以下、図1−29を参照しながら本発明の実施形態に係るX線撮影システムの構成及び動作を説明する。
図1に本発明の実施形態に係るX線撮影システムの構成を示す。X線撮影システム101は、X線発生部102、移動機構1061、カラム1062、X線照射スイッチ103、X線制御部104、撮影台105、X線検出器106、撮影制御装置107、操作部108、表示部109を有する。なお、X線検出器106と、撮影制御装置107とをまとめて特にX線撮影装置とする。X線発生部102、X線制御部104をまとめて特にX線発生装置とする。移動機構1061、カラム1062、移動機構制御部1063をまとめて撮影系保持装置とする。ここでいう撮影系は、X線発生装置とX線撮影装置、より詳しくはX線発生部102とX線検出器106である。なお、X線発生装置と撮影系保持部をまとめてX線発生装置と呼ぶことがある。
X線発生部102は、X線の照射を行う。また、X線発生部102は、X線の照射に伴い管電圧、管電流などの撮影実施条件や撮影角度、X線源移動距離などの位置情報をX線制御部104へ送信する。また、X線発生部102はX線制御部104からデフォルト撮影条件、デフォルト位置情報を受信し、撮影準備処理を行う。
移動機構1061はX線検出器106を被写体の体軸方向に沿って例えば直線的に移動させることができる。カラム1062はX線発生部102を移動可能に支持する移動機構を備えており、X線発生部102被写体の体軸方向に沿って弧を描くように移動させることができる。
移動機構制御部1063はX線検出器の移動機構1061とカラム1062との移動を制御する。移動機構制御部1063は移動機構1061およびカラム1062を連動させて移動させることが可能である。なおここで、移動機構1061及びカラム1062を連動させ、X線発生部102を第一の方向に、X線検出器106を第一の方向とは逆の方向に向かって移動させることにより、複数方向からの投影画像を得るトモシンセシス撮影が実現される。
また移動機構制御部1063はX線制御部104と接続しており、X線が照射されたタイミング情報を受け取り、当該タイミングにおけるX線発生部102およびX線検出器106の位置情報をX線制御部104に出力する。例えばパルス状のX線を断続的に照射する場合には、当該パルス状のX線の照射開始、照射終了あるいは照射中のあるタイミングにおけるX線発生部102およびX線検出器106の位置情報を出力する。
X線照射スイッチ103は、照射開始通知、照射終了通知をX線制御部104へ送信する。操作者がスイッチ押下すると、X線照射スイッチ103は照射開始通知を送信する。また、操作者がスイッチを放すとX線照射スイッチ103は照射終了通知を送信する。X線照射スイッチ103を押下した状態とすると、X線発生部102及びX線検出器106は移動しつつ一連の投影画像の撮影が行われる。ここで、一連の投影画像の撮影中、例えばX線発生部102をマイナス30度からプラス30度の範囲で移動させながらX線照射を行う場合に、途中のプラス10度まで到達した時点でX線照射スイッチ103の押下をやめると、投影画像の撮影が中断することとなる。なおカラム1062が鉛直方向に沿う状態を0度位置としている。
X線制御部104は、X線発生部102、X線照射スイッチ103、撮影制御装置107と接続され、X線の照射開始と照射終了の制御及び撮影実施条件や位置情報の送信を行う。また、X線制御部104は撮影制御装置107より撮影条件、位置情報を受信し、X線発生部102へ通知する。
撮影台105は、被検体を載せるための架台である。テーブルの天板の直下にはX線検出器106を天板に沿う方向に移動させるX線検出器の移動機構1061を有する。
X線検出器106は複数の光電変換素子が行列上に配置されたX線センサを有しており、被検体を透過したX線を検出し、X線画像データへ変換する。複数の光電変換素子の離散的な二次元平面的配列によりX線検出領域及びX線検出面が定義される。X線検出面はX線検出器106の一面に沿う方向であり、望ましくは上面と略平行である。X線検出器106は撮影台の天板と略平行に配置され、かつ、X線検出器は天板と略平行に移動するため、X線検出面に沿ってX線検出器106が移動することとなる。ここで略としたのは、完全な平行性は撮影上要求されないことを示すものであり、例えば数度程度の誤差は許容されうる。
X線検出器106はまた撮影制御装置107と接続され、X線画像データを読み取りエリアやビニングサイズなどの撮影実施情報とX線検出器移動距離などの位置情報と共に撮影制御装置107へ送信する。また、X線検出器106は撮影制御装置107よりデフォルト位置情報を受信し、撮影準備処理を行う。X線画像データ、撮影実施及び位置情報の送信は、撮影制御装置107と接続されたケーブルによる有線通信、あるいは無線通信を用いて行われる。なお、撮影制御装置107は、X線検出器106の位置情報は、移動機構制御部1063を介してX線制御部104から受信することとしてもよい。
撮影制御装置107は、X線撮影システムを統合的に制御する制御装置である。撮影制御装置107により、X線制御部104、X線検出器106と連携したX線撮影、X線画像データを用いた再構成処理、X線画像データへの階調処理などの画像処理、X線撮影を含む検査の実施、操作部108、表示部109への入出力、ネットワーク113を介した外部装置との送受信等が制御される。撮影制御装置107は、画像処理部110、制御部111、通信回路112から構成される。
この撮影制御装置107はX線発生部とX線検出部とを用い、被写体に対して複数の異なる角度からX線を照射して得られる投影画像から断層画像を得るトモシンセシス撮影の制御方法を実行する。
撮影制御装置107はX線制御部104及びX線検出器106と接続し、X線撮影により得られる投影画像と投影画像を得た際のX線検出器106及びX線発生部102の位置情報とを取得し、トモシンセシス画像を再構成する。再構成により得られた画像は表示部109に表示させる。
そのほか撮影制御装置107はネットワーク113を介して撮影制御装置107はHIS/RIS114やPACS115、Viewer116、プリンタ117と接続される。HIS/RIS114は、放射線科における患者情報や検査要求情報などの情報を管理する病院内/放射線科情報管理システムである。PACS115は、画像保存を主目的とした画像管理サーバーである。Viewer116は、PACS115と接続され、主に高精細モニタによってX線撮影システム101で撮影した画像の検像作業や詳細な後処理、診断作業が実施される。プリンタ117は、X線画像データやトモシンセシス画像データをプリント出力する。
画像処理部110は、受信したX線画像データに対する階調処理、ノイズ低減処理などの画像処理を実施する。また、画像処理部110はX線画像データと位置情報を使用して再構成処理を行うことによりトモシンセシス画像が再構成される。トモシンセシス撮影により得られる投影画像から再構成される画像を特にトモシンセシス画像と呼ぶ。実施形態の1つに係るトモシンセシス画像は、複数の投影画像に基づき3次元のボリュームデータである。
制御部111は、検査実施及び撮影実施に関わる制御、あるいは保留検査、終了検査の実施情報やX線画像データの保存・読み出しを行う。また、制御部111は通知された位置情報を元に撮影中断状態を判定し、再構成の実施可否及びオブリーク断面表示可否を判定する。また、制御部111は通知された位置情報を元にして、トモシンセシス画像の有効フレームを算出する。
通信回路112は、通信I/Fを介して、X線制御部104とX線検出器106へX線照射準備要求、X線照射準備キャンセル要求のほか、蓄積時間、ビニング条件、フレームレート等の種々の駆動条件を送信する。また、通信回路112はX線制御部104とX線検出器106からX線画像データ、撮影実施情報、位置情報を受信する。また、通信回路112はネットワーク113を介して、検査要求情報の受信、検査実施情報の送信、X線画像データやトモシンセシス画像データ出力を行う。
操作部108は、操作者による操作を受け付ける入力インターフェースである。操作部108の入力インターフェースは、キーボードやマウス、あるいはマルチタッチモニタなど入力可能なインターフェースであればいずれでも構わない。操作部108は操作に応じて、撮影制御装置107へ入力情報を送信する。また、操作部108は撮影制御装置107からの要求を受信して入力インターフェースの表示切り替えを行う。
表示部109は、X線撮影のコントロールソフトウェアのユーザインターフェースを表示する出力用インターフェースである。表示部109は単独のモニタやX線撮影装置に組み込まれたモニタなど表示可能なインターフェースであればいずれでも構わない。撮影画像を表示するモニタは1つの撮影制御装置107に対して複数接続される場合もあり、撮影画像と過去画像がそれぞれ違うモニタにプレビュー表示される場合もある。その際は、表示部109は撮影制御装置107からの通知によってどの画像をどのモニタに表示するか判断し、表示を行う。
画像処理部110はさらに必要に応じて当該ボリュームデータから二次元断層画像を生成する。ここで生成される二次元断層画像は、例えば検出面に沿う方向の断層画像(第一の二次元断層画像)がある。図1の撮影系の構成でいえば、被写体のコロナル画像に相当する。なおトモシンセシス撮影における照射角の制限にもよるが、検出面に沿う方向の2次元断層画像(第一の二次元断層画像とする)については少なくとも十分な画質の断層画像が得られるため、よく用いられる。
また画像処理部110は、検出面と交差する2次元断層画像(第二の二次元断層画像)を生成することも可能である。例えば、被写体の体軸方向、つまりX線発生部102及びX線検出器106の移動方向に対して所定の傾きを有する断層画像であるいわゆるオブリーク(Oblique)画像を生成することができる。もちろん、検出面と交差するそのほかの二次元断層画像を生成することも可能である。例えば、図1の撮影系でいうと、サジタル画像やアキシャル画像である。ここで、X線発生部102及びX線検出器106を被写体の体軸に沿って移動させるトモシンセシス撮影を行う場合には、画質を考慮してオブリーク画像を生成し、サジタル画像やアキシャル画像の生成をしないこととすることができる。なお、X線発生部102及びX線検出器106を撮影台105の天板に沿って二次元的に移動させるトモシンセシス撮影を行う場合には、サジタル画像やアキシャル画像を生成することとしてもよい。
また別の実施形態では、一連の投影画像からX線検出器106の検出面に沿う、望ましくは平行な2次元断層画像のセットを直接再構成し、これをトモシンセシス画像として扱ってもよい。この場合には例えば、オブリーク、サジタル、アキシャル画像のそれぞれを投影画像から直接再構成する処理が実行される。
通信回路112は、X線検出器106の駆動条件をX線検出器106に対して送信するとともに、上述の投影画像に基づく再構成処理に用いる一連の投影画像をX線検出器106から受信する。これにより、撮影制御装置107で再構成処理を行うための投影画像を得ることができる。
また通信回路112は、各投影画像を撮影したタイミングにおけるX線発生部102及びX線検出器106の位置情報をX線制御部104から受信する。なおこの点で、通信回路112は投影画像および位置情報の取得部として機能する。この一連の投影画像と位置情報に基づいて画像処理部110により再構成処理がなされることになる。なおこの位置情報には例えば、X線発生部102のX線検出器106に対するX線の照射方向の情報を含む。
ここで、撮影の中断や、移動機構1061やカラム1062の移動機構の制限、あるいは投影画像の撮影間隔、X線発生部102の照射角あるいは照射方向の範囲の設定などの条件によって、所望の断層画像が得られない可能性がある。
そこで制御部111は、通信回路112から得られた位置情報のうち、X線発生部102の照射方向の情報を用いて、表示対象とする第二の二次元断層画像に制限をかける表示制御をおこなう。例えば−30度から+10度までの照射方向での投影画像が得られている場合には、X線検出器106の検出面あるいは撮影台105の天板との交差角が±10度までのオブリーク画像の表示は行うが、+10度より大きい交差角あるいは−10度よりも小さい交差角のオブリーク画像の表示は行わないように制限をかける。もちろん交差角が±5度までのオブリーク画像を表示対象としてもよい。また−30°から+10°までの交差角でオブリーク画像を表示するようにしても良い。別の例では、−20度から+20度までの照射角での投影画像が得られている場合には、X線検出器106の検出面あるいは撮影台105の天板との交差角が±20度までのオブリーク画像の表示は行うが、+20度より大きい交差角あるいは−20度よりも小さい交差角のオブリーク画像の表示は行わないように制限をかける。
このように、表示対象とする範囲を照射方向の範囲に基づき特定し、特定された範囲内の第二の二次元断層画像を表示させ、範囲外の第二の二次元断層画像を表示対象から外す処理を実行する。これにより、画質が十分に担保された二次元断層画像を表示させ、誤診の可能性を減らすことができる。
また別の例では、−30度から30度までの範囲で照射することとなっている場合において、−5度までの投影画像しか得られていない場合には、オブリーク画像の表示を禁止する。さらにまた別の例では、同様の照射条件となっている場合において、撮影の中断等の事情により−30度から10度までの投影画像しか得られない場合にも、オブリーク画像の表示を一律で禁止することとする。このように、所望の照射条件に合った投影画像が得られていないと判定された場合に、一律でオブリーク画像の表示を制限することにより、より高い画質を保証することができる。
さらにまた別の例では、投影画像の照射間隔が0.5度である場合には、オブリーク画像についても0.5度未満の間隔では表示させないように制御し、0.1度である場合には0.1度未満の間隔では表示させないように制御する。このように、各投影画像についてのX線の照射方向の情報を用いてオブリーク画像の表示間隔を制限することで、表示するオブリーク画像の画質を保証することができる。
また、このようなコロナル画像やオブリーク画像の生成及び表示を、モダリティ内、特にトモシンセシス撮影を制御する撮影制御装置107で実行する。これにより、トモシンセシス撮影が適切に行われているか否かをPACS115等に送信する前に確認することができ、医療診断の効率を向上させることができる。
ここで、図2を用いてトモシンセシス撮影に関わるシステム構成を示す。X線発生部102は、傾倒可能であるカラム1062に固定される。投影画像データ収集時は、照射開始前に撮影台105とカラム1062が垂直になる位置を中心として、X線発生部102とX線検出器106が撮影台105と検出面に沿う方向(水平方向)にそれぞれ左右逆方向へ、予め設定された距離分移動する。この際、X線発生部102の照射範囲がX線検出器106の検出領域に包含されるように設定される。そして、照射開始と共にX線発生部102とX線検出器106がそれぞれ中心へ向かう方向へ移動しながら再構成処理の元となる投影画像データの収集及び位置情報の取得を行う。このようにして撮影された投影画像データに基づいて、上述のトモシンセシス画像が生成される。
撮影制御装置107あるいはX線制御部104は、X線発生部102の照射方向の範囲や照射間隔を設定する。本実施形態では、カラム1062によりX線発生部102は円弧を描きながら移動することとなるが、カラム1062が垂直となっている位置を0度位置とし、図面の左側から右側に向かう向きにθ方向がとられる。その上で、プラスマイナスθ度という設定情報が撮影制御装置107あるいはX線制御部104から移動機構制御部1063に入力され、撮影前の初期位置がマイナスθ度となるよう、カラム1062はX線発生部102を移動させる。ここで、X線発生部102がカラム1062の直立方向(鉛直方向)に対してθ°の位置にあるとき、このθ°を照射角と呼称する。更にこの時のX線発生部102の焦点とX線検出器106の中心位置を結ぶ方向をX線の照射方向と呼称する。このX線の照射方向はトモシンセシス撮影のアイソセンタが固定であるという条件下で照射方向は鉛直方向に対してなす角度はθ°となる。そのため、以下の実施例では照射角と照射方向とを同様の意味で用いる。
図2では図面の左側から右側へとX線発生部102が移動する。かかる設定情報に応じて、移動機構1061によりX線検出器106が移動する。なお、照射方向の範囲はこの定義に限らず、例えば上述の例で言う−90度の位置を基準にすることとしてもよい。その他、角度以外のパラメータでX線発生部102の照射方向の範囲を設定することとしてもよい。例えば図2のようにカラム1062が直立している状態からのカラム1062やX線発生部102の中心位置の変位距離を設定情報としても良い。設定情報はX線制御部104あるいは移動機構制御部1063により移動機構1061やカラム1062や制御値に変換され、これらのモータ等の駆動機構に出力され、駆動機構によりX線発生部102及びX線検出器106を移動させることとなる。
撮影間隔は、投影画像をどのような間隔で撮影するかを示すパラメータであり、例えば照射角の間隔で定義される値である。あるいは、カラム1062が直立する位置に対してX線発生部102の水平方向への変位で定義することもできる。この撮影間隔は等間隔である必要はなく、適宜決定される。例えば、±30度の照射角で撮影を行う場合に、撮影数を設定することで撮影間角が決定される。ステップアンドシュート方式でトモシンセシス撮影を行う場合には、移動機構制御部1063は照射角の間隔に対応する制御量だけ移動機構1061及びカラム1062を移動させ、停止したタイミングでX線制御部104がX線発生部102に対してX線の照射を指示する。X線照射が終わった後に、再び移動機構制御部1063は撮影間隔のパラメータで定義される制御量だけ移動機構1061及びカラム1062を移動させる。連続方式でトモシンセシス撮影を行う場合には移動中にX線が照射される。移動機構制御部1063は位置を継続的にモニタリングし、撮影間隔で定義されるX線照射位置(撮影位置)に到達するタイミングでX線制御部104によりX線照射が開始される。
図3に投影画像データ収集時に取得される位置情報の詳細を示す。なお、X線発生部102の移動方法として、カラム1062が水平移動する方法と、カラム1062が土台202との接点部分で傾倒する方法のいずれでもかまわない。
ここで、図3を用いて、位置情報の詳細を示す。なお、ここでは撮影台105、X線検出器106、X線源201が固定されたカラム1062が直交する角度を0°と定義する。(説明文が思い浮かばないのですが、0°から対向方向に傾けていくと±1,2,…と角度の絶対値が増えていきます)。また、撮影台105と直交する位置にX線検出器106、X線源201、アイソセンタの位置が直列に並ぶ位置を移動距離0である中心位置として定義する。(中心位置から対向方向に移動していると±1,2,…と移動距離の絶対値が増えていきます)。アイソセンタは、再構成により作成されたトモシンセシス画像の複数フレームのうち、もっとも明瞭な画像が生成される断層位置となる。投影画像の撮影時は、常にX線源201の焦点位置とX線検出器106の検出領域中心位置を結ぶ直線上にアイソセンタが位置するよう、X線源201、X線検出器106、被検体を配置した撮影台105の各移動距離が制御される。アイソセンタテーブルトップ間距離(以下、フルクラムと記載)は、中心位置におけるアイソセンタから撮影台105最上部の距離である。1回の撮影毎に固有の値が使用される。フルクラムは、撮影手技情報に含まれるデフォルト撮影条件の1つとして設定される。また、検査実施時に時に操作部108への入力によって一時的な設定変更あるいはデフォルト設定の変更が可能である。X線制御部104は、撮影制御装置107から受信したフルクラムを参照してX線発生部102の動作を制御する。その後、投影画像の照射終了時にX線制御部104は位置情報の1つとしてフルクラムを入力し、撮影制御装置107へ送信する。フルクラムは、FBP(フィルタードバックプロジェクション)方式及びシフト加算方式による再構成処理に使用される。また、フルクラムはX線源被検体間距離の算出に使用される。撮影角度は、中心位置を0°とした時のX線源201の傾きである。撮影手技情報に含まれるにデフォルト撮影条件の1つとして、最大撮影角度が設定される。また、検査実施時に時に操作部108への入力によって一時的な設定変更あるいはデフォルト設定の変更が可能である。1回の撮影において、負方向への最大撮影角度から中心位置を通過して正方向への最大撮影角度まで連続して傾きが変更される。なお、傾きが変更される正負方向は逆であっても構わない。撮影角度は、投影画像における複数の連続するX線画像フレーム毎に画像データ読み込み時の撮影角度が取得される。そして、投影画像の照射終了時にX線制御部104は位置情報の1つとして撮影角度を入力し、撮影制御装置107へ送信する。1回の画像データ読み込み毎に変更される撮影角度ピッチは、1回の撮影における角度の変更量を撮影予定フレーム数で割ることで決定される。撮影角度は、FBP(フィルタードバックプロジェクション)方式及びシフト加算方式による再構成処理に使用される。また、撮影角度は撮影中断判定部401における撮影状況判定に使用される。また、撮影角度は、再構成オブリーク断面表示時の角度指定制限に使用される。X線源移動距離は、中心位置を基準とした撮影台105と並行方向に対するX線源201の移動距離である。X線源201は、X線検出器106と同期して、中心位置から左右方向に移動し、X線源201の焦点位置とX線検出器106の検出領域中心位置を結ぶ直線上にアイソセンタが位置するような角度に傾けることで設定に応じた撮影角度を満たす。そのため、X線源移動距離は、撮影角度の設定に同期して決定される。X線源移動距離は、投影画像における複数の連続するX線画像フレーム毎に画像データ読み込み時のX線源移動距離が取得される。そして、投影画像の照射終了時にX線制御部104は位置情報の1つとしてX線画像フレーム毎のX線源移動距離を入力し、撮影制御装置107へ送信する。X線源移動距離は、FBP(フィルタードバックプロジェクション)方式及びシフト加算方式による再構成処理に使用される。X線検出器移動距離は、中心位置を基準とした撮影台105と並行方向に対するX線検出器106の移動距離である。X線検出器106は、X線源201と同期して、中心位置からX線源201と逆の左右方向に移動し、X線源201の焦点位置とX線検出器106の検出領域中心位置を結ぶ直線上にアイソセンタが位置するように移動することで設定に応じた撮影角度を満たす。そのため、X線検出器移動距離もX線源移動距離と同様に、撮影角度の設定に同期して決定される。X線検出器移動距離は、投影画像における複数の連続するX線画像フレーム毎に画像データ読み込み時のX線検出器移動距離が取得される。そして、投影画像の照射終了時にX線制御部104は位置情報の1つとしてX線画像フレーム毎のX線検出器移動距離を入力し、撮影制御装置107へ送信する。X線検出器移動距離は、FBP(フィルタードバックプロジェクション)方式及びシフト加算方式による再構成処理に使用される。X線源X線検出器間距離は、中心位置におけるX線源201からX線検出器106最上部までの距離である。X線源X線検出器間距離は、撮影装置毎に固有の値が使用される。X線源X線検出器間距離は、X線源被検体間距離の算出に使用される。テーブルトップX線検出器間距離は、中心位置における撮影台105最上部からX線検出器106最上部までの距離である。テーブルトップX線検出器間距離は、撮影装置毎に固有の値が使用される。テーブルトップX線検出器間距離は、X線源被検体間距離の算出に使用される。X線源被検体間距離は、中心位置におけるX線源201からアイソセンタを基準とした被検体までの距離である。X線源被検体間距離は、撮影毎に設定されるフルクラムに依存して、1回の撮影毎に固有の値が使用される。より詳しくは、投影画像の照射終了時に撮影制御装置107が受信する位置情報に含まれるX線源X線検出器間距離、フルクラム、テーブルトップX線検出器間距離を使用して撮影制御部405において以下の式にて算出される。
X線源被検体距離=X線源X線検出器間距離−(フルクラム+テーブルトップX線検出器間距離)X線源被検体距離は、FBP(フィルタードバックプロジェクション)方式及びシフト加算方式等の方式による再構成処理に使用される。
これらパラメータを、X線発生部102及びX線検出器106の位置情報とする。位置情報のうち、アイソセンタ位置やテーブルトップX線検出器間距離やフルクラムは撮影系あるいは1回の撮影で共通の値であるが、その他の位置情報は各投影画像の撮影毎に異なる。そのため、1回の撮影で共通する位置情報と、投影画像毎に異なる位置情報のセットとが、移動機構制御部1063を介してX線制御部104から撮影制御装置107に出力される。
次に、図4に本発明におけるX線撮影システム101に関する制御部111の詳細な構成について示す。制御部111は、撮影中断判定部401、撮影手技情報保存部402、検査情報保存部403、撮影制御部405、条件設定部4051、検査制御部406、表示制御部4070、入力検出部4071、画像出力制御部409、達成度特定部4011を有する。
撮影手技情報保存部402は、撮影手技情報の保存、更新、削除、検索を行う。ここで示す撮影手技情報とは、撮影部位や撮影方向など撮影手技を特定するための情報、撮影条件、画像処理パラメータ、再構成パラメータ、ストレージ転送設定、プリント出力設定など撮影実施から後処理、画像出力設定まで撮影手技毎に設定可能な項目である。撮影手技情報保存部402は、データベースで構成される。検査情報保存部403は、検査情報の検査情報の登録、更新、削除、検索を行う。検査情報保存部403は、データベースで構成される。
撮影制御部405は、通信回路112を介して、X線発生部102、X線検出器106と撮影可否、撮影実施条件、位置情報のデータ送受信を行う。また、再構成処理実施に関わる制御、X線画像データの保存など1回のX線撮影フロー、再構成処理実施フロー全般の制御を行う。
条件設定部4051は、例えば操作部108からの操作入力に応じて撮影条件の設定を行う。撮影手技情報保存部402からの撮影手技情報から撮影条件を抽出し、撮影パラメータとして撮影制御部405、画像処理部110、X線検出器106、X線発生部102、移動機構制御部1063等の各部に対して送信する設定部である。ここでいう撮影パラメータは、例えば投影画像の撮影枚数、投影画像の撮影間隔、X線照射位置の範囲の情報(±θ)、コロナル画像第一の二次断層画像(コロナル画像)の作成数、作成ピッチ、その他画像処理パラメータやX線検出器106の駆動パラメータがある。
検査制御部406は、患者情報、実施予定検査情報、撮影手技情報の更新・登録制御、画面の遷移制御、トモシンセシス画像データの保存、トモシンセシス画像の追加処理など、検査実施のフロー全般の制御を行う。検査とは、複数単位の撮影を包含する概念であり、撮影間の遷移や1単位の検査に含まれる複数の撮影で共通の情報を処理する。
入力検出部407は、操作部108からの操作入力の受付および解釈を行う。表示制御部4070は検査制御部406から通知される画面遷移などの出力指示に対する表示部109への表示制御の全般を行う。例えば投影画像やトモシンセシス画像の表示制御や、操作部108に対する操作入力に応じたGUI(Graphical User Interface)の表示変更処理などを行う。
画像出力制御部409は、受信した検査情報に含まれる画像の画像出力可否を判定して、通信回路112へ出力装置410に対する画像出力を指示する。出力装置410は例えばPACS115、Viewer116、プリンタ117に該当する。
撮影中断判定部401は、X線制御部104から通知される位置情報を用いて、撮影が中断されたか否かを判定する。撮影が中断される場合、予め定められた照射位置の範囲と対応しない位置情報が得られたり、あるいは投影画像の枚数が規定量に対して不足したりする。そこで撮影中断判定部は、予め設定された投影画像の撮影数の情報及び照射位置の範囲の情報や、撮影の結果得られた位置情報及び投影画像の情報等を入力として、トモシンセシス撮影が中断されたか否かを判定する。
中断の判定方法の例は以下の通りである。条件設定部4051により投影画像の撮影数が設定されている場合には、通信回路112を通じて取得された投影画像の枚数がその数に満たない場合に、撮影中断判定部401は撮影が中断されたと判定する。枚数が一致する場合には撮影は完了したと判定する。
また別の例では、X線制御部104から取得した位置情報のセットに含まれる位置情報の要素の数が、予め定められた撮影枚数よりも少ない場合、撮影が中断したと判定し、撮影枚数と一致する場合には撮影が完了したと判定する。なお、位置情報の要素の数が撮影枚数よりも多い場合には、エラーと判定することができる。またあるいは、位置情報の数と投影画像の数の少なくともいずれか一方が、予め規定された撮影枚数よりも少ない場合に、撮影が中断したと判定する。そして、両方の数が撮影枚数と一致する場合に撮影が中断せず完了したと判定する例がある。
また別の例では、照射位置の範囲が±θと設定された場合において、通信回路112を通じて取得した位置情報−θから+θ´(<θ)となっている場合に、撮影が中断したと判定し、−θから+θまでのデータが得られている場合に撮影が完了したと判定する。直この場合、実際の範囲設定と現実に取得した位置情報の範囲とは厳密に一致するとは限らないため、例えば小数点以下の差は無視して中断を判定する。
あるいは、X線制御部104は撮影の開始、中断、完了の通知を出力することとし、この出力を通信回路112で受信し、中断判定部401で解釈することにより中断があったと判定することとしても良い。
あるいは、これら位置情報を直接判定に用いない場合も考えられる。例えば、通信回路112はX線制御装置104から投影画像の撮影の進捗率を撮影中定期的に受信し、この進捗率が100%に達成する前に、X線制御装置104から撮影制御装置107に撮影の終了が通知された場合に、中断したと判定する。100%に達した通値があった場合に中断せず撮影が完了したと判定する。この進捗率は、例えば、X線制御装置104内で、実行した照射の回数を既定の照射回数で除算することにより得られる。また、進捗率に限らず、実行した撮影回数(照射回数)の値そのものを、進捗度合いを示す情報として扱うこともできる。
あるいは、このような進捗度合いを制御部111内で得ることも可能である。かかる実施形態では、制御部111は達成度特定部4011を有する。達成度特定部4011は、投影画像の撮影数や照射位置の範囲の情報等の設定情報と、撮影された投影画像の数や位置情報のセット等の実施情報とを用いて、撮影の達成度を特定する。達成度特定部4011は、撮影が終了した後に、位置情報のセット等の情報を用いて、投影画像の撮影がどの程度完了したかの度合いを示す進捗度合いあるいは撮影の達成度を特定する。
ここで表示制御部4070は、この撮影の進捗度合いの情報を用いて、オブリーク画像あるいは第二の二次元断層画像の表示を制限する。例えば、進捗度合いが60%で撮影が中断したと判定された場合には、オブリーク画像を検出面との交差角が5度まで表示させ、80%で中断した場合には15度まで表示させる、というように、進捗度合いに応じたオブリーク画像の表示制限を行う。進捗度合いと表示制限の度合いとの関係は、実験的に定めることができる。
また例えば、表示制御部4070は、撮影中断判定部401により中断したと判定され、進捗度合いが50%以上かつ100%未満である場合には、検出面と交差する二次元断層画像(第二の二次元断層画像)を表示させないよう制限する。一方で進捗度合いが50%以上であるため、上述の図2の実施形態であれば少なくとも−θ°〜0°の範囲の各位置から照射した投影画像データは得られているため、検出面に沿う二次元断層画像(コロナル画像)の画質は担保できるとして、表示させる。この閾値は表示制御部4070により任意に設定できることとしても良いし、進捗率や照射位置の情報に基づいて実験的に定めても良い。なお、進捗度合いが50%未満である場合には、第一の断層画像と第二の断層画像の表示を両方とも制限する。なお、この場合には更に、撮影制御部405によって、画像処理部110によるトモシンセシス画像の再構成処理自体を禁止させる制御を行うことにより、処理負荷を軽減させる。さらにこの場合には、画像出力制御部409はかかる投影画像群の撮影データを写損データとして扱い、出力装置410への出力を制限することとすれば、不要な画像データが出力されないようにすることができる。
図5に基づいて実施形態にかかる撮影制御装置のハードウェア構成例を説明する。制御部111は、CPU501、ROM502、RAM503、HDD504、入力検出部505、通信I/F506、グラフィックボード507、ディスプレイドライバ508を有する。これらは、データバス等のバスを介して互いに接続されている。CPU501は、制御部111全体の制御を行うものであり、ROM502に格納されている命令プログラムを実行することで制御を実施している。かかるプログラムは、CPU501により実行されることにより、制御部111に撮影中断判定部401、達成度特定部4011、撮影手技情報保存部402、検査情報保存部403、撮影制御部405、条件設定部4051、検査制御部406、表示制御部4070、入力検出部4071、画像出力制御部409の各機能を発揮させる。またかかるプログラムは、後述する図6、図7及び図13に記載の処理を実現するためのプログラムである。
また、CPU501は、ディスプレイドライバ508を介した表示部109へ入出力制御、及び入力検出部505を介した操作部108への入出力制御を行う。RAM503は、CPUが命令プログラムによる制御を行う際に作業用の記憶領域を確保するものである。HDD504は、X線画像データなど各種データを保存する補助記憶装置である。通信I/F506は、通信回路112を構成する通信インターフェースであり、制御部111とX線制御部104、X線検出器106、ネットワーク113の間でデータの送受信を行う。グラフィックボード507は、画像処理部110を構成するものであり、GPUによる画像処理、再構成処理を行う。
続いて、図6を用いて本発明における一般的なトモシンセシス撮影検査の開始から終了までの流れの一例を示す。
ステップS601において、検査開始に先立って患者情報が作成される。ここで示す患者情報は、患者名、患者ID、年齢、生年月日、性別、慎重、体重、妊娠状態など患者を特定するための情報をすべて含む。
ステップS601では表示部109は患者情報入力画面801を表示する。操作部108は、患者情報確定が指示されると入力検出部4071に患者情報を含む患者情報確定通知を送信する。入力検出部4071は患者情報確定通知を受信すると、検査制御部406へ患者情報確定通知を送信する。検査制御部406は、患者情報確定通知を受信すると、新規に実施予定検査情報を生成する。ここで示す実施予定検査情報には、上述の患者情報、検査IDや検査日時など検査を特定するための全てを含む検査情報、撮影部位など撮影手技を特定する全ての情報を含む撮影手技情報を含む。そして、検査制御部406は患者情報確定通知に含まれている患者情報を実施予定検査情報に入力する。その後、検査制御部406は撮影手技情報保存部402へ登録済みの全撮影手技情報取得依頼通知を送信する。撮影手技情報保存部402は全撮影手技情報取得依頼通知を受信すると、登録されている全撮影手技情報を取得し、検査制御部406へ送信する。検査制御部406は、撮影手技情報を受信すると、撮影手技情報と共に表示制御部4070へ撮影手技選択画面遷移通知を送信する。表示制御部4070は撮影手技選択画面遷移通知を受信すると、表示部109へ撮影手技選択画面遷移通知を送信し表示させる。表示部109は、撮影手技選択画面遷移通知を受信すると、撮影手技選択画面901を表示する。表示部109は、撮影手技選択画面901上に受信した撮影手技情報を全て表示する。
続いて、ステップS602において、検査情報作成が行われる。ここで示す検査情報作成には、実施予定撮影手技の選択も含まれる。操作部108は、検査開始が指示されると入力検出部4071へ検査情報及び選択された実施予定撮影手技を含む検査情報確定通知を送信する。入力検出部4071は検査情報確定通知を受信すると、検査制御部406へ検査情報確定通知を送信する。検査制御部406は、検査情報確定通知を受信すると、検査情報確定通知に含まれている検査情報及び実施予定撮影手技を患者情報確定時に生成した検査実施情報に入力する。
なお、ステップS601からS602では患者情報、検査情報、実施予定撮影手技をマニュアルで作成する流れについて示したがこれに限らない。HIS/RIS114から取得したワークリスト情報を選択することで、一度に患者情報、検査情報、実施予定撮影手技を作成することも可能である。この場合は、ステップS601が省略される。操作部108は、検査開始が指示されると入力検出部4071へ選択されたワークリスト情報に含まれる患者情報、検査情報及び実施予定撮影手技を含む検査情報確定通知を送信する。以降の流れは上述した内容と同様である。
続いて、ステップS603において、検査開始処理が実施される。ステップS602において検査実施情報の作成が完了すると、検査制御部406は、検査情報保存部403及び表示制御部4070へ検査開始通知を送信する。なお、検査開始通知は実施予定検査情報を含む。検査情報保存部403は検査開始通知を受信すると、実施予定検査情報を検査情報として新規登録する。そして、検査情報保存部403は新規登録した検査情報の検査ステータスを「実施中」に更新する。検査ステータスには、「未開始」、「実施中」、「保留中」、「終了」が含まれる。表示制御部4070は検査開始通知を受信すると、表示部109へ撮影画面遷移通知を送信する。なお、撮影画面遷移通知は、実施予定検査情報を含む。表示部109は、撮影画面遷移通知を受信すると、撮影画面1001を表示する。表示部109は、撮影画面1001に受信した検査情報に含まれている患者情報、検査情報、撮影手技情報を表示する。
ステップS604において、開始した検査情報に含まれる実施予定撮影手技の中から、次に撮影を実施する撮影手技が選択される。撮影手技の選択は、撮影画面1001に表示される撮影手技表示部1009を押下することで選択される。操作部108は、撮影手技ボタン押下を受け付けると、入力検出部4071へ撮影手技選択通知を送信する。なお、撮影手技選択通知は、選択された撮影手技情報を含む。入力検出部4071へは撮影手技選択通知を受信すると、検査制御部406へ撮影手技選択通知を送信する。また、表示制御部4070は表示部109へ照射準備中表示通知を送信する。表示部109は、照射準備中表示通知を受信すると、撮影画面1001のセンサステータス表示部903の表示を切り替える。検査制御部406は、撮影手技選択通知を受信すると、撮影制御部405へ照射許可依頼通知を送信する。なお、照射許可依頼通知は、選択された撮影手技情報を含む。撮影制御部405は、照射許可依頼通知を受信すると、通信回路112へ照射許可依頼通知を送信する。通信回路112は、照射許可依頼通知を受信すると、X線制御部104及びX線検出器106へ照射許可依頼通知を送信する。X線制御部104は、照射許可依頼通知を受信すると、照射許可依頼通知に含まれる撮影手技情報に含まれる撮影条件及び位置情報をX線発生部102に通知する。その後、X線発生部102の条件設定及び初期位置への移動が完了すると、X線制御部104は通信回路112へ照射許可通知を送信する。なお、照射許可通知は、照射が許可された撮影手技情報を含む。X線検出器106は、照射許可依頼通知を受信すると、照射許可依頼通知に含まれる撮影手技情報に含まれるデフォルト位置情報を元にデフォルト位置へ移動する。X線検出器106は、X線検出準備が完了すると通信回路112へ照射許可通知を送信する。通信回路112は、X線制御部104及びX線検出器106の両方から照射許可通知を受信すると、撮影制御部405へ照射許可通知を送信する。撮影制御部405は、照射許可通知を受信すると、検査制御部406へ照射許可通知を送信する。検査制御部406は照射許可通知を受信すると、表示制御部4070へ照射許可通知を送信する。表示制御部4070は照射許可通知を受信すると、表示部109へ照射許可表示通知を送信する。表示部109は、照射許可表示通知を受信すると、撮影画面1001のセンサステータス表示部903の表示を切り替える。また、表示部109は、撮影画面1001上の撮影手技表示部1009に撮影予定サムネイル1012を表示する。このように、センサステータス表示部903及び撮影手技表示部1009の表示を切り替えることで、照射可能状態であること、及び次の照射で画像が追加される撮影手技が容易に判別可能となる。なお、ここまでは手動による撮影手技の選択の流れを示したが、本発明では、検査開始や照射終了時など次の撮影準備ができる状態になるタイミングで撮影手技を自動的に選択することも可能である。この場合、次の撮影準備ができる状態になった時点で、検査制御部406は、実施予定検査情報に含まれる実施予定撮影手技情報のうち、ステータスが「未撮影」の撮影手技情報を取得する。撮影手技情報のステータスには、「未撮影」の他に「撮影中」、「撮影完了」が含まれる。検査制御部406は、「未撮影」の撮影手技情報の中で登録順序が先頭の撮影手技を選択し、照射許可要求を送信する。ただし、撮影手技を1つ選択する方法はこれに限定されない。これにより、操作者が撮影の度に次の撮影手技を手動選択する手間が省略され、ワークフローが軽減される。
ステップS605において、被検体の配置が行われる。被検体の配置は、操作者あるいは検査実施に関わる担当者が実施する。ステップS605は、ステップS601からS604と前後しても構わない。
ステップS606において再構成の中心位置が設定される。主に、操作者あるいは検査実施に関わる担当者が被検体の関心領域を元に中心位置(以下、アイソセンタ位置)を計測し、操作部108よりアイソセンタ位置が入力される。操作部108は、アイソセンタ位置の入力が確定されると、入力検出部4071へ中心位置確定通知を送信する。なお、中心位置確定通知は、アイソセンタ位置情報を含む。入力検出部4071は、中心位置確定通知を受信すると、検査制御部406へ中心位置確定通知を送信する。検査制御部406は、中心位置確定通知を受信すると、撮影制御部405へ中心位置確定通知を送信する。撮影制御部405は、中心位置確定通知を受信すると、選択中の撮影手技情報に含まれる位置情報にアイソセンタ位置情報を入力する。
ステップS607において、透視を用いた被検体の位置合わせが行われる。特にトモシンセシス撮影では、被験者に対するX線の照射方向によって、アーチファクトの影響が大きく関わるため、患者の配置を確認するために透視を行い、被検体の配置位置が正しいか確認する。X線照射スイッチ103が押下されると、X線照射スイッチ103はX線制御部104へ照射開始要求を送信する。X線制御部104は、照射開始要求を受信するとX線発生部102へ照射開始指示を送信する。X線発生部102は、照射開始指示を受け付けると、X線の照射を開始する。その後、X線発生部102は、X線制御部104へ照射開始通知を送信する。X線制御部104は、照射開始通知を受信すると、通信回路112を介して、撮影制御部405へ照射開始通知を送信する。撮影制御部405は、照射開始通知を受信すると、検査制御部406へ選択中の撮影手技情報を付与した照射開始通知を送信する。また、検査制御部406は、照射開始通知を受信すると、実施予定検査情報に含まれる撮影手技情報のうち、照射が開始された撮影手技のステータスを「撮影中」に更新する。また、検査制御部406は、表示制御部4070へ照射開始通知を送信する。表示制御部4070は、照射開始通知を受信すると、表示部109へ照射中表示通知を送信する。表示部109は、照射中表示通知を受信すると、撮影画面1001のセンサステータス表示部903の表示を切り替える。一方で、X線検出器106は照射されたX線を検出し、X線画像データへ変換する。また、X線検出器106はX線検出と同期して位置情報を取得する。X線検出器106は通信回路112を介して、X線画像データ及び位置情報を撮影制御部405へ送信する。撮影制御部405は、X線画像データ及び位置情報を受信すると、位置情報を選択中の撮影手技へ入力する。また、撮影制御部405は、検査制御部406へX線画像データを送信する。検査制御部406は、X線画像データを受信すると、表示制御部4070へX線画像データを送信する。表示制御部4070は、X線画像データを受信すると、表示部109へX線画像データを送信する。表示部109は、X線画像データを受信すると、撮影画面1001の画像表示部1002へX線画像データをライブ表示する。その後、X線照射スイッチ103が放されると、X線照射スイッチ103はX線制御部104へ照射停止要求を送信する。X線制御部104は、照射停止要求を受信するとX線発生部102へ照射停止指示を送信する。X線発生部102は、照射停止指示を受け付けると、X線の照射を停止する。その後、X線発生部102は、X線制御部104へ照射終了通知及び撮影実施条件通知を送信する。なお、撮影実施条件通知は、撮影実施条件及び位置情報を含む。X線制御部104は、照射終了通知及び撮影実施条件通知を受信すると、通信回路112を介して、撮影制御部405へ照射終了通知及び撮影実施条件通知を送信する。撮影制御部405は、照射終了通知及び撮影実施条件通知を受信すると、検査制御部406へ選択中の撮影手技情報を付与した照射終了通知及び撮影実施条件通知を送信する。検査制御部406は、照射終了通知を受信すると、実施予定検査情報に含まれる撮影手技情報のうち、照射が終了した撮影手技のステータスを「撮影完了」に更新する。また、検査制御部406は、照射実施条件通知を受信すると、照射実施条件を実施予定検査情報に含まれる撮影手技情報のうち、照射が終了した撮影手技に入力する。同時に、検査制御部406は、表示制御部4070へ照射終了通知及び撮影実施条件通知を送信する。表示制御部4070は、照射終了通知及び撮影実施条件通知を受信すると、表示部109へ照射終了表示通知及び撮影実施条件通知を送信する。表示部109は、照射終了表示通知を受信すると、撮影画面1001のセンサステータス表示部903の表示を切り替える。また、表示部109は、及び撮影実施条件通知を受信すると、画像表示部902上の対応する表示アノテーションを更新する。なお、ここではX線発生部102は、照射終了通知と撮影実施条件通知を同時に送信する場合を示しているが、本発明はこれに限定されない。撮影実施条件は、照射中にリアルタイムで通知される場合や、照射終了後に照射終了通知と別のタイミングで送信されてもよい。また、撮影実施条件と位置情報はそれぞれ別のタイミングで送信されてもよい。
なおトモシンセシス撮影を行う際に、透視による位置合わせは省略されることがある。その場合には、ステップS607は省略される。
ステップS608において、投影画像の撮影が行われる。投影画像撮影時の処理の流れはステップS607における透視の場合とほぼ同様である。ただし、投影画像の撮影において、撮影制御部405は、X線画像データ及び位置情報を受信すると、位置情報を選択中の撮影手技へ入力し、X線画像データの保存を行う。また、本発明において、撮影制御部405は、投影画像の照射終了通知を受信すると、位置情報から撮影中断状況を判定する。撮影制御部405は、撮影中断状況の判定結果に応じて、再構成処理可否、あるいはオブリーク断面表示可否を決定し、検査制御部406へ通知する(図13)。これにより、投影画像の撮影が中断された場合に、無駄に再構成を実施して無効なトモシンセシス画像を表示することを防ぐことが可能となる。同様に、情報が欠落したオブリーク断面が参照されることで、誤診を招く危険性を回避することが可能となる。
ステップS609において、再構成処理が行われる。撮影制御部405は、投影画像のX線画像データ及び位置情報を受信すると、表示制御部4070へ再構成開始通知を送信する。同時に、画像処理部110へ再構成依頼通知を送信する。なお、再構成依頼通知は、撮影手技情報、X線画像データ、位置情報を含む。この時、本発明において、撮影制御部405は、投影画像のX線画像データのフレーム数と位置情報の要素数を比較し、等しい場合はそのまま再構成依頼通知を送信する。数に食い違いがある場合は、補正処理を実施し、数を合わせてから再構成依頼通知を送信する(図13)。これにより、X線発生部102あるいはX線検出器106の制御ミス等の理由により、X線画像データのフレーム数と位置情報の要素数に食い違いが生じた場合に再構成処理が失敗する危険性を回避することが可能となる。表示制御部4070は、再構成開始通知を受信すると、表示部109へ再構成画面表示を送信する。表示部109は、再構成画面通知を受信すると、再構成画面1101を表示し、画像表示部1002上にプログレスバーを表示する。一方で、画像処理部110は、再構成依頼通知を受信すると、撮影手技情報のデフォルト再構成パラメータ、位置情報、X線画像データを用いて再構成処理を実施する。画像処理部110は、再構成処理が完了すると、再構成完了通知を撮影制御部405へ送信する。なお、再構成完了通知は、生成したトモシンセシス画像、再構成パラメータ、画像処理パラメータを含む。撮影制御部405は、再構成完了通知を受信すると、検査制御部406へ再構成完了通知を送信する。
検査制御部406は、再構成確定通知を受信すると、表示制御部4070へ再構成終了通知を送信する。なお、再構成終了通知は、保存したトモシンセシス画像が存在する撮影手技情報を含む。表示制御部4070は、再構成終了通知を受信すると、表示部109へ撮影画面表示通知を送信する。表示部109は、撮影画面表示通知を受信すると、撮影画面1001へ遷移する。同時に、表示部109は保存されたトモシンセシス画像の撮影画像サムネイル1011を追加し、プレビュー表示する。
ステップS610において、トモシンセシス画像への後処理が行われる。トモシンセシス画像への後処理には、切り出し領域の編集、トモシンセシス画像の並列表示(マルチビュー)、再撮影処理、写損処理が含まれる。実施予定撮影手技が全て完了し、トモシンセシス画像への後処理が完了すると、検査終了が指示される。操作部108は、検査終了が指示されると入力検出部4071へ検査終了依頼通知を送信する。入力検出部4071は検査終了依頼通知を受信すると、検査制御部406へ検査終了依頼通知を送信する。続いて、ステップS611において、検査終了処理が実施される。検査制御部406は、検査情報保存部403及び表示制御部4070へ検査終了通知を送信する。なお、検査終了通知は実施予定検査情報を含む。同時に、検査制御部406は画像出力制御部409へ画像出力通知を送信する。なお、画像出力通知は、実施予定検査情報を含む。検査情報保存部403は検査終了通知を受信すると、登録済みの検査情報から実施予定検査情報を検索して取得する。そして、検査情報保存部403は取得した検査情報の検査ステータスを「終了」に更新する。表示制御部4070は、検査終了通知を受信すると、表示部109へ検査終了通知を送信する。表示部109は、検査終了通知を受信すると、患者情報入力画面801へ遷移する。なお、操作部108が検査保留を受け付けた場合も、検査終了と同様の流れとなる。ただし、検査情報保存部403は取得した検査情報の検査ステータスを「保留中」に更新する。続いて、ステップS612において、画像出力が実施される。画像出力制御部409は、画像出力通知を受信すると、通信回路112を介して、出力装置410に対する画像出力処理を実施する。
ここで、図7を用いて本発明における画像出力処理の流れを示す。まず、ステップS701において、検査終了処理が実施される。検査終了処理は、図6におけるステップS611と同様である。続いて、ステップS702において、画像出力制御部409は、画像出力通知に含まれる実施予定検査情報から、ステータスが「撮影完了」である撮影手技全てを取得し、先頭の画像情報を取得する。続いて、ステップS703において、画像出力制御部409は、取得した画像情報の写損状態を確認する。画像出力制御部409は、写損状態がOFFの場合は、ステップS704に遷移する。ステップS704において、画像出力制御部409は、通信回路112へ画像出力依頼通知を送信する。なお、画像出力依頼通知は、X線画像データあるいはトモシンセシス画像データ、画像情報を含む。同時に、画像出力制御部409は、画像情報の出力状態をONに設定する。通信回路112は、画像出力依頼通知を受信すると、画像出力依頼通知に含まれる画像データあるいはトモシンセシス画像データ、出力装置410へ出力する。続いて、ステップS705において、画像出力制御部409は、ステップS702にて取得した全画像情報に対して出力処理を行ったか否か確認する。画像出力制御部409は、画像情報の出力状態がON、あるいは写損状態がONであれば、出力処理済みと判断する。画像出力制御部409は、1つでも出力処理を行っていない画像情報があればステップS702へ戻る。画像出力制御部409は、全ての画像情報に対して出力処理が行われていれば、ステップS706に遷移する。続いて、ステップS706において、画像出力制御部409は、検査制御部406へ画像出力完了通知を送信する。以上で、画像出力処理は終了する。
このように、画像出力制御部409は、写損として設定されたデータの外部の装置に対する送信を制限する。
以下、表示制御部4070により表示部109に表示される表示画面の例を説明する。
図8に基づいて、図6におけるステップS601で表示される患者情報入力画面801の例を示す。患者情報入力画面801は、検査を実施対象となる患者の情報を入力する画面である。患者情報入力画面801は、患者情報入力部802、患者情報リスト803、患者情報確定指示部804、患者情報表示部805、検査情報表示部806、検査開始指示部807より構成される。患者情報入力部802は、患者情報に含まれる各項目の値の入力や選択を行う領域である。患者情報リスト803には、過去に実施された検査の患者情報がリスト表示される。患者情報リスト803のカラムには、1カラムに対して患者情報に含まれる項目が1つ表示される。リスト部分には、1行に1名の患者情報が表示される。リスト上の任意の患者情報を選択すると、選択した患者情報が患者情報入力部802の各入力部に入力される。患者情報確定指示部804は、患者情報入力部802に入力されている値を患者情報として確定させるためのボタンである。ボタンが押下されると、必須入力項目に値が入力されているか、また入力項目に規格に反していない正しい値が入力されているか確認し、問題がなければ患者情報として確定する。患者情報表示部805は、確定された患者情報を表示する領域である。患者情報が確定されるまでは各項目に値が表示されておらず、患者情報が確定した時点で表示される。検査情報表示部806には、入力された検査情報が表示される領域である。ここで示す検査情報には、検査ID、照会医師名、読影医師名、検査記述、施設名など検査を特定するための情報が含まれる。また、撮影予定として選択された撮影手技も含まれる。なお、1つの検査に対して撮影手技は少なくとも1つ以上選択可能である。検査情報表示部806には、検査情報の各項目を表示する領域と選択された撮影手技を表示する領域が存在する。検査情報が入力されるまでは、各項目に値が表示されない。同様に、撮影手技も選択されるまでは表示されない。それぞれ、検査情報が入力された時、撮影手技が選択された時点で表示される。また、1回の撮影において、複数検査を一度に実施する事が可能である。その際は、検査情報表示部806が検査数の分だけ並べて表示される。検査開始指示部807は、検査の開始を指示するボタンである。ボタンが押下されると、患者情報、検査情報が入力されているか、かつ撮影手技が各検査で1つ以上選択されているか確認し、問題がなければ検査開始処理を実施する。撮影手技が選択されていない検査が1つでも存在する場合は、撮影手技選択画面901が表示される。
次に、図9を用いて、図6におけるステップS602で表示される撮影手技選択画面901の例を示す。撮影手技選択画面901は、実施予定検査において撮影予定撮影手技を選択する画面である。撮影手技選択画面901は、撮影手技表示部902、撮影手技ボタン903、患者情報表示部904、検査情報表示部905、選択撮影手技ボタン906、検査開始指示部907より構成される。撮影手技表示部902には、撮影手技情報保存部402に保存されている撮影手技を1つずつ撮影手技ボタン903で表示する領域である。ボタンの表示場所は任意に変更可能である。また1ページで表示しきれない場合は、複数ページにわたって表示可能であり、ページ切り替え指示によって表示ページが切り替えられる。撮影手技ボタン903は、撮影手技情報保存部402に保存されている撮影手技毎に表示されるボタンである。撮影手技ボタンには、撮影手技の名称、使用センサ名が表示される。ボタンが押下されると、選択中の検査において撮影予定として選択が確定される。患者情報表示部904は、確定された患者情報を表示する領域である。検査情報表示部905は、入力された検査情報が表示される領域である。選択撮影手技ボタン906は、撮影手技表示部902で選択された撮影手技ボタン903が表示される。検査には1つ以上の撮影手技を選択可能であるため、撮影手技ボタンが選択される度に、検査情報表示部905の最後尾に選択撮影手技ボタン906が追加される。検査開始指示部807は、検査の開始を指示するボタンである。ボタンが押下されると、患者情報、検査情報が入力されているか、かつ撮影手技が各検査で1つ以上選択されているか確認し、問題がなければ検査開始処理を実施する。検査開始処理が実施されると撮影画面1001へ遷移する。撮影手技が選択されていない検査が1つでも存在する場合は、撮影手技を選択するようユーザに通知し、画面遷移を行わない。以上の構成となる撮影手技選択画面901が表示される。
次に、図10を用いて、図6におけるステップS603で表示される撮影画面1001の例を示す。撮影画面1001は、画像表示部1002、ステータス表示部1003、シングルビュー指示部1004、マルチビュー指示部1005、フレームビュー指示部1006、患者情報表示部1007、検査情報表示部1008、撮影手技表示部1009、再構成指示部1010、撮影画像サムネイル1011、撮影予定サムネイル1012、Window Level編集部1013、Window Width編集部1014、検査保留指示部1015、画像出力指示部1016、検査終了指示部1017、アノテーション表示指示部1018、右回転指示部1019、左回転指示部1020、左右反転指示部1021、上下反転指示部1022、白黒反転指示部1023、Lマーク配置指示部1024、Rマーク配置指示部1025、切り出し設定指示部1026、マスク処理指示部1027、再撮影ボタン1028、写損ボタン1029、Undo指示部1030、リセット指示部1031により構成される。画像表示部1002は、静止画撮影後の撮影画像、あるいは再構成処理後のトモシンセシス画像をプレビュー表示する。動画撮影中は撮影画像をリアルタイムでプレビュー表示する。撮影後にプレビュー選択を切り替えた場合はプレビュー選択された撮影画像がプレビュー表示される。また、設定に応じて患者情報、検査情報、照射条件などがアノテーション表示される。検査開始直後の初期状態では、画像は表示されない。ステータス表示部1003は、X線制御部104やX線検出器106から通知されたステータスを操作者が判別し易いように、色や文字を区別して表示する領域である。通信回路112を介してX線制御部104やX線検出器106からステータス通知を受信した撮影制御部405は検査制御部406へステータス変更を通知する。検査制御部406は、X線制御部104やX線検出器106のステータスの組み合わせによって、表示内容を判定し、表示制御部4070へステータス表示切り替え指示を送信する。例えば、X線制御部104がX線照射不可あるいはX線検出器106がX線検出不可な能場合は、センサステータス上に「Not Ready」を表示する。また、X線制御部104がX線照射可能及びX線検出器106がX線検出可能である場合は、センサステータス上に「Ready」を表示し、背景色を「Not Ready」表示時と容易に区別可能な色に変更する。シングルビュー指示部1004は、画像表示部1002にプレビュー選択されている画像の1フレームを表示するシングルビューへ切り替えるボタンである。複数フレームの画像の場合、プレビュー表示中にキーボードやマウス操作によって別フレームの表示や動画再生も可能である。マルチビュー指示部1005は、画像表示部1002を格子状の複数表示領域に区切り、実施中の検査内で撮影された画像群を並列表示するマルチビューへ切り替えるボタンである。実施中の検査内で2つ以上の画像が撮影されるまではボタンは無効となり、マルチビュー不可能となる。フレームビュー指示部1006は、画像表示部1002を格子状の複数表示領域に区切り、プレビュー選択されている動画のフレーム画像群を並列表示するフレームビューへ切り替えるボタンである。プレビュー選択されている画像が動画像でない場合、ボタンは無効となり、フレームビュー不可能となる。患者情報表示部1007は、患者名、患者IDといった患者情報が表示される領域である。検査情報表示部1008は、検査IDや検査記述といった検査情報が表示されるまた、検査で選択されている撮影手技が撮影手技表示部1009に並べて表示される。撮影手技表示部1009には、再構成指示部1010、撮影画像サムネイル1011と撮影予定サムネイル1012が含まれる。撮影手技表示部1009には、撮影手技名称等の撮影手技情報と、実施した全ての撮影画像サムネイル1011が表示されている。検査開始直後の初期状態では、一度も撮影が行われていないため、撮影画像サムネイル1011は表示されない。再構成指示部1010はプレビュー選択中の画像を含むトモシンセシス撮影手技に対して再構成処理の実施を指示するボタンである。トモシンセシス以外の撮影手技では表示されずに、表示領域が詰められる。また、トモシンセシス撮影手技が複数表示している場合は、プレビュー選択中の画像を含むトモシンセシス撮影手技以外は全てボタンが無効となる。再構成指示部1010より指示を与えることで、一度再構成処理を行ったトモシンセシス撮影手技に対して再構成のやり直しを実施することが可能となる。撮影画像サムネイル1011上には、それぞれの撮影画像に対応したサムネイル画像、撮影種別マーク、類似マーク2301、写損マーク2701が表示される。撮影種別マークは、静止画、透視、シネ、トモシンセシス画像の撮影種別を区別可能なマークである。例えば、シネは「C」、トモシンセシス画像は「T」となる。ただし、撮影種別の区別がつけられる印であれば、これに限定されない。撮影画像サムネイル1011を選択することでプレビュー表示が切り替わる。また、次回照射予定選択中の撮影手技表示部1009には、次回照射時にサムネイル追加が予定される箇所にブランク表示された撮影予定サムネイル1012が表示される。照射予定選択状態を解除すると撮影予定サムネイル1012は非表示となる。Window Level編集部1013、Window Width編集部1014は、プレビュー選択中の画像に対するWindow Level、Window Widthを編集する箇所である。編集ボックスの表示値を変更する、あるいは画像表示部1002上でマウスドラッグすることで編集がプレビュー表示中の画像に対して適用される。検査保留指示部1015は、実施中の検査の保留を指示するボタンである。検査制御部406は検査保留処理を実施する。画像出力指示部1016は、実施中の検査に含まれる撮影画像の画像出力を指示するボタンである。画像出力が指示された場合の処理の流れは、図7に示した検査終了時の画像出力処理と同様である。検査終了指示部1017は、実施中の検査の終了を指示するボタンである。検査制御部406は検査終了処理を実施する。アノテーション表示指示部1018は、画像表示部1002上に表示されるアノテーションの表示、非表示を切り替えるボタンである。右回転指示部1019は、プレビュー表示中の撮影画像を右回転させるボタンである。左回転指示部1020は、プレビュー表示中の撮影画像を左回転させるボタンである。左右反転指示部1021は、は、プレビュー表示中の撮影画像を左右反転させるボタンである。上下反転指示部1022は、プレビュー表示中の撮影画像を上下反転させるボタンである。白黒反転指示部1023は、プレビュー表示中の撮影画像のWindow値を反転させるボタンである。Lマーク配置指示部1024は、プレビュー表示中の撮影画像上に側性マーカー「L」を配置させるボタンである。ボタンはON/OFF切り替え可能であり、ONで「L」を配置し、OFFで「L」を削除する。Rマーク配置指示部1025は、プレビュー表示中の撮影画像上に側性マーカー「R」を配置させるボタンである。ボタンはON/OFF切り替え可能であり、ONで「R」を配置し、OFFで「R」を削除する。切り出し設定指示部1026は、プレビュー表示中の撮影画像に対する関心領域の切り出し設定を指示するボタンである。マスク処理指示部1027は、プレビュー表示中の撮影画像に対するマスク処理を指示するボタンである。再撮影ボタン1029は、プレビュー選択中の画像を含む撮影手技に対して再撮影を指示するボタンである。ここで示す再撮影とは、再撮影を指示された画像に対して写損処理を実施し、同一撮影手技を新規で追加する処理を指す。写損ボタン1029は、プレビュー選択中の画像に対して写損を指示するボタンである。写損処理が実施されると、画像情報に含まれる写損設定がONに切り替えられる。Undo指示部1030は、プレビュー選択中の画像に対する処理の履歴を新しい順に戻すUndo処理を指示するボタンである。リセット指示部1031は、プレビュー選択中の画像に対する処理を全て破棄し、撮影直後の状態に戻すリセット処理を指示するボタンである。以上の構成となる撮影画面1001が表示される。
以上撮影画面1001において、表示制御部4070は、投影画像群を撮影するための撮影手技を撮影手技表示部1009(第一の表示領域)内に表示させる。そして当該撮影手技に対応する投影画像群が撮影されることに応じて、投影画像群を示す撮影画像サムネイル1011が撮影手技表示部1009に表示させる。さらに表示制御部4070は、投影画像群に基づくトモシンセシス画像が生成されることに応じて、当該トモシンセシス画像の撮影画像サムネイル1011が当該撮影手技表示部1009(第一の表示領域)内に表示させることとなる。このようにすることで撮影情報とそれに対応する投影画像群及びトモシンセシス画像が分かりやすく表示されることとなる。
次に、図11を用いて、図6におけるステップS609で表示される再構成画面1101の例を示す。再構成画面1101は、画像表示部1102、フレーム指定スライダー1103、画像操作ツールバー1104、コロナル断面表示指示部1105、オブリーク断面表示指示部1106、フレームビュー指示部1107、再構成方式選択部1108、再構成フィルタタイプ選択部1109、再構成フィルタDC編集部1110、カットオフ周波数編集部1111、断層ピッチ編集部1112、スライス枚数編集部1113、ノイズ低減処理編集部1114、再構成処理指示部1115、デフォルト設定指示部1116、フレーム再生範囲設定部1117、Window調整表示指示部1118、再生処理表示指示部1119、再構成キャンセル指示部1120、再構成確定指示部1121、3Dスライダー1122より構成される。画像表示部1102は、再構成処理後のトモシンセシス画像をプレビュー表示する。また、再構成処理実施中は、ユーザに再構成処理中であることを報知するプログレスバーが表示され、再構成処理完了と同時にトモシンセシス画像が表示される。フレーム指定スライダー1103は、プレビュー表示中のトモシンセシス画像における表示中のフレーム画像の確認、フレーム画像の切り替えを行う。トモシンセシス画像のプレビュー表示と同時にスライダー横の上端から下端までに、プレビュー表示中トモシンセシス画像の全有効フレーム分のメモリが均等に表示される。ここで、有効フレーム分のみ指定可能に制御することにより、誤って無効フレームを表示してしまう危険性を減らしている。フレーム指定スライダー1103上を選択あるいはドラッグすることで選択されたメモリに対応した番号のフレームが画像表示部1102に表示される。画像操作ツールバー1104は、プレビュー表示中のトモシンセシス画像に対する処理を指示するコントロールが配置される。配置されるコントロールは、撮影画面1001における918〜931と同様である。
ここでコロナル断面表示指示部1105は、画像表示部1102に表示するトモシンセシス画像をコロナル断面で表示するよう指示するボタンであり、第一の二次元断層画像の表示を指示するためのボタンに該当する。当該ボタンは、図11の再構成画面1101が表示された初期状態で選択可能状態とされ、かつ、オン状態(選択状態)とされている。オブリーク断面表示指示部1106は、画像表示部1102に表示するトモシンセシス画像をオブリーク断面で表示するよう指示するボタンであり、第二の二次元断層画像の表示を指示するためのボタンに該当する。
フレームビュー指示部1107は、画像表示部1102を格子状の複数表示領域に区切り、プレビュー表示中のトモシンセシス画像のフレーム画像群を並列表示するフレームビューへ切り替えるボタンである。オブリーク断面表示中は、無効となりフレームビュー表示不可能となる。再構成方式選択部1108は、FBP(Filtered Back Projection)法やシフト加算法、逐次近似再構成法といった再構成方式を選択するコントロールである。再構成フィルタタイプ選択部1109は、再構成処理を行う際に使用するフィルタタイプを選択するコントロールである。再構成フィルタDC編集部1110は、再構成処理を行う際に使用するフィルタのDCパラメータを編集するコントロールである。カットオフ周波数編集部1111は、再構成処理を行う際に使用するフィルタのカットオフ周波数を編集するコントロールである。断層ピッチ編集部1112は、再構成処理を行う際のフレーム間の厚みを編集するコントロールである。スライス枚数編集部1113は、再構成処理を行う際の総フレーム数を編集するコントロールである。ノイズ低減処理編集部1114は、再構成処理を行う際にノイズ低減処理を適用するか否かを切り替えるコントロール、及び適用する際の影響度を編集するコントロールである。再構成処理指示部1115は、再構成処理の実施を指示するボタンである。ボタンが押下された時点で入力されている再構成パラメータを使用して再度再構成が実施される。この時、プレビュー表示中のトモシンセシス画像と同じ投影画像が用いられる。デフォルト設定指示部1116は、プレビュー表示中のトモシンセシス撮影手技のデフォルト再構成パラメータの変更を指示するボタンである。ボタンが押下されると、撮影制御部405から表示中の再構成パラメータと共に再構成パラメータ変更通知が検査制御部406へ送信される。検査制御部406は、再構成パラメータ対象のトモシンセシス撮影手技の再構成パラメータを更新し、撮影手技情報保存部402へ「登録・更新」の処理依頼を送信する。フレーム再生範囲設定部1117は、範囲指定往復再生時の再生範囲を指定するコントロールである。最小フレーム番号、中心フレーム番号、最大フレーム番号を指定するつまみで構成される。それぞれのつまみを移動することで、指定した最小フレーム番号から最大フレーム番号までの範囲が再生範囲として設定される。Window調整表示指示部1118は、Window調整用コントロールの表示・非表示を切り替えるボタンである。Window調整表示指示部1118をONに切り替えると、3Dスライダー1122表示領域にWindow調整部1601が表示される。
実施形態に係る画像処理部110は、トモシンセシス画像の解析処理を行い、トモシンセシス画像から生成されるコロナル画像やオブリーク画像等のスライス画像をウィンドウ処理等の階調処理を施す。表示制御部4070は、当該ウィンドウ処理がされたスライス画像を再構成画面1101の画像表示部1102に表示させる。
Window調整表示指示部1118をOFFに切り替えると、Window調整部1601が非表示となり、3Dスライダー1122が表示される。再生処理表示指示部1119は、再生処理用コントロールの表示・非表示を切り替えるボタンである。再生処理表示指示部1119をONに切り替えると、3Dスライダー1122表示領域に再生処理部2001が表示される。再生処理表示指示部1119をOFFに切り替えると、再生処理部1601が非表示となり、3Dスライダー1122が表示される。再構成キャンセル指示部1120は、プレビュー中のトモシンセシス画像の破棄を指示するボタンである。再構成キャンセルが指示された場合、トモシンセシス画像及び画像情報を保存せずに、ステップS609が完了し、撮影画面1001へ遷移する。撮影画面1001では、再構成画面表示前にプレビューされている画像が継続してプレビュー選択される。再構成確定指示部1121は、プレビュー中のトモシンセシス画像の保存確定を指示するボタンである。保存確定が指示された場合、プレビュー中のトモシンセシス画像をHDD504に保存する。その後、ステップS608が完了し、撮影画面1001へ遷移する。
3Dスライダー1122は、生成したトモシンセシス画像のフレームを擬似的に3D表示し、表示フレームの指定を行うコントロールである。3Dスライダー1122上に、各トモシンセシス画像のフレームの位置関係を相対的に示した罫線が表示され、表示フレーム画像と同じフレーム番号の位置に縮小画像が表示される。3Dスライダー1122上の罫線を選択する、あるいはマウスでドラッグすることで表示フレームを容易に切り替えることができる。ここで、3Dスライダー1122上に表示される罫線は、トモシンセシス画像の有効フレーム分のみが表示される。また、断層ピッチやスライス枚数の編集に連動して、再構成処理後の各トモシンセシス画像のフレームの位置関係を現在の状態に重ねてプレビュー表示する。これにより、操作者が断層ピッチやスライス枚数を変更した際の厚みの変化を容易に把握することが可能となる。以上の構成となる再構成画面1101が表示される。
次に、図12を用いて、図6におけるステップS609にて表示されるオブリーク断面表示時の再構成画面1101を示す。オブリーク断面表示指示部1106が押下されると、画像表示部1102に表示されるトモシンセシス画像の断面がコロナル断面画像からオブリーク断面画像に切り替わる。コロナル断面表示指示部1105が押下されると、画像表示部1102に表示されるトモシンセシス画像の断面がコロナル断面からオブリーク断面に切り替わる。オブリーク断面表示中は、フレーム指定スライダー1103によるフレーム指定や再生処理部1901からの再生指示は無視される。また、フレームビュー指示部1107は無効になり、フレームビュー不可能となる。オブリーク断面表示中は、通常の3Dスライダー1122に変わり、オブリーク角度編集用3Dスライダー1201が表示される。オブリーク角度編集用3Dスライダー1201は画像表示部1102に表示されるオブリーク断面画像の姿勢情報を現す表示領域となる。ここでオブリーク角度編集用3Dスライダー1201では、図示された直方体の上面及び下面に沿う方向がコロナル断面画像の方向となっており、コロナル断面画像に対して交差するオブリーク断面画像の姿勢情報が表現される。
また、図12に図示されたオブリーク断面画像は、アイソセンタを常に通る断面の画像である。アイソセンタは図示された直方体の側面の×印として表わされている。別の実施形態では、画像処理部110はアイソセンタを通らない位置のオブリーク断面画像を生成し、表示制御部4070は操作部108からの操作入力に応じてこれを表示させることが可能である。
オブリーク角度編集用3Dスライダー1201上に表示されているフレーム画像の表示角度の編集に対応してオブリーク角度が変更される。オブリーク角度編集用3Dスライダー1201で編集されたオブリーク角度に連動して、画像表示部1102にプレビュー表示されるトモシンセシス画像のオブリーク角度も変更される。以上の構成となるオブリーク断面表示時の再構成画面1101が表示される。
<オブリークの表示制限処理>
ここで、図13を用いて、図6におけるステップS608及びステップS609にて実施される投影画像の照射開始から再構成画面の表示に関わる処理の一例を示す。図13に示す処理の主体は、例えば図1に示す撮影制御装置107である。まず、ステップS1301で照射スイッチ103が押下されることにより照射が開始され、投影画像の撮影が順次行われる。
S1302において照射スイッチ103の押下が解除されることにより照射が終了し、投影画像の撮影が終了する。撮影制御部405は、投影画像の照射終了通知を受信すると、撮影中断判定部401へ撮影中断判定依頼通知を送信する。なお、撮影中断判定依頼通知は、投影画像の画像情報、位置情報を含む。
ここで撮影中断判定部401は、投影画像の画像情報、位置情報を使用して、撮影中断状態を判定し、撮影制御部405へ撮影中断判定結果を通知する。なお、撮影中断判定結果は、判定ステータスを含む、判定ステータスには、「位置情報なし」、「初期中断」、「後期中断」、「完了」が含まれる。
ステップS1303において、撮影中断判定部401は撮影中断判定依頼通知を受信すると、位置情報を確認する。位置情報が含まれていない場合は、判定ステータスに「位置情報なし」を設定して撮影制御部405へ撮影中断判定結果を送信する。
位置情報が含まれている場合は、ステップS1304において、達成度特定部4011は撮影状況を確認する。達成度特定部4011は、位置情報に含まれる撮影角度、あるいはX線検出器移動距離のいずれかを参照し、最大値を求める(図3)。最大値が負値である場合、撮影中断判定部401は、撮影が0°未満で中断と判定し、判定ステータスに「初期中断」を設定する。なお、撮影開始時の初期位置が正の値から始まる場合は、撮影中断判定部401は、位置情報に含まれる撮影角度、あるいはX線検出器移動距離のいずれかを参照し、最小値を求める。最小値が正の値である場合、撮影中断判定部401は、撮影が0°未満で中断されたと判定し、判定ステータスに「初期中断」を設定する。続いて、達成度特定部4011は、撮影角度、あるいはX線検出器移動距離の最大値とデフォルト撮影条件に含まれる最大撮影角度、最大X線検出器移動距離を比較する。位置情報の最大値が最大撮影角度、最大X線検出器移動距離に対して、位置情報の最大値が一定の閾値分満たない場合は、撮影中断判定部401は、撮影が0°以上で中断と判定し、判定ステータスに「後期中断」を設定する。なお、撮影角度、あるいはX線検出器移動距離の最小値を使用する場合は、デフォルト撮影条件に含まれる最小撮影角度、最小X線検出器移動距離と比較する。その後、撮影中断判定部401は、撮影制御部405へ撮影中断判定結果を送信する。
撮影制御部405は、撮影中断判定結果を受信すると、判定ステータスを確認する。判定ステータスが「位置情報なし」、「初期中断」、「後期中断」の場合、撮影制御部405は、検査制御部406へ撮影中断通知を送信する。検査制御部406は撮影中断通知を受信すると、対象の撮影手技情報のステータスを更新する。
続いて、ステップS1305において、検査制御部406は、撮影手技情報のステータスを確認する。
ステップS1305において、ステータスが「位置情報無し」の場合、ステップS1312において、検査制御部406は、撮影画面1001にポップアップ画面1401を表示する。ポップアップ画面1401が閉じられると、検査制御部406は、再構成画面へ遷移せずに処理を終了する。
ステップS1305において、ステータスが「初期」の場合、ステップS1313において、検査制御部406は、撮影画面1001にポップアップ画面1601を表示する。ポップアップ画面1601が閉じられると、検査制御部406は、再構成画面へ遷移せずに、表示制御部4070へ再構成禁止通知を送信する。なお、再構成送信通知は、撮影手技情報を含む。
続いて、ステップS1316において、表示制御部4070は、再構成禁止通知を受信すると、表示部109へ再構成禁止通知を送信する。表示部109は、再構成禁止通知を受信すると、撮影画面1001の再構成指示部1010を無効表示とし、処理を終了する。
ステップS1305で実施予定判定ステータスが「完了」の場合、ステップS1306として、撮影制御部405は投影画像の取得フレーム数と位置情報の要素数を比較する。
ステップS1306で投影画像の取得フレーム数と位置情報の要素数が異なる場合、ステップS1307において、撮影制御部405は投影画像の取得フレーム数と位置情報の要素数を同じにする補正処理を実施する。同時に、撮影制御部405は検査制御部406へ補正処理実施通知を送信する。検査制御部406は補正処理実施通知を受信すると、対象の撮影手技情報の補正処理有無情報を更新する。
ステップS1306で投影画像の取得フレーム数と位置情報の要素数が同じ場合、補正処理は実施されない。
ステップS1308において、撮影制御部405は、再構成処理を実施させる。ステップS1308からS1309の処理の流れは、図6におけるS608からS609の処理の流れと同様である。再構成画面1101にトモシンセシス画像が表示された後、ステップS1310において、検査制御部406は表示したトモシンセシス画像を含む撮影手技情報のステータスを確認する。
このように、仮にステップS1302で撮影中断により撮影が終了した場合であっても、撮影が0°以上(半分以上)進行した状況である場合には、中断した撮影により得られた投影画像に基づいてS1308で画像処理部110に再構成処理を実行させる。そして、コロナル画像(第一の二次元断層画像)を表示させる。一方で、オブリーク画像(第二の二次元断層画像)については表示を禁止させることで誤診を招く可能性を低減することができる。
またこのように、ステップS1302で撮影中断により撮影が終了した場合であっても、ステップS1303乃至ステップS1308までの処理を順次実行することにより、撮影の中断に応じて得られた投影画像に基づく再構成処理を開始することができる。これにより、操作者の手間を省き効率的に診断画像を得ることができる。
ここで別の実施形態では、撮影中断により撮影が終了した場合に限って、ステップS1308で画像処理部110による再構成処理を実行する前に、表示制御部4070により表示部109に再構成処理を開始するか否かを指示する操作入力を受け付けるためのGUIを表示させる。かかるGUIは、例えば「撮影が中断しましたが、コロナル画像については再構成処理が可能です。再構成処理を開始しますか」とのメッセージと、操作部108の操作によって押下可能なOKボタン及びキャンセルボタンを有するポップアップウィンドウである。かかるポップアップウィン動は例えば図10に示す検査画面に重畳して表示される。操作部108から操作入力により、OKボタンが押下されたことを入力検出部4071が検出した場合には、当該検出に応じて撮影制御部405が画像処理部110に再構成処理を開始させる。このようにすることで、ユーザにとって不必要な再構成処理の実行を減らし、トモシンセシス撮影を効率的に遂行することができる。
ステップS1310において、表示制御部4070は、投影画像の撮影の進捗度合いに基づいて前記X線検出部の検出面と交差する二次元断層画像の表示を制限する。ステータスが「後期中断」の場合、ステップS1314において、検査制御部406は再構成画面1101にポップアップ画面1601を表示する。ポップアップ画面1601が閉じられると、検査制御部406は、表示制御部4070へオブリーク表示禁止通知を送信する。
続いて、ステップS1317において、表示制御部4070は、オブリーク表示禁止通知を受信すると、表示部109へオブリーク表示禁止通知を送信する。表示部109は、オブリーク表示禁止通知を受信すると、再構成画面1101のオブリーク表示指示部1106を無効表示とし、X線検出器106の検出面と交差する二次元断層画像(第二の二次元断層画像、オブリーク画像)の表示を制限する。
このように表示制御部4070は、X線制御部104からの位置情報により撮影中断があったと判定された場合に、オブリーク画像(第二の二次元断層画像)の表示を指示するためのオブリーク表示指示部1106を選択不可能とする制御をする。これによりオブリーク画像の表示を禁止する。このようにすることでユーザに診断上不適切な画像が表示されてしまう可能性を減らすことができる。
ステップS1310において、ステータスが「後期中断」でない場合、ステップS1311において、検査制御部406は撮影手技情報の補正処理有無情報を確認する。
ステップS1311において、補正処理有りの場合、検査制御部406は、ステップS1315において、再構成画面1101にポップアップ画面1701を表示する。ポップアップ画面1701が閉じられると、検査制御部406は、表示制御部4070へオブリーク表示許可通知を送信する。
ステップS1318において、表示制御部4070は、オブリーク表示許可通知を受信すると、表示部109へオブリーク表示許可通知を送信する。表示部109は、オブリーク表示許可通知を受信すると、再構成画面1101のオブリーク表示指示部1106を有効表示とし、処理を終了する。
なお上述の例では、S1308で画像処理部110が3次元ボリュームデータの再構成処理を実施したあと、S1317等で表示制御部4070が表示を制限することとしているが、実施形態はこれに限られない。別の実施例では、ステップS1318の処理の前に、画像処理部110が複数のオブリーク画像(第二の二次元断層画像)を投影画像から直接再構成する。このようにすれば、オブリーク画像は投影画像から直接再構成されるため画質を向上させることができる。一方で、ステップS1314に進んだ場合には撮影制御部405の制御により、当該オブリーク画像の生成処理を行わない。このようにすることで、不要なオブリーク画像については生成処理自体を行わないため、処理が効率化される。
ここで、図14(a)を用いて、図13におけるステップS1312に位置情報が通知されていないと判断された場合に再構成画面1101上に表示されるポップアップ画面1401の一例を示す。撮影画面1001上にポップアップ画面1401が表示される。ポップアップ画面1401には、位置情報が通知されていないため、再構成ができない旨を示したメッセージと共にOKボタン1402が表示される。OKボタン1402を押下すると、ポップアップ画面1401が閉じられ、撮影画面1001上の操作が可能となる。以上の構成となるポップアップ画面1401が表示される。なお、位置情報は後から遅れて通知される可能性がある。そのため、再構成処理指示部1010は有効表示され、押下時に位置情報が通知されている場合は、再構成を実施する。押下時に位置情報が通知されていない場合は、再度ポップアップ画面1401が表示される。
ここで、図14(b)を用いて、図13におけるステップS1313にて投影画像の撮影が0°未満で中断されたと判断された場合に再構成画面1101上に表示されるポップアップ画面1403の一例を示す。撮影画面1001上にポップアップ画面1403が表示される。ポップアップ画面1403には、撮影が中断されたため、再構成ができない旨を示したメッセージと共にOKボタン1404が表示される。OKボタン1404を押下すると、ポップアップ画面1401が閉じられ、撮影画面1001上の操作が可能となる。また、投影画像の撮影が0°未満で中断された撮影手技は、再構成処理指示部1010が無効となり、再構成の実施が不可能となる。ここで、再構成処理指示部1010の上に例えば×印1405を重畳表示させることとすれば、再構成処理指示部1010が無効であることをより強く明示することができる。
ここで、図15を用いて、図13におけるステップS1314にて投影画像の撮影が0°以上で中断された場合に再構成画面1101上に表示されるポップアップ画面1501の一例を示す。再構成画面1101上にポップアップ画面1501が表示される。ポップアップ画面1501には、撮影が中断されたため、再構成が正しくできていない可能性がある旨、及びオブリーク断面表示が不可能となる旨を示したメッセージと共にOKボタン1502が表示される。OKボタン1502を押下すると、ポップアップ画面1501が閉じられる。また、投影画像の撮影が0°以上で中断された場合には、オブリーク断面表示指示部1106が無効となり、オブリーク断面の表示が不可能となる。ここで、オブリーク断面表示指示部1106の上に例えば×印1503を重畳表示させることとすれば、オブリーク断面表示指示部1106が無効であることをより強く明示することができる。
上述の図14(b)、図15のように、表示制御部4070が撮影中断時に警告を表示させることにより、予め定められた範囲の撮影が完了する前に撮影が中断してしまったことを明らかにすることができる。また図15のように、表示制御部4070が撮影の達成度あるいは進行度合いに応じて異なる警告を表示させることにより、進行度合いに合わせて異なる処理が行われたことをユーザに容易に認識させることができる。
なお別の実施形態では、ステップS1310で仮に0°以上撮影した状況で中断していると判定された場合にも、オブリーク断面表示ボタンを無効にしない。これは、診断に用いることができるか否かは診断者に判断をゆだねることとし、被検者をX線に暴露させて得られたX線投影画像に基づくオブリーク画像を表示制御部4070が表示部109に表示させる。ただこの場合に、オブリーク画像を表示させる際には、診断には適さない画像であることを示す表示とともに表示させるよう、表示制御部4070により表示制御する。例えば、診断には適さない画像である旨の表示は、例えば「所望の撮影が中断された結果、再構成画像の画質に影響がある可能性があります」とのメッセージとともに、表示制御部4070がオブリーク画像を表示させる。あるいは、所定の姿勢のオブリーク画像をDICOM画像として外部に出力する場合には、画像処理部110により画像に上述の文字メッセージを画像データとして埋め込む。これにより正しい手順で撮影された画像と誤解され誤診を招いてしまうという可能性を低減することができる。
なお、別の実施形態では、例えば−30°から+30°までの照射位置で得られた投影画像を撮影する設定がされている状況を考える。撮影が中断し−30°から+10°までの投影画像しか得られなかったとする。この場合には、少なくとも−10°から+10°までの照射位置で得られた投影画像による再構成画像と同等以上の画質は保証されていると考えられる。また、±30°の範囲で投影画像が撮影された場合にオブリーク画像の交差角は±30°まで変化させることが可能で、±10°の範囲で投影画像が撮影された場合にオブリーク画像の交差角は±10°まで変化させることが可能であるとする。この場合には、撮影中断した上述の投影画像に基づくオブリーク画像は、±10°の範囲で交差角を変化できるよう、表示制御部4070で制御する。
そこで、このように第一の撮影条件での撮影が途中で中断された場合には、中断前に得られた投影画像や位置情報に基づいて、少なくとも画質が同等以上となる第二の撮影条件と同様に扱うことする。具体的には、表示制御部4070は第二の撮影条件で撮影された場合と同様の範囲でオブリーク画像を表示させる。
このようにすることで、撮影が中断された場合であっても、得られたX線投影画像を画質が保証される範囲で有効に活用することができる。
上述の実施形態では、撮影制御装置107の通信回路112が駆動条件を送信し、かつX線発生部102の照射条件を送信したが、実施形態はこれに限られない。たとえば、X線発生部の照射条件はX線制御部10の不図示の操作部により直接入力することとし、入力された設定条件としての照射条件と、実際の撮影に用いられた実施情報としての照射条件とを、通信回路112が受信することとしてもよい。
画像処理部110の再構成アルゴリズムは、FBP法(Filtered BackProjection)、シフト加算法のほか、逐次近似再構成法を用いることとしてもよい。
なお、上述の実施形態ではパルスX線を照射する場合を説明したが、これに限らず連続的にX線を照射し、このX線をX線検出器で検出し投影画像を得ることとしてもよい。この場合には、各投影画像単位で見たときにX線の照射開始とX線の照射終了とでX線発生部102およびX線検出器106の位置が変わっている。この場合には、X線照射開始からX線の照射終了までのあるタイミングでの位置関係を、当該投影画像を撮影した際の幾何情報として再構成処理をすればよい。
上述の実施形態では、図4または図16に示す撮影制御装置107により図13のS1317、S1318に示すオブリーク表示制御、S1307、S1315に示す補正処理とその通知、図19に示す有効フレーム判定、図21、図23、及び図25に示す処理等を実行することとしていたが、実施形態はこれに限られない。例えば、図1に示すPACS115や、Viewer116などの画像処理装置あるいは画像管理装置が上述の実施形態に係る処理を実現することとしてもよい。なお、撮影制御装置で実行することにより、詳細な検討をX線撮影システム101で行え、効率的な撮影を行えることとなるため、再度の撮影を減らし、X線撮影の効率化を図ることができる。
図16に基づいて本発明の異なる実施形態に係る撮影制御装置107を説明する。なお、図4に示す符番と同様の符番が付された構成は、特に記載がない限り図16と同様に構成及び機能を有する。本実施形態に係る撮影制御装置107は、対応補正部1601と、条件比較部1602と、有効フレーム判定部1604と、階調処理実施判定部1608とをさらに有する。そのほか、画像処理部110には、再構成処理部1611と、階調パラメタ取得部1612と、階調処理部1613とを有する。また、画像処理部110と通信回路112は、制御部111に組み込まれている。例えば画像処理部110を図5に示すCPU501により実現する。なお例えば、画像処理部110のうち再構成処理部1611のみを制御部111とは別体の回路、例えば専用のGPUにより実現することとしてもよい。また、通信回路112は、制御部111に対して接続するものではなく、制御部111と一体的に構成された回路ブロックである。
画像処理部110の再構成処理部1611は、複数の投影画像と照射方向等の位置情報とに基づいてトモシンセシス画像を再構成する。再構成に当たっては、FBPや逐次近似再構成法といった再構成方式、Lampフィルタ、Shepp&Loganフィルタ、Cheslerフィルタといったフィルタタイプ、フィルタDC、カットオフ周波数といったフィルタ設定や、断層ピッチ、断層枚数あるいは再構成範囲といった断層設定、ノイズ低減処理のパラメータなどの各種再構成条件などが設定される。これら設定パラメータに基づいて再構成処理が行われる。
階調パラメタ取得部1612は、トモシンセシス画像の階調処理を行うためのパラメタあるいは階調条件を取得する。ここでいう階調条件には、例えば階調を決めるためのウインドウレベルやウィンドウ幅がある。例えば階調パラメタ取得部1612は、トモシンセシス画像のアイソセンタ位置の断層画像のヒストグラムを解析することによりこれらウインドウレベルやウィンドウ幅のパラメータを取得する。また別の場合には、階調条件は、操作部108からの操作入力に応じて条件設定部4051が設定情報を生成し、撮影制御部405を通じて画像処理部110に入力される。この場合階調パラメタ取得部1612はこの入力された階調条件を取得する。階調パラメタ取得部1612は取得した階調条件を階調処理部1613に入力する。
階調処理部1613は得られた階調条件を用いて、トモシンセシス画像の階調処理を行う。例えば階調処理部1613は、トモシンセシス画像に基づき得られた2次元断層画像について階調処理を行う。
以上の通り、画像処理部110は、複数の投影画像と、設定された再構成条件や階調条件等の処理条件に基づいて、トモシンセシス画像を生成する。
対応補正部1601は、X線制御部104から通信回路112を介して得られた、X線検出器106及びX線発生部102の位置情報のセットと、X線検出器106から通信回路を介して得られた、投影画像のセットとの対応関係を補正する。装置のエラーや仕様によって、投影画像と位置情報との数が合わない、タイミングが合わない等の理由で投影画像と位置情報とが一対一対応しない場合に、適切なペアを見つけて補正する処理を行う。これにより、投影画像を無駄にせずに再構成画像を生成し、被写体の被曝を低減することに貢献する。対応補正部1601の処理結果は撮影制御部405に出力され、表示制御部4070はこの処理結果に対応するメッセージを表示させる。この対応補正処理についての詳細は図17及び図18を参照して後述する。
有効フレーム判定部1604は、X線発生装置から通信回路112を通じて得られるX線発生部102及びX線検出器106の位置情報に基づいて、無効な画像領域を判定する。この無効な画像領域には、例えば被写体外の領域や、計算上得られてしまうX線検出器106の検出面よりもX線発生部102から離れた領域が該当する。表示制御部4070は判定の結果に応じて得られるトモシンセシス画像を表示部109に表示させる。これにより、無効な画像領域を考慮してトモシンセシス画像を表示させることができる。この無効な画像領域を考慮した表示処理の詳細は図19及び図20を用いて後述する。階調処理実施判定部1608は、再構成条件や処理条件の設定に基づいて、トモシンセシス画像の階調処理を実行するべきか否かを判定する。この場合、階調処理実施判定部1608は、条件設定部4051により再構成条件及び階調条件が設定された場合に、変更前後の条件を比較し条件を変更する設定がなされたか否かを判定する。変更があった場合に、撮影制御部405は、変更後の再構成条件に基づき再構成されたトモシンセシス画像に対する階調処理に、変更後との階調条件を用いるか否かを制御する。ここで、再構成方式が変更された場合には、変更後の階調処理条件が用いられず、変更後の再構成方式で再構成されたトモシンセシス画像を階調パラメタ取得部1612が解析し階調条件を取得し、階調処理部1613が階調処理を行う。
これにより、条件の変更に応じた適切な画像処理を実現することができる。この階調処理の実施是非制御の詳細は、図21及び図22を参照して後述する。
条件比較部1602は、条件設定部4051で設定される種々の処理条件を比較し、比較結果を撮影制御部405に出力する。撮影制御部405は条件比較部1602の処理結果に応じて表示制御部4070や画像処理部110による処理を制御する。
条件比較部1602は、図10等に示す撮影画面1001に表示されるトモシンセシス画像を示すアイコンである撮影画像サムネイル1011の追加表示制御に寄与する。条件比較部1602は、条件設定部4051で設定された処理条件と、画像処理部110で既に生成済みのトモシンセシス画像に対応する処理条件とを比較する。表示制御部4070は、比較の結果に基づいて、設定された処理条件に対応する新たなアイコンを表示させるか否かを制御する。これにより、無駄なアイコンの増加を抑制しつつ、複数のトモシンセシス画像をより比較しやすくすることができる。このアイコンの追加表示制御の詳細は図23及び図24を参照して後述する。
ここでいうデータには、複数の投影画像からなる投影画像群のデータ、または投影画像群に基づき得られるトモシンセシス画像のデータを含む。条件設定部4051は、トモシンセシス画像のデータまたは投影画像群のデータのうち少なくとも1つのデータを写損として設定する。写損設定は出力条件の設定として機能する。画像出力制御部409は、写損として設定されたデータの前記外部の装置に対する送信を制限する。ここで、条件設定部4051は、投影画像群のデータが写損として設定されることに応じて当該投影画像群に基づき生成されたトモシンセシス画像のデータを写損として設定する。これにより、投影画像群が診断対象として不適切とユーザに判定された場合に、当該不適切な投影画像群に基づき得られるトモシンセシス画像のデータも写損として設定し、不適切なデータが外部に出力されてしまう可能性を減らすことができる。この写損処理の詳細は図25乃至28を用いて後述する。
上述の対応補正処理、無効な画像領域を考慮した表示処理、階調処理の実行是非制御、アイコンの追加表示制御、写損処理は、いずれか1つのみまたは任意の組み合わせのみを実行できるように構成してもよい。また、上述の例で示したオブリークの表示制限処理とも組み合わせず、独立して実装することとしてもよい。
以上の実施形態に係る処理の効果を説明する。任意の断層画像を再構成可能なトモシンセシス撮影では、1回の投影画像の撮影において、被写体より複数フレームを撮影する必要があるため、撮影開始から終了までの撮影時間として数秒を要する。これにより、被写体の体動や操作ミスによって所望の撮影を完了せずに照射が中断される可能性がある。その場合、仮に再構成が成功したとしても、トモシンセシス画像は所望の精度では生成されない可能性が高い。また、オブリーク断面の表示についても同様である。ところが、中断された撮影においては一切再構成を禁止した場合、再構成可能な可能性があるにもかかわらず画像が無駄になり、被写体の被ばく量増加につながる可能性もある。一方で、撮影が中断された投影画像を通常と同じように再構成してトモシンセシス画像を表示した場合、生成されたトモシンセシス画像が所望の画像とは精度が異なる可能性があることを認識できない可能性がある。
上述の実施形態によれば、撮影が中断した場合であっても状況に応じて撮影画像を有効に利用してできる限り再構成処理を行うことができる。また撮影の中断状況に応じて可能な処理を区別して制御することで操作者の誤診を招く可能性を低減する。また、撮影の中断状況に応じて再構成及びオブリーク断面表示の可否を判断することが可能となり、撮影画像を安易に無駄にせずに、被検体の被爆増加を防ぐことができる。また、中断状況による制御内容を操作者に報知することで操作者が撮影完了時との差異を認識でき、誤診を招く可能性を低減することができる。
図16に示す構成の撮影制御装置107の撮影制御部405は、上述の図6のステップS609の処理で、撮影制御部405は再構成パラメータと位置情報を使用してトモシンセシス画像フレーム群で被検体が含まれる領域のみを有効フレームと判定する(図19)。これにより、無効フレームを保存しないよう制御することで、無駄なフレーム画像をプレビュー表示してしまうことを防ぎ、かつ画像保存に要する記憶容量を節約することが可能となる。検査制御部406は、再構成完了通知を受信すると、新規でトモシンセシス画像情報を生成し、再構成完了通知に含まれるトモシンセシス画像、再構成パラメータ、画像処理パラメータを入力する。その後、検査制御部406は、実施予定検査情報に含まれる撮影手技情報のうち、再構成が完了した撮影手技に新規生成したトモシンセシス画像情報を追加する。同時に、検査制御部406は、表示制御部4070へ再構成完了通知を送信する。表示制御部4070は、再構成完了通知を受信すると、表示部109へ再構成完了通知を送信する。表示部109は、再構成完了通知を受信すると、画像表示部1002に表示中のプログレスバーを非表示にする。そして、表示部109は、画像表示部1002にトモシンセシス画像をプレビュー表示し、表示アノテーションを更新する。再構成画面1101では、トモシンセシス画像に対して、Window処理、再生処理あるいは再構成パラメータを編集して再構成のやり直しが行われる。この時、本発明において、再構成をやり直す場合、撮影制御部405は再構成パラメータの編集内容を参照して再構成直後のAuto Window処理実施可否を判定する(図21)。これにより、再構成実施時に必要な場合のみAuto Window処理を実施することで、常に操作者が所望する最適なWindow処理が行われたトモシンセシス画像を表示することが可能となる。その後、操作部108は、再構成確定指示を受け付けると、入力検出部4071に再構成確定通知を送信する。入力検出部4071は、再構成確定通知を受信すると、検査制御部406へ再構成確定通知を送信する。検査制御部406は、再構成確定通知を受信すると、トモシンセシス画像を保存する。この時、本発明において、検査制御部406は、再構成が確定したトモシンセシス画像と撮影手技情報に既に存在するトモシンセシス画像の再構成パラメータ及び画像処理パラメータを比較し、トモシンセシス画像保存可否を判断する(図23)。これにより、全く同様のトモシンセシス画像が複数保存される事を防ぐことが可能となる。それと同時に、撮影画面1001において、トモシンセシス画像を並列表示した場合に、同じトモシンセシス画像が並ぶことで、読影に支障が出る課題を解決することが可能となる。
<対応補正処理>
以下、図17及び図18に基づいて対応補正処理の詳細を説明する。
図17に基づいて対応補正部1601の処理を説明する。当該処理は、図13のステップS1307の補正処理の別の実施形態である。まず、図17に投影画像フレーム数と位置情報数の食い違い発生する場合の例を示す。通常、投影画像の撮影が実施されると図17(a)に示すように撮影開始から撮影終了まで、画像データの読み出しに同期した位置情報がX線制御部104及びX線検出器106より撮影制御装置107へ通知される。そのため、投影画像のフレーム数と位置情報数が食い違うことはない。しかしながら、装置の動作制御ミス等の理由により図17(b)に示すように投影画像のフレーム数と食い違って場合がある。なお、図17(b)は例として位置情報が予定よりも多い場合を示しているが、投影画像のフレーム数と位置情報数が食い違うパターンは全て含まれる。この場合、投影画像のフレーム数と位置情報数が食い違った状態のまま再構成処理を行うとエラーが発生してしまうという課題がある。そこで、図17(b)のように投影画像のフレーム数と通知された位置情報数が食い違った場合は、投影画像のフレーム数と通知された位置情報数を合わせる補正処理を行い、再構成可能な状態で再構成処理を実施する。ここで示す補正処理は、投影画像フレームの各画像情報及び各位置情報に取得した時間を記録しておき、記録時間が同一の投影画像フレームと位置情報を1組ずつまとめていき、余った情報を破棄する方法であってもよい。あるいは、投影画像フレームと位置情報を先頭から順に1組ずつまとめていき、最後に余った情報を破棄する方法であってもよい。あるいは、投影画像フレームと位置情報を最後尾からから順に1組ずつまとめていき、最後に余った情報を破棄する方法であってもよい。あるいは、位置情報で撮影角度が0°、あるいはX線検出器移動距離が0である位置情報と投影画像フレームの中心を合わせ、そこから前後に向かって順に1組ずつまとめていき、最後に余った情報を破棄する方法であってもよい。あるいは、位置情報の数が投影画像フレームよりも少ない場合、余った投影画像フレームに対応する位置情報を通知された位置情報群から算出して追加する方法であってもよい。以上の補正処理を行うことにより、投影画像のフレーム数と位置情報数が食い違いという操作者が意図しない問題が発生した場合であっても、精度を保った再構成処理を実施できる。
ここで、図18を用いて、図13におけるステップS1315にて補正処理が実施された場合に再構成画面1101上に表示されるポップアップ画面1801の一例を示す。再構成画面1101上にポップアップ画面1801が表示される。ポップアップ画面1801には、補正処理を実施した旨を示したメッセージと共にOKボタン1702が表示される。OKボタン1802を押下すると、ポップアップ画面1801が閉じられる。以上の構成となるポップアップ画面1801が表示される。
<無効な画像領域を考慮した表示処理>
以下、図19及び図20に基づいて、無効な画像領域を考慮した表示処理の詳細を説明する。
図19において、本発明における有効フレームの一例を示す。図19に示す通り、被検体が含まれる領域のトモシンセシス画像を有効フレームとし、それ以外のトモシンセシス画像を無効フレームとする。これにより、被検体が含まれていないトモシンセシス画像に対して、無効フレームを表示しないよう制御することで、有効フレームのみがプレビュー表示され、診断精度を向上させることができる。また、再生処理において逐一有効フレームのみ範囲指定して再生する必要が無くなり、ワークフローが軽減される。また、有効フレームのみを保存するよう制御することで、記憶容量の効率化が実現される。以下に、有効フレーム判定処理の詳細を示す。有効フレーム判定処理には、投影画像撮影時に通知される位置情報が使用される(図3)。撮影制御部405は、画像処理部110より再構成完了通知を受信すると、有効フレーム判定部1604に有効フレーム判定依頼通知を送信する。なお、有効フレーム判定依頼通知は、再構成パラメータと位置情報を含む。有効フレーム判定部1604は、有効フレーム判定依頼通知を受信すると有効フレーム判定処理を実施する。ここで示す有効フレーム判定処理は、アイソセンタを中心として、下方向への有効フレームを判定する下部有効フレーム判定処理と上方向への有効フレームを判定する上部有効フレーム判定処理に区別される。下部有効フレーム判定処理は、以下の算出式によって撮影台105よりも上のフレームを有効とする方法であって良い。
下部有効フレーム数x=アイソセンタテーブルトップ間距離/スライスピッチ
あるいは、アイソセンタから一定の閾値分の距離に含まれる画像フレームを有効とする方法であっても良い。この時、閾値は固定でも編集可能であっても構わない。あるいは、アイソセンタから一定のスライス枚数分の画像フレームを有効とする方法であっても良い。この時、有効フレームとするスライス枚数は固定でも編集可能であっても構わない。一方、上部有効フレーム判定処理は、以下の算出式によってX線源被検体間距離の間に含まれる画像フレームを有効とする方法であって良い。
下部有効フレーム数x=X線源被検体間距離/スライスピッチ
あるいは、アイソセンタから一定の閾値分の距離に含まれる画像フレームを有効とする方法であっても良い。この時、閾値は固定でも編集可能であっても構わない。あるいは、アイソセンタから一定のスライス枚数分の画像フレームを有効とする方法であっても良い。この時、有効フレームとするスライス枚数は固定でも編集可能であっても構わない。あるいは、X線源被検体間距離に含まれる画像フレームを有効フレームする方法であっても構わない。あるいは、アイソセンタテーブルトップ間距離と同距離内に含まれる画像フレームを有効フレームする方法であっても構わない。
有効フレーム判定部1604は、上述の有効フレーム判定処理を終了すると、撮影制御部405へ有効フレーム判定通知を送信する。なお、有効フレーム判定通知には、有効フレーム番号配列を含む。撮影制御部405は、有効フレーム判定通知を受信すると、トモシンセシス画像の画像情報を有効フレーム判定通知に入力し、検査制御部406へ送信する。検査制御部406は、有効フレーム判定通知を受信すると、保持している実施予定検査情報の撮影手技情報に有効フレーム情報を入力する。その後、検査制御部406は、トモシンセシス画像の有効フレーム画像データのみ保存を行う。また、入出力制御部407へ有効フレーム表示通知を送信する。有効フレーム表示通知は、トモシンセシス画像の画像情報と有効フレーム番号配列を含む。入出力制御部407は、有効フレーム表示通知を受信すると、表示部109へ有効フレーム表示通知を送信する。表示部109は有効フレーム表示通知を受信すると、対象のトモシンセシス画像をプレビュー表示、再生表示する際に、有効フレームのみ表示を行う。
上述の例では、有効フレーム判定部1604は有効フレームの判定を行っているが、これに限らず、別の実施形態では無効フレームを判定する。上述の通り、被写体の存在しない範囲、例えば複数の断層画像のうち、前記X線検出部の検出面よりも前記被写体から離れる位置の断層画像、つまりはテーブルトップ下の領域に存在するフレームを無効フレームとして判定する。あるいは、アイソセンタ位置が被写体に指定されていると仮定して、アイソセンタ位置からX線発生部102に所定距離よりも近い領域を被写体外の領域とし、当該領域に位置する断層画像を無効フレームと判定する。このようにすることで、不要な画像情報を除いてユーザに提示することができる。また表示制御部4070は、無効フレームと判定された画像データを除いて表示部109に表示させる。これにより、適切な撮影が実行できているかの確認が容易になるとともに、診断に適切な画像を提供することができる。
ここで、図20を用いて、図6におけるステップS609にて表示される再生処理部2001を表示した再構成画面1101の一例を示す。図20では、表示制御部4070の制御により複数の断層画像(スライス、フレーム画像)のそれぞれの位置を示すスライダー表示の例であるフレーム指定スライダー1103が表示される。表示制御部4070は、前記複数の断層画像を表示させる第一の領域と、前記第一の領域に沿って複数の断層画像の1を選択するためのフレーム指定スライダー1103を表示させる。なお、当該スライダー表示としてはフレーム指定スライダー1103に限らず、3Dスライダー1122も含む。図20の例では3Dスライダー1122は非表示となっているが、表示制御部4070はこれを表示させる制御を行ってもよい。
当該スライダー表示においては、表示制御部4070は、スライダー表示の各位置と複数の断層画像とを対応させ、スライダーの各位置を指定することにより当該位置に対応する断層画像を選択することができる。表示制御部4070は選択された断層画像を画像表示部1102に表示させる。スライダーバーの上端と下端の位置には、有効フレーム判定部1604により有効と判定された複数の断層画像のうちアイソセンタから最も離れた位置の断層画像が対応づけられる。表示制御部4070は、例えば、上端の位置には最もX線発生部102に近い有効フレームの断層画像を関連付け、下端の位置には最もX線発生部102から遠い有効フレームの断層画像、例えば撮影台105の天板表面に最近接する断層画像を対応付ける。このようにすることで、表示制御部4070は、有効フレームでない断層画像、つまり無効な画像領域を除いてトモシンセシス画像を表示させることとなり、診断を適切に支援することができる。
ここで例えば、条件設定部4051により被写体の存在範囲あるいは厚さの値を設定可能とする。そして当該設定された被写体の存在範囲を表示制御部4070による断層画像の表示範囲とする。さらに有効フレーム判定部1604は存在範囲内に位置するフレーム画像を有効フレームとして判定し、表示制御部4070は有効フレームを表示対象とする。また別の例では、当該設定された被写体の存在範囲を再構成処理部1611によるトモシンセシス画像の生成範囲とし、生成範囲内でトモシンセシス画像を再構成処理することとすれば適切な範囲で再構成処理ができ、処理負荷の削減にもつながる。上述の存在範囲あるいは生成範囲は、例えばフレーム指定スライダー1103により二次元的に、あるいは3Dスライダー1122により3次元的に表示させることとすれば、操作者を適切に支援することができる。
また別の実施例では、上述の存在範囲あるいは生成範囲を投影画像と投影画像の位置情報に基づいて判定することも可能である。例えば撮影制御部405は、再構成されたトモシンセシス画像の画素値に基づいて被写体の存在範囲を判定する。あるいは投影画像に基づいても同様の処理が可能である。このようにすることで、操作者に被写体厚情報等の入力を強いることなく、適切な範囲での断層画像生成または表示が可能となる。
上述のスライダー表示は、実際の撮影系に対応させるため、画面上方をX線発生部102に近い断層画像、画面下方をX線発生部から遠い断層画像を対応づけているが、撮影系の配置が異なる場合にはこの限りではない。たとえば立位の被写体のトモシンセシス撮影を行う場合には、水平方向に断層画像を並べて対応させることとしてもよい。この場合、例えばフレーム指定スライダー1103を画像表示部1102の下方または上方の一辺に沿って表示させてもよい。
さらに上述のスライダー表示には、フレームの再生範囲を示す複数のマークを含むフレーム再生範囲設定部1117が表示制御部4070により付与される。当該マークは操作部108〜の操作入力により断層画像に対応する任意の位置に配置可能である。当該マークは例えば、範囲の始点を示す第一のマークと、範囲の終点を示す第二のマークと、第一および第二のマークの間に常に配置される第三のマークとを有する。表示制御部4070は、当該第三のマークを移動させることにより、当該第三のマークと第一のマークとの間の距離、及び当該第三のマークと第二のマークとの間の距離を維持したまま、第一のマークと第二のマークとを連動させて移動させる。これにより、再生範囲を変更することができる。
さらに表示制御部4070は、図22(b)で後述するGUIである再生処理部2001への操作入力による指示に応じて、当該複数のマークで定義される範囲で複数の断層画像を連続的に順次表示させる。これにより、有効範囲を自動的かつ連続的に表示させることができ、ユーザは操作をすることなく画像確認に集中することができる。さらに、上述の再生範囲は有効なフレームについて指定されることとなるため、有効なフレームを選択的に再生表示させることができる。
表示制御部4070は、第三のマークの初期位置をアイソセンタ位置の断層画像に対応する位置として表示させる。これにより、ユーザは第三マークの初期位置によりアイソセンタ位置を把握することができる。なお、表示制御部4070は、第三のマークとは別にアイソセンタ位置を表示させることも可能である。例えば図12に示す3Dスライダー1201のように、アイソセンタ位置をバツ印で示すこととする。
再構成画面1101において、再生処理指示部1119を押下すると、3Dスライダー1122が非表示となる。そして、3Dスライダー1122と同じ表示領域に再生処理部2001が表示される。再生処理部2001は、プレビュー表示中のトモシンセシス画像のフレーム画像群に対して再生処理を行う。再生処理部2001は、ループ再生指示部2002、往復再生指示部2003、範囲指定往復再生指示部2004、フレームレート編集部2005、逆再生指示部2006、コマ戻し指示部2007、再生停止指示部2008、コマ送り指示部2009、再生指示部2010より構成される。ループ再生指示部2002は、再生方法として「ループ再生」を選択するボタンである。往復再生指示部2003は、再生方法として全フレームを対象として先頭フレームと最終フレームを往復して再生する「往復再生」を選択するボタンである。範囲指定往復再生指示部2004は、フレーム再生範囲設定部1117により設定された範囲における最小フレームと最大フレームを往復して再生する「範囲指定往復再生」を選択するボタンである。フレームレート編集部2005は、再生フレームレートを編集するコントロールである。設定されているフレームレート値がコントロール付近に表示される。逆再生指示部2006は、最終フレームから先頭フレームへ向かう流れで再生を行う「逆再生」の開始を指示するボタンである。逆再生指示部2006が押下された時に選択されている再生方法で逆再生を実施する。コマ戻し指示部2007は、プレビュー表示するフレーム画像を1つ前のフレーム画像へ切り替えるよう指示するボタンである。表示再生停止指示部2008は、再生の停止を指示するボタンである。再生停止中は、ボタンが無効となる。コマ送り指示部2009は、プレビュー表示するフレーム画像を1つ後ろのフレーム画像へ切り替えるよう指示するボタンである。再生指示部2010は、先頭フレームから最終フレームへ向かう流れで再生を行う「再生」の開始を指示するボタンである。再生指示部2010が押下された時に選択されている再生方法で再生を実施する。なお、逆再生、再生を行う場合、有効フレームのみ再生表示される。また、コマ送り、コマ戻しで指定できるトモシンセシス画像フレームも同様に有効フレームのみが指定可能である。以上の構成となる再生処理部2001を表示した再構成画面1101が表示される。なお、本発明における再生処理部2001の構成、表示形態はこれに限定されない。
実施形態では、あらかじめ生成されたトモシンセシス画像から有効あるいは無効な画像領域の判定を行う処理も、トモシンセシス画像が生成される前にあらかじめ位置情報等に基づいて有効あるいは無効な画像領域を判定する処理も含まれる。トモシンセシス画像の生成前にあらかじめ判定する場合、そもそも生成範囲を設定する設定情報を制御するのが便宜である。条件設定部4051は複数の断層画像の生成ピッチと生成枚数、あるいはトモシンセシス画像の生成範囲の少なくともいずれかの条件を設定する。このとき、条件設定部4051は条件の1つが設定されることに応じて他の条件の設定可能範囲を制限する。例えば、生成ピッチがある値に設定された場合、断層画像の撮影枚数を増やしすぎると撮影範囲が大きくなりすぎるため、被写体厚に関する閾値を超えない範囲で撮影枚数に上限を設ける。あるいは、上述の生成範囲にはあらかじめキャップが設けられる。また、生成範囲は、テーブルトップよりも上方の範囲で設定されるよう制御される。このようにすることで、不適切な生成範囲が操作者により設定される可能性を減らし、適切なトモシンセシス画像を生成することができる。
<階調処理の実施是非制御>
次に、図21を用いて、図6におけるステップS609にて再構成処理を実施してからトモシンセシス画像を表示するまでのWindow処理に関する処理の流れを示す。当該処理では、まず再構成処理部1611により再構成条件に基づいて前記複数の投影画像から第一のトモシンセシス画像が再構成される(ステップS2102にいう前回の再構成)。この再構成されたトモシンセシス画像に基づいて階調パラメタ取得部1612が階調条件を取得する。この状態で操作部108への操作入力に応じて条件設定部4051が再構成条件や階調条件を設定可能である。係る設定が実行され、上述の処理条件が変更した場合と変更されなかった場合の処理の流れがステップS2101以降で示される。ここでは、再構成条件の設定が変更された場合に、再構成処理部1611は変更後の再構成条件に基づき第二のトモシンセシス画像を再構成する。そして撮影制御部4051は、当該第二のトモシンセシス画像について、当該第二のトモシンセシス画像に基づき階調パラメタ取得部1612の解析処理により得られる階調条件を用いた階調処理(オートウィンドウ処理)を実行するか否かを制御する。
撮影制御部405は、条件設定部4051により再構成条件及び階調条件が変更された場合に、変更後の再構成条件に基づき再構成されたトモシンセシス画像に対する階調処理に、前記変更後の階調条件を用いるか否かを制御する。また別の観点では、撮影制御部405は、変更後の再構成条件に基づき再構成されたトモシンセシス画像について、当該トモシンセシス画像に基づき階調パラメタ取得部の解析処理により得られる階調条件を用いた階調処理を実行するか否かを制御する。
まず、ステップS2101において、再構成処理が実施される。本発明においては、上述した投影画像の撮影直後のみならず、撮影画面1001の再構成処理指示部1010及び再構成画面1101の再構成処理指示部1115を押下した場合も再構成処理が実施可能である。操作部108は、撮影画面1001の再構成処理指示部1010あるいは再構成画面1101の再構成処理指示部1115から、再構成処理の指示を受けると、入出力制御部407へ再構成依頼通知を送信する。入出力制御部407は、再構成依頼通知を受信すると、検査制御部406へ再構成依頼通知を送信する。この時、再構成画面1101の再構成処理指示部1115から指示を受けた場合は、入出力制御部407は、表示部109より表示中の再構成画面1101に入力されている再構成パラメータを受信し、再構成依頼通知に入力してから送信する。検査制御部406は、再構成依頼通知を受信すると、プレビュー選択画像情報及び画像データを再構成依頼通知に入力してから、撮影制御部405へ再構成依頼通知を送信する。この時、プレビュー選択画像の撮影種別に関わらず、プレビュー選択画像が含まれる撮影手技の投影画像を画像データとして入力する。これにより、いかなる場合も再構成処理を開始することが可能となる。また、撮影制御部405は、検査制御部406から受信した再構成依頼通知に再構成パラメータが含まれるか否か確認し、再構成パラメータが含まれていない場合は、撮影手技情報のデフォルト再構成パラメータを入力する。撮影制御部405が、画像処理部110へ再構成依頼通知を送信してから再構成処理を実施するまでの流れは、図6におけるステップS608からステップS609と同様である。撮影制御部405は、画像処理部110へ再構成依頼通知を送信すると同時に、階調処理実施判定部1608へAuto Window実施判定通依頼知を送信する。なお、Auto Window実施判定依頼通知には、投影画像の画像情報、再構成パラメータ、前回再構成処理以降のWindow調整実施情報を含む。階調処理実施判定部1608は、前回再構成処理を実施した投影画像の画像情報及び再構成パラメータを保持している。
ステップS2102において、階調処理実施判定部1608は、Auto Window実施判定依頼通知を受信することに応じて、再構成処理を行った投影画像が前回実施した再構成処理で使用した投影画像と比較し、同じ画像か否かを判定する。異なる画像である場合は、階調処理実施判定部1608はAuto Window処理実施可否を「可」として、撮影制御部405へAuto Window実施判定通知を送信する。なお、Auto Window実施判定通知は、Auto Window処理実施可否を含む。
同じ画像である場合は、階調処理実施判定部1608はステップS2103において、前回の再構成処理実施以降に操作者がWindow調整を行ったか否か確認する。階調処理実施判定部1608は、前回再構成処理以降のWindow調整実施情報を確認し、操作者によるWindow調整が実施されている場合は、Auto Window処理実施可否を「不可」とする。その後、階調処理実施判定部1608は撮影制御部405へAuto Window実施判定通知を送信する。
なおここで、撮影制御部405は、変更前の再構成条件及び階調処理条件に基づくトモシンセシス画像が生成済みか否かに基づいて、変更後の階調条件を用いるか否かを制御することとなる。つまり、同一の撮影手技に対応する投影画像群に基づくトモシンセシス画像が1つも生成されていない場合には、階調パラメタ取得部1612の解析処理によるオートウィンドウ処理が実行される。この処理により、例えば投影画像の撮影完了に応じてステップS2102及びステップS2106のオートウィンドウ処理を実行する自動制御が実現される。
生成済みである場合には、さらにステップS2103以降の処理により、ステップS2107においては元のウィンドウ値(変更後の階調条件)を引き継いだ階調処理が変更後の再構成条件で再構成されたトモシンセシス画像に対して実行される。このようにすることで、トモシンセシス画像の生成を適切に制御することが可能となる。
操作者によるWindow調整が実施されている場合は、階調処理実施判定部1608はステップS2104からの処理で再構成条件の変更内容を確認する。階調処理実施判定部1608は、前回再構成実施時の再構成パラメータとAuto Window実施判定通依頼知に含まれる再構成パラメータのうち、再構成方式、フィルタタイプ、フィルタDC、カットオフ周波数、ノイズ低減処理の各パラメータ値をそれぞれ比較する。ここで示す再構成パラメータは、再構成画面1101における再構成方式選択部1108からノイズ低減処理編集部1114までの各値を含める。
続いて、ステップS2105において、階調処理実施判定部1608は、取得した全てのパラメータ値の比較結果を確認する。その結果、1つでも異なった場合は、階調処理実施判定部1608はAuto Window処理実施可否を「可」とする。全てが同じ値の場合は、階調処理実施判定部1608はAuto Window処理実施可否を「不可」とする。その後、階調処理実施判定部1608は、撮影制御部405へAuto Window実施判定通知を送信する。撮影制御部405は、Auto Window実施判定通知を受信すると、Auto Window処理実施可否を確認する。Auto Window処理実施可否が「可」の場合、撮影制御部405は、画像処理部110へAuto Window処理依頼通知を送信する。なお、Auto Window処理依頼通知は、Auto Window処理対象のトモシンセシス画像の画像データ及び画像情報を含む。Auto Window処理実施可否が「不可」の場合、撮影制御部405は、画像処理部110へWindow処理依頼通知を送信する。なお、Window処理依頼通知は、Auto Window処理対象のトモシンセシス画像の画像データ及び画像情報を含む。
画像処理部110は、Auto Window処理依頼通知を受信すると、ステップS2106において、対象のトモシンセシス画像データにAuto Window処理を実施する。その後、画像処理部110は、Auto Window処置にて算出されたWindow Level、Window Widthの値を画像情報へ入力し、撮影制御部405へWindow処理結果通知を送信する。
また、画像処理部110は、Window処理依頼通知を受信すると、ステップS2107において、対象のトモシンセシス画像データに対して、画像情報に入力されているWindow Level、Window Widthの値を使用してWindow処理を実施する。その後、画像処理部110は撮影制御部405へWindow処理結果通知を送信する。
続いて、ステップS2108において、生成されたトモシンセシス画像の表示が行われる。撮影制御部405は、画像処理部110より、再構成完了通知及びWindow処理通知の両方を受信すると、検査制御部406へ再構成完了通知を送信する。その後、検査制御部406は、実施予定検査情報に含まれる撮影手技情報のうち、再構成が完了した撮影手技に新規生成したトモシンセシス画像情報を追加する。同時に、検査制御部406は、入出力制御部407へ再構成完了通知を送信する。入出力制御部407は、再構成完了通知を受信すると、表示部109へ再構成完了通知を送信する。表示部109は、再構成完了通知を受信すると、画像表示部1002に表示中のプログレスバーを批評にする。そして、表示部109は、画像表示部1002にトモシンセシス画像をプレビュー表示し、表示アノテーションを更新する。
以上の処理を行うことにより、本発明では、再構成処理を実施する場合において、再構成パラメータの編集内容によってAuto Window処理の実行可否を判定することが可能になる。これにより、トモシンセシス画像の新規生成時や濃度変更が伴う再構成処理の場合はAuto Window処理を実行して最適な濃度でトモシンセシス画像が表示可能となる。また、操作者が所望のWindow値に編集している場合や、濃度変更が伴わない画像構成処理の場合はWindow値を引き継ぐことで、常に読影に適した状態でトモシンセシス画像を表示できるという効果がある。
また別の観点では、階調パラメタ取得部1612は第一の階調条件を取得し、条件設定部4051は第一の階調条件と異なる第二の階調条件、及びあらかじめ設定されていた第一の再構成条件と異なる第二の再構成条件を設定する。この状況下で、撮影制御部405は当該第二の再構成条件に基づき再構成されたトモシンセシス画像に対する階調処理に当該第一の階調条件と当該第二の階調条件のいずれを用いるかを、第一の再構成条件及び第二の再構成条件に基づいて制御する。このようにすることで、仮に操作者が能動的に階調条件(第二の階調条件)を設定していても、状況に応じて当該階調条件とは異なる階調条件(第一の階調条件)による処理を行うことにより、状況に合わせた適切なトモシンセシス画像を得ることができる。
また別の実施形態では、撮影制御部405は、再構成条件のうち例えば再構成方式、フィルタ設定、ノイズ処理パラメータのうちいずれか1つが変更された場合には以下の処理を行う。すなわち撮影制御部405は、変更後の再構成方式に基づき再構成されたトモシンセシス画像から階調パラメタ取得部1612の解析処理により得られる階調条件に基づいて、階調処理を実行させる。これにより、再構成パラメタが変わった場合には、変更前の再構成条件で再構成されたトモシンセシス画像を確認して設定されたウィンドウ処理条件を用いることが不適切であると判断し、オートウィンドウ処理を実行する。
また別の実施形態では、撮影制御部405は、再構成条件のうち再構成方式やフィルタ設定、ノイズ処理パラメータが変更されず再構成ピッチや再構成枚数、あるいは再構成の範囲が変更された場合、当該変更後の階調条件に基づいて階調処理部1613により階調処理を実行させる。再構成方式等に変更がない場合には、変更前と画像としてはほぼ同様と考えられるため、操作者が能動的に操作部108を操作して入力した階調条件を用いて階調処理することにより、操作者が望む階調でトモシンセシス画像を表示させることができる。またこの場合には、撮影制御部405は、再構成条件の変更内容に基づいて階調パラメタ取得部1612による階調条件を取得する解析処理を実行させない制御をすることにより、処理の効率化が図れる。
別の実施形態では、上述した第一のトモシンセシス画像の自動生成制御、第二のトモシンセシス画像の生成処理の後に、操作入力に応じて、撮影制御部405は操作入力に応じて前記複数の投影画像に基づくトモシンセシス画像の再構成を再度実行させる。例えばここで再構成条件や階調条件等の処理条件を条件設定部4051により適宜設定変更し、異なるトモシンセシス画像を生成し、より診断に適切なトモシンセシス画像とすることができる。
さらには、上述の自動制御の後に、条件設定部4051により異なる再構成方式(大医二の再構成方式)が設定された場合には、条件設定部4051により異なる階調条件が設定されていたとしても、ステップS2107で再度実行された再構成で得られるトモシンセシス画像に前記第一の階調条件に基づく階調処理を実行させる。
ここで、図22を用いて、図6におけるステップS609にて表示されるWindow調整部2201を表示した再構成画面1101の一例を示す。再構成画面1101において、Window調整表示指示部1118を押下すると、3Dスライダー1122が非表示となる。そして、3Dスライダー1122と同じ表示領域にWindow調整表示部2201が表示される。Window調整部2201は、プレビュー表示中のトモシンセシス画像に対してWindow値の調整を行うコントロールである。Window調整部2201は、Window Level編集部2202、Window Width編集部2203、Auto Window処理指示部2204、Window値リセット指示部2205より構成される。Window Level編集部2202は、プレビュー表示中のトモシンセシス画像のWindow Levelを編集するコントロールである。編集ボックスの表示値を変更する、あるいは画像表示部1102上でマウスドラッグすることで編集がプレビュー表示中の画像に対して適用される。Window Width編集部2203は、プレビュー表示中のトモシンセシス画像のWindow Widthを編集するコントロールである。編集ボックスの表示値を変更する、あるいは画像表示部1102上でマウスドラッグすることで編集がプレビュー表示中の画像に対して適用される。Auto Window処理指示部2204は、画像データに対する最適なWindow Level、Window Widthの値を画像処理部110により算出し、プレビュー選択中のトモシンセシス画像に対して自動で適用するAuto Window処理を指示するボタンである。ボタンを押下すると、プレビュー表示されているフレーム画像に対してAuto Window処理を実施する。Window値リセット指示部2205は、Window Level、Window Widthの値を再構成直後の初期状態に戻すWindow値リセット処理を指示するボタンである。以上の構成となるWindow調整部2201を表示した再構成画面1101が表示される。なお、本発明におけるWindow調整部2201の構成、表示形態はこれに限定されない。
また別の観点では、上述の実施例では撮影制御部405は、投影画像の撮影完了に応じて再構成処理及びオートウィンドウ処理を自動的に行い、かつ表示部にオートウィンドウ処理後のトモシンセシス画像を表示させる制御を行う。つまり、撮影制御部405の制御により、再構成処理部1611は投影画像の撮影に応じてトモシンセシス画像の再構成を開始する。階調パラメタ取得部1612は当該再構成の完了に応じてトモシンセシス画像の解析処理を開始し階調条件を取得する。階調処理部1613は当該再構成及び解析処理の完了に応じて階調処理を実行する。当該自動制御により、操作入力を減らし、撮影装置で、効率的にトモシンセシス画像を得ることができる。なおここで、画像処理部110が3次元ボリュームデータとしてのトモシンセシス画像からスライス画像を生成して階調処理を施す場合には、当該画像処理部110によるスライス画像の順次生成と並行して、当該スライス画像に対する解析処理及び階調処理を実行することとしてもよい。この場合、例えばスライス画像をアイソセンタ位置から生成し、アイソセンタ位置のスライス画像を解析して階調条件を得ることとすれば効率的である。
上述の実施形態に係る処理の効果を説明する。自動でAuto Window処理を実施しようとする場合、ユーザが任意にWindow値を変更した場合などはあえて編集したWindow値が変更されてしまうことで、かえって操作者が編集する手間が増えてしまうという可能性がある。そこで実施形態の1つに係る処理によれば、トモシンセシス画像を再構成して表示する際に、前回再構成時の再構成パラメータ、Window値の編集内容によってAuto Windowの実施可否を判断することで、Window調整による操作者の負担を軽減させることができる。また、トモシンセシス画像を再構成して表示する際に、前回再構成時の再構成パラメータ、Window値の編集内容によってAuto Windowの実施可否を判断する。これにより操作者が所望するWindow値でトモシンセシス画像を表示することが可能となる。また、Window調整に関わる操作者の負担を軽減させることできる。
<アイコンの追加表示制御>
次に、図23を用いて、図6におけるステップS609にて再構成が確定されてから画像がプレビュー表示されるまでの処理の流れを示す。ここでは、検査制御部406は設定された処理条件と画像処理部110により既に生成済みのトモシンセシス画像に対応する処理条件とに基づいて、設定された処理条件に対応する新たなアイコンを表示部に表示させるか否かを制御する。これにより、重複するアイコンが表示される可能性を減らし、ユーザは診断に適切なトモシンセシス画像を容易に選ぶことができる。
一実施形態に係るアイコンの追加表示制御を説明する。まず、ステップS2301において、操作部108は、再構成確定指示を受け付けると、入出力制御部407へ再構成確定通知を送信する。なお、再構成確定通知は、画像情報を含む。入出力制御部407は、再構成確定通知を受信すると、検査制御部406へ再構成確定通知を送信する。
続いて、ステップS2302において、検査制御部406は、再構成確定通知を受信すると、同一のトモシンセシス撮影手技に既にトモシンセシス画像が存在するか確認する。ステップS2302において、同一のトモシンセシス撮影手技にトモシンセシス画像が存在しない場合は、検査制御部406は、トモシンセシス画像を保存する。ここで、条件比較部1602は、設定された処理条件と画像処理部110により既に生成済みのトモシンセシス画像に対応する処理条件との少なくともいずれかが一致するか否かを判定する。
続いて、ステップS2310において、撮影画面1001の撮影手技表示部1009に新規で撮影画像サムネイル1011を追加する。検査制御部406は、入出力制御部407へサムネイル画像追加通知を送信する。なお、サムネイル画像追加通知は、サムネイル画像データ、撮影手技情報、サムネイル追加位置情報、類似グループ番号を含む。ここで示すサムネイル追加位置情報は、追加対象となる撮影手技表示部1009の何番目にサムネイルを追加するか判断するための番号である。また、ここで示す類似グループ番号とは撮影手技内においてトモシンセシス画像が所属している類似グループを特定する番号である。ステップS2310においては、検査制御部406は、サムネイル追加位置情報に撮影手技における最後尾の番号を入力する。また、類似グループ番号として、撮影手技内で使用されていない新規の番号を入力する。入出力制御部407はサムネイル画像追加通知を受信すると、表示部109へサムネイル画像追加通知を送信する。表示部109は、サムネイル画像追加通知を受信すると、撮影手技情報、サムネイル追加位置情報、に従い、指定の場所へサムネイル画像を追加表示する。その後、表示部109は、入出力制御部407へサムネイル画像追加完了通知を送信する。なお、サムネイル画像追加完了通知は、画像情報を含む。入出力制御部407は、サムネイル画像追加完了通知を受信すると、検査制御部406へサムネイル画像追加完了通知を送信する。続いて、ステップS2313において、新規追加されたトモシンセシス画像がプレビュー表示される。検査制御部406へサムネイル画像追加完了通知を受信すると、新規追加されたトモシンセシス画像のプレビュー表示処理を実施する。そして、処理を終了する。ステップS2302において、同一のトモシンセシス撮影手技にトモシンセシス画像が存在する場合、検査制御部406は、ステップS2303において同一のトモシンセシス撮影手技に存在する全てのトモシンセシス画像の画像情報を取得する。続いて、ステップS2304において、検査制御部406は、取得したトモシンセシス画像情報群から一つの画像情報を取得する。続いて、ステップS2305において、検査制御部406は、取得したトモシンセシス画像情報と再構成が確定されたトモシンセシス画像情報の再構成パラメータ、画像処理パラメータに含まれる全パラメータ値を比較する。続いて、ステップS2306において、全パラメータが同じである場合、検査制御部406は、再構成を確定した断層画像の保存を行わない。
その後、ステップS2314において、検査制御部406は、再構成処理実施前にプレビュー表示していた画像を引き継ぎ、処理を終了する。このように検査制御部406は、設定された処理条件と同一の処理条件で生成されたトモシンセシス画像が存在する場合には、設定された処理条件に基づくトモシンセシス画像の生成処理あるいはアイコンの追加制御を実行させないこととする。これにより不要なアイコンが増えるのを防ぐことができる。
ステップS2306において、全パラメータが異なる場合、検査制御部406は、ステップS2307において、全トモシンセシス画像に対して比較を行ったか確認する。ステップS2307において、比較処理を行っていないトモシンセシス画像が存在する場合は、ステップS2304へ戻りステップS2307までの処理を繰り返す。ステップS2307において、全トモシンセシス画像と比較処理を行った場合、検査制御部406は、再構成が確定したトモシンセシス画像が撮影手技に存在していないと判断する。その後、ステップS2308において、検査制御部406は、再構成が確定したトモシンセシス画像を保存する。
続いて、ステップS2309において、検査制御部406は、保存したトモシンセシス画像と同一の撮影手技に画像処理パラメータが同じトモシンセシス画像が存在する確認する。ステップS2309において、画像処理パラメータが同じトモシンセシス画像が存在しない場合は、検査制御部406は、上述したステップS2310以降の処理を実施する。ステップS2309で画像処理パラメータが同じトモシンセシス画像が存在した場合、検査制御部406は画像処理パラメータが同じトモシンセシス画像情報群のうち、最後尾のトモシンセシス画像の類似グループ番号とサムネイル追加位置情報を取得する。
続いて、ステップS2311において、検査制御部406は、撮影画面1001の撮影手技表示部1009に新規で撮影画像サムネイル1011を追加する。検査制御部406は、入出力制御部407へサムネイル画像追加通知を送信する。ステップS2311においては、検査制御部406は、サムネイル追加位置情報及び類似グループ番号にステップS2309で取得したそれぞれの値を入力する。入出力制御部407はサムネイル画像追加通知を受信すると、表示部109へサムネイル画像追加通知を送信する。表示部109は、サムネイル画像追加通知を受信すると、撮影手技情報、サムネイル追加位置情報に従い、指定の場所へ撮影画像サムネイル1011を追加表示する。また、表示部109は、新規追加した撮影画像サムネイル1011に類似グループ番号に対応した類似マークを表示する。その後、表示部109は、入出力制御部407へサムネイル画像追加完了通知を送信する。なお、サムネイル画像追加完了通知は、画像情報を含む。入出力制御部407は、サムネイル画像追加完了通知を受信すると、検査制御部406へサムネイル画像追加完了通知を送信する。続いて、ステップS2313において、新規追加されたトモシンセシス画像がプレビュー表示される。検査制御部406へサムネイル画像追加完了通知を受信すると、新規追加されたトモシンセシス画像のプレビュー表示処理を実施する。そして、処理を終了する。
上述の処理で、表示制御部4070は、画像処理部110により既に生成済みのトモシンセシス画像に対応する再構成条件とは異なる再構成条件が設定された場合には、当該設定された再構成条件に対応する新たなアイコンを表示部に表示させる(S2310)。具体的には表示制御部4070により、新たな再構成条件に対応するアイコンである撮影画像サムネイル1011が撮影手技表示部1009の表示領域に追加される。かかる撮影画像サムネイル1011は操作部108の操作入力に応じて選択可能であり、選択に応じて表示制御部4070は当該撮影画像サムネイル1011に対応するトモシンセシス画像を表示させる。このように新たなアイコンを生成することで、ユーザは複数のトモシンセシス画像を比較しやすくなる。
なおこれに限らず、別の実施例では、ステップS2301の確定ボタン1211押下に応じて条件設定部4051が再構成条件及びトモシンセシス画像の階調条件等の画像処理条件を設定した状況を考える。この状況で、画像処理部110より既に生成済みのトモシンセシス画像に対応する再構成条件と同一の再構成条件が生成された場合で、異なる画像処理条件が設定された場合に以下の処理を行う。この場合表示制御部4070は、当該設定された処理条件に対応する新たなアイコンを表示部に表示させる。これにより、画像処理条件の異なる複数のトモシンセシス画像データを図24(a)のシングルビュー表示あるいは図24(b)のマルチビュー表示によりユーザは容易に比較することができる。これにより、より適切な画像処理条件を特定することができる。
さらにこの場合、すなわち既に生成済みのトモシンセシス画像に対応する再構成条件と同一の再構成条件及び異なる画像処理条件が設定された場合に、1つの実施例に係る画像処理部110は新たなトモシンセシス画像を生成することとする。具体的には、メモリ上の異なる位置に確保されたメモリ領域に、画像処理条件が異なり再構成条件が同一の複数のトモシンセシス画像が保存されることとなる。このようにすることで、トモシンセシス画像の表示処理が高速化でき、より容易に比較することができる。
また別の実施例では、既に生成済みのトモシンセシス画像に対応する再構成条件と同一の再構成条件及び異なる画像処理条件が設定された場合には以下の処理を実行するすなわち検査制御部406は、新たなトモシンセシス画像は生成せず、前記トモシンセシス画像と複数の前記画像処理条件とを関連付けて検査情報保存部403に保存することとする。当該保存されるトモシンセシス画像は、複数の画像処理条件のうち1つの画像処理条件で処理済みの画像であってもよいが、いずれの画像処理条件によっても処理されていない画像であると、後の画像処理が簡便となる。ユーザの撮影画像サムネイル1011の選択に応じて、画像処理部110は、当該保存されたトモシンセシス画像に対し選択されたサムネイル1011に対応する画像処理条件でトモシンセシス画像を画像処理する。当該画像処理されたトモシンセシス画像は表示制御部4070により画像表示部1102等に表示される。あるいは、上述の実施例と同様に、トモシンセシス画像に対応する複数の撮影画像サムネイル1011のそれぞれについて、対応する画像処理条件で画像処理した画像とすることで、撮影画像サムネイル1011による画像の比較が可能となる。
上述のサムネイル画像1011のそれぞれに対応するトモシンセシス画像の画像処理条件は、操作部108の操作入力に応じて条件設定部4051が適宜変更可能である。さらには、この変更された画像処理条件を、変更前の画像処理条件に戻す指示に対応する操作入力が定義され、入力検出部4071で当該入力を検出することにより、変更された画像処理を簡便に元に戻すことが可能である。当該変更前の画像処理条件に戻す指示に対応する操作入力は、例えば画面上のボタンを選択する入力であってもよいし、キーボードの任意のボタンを押下する入力であってもよい。
ここで、図24を用いて、図23におけるステップS2312及びステップS2313にて表示されるトモシンセシス画像をプレビュー選択した場合の撮影画面1001のシングルビュー及びマルチビューの一例を示す。トモシンセシス撮影手技の撮影手技表示部1009には、投影画像及び追加が指示されたトモシンセシス画像それぞれに対応した撮影画像サムネイル1011が表示される。また、トモシンセシス撮影画像の撮影画像サムネイル1011上には、類似マーク2401が表示される。なお、類似マークの形態は、類似したトモシンセシス画像のグループ毎に区別可能であれば、これに限定されない。シングルビュー指示部1004が選択されている場合は、画像表示部1002は図24(a)に示すシングルビュー表示となる。マルチビュー指示部1005が選択されている場合は、画像表示部1002は図24(b)に示すマルチビュー表示となる。マルチビュー表示では、画像表示部1002上に、実施中の検査に含まれる全ての撮影画像サムネイル1011に対応するX線画像あるいはトモシンセシス画像が並列表示される。並列表示される画像上には、それぞれ撮影種別マーク、類似マーク2401、写損マーク2701が表示される。本発明のように、類似グループ毎にまとめて並列表示することで、操作者は複数のトモシンセシス画像を容易に比較参照でき、診断精度の向上が実現可能となる。
上述の図24(a)、図24(b)のように、表示制御部4070は撮影画像サムネイル1011あるいはマルチビュー表示下での各トモシンセシス画像について、同一のまたは類似する再構成条件に対応する複数のアイコンについて同一のマークを付す。これにより、同一の再構成条件に対応するトモシンセシス画像を容易に特定することができる。
ここで、表示制御部4070は、再構成条件は同一に限らず、パラメータがごく一部しか変わらない場合には、同一のマークを付すこととする。例えば再構成方式等が同一で、再構成ピッチや断層画像の枚数、あるいはトモシンセシス画像の生成範囲のみ変わる場合や、ノイズ低減パラメータがごく小さい値しか変わっていない場合に再構成条件は類似すると検査制御部406が判定する。
そのほか、表示制御部4070は、種々のグループ分け表示の形態をとりうる。例えば同一のまたは類似する再構成条件に含まれるトモシンセシス画像ごとに行を変えて並べて表示させる。あるいは、同一のまたは類似する再構成条件に含まれるトモシンセシス画像を包含する枠を表示させる。係る複数の前記アイコンを前記再構成条件ごとにグループ分けすることにより、再構成条件間の比較や、同一再構成条件間での画像処理条件の比較を容易に行うことができる。
また別の例では、上述のグループ分けを種々の情報に基づいて選択的に行うことができる。例えば表示制御部4070は、再構成条件と画像処理条件のいずれか1つが操作部108への操作入力により選択されることに応じて、表示制御部4070は当該選択された1つの条件でグループ分けを行い、グループ分けを示す上述の態様で表示させる。
さらに、別の実施形態では、条件設定部4051は、上述の再構成条件や画像処理条件が同一のグループ毎に、写損の設定を行うことができる。当該グループを撮影画面1001上で選択し、写損ボタン1029を謳歌することにより、当該グループに含まれるトモシンセシス画像を一括で写損として設定することができ、操作が簡便となる。
上述の図24(a)のように、画像処理のためのWindow調整を行うためのGUI(1013,1014)を撮影画面1001に表示させてもよいが、これに限らない。すなわち表示制御部4070は、Window調整は再構成画面1101のみに表示させ、撮影画面1001と切り替え可能に表示される再構成画面1101にて画像処理条件を調整するものとする。そして表示制御部4070は撮影画面1001には表示させないようにする。さらには、撮影画面1001で前記第一の画面で前記設定された画像処理条件で生成されたトモシンセシス画像の画像処理条件を操作部の操作入力に応じた変更を可能とするか否かを設定する表示設定を検査制御部406で行うことができる。これにより、状況に応じて画像処理を適切に実行可能とすることができる。
ここでさらに、検査制御部406により撮影画面1001での画像処理の変更が不可能に設定されている場合を考える。表示制御部4070は、画像処理部110より既に生成済みのトモシンセシス画像に対応する再構成条件と同一の再構成条件及び異なる画像処理条件が設定された場合には、当該設定された処理条件に対応する新たなアイコンを表示部に表示させる。この場合には、画像処理を再構成画面1101で実行することとしているため、新たな撮影画像サムネイル1011を表示させることとし、異なる画像処理条件でトモシンセシス画像を比較することができる。
例えばこれに加えて、検査制御部406により撮影画面1001での画像処理の変更が可能に設定されている場合において、画像処理部110により既に生成済みのトモシンセシス画像に対応する再構成条件と同一の再構成条件及び異なる画像処理条件が設定された場合には、以下の処理を実行する。すなわち表示制御部4070は、当該設定された処理条件に対応する新たなアイコンを表示部に表示させないこととする。これは、撮影画面1001で画像処理が変更できる場合には、あえて新たな撮影画像サムネイル1011を生成しないことを意図するものである。この場合の画像処理条件の調整は撮影画面1001上に表示されるWindow Level編集部1013、Window Width編集部1014等のGUIを用いて行うものとする。これにより、撮影画像サムネイル1011の数を抑え、比較を行いやすくするという効果がある。
また別の実施形態として、検査制御部406は、設定された処理条件に含まれるスライスピッチの情報に基づいて画像処理部110より新たなトモシンセシス画像を生成するか否かを制御する。例えば前記設定された処理条件に第一の再構成方式と第一のスライスピッチ値及び第一のスライス数が含まれる場合を考える。この場合においてさらに、第一の再構成方式、第一のスライスピッチ値及び前記第一のスライス数よりも大きい第二のスライス数を含む処理条件に対応するトモシンセシス画像が生成済みである場合には以下の処理を実行する。すなわち検査制御部406は、当該設定された処理条件に基づくトモシンセシス画像を生成させない。このように、再構成方式が同一でスライスピッチが同一であり、かつスライス数が小さいトモシンセシス画像を得る設定がされた場合には、すでに当該トモシンセシス画像をサブセットに含むトモシンセシス画像が生成済みである。そのため新たなトモシンセシス画像の生成処理あるいは撮影画像サムネイルの撮影画面1001への追加をしない。これにより、不要なトモシンセシス画像の生成を減らし、かつトモシンセシス画像の比較を行いやすくすることができる。
上述の例では、一の投影画像群から生成された複数のトモシンセシス画像を比較するための処理として説明したが、これに限らない。例えば、複数の投影画像群から生成された複数のトモシンセシス画像の比較のため、アイコン追加制御、グループ分け表示等の処理を実行してもよい。
実施形態に係る上述の処理の効果を説明する。トモシンセシス画像を再構成する際にスライス枚数、スライスピッチを指定する場合、対象は整形領域における微小骨や体内の病変領域が主であるため、関心領域の厚みを確認することは一般に困難である。そのため、正確なスライスピッチ、及びスライス枚数を決定することは難しい。その結果、余裕をもったスライス枚数を指定することで、確実にトモシンセシス画像のフレーム群のいずれかに関心領域が含まれるよう再構成することになる。その場合、高い確率で再構成したトモシンセシス画像には関心領域の情報を含まない画像が存在することになる。このような関心領域が含まれない画像フレームは、関心領域が含まれた画像フレームと並んで表示されるため、読影精度に影響がある可能性がある。かつ、必要でない画像フレームも保存することで記憶容量を無駄に消費する要因となる問題がある。一方で、再構成したトモシンセシス画像のフレーム群から操作者が必要なトモシンセシス画像のフレームのみを選定して保存する場合、再構成した全てトモシンセシス画像にフレーム単位で確認が必要となる。上述の実施形態の1つによれば、再構成したトモシンセシス画像のうち、関心領域の情報が含まれていないトモシンセシス画像を保存しないことで、必要なフレーム画像のみが表示可能となる。これにより、診断精度を向上させること、及び記憶容量を効率的に使用することができる。また、トモシンセシス画像を再構成した際に、関心領域の情報が含まれていないトモシンセシス画像フレームを自動で判別して制御することにより、操作者の負担を軽減させるこができる。また、再構成したトモシンセシス画像フレームに対して、操作者の操作を必要とせずに関心領域を含まない不要はフレームを選定することで、記憶容量を効率的使用することが可能となり、かつ操作者の負担を軽減することが可能となる。
上述の実施形態に係る処理の効果を説明する。同一の投影画像から複数の再構成処理を行う場合、再構成したトモシンセシス画像を全て保存していると保存領域が大きくなる。あるいは、既に再構成しているトモシンセシス画像と同じ再構成パラメータや画像処理パラメータの場合、保存されて並列表示した際に同じ画像が表示領域を複数占有することとなる。これにより画像診断精度や読影の効率性に影響するおそれがある。また、再構成した順序で画像が記録されていると、再構成の順序によっては同一条件で再構成したトモシンセシス画像が隣接した場所に表示されず比較がしにくい。
上述の実施形態では、再構成したトモシンセシス画像のうち、再構成パラメータあるいは画像処理パラメータが異なるトモシンセシス画像のみを登録することで、画像診断精度を向上させること、及び記憶容量を効率的に使用することができる。また、トモシンセシス画像を登録する際に、再構成パラメータが同一であるトモシンセシス画像を連続した順序に追加することで容易に比較表示することができる。また、再構成パラメータあるいは画像処理パラメータが異なるトモシンセシス画像のみを類似している画像を隣接した状態で表示することで画像診断を容易にすることが可能となる。また、再構成パラメータあるいは画像処理パラメータが同一のトモシンセシス画像は1組のみ保存することで記憶容量を効率的に使用することが可能となる。
<写損処理>
次に、図25を用いて、図6におけるステップS610にて写損、再構成処理を開始してから写損設定を行うまでの処理の流れを示す。
ステップS2501において、写損あるいは再撮影ボタンが押下される。操作部108は、写損が指示されると、入出力制御部407へ写損通知を送信する。また、操作部108は、再撮影が指示されると、入出力制御部407へ再撮影通知を送信する。なお、写損通知、再撮影通知は、選択された画像情報を含む。入出力制御部407は、写損通知を受信すると検査制御部406へ写損通知を送信する。また、入出力制御部407は、再撮影が指示されると、検査制御部406へ再撮影通知を送信する。
ステップS2502において、検査制御部406は、写損通知または再撮影通知を受信すると、実施予定検査情報に含まれる撮影手技情報から選択された画像情報を取得し、写損理由の入力有無を判定する。
写損理由が入力されていない場合は、ステップS2503において、操作部108から操作入力に応じて写損理由の設定を行う。検査制御部406は、入出力制御部407へ写損理由入力画面遷移通知を送信する。入出力制御部407は、写損理由入力画面遷移通知を受信すると、表示部109へ写損理由入力画面遷移通知を送信する。表示部109は、写損理由入力画面遷移通知を受信すると、写損理由入力画面を表示する。その後、操作部108は、例えば確定ボタン2605が押下されることにより写損理由確定指示を受けると、入出力制御部407へ写損理由入力通知を送信する。なお、写損理由入力通知は、写損対象の画像情報と確定された写損理由を含む。入出力制御部407は、写損理由入力通知を受信すると検査制御部406へ写損理由入力通知を送信する。同時に、入出力制御部407は、表示部109へ写損理由入力完了通知を送信する。表示部109は、写損理由入力完了通知を受信すると、写損理由入力画面を閉じる。当該写損理由情報は条件設定部4051に出力される。
なお操作部108は、写損理由キャンセル指示を受けると、入出力制御部407へ写損理由キャンセル通知を送信する。入出力制御部407は、写損理由キャンセル通知を受信すると検査制御部406へ写損理由キャンセル通知を送信する。同時に、入出力制御部407は、表示部109へ写損理由入力完了通知を送信する。表示部109は、写損理由入力完了通知を受信すると、写損理由入力画面を閉じる。ここで写損理由の入力が行われない場合には、条件設定部4051は写損設定を行わないように制御してもよい。これにより、根拠を明示した形で写損の管理が可能となる。また、写損理由の入力は必須としなくてもよく、写損の理由がなくとも条件設定部4051はデータに対する写損の設定を可能としてもよい。
ステップS2504において、検査制御部406は、写損対象の画像の撮影種別を確認する。ここでいう撮影種別は、投影画像群のデータまたはトモシンセシス画像のデータのいずれかを示す。写損対象のデータは、再撮影ボタン1028または写損ボタン1029のいずれかが押下された際に、操作入力により撮影画面1001上で選択された撮影画像サムネイル1011により決定される。
ステップS2504において、写損対象のデータが投影画像以外の場合、例えばトモシンセシス画像であると判定された場合に、ステップS2511において、条件設定部4051は、対象画像の画像情報の写損設定をONに設定する。ここでは例えば、条件設定部4051は、写損理由入力通知を受信すると、写損対象の画像情報を実施予定検査情報に含まれる撮影手技情報から取得し、当該データに写損である旨を示すフラグと、写損理由の情報とを関連付けて検査情報保存部403を保存する。ここでフラグは、写損である場合に1、写損でない場合に0の値をとる。これにより当該データについての写損の設定が行われる。
これにより、ステップS2514において、写損処理完了となり、処理を終了する。
ステップS2504において、撮影種別が投影画像の場合、ステップS2505において、検査制御部406は、指示された処理が写損の指示(第一の指示)と再撮影の指示(第二の指示)のどちらであるか確認する。
ステップS2505において、写損が指示された場合、ステップS2511において、検査制御部406は、対象画像の画像情報の写損設定をONに設定する。
これにより、ステップS2514において、写損処理完了となり、処理を終了する。
ステップS2505において、再撮影が指示された場合、検査制御部406は、保持している実施予定検査情報から対象となる投影画像が含まれている撮影手技情報に含まれる画像情報を全て取得する。
その後、ステップS2506において、検査制御部406は、取得した画像情報群から一つの画像情報を取得する。
続いて、ステップS2507において、検査制御部406は、取得した画像情報の写損理由が入力済みであるか否か確認する。写損理由が入力されていない場合、ステップS2508に進み、検査制御部406は、対象となる投影画像の写損理由を、取得した画像情報の写損理由に入力する。この処理の詳細は上述のステップS2503と同様である。
続いて、ステップS2509において、検査制御部406は、取得した画像情報の写損設定を確認する。
写損設定がOFFの場合、ステップS2510において、条件設定部4051は、取得した画像情報の写損設定をONに設定する。
ステップS2511において、検査制御部406は、画像情報群全てに対して写損設定がONであるか確認する。写損設定がOFFである画像情報が一つでも存在する場合は、ステップS2506へ戻りステップS2512までの処理を繰り返す。
全画像情報に対して写損設定が済んでいる場合は、条件設定部4051は、ステップS2513において、当該投影画像に対応する撮影情報を新たに生成し、当該検査情報に新たな撮影情報として設定する。表示制御部4070により表示部に当該新たな撮影情報を表示させる。これにより、再撮影処理を完了とし、処理を終了する。
以上の処理ステップを踏むことにより、トモシンセシス画像の元となる投影画像に対して再撮影が指示された場合は、投影画像及び当該投影画像に基づき得られるトモシンセシス画像が連動して写損設定及び写損理由の入力が実施される。これにより、一つずつ写損処理をする煩雑な操作を軽減できる。また、既に写損理由が別途写損処理を実施して写損理由を入力していた場合は、先に入力していた写損理由を優先することで、再撮影処理によって必要な写損理由が上書きされてしまう課題を解決している。一方で、写損処理は選択された画像に対してのみ行うことで、トモシンセシス画像を複数生成し、必要な画像以外を写損として扱うユースケースに対応することが可能となっている。なお、図25では、投影画像に対する写損処理が指示された場合は、投影画像のみに写損処理を実施している。しかしながら、再撮影処理と同様に投影画像に対する写損処理が指示された場合は、他の画像も連動して写損扱いとする要望も想定される。その場合、本発明においては、ステップS2505における再撮影処理が指示されたか否かを判断する処理を省略することで、容易に実現が可能である。
その他の実施形態に係る処理では、再撮影ボタン1028の押下に限らず、写損ボタン1029が押下された場合であっても、以下の処理を実行する。すなわち条件設定部4051は、投影画像群のデータが写損として設定されることに応じて投影画像群に基づき生成されたトモシンセシス画像のデータを写損として設定する。これにより、再撮影設定の実行是非に限らず、投影画像が診断画像として不適切と判定された場合に、当該不適切な投影画像群に対応するトモシンセシス画像を不適切として判定し、写損設定する。この処理によって、不適切なトモシンセシス画像が外部に出力され診断に用いられるという問題を減らすことができる。
その一方で、条件設定部4051は、は、投影画像群のデータが写損として設定されていない状態でトモシンセシス画像のデータが写損として設定されても、投影画像群のデータを写損として設定しない。再構成条件その他の処理条件によって、診断に用いることが不適切と判定されたトモシンセシス画像を個別に写損として設定することができ、不適切なトモシンセシス画像が診断に用いられるという問題を減らすことができる。
ここで、図26を用いて、図25におけるステップS2503にて表示される写損理由入力画面2601の一例を示す。写損入力画面2601は、撮影画面1001上の画像表示部1002に重ならない領域へポップアップ表示される。写損入力画面2601は、図10や図24に示す撮影画面1001において、選択状態となった撮影画像サムネイル1011がある状態で、再撮影ボタン1028または写損ボタン1029を操作入力により押下することで表示される画面である。撮影画像サムネイル1011は、操作部108への操作入力によりクリックすることで選択状態とする。撮影画像サムネイル1011の一つを選択状態とする制御は、例えば撮影画像サムネイル1011上でのクリック入力を入力検出部4071で検出することにより、検査制御部406が当該撮影画像サムネイル1011を選択状態として設定する。この点で、検査制御部406が投影画像群のデータまたは前記トモシンセシス画像のデータの少なくとも1つのデータを選択する選択部として機能する。
写損ボタン1029は、条件設定部4051により写損設定を実行するためのボタン(第一のボタン)である。再撮影ボタン1028は、条件設定部4051により選択されたデータに対応する再撮影を実行するための撮影情報を設定する再撮影設定を実行するためのボタン(第二のボタン)である。再撮影ボタンが押下されることに応じて、条件設定部4051はトモシンセシス画像のデータまたは投影画像群のデータのうち少なくとも1つのデータを写損として設定する写損設定を実行する。これに加えて条件設定部4051は、当該データに対応する再撮影を実行するための撮影情報を設定する再撮影設定を実行する。
写損設定がされた場合、表示制御部4070はトモシンセシス画像のデータ及び投影画像群のデータを示す撮影画像サムネイル1011を表示させる。これに加えて表示制御部4070は、条件設定部4051により写損として設定されたか否かを示すマークを撮影画像サムネイル1011に重畳表示させる。これにより、どのデータが写損となっているか否かを撮影画像サムネイル1011にわかりやすく表示させることができる。ここで、表示制御部4070は、図26の表示に限らず、写損として設定された場合には×マーク、写損として設定されていない画像には○マークを撮影画像サムネイル1011に重畳表示させる。このように、写損として設定されたか否かを示すマークを撮影画像サムネイル1011に重畳表示させることで、写損か否かをより分かりやすく表示させることができる。
1つの実施形態に係る撮影制御装置107では、表示制御部4070は、図10お撮影画面1001のように投影画像群に対応する撮影画像サムネイル1011が選択状態となっている場合に、写損ボタン1029及び再撮影ボタン1028の両方を表示させる。これにより、投影画像群を単純に写損とするか、写損とした上で再撮影とするかを選択可能とし、状況に応じた出力制御及び再撮影を容易に実行させることができる。
その一方で、表示制御部4070は、図28で示されるようにトモシンセシス画像に対応する撮影画像サムネイル1011が選択状態となっている場合には、再撮影ボタン1028を非表示状態とする。これは、再構成で得られたトモシンセシス画像には厳密には再撮影という概念が存在しないため、このことを明確にするためである。このようにすることで、表示制御部4070及びこれを制御する検査制御部406により、トモシンセシス画像には再撮影設定の実行を許可せず、再撮影設定は投影画像群のみに対して実行を許可する制御を実現することができる。なおこれに限らず、検査制御部406はトモシンセシス画像及び投影画像群のいずれが選択された場合にも再撮影ボタン1028を表示させてもよい。その代わりに検査制御部406は再撮影ボタン1028が押下されても対応する処理を実行させないよう制御することができる。そのほか、トモシンセシス画像のデータが選択状態とされている場合には、表示制御部4070により再撮影ボタン1028を選択不可能な状態として表示させることによっても、同様の目的が達成できる。
別の実施形態では、トモシンセシス画像が選択された状態で再撮影ボタン1028が押下されることに応じて、条件設定部4051は当該トモシンセシス画像に対応する再撮影を実行することとする。この場合、条件設定部4051は新たな撮影情報を生成し、元の撮影情報と同一の検査情報に関連付ける。当該新たな撮影情報は表示制御部4070により、例えば図27の撮影手技表示部1009bのように元の撮影手技表示部1009aと並列されて表示される。ここで条件設定部4051は、この新たな撮影情報では、トモシンセシス画像の処理条件(再構成条件及び画像処理条件)を、当該再撮影が設定された際に選択状態とされていたトモシンセシス画像についての処理条件と同一とする。なお、ここで新たな撮影情報についても、上述の選択状態とされていたトモシンセシス画像に対応する撮影情報(撮影手技表示部1009aに表示される撮影手技情報)と同一に設定する。このようにすることで、被写体の体動による撮影の失敗があった場合等に、再度の撮影を効率的に実行することができる。なお、条件設定部4051は操作部108〜の操作入力に応じて、当該新たな撮影情報(撮影手技)に含まれる駆動条件、照射条件、投影画像に対するリカーシブ処理等の画像処理条件を変更することも可能である。これにより投影画像の不足や照射条件の不適切性を理由として再撮影を実行する場合に対応することができる。
このようにすることで、新たな撮影情報が選択された状態で照射スイッチ103が押下されることに応じて撮影制御部405により当該新たな撮影情報に対応する投影画像群が撮影される。そして、当該投影画像群の撮影完了に応じて、撮影制御部405は画像処理部110にトモシンセシス画像の生成処理、つまりは再構成処理及び階調処理を開始させる。このとき、再構成処理部1611は上述の処理条件で再構成処理及び階調処理が実行する。そのため、階調パラメタ取得部1612による解析処理は実行されないよう、撮影制御部405により制御される。このようにすることで、トモシンセシス画像の処理条件が適切であった場合に、投影画像をより適切に撮影したい場合に、トモシンセシス画像の1つに基づく再撮影を実行させることができ、効率的である。
上述の写損ボタン1029及び再撮影ボタン1028は、トモシンセシス画像のデータ及び投影画像群のデータを示す表示である撮影画像サムネイル1011とともに、撮影画面1001上に表示される。これにより、操作者は写損設定及び写損理由入力をする画像をプレビュー表示しながら、写損設定及び理由入力が可能となり、写損理由の考察が容易になる効果がある。
写損理由入力画面2601は、写損理由入力部2602、写損理由選択部2603、キャンセル指示部2604、確定指示部2605より構成される。写損理由入力部2602は、写損理由を入力するコントロールである。写損理由選択部2603は、制御部111に登録されている写損理由がリスト表示されるコントロールである。リストから写損理由を選択すると、選択した写損理由が写損理由入力部2602に入力される。写損理由は、事前のシステム設定及び過去に写損理由入力画面2601にて確定された写損理由が登録される。キャンセル指示部2604は、写損理由の入力破棄を指示するボタンである。キャンセル指示により写損理由の入力内容が破棄され、写損理由入力画面2601が閉じられる。画面が確定指示部2605は、写損理由の確定を指示するボタンである。確定指示により写損理由の入力内容が確定され、写損理由入力画面2601が閉じられる。以上の構成となる写損理由入力画面2601が表示される。
写損理由の入力内容が確定されると、条件設定部4051は、当該選択状態とされた撮影画像サムネイル1011に対応するデータを写損設定する。
ここで、図27を用いて、図25におけるステップS2513にてトモシンセシス撮影手技に対する再撮影処理が完了した場合に表示される撮影画面1001の一例を示す。トモシンセシス撮影手技に対する再撮影処理が完了すると、再撮影処理が実施されたトモシンセシス撮影手技の撮影手技表示部1009aに含まれる全ての撮影画像サムネイル1011に写損マーク2701が表示される。なお、写損マーク2701の形態は、写損状態であることが認識可能であれば、これに限定されない。また、再撮影処理が実施されたトモシンセシス撮影手技と同一の撮影手技表示部1009bが撮影手技表示部1009aの直下に追加される。その後、撮影手技表示1009bが次回撮影予定として選択され、撮影手技表示1009bに撮影予定サムネイル1012が表示される。また、再撮影が実施されたトモシンセシス撮影手技に含まれる投影画像の撮影画像サムネイル1011をプレビュー選択した場合、再撮影ボタン1029は非表示となり、表示領域が詰めて表示される。また、写損処理が実施された撮影画像サムネイル1011をプレビュー選択した場合、写損ボタン1029が非表示となり、写損ボタン1029同じ表示領域に写損解除指示部2702が表示される。写損解除指示部2702は、プレビュー選択中の写損設定済み画像に対して写損設定の解除を指示するボタンである。写損処理の解除が実施されると、画像情報に含まれる写損設定がOFFに切り替えられる。以上の構成となる撮影画面1001が表示される。
ここで、図28を用いて、図25におけるステップS2514にて写損処理が完了した場合に表示される撮影画面1001の一例を示す。写損処理が完了すると、写損処理が実施された画像の撮影画像サムネイル1011のみに写損マーク2701が表示される。以上の構成となる撮影画面1001が表示される。
そのほか、上述の実施形態に加えて、表示制御部4070は、例えば撮影手技表示部1009aに表示される第一の撮影情報に1つまたは複数のトモシンセシス画像が存在する場合に、以下の処理を実行する。すなわち表示制御部4070は、すべてのトモシンセシス画像が写損として設定されることに応じて、警告または新たなトモシンセシス画像の再構成を実行するか否かを問う表示の少なくともいずれかを表示させることとする。そもそもトモシンセシスの撮影はトモシンセシス画像を得るために行うものであり、生成されたすべてのトモシンセシス画像が写損とされた場合には、撮影の本来の目的が達成されていないと考えられる。そこで、上述のように警告や再撮影を促すGUIを表示させることにより、トモシンセシス撮影を適切に支援することができる。なお、上述の例ではすべてのトモシンセシス画像が写損として設定されることをトリガとしたが、これに限らない。例えば3つのトモシンセシス画像がある場合に、特定数以上、例えば2つ以上のトモシンセシス画像が写損として設定される場合であってもよい。あるいは1つのトモシンセシス画像が写損として設定されるたびに上述の表示をさせることとしてもよい。
さらには、投影画像群やトモシンセシス画像群が複数の画像を含んでいることを考慮して、条件設定部4051は、投影画像群に含まれる一部の投影画像について写損として設定する(第一の設定を実行する)ことが可能である。あるいは、トモシンセシス画像に含まれる複数のスライス画像のうち一部を写損として設定する(第二の設定を実行する)ことも可能である。例えば体動やその他の影響により一部の投影画像のみに問題が生じている場合に、当該投影画像を写損として設定することで、より適切なトモシンセシス画像の生成に寄与する。また、トモシンセシス画像の一部のスライス画像が不適切である場合に、当該投影画像を写損として設定することで、より適切に診断を支援することができる。
ここで再構成処理部1611は、上述の第一の設定が実行されることに応じて、当該第一の設定がされた一部の投影画像を除いた投影画像に基づく再構成処理を実行する。このようにすることで、不適切な投影画像が発見された場合に、当該不適切な投影画像の影響を排したトモシンセシス画像を自動的に生成することで、撮影を効率的に支援することができる。また上述の例と同様に、条件設定部4051は、当該写損として設定された一部の投影画像を用いて再構成されたトモシンセシス画像がある場合に、当該画像を写損として設定することで、不適切なトモシンセシス画像が診断で用いられないようにすることができる。さらには、画像処理部110は、当該投影画像の照射方向に対する方向のオブリーク画像の生成を禁止し、あるいは表示制御部4070が当該オブリーク画像の表示を禁止する制御をする。例えば、照射方向が−25度〜−20度の投影画像が写損として設定された場合に、オブリーク画像の表示範囲から−20度よりも小さい範囲を除いて±20度とし、あるいは−25度〜−20度の範囲のみを除くこととする。
また別の実施例では再構成処理部1611は、一部の投影画像が写損として設定されたことに応じて直ちにトモシンセシス画像を生成や写損設定を実行するのではなく、操作者にその判断をゆだねる。表示制御部4070は、第一の設定が実行されることに応じて、一部の投影画像が写損として設定された投影画像群に基づく再構成処理を実行するか否かを指示するためのGUI、当該再構成処理の実行することを推奨するメッセージを表示させることができる。あるいは、当該一部の投影画像が写損として設定された投影画像群に基づくトモシンセシス画像が存在する旨のメッセージ、を表示させることができる。またこれらの任意の組み合わせを表示させることも可能である。このようにすることで、不必要な再構成処理や写損処理がなされるのを防ぎ、撮影の効率を向上させることができる。
上述の実施形態の1つに係る処理の効果を説明する。同一の投影画像から複数のトモシンセシス画像を再構成した場合、元となる投影画像が写損処理されると、ほとんどの場合においてトモシンセシス画像も写損となる可能性が高い。また、もう一度撮影をし直す再撮影が指示された場合は一層可能性が高くなる。そのため、投影画像を後から写損処理する場合、その他のトモシンセシス画像に対しても1つずつ写損処理を実施することが手間である場合がある。また、写損処理実施時に写損理由の入力が必須である場合は、各画像に対して写損理由の入力も必要となる。そこでトモシンセシス撮影手技に対して、容易に写損処理を実施し、画像出力ON/OFFを設定可能とすることで操作者の負担を軽減することができる。一方で、写損処理は上述の通り画像の外部出力対象ON/OFFと連動している。そのため、撮影あるいは再構成のミスだけでなく、単純に外部出力の必要がないと判断した画像に対して個別に写損処理を行うことも可能であり、このような場合には1つの画像に対する写損処理に応じて他の画像が連動して写損処理を行わないように制御することができる。
<その他の実施形態>
上述の例では、X線撮影システムの実施形態を示したが、これに限らず、トモシンセシス撮影あるいは断層撮影が可能なMRI,PET,SPECT等の装置あるいはこれらの画像を扱う画像管理装置や画像処理装置で本発明を実現することとしてもよい。その他、上述の実施形態を適宜組み合わせたものについても、本発明の実施形態に含まれる。あるいは、上述の処理をプログラムとハードウェアとの協働により実現する場合、プログラムあるいはこれを記憶する記憶媒体も本発明の実施形態に含まれる。プログラムによる実施形態では、上述の処理に対応するプログラム、プログラムを記憶部に格納しておき、電子計算機あるいはコンピュータのCPUがRAMに展開し、CPUでプログラムに含まれる指令を実行していくことにより達成される。
図23及び24を参照して説明したアイコンの追加表示制御について、その他の実施形態では、上述の新たなアイコンを作成する条件を満たした場合でも、直ちにアイコンを作る設定と、直ちにアイコンは作らず、例えばユーザの承認をもってアイコンの作成乃至表示を行う設定とが切り替え可能となっている。かかる設定を示す情報は生後部111により撮影制御装置107のメモリに格納される。かかる設定は、操作部108の操作入力により変更可能である。
直ちにアイコンを作らない設定がされている場合には図23のステップS2310及びS2311の前に、表示制御部4070は変更あるいは設定された条件に基づく断層画像を表す新たなアイコンを表示部に表示させるか否かを操作入力により選択するためのウィンドウを表示させる。かかるウィンドウには、ユーザに選択を問うメッセージととともに、表示させるための操作入力を受け付ける第一のアイコンあるいはボタンと、表示させないための操作入力を受け付ける第二のアイコンあるいはボタンとを表示させる。第一のアイコンに対する操作入力があった場合には、表示制御部4070はステップS2310またはS2311に対応するアイコンの追加表示処理を実行する。第二のアイコンに対する操作入力があった場合には、ステップS2310、S2311乃至S2313の処理を行なわない。このようにすることで、アイコンの表示についてユーザ所望の制御をおこなうことができる。
また別の実施形態では、アイコンを追加する場合と、ユーザが選択した1のアイコンの代わりに新たに追加されるアイコンを表示させる場合と、アイコンを追加させない場合とを切り替えられるようにしてもよい。かかる切り替えは、ユーザが選択した1のアイコンの代わりに新たに追加されるアイコンを表示させる設定が可能とし、当該設定がなされている場合にはユーザが操作部108に対する操作入力に応じて表示制御部4070は選択した1のアイコンの代わりに新たなアイコンを表示させることとする。また別の例では、上述のウィンドウにユーザが選択した1のアイコンの代わりに新たに追加されるアイコンを表示させるための操作入力を受け付ける第三のアイコンまたはボタンを表示させることとし、かかる第三のアイコンに対する操作入力と、サムネイルに対応する当該1のアイコンを選択する操作入力とに基づいて表示制御部4070は選択した1のアイコンの代わりに新たなアイコンを表示させることとする。かかる実施形態では、再構成条件や画像処理条件を微修正した場合等、変更前の断層画像のセットが必要ない場合に、不要なサムネイルを表示させないようにし、再構成された断層画像の管理を容易にすることができる。一方で条件を微修正した場合でも、変更前の断層画像と変更後の断層画像をそれぞれ別目的の診断で用いるため、両断層画像をPACS115に転送する場合に有用である。
また別の実施形態では、ステップS2306で再構成パラメータ及び画像処理パラメータが同じと判定された場合でも、上述の通りユーザにアイコンの追加を行わせるか否かを選択させるためのGUIを表示させることとする。かかる機能は、例えばPACS115へ転送される断層画像と、プリンタ117に転送される断層画像と、不図示のワークステーションに転送される断層画像とを分けて管理したい場合に有用である。例えば、同一の条件で得られる断層画像について、夫々異なる範囲をクロップして出力する場合が考えられる。
なおまた別の実施形態では、すでに再構成された断層画像と同一の再構成条件が設定されている場合には、確定ボタン1121を押下できないようにする。かかる処理を行うには、ステップS2302乃至S2309の処理を、確定ボタン1121が押下される前に図22に表示された再構成条件に基づいて行うことで実現される。これにより不要な断層画像の再構成、あるいはサムネイルの表示を減らすことができる。
また別の実施形態を図29に基づき説明する。制御部111は、投影画像Pを撮影する際の投影角度(図2の撮影系で−XX deg.〜+XX deg.となっている角度)の間隔ΔΘに基づいて、オブリーク断面画像を表示する際の隣接するオブリーク断面画像Oの角度間隔ΔΦを制御する。投影角度−XX deg.から投影角度+XX deg.までの範囲で投影角度を変化させる間にN回のX線照射を行いN枚の投影画像Pを得る場合を考える。n(<N−1)回目のX線照射の際の投影角度Θnと、n+1回目のX線照射の際の投影角度Θn+1の差をΔΘと定義する。ΔΘはnによらず一定でもよいし、n毎に異なっていてもよい。なおΔΘはnによらず一定となるように制御しても、モータ等に起因する誤差によって厳密に一致しない場合もあるが例えばΔΘの5%以下の誤差でばらつく場合には同一として扱うこととしてもよい。
かかるΔΘの値は、各投影画像に対応する幾何情報としてΘnの値をX線制御部104あるいは移動機構制御部1063から取得し、Θnに基づいて算出してもよいし、ΔΘの値を直接X線制御部104あるいは移動機構制御部1063から取得してもよい。
実施形態の1つでは、かかるΔΘが一定である場合に、オブリーク断面画像の角度間隔ΔΦ=ΔΘとし、オブリーク断面を順次表示させる際の角度間隔とする。例えば図12の3Dスライダーにマウスカーソルを合わせ、あるいは3Dスライダーを選択してフォーカス状態とする。この時、コロナル面(X線検出器の検出面)に対する角度がΦnであるオブリーク断面画像Onが表示されているとする。その状態でキーボードの上キーを1回押下することにより、表示されるオブリーク断面画像On+1のコロナル面に対する角度Φn+1について、Φn+1−Φn=ΔΦ=ΔΘとする。このとき、Φn=Θnであることが望ましい。このようにすることで、オブリーク画像Oは照射方向Θを法線方向とする断面の画像となるため、オブリーク画像の画質を高くすることができる。Φn=Θnでない場合であっても、Φn=Θn±ΔのΔをΔΘの25パーセント以下の大きさに抑えることで、ΦnとΘnとの差を小さくすることができるため、25%を超える場合に比べて画質を向上させる効果がある。ΔΘが一定でない場合であっても、ΔΘnとΔΦnとを揃えたり、ΦnとΘnとの差を小さくしたりすることにより画質を向上させることができる。
また別の実施形態では、制御部111は、アイソセンタを通らない断面のオブリーク画像を表示させる。アイソセンタを通らない断面の画像はトモシンセシス画像では画質が向上するものの、例えば特定位置の骨折を特定の方向から観察したい場合があり、必ずしもアイソセンタを通る断面画像では適切な観察のための画像とならない場合がある。表示制御部111は、例えばアイソセンタを通らない断面のオブリーク画像を表示させる設定がされている場合には表示させ、アイソセンタを通らない断面のオブリーク画像を表示させる設定がされていない場合には表示させない。かかる設定情報は撮影制御装置107のメモリに格納され、操作部108を介した操作に応じてユーザが変更可能とする。アイソセンタを通らない断面のオブリーク画像を表示させる設定がされている場合に表示される、アイソセンタを通らない断面のオブリーク画像については、上述の実施形態で述べた通り、そのコロナル面に対する角度Φを投影画像Pの投影角度θのいずれかと等しくすることにより、画質をある程度担保することができる。
別の実施形態では、複数の投影画像のうち、一部の画像が写損として指定された場合を考える。この場合、制御部111は、写損としてされた投影画像に対応する位置情報に基づいて画像処理を制御する。例えば、投影角度−XX deg.から投影角度+XX deg.までの範囲で投影角度を変化させる間にN回のX線照射を行いN枚の投影画像Pn(n≦N)を得る場合を考える。例えば、P1からP3、PN−2〜PNといった投影角度の下限あるいは上限付近の投影画像が写損として指定された場合には、画像処理部110はP4〜PN−3の計N−6枚の投影画像を用いて再構成する。この場合は、投影角度の範囲がもともとより小さい範囲に絞られていた場合と同様に考えればよいこととなる。すなわちP4の投影角度をθ4、PN−3の投影角度をθN−3として、θ4〜θN−3の範囲でX線発生部を移動させて撮影するトモシンセシスと同様になる。
このように、複数の投影画像の一部が写損として指定されている場合であっても、再構成画像を写損とせず、写損となっていない投影画像に基づいて再度の再構成を行うことにより、X線照射により得られたデータを有効活用することができる。
もちろん、上述の実施例の通り、投影角度に基づいてオブリーク断面画像の表示が制限されることとなる。これにより、目的とするオブリーク断面画像が表示できない場合には、再撮影が行われることとなる。ここで、たとえばあるオブリーク断面画像がPACS転送用の画像として指定されている場合に、当該オブリーク断面画像の元データである投影画像群の一部が写損として指定され、当該オブリーク断面画像が表示制限にかかる場合には、当該投影画像群の一部が写損として指定されることに応じて、当該オブリーク断面画像を含む3次元ボリュームデータ(断層画像)を写損として設定してもよい。あるいは、当該投影画像群の一部が写損として指定されることに応じて、当該3次元ボリュームデータ(断層画像)を写損とするか否かをユーザに問うダイアログを表示制御部4070が表示させることとし、写損指定をユーザの操作入力にゆだねることとしてもよい。ここで3次元ボリュームデータを写損に指定する旨の操作入力があった場合には、制御部110により3次元ボリュームデータ写損に指定し、かつ当該オブリーク断面画像のPACS転送指定は解除される。あるいはPACS転送解除をユーザの操作入力にゆだねることとしてもよい。ここで3次元ボリュームデータを写損に指定する旨の操作入力がない場合には、制御部110によって当該3次元ボリュームデータは写損指定されず、PACS転送指定も解除されない。当該オブリーク断面画像は通信回路112によりPACS115に向けて出力される。
このように、投影画像の一部が写損として指定された場合に、再構成された断層画像を連動して写損とするか否かをユーザの操作入力にゆだねることで、ユーザ所望の処理を実現することができ、操作入力の手間を減らすことができる。また、写損と連動して、PACS転送の指定解除も行うことができるため、処理の手間を減らすことができる。
ここでN´=N/2を満たす整数N´について、投影画像PN´が写損指定された場合を考える。この場合には、アイソセンタの直上に近い位置、投影角度が0°付近の位置のX線発生部102から照射されるX線に基づき得られる投影画像が再構成に利用できないこととなる。この場合には、画質が十分に担保されないとして、画像処理部110は断層画像の再度の再構成は行わない。
別の実施形態では、投影角度が0°の投影画像が1つだけ再構成に利用できないとしても大きな問題はないとして、画像処理部110は当該写損と指定された投影画像を除外して再構成することで、X線撮影により得られるデータを有効活用することができる。この場合、画像処理部110は例えば閾値となる枚数Mを超えない場合には再構成を行い、Mを超える場合には再構成を行わないようにする。
このように、制御部111は写損指定される投影画像の位置情報あるいは投影角度や、枚数、及びその組み合わせに基づいて再構成を行うか否かを制御する。これにより、X線照射により得られるデータを有効活用としつつ、画質が担保できない断層画像の再構成を行わずに誤診を招く可能性を減らすことができる。
上述の例では、投影画像が「写損」として指定された場合について説明した。上述の実施例でいう写損の一例は、ユーザの操作入力により決定される失敗撮影を示すが、これに限らず例えば画像処理部110が異常画像として判定した場合についても同様の処理を行うこととしてもよい。
その他、上述したステップS608において、表示制御部4070は投影画像の撮影中には、各投影画像を順次受信することに応じて該投影画像を順次表示部109に表示させる。これにより、逐次撮影される投影画像に問題がないかを撮影中に確認することができる。ステップS608の投影画像の撮影が終了することに応じて画像処理部110は再構成処理を実行する。再構成の終了に応じて、表示制御部4070は再構成で得られるトモシンセシス画像を表示部109に表示する。かかる一連の処理は撮影制御部405により制御される。これにより、投影画像の撮影の終了に応じて再構成処理が行われるため、トモシンセシス画像を迅速に確認できる。
このように、投影画像の撮影中にあっては投影画像を表示させることにより投影画像の撮影の問題をユーザに確認しやすくする。投影画像の撮影が終了した後は迅速にトモシンセシス画像を表示させることにより再構成に問題がないかをユーザに確認しやすくする。これにより、投影画像と再構成画像の両面から再撮影が必要か否かを容易に確認させることができる。
上述の実施形態において、例えば撮影制御装置107の機能を互いに通信可能な複数の装置に分散させて制御システムとして撮影制御装置107の機能を実現させることとしてもよい。例えば、画像処理部110の機能を外部のサーバに設けるなどの例がある。かかる外部のサーバは、トモシンセシス撮影を行うX線撮影システムの置かれる撮影室あるいは操作室内に配置され専用のLANで接続されていてもよいし、病院内に配置され院内のLANで通信することとしてもよい。あるいは国内及び国外を問わず院外のデータセンタ等に配置され、VPN等のセキュアな通信で互いにデータをやり取りすることとしてもよい。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために以下の請求項を添付する。
本願は、2013年6月18日提出の日本国特許出願特願2013−127976を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てをここに援用する。