JP6789543B2 - アルミニウム材およびその製造方法 - Google Patents

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この発明は、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材およびその製造方法に関するものである。
アルミニウムの防錆処理に利用されるクロムめっき(クロメート処理)は、表面の硬質化処理技術としても良好で、密着性も良好である。クロメート処理は、6価のクロム酸によってアルミニウム材の表面を不導体化するものであるが、6価クロムが有毒であり、その処理操作を行う作業環境上で問題があるために、既に6価クロムの使用を全廃されている。現状では取り敢えず6価クロムを3価クロムに変えた処理方法で対応している表面処理メーカーも多いが、処理液の管理が複雑で、ランニングコストが高い。そして、将来的には全てのクロム処理が禁止される方向にあるため、一時凌ぎの手段でしかないと考えられる。従って、コスト的、性能的に優れたクロムフリーの防錆処理技術の開発が強く要望されている。
クロムフリーの防錆処理技術としては、例えば特許文献1に開示しているように、フッ素樹脂をコーティングすることが提案されている。特許文献1に開示の方法は、アモルファス状フッ素樹脂を主成分とした溶液に表面処理が施された金属を浸漬させる浸漬工程と、その後、アモルファス状フッ素樹脂を重合させる重合工程とを経て、表面処理が施された金属表面にコーティング膜を形成している。
特開2000−126680号公報
フッ素樹脂による表面処理は、フロン系の物質を使用することが多いため、環境には不適応である。従って、環境負荷が低い材料によって、アルマイト化されたアルミニウム材の表面を撥水処理することが求められている。
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、環境負荷を抑えた撥水処理されたアルミニウム材およびアルミニウム材の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るアルミニウム材は、
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材と、
前記基材の表面に設けられ、表面が鱗片状結晶構造に形成された陽極酸化皮膜と、
前記陽極酸化皮膜の表面に固着した多数の芳香族ポリマー粒子と、を備えていることを要旨とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るアルミニウム材の製造方法は、
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面に形成された陽極酸化皮膜の表面を、環状アミンで処理することで鱗片状結晶構造とし、
芳香族炭化水素類を添加して加熱することで、前記環状アミンと芳香族炭化水素類とを反応させて芳香族ポリマー粒子を形成し、
前記陽極酸化皮膜における鱗片状結晶構造の表面に、前記芳香族ポリマー粒子を固着させることを要旨とする。
本発明に係るアルミニウム材によれば、環境負荷を抑えた撥水処理により撥水性に優れている。
本発明に係るアルミニウム材の製造方法によれば、環境負荷を抑えて撥水処理を施すことができ、撥水性に優れたアルミニウム材を得ることができる。
本発明に係るアルミニウム材の断面の一部を示すイメージ図である。 実施例で用いた基材の表面に形成された陽極酸化皮膜を観察した電子顕微鏡写真である。 実施例においてHMTで表面処理した陽極酸化皮膜の表面を観察した電子顕微鏡写真である。 実施例2のアルミニウム材の表面を観察した電子顕微鏡写真である。 実施例7のアルミニウム材の表面を観察した電子顕微鏡写真である。 実施例2のアルミニウム材の表面に対して水を滴下した状態を観察した光学顕微鏡写真である。 実施例においてHMTで表面処理しただけの比較例2の陽極酸化皮膜の表面に対して水を滴下した状態を観察した光学顕微鏡写真である。 機能層が形成されていない比較例1の陽極酸化皮膜の表面に対して水を滴下した状態を観察した光学顕微鏡写真である。 フッ素系樹脂コーティングが施された比較例3の表面に対して水を滴下した状態を観察した光学顕微鏡写真である。 実施例1〜7の接触角と反応時間との関係を示すグラフ図である。 粒子が形成されていない参考例1のアルミニウム材の表面を観察した電子顕微鏡写真である。 粒子が形成されていない参考例1のアルミニウム材の表面に対して水を滴下した状態を観察した光学顕微鏡写真である。 被覆試験1の結果を示す写真である。 被覆試験2の結果を示す写真である。 耐酸性試験の重量変化の結果を示すグラフ図である。 耐酸性試験の外観変化の結果を示す写真である。 耐アルカリ性試験の重量変化の結果を示すグラフ図である。 耐アルカリ性試験の外観変化の結果を示す写真である。
(アルミニウム材の概要)
図1に示すように、アルミニウム材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材と、基材の表面に形成された陽極酸化皮膜と、陽極酸化皮膜の表面に形成された機能層とを備えている。アルミニウム材は、機能層によって外面が構成されており、内側から外側に向けて、基材、陽極酸化皮膜および機能層の順に配置されている。アルミニウム材は、陽極酸化皮膜の表面(外面)に形成された機能層により、撥水性や防汚性などの機能が改善されている。アルミニウム材は、機能層が1層である構成であっても、機能層が複数層重なっている構成であっても、何れであってもよい。機能層が複数層重なっている構成の場合、機能層を構成する芳香族ポリマーの種類が同じであっても、ある機能層と別の機能層とで異なっていてもよい。なお、アルミニウム材は、機能層自体および機能層の形成工程において、クロムやフロンなどの環境負荷の高い材料を用いていない。
(陽極酸化皮膜)
アルミニウムまたはアルミニウム合金を陽極酸化処理して得られる陽極酸化皮膜は、一般的にアルマイトとも呼ばれる。このような陽極酸化皮膜は、微細な孔があいた多孔質層と呼ばれる部分と、密に詰まったバリヤー層と呼ばれる2つの層から成り立っている。陽極酸化皮膜の孔のサイズ(直径)は、5nm〜100nmの範囲にあり、一般的には5nm〜20nmの範囲にあることが多い。陽極酸化皮膜は、硫酸アルマイト、シュウ酸アルマイトおよびリン酸アルマイトの何れであってもよい。図1では、機能層(芳香族ポリマー粒子)が陽極酸化皮膜における孔の開口が臨む一面に重なるように形成されたイメージで示しているが、機能層(芳香族ポリマー粒子)が陽極酸化皮膜における孔の開口が臨む一面から孔の内面にかけて重なるように形成されていてもよい。また、図1では、機能層(芳香族ポリマー粒子)によって陽極酸化皮膜における孔の開口が塞がれた(封孔された)イメージで示しているが、孔の開口を機能層(芳香族ポリマー粒子)で完全に塞いでいなくてもよい。機能層は、陽極酸化皮膜の封孔のみを目的とするものではなく、機能層の構造自体によって所要の機能を付与している。
(機能層)
機能層は、陽極酸化皮膜の表面に形成された鱗片状結晶構造と、鱗片状結晶構造に重ねて形成された芳香族ポリマー粒子とから構成されている。
(鱗片状結晶構造)
陽極酸化皮膜の表面は、後述する環状アミンの処理によって、鱗片状結晶構造になっている。陽極酸化皮膜の表面は、一方向に扁平である鱗片状結晶が、ランダムな方向に多数重なり合って、例えばスポンジの表面のような網目状に形成されている。鱗片状結晶構造における鱗片のサイズは、100nm〜500nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは200nm〜300nmの範囲である。鱗片状結晶構造の鱗片のサイズが、100nm〜500nmの範囲にあることで、鱗片状結晶構造により形成される凹凸により陽極酸化皮膜の表面の表面積を大きくすることができる。陽極酸化皮膜の表面の表面積が大きくなると、機能層を構成する芳香族ポリマー粒子を、陽極酸化皮膜の表面に多く配置することができるので好ましい。
(環状アミン)
陽極酸化皮膜の表面において鱗片状結晶構造を形成する表面処理には、環状アミンが用いられる。環状アミンとしては、例えば、ヘキサミン(Hezamine)、キヌクリジン(Quinuclidine)、DABCO(1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(1,4-diazabicyclo[2.2.2]octane)など、およびこれらの誘導体が挙げられる。この中でも、例えば以下の化学式3に示すようなヘキサメチレンテトラミン(HMT)などのヘキサミンが、得られる芳香族ポリマー粒子のサイズを、後述するトリアジナンよりも小さくできるので好ましい。
また、環状アミンとしては、例えば、ピリジン系の飽和環状アミンであるピペリジン(Pyperidine)、ピペリデイン(Piperideine)、ピペラジン(Piperazine)、トリアジナン(Triazinane)、テトラジナン(Tetrazinane)、ペンタジナン(Pentazinane)など、およびこれらの誘導体が挙げられる。前述の環状アミンの中では、トリアジナンが好ましく、トリアジナンの中でも、以下の化学式4に示すような1,3,5−トリアジナンが好ましい。1,3,5−トリアジナンとしては、例えば、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリアジナン、1,3,5−トリフェニル−1,3,5−トリアジナン、1,3,5−トリへプチル−1,3,5−トリアジナン、1,3,5−トリペンチル−1,3,5−トリアジナンなどが挙げられ、この中でも1,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジナン(TMTA)が好ましい。
機能層は、陽極酸化皮膜の表面(外側)に重ねて配置された多数の芳香族ポリマー粒子を備えている。芳香族ポリマー粒子は、鱗片状結晶構造となった陽極酸化皮膜の表面に結合すると共に、芳香族ポリマー粒子同士が互いに結合したような状態になっている。芳香族ポリマー粒子は、陽極酸化皮膜の表面の鱗片状結晶構造を形成する際に用いられた環状アミンと芳香族炭化水素類との反応により形成される。機能層は、互いに結合した多数の芳香族ポリマー粒子によって、図1の拡大部のイメージのようなフラクタル構造が形成されている。ここで、フラクタル構造とは、ある物体において、その物体をいかに微小な領域で切り取っても、それが全体の物体に「相似した」図形を有する構造のことを指し、機能層では、ある芳香族ポリマー粒子に他の芳香族ポリマー粒子が結合して連なっていることにより疑似的なフラクタル構造が形成されている。このように、機能層をなす多数の芳香族ポリマー粒子がフラクタル構造を形成していると、機能層の表面積を大きくすることができる。そして、機能層の表面積が大きいと、微細な凹凸によるロータス効果を好適に発現させることができ、機能層の撥水性や防汚性などの機能を向上することができる。ここで、フラクタル構造は、鱗片状結晶構造である陽極酸化皮膜の表面と、鱗片状結晶構造に固着した芳香族ポリマー粒子とによっても構成されている。
(芳香族ポリマー粒子のサイズ)
芳香族ポリマー粒子のサイズは、5nm〜80nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは10nm〜50nmの範囲である。芳香族ポリマー粒子のサイズが、5nm〜80nmの範囲にあることで、芳香族ポリマー粒子により形成される凹凸により機能層の表面積を大きくすることができる。そして、機能層の表面積が大きいと、微細な凹凸によるロータス効果を好適に発現させることができ、機能層の撥水性や防汚性などの機能を向上することができる。
(芳香族ポリマー粒子)
機能層を構成する芳香族ポリマーは、水酸基を有する芳香族炭化水素類と、陽極酸化皮膜の表面処理に用いた環状アミンとの反応により得られるポリマーである。芳香族ポリマーは、クレゾールなどのフェノール類に属する有機化合物を用いて合成されたものを含む広義のフェノール樹脂粒子であるといえる。芳香族ポリマー粒子としては、例えば、オキサジン樹脂、レゾール樹脂、レソルシノール樹脂、ノボラックなど、およびこれらの誘導体からなる粒子を用いることができる。この中でも、以下の化学式1に示すようなベンゾオキサジン樹脂、または化学式2に示すようなナフトオキサジン樹脂からなる粒子であることが好ましい。
上記化学式1および化学式2において、Rは、水素または炭化水素を指す。また、上記化学式1および化学式2において、nは括弧内の繰り返しを示す。
(芳香族炭化水素類)
水酸基を有する芳香族炭化水素類としては、クレゾール、フェノール、アルキルフェノール、ジヒドロナフタレン、ジヒドロアントラセン、ビスフェノールAなどが挙げられる。この中でも、1,5−ジヒドロナフタレンや2,6−ジヒドロナフタレンなどのジヒドロナフタレン(DHN)が好ましく、更に好ましくは、以下の化学式5に示すような1,5−ジヒドロナフタレン(DHN)である。
(鱗片状結晶構造と芳香族ポリマー粒子との関係)
芳香族ポリマー粒子のサイズを、陽極酸化皮膜の表面に形成された鱗片状結晶構造の鱗片のサイズよりも小さくすることが好ましい。このようにすることで、陽極酸化皮膜の表面において鱗片状結晶構造により形成される微細な凹凸に、機能層を構成する芳香族ポリマー粒子を入り込ませることができる。これにより、陽極酸化皮膜の表面に、鱗片状結晶構造と芳香族ポリマー粒子とにより、適度な空気層(空間)を有するフラクタル構造を形成することができる。また、機能層の表面積を大きくすることができるので、芳香族ポリマー粒子で構成される微細な凹凸によるロータス効果を好適に発現させることができ、機能層の撥水性や防汚性などの機能を向上することができる。
より具体的には、芳香族ポリマー粒子のサイズを、陽極酸化皮膜の表面に形成された鱗片状結晶構造の鱗片のサイズに対して、1/4〜1/10の範囲に設定することが好ましい。
芳香族ポリマー粒子のサイズ/鱗片のサイズ=1/4〜1/10
芳香族ポリマー粒子のサイズと鱗片のサイズとが、前述した範囲にあると、陽極酸化皮膜の表面に、鱗片状結晶構造と芳香族ポリマー粒子とにより、適度な空気層(空間)を有するフラクタル構造を形成することができ、アルミニウム材における撥水性や防汚性などの機能を向上することができる。
次に、アルミニウム材の製造方法について説明する。
(陽極酸化皮膜の表面処理工程)
陽極酸化処理によって陽極酸化皮膜を表面に予め形成したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材を、水に前述した環状アミンを添加した処理液中に入れる。処理液を加熱することで所定温度にして、処理液を撹拌しつつ所定時間保持することで、環状アミンによって陽極酸化皮膜を表面処理する。これにより、鱗片状結晶構造が、陽極酸化皮膜の表面に形成される。
陽極酸化皮膜の表面処理工程において、陽極酸化皮膜に対する環状アミンの処理時間が、15分以上であることが好ましく、より好ましくは15分〜60分の範囲である。陽極酸化皮膜に対する環状アミンの処理時間が、15分以上であると、陽極酸化皮膜の表面に形成される鱗片状結晶を適当なサイズにすることができる。陽極酸化皮膜の表面処理工程では、陽極酸化皮膜に対する環状アミンの処理温度が、20℃〜100℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは40℃〜82℃の範囲である。
(機能層(芳香族ポリマー粒子)の形成工程)
次に、芳香族炭化水素類を水溶液に加えた添加液を調製する。芳香族炭化水素類を加える水溶液は、エタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール、アセトンなどのケトン類、テトラヒドロフランやジオキサンなどの環状エーテル、ジメチルアセトアミドやジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシドなどの水に混和できるものを、一種または複数種混和したものである。添加液を、前記処理液に添加し、処理液を加熱することで所定温度にして、処理液を撹拌しつつ所定時間保持する。これにより、環状アミンと芳香族炭化水素類とを反応させ、環状アミンの開環と同時に重縮合することで、芳香族ポリマー粒子を形成する。そして、得られた芳香族ポリマー粒子が陽極酸化皮膜の表面に形成された鱗片状結晶構造に固着し、鱗片状結晶構造に重ねて芳香族ポリマー粒子が形成される。得られたアルミニウム材は、陽極酸化皮膜の表面において鱗片状結晶構造となった表面に、多数の芳香族ポリマー粒子が配置されている。
環状アミンと芳香族炭化水素類とを反応させる反応時間は、60分〜720分の範囲であることが好ましく、より好ましくは60分〜600分の範囲であり、更に好ましくは120分〜360分の範囲である。環状アミンと芳香族炭化水素類とを反応させる反応時間が60分〜720分の範囲であると、得られる芳香族ポリマー粒子のサイズを、撥水性に適した適度なサイズに揃え易くなる。また、環状アミンと芳香族炭化水素類とを反応させる反応温度は、20℃〜100℃の範囲が好ましく、より好ましくは、40℃〜82℃の範囲である。環状アミンと芳香族炭化水素類とを反応させる反応温度が20℃〜100℃の範囲であると、得られる芳香族ポリマー粒子のサイズを、撥水性に適した適度なサイズに揃え易くなる。
(後処理)
機能層が形成されたアルミニウム材には、メタノールやエタノールなどのアルコールと水で洗浄する洗浄工程や、減圧乾燥する乾燥工程などの後処理が、必要に応じて行われる。
陽極酸化皮膜の表面処理工程の条件(環状アミンの添加量、処理温度、処理時間など)を変えることで、得られる鱗片状結晶構造のサイズなどを適宜制御することができる。機能層の形成工程を複数回繰り返すことで、機能層を複数重ねて形成してもよい。機能層の形成工程の条件(芳香族炭化水素類の添加量、反応温度、反応時間など)を変えることで、芳香族ポリマー粒子のサイズなどを適宜制御することができる。例えば、機能層毎に、芳香族ポリマーのサイズなどを変更可能である。
機能層の形成工程を複数回繰り返すことで、機能層を複数重ねて形成する場合、機能層に応じて、芳香族ポリマー粒子の種類を変更可能である。例えば、ある機能層をジヒドロナフタレンに由来する芳香族ポリマーで形成し、別の機能層を、ジヒドロアントラセンに由来する芳香族ポリマーで形成するなど、異種材料を組み合わせることが可能である。
陽極酸化皮膜の何も処理されていない表面は、化学的に活性なので空気中の酸素や他の化学物質と反応し易く、また、多数の微細な孔によって表面積が大きくなっているので物理吸着性も大きく、そのため耐食性が悪く、そのままでは腐食や変色等の問題が生じる。前述した機能層を陽極酸化皮膜の表面に形成したアルミニウム材は、機能層を芳香族ポリマー粒子で構成することで、芳香族ポリマー粒子による微細な凹凸によるロータス効果によって撥水性および防汚性に優れている。そして、アルミニウム材は、機能層の高い撥水性や防汚性によって、陽極酸化皮膜が腐食や変色することを防止することができる。従って、アルミニウム材は、錆び難く、耐久性に優れている。
アルミニウム材は、芳香族ポリマー粒子が固着する土台となる陽極酸化皮膜の表面が鱗片状結晶構造になっているので、鱗片状結晶構造による凹凸により陽極酸化皮膜の表面積を大きくすることができる。そして、陽極酸化皮膜の表面積が大きくなると、機能層を構成する芳香族ポリマー粒子を、陽極酸化皮膜の表面に多く配置することができる。従って、アルミニウム材は、機能層の高い撥水性や防汚性によって、陽極酸化皮膜が腐食や変色することを防止することができる。従って、アルミニウム材は、錆び難く、耐久性に優れている。
機能層は、芳香族ポリマー粒子を陽極酸化皮膜の表面に配置するのではなく、陽極酸化皮膜の表面に吸着した環状アミンを介して芳香族ポリマー粒子を配置している。ここで、陽極酸化皮膜の表面に吸着した環状アミンと芳香族炭化水素類とを反応させて、芳香族ポリマー粒子を形成しているので、環状アミンがアンカーのように機能して芳香族ポリマー粒子が陽極酸化皮膜に固着することになる。従って、芳香族ポリマー粒子が強固に固着することになるので、機能層の耐久性、耐酸性および耐アルカリ性が高く、長い期間に亘って撥水性を発現させることができる。
前述したようにアルミニウム材は、撥水性を発現する機能層を形成しても、機能層の形成過程でフロン等の環境負荷の高い物質を使用したり、排出したりすることはなく、また、機能層を構成する材料としても、クロム等の環境負荷の高い物質を用いていない。このように、アルミニウム材は、環境負荷が好適に低減されている。
前述した機能層が形成されたアルミニウム材は、半導体製造装置などの半導体分野、自動車分野、工作機械分野、液晶分野、環境製品分野、医療機器分野、電子分野、太陽光発電装置分野、その他生活品などに好適に用いることができる。
次に、本発明に係るアルミニウム材およびアルミニウム材の製造方法につき、実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
実施例のアルミニウム材は、陽極酸化処理により陽極酸化皮膜(硫酸アルマイト)が形成されたアルミニウム製の基材((株)熊防メタル製)と、陽極酸化皮膜の表面に形成された機能層とを備えている。実施例では、環状アミンとしてのHMT(ヘキサメチレンテトラミン)によって表面処理された陽極酸化皮膜と、HMTとDHN(1,5−ジヒドロナフタレン)との反応により形成されたナフトオキサジン樹脂粒子(芳香族ポリマー)からなる機能層とを備えている。図2に示すように、実施例の基材は、陽極酸化皮膜が形成された表面に、直径5nm〜10nm程度の微細な孔が多数あいている。
(実施例1〜7)
前述した陽極酸化皮膜を有する基材を、100mlの水の中に静置し、この水に2mMのHMTを添加し、処理液を調製する。処理液を加熱して還流しつつ82℃に保持し、回転数50rpmで60分間撹拌しつつ、HMTによって陽極酸化皮膜を表面処理する。次に、100mlのエタノール水溶液(水:エタノール=95:5 vol%)に2mMのDHNを添加した添加液を、前記処理液に添加する。そして、処理液を加熱して表1に示す反応温度に保持し、回転数50rpmで表1に示す反応時間に亘って撹拌しつつ、HMTとDHNとを反応させることで、陽極酸化皮膜の表面にナフトオキサジン樹脂粒子を形成する。機能層を形成した実施例のアルミニウム材を、水、エタノールおよびメタノールで洗浄した後、減圧乾燥する。なお、本開示では、「分」を「min」と表し、「時間」を「h」と表す場合がある。実施例1〜7は、反応温度を82℃に設定し、反応時間を120分〜1440分の間で変化させている。なお、実施例1〜7は、還流しながら加熱している。
(接触角)
機能層を形成した実施例のアルミニウム材について、接触角計(Drop Master,DMe−211FE,協和界面科学(株)製)を用いて、機能層に対する水の接触角(Contact angle:C.A.と表記する場合もある。)を調べた。接触角θは、アルミニウム材の機能層の上に水を滴下し、撮像した水滴の半径rと高さhを求め、以下の数式1に代入して算出するθ/2法に基づいている。
接触角θ=2arctan(h/r) …数式1
比較例1として、実施例で使用した陽極酸化皮膜を有する基材についても、環状アミンによる表面処理を行わず、機能層を形成していない状態で、陽極酸化皮膜に対する接触角を調べた。比較例2として、実施例で使用した陽極酸化皮膜を有する基材について環状アミンによる表面処理を行ったものの機能層を形成していない状態(鱗片状結晶構造)で、鱗片状結晶構造に対する接触角を調べた。比較例3は、実施例で使用したアルミニウム製の基材の表面に、下地として無電解ニッケルめっきを施した後に黒クロムめっきを施し、更にフッ素系樹脂を約300℃で焼き付け塗装するフッ素系樹脂コーティングを備えたもの((株)熊防メタル製、KBM−CF処理品)である。ここで、比較例1よりも接触角が大きい場合を「〇」と評価し、接触角が90°以上である場合を特に「◎」と評価する。また、接触角が比較例1以下である場合を「×」とする。その結果を、表1に示す。
(陽極酸化皮膜の表面処理)
図3は、HMTによって処理した陽極酸化皮膜の表面を観察した電子顕微鏡写真である。図3に示すように、HMTで処理した陽極酸化皮膜の表面は、扁平な鱗片がランダムに配置された鱗片状結晶構造になっていることが判る。図3に示すように、HMTによる処理時間が長くなるにつれて、鱗片状結晶構造の結晶が成長し、鱗片のサイズが大きい鱗片状結晶構造になることが判る。なお、本開示では、電子顕微鏡として、電解放射型走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、型番SU8000)を用いている。
(機能層)
図4は、ナフトオキサジン樹脂粒子が形成された実施例2のアルミニウム材の表面を観察した電子顕微鏡写真である。図5は、ナフトオキサジン樹脂粒子が形成された実施例7のアルミニウム材の表面を観察した電子顕微鏡写真である。図4および図5に示すように、実施例のアルミニウム材における鱗片状結晶構造の陽極酸化皮膜の表面に、微細なナフトオキサジン樹脂粒子が多数形成されていることが判る。また、実施例のアルミニウム材の表面において、陽極酸化皮膜の鱗片状結晶構造と微細なナフトオキサジン樹脂粒子とがヘテロネットワーク化し、人為的なフラクタル構造が構成されていることが確認できる。図4および図5のナフトオキサジン樹脂粒子と図3の60minの写真に示す鱗片状構造の対比により、ナフトオキサジン樹脂粒子が、鱗片状結晶構造の鱗片のサイズよりも小さいことが判る。
図4および図5に示すように、反応時間が長い実施例7よりも反応時間が短い実施例2のほうが、得られるナフトオキサジン樹脂粒子のサイズが小さいことが判る。すなわち、HMTとDHNとを反応させる反応時間を比較的短くすることで、得られるナフトオキサジン樹脂粒子のサイズを微細にすることができる。また、HMTとDHNとを反応させる反応温度を比較的低くすることで、得られるナフトオキサジン樹脂粒子のサイズを微細にすることができる。HMTとDHNとを反応させる反応時間が長くなると、得られるナフトオキサジン樹脂粒子のサイズが大きくなる傾向を示す。また、HMTとDHNとを反応させる反応温度が高くなると、得られるナフトオキサジン樹脂粒子のサイズが大きくなる傾向を示す。
(撥水性)
図6は、実施例2のアルミニウム材の表面に水を滴下したものであり、接触角が118.4°と非常に大きいことが判る。これに対して、図7に示すように、HMTによる表面処理を行っただけの比較例2であると、接触角が5.1°であり、図8に示すように、何も処理していない比較例1であると、接触角が25.3°である。そして、表1に示すように、機能層を有する実施例1〜7のアルミニウム材は、何も処理していない比較例1と比べて、接触角が大きくなっている。このことから、実施例1〜7の撥水性が、比較例1と比べて向上していることが判る。また、図10に示すように、反応時間が60分(1h)〜600分(10h)の範囲であると、接触角が90°以上であり、好適な撥水性を示すことが判る。実施例2のアルミニウム材は、図9に示すフッ素コーティングが施された比較例3よりも大きい接触角を示し、フッ素系樹脂コーティング以上の優れた撥水性を有していることが判る。
(参考例1)
前述した陽極酸化皮膜を有する基材を、100mlのエタノール水溶液の中に静置し、この水溶液に2mMのHMTを添加する。この処理液を加熱して還流しつつ82℃に保持し、回転数50rpmで60分間撹拌しつつ、陽極酸化皮膜の表面をHMTで処理する。次に、100mlのエタノール水溶液に2mMのDHNを添加した添加液を、前記処理液に添加する。そして、処理液を加熱して還流しつつ82℃に保持し、回転数50rpmで240分に亘って撹拌しつつ、HMTとDHNとを反応させることで、陽極酸化皮膜の表面にナフトオキサジン樹脂を形成する。そして、得られた参考例1のアルミニウム材を、水、エタノールおよびメタノールで洗浄した後、減圧乾燥する。
図11に示すように、参考例1は、エタノールの処理液でHMTとDHNとを反応させると、ナフトオキサジン樹脂が粒子状にならない。そして、図12に示すように、参考例1の接触角が83°であり、ナフトオキサジン樹脂が粒子状に形成された実施例2よりも接触角が小さくなってしまうことが判る。このように、実施例のようにナフトオキサジン樹脂が粒子状であることで、撥水性が著しく向上することが確認できる。
図9に示すようにフッ素コーティングが施された比較例3は、接触角が理論値よりも小さいが、実施例2のアルミニウム材は、図6に示すように、理論値よりも大きな接触角を示している。理論上、材料固有の表面自由エネルギーだけでは、115°以上の接触角を得ることができないが、実施例2は、115°を越えて118.4°の大きな接触角が得られている。これは、陽極酸化皮膜の表面に形成された鱗片状結晶構造と、鱗片状結晶構造上に形成された芳香族ポリマー粒子とによって構成される微細な表面構造により、超撥水性を達成していると考えられる。
(被覆試験)
芳香族ポリマー粒子を、実施例のように環状アミンを介在させることなく、陽極酸化皮膜に直接付与した場合について被覆試験を行った。
・被覆試験1:実施例2と同じ分量および条件で芳香族ポリマー粒子を形成する。得られた芳香族ポリマー粒子を、実施例2と同じ組成および同量の溶媒中に再分散した溶液を作製し、この溶液を、実施例と同じ基材の陽極酸化皮膜の表面に十分な量滴下した後に、12時間静置した。次に溶液を乾燥して、被覆試験1に係る試験片を得た。
・被覆試験2:実施例2と同じ分量および条件で芳香族ポリマー粒子を形成した後、透析を行った反応溶液を、実施例と同じ基材の陽極酸化皮膜の表面に十分な量滴下した後に、12時間静置した。次に溶液を乾燥して、被覆試験2に係る試験片を得た。
図13の被覆試験1に係る試験片が示すように、陽極酸化皮膜の表面は、色が付く等の変化が見られず、このことから芳香族ポリマー粒子が陽極酸化皮膜の表面に付いていないと考えられる。図14の被覆試験2に係る試験片が示すように、陽極酸化皮膜の表面には、ところどころに色が付いていることから、芳香族ポリマー粒子が陽極酸化皮膜の表面に均一に付いていないと考えられる。なお、被覆試験2に係る試験片は、エタノールおよびメタノールで洗浄しても付着物は取れなかった。
(絶縁破壊試験)
電極(直径5mmの球状電極)を陽極酸化皮膜側の外面に接触させて、電極間に高電圧を印加(昇圧電圧速度:25V/秒)することで、絶縁破壊が生じるまで印加電圧を上げてその限界の電圧を測定した。この結果、機能層を有する実施例2のアルミニウム材は、1.434kVであり、機能層がない比較例1のアルミニウム材は、1.292kVであった。このように、機能層を設けることで、絶縁の強度を向上することが判る。
(耐酸性試験)
実施例2のアルミニウム材および比較例1のアルミニウム材のそれぞれを、3%塩酸水溶液に浸漬し、浸漬前後の単位面積当たりの重量減少量を測定すると共に、外観の変化を観察した。その結果を図15および図16に示す。
図15に示すように、実施例2は、20時間に亘って塩酸水溶液に浸漬しても、大きな重量変化が認められなかった。これに対して、比較例1は、浸漬後に重量変化が起こり、6時間より長くなると陽極酸化皮膜の剥離が認められた。図16に示すように、実施例2は、20時間に亘って塩酸水溶液に浸漬しても、腐食が認められなかった。これに対して、比較例1は、浸漬後に腐食が起こり、6時間より長くなると陽極酸化皮膜の剥離が認められた。このように実施例2のアルミニウム材のように、機能層を設けることで、耐酸性を向上し得ることが判る。
(耐アルカリ性試験)
実施例2のアルミニウム材および比較例1のアルミニウム材のそれぞれを、3%次亜塩素酸水溶液に浸漬し、浸漬前後の単位面積当たりの重量減少量を測定すると共に、外観の変化を観察した。その結果を図17および図18に示す。
図17に示すように、実施例2は、12時間に亘って塩酸水溶液に浸漬しても、大きな重量変化が認められなかった。これに対して、比較例1は、浸漬後に重量変化が起こり、6時間より長くなると陽極酸化皮膜の剥離が認められた。図18に示すように、実施例2は、12時間に亘って塩酸水溶液に浸漬しても、腐食が認められなかった。これに対して、比較例1は、浸漬後に腐食が起こり、6時間より長くなると陽極酸化皮膜の剥離が認められた。このように実施例2のアルミニウム材のように、機能層を設けることで、耐アルカリ性を向上し得ることが判る。

Claims (6)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材と、
    前記基材の表面に設けられ、表面が鱗片状結晶構造に形成された陽極酸化皮膜と、
    前記陽極酸化皮膜の表面に固着した多数の芳香族ポリマー粒子と、を備えている
    ことを特徴とするアルミニウム材。
  2. 前記芳香族ポリマー粒子は、以下の化学式1または化学式2で表されるオキサジン樹脂から構成されている請求項1記載のアルミニウム材。
    上記化学式1および化学式2において、Rは、水素または炭化水素を指す。また、上記化学式1および化学式2において、nは括弧内の繰り返しを示す。
  3. 前記芳香族ポリマー粒子のサイズが、前記陽極酸化皮膜の表面に形成された鱗片状結晶構造の鱗片のサイズよりも小さい請求項1または2記載のアルミニウム材。
  4. 前記鱗片状結晶構造と前記多数の芳香族ポリマー粒子によってフラクタル構造が構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のアルミニウム材。
  5. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面に形成された陽極酸化皮膜の表面を、環状アミンで処理することで鱗片状結晶構造とし、
    芳香族炭化水素類を添加して加熱することで、前記環状アミンと芳香族炭化水素類とを反応させて芳香族ポリマー粒子を形成し、
    前記陽極酸化皮膜における鱗片状結晶構造の表面に、前記芳香族ポリマー粒子を固着させる
    ことを特徴とするアルミニウム材の製造方法。
  6. 前記環状アミンと前記芳香族炭化水素類とを反応させる時間が、60分〜600分の範囲である請求項5記載のアルミニウム材の製造方法。
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