JP6792715B2 - 深部体温上昇用組成物 - Google Patents
深部体温上昇用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6792715B2 JP6792715B2 JP2019538940A JP2019538940A JP6792715B2 JP 6792715 B2 JP6792715 B2 JP 6792715B2 JP 2019538940 A JP2019538940 A JP 2019538940A JP 2019538940 A JP2019538940 A JP 2019538940A JP 6792715 B2 JP6792715 B2 JP 6792715B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- body temperature
- core body
- composition
- cyclolanostane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/56—Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids
- A61K31/575—Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids substituted in position 17 beta by a chain of three or more carbon atoms, e.g. cholane, cholestane, ergosterol, sitosterol
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K36/00—Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
- A61K36/18—Magnoliophyta (angiosperms)
- A61K36/185—Magnoliopsida (dicotyledons)
- A61K36/48—Fabaceae or Leguminosae (Pea or Legume family); Caesalpiniaceae; Mimosaceae; Papilionaceae
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K36/00—Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
- A61K36/18—Magnoliophyta (angiosperms)
- A61K36/185—Magnoliopsida (dicotyledons)
- A61K36/81—Solanaceae (Potato family), e.g. tobacco, nightshade, tomato, belladonna, capsicum or jimsonweed
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K36/00—Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
- A61K36/18—Magnoliophyta (angiosperms)
- A61K36/88—Liliopsida (monocotyledons)
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K36/00—Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
- A61K36/18—Magnoliophyta (angiosperms)
- A61K36/88—Liliopsida (monocotyledons)
- A61K36/896—Liliaceae (Lily family), e.g. daylily, plantain lily, Hyacinth or narcissus
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K36/00—Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
- A61K36/18—Magnoliophyta (angiosperms)
- A61K36/88—Liliopsida (monocotyledons)
- A61K36/899—Poaceae or Gramineae (Grass family), e.g. bamboo, corn or sugar cane
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Natural Medicines & Medicinal Plants (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Public Health (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Botany (AREA)
- Medical Informatics (AREA)
- Mycology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Alternative & Traditional Medicine (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Description
そこで、本発明は、安全であり、かつ一過性ではない深部体温の上昇効果を奏する深部体温上昇剤及び、深部体温上昇用飲食品組成物を提供することを課題とする。
前記ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される化合物を、総量で0.00001質量%以上含有する組成物を前記対象に投与すること。
また、R2、R3は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。ここで、前記炭素原子数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基等が好ましく、メチル基が特に好ましい。また、前記アルキル基は、少なくとも1の水素原子がヒドロキシル基及び/又はカルボニル基に置換された置換アルキル基であってもよい。
例えば、Vitali Matyash et al., PLOS BIOLOGY, Volume 2, Issue 10, e280, 2004に記載されたサプリメントデータに準じて、合成することが可能である。
例えば、化合物1が含まれている植物より、熱水抽出法、有機溶媒抽出法、超臨界抽出法又は亜臨界抽出法などの方法を用いて抽出することが可能である(例えば、特許第3905913号公報参照)。化合物1は、例えばユリ科、マメ科、イネ科、ナス科及びバショウ科の植物から抽出することができる。
前記のようにして製造した化合物1は、例えば、マススペクトル(MS)法、及び核磁気共鳴スペクトル(NMR)法等によって、その分子量や構造等を決定又は確認することができる。
具体的には塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、及び臭化水素酸塩などの無機酸塩や、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩、サリチル酸塩、及びステアリン酸塩などの有機酸塩が非限定的に含まれる。
また、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の金属の塩、リジン等のアミノ酸との塩とすることもできる。また、前記化合物若しくはその医薬に許容される塩の水和物等の溶媒和物も使用できる。
また、R6,R7は各々独立に水素原子又はメチル基である。また、R8は環を構成する炭素原子とともにC=Oを形成するか、又は下記式の何れかである。
前記のようにして製造した化合物は、例えば、マススペクトル(MS)法、及び核磁気共鳴スペクトル(NMR)法等によって、その分子量や構造等を決定又は確認することができる。
化合物1又は化合物2を単独で用いる場合としては、化合物1(主に、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、若しくは4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)、又は化合物2(主に、9,19−シクロラノスタン−3−オール若しくは24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール)の何れかであることが好ましい。
中でも深部体温上昇用組成物の有効成分として使用する場合において考慮される溶解性等の物性の点で、化合物1としては4−メチルコレスト−7−エン−3−オールが特に好ましく、化合物2としては9,19−シクロラノスタン−3−オールが特に好ましい。
また、化合物1と化合物2を対比した場合では、化合物1(主に、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール又は4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)であることがより好ましい。
また、化合物1又は化合物2各々においても、1種の化合物を用いてもよいし、複数の化合物を混合して用いてもよい。
本発明の深部体温上昇用組成物は、好ましくは、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール、9,19−シクロラノスタン−3−オール、24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールからなる群から選択される化合物を有効成分として含有する。
化合物1:化合物2は、好ましくは5:1〜1:5、さらに好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは2:1〜1:2である。
このような組成物としては、例えば、前述した化合物1を含む植物から得られた抽出物、化合物2を含む植物から得られた抽出物、及び化合物1及び化合物2の両者を含む植物から得られた抽出物、並びにこれらの混合物が挙げられる。
医薬又は医薬組成物の態様で用いる場合には、本発明の深部体温上昇剤は経口的、又は非経口的にヒトを含む哺乳動物に投与する形態であることが好ましい。
なお、本発明で定義される冷え性による症状は、深部体温の低下、末梢血管の収縮、血流量低下等を起因とする症状の中でも、特に深部体温の低下による症状を示す。
また、本発明で定義される消化器疾患は、消化器疾患の原因として例示される、深部体温の低下、食中毒やアルコールの過剰摂取、性ホルモンのバランスの乱れ等の中でも、特に深部体温の低下による消化器疾患を示す。
さらに、本発明で定義される眩暈、立ちくらみ、起立性障害(寝起きが悪い)や下肢の浮腫、慢性倦怠感による症状は、深部体温の低下、心不全や生活リズムの乱れ、性ホルモンのバランスの乱れ等を起因とする症状の中でも、特に深部体温の低下による症状を示す。
本発明の深部体温上昇剤または深部体温上昇用組成物は、前記症状のうち一又は複数の症状を予防及び/又は改善するのに有効である。
中でも、本発明の飲食品組成物は深部体温の低下により引き起こされる冷え性、及び深部体温の低下により引き起こされる呼吸器疾患(喘息、痰飲)に好適に用いることができる。
本発明の深部体温上昇剤または深部体温用組成物の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度、その他の条件等により適宜選択される。通常、有効成分の量に換算して、好ましくは0.0001〜100mg/日、より好ましくは、0.001〜50mg/日、特に好ましくは0.01〜10mg/日の範囲を目安とする。
また、本発明の深部体温上昇剤または深部体温用組成物は、好ましくは3週間以上、より好ましくは6週間以上、特に好ましくは12週間以上継続して用いられることが好ましい。
また、本発明の深部体温上昇剤または深部体温用組成物は、前記化合物を含む公知の植物等を原料として、熱水や各種溶媒を用いた抽出、超臨界抽出、亜臨界抽出することにより得た抽出物を、前述した添加剤とともに製剤化することで製造することもできる。
特に、化合物1及び化合物2を前記特定の質量比の範囲で含む本発明の深部体温上昇剤または深部体温用組成物は、各化合物を前記質量比の範囲で混合することで製造することができる。また、このような深部体温上昇剤または深部体温用組成物は、化合物1及び化合物2が含まれている公知の植物等を原料として、熱水や各種溶媒を用いた抽出、超臨界抽出、亜臨界抽出等の方法にて調製した抽出物を用いることで製造することも可能である。
化合物1又は化合物2を単独で用いる場合としては、化合物1(主に、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、若しくは4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)、又は化合物2(主に、9,19−シクロラノスタン−3−オール若しくは24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール)の何れかであることが好ましい。
中でも深部体温上昇用飲食品組成物の有効成分として使用する場合において考慮される溶解性等の物性の点で、化合物1としては4−メチルコレスト−7−エン−3−オールが特に好ましく、化合物2としては9,19−シクロラノスタン−3−オールが特に好ましい。
また、化合物1と化合物2を対比した場合では、化合物1(主に、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール又は4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)であることがより好ましい。
また、化合物1又は化合物2各々においても、1種の化合物を用いてもよいし、複数の化合物を混合して用いてもよい。
本発明の深部体温上昇用飲食品組成物は、好ましくは、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール、9,19−シクロラノスタン−3−オール、24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールからなる群から選択される化合物を有効成分として含有する。
化合物1:化合物2は、好ましくは5:1〜1:5、さらに好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは2:1〜1:2である。
このような組成物としては、例えば、前述した化合物1を含む植物から得られた抽出物、化合物2を含む植物から得られた抽出物、及び化合物1及び化合物2の両者を含む植物から得られた抽出物、並びにこれらの混合物が挙げられる。
本発明の深部体温上昇用飲食品組成物において、深部体温の低下により引き起こされる症状や疾患は、前述した医薬の形態の予防及び又は改善の対象と同様である。
また、本発明の深部体温上昇用飲食品組成物は、好ましくは3週間以上、より好ましくは6週間以上、特に好ましくは12週間以上継続して用いられることが好ましい。
また、前記「表示が付された」とは、前記表示と深部体温上昇用飲食品組成物(製品)を関連付けて認識させようとする表示行為が存在していることをいう。
表示行為は、需要者が前記用途を直接的に認識できるものであることが好ましい。具体的には、本発明の深部体温上昇用飲食品組成物に係る商品又は商品の包装への前記用途の記載行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類(電磁的方法により提供されるものを含む)への前記用途の記載行為が例示できる。
例えば、健康食品、機能性飲食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、医薬用部外品等の表示を例示することができる。特に、消費者庁によって認可される表示、例えば、特定保健用食品制度、これに類似する制度にて認可される表示を例示できる。後者の例としては、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示等を例示することができ、詳細にいえば、健康増進法施行規則(平成15年4月30日日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、及びこれに類する表示が、典型的な例として列挙することが可能である。
また、本発明の深部体温上昇用飲食品組成物は、前記用途の表示に加え、前記有効成分の表示、さらには、前記用途と前記有効成分の関連性を示す表示を含むことも好ましい。
また、前記深部体温上昇用飲食品組成物は、前記化合物を含む公知の植物等を原料として、熱水や各種溶媒を用いた抽出、超臨界抽出、亜臨界抽出することにより得た抽出物を、飲食品組成物原料とともに加工することで製造することもできる。
(ロフェノール化合物(化合物1)の製造)
アロエベラゲルの葉肉(透明ゲル部分)100kgを、ホモジナイザーを用いて液状化し、ここに100Lの酢酸エチル/ブタノール(3:1)の混合液を添加して撹拌した。一晩放置した後、酢酸エチル/ブタノール混合液と水層を分液して、酢酸エチル/ブタノール混合液を回収した。この酢酸エチル/ブタノール混合液を減圧下で濃縮した。回収された酢酸エチル/ブタノール混合液抽出物の質量は、13.5gであった。
シリカゲル60(メルク社製)を400g充填したカラムに、当該抽出物13gを1mlのクロロホルム/メタノール(1:1)混合液に溶解させた溶液を通液し、カラムに吸着させた後、クロロホルム/メタノール混合液(クロロホルム:メタノール=100:1、25:1、10:1、5:1及び1:1の各混合比)を使用して、メタノール濃度を段階的に上昇させるステップワイズグラジエント法により溶出し、前記混合液の混合比毎に溶出液を分画した。これらのフラクションのうち、クロロホルム:メタノール=25:1で溶出してきたフラクションに本発明のロフェノール化合物が存在することを、順相及び逆相薄層クロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル60F254及びRP−18F2543)にて確認した。
このフラクションの溶媒を除去した後、1mlのクロロホルム/メタノール(1:1)混合液に溶解し、シリカゲル60を100g充填したカラムに通液し、カラムに吸着させた後、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)混合液1100mlで溶出した。溶出フラクションを順に300ml(フラクションA)、300ml(フラクションB)、500ml(フラクションC)ずつ分取した。
本発明の化合物1であるロフェノール化合物が、フラクションAに濃縮されたことを、順相及び逆相薄層クロマトグラフィーにて確認し、さらに、コスモシールC18(ナカライテスク社製)を装着したHPLCを用いて、クロロホルム/ヘキサン(85:15)混合液にて分離し、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールを、それぞれ1.3mg、1.2mg、1mg得た。各々の化合物の構造は質量(MS)分析及びNMRにて確認した。
(シクロラノスタン化合物(化合物2)の製造)
γ−オリザノール(オリザ油化社製)8.0gに蒸留水を250ml、水酸化ナトリウム50g、イソプロパノール150ml、エタノール150ml、メタノール150mlを加え、マントルヒーターを用いて2時間加熱還流を行った。反応後に、反応液を1300mlの水に添加し、生じた白色の析出物を吸引ろ過し、固形物を得た。残存するアルカリを洗浄するために、得られた残渣を1000mlの水の中に懸濁させた後、再び吸引ろ過を行った。この操作を2回繰り返し、最終的な残渣を凍結減圧乾燥させることによりオリザノール加水分解物5.91gを得た。当該加水分解物はHPLCにて精製を行い、2435mgのシクロアルテノール、及び1543mgの24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール(化合物2)を得た。
次に、得られたシクロアルテノールを用いて、9,19−シクロラノスタン−3−オール(化合物2)の合成を行った。
シクロアルテノールを302mg、イソプロパノールを150ml、及び粉末状の5%パラジウム担持炭素触媒1.0gを仕込み、これをオートクレーブ内で密閉して、窒素ガスで置換した後、水素ガス3kg/cm2の圧力をかけながら導入した。撹拌しながら加熱していき、50℃になったところで、水素の圧力を5kg/cm2とし、吸収された水素を補うことで圧力を保ちながら6時間反応させた。反応液について、ろ過により触媒を除去し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム100%)により精製を行い、9,19−シクロラノスタン−3−オール275mgを得た。
(ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物の混合物を添加した試料の調製)
上記製造例1によって得られた、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールと、製造例2によって得られた、9,19−シクロラノスタン−3−オール、及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールを用いて、ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物の質量比が、質量比がロフェノール化合物(化合物1):シクロラノスタン化合物(化合物2)=1:1となるような混合物を得た。
プロピレングリコール(和光純薬工業株式会社製)を用いてロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物の混合物を分散させ、5000倍希釈させた溶液を作製した。この溶液を蒸留水で100倍に希釈し、試験試料1を調製した。
すなわち、化合物1(ロフェノール化合物)及び化合物2(シクロラノスタン化合物)を総量で0.0002質量%含有した試験試料1を製造した。
本実施例では、化合物1及び化合物2を含有する組成物の深部体温上昇作用について検討した。
本実施例では、前記製造例3で得られた試験試料1を使用した。なお、対照試料としては、1%プロピレングリコール水溶液を使用した。
6週齢のC57BL/6マウス(日本エスエルシー 社製)を動物用飼料D12450B(Research Diets, Inc. 製)にて1週間予備飼育を行った後、動物用飼料D12492(Research Diets, Inc. 製)に試料を切り替え、2週間飼育した。飼育したC57BL/6マウスを各群12匹となるよう対照群と試験試料群に分け、試験試料の連続投与を開始した。なお、試験試料の投与は、マウスに1日あたり200μL/10g体重となるよう試験試料1を投与することにより行われた。一方、対照群には、試験試料として、同量の1%プロピレングリコール水溶液を投与した。
試験試料1の連続投与開始から6週間後及び12週間後に、深部体温を直腸温測定(データロガーおんどとり(TR−7wf) ティアンドデイ社 製)にて確認した。
投与開始から6週間後の深部体温を表1、12週間後の深部体温を表2、また各群の深部体温の推移を図1に示す。表中、値は、12匹の平均値±標準偏差で示し、表中のp値は、Student t検定による有意確率を示す。
表1、表2の結果より、対照群に比較し、シクロラノスタン化合物、ロフェノール化合物を0.0002質量%含有した試験試料の摂取させた試験試料群は、対照群に比して、深部体温が高値であった。
加えて、表1、表2を比較すると摂取6週よりも摂取12週目の方が、試験試料群と対照群の深部体温の差が大きかった。
より具体的には、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール、9,19−シクロラノスタン−3−オール、及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールは、深部体温上昇作用を有することがわかった。
加えて、試験試料群の摂取6週から摂取12週にかけての体温の推移が−0.19℃であった一方、対照群の摂取6週から摂取12週にかけての体温の推移は−0.30℃であった。
また、シクロラノスタン化合物、ロフェノール化合物を含有した試験試料を摂取させた試験試料群に深部体温の上昇効果及び深部体温低下の予防効果が認められたことから、シクロラノスタン化合物、ロフェノール化合物を0.00001質量%以上含有した組成物にも、深部体温上昇作用及び深部体温低下の予防作用があることがわかった。
次の組成からなる深部体温上昇効果を有する医薬を、以下の方法により製造した。
製造例1で製造したロフェノール化合物と、及び製造例2で製造したシクロラノスタン化合物とを、ロフェノール化合物:シクロラノスタン化合物=1:1の割合で含有した混合物に、カルボキシメチルセルロース(CMC:第一工業製薬株式会社製)を添加し分散させて調製した前記混合物を0.001質量%含有する組成物を2質量%、中鎖脂肪酸(MCT:理研ビタミン株式会社製)2質量%、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン株式会社製)を4質量%、サポニン(丸善製薬株式会社製)を0.5質量%、エタノール(日本アルコール産業株式会社製)を0.2%、マルチトール(株式会社林原製)を1.3質量%、グリセリン(日油株式会社製)を78%、さらに水を添加して全量が100質量%、となるように混合して、ロフェノール化合物(化合物1)及びシクロラノスタン化合物(化合物2)の混合物が最終濃度で0.00002質量%含有するシロップ状の製剤を製造した。
本実施例の薬剤は、深部体温の低下により引き起こされる症状の改善に有効である。
次の組成からなる深部体温の低下に起因する症状の予防及び/又は改善効果を有する飲食品組成物を、以下の方法により製造した。
製造例1で製造したロフェノール化合物と、及び製造例2で製造したシクロラノスタン化合物とを、ロフェノール化合物:シクロラノスタン化合物=6.1:3.9で含有した混合物を4%含有し、その他に中鎖脂肪酸(MCT:理研ビタミン株式会社製)2%、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン株式会社製)4%、サポニン(丸善製薬株式会社製)0.5%、エタノール(日本アルコール産業株式会社製)0.2%、マルチトール(株式会社林原製)1.3%、グリセリン(日油株式会社製)78%、水10%を混合して、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物の混合物を含有する食品添加剤を製造した。
製造した食品添加剤を飲料に加えて均一に混合することにより、ロフェノール化合物(化合物1)及びシクロラノスタン化合物(化合物2)の混合物が最終濃度で0.00002質量%含有する飲食品組成物を製造した。
製造例3で製造した試験試料1を0.2%含有し、その他に中鎖脂肪酸(MCT:理研ビタミン株式会社製)2%、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン株式会社製)4%、サポニン(丸善製薬株式会社製)0.5%、エタノール(日本アルコール産業株式会社製)0.2%、マルチトール(株式会社林原製)1.3%、グリセリン(日油株式会社製)78%、水10%を混合して、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物の混合物を含有する飲食品組成物を製造した。
Claims (4)
- ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は2以上の化合物を有効成分とする、深部体温上昇用組成物。
- ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は2以上の化合物を0.00001質量%以上含む、請求項1に記載の深部体温上昇用組成物。
- 深部体温の低下により引き起こされる疾患の予防及び/又は改善のために用いられる、請求項1又は2に記載の深部体温上昇用組成物。
- 飲食品組成物または医薬組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の深部体温上昇用組成物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017166242 | 2017-08-30 | ||
JP2017166242 | 2017-08-30 | ||
PCT/JP2018/007813 WO2019043998A1 (ja) | 2017-08-30 | 2018-03-01 | 深部体温上昇用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019043998A1 JPWO2019043998A1 (ja) | 2020-02-27 |
JP6792715B2 true JP6792715B2 (ja) | 2020-11-25 |
Family
ID=65525223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019538940A Active JP6792715B2 (ja) | 2017-08-30 | 2018-03-01 | 深部体温上昇用組成物 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6792715B2 (ja) |
KR (1) | KR102503531B1 (ja) |
CN (1) | CN111050773A (ja) |
SG (1) | SG11202001812TA (ja) |
WO (1) | WO2019043998A1 (ja) |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5973600A (ja) * | 1982-10-19 | 1984-04-25 | Okayasu Shoten:Kk | 排卵誘発剤 |
JP2006143654A (ja) | 2004-11-19 | 2006-06-08 | Suntory Ltd | 腹部冷え症予防並びに改善剤 |
ES2719098T3 (es) * | 2008-11-19 | 2019-07-08 | Morinaga Milk Industry Co Ltd | Composiciones que comprenden un lofenol |
JP5565016B2 (ja) | 2009-04-08 | 2014-08-06 | ライオン株式会社 | 低体温改善用組成物及び冷え性改善用組成物 |
JP2011157302A (ja) * | 2010-02-01 | 2011-08-18 | Lion Corp | 深部体温正常化剤および体温正常化組成物 |
JP6064156B2 (ja) * | 2012-07-10 | 2017-01-25 | 株式会社東洋新薬 | 深部体温上昇剤 |
US20170319600A1 (en) * | 2014-11-28 | 2017-11-09 | Morinaga Milk Industry Co., Ltd. | Matrix metalloproteinase production inhibitor |
EP3225241A4 (en) * | 2014-11-28 | 2018-08-15 | Morinaga Milk Industry Co., Ltd. | Agent for preventing or improving symptoms caused by imbalance of sex hormones |
-
2018
- 2018-03-01 JP JP2019538940A patent/JP6792715B2/ja active Active
- 2018-03-01 WO PCT/JP2018/007813 patent/WO2019043998A1/ja active Application Filing
- 2018-03-01 CN CN201880055614.6A patent/CN111050773A/zh active Pending
- 2018-03-01 SG SG11202001812TA patent/SG11202001812TA/en unknown
- 2018-03-01 KR KR1020207006251A patent/KR102503531B1/ko active IP Right Grant
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR102503531B1 (ko) | 2023-02-23 |
JPWO2019043998A1 (ja) | 2020-02-27 |
WO2019043998A1 (ja) | 2019-03-07 |
SG11202001812TA (en) | 2020-03-30 |
CN111050773A (zh) | 2020-04-21 |
KR20200044826A (ko) | 2020-04-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100897492B1 (ko) | 알로에 베라 추출물, 알로에 베라 추출물의 제조방법 및고혈당 개선제 | |
JP4590491B2 (ja) | 過酸化脂質生成抑制のための医薬 | |
JP6285049B2 (ja) | 性ホルモンのバランスの乱れに起因する症状の予防又は改善剤 | |
US20070104805A1 (en) | Compositions of Hoodia Gordonii and Pinolenic Acid Derivatives | |
RU2327463C2 (ru) | Лекарственный препарат и пищевой продукт или напиток для улучшения гипергликемического состояния | |
JPWO2005094838A1 (ja) | 高血糖改善のための医薬及び飲食品 | |
RU2315770C1 (ru) | Гликозидное производное, способ его получения, композиция, средство для коррекции гипергликемии, лекарственное средство, пищевые продукты, способ коррекции гипергликемии | |
WO2006123466A1 (ja) | 膵臓機能改善のための医薬又は飲食品 | |
WO2006123465A1 (ja) | 膵臓機能改善のための医薬又は飲食品 | |
JP6792715B2 (ja) | 深部体温上昇用組成物 | |
EP2377875A1 (en) | Antioxidant | |
WO2012008317A1 (ja) | エネルギー消費促進剤 | |
US20080241292A1 (en) | Composition and method for weight loss | |
JP2019156750A (ja) | 肝炎末期の治療用又は症状改善用の組成物 | |
JP2019043863A (ja) | Ucp発現促進剤 | |
RU2481116C2 (ru) | Антиоксидант |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191021 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200811 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201012 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201027 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201106 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6792715 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |