JP6791502B2 - 住居用洗浄剤組成物 - Google Patents

住居用洗浄剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6791502B2
JP6791502B2 JP2017023291A JP2017023291A JP6791502B2 JP 6791502 B2 JP6791502 B2 JP 6791502B2 JP 2017023291 A JP2017023291 A JP 2017023291A JP 2017023291 A JP2017023291 A JP 2017023291A JP 6791502 B2 JP6791502 B2 JP 6791502B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning agent
foam
component
wiping
agent composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017023291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017145408A (ja
Inventor
和拓 木下
和拓 木下
ウーメイシュ ヤダヴ
ウーメイシュ ヤダヴ
尚毅 一柳
尚毅 一柳
瑞之 竜
瑞之 竜
善彦 平田
善彦 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saraya Co Ltd
Original Assignee
Saraya Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saraya Co Ltd filed Critical Saraya Co Ltd
Publication of JP2017145408A publication Critical patent/JP2017145408A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6791502B2 publication Critical patent/JP6791502B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)

Description

本発明は、拭き掃除を行う際に使用する住居用洗浄剤組成物に関する。また本発明は、当該住居用洗浄剤組成物を、トリガー式スプイヤー等の泡吐出部を有する容器に充填してなる泡吐出式住居用洗浄剤に関する。
キッチン周りや食卓の拭き掃除は、調理や食事の前後で行われる。拭き掃除は、布巾などを用いて空拭きや水拭きのみで済ますことが多い。しかし空拭きや水拭きのみでは、汚れの除去が不十分で拭きあとが残る、あるいは拭き取り後の硬質表面に残留する水分の乾燥が遅く拭きあとが残るといった短所がある。そこで、これら問題を解決するためにキッチン周りや食卓の拭き掃除専用洗浄剤が考案されている。
前記のような専用洗浄剤は、重曹などの炭酸塩を含有する洗浄剤組成物と界面活性剤を含有する洗浄剤組成物の2つに大別できるが、これらは空拭きや水拭きのみと比べて汚れの除去の向上が期待される一方、以下に示す課題がある。
炭酸塩などの無機塩を含有する洗浄剤組成物は、拭き取り対象となる硬質表面にトリガー式スプレイヤーを用いて吐出して使用される場合が多いが、吐出した洗浄剤組成物は液体状のまま吹き付けた硬質表面に向けて飛散し、液だれが発生するという課題がある。これは炭酸塩などの無機塩を含有する洗浄剤組成物ではスプレイヤーで吹き付けた場合に泡が形成されないからである。また、硬質表面に飛散した洗浄剤組成物の濡れ広がり性が悪く、拭き取りに時間を要することに加え、拭き取りが不十分であると、炭酸塩などの無機塩の残留による拭きあとが残ることも課題である。
一方、界面活性剤を含有する洗浄剤組成物は、拭き取り対象となる硬質表面にトリガー式スプレイヤーを用いて吐出して使用した場合、上記無機塩を含有する洗浄剤組成物とは異なり、泡状に吐出することで、汚れに直接洗浄剤組成物を作用させることができる利点を持つ。しかし、配合する界面活性剤濃度が低い場合には、十分な泡立ちが得られず、上記無機塩を含有する洗浄剤組成物と同様に汚れ以外の部分への洗浄剤組成物の広がりや濡れ広がり性が悪く、拭き取りに時間を要する。また、配合する界面活性剤濃度が高い場合には、十分な泡立ちが得られる一方で、拭き取り時に泡が消えにくく、泡の拭き取りに時間を要する。さらに、界面活性剤の残留による拭きあとが残りやすく、二度拭きが必要となるため、毎日の拭き掃除に使用するには手間がかかり面倒である。
このような課題を解決する方法として、特許文献1には、カルボキシベタイン型両性界面活性剤、特定のアルカリ剤及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを特定の割合で配合して調製することで、トリガー式スプレイヤーの使用において泡立ち及びキッチン周りの変性汚れ落ち洗浄力に優れ、拭きあと残り性、材質安全性に優れたマルチパーパス用洗浄剤組成物が得られることが記載されている。また特許文献2には、特定の界面活性剤(アミンオキシド型界面活性剤、グリコシド型界面活性剤)、4級アンモニウム塩、特定のアルカノールアミン、特定のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、特定のアルカノールを特定の割合で配合して調製することで、泡質がよく、拭き取り性に優れた硬質表面用洗浄剤組成物が得られることが記載されている。さらに特許文献3の実施例2には、アミンオキシド型界面活性剤とアルキルグリコシド型非イオン界面活性剤を含む界面活性剤水溶液にエタノールを配合することで、界面活性剤の濃度が低いにもかかわらず、起泡性が向上するとともにスムーズに拭き取れるといった拭き取り作業性が良好な洗浄剤組成物が得られることが記載されている。
特開2005-171196号公報 特開2012-121959号公報 特開2004-107655号公報
特許文献1や特許文献2に開示されている洗浄剤組成物は、泡の安定性向上のために界面活性剤濃度を高めた場合、泡が消えにくく拭き取りに時間を要し、また拭き残りが生じる懸念もある。拭き取り時に泡が消えやすくするためにグリコール系溶剤の配合量を増やすことが考えられるが、アミン臭や溶剤臭が強くなる懸念があり、臭いのマスキングを同時に検討する必要がある。さらに、キッチン周りや食卓での利用では、食品等への臭いや安全性の点から、有機溶剤を含まないことが望まれる。特許文献3で開示されている洗浄剤組成物は、溶剤臭の低減が考慮されており、食品等に付着しても安心な処方となっているが、起泡性及び泡の安定性の向上を主な効果とするものであり、泡の拭き取り性(泡除去性)や拭き残りに関して十分に検討されていない。従って、引用文献1〜3には、泡の安定性が良好で、かつ、拭き取り性がよい洗浄剤組成物は開示されていない。
本発明は、キッチン周りや食卓の拭き掃除に適した、環境および人に対して安心して使用できる安全な住居用洗浄剤組成物であって、起泡性、硬質表面での泡安定性、及び汚れ除去性が良好な住居用洗浄剤組成物を提供することを課題とする。また本発明は、上記特性に加えて、泡の拭き取りが比較的簡単にできる住居用洗浄剤組成物を提供することを課題とする。さらに本発明は、上記の特性に加えて、拭きあと残りが少なく、二度拭きしなくても済む住居用洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ソホロースリピッド、アルギニン等の塩基性アミノ酸化合物、及び所定の低級アルコールを、それぞれ特定の割合で併用することで、上記課題を解決しえる住居用洗浄剤組成物が調製できることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成した発明であり、下記の実施形態を有するものである。
(I)住居用洗浄剤組成物
(I−1)(a)ソホロースリピッドを0.5〜7質量%、及び
(b)アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物を0.1〜5質量%、及び
(c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを3〜10質量%
含有する住居用洗浄剤組成物。
(I−2)pHが8〜13である、(I−1)に記載する住居用洗浄剤組成物。
(I−3)(a)成分1モルに対する(b)成分のモル比が0.1〜20である(I−1)または(I−2)に記載する住居用洗浄剤組成物。
(I−4)前記(a)成分が、酸型ソホロースリピッドである、(I−1)乃至(I−3)のいずれかに記載する住居用洗浄剤組成物。
(I−5)前記(b)成分が、アルギニンまたはその塩である(I−1)乃至(I−4)のいずれかに記載する住居用洗浄剤組成物。
(II)住居用洗浄剤
(II-1)(I−1)乃至(I−5)のいずれかに記載する住居用洗浄剤組成物を泡吐出機構を備えた容器に充填してなる泡吐出式住居用洗浄剤。
(II−2)泡吐出機構を備えた容器が、トリガー式スプイヤーである(II−1)に記載する泡吐出式住居用洗浄剤。
(III)泡安定性向上方法
(III−1)(a)ソホロースリピッド、(b)アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物、及び(c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを、
(a)成分の最終濃度が0.5〜7質量%、(b)成分の最終濃度が0.1〜5質量%、(c)成分の最終濃度が3〜10質量%となるように配合して、洗浄剤組成物を調製する工程を有する、洗浄剤組成物の泡安定性向上方法。
(III−2)洗浄剤組成物のpHが8〜13となるように調整する工程を有する、(III−1)に記載する方法。
(III−3)(a)成分1モルに対する(b)成分のモル比が0.1〜20となるように調整する工程を有する、(III−1)または(III−2)に記載する泡安定性向上方法。
(III−4)前記(a)成分が、酸型ソホロースリピッドである、(III−1)乃至(III−3)のいずれかに記載する泡安定性向上方法。
(III−5)前記(b)成分が、アルギニンまたはその塩である(III−1)乃至(III−4)のいずれかに記載する泡安定性向上方法。
(III−6)さらに調製した洗浄剤組成物を泡吐出機構を備えた容器に充填し、当該容器から吐出させる工程を有する、(III−1)〜(III−5)のいずれかに記載する泡安定性向上方法。
(IV)泡拭きとり性向上方法(拭き取りによる泡除去性向上方法)
(IV−1)泡吐出機構を備えた容器から吐出される泡状洗浄剤組成物の泡拭きとり性向上方法であって、
当該洗浄剤組成物を、(a)ソホロースリピッド、(b)アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物、及び(c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを用いて、(a)成分の最終濃度が0.5〜7質量%、(b)成分の最終濃度が0.1〜5質量%、(c)成分の最終濃度が3〜10質量%となるように配合して調製することを特徴とする、上記方法。
(IV−2)上記洗浄剤組成物を、そのpHが8〜13となるように調整することを特徴とする、(IV−1)に記載する方法。
(IV−3)上記洗浄剤組成物を、(a)成分1モルに対する(b)成分のモル比が0.1〜20となるように調製する、(IV−1)または(IV−2)に記載する方法。
(IV−4)前記(a)成分が酸型ソホロースリピッドである、(IV−1)乃至(IV−3)のいずれかに記載する方法。
(IV−5)前記(b)成分がアルギニンまたはその塩である(IV−1)乃至(IV−4)のいずれかに記載する方法。
(V)拭きあと残り低減方法
(V−1)洗浄剤組成物の拭きあと残り低減方法であって、
当該洗浄剤組成物を、(a)ソホロースリピッド、(b)アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物、及び(c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを用いて、(a)成分の最終濃度が0.5〜7質量%、(b)成分の最終濃度が0.1〜5質量%、(c)成分の最終濃度が3〜10質量%となるように配合して調製することを特徴とする、上記方法。
(V−2)上記洗浄剤組成物を、そのpHが8〜13となるように調整することを特徴とする、(V−1)に記載する方法。
(V−3)上記洗浄剤組成物を、(a)成分1モルに対する(b)成分のモル比が0.1〜20となるように調製する、(V−1)または(V−2)に記載する方法。
(V−4)前記(a)成分が酸型ソホロースリピッドである、(V−1)乃至(V−3)のいずれかに記載する方法。
(V−5)前記(b)成分がアルギニンまたはその塩である(V−1)乃至(V−4)のいずれかに記載する方法。
本発明によれば、特にトリガー式スプレイヤー等の泡吐出機構を備えた吐出部を有する容器に充填し、泡状で吐出させて使用する住居用洗浄剤に関して、環境や人に対する安全性が高く、かつスプレー吐出時に泡立ちがよく、硬質表面での泡安定性(泡持続性、泡付着性)、及び汚れ除去性が良好な住居用洗浄剤組成物を提供することができる。また本発明によれば、硬質表面上の泡を、少ない拭きとり回数で簡単に拭き取ることができる住居用洗浄剤組成物を提供することができる。さらに本発明によれば、拭きあと残りが少なく、二度拭きしなくても済む住居用洗浄剤組成物を提供することができる。
別の観点からいえば、本発明によれば、ソホロースリピッドの新規用法を提案することができる。具体的には、本発明によれば、住居用洗浄剤組成物に、ソホロースリピッドに加えて、(b)アルギニン等の塩基性アミノ酸化合物、及び(c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを特定の割合で配合することで、ソホロースリピッドの低起泡性を補って起泡性を高め、また泡の安定性(泡持続性、泡付着性)を向上させることができる。
一般的に、ソホロースリピッド以外の界面活性剤では、拭き取り時に泡が消えにくく、また界面活性剤の残留による拭きあとが残りやすいという問題がある。これに対して、界面活性剤としてソホロースリピッドを用い、これを上記(b)成分と(c)成分と組み合わせることで、泡の拭き取りが簡単に行え、また拭きあと残りが少ないという特徴を有する住居用洗浄剤組成物を提供することができる。このため、本発明の住居用洗浄剤組成物によれば、二度拭きをする必要がなく、簡単且つ短時間で効率的に拭き掃除をすることができる。
(I)住居用洗浄剤組成物
本発明の住居用洗浄剤組成物は、有効成分として(a)ソホロースリピッド、及び(b)アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物、及び(c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを含有することを特徴とする。以下、これらの成分について説明する。
<(a)成分>
本発明の住居用洗浄剤組成物で用いる(a)成分のソホロースリピッドは、ソホロースまたはヒドロキシル基が一部アセチル化したソホロースと、ヒドロキシル脂肪酸とからなる糖脂質である。なお、ソホロースとは、β1→2結合とした2分子のブドウ糖からなる糖である。ヒドロキシル脂肪酸とは、ヒドロキシル基を有する脂肪酸である。
ソホロースリピッドは、下記式1で表されるヒドロキシル脂肪酸のカルボキシル基が遊離した酸型ソホロースリピッドと、下記式2で表される、分子内のソホロースが結合したラクトン型ソホロースリピッドとに大別される。
Figure 0006791502
Figure 0006791502
上記式中、R0は、水素原子またはメチル基のいずれかである。R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子またはアセチル基である。R3は、飽和脂肪族炭化水素または二重結合を少なくとも1個有する不飽和脂肪族炭化水素から構成される。ここで脂肪族炭化水素の炭素数は通常11〜20であり、好ましくは13〜17、より好ましくは14〜16である。
本明細書において「ソホロースリピッド」とは、酸型ソホロースリピッドとラクトン型ソホロースリピッドとを区別することなく示したものである。この場合、酸型ソホロースリピッドであっても、またラクトン型ソホロースリピッドであってもよく、また両者が混在する状態で含むものであってもよい。いずれか一方のみを指す場合には、「酸型ソホロースリピッド」または「ラクトン型ソホロースリピッド」と称する。なお、酸型ソホロースリピッド及びラクトン型ソホロースリピッドは、上記式において、R0〜R3が特定の原子または置換基からなる単一化合物であってもよいし、またさまざまなR0〜R3を有する複数化合物の混合物(組成物)であってよい。
ソホロースリピッドは、具体的には、微生物、特に酵母の培養によって得られる。
酵母の発酵によって得られるソホロースリピッドには、上記の酸型ソホロースリピッドおよびラクトン型ソホロースリピッドのいずれもが含まれる。
ソホロースリピッド産生酵母としては、例えば、Starmerella(Candida) bombicola、C. apicola、C. petrophilum、Rhodotorula(Candida) bogoriensisなどを挙げることができる。ソホロースリピッドは、これらの酵母を、高濃度の糖と油性基質を含む培地を用いて培養することで、当該培地中にソホロースリピッドを多量(100〜150g/L)に産生させて蓄積させることができる。ソホロースリピッドは、この培養物を、遠心分離、デカンテーション、酢酸エチル抽出などの精製処理工程に供することで分離することができ、さらにヘキサンで洗浄することにより、茶褐色、飴状物質として得られる。ソホロースリピッドは水より比重が大きいため、培養終了後、培養物を静置することで下層に沈降分離し、容易に取り出すことができる。こうして得られるソホロースリピッドは、水を約50質量%の割合で含むソホロースリピッド含水物である。また当該ソホロースリピッドは、上記するように、式1または2で示される複数の化合物の混合物であり、これらは酸型ソホロースリピッドとラクトン型ソホロースリピッドとに大別される。
本発明において(a)成分は、酸型ソホロースリピッド及びラクトン型ソホロースリピッドの別を問わず、また両者の混合物であってもよいが、泡安定性の点から好ましくは酸型ソホロースリピッドである。
酸型ソホロースリピッドは、上記方法で得られる酸型ソホロースリピッドとラクトン型ソホロースリピッドとの混合物をアルカリ処理して、ラクトン型ソホロースリピッド中のエステル結合を加水分解することによって調製することができる。アルカリ処理としては、例えばアルカリ還流法を挙げることができるが、当該方法に限られず、公知のアルカリ処理方法を用いることができる。なお、酸型ソホロースリピッドは、簡便には商業的に入手することができ、例えばサラヤ株式会社から「SOFORO(登録商標)AC-30」という商品名で販売されている。
住居用洗浄剤組成物における(a)成分の含有量は、住居用洗浄剤組成物全量100質量%あたり0.5〜7重量%である。好ましくは0.5〜5重量%であり、より好ましくは0.5〜3重量%である。(a)成分の含有量をこの範囲にすることで、スプレー吐出時に十分な泡立ちが得られ、硬質表面上での泡安定性(泡持続性、泡付着性)、及び汚れ除去性に優れた住居用洗浄剤組成物を得ることができる。また泡の拭き取り性が良好で、しかも拭きあと残りの少ない住居用洗浄剤組成物を得ることができる。
<(b)成分>本発明で用いる(b)成分は、アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物である。本発明の住居用洗浄剤組成物はキッチン周りや食卓で用いることから、環境や人に対して安心、安全なものが好ましく、(b)成分である塩基性アミノ酸化合物も当該特性を有するものである。
アルギニンの類縁化合物としては、上記特性を有するアルギニンのエステル、アルギニン若しくはアルギニンエステルの塩、及びそれらの水和物を挙げることができる。またアルギニンの類縁化合物には、アルギニンと構造が類似する塩基性アミノ酸化合物であるカナバニン、並びにカナバニンのエステル、カナバニン若しくはカナバニンエステルの塩、及びそれらの水和物を挙げることができる。
アルギニンまたはカナバニンのエステルとしては、アルギニンまたはカナバニンのアルキルエステル、特にメチルエステルを挙げることができる。またアルギニン若しくはそのエステルの塩、またはカナバニン若しくはそのエステルの塩としては、無機酸または有機酸との塩を挙げることができる。好ましくは無機酸との塩である。具体的には塩酸塩及び硫酸塩を挙げることができる。特にアルギニンの塩としてはアルギニン塩酸塩を、カナバニンの塩としてはカナバニン硫酸塩を例示することができる。
なお、アルギニンやカナバニンは、L型及びD型のいずれの光学異性体であってもよく、また両者を含むラセミ体(DL体)であってもよい。好ましくは天然に存在するL型のアミノ酸化合物である。
(b)成分として好ましくはアルギニン、その塩、またはそれらの水和物であり、アルギニンの塩としては、アルギニン塩酸塩を挙げることができる。
本発明の住居用洗浄剤組成物における(b)成分の含有量は、住居用洗浄剤組成物全量100質量%あたり、0.1〜5質量%である。好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%である。前述する(a)成分の含有量に加えて、(b)成分の含有量をこの範囲にすることで、スプレー吐出時に十分な泡立ちが得られ、硬質表面上での泡安定性(泡持続性、泡付着性)、及び汚れ除去性に優れた住居用洗浄剤組成物を得ることができる。また泡の拭き取り性が良好で、しかも拭きあと残りの少ない住居用洗浄剤組成物を得ることができる。
さらに、本発明の住居用洗浄剤組成物は、好ましくは(a)成分1モルに対する(b)成分のモル比が0.1〜20であるものである。当該モル比として、より好ましくは0.3〜18であり、特に好ましくは0.6〜15である。
<(c)成分>
本発明で用いる(c)成分は、炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールである。本発明の住居用洗浄剤組成物はキッチン周りや食卓で用いることから、環境や人に対して安心、安全なものが好ましく、(c)成分であるアルコールも当該特性を有するものである。
本願発明が対象とするアルコールには、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、及び1−ヘプタノール等の第1級アルコール;2−プロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、及び2−ヘプタノール等の第2級アルコールが含まれる。これらのアルコールは、炭素原子に結合している水酸基の数が1であるため一価アルコールに該当する。また本願発明が対象とするアルコールには、炭素原子に結合している水酸基の数が2である二価アルコールも含まれる。かかる二価アルコールしては、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオールなどの第1級アルコール、並びにブチレングリコール、プロピオングリコールなどの第2級アルコールを例示することができる。
(c)成分として、好ましくはエタノールで代表される一価の第1級アルコール、2−プロパノールで代表される一価の第2級アルコール、ジプロピレングリコールで代表される二価の第1級アルコール、及びブチレングリコールで代表される二価の第2級アルコールを挙げることができる。
本発明の住居用洗浄剤組成物における(c)成分の含有量は、住居用洗浄剤組成物全量100質量%あたり、3〜10質量%である。好ましくは4〜10質量%であり、より好ましくは5〜10質量%である。前述する(a)成分及び(b)の含有量に加えて、(c)成分の含有量をこの範囲にすることで、スプレー吐出時に十分な泡立ちが得られ、硬質表面上での泡安定性(泡持続性、泡付着性)、及び汚れ除去性に優れた住居用洗浄剤組成物を得ることができる。また泡の拭き取り性が良好で、しかも拭きあと残りの少ない住居用洗浄剤組成物を得ることができる。
<その他の成分>
本発明の住居用洗浄剤組成物は、起泡性、及び硬質表面上での泡の安定性の点からpHが8〜14になるように調整されていることが好ましい。より好ましくはpH8〜13の範囲である。かかるpH範囲に調整するためには、通常pH調整剤が使用され、本発明の住居用洗浄剤組成物には、上記(a)成分、(b)成分及び(c)成分のほか、上記pH範囲に調整するためのpH調整剤を配合することができる。
pH調整剤としては、酸やアルカリ金属塩を挙げることができる。具体的には、酸としては、クエン酸、リンゴ酸、またはコハク酸などの有機酸;硫酸、または塩酸などの無機酸を挙げることができる。アルカリ金属塩としては、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ金属塩の水酸化物、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩の炭酸塩が挙げられる。
また、本発明の住居用洗浄剤組成物は、その他、本発明の効果を損なわない範囲で、目的や用途に応じて、抗菌剤、除菌剤、汚れ付着防止剤、防曇剤、拭き取り性向上剤、防腐剤、ハイドロトロープ剤、ソホロースリピッド以外の界面活性剤、色素、または香料等を任意成分として配合することができる。
これら任意成分として用いられる化合物は、本発明の効果を損なわないことを限度として、通常洗浄剤に使用されるものであればよく、特に限定されるものではない。
例えば、ソホロースリピッド以外の界面活性剤として糖脂質系の界面活性剤を挙げることができる。好ましくはアルキルグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の糖脂質系界面活性剤であり、より好ましくはアルキルポリルコシドである。これらの糖脂質系界面活性剤をソホロースリピッドに併用することで、本発明の作用効果を損なわずに、洗浄力の向上、または処方安定性の向上を期待することができる。
例えば香料は、原料臭のマスキングや嗜好性の向上のために、単独の香料成分や複数の香料成分を含有した組成物として用いることもできる。具体例としては、アルコール系、アルデヒド系、エーテル系、エステル系、ケトン系、ラクトン系といった合成香料及び植物からの天然香料を含有することができる。
本発明の住居用洗浄剤組成物は、前述する(a)成分、(b)成分、及び(c)成分、並びにその他の任意成分を水に溶解させた水性組成物であり、これを後述する発泡機能を有する容器に充填して、泡状に吐出して使用することができる。このため、水は(a)成分、(b)成分、及び(c)成分、並びにその他の任意成分の残部として配合される。住居用洗浄剤組成物に占める水の割合は、通常75質量%以上である。好ましくは80〜95質量%、より好ましくは85〜92質量%である。水は特に制限されることなく、精製水、蒸留水、イオン交換水、または水道水等を用いることができる。
(II)泡吐出式住居用洗浄剤
本発明の上記構成の住居用洗浄剤組成物は、泡吐出機構を備えた容器に充填することで泡吐出式住居用洗浄剤として調製し、提供することができる。泡吐出機構とは、水性組成物である住居用洗浄剤組成物を容器から吐出する際に空気を取り込むことにより泡を形成する機構を意味し、本発明を泡立てるために容器、好ましくは容器の吐出部が有する吐出手段である。かかる泡吐出機構を備えた容器としては、泡吐出機構を吐出部に有するトリガー式やエアゾール式等のスプレイヤー、スクイズフォーマー容器、またはポンプ容器を挙げることができる。特に好ましくはトリガー式スプレイヤーである。なお、スプレイヤー容器、スクイズフォーマー容器、及びポンプ容器は汎用のものであれば特に限定されず、各構造のものが使用できる。
本発明の泡吐出式住居用洗浄剤は、コンロや流し等のキッチン周り、及び食卓等の台所に配置された家具や椅子などの硬質表面はもちろん、居間、部屋、浴室、トイレなどの居住空間に配置された家具、椅子、家電、壁、床、その他種々の硬質表面の拭き掃除における洗浄剤として好適に利用できる。当該泡吐出式住居用洗浄剤を用いた拭き取り掃除は、制限されないものの、対象の硬質表面に、内容物である洗浄剤組成物を泡状に吐出させて、必要に応じて数秒から数分間放置した後、付着した泡を拭き取ることで実施することができる。ここで泡の拭き取りに使用する用具としては、布巾やタオルなどの布または不織布、ティッシュペーパーやキッチンタオルなどの紙製品を挙げることができる。これらの用具は、乾燥しているものが好ましいが、水で濡れていても、硬く絞ったものであればよい。
本発明の泡吐出式住居用洗浄剤は、起泡性及び泡安定性が良好であるため、硬質表面に泡立った状態で安定に付着させることができ、またその後の軽い拭き取り操作で、きれいに拭き取ることができ、しかも跡残りが少ないため、別途、水拭きや二度拭きなどの作業をする必要がない。
(III)泡安定性向上方法
本発明は、洗浄剤組成物について泡安定性を向上させる方法を提供する。本明細書において、泡安定性とは、洗浄剤組成物を泡吐出機構を備えた容器から吐出させることで生じさせた気泡を長く維持するだけでなく(泡の持続性)、硬質表面への付着性を高める(泡付着性)ことを意味する。当該泡安定性は、後述する実験例1に記載する方法により評価することができる。
当該方法は、(a)ソホロースリピッド、(b)アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物、及び(c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを、(a)成分の最終濃度が0.5〜7質量%、(b)成分の最終濃度が0.1〜5質量%、(c)成分の最終濃度が3〜10質量%となるように配合して、洗浄剤組成物を調製することで実現することができる。ここで洗浄剤組成物はpH8以上に調整することが好ましく、より好ましくはpH8〜13である。また洗浄剤組成物は、(a)成分1モルに対する(b)成分のモル比が0.1〜20となるように調製することが好ましい。
本発明の泡安定性向上方法において、上記(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の種類やその配合割合は、上記(I)の項で説明した通りであり、当該項の記載をここに援用することができる。また(a)成分、(b)成分、及び(c)成分以外の任意成分、並びに水の配合量なども、上記(I)の項で説明した通りであり、当該項の記載をここに援用することができる。
(IV)泡拭きとり性向上
本発明は、泡吐出機構を備えた容器から吐出される泡状洗浄剤組成物の泡拭きとり性向上方法を提供する。泡の拭き取り性は、泡を拭き取る回数で評価することができ、拭き取り性が良好とは、泡をより少ない回数でふき取れることを意味する(簡単に泡が拭き取れる)。当該泡拭き取り向上性は、後述する実験例1に記載する方法により評価することができる。
当該方法は、当該洗浄剤組成物を、(a)ソホロースリピッド、(b)アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物、及び(c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを用いて、(a)成分の最終濃度が0.5〜7質量%、(b)成分の最終濃度が0.1〜5質量%、(c)成分の最終濃度が3〜10質量%となるように配合して調製することで実現することができる。ここで洗浄剤組成物はpH8以上に調整することが好ましく、より好ましくはpH8〜13である。また洗浄剤組成物は、(a)成分1モルに対する(b)成分のモル比が0.1〜20となるように調製することが好ましい。
本発明の泡拭きとり性向上方法において、上記(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の種類やその配合割合は、上記(I)の項で説明した通りであり、当該項の記載をここに援用することができる。また(a)成分、(b)成分、及び(c)成分以外の任意成分、並びに水の配合量なども、上記(I)の項で説明した通りであり、当該項の記載をここに援用することができる。
(V)拭きあと残り低減方法
本発明は、洗浄剤組成物の拭きあと残りを低減する方法を提供する。洗浄剤組成物の泡拭きあと残りは、ステンレスなどの硬質表面に洗浄剤組成物を塗布後、それを布または不織布などで拭き取った場合に残る洗浄剤組成物の残留跡を意味し、当該残留跡が全くみられないまたはほとんどない場合に、それが低減されたと判断することができる。当該拭きあと残り低減性は、後述する実験例1に記載する方法により評価することができる。
当該方法は、当該洗浄剤組成物を、(a)ソホロースリピッド、(b)アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物、及び(c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを用いて、(a)成分の最終濃度が0.5〜7質量%、(b)成分の最終濃度が0.1〜5質量%、(c)成分の最終濃度が3〜10質量%となるように配合して調製することで実現することができる。ここで洗浄剤組成物はpH8以上に調整することが好ましく、より好ましくはpH8〜13である。また洗浄剤組成物は、(a)成分1モルに対する(b)成分のモル比が0.1〜20となるように調製することが好ましい。
本発明の拭きあと残り低減方法において、上記(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の種類やその配合割合は、上記(I)の項で説明した通りであり、当該項の記載をここに援用することができる。また(a)成分、(b)成分、及び(c)成分以外の任意成分、並びに水の配合量なども、上記(I)の項で説明した通りであり、当該項の記載をここに援用することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。但し、組成物においては、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を加えることが可能であるため、本発明はこれらの具体例によって限定されるものではない。
実験例1
各種組成からなる洗浄剤組成物(pH8〜13)(実施例1〜15、比較例1〜11)を用いて、起泡性、泡の安定性、拭き取り性、拭きあと残り、及び汚れの除去力を評価した。
(1)洗浄剤組成物の調製
表1及び2にそれぞれ記載する処方に従って各種の洗浄剤組成物を調製した。具体的には、表1及び2に記載する蒸留水以外の各成分を混合し、これを蒸留水で希釈後、pH調整剤(クエン酸)を用いて各表に記載するpHになるように調整した後、最後に蒸留水で100質量%になるようにメスアップして、各種の洗浄剤組成物(実施例1〜15、比較例1〜11)を得た。
これを1ストロークあたりの吐出量が0.8mLであるトリガー式スプレイヤー(ライフプラテック製のトリガースプレー泡タイプ[容量300mL]:TS-01F、直圧式)に100mL充填して、下記の実験に供した。但し、「拭きあと残り」と「汚れ除去性」の評価については、調製した液状の洗浄剤組成物を用いて評価した。
Figure 0006791502
Figure 0006791502
なお、表1及び2に記載する洗浄剤組成物の各配合成分は下記の通りである。
1)ソホロースリピッド:酸型ソホロースリピッド(SOFORO[登録商標] AC-30、サラヤ株式会社製)
2)アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム:テイカポールNE1230(テイカ株式会社)
3)ポリオキシエチレンアルキルエーテル:ブラウノンEL1509(青木油脂工業株式会社)
4)アルギニン:L-アルギニン(協和発酵工業株式会社)
5)アルギニン塩酸塩:L(+)-アルギニン塩酸塩(関東化学株式会社)
6)トリエタノールアミン:トリエタノールアミン(日本触媒化学工業株式会社)
7)炭酸水素ナトリウム:炭酸水素ナトリウム(旭硝子株式会社)
8)エタノール:95度1級無変性エタノール(日本アルコール販売株式会社)
9)クエン酸:精製クエン酸ハイグレード(無水)(扶桑化学工業株式会社)。
(2)実験方法
下記の実験はいずれも品温25℃の洗浄剤組成物を用いて室温(25℃)条件で実施した。
(2−1)起泡性および泡の安定性
下記の方法により、各洗浄剤組成物(実施例1〜15、比較例1〜11)の起泡性及び泡の安定性を評価した。ここで泡の安定性には、硬質表面上での泡の持続性と泡の付着安定性の両方が含まれる。
具体的には、表面が平滑なステンレス製の板(SUS304、300mm×230mm)を水平面から30度の傾斜で固定し、当該板の下端から30cmの位置に、板と垂直の方向に5cm離れたところから当該板にめがけて、トリガー式スプレイヤーに充填した各洗浄剤組成物を1回スプレー吐出した。
起泡性は、トリガー式スプレイヤーを用いて吐出した直後の泡の状態を目視で評価した。
<起泡性の評価基準>
○:泡が形成した。
×:泡が形成されなかった。
泡の安定性は、板の上に泡が付着してから、泡が残った状態で流れ落ちて板の下端に到達するまでに要する時間(秒)(泡が30度傾斜の平滑表面板上を30cm移動するのに要する時間(秒))を計測し、下記の基準に基づいて評価した。なお、板の下端に到達する前に、泡が消失した場合は、消失した時点の時間を計測時間とした。計測時間が長いほど安定性が高い泡であることを意味する。
<泡の安定性評価基準>
◎:計測時間80秒以上
○:計測時間60秒以上80秒未満
×:計測時間60秒未満
(2−2)泡の拭き取り性(拭き取りによる泡除去性)
下記の方法により、各洗浄剤組成物(実施例1〜15、比較例1〜11)について泡の拭き取り性を評価した。具体的には、表面が平滑なステンレス板(SUS304、300mm×230mm)を水平に固定し、この上にトリガー式スプレイヤーに充填した各洗浄剤組成物を1回スプレー吐出し、その上にスポンジ(板に接する面の大きさ:7.5cm×3.6cm)を乗せ、上下(縦方向)30cmの範囲を一定の速さで動かして、スポンジがあたる部分の泡が消えるまでの往復回数を計測し、以下の評価基準に基づき泡の拭き取り性(拭き取りによる泡除去性)を評価した。泡が消えるまでの回数が少ないほど拭き取り性が良好であることを示す。
<拭き取り性評価基準>
◎:5回以下
○:10回以下6回以上
×:11回以上
(2−3)拭きあと残り性
下記の方法により、各洗浄剤組成物(実施例1〜15、比較例1〜11)について拭きあと残り性を評価した。具体的には、表面が平滑なステンレス板(SUS304、300mm×230mm)を水平面から30度の傾斜で固定し、その表面上に、各洗浄剤組成物(液状物)0.5mlを滴下した試験布をのせ30gの荷重で1往復(拭く範囲、200mm×35mm)させた。なお、試験布としてレーヨン、ポリエステル製のカウンタークロス(商品名カウンタークロスS2U、株式会社橋本クロス:75mm×35mm)を4枚重ねて乾いた状態で用いた。1往復後のステンレス板表面の乾燥後の拭きあとを目視で観察し、下記基準により評価した。なお、目視観察は、照明の下でステンレス板を斜めにして拭きあとの有無を確認することで行った。
<拭きあと残り評価基準>
◎:拭きあと残りが全くみられない
○:拭きあと残りがほとんどない
×:拭きあと残りが非常に多い
(2−4)汚れ除去性
下記の方法により、各洗浄剤組成物(実施例1〜15、比較例1〜11)について汚れ除去性を評価した。具体的には、表面が平滑なステンレス板(SUS304、300mm×230mm)を水平面から30度の傾斜で固定し、当該板の下端から30cmの位置に、オリーブ油に最終濃度が0.02質量%になるように蛍光色素(Nikkafluor SB conc:日化株式会社)を添加して着色したもの(擬汚垢物)を10μl滴下した。その上に、各洗浄剤組成物(液状物)0.5mlを滴下した試験布をのせ、30gの荷重で1往復(拭く範囲、200mm×35mm)させた。なお、試験布として、上記と同様にレーヨン、ポリエステル製のカウンタークロス(商品名カウンタークロスS2U、株式会社橋本クロス:75mm×35mm)を4枚重ねて乾いた状態で用いた。1往復後のステンレス板表面の擬汚垢物の残留程度を汚れ除去の指標として、目視により下記基準に従って汚れ除去性を評価した。
<汚れの除去評価基準>
○:擬汚垢物の残留がほとんどない
×:擬汚垢物の残留が非常に多い
(3)実験結果
上記の実験結果を、表1および表2に合わせて記載する。
表1に記載する結果より、本発明の洗浄剤組成物(実施例1〜15)はいずれも起泡性、泡の安定性(泡の持続性と付着安定性)、及び汚れ除去性が良好であり、また泡の拭き取り性(拭き取りによる消泡性)が良好で、拭きあと残りがないか、極めて少ないため、二度拭きという面倒な作業を必要としない組成物であることが明らかとなった。
一方、表2の結果から、アルギニン及びアルギニン類縁化合物(アルギニン類)のいずれも含まない洗浄剤組成物(比較例1、8)は起泡性及び泡安定性が悪く、アルギニン類に代えて塩基性成分としてトリエタノールアミンを配合した洗浄剤組成物(比較例7)は起泡性及び泡安定性は改善するものの、拭きあと残りが生じるという問題があることがわかった。また、ソホロースリピッドの含有量が0.01質量%と少ないかまたは10質量%と多い洗浄剤組成物(比較例2、5−6)、並びにアルギニンの含有量が10質量%と多い洗浄剤組成物(比較例3−4)は起泡性及び泡安定性が悪いことが判明した。また界面活性剤としてソホロースリピッドに代えてアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムまたはポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用すると、そもそも起泡性、泡安定性及び汚れ除去性が悪いか(比較例9)、起泡性、泡安定性及び汚れ除去性はよくても泡拭き取り性が悪く拭きあと残りが生じるといった問題があることがわかった。さらに、pHを7に調整すると(比較例11)、起泡性及び泡安定性が低下することもわかった。
実験例2
各種組成からなる洗浄剤組成物(実施例2及び16〜20、比較例1及び12〜17)を用いて、起泡性、泡の安定性、拭き取り性、拭きあと残り、及び汚れの除去力を評価した。
(1)洗浄剤組成物の調製
表3に記載する処方に従って各種の洗浄剤組成物を調製した。具体的には、表3に記載する蒸留水以外の各成分を混合し、これを蒸留水で希釈後、pH調整剤(クエン酸)を用いてpH9に調整した後、最後に蒸留水で100質量%になるようにメスアップして、各種の洗浄剤組成物(実施例2及び16〜20、比較例1及び12〜17)を得た。
これを1ストロークあたりの吐出量が0.8mLであるトリガー式スプレイヤー(ライフプラテック製のトリガースプレー泡タイプ[容量300mL]:TS-01F、直圧式)に100mL充填して、下記の実験に供した。但し、「拭きあと残り」と「汚れ除去性」の評価については、調製した液状の洗浄剤組成物を用いて評価した。
Figure 0006791502
(2)実験方法
上記で調製した洗浄剤組成物について、実験例1に記載する方法に従って、起泡性、泡の安定性(泡持続性、泡付着安定性)、泡の拭き取り性、拭きあと残り、及び汚れ除去性を評価した。なお、実験はいずれも品温25℃の洗浄剤組成物を用いて室温(25℃)条件で実施した。
(3)実験結果
上記の実験結果を、表3に合わせて記載する。
表3に記載する結果より、本発明の洗浄剤組成物(実施例2,16〜20)はいずれも起泡性、泡の安定性(泡の持続性と付着安定性)、及び汚れ除去性が良好であり、また泡の拭き取り性(拭き取りによる消泡性)が良好で、拭きあと残りがないか、極めて少ないため、二度拭きという面倒な作業を必要としない組成物であることが明らかとなった。
一方、エタノールの含有量が0.1質量%と少ないかまたは15質量%と多い洗浄剤組成物(比較例14−15)、並びに低級アルコールとして二価以下の第1級または第2級アルコールに代えて、三価アルコールまたは第3級アルコールを含有する洗浄剤組成物(比較例16−17)は起泡性及び泡安定性が悪いことが判明した。
本発明の洗浄剤組成物は、キッチン周り、食卓はもちろん、家具、床、家電表面、その他種々の表面の拭き掃除を手間なく行うことができる。また、環境や人に対して安心、安全な成分からなり、食品等を扱う場所にも好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. (a)ソホロースリピッドを0.5〜7質量%、
    (b)アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物を0.1〜5質量%、及び
    (c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを3〜10質量%
    含有する住居用洗浄剤組成物。
  2. pHが8〜13である、請求項1に記載する住居用洗浄剤組成物。
  3. (a)成分1モルに対する(b)成分のモル比が0.1〜20である請求項1または2に記載する住居用洗浄剤組成物。
  4. 前記(a)成分が、酸型ソホロースリピッドである、請求項1乃至3のいずれかに記載する住居用洗浄剤組成物。
  5. 前記(b)成分がアルギニンまたはその塩である、請求項1乃至4のいずれかに記載する住居用洗浄剤組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載する住居用洗浄剤組成物を泡吐出機構を備えた吐出部を有する容器に充填してなる泡吐出式住居用洗浄剤。
  7. 洗浄剤組成物の拭きあと残り低減方法であって、
    当該洗浄剤組成物を、(a)ソホロースリピッド、(b)アルギニン及びその類縁化合物から選択される少なくとも1種の塩基性アミノ酸化合物、及び(c)炭素数1〜6の二価以下の第1級または第2級アルコールを用いて、(a)成分の最終濃度が0.5〜7質量%、(b)成分の最終濃度が0.1〜5質量%、(c)成分の最終濃度が3〜10質量%となるように配合して調製することを特徴とする、上記方法。
JP2017023291A 2016-02-12 2017-02-10 住居用洗浄剤組成物 Active JP6791502B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016024796 2016-02-12
JP2016024796 2016-02-12

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017145408A JP2017145408A (ja) 2017-08-24
JP6791502B2 true JP6791502B2 (ja) 2020-11-25

Family

ID=59682051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017023291A Active JP6791502B2 (ja) 2016-02-12 2017-02-10 住居用洗浄剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6791502B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5653196A (en) * 1979-10-08 1981-05-12 Mitsui Toatsu Chemicals Surfactant composition
JP2005206633A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Matsuda Shokai:Kk 住居用洗剤および容器入り清掃用シート
JP2006083238A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Saraya Kk 洗浄剤組成物
JP4467594B2 (ja) * 2007-03-26 2010-05-26 株式会社Oxy Japan 飲食物用機器の洗浄剤組成物および洗浄方法
EP2305785A1 (en) * 2009-10-02 2011-04-06 Unilever N.V. Use of a carboxylic or amino compound as cleaning aid for hard surfaces and method of cleaning such hard surfaces
JP5950557B2 (ja) * 2011-11-18 2016-07-13 サラヤ株式会社 液体洗浄剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017145408A (ja) 2017-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0912677B1 (en) Alkaline aqueous hard surface cleaning compositions
US7368417B2 (en) Hard surface cleaning compositions comprising a lauryl hydroxysultaine
EP2638141B1 (en) Hard surface cleaning composition for personal contact areas
EP2044185B1 (en) Detergent composition for hard surface
ES2368258T3 (es) Composiciones de limpieza ácidas.
JP5714358B2 (ja) 半固体状洗浄剤
ES2261952T3 (es) Composiciones de limpieza liquidas.
CA2597897A1 (en) Cleaning compositions that provide grease removal and fragrance delivery
JP5364396B2 (ja) 拭き取り用洗浄剤組成物及び洗浄方法
JP2012121959A (ja) 硬質表面用洗浄剤組成物
JP2006193726A (ja) 液体洗浄剤組成物
JP6791502B2 (ja) 住居用洗浄剤組成物
JP7381693B2 (ja) 洗浄製品
JP2023504896A (ja) 洗浄製品
JP4864222B2 (ja) 硬質表面用液体洗浄剤組成物
JP7280744B2 (ja) 発泡性洗剤組成物
JP2001187899A (ja) エアゾール型洗浄剤組成物
JPH09310098A (ja) 硬質表面用洗浄剤組成物
JPH05148494A (ja) 乳液状硬質表面洗浄剤組成物
KR20170142859A (ko) 식기용 액체 세정제 조성물
JP6826424B2 (ja) 食器洗い用洗浄剤組成物
JPH10219292A (ja) 硬質表面用洗浄剤組成物
JP2001011500A (ja) 洗浄剤組成物
JP3161671B2 (ja) 硬質表面洗浄剤組成物
JP5579761B2 (ja) 液体洗浄剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6791502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250