤タンク104から薬剤ノズル103に至る経路の複数の場所に設けられていることが望ましい。液切れセンサー511は薬剤の量が所定の量以下になったことを検知するセンサーである。マルチスペクトルカメラ512は圃場403を撮影し、画像分析のためのデータを取得する手段である。障害物検知カメラ513はドローン障害物を検知するためのカメラであり、画像特性とレンズの向きがマルチスペクトルカメラ512とは異なるため、マルチスペクトルカメラ512とは別の機器であることが望ましい。スイッチ514はドローン100の使用者402が様々な設定を行なうための手段である。障害物接触センサー515はドローン100、特に、そのローターやプロペラガード部分が電線、建築物、人体、立木、鳥、または、他のドローン等の障害物に接触したことを検知するためのセンサーである。カバーセンサー516は、ドローン100の操作パネルや内部保守用のカバーが開放状態であることを検知するセンサーである。薬剤注入口センサー517は薬剤タンク104の注入口が開放状態であることを検知するセンサーである。これらのセンサー類はドローンのコスト目標や性能要件に応じて取捨選択してよく、二重化・多重化してもよい。また、ドローン100外部の基地局404、操縦器401、または、その他の場所にセンサーを設けて、読み取った情報をドローンに送信してもよい。たとえば、基地局404に風力センサーを設け、風力・風向に関する情報をWi-Fi通信経由でドローン100に送信するようにしてもよい。
フライトコントローラー501はポンプ106に対して制御信号を送信し、薬剤吐出量の調整や薬剤吐出の停止を行なう。ポンプ106の現時点の状況(たとえば、回転数等)は、フライトコントローラー501にフィードバックされる構成となっていることが望ましい。
LED107は、ドローンの操作者に対して、ドローンの状態を知らせるための表示手段である。LEDに替えて、または、それに加えて液晶ディスプレイ等の表示手段を使用してもよい。ブザー518は、音声信号によりドローンの状態(特にエラー状態)を知らせるための出力手段である。Wi-Fi子機機能519は操縦器401とは別に、たとえば、ソフトウェアの転送などのために外部のコンピューター等と通信するためのオプショナルな構成要素である。Wi-Fi子機機能に替えて、または、それに加えて、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、NFC等の他の無線通信手段、または、USB接続などの有線通信手段を使用してもよい。スピーカー520は、録音した人声や合成音声等により、ドローンの状態(特にエラー状態)を知らせる出力手段である。天候状態によっては飛行中のドローン100の視覚的表示が見にくいことがあるため、そのような場合には音声による状況伝達が有効である。警告灯521はドローンの状態(特にエラー状態)を知らせるストロボライト等の表示手段である。これらの入出力手段は、ドローンのコスト目標や性能要件に応じて取捨選択してよく、二重化・多重化してもよい。
上空を飛行するドローンにおいては、ドローンに異物が引っ掛かり、ドローンを意図する経路で飛行させることができない場合がある。そこで、ドローンに異物が引っ掛かっていることを検知して、ドローン自体の動作により異物を排除する機能を有することが望ましい。また、異物を排除することができない場合は、ドローンを安全に退避させる機能を有することが望ましい。また、ドローンが着陸している状態、又はドローンが着陸している状態から離陸してホバリングしている状態に至るまでの間において異物の引っ掛かりを検知し、異物が検知される場合はドローンを飛行させない機能を有することが望ましい。
ここで、異物とは、飛行中に飛来してドローンに引っ掛かる、紙やビニル袋のようなゴミ、および、ユーザがドローンに規定外の荷物を引っ掛ける、といった、予め定められているドローンの用法を越えて使用された場合の付着物を含む。
図6に示すように、本願発明に係るドローン100は、回転翼101-1a、101-1b、101-2a、101-2b、101-3a、101-3b、101-4a、101-4bと、モーター102-1a、102-1b、102-2a、102-2b、102-3a、102-3b、102-4a、102-4bと、飛行制御部23と、引っ掛かり検知部24と、ドローンから吐出する薬剤の量を制御する薬剤制御部30と、を備える。なお、以降の説明で回転翼およびモーターの参照符号は省略することがある。
飛行制御部23は、モーターを制御することで回転翼の回転数および回転方向を制御して、ドローン100をユーザが意図する区画内で飛行させる機能部である。具体的には、飛行制御部23はマイコン等で実装されるCPUであり、薬剤制御部30と共にフライトコントローラーにより実現される。飛行制御部23は、各モーターの回転数の指令値を、モーターごとに送信する。各モーターの回転数の指令値は、入力される区画の情報に基づいて計画される飛行経路から算出される。飛行経路の計画および指令値の計算は、図4に示す営農クラウド405上で行われ、操縦器401を介して飛行制御部23に伝達される。
また、飛行制御部23は、ドローン100の離陸および着陸の制御を行う。
さらに、飛行制御部23は、退避行動の制御を行う。退避行動とは、例えば、ホバリングを例とする空中停止や、最短のルートで直ちに所定の帰還地点まで移動する、「緊急帰還」を含む。所定の帰還地点とは、あらかじめ飛行制御部23に記憶させた地点であり、例えば離陸した地点である。所定の帰還地点とは、例えば使用者402がドローン100に近づくことが可能な陸上の地点であり、使用者402は帰還地点に到達したドローン100を点検したり、手動で別の場所に運んだりすることができる。
また、退避行動は、ドローン100を繰り返しゆする動作を含む。ドローン100を繰り返しゆする動作とは、ドローン100を進行方向に対して前後に繰り返し進退させる動作である。また、ゆする動作は、ドローン100を進行方向に対して左右に繰り返し移動させる動作であってもよい。さらに、ゆする動作は、ドローン100の中心を軸に、前後又は左右に揺動する動作であってもよい。
さらに、退避行動は、着陸動作を含む。「着陸動作」とは、通常の着陸動作をする「通常着陸」、通常の着陸より速く下降して着陸する「緊急着陸」、および、すべての回転翼を停止させてドローン100をその場から下方に落下させる「緊急停止」を含む。なお、引っ掛かり時には 通常時の姿勢制御が実施できず、姿勢制御の精度が悪い状態になるケースがある。従って「緊急着陸」には、通常の着陸より速く下降して、通常時と同様の姿勢制御を行いながら、通常の着陸を行う場合と同様の地点に着陸する動作だけでなく、姿勢制御の精度が悪く、姿勢を多少崩しながらも着陸を成立させる動作も含める。具体例の一つとして全モーターの回転数をゆっくり均等に減少させることで、精度よく真下にではないが下降しながら着陸にいたることができる。
また、着陸動作は、通常の着陸よりも低速で着陸を実施してもよい。
なお、飛行制御部23は、ドローン100の正常動作においてドローン100の飛行を制御するために動作してもよいし、正常動作における飛行制御手段とは別に構成されていてもよい。飛行制御部23は、引っ掛かり検知時に退避行動を取る場合にのみ動作する機能部であってもよい。
薬剤制御部30は、薬剤タンク104から薬液を散布する量又はタイミングを制御する制御部である。例えば、薬剤タンク104から各薬剤ノズル103-1、103-2、103-3、103-4までの経路のどこかに、薬液経路を開閉する開閉手段が設けられていて、薬剤制御部30は、開閉手段により薬液の放出を遮断した後に各種の緊急動作を実行してもよい。また、薬剤制御部30は、退避行動を実行する前にポンプ106を停止してもよい。通常時とは異なる飛行経路で薬剤を散布すると散布量が過大になる、あるいは、散布すべきでない場所に薬剤を散布するなどの弊害が生じるからである。
引っ掛かり検知部24は、安定した飛行が困難なほど異物がドローン100に引っ掛かっているか否かを検知する機能部である。引っ掛かり検知部24は、ドローン100のホバリング中、飛行中、着陸している状態、および着陸している状態から離陸してホバリングに至るまでの状態において、異物が引っ掛かっているか否かを検知することができる。引っ掛かり検知部24は、状態測定部240と、判定部241と、を備える。
状態測定部240は、ドローン100の状態を示す値を計測する機能部である。ドローンの状態を示す値とは、ドローン100の加速度、絶対位置、ドローン100が有する推進器の推力、角速度、および移動速度を示す値である。状態測定部240は、加速度測定部242、位置測定部243、および推力測定部244、角速度測定部245、および移動速度測定部246を備える。
加速度測定部242は、ドローン100の加速度を測定する測定部である。具体的には、6軸ジャイロセンサー505である。加速度測定部242は、異なる種類の複数のセンサーを使用して加速度を測定してもよい。加速度測定部242は、連続的、又は所定以上の高いサンプリング周波数で加速度を細かく計測し、ドローン100の飛行中に異物が引っ掛かったときに生じる加速度の突発的な減速を測定可能に構成されている。
位置測定部243は、ドローン100の絶対位置を計測する測定部であり、例えばRTKアンテナおよびGPSモジュールRTK504−1、504−2により構成されている。また、位置測定部252は、6軸ジャイロセンサー505が測定する加速度の値を2回積分することにより、所定位置からの相対位置を算出して、相対位置を換算して絶対位置を求めてもよい。位置測定部243は、ドローン100が飛行中に異物に引っ掛かったときに、計画通り移動できない状態を検知可能な精度でドローン100の絶対位置を測定可能である。
推力測定部244は、モーターの回転数を測定して推力を測定する機能部である。推力測定部244は、例えばモーター自身の内部に配置されている回転測定機能を指す。すなわち、推力測定部244は、モーターの回転数を測定することにより、モーターに制御される回転翼により発生する推力を測定する。推力測定部244は、異物の引っ掛かりにより回転翼が指令値通りの回転数で回転できない状態を検知可能な精度で回転数を測定可能である。
なお、推力測定部244は、ドローンの推力が回転翼以外の構成により実現される場合は、その推進器の稼働状態を測定する機能部であってもよい。例えば、ドローンがジェット噴射により推進される場合、推力測定部244は、ジェット噴射の圧力を測定する機能部であってもよい。
角速度測定部245は、ドローン100の角速度を測定する機能部である。角速度測定部245は、例えば6軸ジャイロセンサー505により、3軸の角速度を測定する。
移動速度測定部246は、ドローン100の移動速度を測定する機能部である。移動速度測定部246は、例えば、6軸ジャイロセンサー505が測定する加速度の値を積分することで機体速度を推定する。また、GPSモジュールドップラー504-3により取得可能な、複数のGPS基地局からの電波の位相差をソフトウェアで処理することで移動速度を推定してもよい。さらに、ソナー509を用いて所定時間における移動距離を算出し、移動速度を推定してもよい。
判定部241は、状態測定部240が測定するドローン100の状態を示す値に基づいて、ドローンに異物が引っ掛かっていることを検知する機能部である。
判定部241は、加速度測定部242が、突発的に短時間で急速に減速する加速度を測定するとき、ドローン100が異物に引っ掛かっていると判定する。この加速度の減速は、通常の飛行状態においてドローン100に異物が接触したときを想定している。判定部241は所定時間前から現在までの加速度の計測値が所定以上低下したことに基づいて、ドローン100が異物に引っ掛かっているか否かを判定してもよい。加速度の減速は、例えば数百ms程度の短時間発生するため、判定部241は、数百ms以前から現在までの加速度の計測値を、判定に使用してもよい。
判定部241は、位置測定部243が測定するドローン100の絶対位置と、計画されている飛行経路との差と、を比較する。絶対位置と計画されている飛行経路との差が所定以上であった場合、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判断する。判定部241は、絶対位置と計画されている飛行経路との差が、所定時間経過後においても所定以上であった場合に、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判断してもよい。通常、目標位置が設定された後、ドローン100は目標位置に次第に近づき、目標位置に到達するが、ドローン100が異物に引っ掛かっている場合は、ドローン100が目標位置に近づくことができず、目標位置と絶対位置との差が縮まらないためである。
また、判定部241は、等速での飛行が計画されている経路において、位置測定部243が所定時間前に測定した絶対位置と、現在の絶対位置とを比較し、位置が変化していない場合に、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判断してもよい。
さらに、判定部241は、推力測定部244により測定されるモーターの実回転数と、飛行制御部23がモーターに送信する回転数の指令値と、を比較する。実回転数と指令値との差が所定以上であった場合、判定部241はドローン100に異物が引っ掛かっていると判断する。特に、判定部241は、実回転数が指令値よりも低い場合であって、実回転数と指令値の差が所定以上であった場合、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判断する。ドローン100に異物が引っ掛かることで回転数が上昇する事象は起こり得ないためである。
判定部241は、実回転数と指令値との差が、所定時間経過後においても所定以上であった場合に、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判断してもよい。通常、指令値が設定された後、モーターの回転数は指令値に次第に近づき、指令値に到達するが、ドローン100、特に回転翼が異物に引っ掛かっている場合は、モーターの回転数が指令値に近づくことができず、実回転数と指令値との差が縮まらないためである。
判定部241は、角速度測定部245により測定されるドローン100の角速度の変化が所定以上だった場合、判定部241はドローン100に異物が引っ掛かっていると判断する。特に、判定部241は、3軸の角速度のうち少なくとも1方向の角速度が急激に変化した場合、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判断する。ドローン100に異物が引っ掛かることで、機体が急激に回転する場合があるためである。
判定部241は、移動速度測定部246により測定される実際の移動速度と、移動速度の指令値との差が所定以上のとき、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判定する。特に、判定部241は、実際の移動速度が指令値よりも低い場合であって、実回転数と指令値の差が所定以上であった場合、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判断する。ドローン100に異物が引っ掛かることで回転数が上昇する事象は起こり得ないためである。
判定部241は、移動速度に関しても同様に、実際の移動速度と指令値との差が、所定時間経過後においても所定以上であった場合に、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判定してもよい。
また、判定部241は、ドローン100の飛行中において、移動速度があらかじめ定められた所定値以下になったとき、異物に引っ掛かっていると判定してもよい。この所定値は、毎時0km近傍の値である。ドローン100が異物に引っ掛かるとドローン100の移動が妨げられ、異物に引っ掛かった地点からほとんど移動しない状態になるためである。
引っ掛かり検知部24は、通常飛行中において第1判定を行い、第1判定において異物の引っ掛かりが検知された場合、第1検知信号を生成する。引っ掛かり検知部24は、第1検知信号の生成後に第2判定を行い、第2判定において依然として異物の引っ掛かりが検知される場合、第2検知信号を生成する。引っ掛かり検知部24は、第2検知信号の生成後に第3判定を行い、第3判定において依然として異物の引っ掛かりが検知される場合、第3検知信号を生成する。
また、引っ掛かり検知部24は、状態測定部240が測定する各値に基づいて、ドローン100が着地している状態から離陸する状況において前記ドローンに異物が引っ掛かっているか否かを判定する。異物の引っ掛かりが検知された場合、引っ掛かり検知部24は、離陸禁止信号を生成する。離陸禁止信号が伝達された飛行制御部23は、離陸のための動作を停止する。
この場合、例えばモーターが回転を停止する。また、操縦器401やドローン100が備える適宜の表示手段を通じて、ドローン100が離陸を許可できない状態にあることを操作者に通知する。
さらに、引っ掛かり検知部24は、ドローン100が着地している状態から離陸してホバリングしている状態に至るまでの間において、ドローン100に異物が引っ掛かっているか否かを判定する。異物が引っ掛かっていると判断される場合、引っ掛かり検知部24は飛行禁止信号を生成する。飛行制御部23は、飛行禁止信号に基づいて、ドローン100を着陸させる。また、操縦器401やドローン100が備える適宜の表示手段を通じて、ドローン100が通常の飛行の開始を許可できない状態にあることを操作者に通知する。
着地している状態から離陸してホバリングに至るまでの間において、例えば、ドローン100の足に異物が引っ掛かっており、地面に繋ぎ止められている場合がある。この場合、回転翼が大きな回転数で回転しているにも関わらず、ドローン100は離陸できない、又は離陸後所定高さまで上昇することができない。回転翼の実回転数が所定以上にも関わらず、ドローン100の加速度、位置変化、移動速度に期待される所定の変化が生じていない場合、判定部241は、ドローン100に異物が引っ掛かっていると検知する。
なお、引っ掛かり検知部24が離陸禁止信号を生成するか、飛行禁止信号を生成するかは、ドローン100の足等に組み込まれた適宜の機構により、ドローン100が着地しているか否かを測定し、ドローン100が着地している場合は離陸禁止信号を生成し、ドローン100の足が地面から離れている場合は、飛行禁止信号を生成すればよい。
着地している状態から離陸する状況において引っ掛かり検知を行わない場合、モーターの回転数を上げてもドローン100が上昇しないため、モーターにフィードバックがかかり、モーターが過回転し、モーターが破損するおそれがある。また、モーターの過回転により突如異物が外れた場合、ドローン100が急激に解放されて意図しない暴走を起こす恐れがある。着地している状態から離陸してホバリングに至る状況において異物を検知する構成によれば、モーターの破損やドローン100の暴走を防止することができる。
判定部241が、ドローン100に異物が引っ掛かっていることを判定する閾値は、予めドローン100に記憶されている固定された閾値であってもよいし、状況に応じて変更される変動する閾値であってもよい。薬剤タンクを保持して薬剤を散布しながら飛行するドローンの場合、保持する薬剤量が少なくなるほど機体重量が軽くなるため、異物へのリスクも変動する。変動する閾値の場合は、ドローン100に無線又は有線接続される適宜の構成により自動で変動されてもよいし、ユーザにより手動で変更可能であってもよい。
判定部241が判定する閾値は、加速度、絶対位置、推力、移動速度、および角速度のそれぞれについて各々独立した値であってもよいし、相互に連動する関数により総合して判定を行ってもよい。この場合、判定部241は、加速度、絶対位置、回転数、移動速度、および角速度の関係が正常の範囲を下回った場合、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判定する。
判定部241は、計測されるある時点でのドローンの状態を示す値に基づいて異物が引っ掛かっているか否かを判定してもよいし、過去複数回の計測結果に基づいて異物が引っ掛かっているか否かを判定してもよい。この場合、例えば直近の計測結果を平均して判定に使用してもよい。
判定部241が保持する判定の閾値は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
判定部241が、ドローン100に異物が引っ掛かっていると判定する場合、引っ掛かり検知部24は、薬剤制御部30に第1検知信号を伝達する。薬剤制御部30は、第1検知信号が伝達されると、薬剤の散布を停止する。
判定部241が飛行制御部23に第1検知信号を伝達する閾値と、薬剤制御部30に第1検知信号を伝達する閾値とは、同一であっても互いに異なっていてもよい。薬剤制御部30が薬剤散布を停止する閾値は、初期判定、着陸判定および停止判定の閾値よりも低く設定されていてもよい。
引っ掛かり検知部24は、ドローン100が有する適宜の通信手段により、ユーザが監視するタブレットに、異物の引っ掛かりを検知した旨を表示する。また、引っ掛かり検知部24は、ドローン100が有する表示手段、例えばLEDにより、ドローン100に異物が引っ掛かっている旨が表示されるように構成してもよい。また、ドローン100のスピーカから適宜の音を出してもよい。
また、ユーザがドローン100の情報をアイウェア型ウェアラブル端末機により取得する場合には、アイウェアの画面上に表示または投影してもよい。また、ユーザがドローン100の情報をイヤホン型ウェアラブル端末機により取得する場合に、音により通知してもよい。
図7に示すように、ドローン100が着地している状態において離陸の試みをしているとき(ステップ0)、ドローン100の状態測定部240がドローン100の状態を示す値を測定する(ステップS1乃至S5)。
具体的には、加速度測定部242が加速度を測定し(ステップS1)、ドローン100の位置測定部243がドローン100の絶対位置を測定する(ステップS2)。また、ドローン100の推力測定部244がモーターの回転数を測定する(ステップS3)。さらに、ドローン100の角速度測定部245がドローン100の角速度を測定する(ステップS4)。さらにまた、ドローン100の移動速度測定部246がドローン100の移動速度を測定する(ステップS5)。なお、ステップS1乃至S5は順不同である。また、ステップS1乃至S5は、同時に実行されてもよい。
判定部241は、引っ掛かり検知部24が測定する情報に基づいて、ドローン100に異物が引っ掛かっているか否かを判定する初期判定を行う(ステップS6)。
判定部241が「異物が引っ掛かっている」と判定しない場合、離陸後上昇して所定の高さに達しているか、すなわちドローン100がホバリング状態になっているか否かを判定する(ステップS7)。所定高さまで達していない場合はステップS0に戻り、上昇を継続する。ドローン100が、すなわちホバリングの状態になっている場合は、通常の飛行動作へ移行する。
判定部241が「異物が引っ掛かっている」と判定する場合、ドローン100が離陸しているか、すなわちドローン100の足が地面から離れているかを判断する(ステップS8)。ドローン100が離陸していない場合、判定部241は離陸禁止信号を生成し、飛行制御部23に伝達する(ステップS32)。離陸禁止信号が伝達された飛行制御部23は、離陸のための動作、例えばモーターの回転を停止する(ステップS33)。
異物が検知される場合、ドローン100は着陸信号を生成し(ステップS30)、飛行制御部23は通常着陸動作を行う(ステップS31)。このとき、引っ掛かり検知部24は、ドローン100が異物を検知していることをタブレットやアイウェア、ドローン100自体が備える適宜の表示手段を通じてユーザに通知してもよい。
図8に示すように、ドローン100の飛行中又はホバリング中において(ステップS10)、ドローン100の状態測定部240が、ステップS1乃至S5と同様にドローン100の状態を示す値を測定する。なお、ステップS11乃至S15は順不同である。また、ステップS11乃至S15は、同時に実行されてもよい。
判定部241は、加速度、絶対位置、回転数、角速度、又は移動速度に基づいて、ドローン100に異物が引っ掛かっているか否かを判定する第1判定を行う(ステップS16)。
判定部241が「異物が引っ掛かっている」と判定しない場合、ステップS10の動作に戻り、通常の飛行を継続する。判定部241が「異物が引っ掛かっている」と判定する場合、引っ掛かり検知部24は薬剤制御部30に第1検知信号を送信し、薬剤制御部30は、薬剤の散布を行っている場合には薬剤の散布を停止する(ステップS12)。なお、ステップS11乃至S16の工程は、例えば飛行開始直後のホバリング中など薬剤の散布が行われていないときに実行される場合もあり得る。薬剤の散布を行っていない場合は、ステップS12は省略される。
次いで、引っ掛かり検知部24は、飛行制御部23に第1検知信号を伝達し、飛行制御部23は、ドローン100を後退させる(ステップS13)。
判定部241は、後退した後、ホバリングを行い、依然として異物が引っ掛かっているか否かを判定する第2判定を行う(ステップS14)。
判定部241が異物の引っ掛かりを検知しない場合、ステップS10の動作に戻る。このフローは、ドローン100の後退により異物の引っ掛かりが解消されている場合に想定されるフローである。判定部241が依然として異物の引っ掛かりを検知する場合、引っ掛かり検知部24は第2検知信号を生成し、飛行制御部23に伝達する。第2検知信号が伝達された飛行制御部23は、ドローン100をゆする(ステップS15)。なお、ゆする動作は、何回ゆすってもよいし、何秒間行ってもよい。また、前述した異なる種類のゆする動作を組み合わせて行ってもよい。このとき、引っ掛かり検知部24は、ドローン100が異物を検知していることをタブレットやアイウェア、ドローン100自体が備える適宜の表示手段を通じてユーザに通知する。
判定部241は、ゆする動作の後ホバリングを行い、依然として異物が引っ掛かっているか否かを判定する第3判定を行う(ステップS16)。
判定部241が異物の引っ掛かりを検知しない場合、ステップS10に戻る。このフローは、ゆする動作により異物の引っ掛かりが解消されている場合に想定されるフローである。判定部241が依然として異物の引っ掛かりを検知する場合、引っ掛かり検知部24は第3検知信号を生成し、飛行制御部23に伝達する。第3検知信号が伝達された飛行制御部23は、通常着陸を行う(ステップS17)。このとき、引っ掛かり検知部24は、ドローン100が通常着陸を開始することをタブレットやアイウェア、ドローン100自体が備える適宜の表示手段を通じてユーザに通知する。
判定部241は、通常着陸動作が安全に遂行できるかどうかを判定し(ステップS18)、安全に遂行できる場合は着陸を行う。通常着陸動作が安全に遂行できないと判断された場合、緊急着陸動作を行う(ステップS19)。なお、緊急着陸動作が安全に遂行できないと判断された場合は、「緊急停止」を行ってもよい。すなわち、ドローン100のモーターが停止し、ドローン100はその場で下方に落下する。
なお、本実施形態においては、異物を検知した場合、ホバリング、後退、ゆする動作、ホバリング、通常着陸をこの順で行うものとしたが、退避行動の順番はこれに限られない。具体的には、第一にゆする動作を行った後に後退してもよい。また、通常着陸に至るまでに、ホバリング、後退およびゆする動作を複数回組み合わせて実施してもよい。
本構成によれば、ドローン100に異物が引っ掛かることによりドローン100を正常飛行させることができない状況を検知して、ドローン100自らの動作により異物の除去を試みることができる。また、異物を除去できない場合にも、ドローン100を安全に退避させることができる。
なお、本説明においては、農業用薬剤散布ドローンを例に説明したが、本発明の技術的思想はこれに限られるものではなく、ドローン全般に適用可能である。特に、自律飛行を行うドローンに有用である。
(本願発明による技術的に顕著な効果)
本発明にかかるドローンにおいては、自律飛行時であっても、高い安全性を維持できるドローンを提供することができる。

Claims (24)

  1. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを判定する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンであって、
    前記飛行制御部は、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に前記ドローンに退避行動を取らせ、
    前記退避行動は、前記ドローンをゆする動作および前記ドローンを後退させる行動のうち少なくとも1つの行動を含む、
    ドローン。
  2. 前記ドローンをゆする動作は、前記ドローンを進行方向に対して前後に進退させる動作である、請求項1記載のドローン。
  3. 前記ドローンをゆする動作は、前記ドローンを進行方向に対して左右に移動させる動作である、請求項1記載のドローン。
  4. 前記ドローンをゆする動作は、前記ドローンの中心を軸に前後又は左右に揺動させる動作である、請求項1記載のドローン。
  5. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを判定する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンであって、
    前記飛行制御部は、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に前記ドローンに退避行動を取らせ、
    前記退避行動は、ホバリング、前記ドローンをゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸動作のうち少なくとも1つの行動を含み、
    前記飛行制御部が前記ドローンに前記退避行動を実行させた後、前記引っ掛かり検知部は、依然として異物が引っ掛かっているか否かを判定し、異物が引っ掛かっていると判定された場合、前記飛行制御部は、前記ドローンをゆする動作を実行させる、
    ドローン。
  6. 前記飛行制御部が前記ドローンをゆすった後、前記引っ掛かり検知部は、依然として異物が引っ掛かっているか否かを判定し、異物が引っ掛かっていると判定された場合、前記飛行制御部は、前記ドローンを着陸させる、請求項1乃至5のいずれかに記載のドローン。
  7. 前記引っ掛かり検知部は、前記ドローンの機体の加速度、角速度、移動速度、絶対位置、および推力のいずれか1つ以上の情報に基づいて、異物が引っ掛かっているか否かを検知する、請求項1乃至6のいずれかに記載のドローン。
  8. 前記引っ掛かり検知部は、通常着陸の動作中において、前記ドローンの機体の加速度、角速度、移動速度、絶対位置、および推力のいずれか1つ以上の情報に基づいて、前記ドローンが前記通常着陸を遂行できるか否かを判定し、前記通常着陸が行えないと判定される場合、前記通常着陸より速く降下して着陸する着陸動作、又はすべての回転翼を停止させて前記ドローンをその場から下方に落下させる着陸動作、又は全モーターの回転数を均等に減少させて降下して着陸させる着陸動作を行う、請求項1乃至7のいずれかに記載のドローン。
  9. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを判定する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンであって、
    前記飛行制御部は、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に前記ドローンに退避行動を取らせ、
    前記退避行動は、ホバリング、前記ドローンをゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸動作のうち少なくとも1つの行動を含み、
    前記引っ掛かり検知部は、前記ドローンの機体の加速度の情報に基づいて、前記ドローンの速度が所定時間内に所定以上減少する加速度を検知したとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定する、ドローン。
  10. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを判定する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンであって、
    前記飛行制御部は、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に前記ドローンに退避行動を取らせ、
    前記退避行動は、ホバリング、前記ドローンをゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸動作のうち少なくとも1つの行動を含み、
    前記引っ掛かり検知部は、前記ドローンの機体の絶対位置と計画される飛行経路との差を比較し、前記絶対位置と計画される飛行経路との差が、計画される飛行経路への飛行動作を開始してから所定時間経過後において所定以上あるとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定する、ドローン。
  11. 前記引っ掛かり検知部は、計測される推力と推力の指令値との差を比較し、前記推力と前記指令値との差が所定以上あるとき、前記ドローンに異物が引っ掛かっていると判定する、請求項1乃至10のいずれかに記載のドローン。
  12. 前記ドローンから外部に薬剤を吐出するか否かを制御する薬剤制御部をさらに備え、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に、前記薬剤制御部は、前記薬剤の吐出を停止する、請求項1乃至11のいずれかに記載のドローン。
  13. 前記引っ掛かり検知部は、前記ドローンが着地している状態において前記ドローンに異物が引っ掛かっているか否かを判定し、異物が引っ掛かっていると判定される場合、前記飛行制御部は前記ドローンを飛行させない、請求項1乃至12のいずれかに記載のドローン。
  14. 前記引っ掛かり検知部は、前記ドローンが離陸してからホバリングしている状態に至るまでの間において前記ドローンに異物が引っ掛かっているか否かを判定し、異物が引っ掛かっていると判定される場合、前記飛行制御部は前記ドローンを着陸させる、請求項1乃至13のいずれかに記載のドローン。
  15. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを判定する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンであって、
    前記飛行制御部は、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に前記ドローンに退避行動を取らせ、
    前記退避行動は、ホバリング、前記ドローンをゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸動作のうち少なくとも1つの行動を含み、
    前記ドローンが着陸している状態から離陸する際に、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合、前記ドローンが地面から離れたか否かの判定を行い、地面から離れていないと判定した場合には前記飛行手段を構成するモーターの回転を停止し、地面から離れていると判定した場合には着陸動作を実施する、ドローン。
  16. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているかを判定する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンであって、
    前記飛行制御部は、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に前記ドローンに退避行動を取らせ、
    前記退避行動は、ホバリング、前記ドローンをゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸動作のうち少なくとも1つの行動を含み、
    前記ドローンが着陸している状態から離陸する際に、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合、前記ドローンの離陸を許可できない状態であることを通知すると共に前記ドローンが地面から離れたか否かの判定を行い、地面から離れていないと判定した場合には前記飛行手段を構成するモーターの回転を停止し、地面から離れていると判定した場合には着陸動作を実施する、
    ドローン。
  17. 前記ドローンの操縦器を介して、前記ドローンの離陸が許可できない状態であることを通知させる、
    請求項16記載のドローン。
  18. 前記着陸動作は、通常の着陸よりも低速で着陸を実施する動作である、
    請求項5、8、9、10、15、16および17のいずれかに記載のドローン。
  19. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを判定する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンの制御方法であって、
    異物が引っ掛かっているか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおいて異物が引っ掛かっていると判定した場合に、前記ドローンに退避行動を取らせるステップと、を含み、
    前記退避行動は、前記ドローンをゆする動作、および前記ドローンを後退させる行動のうち少なくとも1つの行動を含む、
    ドローンの制御方法。
  20. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを判定する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンの制御方法であって、
    異物が引っ掛かっているか否かを判定する判定ステップと、
    前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に、ホバリング、前記ドローンをゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸動作のうち少なくとも1つの行動を含む退避行動を取らせるステップと、
    前記ドローンが着陸している状態から離陸する際に、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合、前記ドローンが地面から離れたか否かの判定を行い、地面から離れていないと判定した場合には前記飛行手段を構成するモーターの回転を停止し、地面から離れていると判定した場合には着陸動作を実施するステップと、を含むドローンの制御方法。
  21. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを判定する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンの制御方法であって、
    異物が引っ掛かっているか否かを判定する判定ステップと、
    前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に、ホバリング、前記ドローンをゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸動作のうち少なくとも1つの行動を含む退避行動を取らせるステップと、
    前記ドローンが着陸している状態から離陸する際に、前記判定ステップにおいて前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合、前記ドローンの離陸を許可できない状態であることを通知すると共に前記ドローンが地面から離れたか否かの判定を行い、地面から離れていないと判定した場合には前記飛行手段を構成するモーターの回転を停止し、地面から離れていると判定した場合には着陸動作を実施するステップと、を含むドローンの制御方法。
  22. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを検知する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンの制御プログラムであって、
    異物が引っ掛かっているか否かを判定する判定命令と、
    前記判定命令における異物が引っ掛かっているとの判定に基づいて前記ドローンに退避行動を取らせる命令と、
    をコンピューターに実行させ、
    前記退避行動は、前記ドローンをゆする動作、および前記ドローンを後退させる行動のうち少なくとも1つの行動を含む、
    ドローンの制御プログラム。
  23. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを検知する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンの制御プログラムであって、
    異物が引っ掛かっているか否かを判定する判定命令と、
    前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に、ホバリング、前記ドローンをゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸動作のうち少なくとも1つの行動を含む退避行動を取らせる退避命令と、
    前記ドローンが着陸している状態から離陸する際に、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合、前記ドローンが地面から離れたか否かの判定を行い、地面から離れていないと判定した場合には前記飛行手段を構成するモーターの回転を停止し、地面から離れていると判定した場合には着陸動作を実施する命令と、
    をコンピューターに実行させるドローンの制御プログラム。
  24. 飛行手段と、
    前記飛行手段を稼働させる飛行制御部と、
    ドローンの機体に異物が引っ掛かっているか否かを検知する引っ掛かり検知部と、
    を備えるドローンの制御プログラムであって、
    異物が引っ掛かっているか否かを判定する判定命令と、
    前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合に、ホバリング、前記ドローンをゆする動作、前記ドローンを後退させる行動、および前記ドローンを着陸させる着陸動作のうち少なくとも1つの行動を含む退避行動を取らせる退避命令と、
    前記ドローンが着陸している状態から離陸する際に、前記引っ掛かり検知部が前記ドローンの機体に異物が引っ掛かっていると判定した場合、前記ドローンの離陸を許可できない状態であることを通知すると共に前記ドローンが地面から離れたか否かの判定を行い、地面から離れていないと判定した場合には前記飛行手段を構成するモーターの回転を停止し、地面から離れていると判定した場合には着陸動作を実施する命令と、
    をコンピューターに実行させるドローンの制御プログラム。
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