JP6789908B2 - 振動計 - Google Patents

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Description

本開示は、振動を検出可能な振動計に関する。
振動を検出可能な振動計が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1において開示されているように、振動計は、通常、加速度センサを含んで構成されている。特許文献2は、振動する構造物のクラックの検査のために、構造物に生じる加加速度(加速度の微分値、ジャーク)を検出する力学量センサを開示している。この力学量センサは、片持ち梁の自由端に配置されたジャイロセンサを含んで構成されている。
国際公開第2013/150731号 特開2001−33477号公報
新たな原理の振動計が提供されることが望まれる。
本開示の一態様に係る振動計は、直交座標系XYZのX軸方向に振動する計測対象物に取り付けられる基部と、Y軸回りの角速度を検出可能なジャイロセンサを含む回転体と、前記回転体のY軸回りの回転を伴って前記回転体の重心がXZ平面内で前記基部に対して相対移動するように前記回転体を保持している保持機構と、を有しており、前記保持機構は、前記回転体の重心が、所定の原点位置からX軸方向両側それぞれに位置するほどZ軸方向正側へ位置し、Z軸方向負側への引力を復元力としてX軸方向両側それぞれから前記原点位置に復帰するように前記回転体を保持している。
一例において、前記保持機構は、前記基部に固定的な、前記Z軸方向正側に面する、Y軸方向に見て凹状の支持面を有しており、前記回転体は、Y軸方向に見て前記支持面上を転がることが可能な外周面を有している。
一例において、前記支持面は、Y軸方向に見てX軸方向の両側ほどX軸に対する傾斜が大きくなるように湾曲している。
一例において、前記支持面は、Y軸方向に見て円弧である。
一例において、前記回転体の外周面および前記支持面は、最大摩擦力以上の力で互いに摺動可能である。
一例において、前記保持機構は、Y軸方向に見て前記基部に固定的な所定の支持位置回りに前記回転体が振れるように前記支持位置から前記回転体を垂下させている。
一例において、前記保持機構は、一端が前記支持位置にて前記支持位置回りに回転可能に支持され、他端に前記回転体が連結されている長尺部材を有している。
一例において、前記保持機構は、一端が前記支持位置にて支持され、他端に前記回転体が連結されている可撓性の長尺部材を有している。
一例において、前記引力は重力である。
上記の構成によれば、新たな原理で振動を検出することができる。
図1(a)は第1実施形態に係る振動計の要部構成を示す模式的な断面図であり、図1(b)は図1(a)の振動計が含む回転体の要部構成を示す模式的な斜視図である。 図2(a)は図1(a)の振動計のジャイロセンサの一例の要部構成を模式的に示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb線における断面図である。 図3(a)および図3(b)は図1(b)の回転体の角速度に基づいて振動に係る物理量を算出する演算方法の一例を説明するための模式図である。 図4(a)は第2実施形態に係る振動計の要部構成を示す模式的な断面図であり、図4(b)は図4(a)の振動計の長尺部材の一例を示す模式図であり、図4(c)は長尺部材の他の一例を示す模式図である。 図5(a)、図5(b)、図5(c)および図5(d)はそれぞれ変形例の要部構成を示す模式図である。
以下、図面を参照して本開示に係る実施形態について説明する。なお、第2実施形態以降において、既に説明された実施形態の構成と共通または類似する構成について、既に説明された実施形態の構成に付した符号を用い、また、図示や説明を省略することがある。なお、既に説明された実施形態の構成と対応(類似)する構成については、既に説明された実施形態の構成と異なる符号を付した場合においても、特に断りがない点は、既に説明された実施形態の構成と同様である。
<第1実施形態>
(振動計の全体構成)
図1(a)は、本開示の第1実施形態に係る振動計1の要部構成を示す模式的な断面図である。
同図に付した直交座標系XYZは絶対座標系である。Z軸方向は鉛直方向であり、X軸方向およびY軸方向は水平方向である。なお、本実施形態の説明では、直交座標系XYZは、不図示の計測対象物(別の観点では、振動計1のうち計測対象物に固定される部分)に固定の座標系として捉えられてもよい。
振動計1は、不図示の計測対象物のX軸方向における振動を検出するセンサとして構成されている。計測対象物および計測対象の振動(現象)は、種々のものとされてよい。例えば、計測対象物およびその振動は、携帯型電子機器の意図しない振動または操作としての振動であってもよいし、建築物の地震による揺れまたは変形であってもよい。計測対象物および/または計測対象の振動に応じて、振動計1の大きさ等も適宜に設定されてよい。例えば、図1(a)の図示範囲の1辺の大きさは、10mm以上500mm以下である。
振動計1が出力する物理量は、例えば、X軸方向における、変位、速度、加速度および/または加加速度である。振動計1は、このような物理量を逐次出力するだけであってもよいし、物理量の時系列データを生成して出力してもよい。また、振動計1は、前記のような出力に加えて、または代えて、時系列データから振幅、周波数および/または周期(波形毎の値および/または複数の波形の代表値)を算出して出力してもよい。各種の物理量の計測範囲および/または計測精度は適宜に設定されてよい。
振動計1は、計測対象物に取り付けられる基部3と、回転体5と、回転体5を基部3に対して相対移動可能に保持する保持機構7とを有している。回転体5は、例えば、Y軸方向に見て円形の外周面を有している。一方、保持機構7は、基部3に固定された支持部材9を含んでおり、支持部材9は、Z軸方向正側(鉛直上方)に面する支持面9aを有している。回転体5は、支持面9aに載置されている。なお、支持部材9(保持機構7)は、基部または基部の一部とみなされても構わない。
基部3がX軸方向に振動するとき(X軸方向の加速度を生じるとき)、基部3から見ると、回転体5は、X軸方向における慣性力を受ける。その結果、二点鎖線で示すように、回転体5は、支持面9a上を転がりながら基部3に対してX軸方向において相対移動(振動)する。すなわち、回転体5のY軸回りの回転を伴って回転体5の重心(例えば概ね中心)がXZ平面内において基部3に対して相対移動する。従って、回転体5のY軸回りの角速度を計測することによって、基部3(計測対象物)のX軸方向における振動を検出することができる。
(基部)
基部3は、計測対象物に対して固定的な部位であれば良く、その材料、形状および機能は種々設定されてよい。また、基部3の語は、計測対象物に対して固定的な部位の全体を指してもよいし、一部を指してもよい。基部3が計測対象物に固定されるという場合、基部3は、直接に計測対象物に固定されていてもよいし、他の部材を介して間接的に計測対象物に固定されていてもよい。なお、基部3は、基本的には計測対象物に対して固定されるが、計測対象物に対して多少の遊びの範囲内で移動可能とされてもよい。
図1(a)では、基部3として、基板状の部材を例示している。この基板状の部材は、例えば、振動計1のパッケージまたは筐体の一部であってもよいし、パッケージまたは筐体内部に配置された部材であってもよい。また、この基板状の部材は、例えば、単に計測対象物に対する固定および/または保持機構7の支持に供される構造的な部材であってもよいし、後述する制御部の少なくとも一部を構成する回路基板であってもよい。
(回転体)
回転体5は、支持面9a上を転がることができればよく、その形状および材料等は適宜に設定されてよい。例えば、回転体5は、上記のようにY軸方向に見て円形である。ただし、回転体5は、Y軸方向に見て、外周面の一部にのみ円弧を有する形状であってもよい。すなわち、回転体5は、図示の例のように1回転以上転がることが可能に構成されていてもよいし、図示の例とは異なり1回転未満転がることが可能に構成されていてもよい。また、回転体5の外周面の、回転体5が転がることを可能とする面は、Y軸方向に見て円または円弧に限らず、例えば、楕円または楕円の一部であってもよい。また、回転体5の半径は、支持面9aの長さに対して、回転体5が1回転以上回転可能に比較的小さくてもよいし、これよりも大きくてもよい。
基部3がX軸方向に加速度を生じると、基部3から見て、回転体5は、基部3の移動方向とは逆方向の慣性力を受け、基部3に対してX軸方向へ相対移動しようとする。このとき、回転体5が支持面9aを転がるためには、回転体5の外周面の支持面9aに対する滑りを規制する抵抗力が必要である。この抵抗力は適宜に得られてよい。
例えば、上記の抵抗力として、主として、回転体5の外周面と支持面9aとの間の静止摩擦力が利用されてよい。また、例えば、特に図示しないが、ラックアンドピニオンのように、回転体5の外周面および支持面9aに互いに噛み合う複数の歯を形成してもよい。
回転体5の外周面と支持面9aとの間の抵抗力として静止摩擦力を利用する場合、回転体5が受ける慣性力のうちの、回転体5の外周面と支持面9aとが接する位置の接線方向における成分が最大摩擦力以上になると、回転体5の外周面は支持面9aを摺動する。一方、回転体5の外周面および支持面9aをラックアンドピニオンのように構成した場合においては、そのような摺動は生じない。従って、静止摩擦力を利用する構成は、換言すれば、回転体5の外周面および支持面9aが最大摩擦力以上の力で摺動可能な構成である。
回転体5の外周面と支持面9aとの間の抵抗力として静止摩擦力を利用する場合において、静止摩擦係数および/または運動摩擦係数は適宜に設定されてよい。換言すれば、回転体5の外周面および/または支持面9aの材質、粗さおよび/または乾燥の度合いは適宜に設定されてよい。
回転体5は、X軸回りまたはZ軸回りに回転可能であってもよいし、回転不可能であってもよい。別の観点では、例えば、回転体5は、球形であってもよいし、Y軸方向を軸方向とする円柱状であってもよい。以下では、X軸回りおよびZ軸回りに回転不可能な態様を例に取る。また、回転体5のXZ断面の形状および寸法は、Y軸方向において一定であってもよいし、一定でなくてもよい。
(保持機構)
保持機構7の支持面9aは、Y軸方向に見て凹状に形成されている。従って、例えば、回転体5は、支持面9aの最下点を原点位置として、重力によって原点位置に復帰する。より具体的には、例えば、支持面9aは、Y軸方向に見てX軸方向の両側ほどX軸に対する傾斜が大きくなるように湾曲している。さらに詳細には、支持面9aは、例えば、Y軸方向に見て円弧である。この円弧の半径および中心角は適宜に設定されてよい。支持面9aのXZ断面の形状および寸法は、例えば、Y軸方向において一定である。
支持部材9は、支持面9aを有していればよく、例えば、図示の例のように一定の厚さの板状の部材であってもよいし、直方体等の厚さのある形状の上面に凹部を形成した部材(図5(a)の支持部材301参照)であってもよい。また、支持部材9は、例えば、同一材料から一体形成されていてもよいし、複数部材から構成されていてもよいし、支持面9aとなる表面に摩擦係数を調整するためのコーティングが施されて構成されていてもよい。支持部材9の基部3に対する固定方法は適宜に選択されてよく、例えば、接合材またはねじによって固定されていてもよいし、溶着などにより直接に接合されていてもよいし、両者が一体的に形成されることによって固定されていてもよい。
(回転体のジャイロセンサ)
図1(b)は、回転体5の要部構成を示す模式的な斜視図である。
回転体5は、例えば、ジャイロセンサ11を含んで構成されている。回転体5は、例えば、特に図示しないが、チップ化された(パッケージングされた)ジャイロセンサと、ジャイロセンサが実装される回路基板と、当該回路基板(およびジャイロセンサ)が内部に固定され、支持面9aを転がる外周面を有する外郭部材とを含んで構成されていてもよいし、ジャイロセンサのパッケージが支持面9aを転がる外周面を有するように構成されていてもよい。前記外郭部材も広い意味ではジャイロセンサのパッケージであり、回転体5はジャイロセンサそのものであると捉えられてもよい。
ジャイロセンサ11の形式は適宜なものとされてよい。例えば、ジャイロセンサは、機械式、流体式、光学式または量子式のものであってよい。機械式は、振動式または回転式であってよい。振動式において、振動子の形状および振動態様、駆動方式(逆圧電効果、静電引力または電磁力等)、ならびに検出方式(圧電効果、静電容量またはピエゾ抵抗効果等)は適宜に設定されてよい。
図2(a)は、ジャイロセンサ11の一例の要部構成を模式的に示す斜視図である。図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における断面図である。
なお、同図および図1(b)等において付した小文字の直交座標系xyzは、ジャイロセンサ11に固定されている。y軸は、直交座標系XYZのY軸に平行である。直交座標系xyzは、直交座標系XYZに対してy軸(Y軸)回りに回転可能な相対座標系である。
ここでは、ジャイロセンサ11として、圧電体13(例えば水晶)の表面に励振電極15Aおよび15Bならびに検出電極17Aおよび17Bを設けた振動式のものを例に取る。なお、以下では、15A、15B、17Aおよび17BのAおよびBを省略することがある。
励振電極15から圧電体13に交流電圧を印加することにより圧電体13を振動させてている状態で、圧電体13が回転されると、圧電体13は、励振による振動の方向と、回転軸とに直交する方向においてコリオリの力によって振動する。そして、このコリオリの力に起因する圧電体13の変形に応じて生じる電気信号(例えば電圧または電荷)を検出電極17によって取り出すことにより、圧電体13の角速度を検出することができる。
角速度が大きいほど、コリオリの力は大きくなり、ひいては、圧電体13の変形量は大きくなる。従って、例えば、検出された信号の電圧(別の観点では振幅)に基づいて角速度の大きさが検出される。また、例えば、励振電極15により印加した電圧と検出電極17により検出された信号との位相差に基づいて回転の向きが特定される。
このような圧電振動式のジャイロセンサ11において、圧電体13の形状および振動態様は適宜に設定されてよく、例えば、以下のようなものを挙げることができる。圧電体13は、基部19と、基部19から延び出る1以上の駆動腕21と、基部19から延び出る1以上の検出腕23とを有している。駆動腕21には複数の励振電極15が設けられている。検出腕23には複数の検出電極17が設けられている。
励振されている駆動腕21にコリオリの力が作用して駆動腕21が振動し、このコリオリの力による振動が検出腕23に伝わり検出腕23が振動する。および/または、駆動腕21の励振による振動が検出腕23に伝わり検出腕23が振動し、この振動している検出腕23にコリオリの力が作用して検出腕23が振動する。
1以上の駆動腕21および1以上の検出腕23の本数および配置、ならびに励振電極15および検出電極17の配置は適宜に設定されてよい。別の観点では、駆動腕21の励振による振動方向、検出腕23のコリオリの力による振動方向、駆動腕21から検出腕23への振動の伝わり方(励振による振動および/またはコリオリの力による振動のいずれが伝わるか等)、および角速度が検出される軸の向きは適宜に設定されてよい。
図2(a)では、y軸方向に延びる1本の駆動腕21および1本の検出腕23が設けられる、いわゆる音叉型のジャイロセンサ11を例示している。このジャイロセンサ11では、圧電体13の分極軸(例えば水晶の電気軸)はx軸方向に平行である。駆動腕21は、励振電極15Aと励振電極15Bとの間に交流電圧が印加されることによってx軸方向に振動する。この振動は、検出腕23に伝わり検出腕23はx軸方向に振動する。そして、y軸回りに圧電体13が回転すると、z軸方向にコリオリの力が作用して、検出腕23がz軸方向に振動する。
(制御部)
図2(b)に示すように、振動計1は、ジャイロセンサ11に駆動信号を入力するとともに、ジャイロセンサ11からの検出信号に基づく、計測対象物のX軸方向における振動に係る物理量(既述)を示す信号を出力する制御部25を有している。
より具体的には、制御部25は、例えば、励振電極15に電圧を印加する駆動部27と、検出電極17から電気信号を検出する検出部29と、検出された角速度に基づいて計測対象物のX軸方向における振動に係る物理量を算出する演算部31とを有している。
駆動部27は、例えば、発振回路や増幅器を含んで構成されており、所定の周波数の交流電圧を励振電極15Aと励振電極15Bとの間に印加する。なお、周波数は、駆動部27内にて予め定められていてもよいし、演算部31から指定されてもよい。
検出部29は、例えば、増幅器や検波回路を含んで構成されており、検出電極17Aと検出電極17Bとの電位差を交流電圧からなる検出信号として検出する。検出部29は、例えば、検出信号の振幅により角速度の大きさを特定し、検出信号と印加電圧との位相差により回転の向きを特定し、その特定した情報を含む信号を演算部31に出力する。
演算部31は、例えば、CPU、ROM、RAMおよび外部記憶装置を含んで構成されており、検出部29から入力された信号に含まれる角速度に基づいて、計測対象物のX軸方向における振動に係る物理量を算出する。
駆動部27、検出部29および演算部31それぞれは、IC(Integrated Circuit)によって構成されてよい。この場合において、これらは、個別に1つのICによって構成されていてもよいし、2以上まとめて1つのICによって構成されていてもよい。
駆動部27、検出部29および演算部31それぞれは、回転体5に設けられていてもよいし、基部3に設けられていてもよいし、回転体5および基部3の双方に対して移動可能に設けられていてもよい(絶対座標系において設けられていてもよい)。また、これらは、互いに固定的に設けられていてもよいし、計測対象物の振動に伴って互いに相対移動するように設けられていてもよい。例えば、駆動部27および検出部29は、回転体5に設けられている。また、演算部31は、基部3に設けられている。
駆動部27、検出部29および演算部31が互いに相対移動する場合、その信号の送受は適宜な方法によってなされてよい。例えば、可撓性のケーブルを介して信号の送受がなされてもよいし、無線信号の送受がなされてもよい。回転体5と基部3との間で可撓性のケーブルを用いる場合においては、ケーブルの捩れを解消するために、スリップリングのような回転コネクタが用いられてもよい。
なお、一般に、センサの語は、計測対象の物理量を電気信号に変換する部分のみを指す場合と、当該部分と、電気信号に対する増幅、演算または制御等を行う部分との組み合わせを指す場合とがある。本実施形態の説明では、振動計1は、後者として説明されている。ただし、図1(a)に示した機械的な部分(制御部25を除いた部分)によって振動計が定義されてもよい。
また、本実施形態の説明では、ジャイロセンサ11は、角速度を電気信号に変換する部分として説明されているが、駆動部27および検出部29を含んでジャイロセンサが定義されてもよい。
(演算の例)
図3(a)および図3(b)は、回転体5の角速度に基づいて基部3のX軸方向における振動に係る物理量を算出する演算方法の一例を説明するための模式図である。以下に説明する演算の一部または全部が演算部31によって実行されてよい。
図3(a)において、図1(b)との符号の比較から理解されるように、中心C2は、回転体5の中心を示し、半径rは、回転体5の半径を示している。回転体5の角速度がωであるとすると、基部3から見た回転体5の外周面の接線方向における速度vは、v=rωによって算出可能である。
図3(b)において、図1(a)との符号の比較から理解されるように、中心C1は、支持面9aが成す円弧の中心を示し、半径Rは支持面9aの曲率半径を示している。この図に示すように、回転体5と支持面9aの接点は、原点位置P0(支持面9aの最下点)から離れた位置P1にあるものとする。原点位置P0から位置P1までの中心C1回りの角度をθとする。
このとき、角度θは、例えば、上述の速度vの積分から得られる距離sを用いて、θ=s/Rによって算出可能である。なお、速度vと角度θとは符号(正負)が逆(逆回り)である。また、速度vのうちX軸に平行な成分(速度v)は、例えば、v=v×cosθによって算出できる。
回転体5が絶対座標系に対してX軸方向において移動していないと仮定すれば、速度vは、基部3のX軸方向における絶対座標系に対する速度である。このようにして、計測対象物のX軸方向の振動に係る物理量である速度vが算出される。
計測対象物のX軸方向における変位sは、例えば、速度vの積分によって得ることができる。また、上述のように距離sが求められている場合には、s×sinθによって算出することもできる。計測対象物のX軸方向における加速度aは、例えば、速度vの微分によって得ることができる。
なお、上記の演算方法の例は、種々の仮定のもとに成り立つ最も簡便なものである。振動計1に要求される精度によっては、理論または実験等に基づいて、上記の演算に適宜な補正のための演算が加えられてもよい。
例えば、ジャイロセンサ11によって検出される回転体5の角速度は、回転体5の中心C2回りの角速度と、回転体5の中心C1回りの角速度とを足し合わせたものである。一方、図3(a)を参照して説明した演算は、回転体5の中心C1回りの角速度を考慮していない。回転体5の半径rが支持面9aの半径Rに対してさほど小さくなく、中心C1回りの角速度を無視できない場合においては、当該角速度の影響を差し引く補正がなされてよい。
また、例えば、回転体5に作用する重力は、支持面9aに直交する方向の分力と、支持面9aの接線方向の分力とに分けられる。接線方向の分力は、回転体5を原点位置P0に復帰させる力として作用する。従って、基部3から見た回転体5のX軸方向の加速度は、重力加速度の接線方向の分力のうちX軸方向の成分と、慣性力によるX軸方向の加速度との和になる。この影響を除去する補正がなされてもよい。
また、例えば、上記の演算では、回転体5が絶対座標系に対してX軸方向において移動していないと仮定している。実際には、回転体5は、基部3からX軸方向の力を受けてX軸方向において移動する。この影響を除去する補正がなされてもよい。
以上のとおり、振動計1は、基部3、回転体5および保持機構7を有している。基部3は、直交座標系XYZの(少なくとも)X軸方向に振動する不図示の計測対象物に取り付けられる。回転体5は、Y軸回りの角速度を検出可能なジャイロセンサ11を含んでいる。保持機構7は、回転体5のY軸回りの回転を伴って回転体5の重心(C2)がXZ平面内で基部3に対する相対移動するように回転体5を保持している。また、保持機構7は、回転体5の重心が、原点位置P0からX軸方向両側それぞれに位置するほどZ軸方向正側へ位置し、Z軸方向負側への引力を復元力としてX軸方向両側それぞれから原点位置P0に復帰するように回転体5を保持している。
従って、計測対象物の並進運動がジャイロセンサ11の回転運動に変換されることになり、ジャイロセンサ11によって計測対象物の振動を検出することができる。その結果、例えば、加速度センサによって振動を検出する場合に比較して、SN比を向上させ、微小振動を検出することができる。また、例えば、回転体5を原点位置P0に復帰させることにより、振動開始の振動計1の状態を一定にすることができ、ひいては、検出精度を向上させたり、常にX軸方向両側の変位を検出可能にしたりすることができる。また、例えば、復元力を引力によって得ることから、ばね等の復元力を生じるための弾性部材は不要であり、弾性部材の経年変化によって検出精度が低下するおそれが低減される。
また、本実施形態では、保持機構7は、基部3に固定的な、Z軸方向正側に面する、Y軸方向に見て凹状の支持面9aを有している。回転体5は、Y軸方向に見て支持面9a上を転がることが可能な外周面を有している。
従って、回転体5が慣性力によって支持面9a上を転がることにより、基部3のX軸方向の移動が回転体5の回転に変換される。この構成では、例えば、例えば、回転体5の半径r等を調整することによって、ジャイロセンサ11の回転量と、基部3に対するジャイロセンサ11のX軸方向における移動量との比を調整して、X軸方向の振動に係る検出精度を調整することができる。また、例えば、支持面9aを凹状にするだけで、回転体5を原点位置P0に復帰させることができる。別の観点では、例えば、回転体5が支持面9aの外側へ移動するおそれを低減できる。また、例えば、回転体5の質量および支持面9aの曲率等を適宜に調整することによって回転体5が支持面9a上を往復する固有振動数を調整し、所望の周波数帯について感度を向上させることができる。
また、本実施形態では、支持面9aは、Y軸方向に見てX軸方向の両側ほどX軸に対する傾斜が大きくなるように湾曲している。
従って、例えば、原点位置P0付近においては、支持面9aの傾斜角が小さいことから、検出精度を高くしやすい。別の観点では、支持面9aとX軸とが平行であると仮定する演算が可能になり、演算を簡素化できる。その一方で、X軸方向の両側においては、回転体5が支持面9aの外側へ移動するおそれをより確実に低減できる。また、X軸方向両側に行くほど傾斜が大きくなるから、回転体5のX軸方向両側への速度および/または加速度を徐々に減じることができ、回転体5が支持面9aの外側の部位(不図示)に衝突するおそれを低減できる。
また、本実施形態では、支持面9aは、Y軸方向に見て円弧である。
従って、角度θを算出する演算の説明からも理解されるように、三角関数等の円弧に係る数式を利用することができ、ジャイロセンサ11の角速度からX軸方向における振動に係る物理量を算出する演算を簡単化することができる。
また、本実施形態では、回転体5の外周面および支持面9aは、最大摩擦力以上の力で互いに摺動可能である。
従って、例えば、基部3に大きな加速度が加えられた場合においては、回転体5は、支持面9a上を摺動する。このとき回転体5の外周面は、支持面9aから運動摩擦力を受け、これにより回転体5は回転する。一般に、運動摩擦係数は静止摩擦係数に比較して小さいから、回転体5の角速度は、比較的小さくなり、および/または摺動前に比較して不連続に低下する。従って、例えば、摩擦係数を適宜に設定したり、および/または適宜なフィルタリングの演算を行うことによって、所定の周波数範囲の振動のみを検出することができる。
<第2実施形態>
(振動計の全体構成)
図4(a)は、本開示の第2実施形態に係る振動計201の要部構成を示す模式的な断面図である。
振動計201は、第1実施形態と同様に、基部3のX軸方向における並進運動をジャイロセンサ11(回転体205)のY軸回りの回転運動に変換することによって、不図示の計測対象物のX軸方向における振動を検出する。ただし、振動計201は、並進運動を回転運動に変換するための具体的な構成が第1実施形態と異なっている。具体的には、以下のとおりである。
振動計201は、不図示の計測対象物に固定される基部3と、ジャイロセンサ11を含む回転体205と、回転体205を保持する保持機構207とを含んでいる。保持機構207は、Y軸に平行な回転軸A1回りに振れる振り子を回転体205と構成する部材を含んでいる。なお、ここでいう回転軸A1は、回転中心を示す概念的な軸であり、軸状部材のことではない。
基部3がX軸方向に振動するとき、基部3から見ると、回転体205は、X軸方向における慣性力を受ける。その結果、二点鎖線で示すように、回転体205を錘とする振り子は、基部3に対して回転軸A1回りに振動する。すなわち、回転体205は、回転体205のY軸回りの回転を伴って、基部3に対してXZ平面において相対移動する。従って、回転体205のY軸回りの角速度を計測することによって、基部3(計測対象物)のX軸方向における振動を検出することができる。
(基部およびジャイロセンサ)
基部3およびジャイロセンサ11については、第1実施形態の説明において述べたとおりである。
(回転体)
回転体205は、振り子の錘として機能すればよい。従って、その形状および材料は種々のものとされてよい。図4(a)では円形の回転体205が例示されているが、円形である必要はない。回転体205の質量は、振り子の固有周期を任意のものにするように設定されてよい。固有周期は、適宜に設定されてよいが、例えば、検出したい振動の周波数帯に含まれるように(例えば前記周波数帯の中央に位置するように)設定される。回転体205の寸法は、例えば、上記の質量の設定に基づいて設定されてよい。
また、回転体205は、回転体5と同様に、例えば、チップ化された(パッケージングされた)ジャイロセンサと、ジャイロセンサが実装される回路基板と、当該回路基板(およびジャイロセンサ)が内部に固定された外郭部材とを含んで構成されていてもよいし、ジャイロセンサのパッケージが回転体205の外面を構成するように構成されていてもよい。前記外郭部材も広い意味ではジャイロセンサのパッケージであり、回転体205はジャイロセンサそのものであると捉えられてもよい。
(保持機構)
保持機構207は、例えば、支持部209と、支持部209に吊り下げられ、その下端に回転体205が連結されている長尺部材210とを有している。なお、支持部209は、基部または基部の一部とみなされても構わない。
支持部209は、基部3から見て長尺部材210を吊り下げることができる構成である限り、その形状、寸法および材料は適宜に設定されてよい。図示の例では、第1実施形態で説明した基板状の部材からなる基部3に被せられる箱状の部材によって支持部209が構成されている。この他、支持部209は、例えば、フレーム状であってもよい。また、基部3を構成する基板状の部材に長尺部材210が吊り下げられ、当該基板状の部材が支持部として機能しても構わない。
長尺部材210は、回転軸A1から回転体205までの長さが横断面(長手方向に直交する断面)における最大径に比較して十分に長い形状であり、例えば、前者は、後者に対して2倍以上、5倍以上または10倍以上である。長尺部材210が細くなるほど、および/または軽くなるほど、長尺部材210および回転体205全体の重心を回転軸A1から離すことができ、実際の回転体205の回転半径に重心の回転半径を近づけることができる。その結果、例えば、固有振動数を低く設定したいときも小型化することができる。
(長尺部材の第1の例)
図4(b)は、長尺部材210の一例としての長尺部材251を示す模式図である。
長尺部材251は、剛体として扱える材料および寸法によって構成されている。例えば、長尺部材251は、金属、比較的硬質の樹脂または木材によって構成されており、また、その横断面(長手方向に直交する断面)は、直交する2軸方向それぞれにある程度の長さを有している。
別の観点では、長尺部材251の最大の撓み変形量、または振動計201において加速度の検出範囲の最大値として想定されている加速度が振動計201に加えられたときの長尺部材251の撓み変形量(以下、想定されている変形量)は、絶対的に、または振動計201において想定されている回転体205の最大の回転角度(最下点にあるときからの変化量。以下、同じ。)に比較して、十分に小さい。例えば、最大の撓み変形量によって回転体205に生じる回転角度は、45°以下、30°以下もしくは10°以下、または想定されている最大の回転角度の1/2以下、1/3以下もしくは1/10以下である。また、例えば、想定されている変形量によって回転体205に生じる回転角度は、例えば、10°以下もしくは1°以下、または想定されている最大の回転角度の1/10以下もしくは1/100以下である。
長尺部材251の上端は、回転軸A1の位置において支持部209によって回転可能に支持されている。これにより、長尺部材251および回転体205からなる振り子は、回転軸A1回りに揺動可能となっている。この軸支の方法は適宜なものとされてよい。例えば、図示の例のように、支持部209に設けられた軸部209aが長尺部材251の上端に設けられた孔に挿通されてもよいし、図示の例とは逆に、長尺部材251の上端に設けられた軸部が支持部209に設けられた孔に挿通されてもよいし、ボールジョイントのような構成が採用されてもよい。
軸支部分は、XZ平面内等において遊びが無くてもよいし、遊びがあってもよく(図示の例)、遊びがある場合にその大きさは適宜に設定されてよい。X軸方向における遊びは、例えば、振動計201において要求されているX軸方向の変位の検出精度よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。遊びが存在すると、例えば、高い周波数の振動は、遊びによって吸収されて振り子を振れさせる作用を生じない。その結果、例えば、必要な周波数の振動のみを検出することができる。
なお、長尺部材251は、回転軸A1回りに回転体205と一体的に回転するから、回転体の一部として捉えられてよい。別の観点では、保持機構の、回転体とともに振り子を構成する部材は、必ずしも回転体との区別が明確でなくてもよい。
(長尺部材の第2の例)
図4(c)は、長尺部材210の他の例としての長尺部材253を示す模式図である。
長尺部材253は、可撓性の材料によって構成されている。図4(c)では、長尺部材210が可撓性であることを示すために、回転体205が持ち上げられて長尺部材253が撓んでいる状態を二点鎖線で示している。なお、可撓性は、長手方向に直交する少なくとも1方向(長尺部材253がZ軸に平行な状態を基準として少なくともX軸方向)にあればよい。長尺部材253は、例えば、比較的軟質な樹脂または繊維からなる線状の部材である。また、例えば、長尺部材253は、Z軸に平行な状態で厚さ方向がX軸方向とされる薄型の形状であってもよい。
別の観点では、長尺部材253は、例えば、破損、永久変形または塑性変形を伴わずに、大きな角度で、かつ小さい曲率で曲げることが可能である。例えば、長尺部材253は、その全長の1/5以下、1/10以下または1/20以下の長さにおいて、Z軸に平行な状態を基準としてX軸方向の両側に90°曲げることができる。
長尺部材253の上端は、回転軸A1付近において、支持部209(軸部209a)に支持されている。この支持は、例えば、長尺部材253が支持部209に固定される(回転不可能に支持される)ことによってなされてよい。この場合、長尺部材253および回転体205からなる振り子は、長尺部材253の上端における変形によって当該変形部分回りに回転(振動)する。ただし、支持部209による長尺部材253の支持は、図4(b)の長尺部材251と同様に、回転可能に支持されるものであってもよい。
なお、可撓性の長尺部材253の変形によって回転体205の回転が実現される場合、その回転軸は、厳密には、長尺部材253の上端の変形部分付近となるが、便宜上、図4(c)のように、回転軸A1または長尺部材253を支持している部分(軸部209a)に位置するものとして表現することがある。
(演算の例)
図4(a)に示すように、回転軸A1から回転体205の重心までの距離をr2とする。この場合、図3(a)からも理解されるように、回転体205の接線方向の速度vは、ジャイロセンサ11によって検出される角速度ωを用いてv=r2×ωにより計算できる。
また、回転体205の原点位置P0からの角度θ2は、角速度ωの積分によって得られる。そして、図3(b)からも理解されるように、速度vのうちX軸に平行な成分(速度v)は、例えば、v=v×cosθによって算出できる。ただし、第1実施形態とは異なり、ωおよびθの正負の符号は同一である。
第1実施形態と同様に、回転体205が絶対座標系に対してX軸方向において移動していないと仮定すれば、速度vは、基部3のX軸方向における絶対座標系に対する速度である。このようにして、計測対象物のX軸方向の振動に係る物理量である速度vが算出される。
計測対象物のX軸方向における変位sまたは加速度aは、例えば、第1実施形態と同様に速度vの積分または微分によって算出されてよい。また、第1実施形態と同様に、重力の影響を除去する補正、および/または回転体205の絶対座標系に対するX軸方向の移動の影響を除去する補正等の適宜な補正が行われてよい。
以上のとおり、本実施形態においても、振動計201は、基部3と、ジャイロセンサ11を含む回転体205と、回転体205がY軸回りの回転を伴ってXZ平面内で基部3に対して相対移動するように回転体205を保持している保持機構207とを有している。保持機構207は、回転体205が、所定の原点位置P0からX軸方向両側それぞれに位置するほどZ軸方向正側へ位置し、Z軸方向負側への引力を復元力としてX軸方向両側それぞれから原点位置P0に復帰するように回転体205を保持している。
従って、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、計測対象物の並進運動がジャイロセンサ11の回転運動に変換されることになり、ジャイロセンサ11によって計測対象物の振動を検出することができる。その結果、例えば、加速度センサによって振動を検出する場合に比較して、SN比を向上させ、微小振動を検出することができる。
また、本実施形態では、保持機構207は、Y軸方向に見て基部3に固定的な所定の支持位置(軸部209a)回りに回転体205が振れるように支持位置から回転体205を垂下させている。換言すれば、振り子が構成されている。
従って、回転体205が慣性力によって揺動することにより、基部3のX軸方向の移動が回転体205の回転に変換される。この構成では、例えば、回転軸A1から回転体205の重心までの長さ(半径r2)を調整することによって、ジャイロセンサ11の回転量と、基部3に対するジャイロセンサ11のX軸方向における移動量との比を調整して、X軸方向の振動に係る検出精度を調整することができる。また、長尺部材210によって、回転体205が基部3に対してX軸方向において際限なく相対移動するおそれも低減される。また、例えば、回転体205の質量および長尺部材210の長さ等を適宜に調整することによって振り子の固有振動数を調整し、所望の周波数帯について感度を向上させることができる。
また、本実施形態では、保持機構207は、一端が支持位置(軸部209a)にて支持位置回りに回転可能に基部3に支持され、他端に回転体205(ジャイロセンサ11)が連結されている長尺部材251を有していてもよい。
この場合、例えば、長尺部材251を剛体によって構成して、回転体205の移動を概ね円周上に規制することができる。その結果、例えば、可撓性の長尺部材253を用いる場合に比較して、回転体205に予期しない動きが生じるおそれが低減される。これにより、例えば、計算を簡素化したり、回転体205の周囲(例えば天井)への衝突が抑制されたりする。
また、本実施形態では、保持機構207は、一端が支持位置(軸部209a)にて基部3に支持され、一端とは反対側に位置する他端に回転体205(ジャイロセンサ11)が連結されている可撓性の長尺部材253を有していてもよい。
この場合、例えば、高い周波数の振動が生じた場合、長尺部材253の変形によって回転体205の回転が抑制される。その結果、例えば、必要な周波数の振動のみを検出することができる。
(変形例)
以下、種々の変形例について説明する。
図5(a)に示すように、第1実施形態に関して、回転体5は、支持面301aからの離反を規制するための構成を有していてもよい。図示の例では、規制部材303は、支持面301aと概ね平行な規制面303aを有している。回転体5の上方への移動は、規制面303aに対する当接によって規制される。
なお、規制面303aは、例えば、摩擦係数が小さい材料で構成されたり、または不図示の複数のローラーが設けられたりすることにより、回転体5の支持面301aを転がる回転を阻害しないようにされている。および/または、規制面303aと支持面301aとの距離を回転体5の直径よりも大きくし、回転体5の支持面301aを転がる回転を阻害しないようにしてもよい。また、特に図示しないが、回転体5に小径の軸部を紙面貫通方向に突出させ、当該軸部を支持面301aに沿って案内したりしてもよい。
図5(a)に示すように、支持面301aは、直線部分を含んでいてもよい。別の観点では、支持面301aは、X軸方向両側ほど傾斜が大きくなる形状でなくてもよい。この場合、例えば、実施形態とは異なり、中心C1回りの角速度(角度θ(図3(b))の微分値)がジャイロセンサ11の角速度に及ぼす影響を考慮する必要性が減じられる。なお、実施形態は、このような変形例に比較して、例えば、既に述べたように、X軸方向両側において回転体5の移動を規制する効果を奏する。
図5(b)に示すように、X軸方向両側ほど傾斜が大きくなるように湾曲している支持面305aは、円弧でなくてもよい。図示の例では、支持面305aは、X軸方向両側ほど曲率が大きくなっている。この場合、原点位置P0付近の精度を向上させつつ、X軸方向の両側において回転体5の移動を規制することができる。なお、実施形態は、このような変形例に比較して、例えば、既に述べたように、曲率が一定であるので種々の演算が容易である。
図5(c)に示すように、第2実施形態に関して、ジャイロセンサ11は、振り子の錘の位置(回転軸A1よりも下方)に位置していなくてもよい。図示の例では、回転体307は、ジャイロセンサ11の他、錘309および長尺部材311を有している。長尺部材311は、例えば、剛体からなり、上端が軸部209aに回転可能に支持され、下端に錘309が連結されている。そして、ジャイロセンサ11は、長尺部材311の上端に固定されている。このような構成においても、第2実施形態と同様に、計測対象物のX軸方向における並進運動をジャイロセンサ11の回転運動に変換することができる。この他、特に図示しないが、ジャイロセンサ11は、回転軸A1よりも上方に位置していてもよいし、回転軸A1と回転体の重心とを結ぶ線上に位置していなくてもよい。
また、特に図示しないが、支持位置(軸部209a)と回転体とを連結する部分(実施形態では長尺部材210)を幅広にしたり、円形または多角形の回転体が直接に支持位置(軸部209a)に支持されているように見える構成にしたりして、一般的にいう振り子とは類似しない形状の振り子が構成されてもよい。この場合であっても、回転する部分(振り子)の重心が支持位置(軸部209a)よりも下方に位置するように支持されていれば(回転する部分が垂下されていれば)、振り子としてモデル化することができる。
図5(d)に示すように、引力は重力でなくてもよい。例えば、引力は、磁力であってもよい。図示の例では、回転体313に対してZ軸方向負側に磁石315を配置し、回転体313(錘)を金属によって構成している。磁石315は、永久磁石でもよいし、電磁石でもよい。このような構成によれば、例えば、重力が存在しない場所においても計測対象の振動を検出することができる。換言すれば、Z軸方向は鉛直方向でなくてもよい。
本発明は、以上の実施形態または変形例に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
第2実施形態では、長尺部材が剛体からなる場合および長尺部材が可撓性を有する場合について説明したが、長尺部材は、両者の間の部材であってもよい。例えば、長尺部材は、弾性を有していてもよい。この長尺部材は、例えば、図4(b)の例と同様に、回転軸回りに回転可能に支持される。
なお、本開示において、Z軸方向負側への引力を復元力として回転体が原点位置に復帰するという場合、引力が原点位置への復帰に支配的であるものとする。換言すれば、必ずしも復元力の全てが引力である必要はない。例えば、引力は、復元力の50%以上または90%以上を担っていればよい。
1…振動計、3…基部、5…回転体、7…保持機構、11…ジャイロセンサ。

Claims (9)

  1. 直交座標系XYZのX軸方向に振動する計測対象物に取り付けられる基部と、
    Y軸回りの角速度を検出可能なジャイロセンサを含む回転体と、
    前記回転体のY軸回りの回転を伴って前記回転体の重心がXZ平面内で前記基部に対して相対移動するように前記回転体を保持している保持機構と、
    を有しており、
    前記保持機構は、前記回転体の重心が、所定の原点位置からX軸方向両側それぞれに位置するほどZ軸方向正側へ位置し、Z軸方向負側への引力を復元力としてX軸方向両側それぞれから前記原点位置に復帰するように前記回転体を保持している
    振動計。
  2. 前記保持機構は、前記基部に固定的な、前記Z軸方向正側に面する、Y軸方向に見て凹状の支持面を有しており、
    前記回転体は、Y軸方向に見て前記支持面上を転がることが可能な外周面を有している
    請求項1に記載の振動計。
  3. 前記支持面は、Y軸方向に見てX軸方向の両側ほどX軸に対する傾斜が大きくなるように湾曲している
    請求項2に記載の振動計。
  4. 前記支持面は、Y軸方向に見て円弧である
    請求項3に記載の振動計。
  5. 前記回転体の外周面および前記支持面は、最大摩擦力以上の力で互いに摺動可能である
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の振動計。
  6. 前記保持機構は、Y軸方向に見て前記基部に固定的な所定の支持位置回りに前記回転体が振れるように前記支持位置から前記回転体を垂下させている
    請求項1に記載の振動計。
  7. 前記保持機構は、一端が前記支持位置にて前記支持位置回りに回転可能に支持され、他端に前記回転体が連結されている長尺部材を有している
    請求項6に記載の振動計。
  8. 前記保持機構は、一端が前記支持位置にて支持され、他端に前記回転体が連結されている可撓性の長尺部材を有している
    請求項6に記載の振動計。
  9. 前記引力は重力である
    請求項1〜8に記載の振動計。
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