JP6792459B2 - 保持テーブルの検査方法と検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質部材と枠体とを接着剤で貼り合わせて構成される保持テーブルにおいて、多孔質部材と枠体との接着状態を検査する検査方法及び検査装置に関する。
各種加工装置においては、チャックテーブルと呼ばれる被加工物を保持するためのテーブルを備えている。チャックテーブルは、多孔質部材と、多孔質部材を支持する枠体とを備え、枠体には多孔質部材と吸引源とを連通させる吸引通路が形成されている。例えば、被加工物がテープに貼着される場合は、チャックテーブルにおいては、多孔質部材の全面がテープによって覆われた状態として吸引を行うことにより、エアのリークを生じさせることなく、テープを介して被加工物を吸引保持することができる。
ところが、多孔質部材と枠体との接合が不十分であったりするために両者の間に上下方向の隙間が存在する場合があり、この場合は、吸引通路においてエアがリークして吸引保持性能が低下するという問題がある。そこで、チャックテーブルの吸引保持性能の良否を判定するために、種々の方法が提案されている(例えば、下記の特許文献1を参照)。
例えば、枠体と多孔質部材との間に隙間がある場合、多孔質部材をテープなどで覆って吸引を行ったときに多孔質部材が下方に引き下げられることを利用し、吸引前後の多孔質部材の高さの差を測定することにより、多孔質部材と基台との間の隙間を確認する方法がある。また、多孔質部材を叩いてそのときの音の周波数を測定する方法によって多孔質部材と基台との間の隙間を判断する方法もある。
特開2007−229889号公報
しかし、吸引前後の多孔質部材の高さの差を測定するためには、多孔質部材の上面をテープで覆ってから測定することから面倒である上、高さの差が小さい場合は、枠体に対するポーラス板の接着状態の良否を判断できないことがある。また、ポーラス板に含まれる水(湿気を含む)によって音が変化するため、音によって枠体に対するポーラス板の接着状態の良否を判断するのは困難となっている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、枠体に対するポーラス板の接着状態の良否を容易に判断できるようにすることを目的としている。
本発明は、被加工物を保持する保持面を有するポーラス板と該ポーラス板を収容する凹部を備える枠体とを接着剤で貼り合わせて構成される保持テーブルにおいて、該接着剤で該ポーラス板と該枠体とを接着した接着状態を検査する保持テーブルの検査方法であって、該枠体は、該凹部の底面に形成され吸引源に連通する吸引孔と、該吸引孔に接続され該底面に形成された吸引溝とを備え、該保持テーブルは、該吸引溝以外の該底面と該ポーラス板の下面とを該接着剤で接着され、該ポーラス板に水を供給して該保持面の全面に水層を形成する水層形成工程と、該水層形成工程を実施した後、該吸引孔とエア供給源とを連通させ該ポーラス板にエアを供給して該保持面からエアを噴出させるエア噴出工程と、該エア噴出工程で該保持面から噴出したエアの噴出状態から該枠体の該底面と該ポーラス板の下面とが該接着剤で接着されているか否かを判断する判断工程とを備える。
また、本発明は、上記保持テーブルと上記エア供給源とを連通させる連通手段と、該保持テーブルを上方から撮像する撮像手段と、該保持テーブルの保持面に水を供給する水供給手段と、該連通手段によって該保持テーブルの該保持面からエアを噴射させた瞬間を該撮像手段が撮像した撮像画とあらかじめ記憶した記憶画とを比較して、該保持面から噴出したエアの噴出状態から上記枠体の上記底面と上記ポーラス板の上記下面とが上記接着剤で接着されているか否かを判断する判断手段と、を備え、上記保持テーブルの検査方法を可能とする。
本発明は、被加工物を保持する保持面を有するポーラス板と該ポーラス板を収容する凹部を備える枠体とを接着剤で貼り合わせて構成される保持テーブルにおいて、該接着剤で該ポーラス板と該枠体とを接着した接着状態を検査する保持テーブルの検査方法であって、該枠体は、該凹部の底面に形成され吸引源に連通する吸引孔と、該吸引孔に接続され該底面に形成された吸引溝とを備え、該保持テーブルは、該吸引溝以外の該底面と該ポーラス板の下面とを該接着剤で接着され、該ポーラス板に水を供給して該保持面の全面に水層を形成する水層形成工程と、該水層形成工程を実施した後、該吸引孔とエア供給源とを連通させ該ポーラス板にエアを供給して該保持面からエアを噴出させるエア噴出工程と、該エア噴出工程で該保持面から噴出したエアの噴出状態から該枠体の該底面と該ポーラス板の下面とが該接着剤で接着されているか否かを判断する判断工程とを備えたため、保持面の全面に水層を形成してから保持面からエアを噴出させ、かかるエアの噴出状態を確認することにより、枠体に対するポーラス板の接着状態の良否を容易に判断することができる。
また、本発明は、上記保持テーブルと上記エア供給源とを連通させる連通手段と、該保持テーブルを上方から撮像する撮像手段と、該保持テーブルの保持面に水を供給する水供給手段と、該連通手段によって該保持テーブルの該保持面からエアを噴射させた瞬間を該撮像手段が撮像した撮像画とあらかじめ記憶した記憶画とを比較して、該保持面から噴出したエアの噴出状態から上記枠体の上記底面と上記ポーラス板の上記下面とが上記接着剤で接着されているか否かを判断する判断手段とを備えたため、保持面の全面に水層を形成してから保持面からエアを噴出させ、その瞬間を撮像手段によって撮像でき、例えば水層の水面上に浮き上がった泡が写し出された撮像画を取得することが可能となる。そして、判断手段によって、エアの噴出状態が写し出された撮像画と、あらかじめ記憶された記憶画とを比較するため、枠体に対するポーラス板の接着状態の良否を容易に判断することができる。
保持テーブルの構成を示す分解斜視図である。 枠体の底面に接着剤が塗布された状態を示す平面図である。 保持テーブルの構成を示す斜視図である。 検査装置の構成を示す断面図である。 水層形成工程を示す断面図である。 エア噴出工程及び判断工程を示す断面図である。 枠体にポーラス板が良好に接着された状態の保持テーブルを示す平面図である。 枠体にポーラス板が良好に接着されてない状態の保持テーブルを示す平面図である。
図1に示す保持テーブル10は、被加工物を保持する保持テーブルの一例であって、被加工物を保持する保持面11aを有するポーラス板11と、ポーラス板11を収容する凹部120を備える枠体12とを備えている。図1の例では、ポーラス板11が枠体12の凹部120に収容される前の状態を示している。ポーラス板11は、例えば円盤状に形成され、ポーラスセラミックス等の多孔質部材によって構成されている。本実施形態に示すポーラス板11の保持面11aは、例えば、被加工物と相似形に形成され、かつ、被加工物と略同一の面積を有している。
枠体12には、リング状の凸部123が形成されており、凸部123の内側の領域がポーラス板11の形状に応じて形成された凹部120となっている。枠体12の凹部120の内径は、ポーラス板11の外径よりも僅かに大きく形成され、凹部120にポーラス板11を嵌め込むことが可能となっている。
凹部120の底面120aは、ポーラス板11の下面11bを水平に固定するために、平坦面に形成されており、凹部120の底面120aの中央には、吸引源に連通可能な吸引孔121が形成されている。また、凹部120の底面120aには、吸引孔121に接続され、底面120aよりも低い位置に吸引溝122が形成されている。吸引孔121を通じて吸引溝122に負圧を発生させることで、凹部120に嵌合されたポーラス板11に吸引力を伝達し保持面11aにおいて吸引作用を発揮させることができる。なお、図示の例では、吸引孔121は、凹部120の底面120aの中央に1つのみ形成されているが、吸引孔121の数や位置は限られない。したがって、吸引孔121の数を2つ以上に増やして、底面120aの所望の位置にそれぞれ形成してもよい。
ポーラス板11を枠体12に収容する場合は、図2に示すように、底面120aのうち、吸引溝122以外の底面120aに接着剤2を塗布する(網掛けを施して図示した部分を参照)。続いて、図1に示したポーラス板11を凹部120に嵌め込んで、底面120aとポーラス板11の下面11bとを接着固定させる。このようにして、図3に示すように、ポーラス板11と枠体12とを貼り合わせて一体となった保持テーブル10が形成される。保持テーブル10は、吸引孔121を通じてポーラス板11の保持面11aに吸引力を作用させて、被加工物を吸引保持することができる。
図4に示す検査装置1は、上記した保持テーブル10の状態(接着剤2によってポーラス板11と枠体12とを接着した接着状態)の良否を検査する検査装置の一例である。検査装置1は、保持テーブル10が装着されるベース13と、保持テーブル10とエア供給源16とを連通させる連通手段20と、保持テーブル10の保持面11aに向けて水を供給する水供給手段30と、保持テーブル10の上方から撮像する撮像手段40と、連通手段20によって保持テーブル10の保持面11aからエアを噴射させた瞬間を撮像手段40が撮像した撮像画とあらかじめ記憶した記憶画とを比較して、保持面11aから噴出したエアの噴出状態から凹部120の底面120aとポーラス板11の下面11bとが接着剤2で接着されているか否かを判断する判断手段50とを備えている。
連通手段20は、ベース13の下部に接続された接続部21と、枠体12,ベース13及び接続部21の内部に形成され一端が吸引孔121に接続された流路22と、流路22の他端に接続されたバルブ23とを備えている。エア供給源16は、バルブ23を介して流路22に接続されている。連通手段20は、バルブ23を開いてエア供給源16と吸引孔121とを連通させることにより、流路22を通じてポーラス板11にエアを供給して
保持面11aからエアを噴出させることができる。また、図示の例における流路22には、バルブ15を介して吸引源14が接続され、バルブ15を開いて吸引源14と吸引孔121とを連通させることにより、保持面11aに吸引力を作用させて被加工物を吸引保持することができる。保持テーブル10には、図示しない回転手段が接続されており、保持テーブル10を鉛直方向の軸心を中心として回転させることができる。
保持テーブル10の上方側には、水を保持テーブル10の保持面11aの中央に向けて供給する水供給手段30を備えている。水供給手段30は、例えば、旋回動可能なノズル31を有しており、その先端に形成された供給口31aが保持テーブル10の保持面11a側に向いている。ノズル31には、水供給源32が接続されている。ノズル31には、図示していないが、ノズル31を水平に旋回させるモータが接続され、モータの駆動によりノズル31を保持テーブル10の上方と保持テーブル10の上方から退避した位置との間で移動させることができる。そして、保持テーブル10が回転しながら、保持テーブル10の上方側に位置づけられたノズル31の供給口31aから保持面11aに所定量の水を供給することにより、保持面11aの上に水層を形成することができる。
撮像手段40は、例えばCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサが内蔵されたカメラである。撮像手段40は、水供給手段30によって保持テーブル10の保持面11aの上に水層を形成してから連通手段20により保持面11aからエアを噴出させつつ、保持テーブル10の上方から撮像することにより、保持面11aにおけるエアの噴出状態が写し出された撮像画を撮像することができる。エアの噴出状態とは、保持面11aから噴出されるエアが水層に入り込んで泡となって水面上に浮かび上がった状態をいう。このエアの噴出状態は一瞬で消えてしまうため、撮像手段40には、少なくとも連写機能を備えていることが好ましい。かかる撮像手段40によって連写して複数の撮像画を撮像することにより、エアの噴出状態が写し出された撮像画を確実に撮像することが可能となる。撮像手段40には、判断手段50が接続されており、撮像手段40が撮像した撮像画は判断手段50に送られる。
判断手段50は、少なくとも記憶部を備えている。記憶部には、保持テーブル10の状態を検査する際に撮像手段40が撮像した撮像画のほか、保持テーブル10の状態が良好なときの記憶画も記憶されている。記憶画は、あらかじめ検査装置1を稼働させて取得したものであり、接着剤2によってポーラス板11と枠体12とが接着した接着状態が良好なとき(接着剤2が塗布された底面120aとポーラス板11の下面11bとが隙間なく接着固定されているとき)のエア噴出状態が写し出されたサンプル画像である。そして、判断手段50では、撮像画と記憶画とを比較して、保持面11aから噴出したエアの噴出状態に基づいて、凹部120の底面120aとポーラス板11の下面11bとが接着剤2で接着されているか否かを判断することができる。
このように、本発明に係る検査装置1は、保持テーブル10とエア供給源16とを連通させる連通手段20と、保持テーブル10を上方から撮像する撮像手段40と、保持テーブル10の保持面11aに水3を供給する水供給手段30と、連通手段20によって保持テーブル10の保持面11aからエアを噴射させた瞬間を撮像手段40が撮像した撮像画とあらかじめ記憶した記憶画とを比較して、保持面11aから噴出したエアの噴出状態から枠体12の底面120aとポーラス板11の下面11bとが接着剤2で接着されているか否かを判断する判断手段50とを備えたため、保持面11aの全面に水層3aを形成してから保持面11aからエアを噴出させ、その瞬間を撮像手段40によって撮像でき、例えば水層の水面上に浮き上がった泡が写し出された撮像画を取得することが可能となる。そして、判断手段50によって、エアの噴出状態が写し出された撮像画と、あらかじめ記憶された記憶画とを比較するため、枠体12に対するポーラス板11の接着状態の良否を容易に判断することができる。
次に、上記の検査装置1を用いて、接着剤2でポーラス板11と枠体12とを接着した接着状態を検査する保持テーブルの検査方法について説明する。なお、判断手段50の記憶部には、あらかじめ撮像手段40により撮像された記憶画をあらかじめ記憶させておく。
(1)水層形成工程
図5に示すように、保持テーブル10の上方側に水供給手段30を構成するノズル31を移動させる。次いで、保持テーブル10を例えば矢印A方向に回転させながら、ノズル31に連通するバルブ32aを開き、水供給源32とノズル31とを連通させノズル31の供給口31aから保持テーブル10の保持面11aの中央に向けて所定量の水3を供給する。水3としては、例えば、純水を用いる。
保持テーブル10の保持面11aに滴下された水3は、保持テーブル10の回転によって発生する遠心力により保持面11aの中心から外周側へ流れていき、水3をポーラス板11に浸み込ませるとともに保持面11aの全面にいきわたらせる。そして、水3の表面張力によって保持面11aの上に水層3aが形成される。本実施形態に示した水層形成工程は、保持テーブル10の回転により保持テーブル10の保持面11aに水層3aを形成した場合を説明したが、この場合に限られない。保持テーブル10を回転させないで水3の表面張力だけで保持面11aの全面に水3をいきわたらせて水層3aを形成してもよい。また、ノズル31から保持面11aに向けて供給する水3を保持面11aから吸引しポーラス板11に水を吸い込ませポーラス板11を水で満たしたのち水層3aを形成してもよい。さらには、図5に示すように、連通手段20側に例えば水供給源33を備え、保持テーブル10と水供給源33とを連通させるバルブ33aを備えてもよい。このバルブ33aを開いて吸引孔121と水供給源33とを連通させ、ポーラス板11の下側から水3を供給してポーラス板11を水3で満たして保持面11aから水3を湧き出させて保持面11aに水層3aを形成させてもよい。
(2)エア噴出工程
水層形成工程を実施した後、図6に示すように、バルブ23を開いて、吸引孔121とエア供給源16とを連通させ、流路22を通じてポーラス板11に向けてエアを供給する。エアは流路22を通過して吸引孔121から吸引溝122に流れ込む。そして、吸引溝122に流れ込んだエアは、保持テーブル10の保持面11aから上方に噴出され、保持面11aを覆う水層3aにエアが入り込む。
(3)判断工程
エア噴出工程において、保持テーブル10の保持面11aにおけるエアの噴出状態を、撮像手段40によって保持テーブル10を上方から撮像する。このとき、撮像手段40は、連写して撮像画を撮像して、撮像画は判断手段50に送られる。そして、判断手段50によって、撮像手段40によって撮像された撮像画と記憶部に記憶された記憶画とが比較される。
ここで、保持テーブル10が、接着剤2の塗布された底面120aとポーラス板11の下面11bとが隙間なく接着固定されている場合は、吸引溝122のみを通じて保持面11aからエアが噴出され、水層3aの水面上において、例えば、図7に示すように、瞬間的に吸引溝122の幅と同じ範囲で泡4が浮かび上がる。つまり、泡4の画像は、吸引溝122の幅に沿って瞬間的に写し出され、枠体12に接着されたポーラス板11の保持面11aの画像は、図2に示した接着剤2が塗布された部分の底面120aの形状に沿って例えば白く写し出される。このようなエアの噴出状態が写し出された撮像画が撮像された場合は、図6に示した判断手段50によって、かかる撮像画と記憶画とが一致しているものとして、ポーラス板11の下面11bが枠体12の底面120aに良好に接着されていると判断される。このようにして検査された保持テーブル10は、例えば、被加工物に研削を施す研削装置や被加工物に切削を施す切削装置などの加工装置に搭載されて使用される。
一方、保持テーブル10が、接着不良によって、接着剤2の塗布された底面120aとポーラス板11の下面11bとの間に隙間が生じている場合は、吸引溝122だけでなく底面120aと下面11bとの間の隙間からもエアが噴出され、水層3aの水面上において、例えば、図8に示すように、瞬間的に吸引溝122の幅よりも広い範囲で泡4が浮かび上がる。つまり、泡4の画像は、瞬間的に吸引溝122の幅よりも大きく写し出され、枠体12に接着されたポーラス板11の保持面11aの画像は、図2に示した接着剤2が塗布された底面120aの形状よりも小さく白く写し出される。このようなエアの噴出状態が写し出された撮像画が撮像された場合は、図6に示した判断手段50によって、かかる撮像画と記憶画とが一致していないものとして、ポーラス板11の下面11bが枠体12の底面120aに良好に接着されていないと判断される。この場合は、ポーラス板11を枠体12から取り外してから、接着剤2を介して枠体12の底面120aにポーラス板11の下面11bを再度接着固定させ、上記した保持テーブルの検査方法を再度行うとよい。
また、本実施形態に示す判断工程では、撮像画と記憶画とを比較して、吸引溝122の幅に沿って泡4が水層3aの水面上に浮かび上がっているかどうかで、ポーラス板11と底面120aとの接着状態の良否を判断しているが、撮像画に白く写し出された部分の保持面11aの面積と、あらかじめ判断手段50の記憶部に記憶された接着剤2が塗布された部分の底面120aに対応する保持面11aの面積とを比較して判断工程を実施してもよい。すなわち、撮像画に白く写し出された保持面11aの面積の値と記憶部に記憶された保持面11aの面積の値とが一致していれば、ポーラス板11の下面11bが枠体12の底面120aに良好に接着されていると判断され、撮像画に白く写し出された保持面11aの面積の値と記憶部に記憶された保持面11aの面積の値とが一致していなければ、ポーラス板11の下面11bが枠体12の底面120aに良好に接着されていないと判断される。
このように、本発明に係る保持テーブルの検査方法は、ポーラス板11に水3を供給して保持面11aの全面に水層3aを形成する水層形成工程と、吸引孔121とエア供給源16とを連通させポーラス板11にエアを供給して保持面11aからエアを噴出させるエア噴出工程と、エア噴出工程で保持面11aから噴出したエアの噴出状態から枠体12の底面120aとポーラス板11の下面11bとが接着剤2で接着されているか否かを判断する判断工程とを備えたため、保持面11aの全面に水層3aを形成してから保持面11aからエアを噴出させ、その瞬間を例えば撮像手段40によって撮像することで、水層3aの水面上に浮き上がった泡4が写し出された撮像画を取得してエアの噴出状態を確認することが可能となる。よって、枠体12に対するポーラス板11の接着状態の良否を容易に判断することができる。
また、本発明に係る保持テーブルの検査方法は、被加工物に研削を施す研削装置や被加工物に切削を施す切削装置などの加工装置に保持テーブル10が搭載されている状態で実施して、保持テーブル10を検査することができる。
1:検査装置 2:接着剤 3:水 3a:水層 4:泡
10:保持テーブル 11:ポーラス板 11a:保持面 11b:下面
12:枠体 120:凹部 120a:底面 121:吸引孔 122:吸引溝
123:凸部 13:ベース 14:吸引源 15:バルブ
16:エア供給源 20:連通手段 21:接続部 22:流路 23:バルブ
30:水供給手段 31:ノズル 31a:供給口 32,33:水供給源
40:撮像手段 50:判断手段

Claims (2)

  1. 被加工物を保持する保持面を有するポーラス板と該ポーラス板を収容する凹部を備える枠体とを接着剤で貼り合わせて構成される保持テーブルにおいて、該接着剤で該ポーラス板と該枠体とを接着した接着状態を検査する保持テーブルの検査方法であって、
    該枠体は、該凹部の底面に形成され吸引源に連通する吸引孔と、該吸引孔に接続され該底面に形成された吸引溝とを備え、該保持テーブルは、該吸引溝以外の該底面と該ポーラス板の下面とを該接着剤で接着され、
    該ポーラス板に水を供給して該保持面の全面に水層を形成する水層形成工程と、
    該水層形成工程を実施した後、該吸引孔とエア供給源とを連通させ該ポーラス板にエアを供給して該保持面からエアを噴出させるエア噴出工程と、
    該エア噴出工程で該保持面から噴出したエアの噴出状態から該枠体の該底面と該ポーラス板の下面とが該接着剤で接着されているか否かを判断する判断工程とを備える保持テーブルの検査方法。
  2. 前記保持テーブルと前記エア供給源とを連通させる連通手段と、
    該保持テーブルを上方から撮像する撮像手段と、
    該保持テーブルの保持面に水を供給する水供給手段と、
    該連通手段によって該保持テーブルの該保持面からエアを噴射させた瞬間を該撮像手段が撮像した撮像画とあらかじめ記憶した記憶画とを比較して、該保持面から噴出したエアの噴出状態から前記枠体の前記底面と前記ポーラス板の前記下面とが前記接着剤で接着されているか否かを判断する判断手段と、を備え、請求項1記載の保持テーブルの検査方法を可能とする検査装置。
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