JP6794189B2 - キマーゼ阻害用組成物 - Google Patents
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Description
このような食塩依存性高血圧の対策は、従来より、摂取する塩分量を減らすことに目が向けられていた。
しかし、減塩は味付けが薄味となるため、食事の楽しみが減り、長続きしないという問題がある。また、塩分(ナトリウム)も身体に必要なミネラル成分の一つである。
また、キマーゼは、高血圧のみならず、種々の病態組織で酵素的機能を発揮すると考えられている。例えば、アトピー性皮膚炎では、皮膚下層の真皮に存在する肥満細胞がキマーゼを産生し、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIへ変換することにより炎症が起こる。このような皮膚の炎症の対策として、キマーゼ活性阻害を介したアトピー性皮膚炎薬が開発されている(特許文献2、特許文献3)。
なお、ACEもアンジオテンシンII変換酵素であり、ACE阻害剤を含有する機能性表示食品や特定保健用食品が既に存在している。しかし、ACE阻害剤は、非食塩依存性高血圧には効果があるが、食塩依存性高血圧には効果があまりないという問題がある。
このように、塩分過多による高血圧やその他の疾患に有効なサプリメント商品開発のニーズはあったが、有効なサプリメント等の組成物は未だ報告がないのが現状である。
すなわち、本発明は、キマーゼ活性阻害作用を有する成分を含有し、副作用の心配もない、高血圧及び炎症等の各種疾患に有効な組成物を提供することを課題とする。
(1) フェノール類を有効成分として含有するキマーゼ阻害用組成物。
(2) フェノール類を0.001〜100質量%含有する前記(1)記載のキマーゼ阻害用組成物。
(3) フェノール類が、セサモールである前記(1)または(2)に記載のキマーゼ阻害用組成物。
(4) フェノール類を有効成分とし、キマーゼに由来する気管支喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、鼻炎、関節リウマチ、マストサイトーシス、強皮症、心不全、心肥大、うっ血性心疾患、高血圧、アテローム性動脈硬化、心筋虚血、心筋梗塞、経皮的冠動脈形成術後再狭窄、バイパスグラフト術後再狭窄、虚血性末梢循環障害、高アルドステロン症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎炎、腎炎、糸球体硬化症、腎不全、乾癬、固形腫瘍、手術後癒着、緑内障及び高眼圧症から選択される疾患の予防・治療用組成物。
本発明のキマーゼ阻害用組成物の有効成分はキマーゼ活性を阻害する作用を有するフェノール類である。フェノール類としては、特に限定されないが、セサモールが好ましい例として挙げられる。セサモールは、ゴマに含まれるリグニンであるセサモリンの加水分解により生成され、強い抗酸化作用を有することで知られる。セサモールはゴマ油に含まれる安全性の高い物質であり、摂取による副作用の心配もない。
本発明のキマーゼ阻害用組成物は、有効成分であるフェノール類を1種または2種以上含有することができる。
なお、本発明のキマーゼ阻害用組成物は、特に、食塩の過剰摂取に起因する食塩依存性高血圧に有効である。
また、本明細書における「高血圧」は一過性の高血圧のみならず、高血圧の状態が持続した高血圧症も含む。
本発明のキマーゼ阻害用組成物は、フェノール類だけでなく、キマーゼ活性阻害作用を有するその他の有効成分を含有することもできる。キマーゼ活性阻害作用を有するその他の有効成分としては、ACE阻害剤や既知の成分等いずれを用いてもよい。特に、本発明のキマーゼ阻害用組成物は、フェノール類とともにACE阻害剤を有効成分とすることにより、さらに優れた効果を得ることができ、食塩依存性高血圧にも非食塩依存性高血圧にも有効なものとなる。
また、本発明の組成物は、サプリメント、健康食品、医薬品等において通常用いられる各種の機能成分や有効成分等を含有してもよく、それらの種類や配合量は限定されない。
本発明のキマーゼ阻害用組成物の投与経路は、経口投与としても非経口投与としてもよい。経口投与とする場合は、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、ゼリー剤、錠剤、半固形剤等のいかなる形態としてもよい。本発明のキマーゼ阻害用組成物は、有効成分のみを用いて製造してもよいが、通常用いられる添加剤を添加して製造することもできる。添加剤としては、任意の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、香料等が挙げられる。なお、錠剤とする場合に用いるコーティング剤は、キマーゼ活性阻害剤の放出を制御するために腸溶性コーティング剤や徐放化コーティング剤等を用いることもできる。なお、これらの添加剤の種類やそれらの配合量は限定されない。
本試験例においては、セサモールのキマーゼ活性阻害作用を調べた。
(方法)
試験は、キマーゼ活性アッセイキット(シグマ−アルドリッチ社製)を用いて行った。酵素、基質、アッセイバッファ等は、同キットに含まれているものを使用し、測定は同キットの測定手順に従って行った。
・酵素
キマーゼ(Chymase)
・基質A(Substrate A)
N-Succinyl-Ala-Ala-Pro-Phe p-nitroanilide
下記表1に示すAとBはブランク、CとDはサンプルを用いたものである。AとCにはキマーゼを添加し、BとDにはキマーゼを添加しなかった。
サンプルは、セサモール(和光純薬工業社製)及び比較例としてのチロソール(シグマ社製)を用いた。
プレートリーダーの設定(キマーゼ:37℃、吸光度:405nm、20秒間隔10分間)を行った。インキュベータは37℃に設定した。
A〜Dに、それぞれ、基質Aと、アッセイバッファを添加し、混合した(基質A:3μL+アッセイバッファ:11μL)。
C、Dに、それぞれ、サンプルとアッセイバッファを添加し、混合した(サンプル:1μL+アッセイバッファ:11μL)。
A、Cに、それぞれ、キマーゼとアッセイバッファを添加し、混合した(キマーゼ:0.3μL+バッファ:11μL)
測定前に、A〜Dをクラッシュアイスで冷やしておいた。
測定の手順は下記の通りとした。
1.Aに63.7μL、Bに64μL、Cに62.7μL、Dに63μLの純水を添加した。
2.A〜Dに、それぞれ、基質A3μLとアッセイバッファ11μL(合計14μL)を添加した。
3.A、Bに、それぞれ、アッセイバッファ11μLを添加した。
4.C、Dに、それぞれ、サンプル1μLとアッセイバッファ11μL(合計12μL)を添加した。
5.A〜Dをそれぞれ37℃で1〜2分間インキュベートした。
6.B、Dに、それぞれ、アッセイバッファ11μLを添加した。
7.A、Cに、それぞれ、キマーゼ0.3μLとバッファ11μL(合計11.3μL)を添加した。この添加のタイミングはプレートリーダーで読み込む3秒前とした。
8.吸光度405nmとして、プレートリーダーでA〜Dの測定を行った。
9.キマーゼ活性阻害率を、下記式に従って算出した。
キマーゼ活性阻害率=((A−B)−(C−D))/(A−B)×100
上記式に従い、セサモール及びチロソールの最終濃度を8mMとしてキマーゼ活性阻害率を算出した。セサモールの結果は84.2%であり、チロソールの結果は15%であった。結果を図1に示す。
これにより、セサモールは優れたキマーゼ活性阻害作用を有することが明らかとなった。これに対して、チロソールにはキマーゼ活性阻害作用があまり認められなかった。
セサモール(岩井の胡麻油社製)4000g、粉末還元麦芽糖水飴351g及び結晶セルロース240.8gを流動層造粒機(FD−5S:パウレック社製)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液2700gを噴霧することにより、流動層造粒した。
流動層造粒後、給気温度70℃で、排気温度48℃まで乾燥を行い、造粒末を得た。その後、整粒機(パワーミル:昭和化学機械社製)にて整粒し、整粒末を得た。得られた整粒末3318g、パントテン酸カルシウム184.8g、結晶セルロース345.2g、低置換度ヒドロキシプルピルセルロース240g、特殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE:エーザイフード・ケミカル社製)24g及びステアリン酸マグネシウム48gを混合機(タンブラー混合機:昭和化学機械社製)にて混合し、得られた混合末をハードカプセル充填機に充填してハードカプセル剤(350mg)を得た。
セサモール(岩井の胡麻油社製)4000g、粉末還元麦芽糖水飴351g及び結晶セルロース240.8gを流動層造粒機(FD−5S:パウレック社製)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液2700gを噴霧することにより、流動層造粒した。
流動層造粒後、給気温度70℃で、排気温度48℃まで乾燥を行い、造粒末を得た。その後、整粒機(パワーミル:昭和化学機械社製)にて整粒し、整粒末を得た。得られた整粒末3318g、パントテン酸カルシウム184.8g、結晶セルロース345.2g、低置換度ヒドロキシプルピルセルロース240g、特殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE:エーザイフード・ケミカル社製)24g及びステアリン酸マグネシウム48gを混合機(タンブラー混合機:昭和化学機械社製)にて混合し、得られた混合末をロータリー式打錠機で直径8.8mmの臼、曲率半径7.0mmのR面杵にて、1錠当たりの重量300mg、厚み5.2mmとなるように製錠し、素錠を得た。
Claims (2)
- セサモールを有効成分として含有するキマーゼ阻害用組成物(高血圧及びアトピー性皮膚炎に対する用途を除く)。
- セサモールを0.001〜100質量%含有する請求項1記載のキマーゼ阻害用組成物(高血圧及びアトピー性皮膚炎に対する用途を除く)。
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