JP6795095B2 - プラズマ発生装置、これを備えた発光分析装置及び質量分析装置、並びに、装置状態判定方法 - Google Patents

プラズマ発生装置、これを備えた発光分析装置及び質量分析装置、並びに、装置状態判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマを発生させるためのプラズマ発生装置、及び、これを備えた発光分析装置及び質量分析装置、並びに、装置の状態を判定するための装置状態判定方法に関するものである。
例えばICP(誘導結合プラズマ:Inductively Coupled Plasma)発光分析装置やICP質量分析装置などの分析装置には、誘導コイルに高周波電力を供給することにより、プラズマトーチにプラズマを生成するような構成が採用されている(例えば、下記特許文献1参照)。ICP発光分析装置において、測定対象となる試料は、霧化されてキャリアガスとともにプラズマへと噴出され、その結果、試料中の成分が励起発光する。このとき発生する光を回折格子で分光し、光検出器で検出することにより、試料中の成分に固有の発光スペクトルを得ることができる。また、ICP質量分析装置では、イオン化部にプラズマトーチを備え、プラズマ放電により発生したイオンを質量ごとに分離し質量スペクトルを得ることができる。
図4は、プラズマトーチ100の概略構成を示した断面図である。プラズマトーチ100には、試料供給管101、補助ガス供給管102及びプラズマガス供給管103が備えられている。これらの供給管101,102,103は同心円上に設けられており、試料供給管101の外側が間隔を隔てて補助ガス供給管102により覆われるとともに、補助ガス供給管102の外側が間隔を隔ててプラズマガス供給管103により覆われている。プラズマガス供給管103の先端部は、巻回された誘導コイル104内に挿入されている。
補助ガス供給管102とプラズマガス供給管103との間の筒状の空間は、プラズマガス流路105を構成している。プラズマガス流路105内には、例えばアルゴンガスからなるプラズマガスが導入される。プラズマガスは、プラズマトーチ100の先端側に向かってプラズマガス流路105内を螺旋状に移動し、誘導コイル104が形成する高周波電磁界によって電離され、プラズマ108が生成される。このとき生成されるプラズマ108は、筒状(ドーナツ状)となる。
試料供給管101と補助ガス供給管102との間の筒状の空間は、補助ガス流路106を構成している。補助ガス流路106内には、例えばアルゴンガスからなる補助ガスが導入される。補助ガスは、プラズマトーチ100の先端側に向かって補助ガス流路106内を移動し、プラズマ108へと噴出される。この補助ガスの流量を調整することにより、プラズマ108の位置を制御することができる。
試料供給管101の内部空間は、試料流路107を構成している。測定対象となる試料は、霧化されて霧化試料となった後、例えばアルゴンガスからなるキャリアガスとともに試料流路107内に導入される。試料(霧化試料)は、プラズマトーチ100の先端側に向かって試料流路107内を移動し、筒状のプラズマ108の内側に噴出される。
図4(a)に示すように、試料は筒状のプラズマ108の内側を真っ直ぐ通過し、その過程で試料中の成分がプラズマ108に接触することにより、励起発光することとなる。
特開2008−202990号公報 特開2014−107012号公報
しかしながら、プラズマトーチ100の個体差や、誘導コイル104の位置のばらつきなどの各種原因により、試料が意図しない方向に流れる場合があった。例えば、図4(b)に示すように試料がプラズマ108の外側を通過する場合があり、この場合には試料中の成分が良好に励起発光しないため、感度低下などの不具合が生じてしまう。
現状では、試料がプラズマ108の内側に正しく導入されているか否かは、プラズマ108の状態を作業者が目視で確認して判定するしかない。そのため、作業者の経験に基づいた不安定な判定基準となっており、正確な判定を行うことができない場合があった。また、試料がプラズマ108の内側に正しく導入されていない場合だけでなく、例えば試料が詰まって流れていない場合や、プラズマトーチ100の経年劣化、装置や部品のばらつきといった他の各種原因によって、プラズマ108の状態が変化する場合もある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、装置の状態をより正確に判定することができるプラズマ発生装置、これを備えた発光分析装置及び質量分析装置、並びに、装置状態判定方法を提供することを目的とする。
本発明に係るプラズマ発生装置は、プラズマを発生させるためのプラズマ発生装置であって、プラズマトーチと、高周波電力供給部と、状態判定処理部とを備える。前記プラズマトーチは、誘導コイルによって電磁界が形成され、当該電磁界中に筒状のプラズマが形成されるとともに、霧化された試料がキャリアガスにより前記プラズマの内側に向けて供給される。前記高周波電力供給部は、前記誘導コイルに高周波電力を供給する。前記状態判定処理部は、前記高周波電力供給部により前記誘導コイルに供給される高周波電力の周波数の変化に基づいて、前記プラズマ発生装置の状態を判定する。
このような構成によれば、誘導コイルに供給される高周波電力の周波数の変化を基準にして、プラズマ発生装置の状態を判定することができる。したがって、作業者がプラズマの状態を目視で確認するなどの従来の態様とは異なり、安定した判定基準に基づいて、装置の状態をより正確に判定することができる。
前記プラズマ発生装置は、キャリアガスの流量を変化させる制御を行うキャリアガス流量制御部をさらに備えていてもよい。この場合、前記状態判定処理部は、キャリアガスの流量の変化に伴う前記高周波電力の周波数の変化に基づいて、前記プラズマ発生装置の状態を判定してもよい。
このような構成によれば、キャリアガスの流量の変化に伴う高周波電力の周波数の変化を基準にして、装置の状態をより正確に判定することができる。キャリアガスの流量が増加すると、高周波電力の周波数が減少するという特性があるため、その特性を利用すれば装置の状態を正確に判定することが可能である。
前記状態判定処理部は、キャリアガスの流量が所定値に達したときに、前記高周波電力の周波数を閾値と比較することにより、前記プラズマ発生装置の状態を判定してもよい。
このような構成によれば、キャリアガスの流量が増加すると、高周波電力の周波数が減少するという特性を利用して、キャリアガスの流量が所定値に達したときの高周波電力の周波数を予測することができるため、予測される周波数に基づいて決定された閾値と実際の周波数の値と比較することにより、装置の状態を正確に判定することができる。
前記キャリアガス流量制御部は、前記状態判定処理部による判定結果に基づいて、キャリアガスの流量を制御してもよい。
このような構成によれば、状態判定処理部による判定結果に基づいて、キャリアガスの流量を制御することにより、プラズマの内側に向けてキャリアガスとともに供給する試料の量を調整することができる。例えば、試料がプラズマの内側に正しく導入されていないと判定されるような場合には、キャリアガスの流量を増加させて、プラズマの内側に向けて供給される試料の量を増加させることにより、試料中の成分を良好に励起発光させ、感度低下を防止することができる。
前記プラズマ発生装置は、前記プラズマの位置を制御するための補助ガスの流量を制御する補助ガス流量制御部をさらに備えていてもよい。この場合、前記補助ガス流量制御部は、前記状態判定処理部による判定結果に基づいて、補助ガスの流量を制御してもよい。
このような構成によれば、状態判定処理部による判定結果に基づいて、補助ガスの流量を制御することにより、プラズマの位置を調整することができる。例えば、試料がプラズマの内側に正しく導入されていないと判定されるような場合には、補助ガスの流量を減少させて、プラズマの位置をプラズマトーチの内部方向に近付けることにより、試料中の成分を良好に励起発光させ、感度低下を防止することができる。
本発明に係る発光分析装置は、前記プラズマ発生装置を備え、前記プラズマ発生装置におけるプラズマから発光する光を検出して分析を行う。
本発明に係る質量分析装置は、前記プラズマ発生装置を備え、前記プラズマ発生装置におけるプラズマにより発生するイオンを用いて分析を行う。
本発明に係る装置状態判定方法は、誘導コイルによって電磁界が形成され、当該電磁界中に筒状のプラズマが形成されるとともに、霧化された試料がキャリアガスにより前記プラズマの内側に向けて供給されるプラズマトーチを用いて、前記プラズマを発生させるためのプラズマ発生装置の状態を判定する方法であって、高周波電力供給ステップと、状態判定ステップとを含む。前記高周波電力供給ステップでは、前記誘導コイルに高周波電力を供給する。前記状態判定ステップでは、前記高周波電力供給ステップにより前記誘導コイルに供給される高周波電力の周波数の変化に基づいて、前記プラズマ発生装置の状態を判定する。
本発明によれば、誘導コイルに供給される高周波電力の周波数の変化を基準にして、プラズマ発生装置の状態を判定することにより、安定した判定基準に基づいて、装置の状態をより正確に判定することができる。
本発明の一実施形態に係るプラズマ発生装置を備えた発光分析装置の構成例を示した概略図である。 図1の発光分析装置の電気的構成を示したブロック図である。 キャリアガスの流量とプラズマ周波数との関係の一例を示した図である。 プラズマトーチの概略構成を示した断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ発生装置を備えた発光分析装置の構成例を示した概略図である。この発光分析装置は、ICP(誘導結合プラズマ:Inductively Coupled Plasma)発光分析装置であり、プラズマトーチ1、高周波電力供給部2、プラズマガス供給部3、補助ガス供給部4、キャリアガス供給部5、霧化装置6、測光部7などを備えている。ただし、本発明は、ICP発光分析装置に限らず、IPC質量分析装置などの他の分析装置にも適用できる他、分析装置以外の装置にも適用可能である。本発明をICP質量分析装置に適用する場合には、プラズマトーチ1を質量分析装置のイオン化部に設けることにより、プラズマ放電により発生したイオンを質量ごとに分離し質量スペクトルを得ることができる。
プラズマトーチ1には、試料供給管11、補助ガス供給管12及びプラズマガス供給管13が備えられている。これらの供給管11,12,13は同心円上に設けられており、試料供給管11の外側が間隔を隔てて補助ガス供給管12により覆われるとともに、補助ガス供給管12の外側が間隔を隔ててプラズマガス供給管13により覆われている。プラズマガス供給管13の先端部は、巻回された誘導コイル14内に挿入されている。誘導コイル14には、高周波電力供給部2から高周波電力が供給され、これにより、誘導コイル14の内側に高周波電磁界が形成される。
補助ガス供給管12とプラズマガス供給管13との間の筒状の空間は、プラズマガス流路15を構成している。プラズマガス流路15内には、例えばアルゴンガスからなるプラズマガスが導入される。プラズマガスは、プラズマガス供給部3からプラズマガス流路15内に供給され、プラズマトーチ1の先端側に向かってプラズマガス流路15内を螺旋状に移動する。そして、プラズマトーチ1の先端部において、誘導コイル14が形成する高周波電磁界によってプラズマガスが電離され、プラズマ18が生成される。このとき生成されるプラズマ18は、筒状(ドーナツ状)となる。
試料供給管11と補助ガス供給管12との間の筒状の空間は、補助ガス流路16を構成している。補助ガス流路16内には、例えばアルゴンガスからなる補助ガスが導入される。補助ガスは、補助ガス供給部4から補助ガス流路16内に供給され、プラズマトーチ1の先端側に向かって補助ガス流路16内を移動する。そして、プラズマトーチ1の先端部において、補助ガスがプラズマ18へと噴出される。この補助ガスの流量を調整することにより、プラズマ18の位置を制御することができる。
試料供給管11の内部空間は、試料流路17を構成している。測定対象となる試料Sは、霧化装置6により霧化されて霧化試料となった後、試料流路17内に導入される。霧化装置6には、ネプライザ61及びスプレーチャンバ62が備えられている。ネプライザ61には、例えばアルゴンガスからなるキャリアガスがキャリアガス供給部5から供給される。液体の試料Sは、ネプライザ61により霧化され、キャリアガスとともにスプレーチャンバ62を介して試料流路17内に導入される。そして、霧化された試料Sは、プラズマトーチ1の先端側に向かって試料流路17内を移動し、筒状のプラズマ18の内側に噴出される。
霧化された試料Sは筒状のプラズマ18の内側を真っ直ぐ通過し、その過程で試料中の成分がプラズマ18に接触することにより、励起発光することとなる。測光部7は、プラズマ18において試料中の成分が励起発光した光を測定するためのものであり、集光レンズ71、回折格子72及び複数の光検出器73などを備えている。励起発光により生じた光は、プラズマ18からプラズマトーチ1の中心軸に沿って集光レンズ71に入射し、回折格子72の格子面に集光される。そして、回折格子72の格子面で分光された各波長の光が複数の光検出器73により検出され、その検出信号から得られる発光スペクトルに基づいて試料Sの分析を行うことができる。
図2は、図1の発光分析装置の電気的構成を示したブロック図である。この発光分析装置の動作は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む制御部8により制御される。制御部8は、CPUがプログラムを実行することにより、状態判定処理部81、流量制御部82及び発光スペクトル生成部83などとして機能する。
高周波電力供給部2は、誘導コイル14を含む共振回路に対して、スイッチング回路(図示せず)を介して高周波電力を供給する(高周波電力供給ステップ)。プラズマ18の状態の変化に伴って誘導コイル14のインピーダンスが変化することとなるが、スイッチング回路を用いて誘導コイル14に供給される高周波電力の周波数(スイッチング周波数)を自動的に変化させることにより、スイッチング回路側から見た負荷インピーダンスが常に最適に保たれるように周波数が自動調整されるようになっている。
このように、プラズマ18の状態が変化すると、高周波電力供給部2により誘導コイル14に供給される高周波電力の周波数(以下、「プラズマ周波数」と呼ぶ。)が変化するため、プラズマ周波数の変化に基づいて発光分析装置の状態(プラズマ発生装置の状態)を判定することが可能となる。本実施形態では、状態判定処理部81が、プラズマ周波数の変化に基づいて発光分析装置の状態を自動的に判定する(状態判定ステップ)。
流量制御部82は、プラズマガス供給部3、補助ガス供給部4及びキャリアガス供給部5の動作を制御する。プラズマガス供給部3、補助ガス供給部4及びキャリアガス供給部5は、それぞれバルブを備えており、それらのバルブの開度を調整することにより、プラズマガス、補助ガス及びキャリアガスの流量を個別に制御することができる(流量制御ステップ)。すなわち、流量制御部82は、プラズマガスの流量を制御するプラズマガス流量制御部、補助ガスの流量を制御する補助ガス流量制御部、キャリアガスの流量を制御するキャリアガス流量制御部として機能する。
本実施形態では、流量制御部82によりキャリアガスの流量を変化させる制御を行い、それに伴うプラズマ周波数の変化に基づいて、状態判定処理部81が発光分析装置の状態を判定するようになっている。このような判定動作は、分析中とは異なるタイミング(例えば分析前など)に行われる。流量制御部82は、状態判定処理部81による判定結果に基づいて、分析中にキャリアガス供給部5から供給されるキャリアガスの流量、又は、分析中に補助ガス供給部4から供給される補助ガスの流量を制御する。
発光スペクトル生成部83は、複数の光検出器73からの検出信号に基づいて、波長と発光強度との関係を表す発光スペクトルを生成する。生成された発光スペクトルは、表示部(図示せず)に表示されてもよい。
図3は、キャリアガスの流量とプラズマ周波数との関係の一例を示した図である。図3では、キャリアガスの流量(mL/min)及びプラズマ周波数(kHz)が、経過時間に対応付けて示されている。この図3に示すように、キャリアガスの流量91が増加すると、通常はプラズマ周波数92が減少する。これは、キャリアガスの増加に伴って、キャリアガスとともにプラズマ18に供給される試料Sが増加し、その結果、プラズマ18の温度が低下することに起因している。
すなわち、プラズマ18の温度が低下すると、プラズマ18におけるプラズマガスの電離度が低下し、高周波電力供給部2側から見た誘導コイル14とプラズマ18との結合が弱くなる(結合係数が小さくなる)。このように、誘導コイル14とプラズマ18との結合が弱くなると、高周波電力供給部2側から見たインダクタンス成分が増加し、その結果、図3に示すようにプラズマ周波数92が減少する。
一方で、霧化された試料Sがプラズマ18の内側に正しく導入されていない場合や、霧化装置6において試料Sが詰まっている場合などには、キャリアガスの流量91が増加してもプラズマ周波数92が低下しにくかったり、低下しなかったりすることになる。したがって、キャリアガスの流量91の変化に伴うプラズマ周波数92の変化に基づいて、発光分析装置の状態(試料Sの導入状態)を判定することができる。
このように、本実施形態では、誘導コイル14に供給される高周波電力の周波数(プラズマ周波数92)の変化を基準にして、発光分析装置の状態を判定することができる。したがって、作業者がプラズマ18の状態を目視で確認するなどの従来の態様とは異なり、安定した判定基準に基づいて、装置の状態をより正確に判定することができる。
特に、図3に示すようなキャリアガスの流量とプラズマ周波数との関係を利用すれば、キャリアガスの流量91の変化に伴うプラズマ周波数92の変化を基準にして、装置の状態をより正確に判定することができる。
例えば、状態判定処理部81は、キャリアガスの流量91が所定値Aに達したときに、そのときのプラズマ周波数92の値Bを閾値Vと比較する。この閾値Vは、霧化された試料Sがプラズマ18の内側に正しく導入されている場合に予測されるプラズマ周波数92の値よりも大きい値に設定されている。これにより、上記値Bが閾値Vよりも小さければ試料Sが正しく導入されていると判定し、閾値V以上であれば試料Sが正しく導入されていないと判定することができる。このように、キャリアガスの流量91が所定値Aに達したときのプラズマ周波数92を予測することができるため、予測される周波数に基づいて決定された閾値Vと実際のプラズマ周波数92の値Bと比較することにより、装置の状態を正確に判定することができる。
試料Sが正しく導入されていないと判定された場合、すなわちプラズマ18の内側に十分な量の試料Sが供給されていない場合には、流量制御部82の制御によって、プラズマ18の内側に供給される試料Sの量を増加させることができる。具体的には、流量制御部82が、分析中(測光時)のキャリアガスの流量を増加させれば、プラズマ18の内側に供給される試料Sの量が増加し、試料S中の成分が良好に励起発光するため、感度低下を防止することができる。
また、流量制御部82が、分析中(測光時)の補助ガスの流量を減少させれば、プラズマ18の位置がプラズマトーチ100の内部方向に近付くため、プラズマ18の外側に試料Sが流れにくくなる。この場合も、プラズマ18の内側に供給される試料Sの量が増加し、試料S中の成分が良好に励起発光するため、感度低下を防止することができる。
以上の実施形態では、発光分析装置の状態として、霧化された試料Sがプラズマ18の内側に正しく導入されていない場合や、霧化装置6において試料Sが詰まっている場合などのように、試料Sの導入状態を判定する場合について説明した。しかし、これに限らず、プラズマトーチ1の経年劣化、装置や部品のばらつきといった発光分析装置の他の状態をプラズマ周波数の変化から判定することも可能である。
また、状態判定処理部81による判定結果に基づいて、キャリアガスや補助ガスの流量を制御するような構成に限らず、他の各種動作を行うことができる。例えば、状態判定処理部81による判定結果に基づいて、試料Sの導入状態に関するメッセージ(例えば試料Sの導入量が減少している旨など)を表示部に表示させたり、装置の動作を停止させたりすることも可能である。
1 プラズマトーチ
2 高周波電力供給部
3 プラズマガス供給部
4 補助ガス供給部
5 キャリアガス供給部
6 霧化装置
7 測光部
8 制御部
11 試料供給管
12 補助ガス供給管
13 プラズマガス供給管
14 誘導コイル
15 プラズマガス流路
16 補助ガス流路
17 試料流路
18 プラズマ
61 ネプライザ
62 スプレーチャンバ
71 集光レンズ
72 回折格子
73 光検出器
81 状態判定処理部
82 流量制御部
83 発光スペクトル生成部
91 キャリアガスの流量
92 プラズマ周波数

Claims (7)

  1. プラズマを発生させるためのプラズマ発生装置であって、
    誘導コイルによって電磁界が形成され、当該電磁界中に筒状のプラズマが形成されるとともに、霧化された試料がキャリアガスにより前記プラズマの内側に向けて供給されるプラズマトーチと、
    前記誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電力供給部と、
    前記高周波電力供給部により前記誘導コイルに供給される高周波電力の周波数の変化に基づいて、前記プラズマ発生装置の状態を判定する状態判定処理部と
    キャリアガスの流量を変化させる制御を行うキャリアガス流量制御部とを備え
    前記状態判定処理部は、キャリアガスの流量の変化に伴う前記高周波電力の周波数の変化に基づいて、前記プラズマ発生装置の状態を判定することを特徴とするプラズマ発生装置。
  2. 前記状態判定処理部は、キャリアガスの流量が所定値に達したときに、前記高周波電力の周波数を閾値と比較することにより、前記プラズマ発生装置の状態を判定することを特徴とする請求項に記載のプラズマ発生装置。
  3. 前記キャリアガス流量制御部は、前記状態判定処理部による判定結果に基づいて、キャリアガスの流量を制御することを特徴とする請求項に記載のプラズマ発生装置。
  4. 前記プラズマの位置を制御するための補助ガスの流量を制御する補助ガス流量制御部をさらに備え、
    前記補助ガス流量制御部は、前記状態判定処理部による判定結果に基づいて、補助ガスの流量を制御することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
  5. 請求項1に記載のプラズマ発生装置を備え、
    前記プラズマ発生装置におけるプラズマから発光する光を検出して分析を行うことを特徴とする発光分析装置。
  6. 請求項1に記載のプラズマ発生装置を備え、
    前記プラズマ発生装置におけるプラズマにより発生するイオンを用いて分析を行うことを特徴とする質量分析装置。
  7. 誘導コイルによって電磁界が形成され、当該電磁界中に筒状のプラズマが形成されるとともに、霧化された試料がキャリアガスにより前記プラズマの内側に向けて供給されるプラズマトーチを用いて、前記プラズマを発生させるためのプラズマ発生装置の状態を判定する方法であって、
    前記誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電力供給ステップと、
    前記高周波電力供給ステップにより前記誘導コイルに供給される高周波電力の周波数の変化に基づいて、前記プラズマ発生装置の状態を判定する状態判定ステップと
    キャリアガスの流量を変化させる制御を行うキャリアガス流量制御ステップとを含み、
    前記状態判定ステップでは、キャリアガスの流量の変化に伴う前記高周波電力の周波数の変化に基づいて、前記プラズマ発生装置の状態を判定することを特徴とする装置状態判定方法。
JP2019529004A 2017-07-13 2018-06-14 プラズマ発生装置、これを備えた発光分析装置及び質量分析装置、並びに、装置状態判定方法 Active JP6795095B2 (ja)

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