JP6789519B2 - 断熱材と断熱用構造物及び断熱材の製造方法 - Google Patents

断熱材と断熱用構造物及び断熱材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、住宅や商業施設、空調機器、家電製品、交通・エネルギー機器等、様々な用途に使用される断熱材と断熱材を用いた断熱用構造物及び断熱材の製造方法に関する。
従来から、環境負荷の低減のため、効率の良いエネルギーの利用が求められており、その一環として、近年、エネルギーロスを小さく抑えるための高性能な断熱材が複数提案されている。
例えば、特許文献1に開示されているように、住宅の壁面等の断熱に使用される建築用の真空断熱材があった。この真空断熱材は、熱溶着層同士が対向するガスバリア性のラミネートフィルム(外被材)の間に、複数の芯材が、厚み方向に略垂直な方向に互いに所定間隔離して配置されて減圧密封されており、複数の芯材のそれぞれが独立した減圧空間内に位置するように、隣接する芯材と芯材の間の前記ラミネートフィルム同士が熱溶着されている。壁面に固定する時は、釘等(固定部材)を、ラミネートフィルム同士を熱溶着した熱溶着部に貫通して壁面に突き刺すことにより固定され、減圧空間の気密性が確保される構造になっている。
また、特許文献2に開示されているように、防音を主とし、断熱を従属的な性能として用いられる真空体があった。この真空体は、金属シートで成る受音側気密材と、金属の薄板又はプラスチック板で成る放散音側気密材を重ねた構造であり、各気密材の対応する位置にそれぞれ複数の突条(凹形状体)がエンボス状に設けられ、その外周部を気密に接合し、突条に囲まれた内側の空間を真空にしたものである。放散音側気密材にプラスチックを用いる場合、必要に応じて真空層面に金属メッキが施される。
特開2009−270399号公報 特開2003−239419号公報
特許文献1の真空断熱材は、ラミネートフィルムから成る外被材の強度が低いので、大気圧に耐えられるように、真空室内部に粉末材料の芯材を充填している。しかし、外被材の強度が低いので、容易に破損して真空が破られてしまい、断熱性能が低下し易いものである。しかも補強用に設けられた芯材により、真空断熱材の表裏で、外被材と芯材を介して熱伝導による伝熱が大きく、真空断熱による断熱性能が十分に発揮できないという問題がある。
特許文献2の真空体は、金属シートを使用することが必須なので、断熱性能が低くなりやすいものである。しかも、突状部分が長い場合、強度を維持するために、突条の長手方向の途中にリブを設けているため、リブを介した熱伝導による伝熱が生じ、断熱性能が低下するとともに、軽量化しにくいものである。また、特許文献2では、真空断熱材を効率よく安価に製造する方法について詳しく記載されていない。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、シンプルな構造で作り易く、軽量化が容易で破損しにくく、高い断熱効果が得られる断熱材と断熱用構造物及び断熱材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ガスバリア性の合成樹脂で成る板状の基材の外周縁の平坦部を残した内側領域に、複数の第一突条がエンボス状に形成された第一のシート部材と、ガスバリア性の合成樹脂で成る板状の基材の外周縁の平坦部を残した内側領域の、個々の前記第一突条に対応する位置に、複数の第二突条がエンボス状に形成された第二のシート部材とで構成され、
複数の前記第一突条は、長さ方向に対して直角な断面形状がそれぞれ半円弧状で、互いに平行に隣接し、前記第一のシート部材の表面側に膨出し、隣り合う前記第一突条の境界部は、前記第一突条の長さ方向に対して直角な断面が、前記第一突条と逆向きに膨出した円弧状に連続し、
前記複数の第二突条は、長さ方向に対して直角な断面形状がそれぞれ半円弧状で、互いに平行に隣接し、前記第二のシート部材の表面側に膨出し、隣り合う前記第二突条の境界部は、前記第二突条の長さ方向に対して直角な断面が、前記第二突条と逆向きに膨出した円弧状に連続し、
前記第一及び第二のシート部材は、互いの裏面同士が対向し、前記基材の平坦部同士が気密に接合し、前記第一突条の境界部及びこれに対応する前記第二突条の境界部の円弧状の凸の外側同士が線接触して気密に接合し、前記第一突条及びこれに対応する前記第二突条で囲まれた中空の減圧室が複数形成され、複数の前記減圧室は、個々の形状が略円柱状で、互いに独立している断熱材である。
前記第一及び第二突条は、それぞれの内壁面が金属層で覆われていることが好ましい。また、前記合成樹脂は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂であることが好ましい。
また、本発明は、上記の断熱材より構成され、前記断熱材が厚み方向に複数段に積み重なって互いに固定されている断熱用構造物である。積み重なった前記各断熱材の前記減圧室は、互いに交差する角度に配置されていることが好ましい。
さらに本発明は、ガスバリア性の合成樹脂で成る板状の基材の内側に、複数の第一突条をエンボス状にプレス成形することによって第一のシート部材を製作する第一のシート部材プレス工程と、ガスバリア性の合成樹脂で成る板状の基材の内側の、個々の前記第一突条に対応する位置に、複数の第二突条をエンボス状にプレス成形することによって第二のシート部材を製作する第二のシート部材プレス工程と、前記第一のシート部材及び第二のシート部材を互いに接合する接合工程とを備え、
前記第一のシート部材プレス工程において、前記複数の第一突条は、長さ方向に対して直角な断面形状がそれぞれ半円弧状で、互いに平行に隣接し、前記第一のシート部材の表面側に膨出するように成形され、隣り合う前記第一突条の境界部は、前記第一突条の長さ方向に対して直角な断面が、前記第一突条と逆向きに膨出した円弧状に連続するように形成され、
前記第二のシート部材プレス工程において、前記複数の第二突条は、長さ方向に対して直角な断面形状がそれぞれ半円弧状で、互いに平行に隣接し、前記第二のシート部材の表面側に膨出するように成形され、隣り合う前記第二突条の境界部は、前記第二突条の長さ方向に対して直角な断面が、前記第二突条と逆向きに膨出した円弧状に連続するように形成され、
前記接合工程では、前記第一及び第二のシート部材の裏面同士を対向させて前記第一突条及びこれに対応する前記第二突条で囲まれた空間を複数形成し、減圧された環境下で前記基材の外周縁の平坦部同士及び前記境界部の円弧状の凸の外側同士を各々気密に接合することによって、互いに独立した略円柱状の減圧室を複数形成する断熱材の製造方法である。
第一及び第二のシート部材プレス工程の後、前記接合工程の前に、前記第一及び第二突条の内壁面を金属層で覆うための金属蒸着工程を設けてもよい。
本発明の断熱材は、合成樹脂製の第一及び第二のシート部材を組み合わせたシンプルな構造であり、軽量化が容易でリサイクル性もよく、高い断熱効果を得ることができる。また、ガスバリア性の合成樹脂を使用しているので、減圧室の減圧度(又は真空度)が低下しにくく、優れた断熱性能を長期間維持することができる。さらに、一般的なグラスウールよりも高い透湿抵抗が得られ、結露を防止する効果も大きい。
中空の減圧室の外壁は、エンボス状の第一及び第二突条で形成され、十分な形状安定性を備えているので、減圧室の減圧度(又は真空度)を非常に高くすることができる。また、取り付け作業中に異物に引っ掛けたとしても簡単には損傷しない強度を備え、しかも、適度な可撓性又は柔軟性を有しているので、湾曲した面にも容易に取り付けることができる。さらに、第一突条同士の境界部や第二突条同士の境界部を独特の形状にし、第一及び第二突条の内壁面を金属層で覆うことによって、第一のシート部材の表面から第二のシート部材の表面までの熱伝導及び熱輻射による伝熱を効果的に抑制することができる。
さらに、減圧室を各々独立した気密構造に形成することにより、一部の減圧室の気密が破れても、他の減圧室により断熱性能を維持することができる。
また、本発明の断熱用構造物は、上記の断熱材が厚み方向に積み重なって互いに固定されたものであり、重ねる段数を増やすことによって断熱効果を容易に向上させることができる。特に、各段の断熱材の減圧室が互いに交差する角度に設けることによって、接触面積が最小限に抑えられ、厚み方向の伝熱(伝導)を効果的に抑制することができる。
さらに、本発明の断熱材の製造方法によれば、上記の高性能な断熱材を、効率よく安価に製造することができる。
本発明の断熱材の一実施形態の外観を示す斜視図であって、斜め上側から見た図(a)、斜め下側から見た図(b)である。 この実施形態の断熱材の縦断面図である。 本発明の断熱材の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 図3のシート部材製作工程の様子を示す正面図である。 図3の金属蒸着工程を行った後の第一及び第二のシート部材の縦断面図である。 本発明の断熱用構造物の一実施形態の外観を示す斜視図である 本発明の断熱材の一変形例を示す縦断面図(a)、他の変形例を示す縦断面図(b) 本発明の断熱用構造物の変形例を示す縦断面図である。 本発明の断熱用構造物の他の変形例を示す縦断面図である。
以下、本発明の断熱材、及び断熱材の製造方法の一実施形態について、図1〜図5に基づいて説明する。この実施形態の断熱材10は、図1(a)、(b)に示すように、第一のシート部材12(1)と第二のシート部材12(2)を上下に重ねて一体に接合した構造であり、平面視の外形が略長方形(例えば、約110mm×80mm)で、内側に、略円柱状の中空の減圧室14が複数設けられている。以下、略長方形の長手方向を縦方向、短手方向を横方向と称する。
第一のシート部材12(1)の本体部は、合成樹脂で成る板状の基材16(1)である。基材16(1)は、減圧室14の気密性を長期間維持するため、ガスバリア性の高い合成樹脂が使用される。例えば、厚み0.5mm程度のPET樹脂シート(ポリエチレンテレフタレート樹脂シート)が好適である。ポリエチレンテレフタレート系の合成樹脂シートは、成形性、リサイクル性にも優れているので、好適な材料であるが、さらにガスバリア性及び強度をより高くするため、PET樹脂に無機材料のナノクレイ(モンモリロナイト)や、中空ガラス粒子等を添加して熱伝導率を下げたPET樹脂系コンポジットを使用してもよい。
基材16(1)の外周縁部を残した内側領域には、複数の第一突条18(1)がエンボス状に形成されている。複数の第一突条18(1)は、基材16(1)の外形に対して縦方向に設けられ、図2に示すように、縦方向に直角な断面形状がそれぞれ半円弧状で、互いに平行に隣接し、第一のシート部材の表面側(図2において上向き)に膨出している。隣り合う第一突条18(1)の境界部20(1)は、第一突条18(1)の長さ方向に対して直角な断面が、逆向き(図2において下向き)の小さい円弧状に連続している。
基材16(1)の裏面側は、アルミ又は銅等を蒸着して形成された薄い金属層24(1)により全体が覆われている。
ここでは、複数の第一突条18(1)及び境界部20(1)はすべて同一の形状であり、各第一突条18(1)の膨出高さ(基材16(1)の平坦部22(1)から第一突条18(1)の頂部までの距離)は、一律になっている。さらに、第一のシート部材12(1)は、横方向の中心に対して線対称な形状になっている。
第二のシート部材12(2)は、ここでは、第一のシート部材12(1)と同じ物が転用される。したがって、第二のシート部材12(2)の本体部は、基材16(1)と同様の基材16(2)であり、第一突条18(1)と同一形状の第二突条18(2)を備え、境界部20(1)と同一形状の境界部20(2)を備え、平坦部22(1)と同一形状の平坦部22(2)を備え、金属層24(1)と同様の金属層24(2)を備えている。
第一及び第二のシート部材12(1),12(2)は、断熱材10に組み立てた状態で、図2に示すように、互いの裏面同士が対向し、平坦部22(1),22(2)が気密に接合し、複数の境界部20(1),20(2)も、外気圧により押されて円弧状の凸の外側同士が線接触し且つ接合されている。これにより、この内側の空間が、複数の第一突条18(1)及び複数の第二突条18(2)で囲まれて、各々独立して気密状態に形成された中空の減圧室14を複数形成している。減圧室14は、減圧された略円柱状の空間である。なお、周囲の平坦部22(1)、22(2)の幅は、この部分での表裏の熱伝導に鑑みて、できるだけ狭い方が好ましい。従って、平坦部22(1)、22(2)の接合部分に、熱伝導率の低い部材を挟んで接合すると良い。
次に、断熱材10の製造方法の一実施形態について説明する。この実施形態の製造方法は、図3に示すように、第一のシート部材プレス工程S11、第二のシート部材プレス工程S12、金属蒸着工程S13、及び接合工程S14で構成されている。
最初に行う第一及び第二のシート部材プレス工程S11,S12は、第一及び第二のシート部材12(1),12(2)を製作する工程である。第一のシート部材プレス工程S11では、図4に示すように、プレス用の凸金型26及び凹金型28を使用して、未加工の基材シートから基材16(1)を打ち抜くとともに、基材16(1)の内側に、複数の第一突条18(1)及び境界部20(1)をプレス成形する。第二のシート部材プレス工程S12では、同様の凸金型26及び凹金型28を使用して、未加工の基材シートから基材16(2)を打ち抜くとともに、基材16(2)の内側に、複数の第二突条18(2)及び境界部20(2)をプレス成形する。
断熱材10の場合、第一及び第二のシート部材12(1),12(2)が同じ物なので、共通の金型を使用して第一及び第二のシート部材プレス工程S11,S12を行う。後述する断熱材34,40のように、第一及び第二のシート部材の形状が異なる場合は、それぞれ専用の金型を使用して行う。
次に行う金属蒸着工程S13では、図5に示すように、第一及び第二のシート部材12(1),12(2)の裏面側にアルミ又は銅等を蒸着し、裏面全体を覆う金属層24(1),24(2)を形成する。
そして、接合工程S14を行って、第一及び第二のシート部材12(1),12(2)を互いに接合する。まず、第一のシート部材12(1)の平坦部22(1)及び境界部20(1),20(2)の裏面側(金属層24(1)の表面)に接着剤を塗布する。その後、第一及び第二のシート部材12(1),12(2)及び境界部20(1),20(2)の裏面側同士を対向させ、接着剤を介して互いの平坦部22(1),22(2)及び境界部20(1),20(2)同士を当接させ、第一突条12(1)及び第二突条12(2)で囲まれた複数の空間を形成する。そして、この状態で真空高温乾燥器の中に投入する。すると、第一突条12(1)及び第二突条12(2)に囲まれた空間の空気が外に引き抜かれ、その後、溶融した接着剤が平坦部22(1)と平坦部22(2)との隙間全体及び境界部20(1),20(2)の接触部全長に広がり、やがて硬化して平坦部22(1),22(2)同士が気密に接合されるとともに、境界部20(1),20(2)も気密状態で接着される。そして、真空高温乾燥器から取り出すと、図1、図2に示す各減圧室14が、独立して気密状態で真空状態に減圧された断熱材10が形成される。
接合工程S14で使用する接着剤は、熱可塑性樹脂の溶融接着剤(揮発性溶剤を含まないもの)を使用するのが好ましい。揮発性溶剤を含む接着剤を使用すると、真空高温乾燥器の中で発泡してしまい、平坦部22(1),22(2)同士や境界部20(1),20(2)同士を気密に接合するのが難しくなるからである。
以上説明したように、断熱材10は、合成樹脂製の第一及び第二のシート部材12(1),12(2)を組み合わせたシンプルな構造であり、軽量化が容易でリサイクル性もよく、高い断熱効果を得ることができる。また、PET樹脂等のガスバリア性の高い合成樹脂を使用しているので、減圧室14の減圧度(又は真空度)が低下しにくく、優れた断熱性能が長期間維持される。また、一般的なグラスウールよりも高い透湿抵抗が得られ、結露を防止する効果も大きい。さらに、減圧室14を各々独立した気密構造に形成しているので、一部の減圧室14の気密が破れても、他の減圧室14により断熱性能を維持することができる。
中空の減圧室14は、外壁がエンボス状の第一及び第二突条18(1),18(2)により形成され、十分な形状安定性を備えているので、減圧室14の減圧度(又は真空度)を非常に高くすることができる。また、取り付け作業中に異物に引っ掛けたとしても簡単には損傷しない強度を備え、しかも、適度な可撓性又は柔軟性を有しているので、湾曲した面にも容易に取り付けることができる。
また、断熱材10は、上述した独特な構造により、第一のシート部材の表面から第二のシート部材の表面までの伝熱(熱伝導、熱輻射)が効果的に抑制される。例えば、境界部20(1)と境界部20(2)が線接触する構造なので、減圧室14の形状安定性を確保しつつ、熱伝導が最小限に抑えられる。また、第一及び第二突条18(1),18(2)の内壁面が金属層24(1),24(2)に覆われているので、熱輻射が効果的に抑えられる。その他、境界部20(1),20(2)の断面が円弧状に緩やかに連続する構造なので、鋭角に連続する構造に比べて、プレス成形が容易で、使用時に撓ませたとしても割れが発生しにくいという利点がある。
また、上述した断熱材10の製造方法によれば、上記の高性能な断熱材10を、効率よく安価に製造することができる。さらに、金属蒸着工程S13は、第一及び第二のシート部材プレス工程S11,S12の後、接合工程S14の前に行うので、プレス成形によって金属層24(1),24(2)が損傷してしまう心配がない。
次に、本発明の断熱用構造物の一実施形態について、図6に基づいて説明する。ここで、上記実施形態の断熱材と同様の構成は、同一の符号を付して説明する。
この実施形態の断熱用構造物30は、図6に示すように、上記の断熱材10と、構造が異なる断熱材32とが厚み方向に2段に積み重なり、互いに固定されたものである。断熱材10は、円柱状の減圧室14が、第一のシート部材12(1)の外形に対して縦方向に設けられているのに対して、断熱材32の場合、円柱状の減圧室14が、第一のシート部材12(1)の外形に対して横方向に設けられているという違いがある。その他の構成は同様であり、断熱材32も上記と同様の製造方法により製造される。
断熱材10と断熱材32は、厚み方向に積み重なって互いに固定される。固定は、例えば、互いの減圧室14の頂部同士が接触する複数の点を接着剤等で接合することにより行う。
断熱用構造物30の断熱性能は、断熱材10単体の断熱性能に断熱材32単体の断熱性能がほぼ加算されたものになるので、高い断熱効果を容易に得ることができる。しかも、断熱材10と断熱材32は、互いの減圧室14の頂部同士が複数の点で接触し、接触面積が最小限に抑えられるので、重なり方向の熱伝導による伝熱を効果的に抑制することができる。
なお、本発明の断熱材とこれを用いた断熱用構造物及び断熱材の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、第一突条及び第二の突条の円弧は、真円や長円又は楕円の円弧を含むものであり、半円弧状が好ましいが円弧の長さが半円に満たないものでも良く、円弧の端部が直線状に延びたものも含む。
さらに、上記の断熱材10は、第一のシート部材12(1)と第二のシート部材12(2)とが同じ形状であるが、異なる形状のシート部材を組み合わせてもよい。例えば、図7(a)に示す断熱材34は、上記の第一のシート部材12(1)に代えて、第一のシート部材36(1)が使用されている。第一のシート部材36(1)は、複数の第一突条38(1)の膨出高さを、上記実施形態の第一突条18(1)よりも一律に高くしたものであり、それ以外の構成は第一のシート部材12(1)と同じである。この断熱材34においても、上記断熱材10とほぼ同様の作用効果が得られる。また、図7(b)に示す断熱材40は、上記実施形態の第一のシート部材12(1)に代えて、第一のシート部材42(1)が使用されている。第一のシート部材42(1)は、複数の第一突条44(1)の膨出高さを1つおきに高くしたのであり、それ以外の構成は第一のシート部材12(1)と同じである。これにより、上記実施形態と同様の効果に加えて、断熱材40を重ねたときの厚み方向の熱伝導を抑えることができる。
上記の断熱材10,32,34,40は、断熱効果を向上させるための金属層を備えているが、金属層は、少なくとも減圧室14の内壁面を覆うものであればよく、必ずしも基材の平坦部を覆う必要はない。また、金属層は、蒸着以外の方法、例えば無電解メッキ等で設けてもよい。また、同様の金属層を減圧室の外壁面に設けることによって、さらに外部からの輻射熱を遮断して断熱効果を向上させてもよい。一方、金属層が無くても所望の断熱効果が得られる場合、金属層及び金属蒸着工程を省略し、コストダウンを図ることができる。
その他、断熱材の平面視の外形は長方形以外に正方形やその他の形状でもよく、大きさも自由に変更できる。また、第一及び第二突条により形成される複数の減圧室の数や大きさについても適宜設定することができる。
上記の断熱用構造物30は、断熱材10と断熱材32とが積み重なり、互いの減圧室14が交差する構造になっているが、例えば、図8に示す断熱用構造物46のように、2つの断熱材10が積み重なり、互いの減圧室14が交差しない構造にすることも可能である。断熱用構造物46は、断熱用構造物30と比較すると、2つの断熱材同士の接触面積が少し大きくなるので断熱効果が若干低下するが、積み重ねる断熱材が共通化できるので、プレス用の金型の種類を減らすことができるという利点がある。また、積み重ねた状態で複数の第一突条18(1)が複数の第二突条18(2)の谷部に入り込むので、全体を薄型化することができる。
その他、図9に示すように、断熱材10の減圧室14が互いに平行になるようにして、第一突条18(1)と第二突条18(2)の稜線を接して重ね、断熱用構造物50を形成しても良い。さらに、断熱構造物50は、表裏での熱伝導による熱の移動を抑えるために、周囲を既存の断熱材料48で覆って一体に形成しても良い。既存の断熱材料48としては、難燃性ポリフェノールやポリウレタン等の合成樹脂で、発泡材料がより好ましい。また、グラスウール等の繊維系の断熱材料でも良い。これにより、断熱構造物50を一体の板状の部材として扱うことができ、断熱性能及び取り扱い性が向上する。さらに、化粧板としての利用も可能となり、断熱性能の高い建築物やその他の装置等の断熱コストの削減と施工性の向上も図ることができる。
断熱材を積み重ねる場合は、断熱材の外表面にも金属層があると良い。積み重ねる段数は、2段に限定されず、所望の断熱性能と厚み寸法の制約等を考慮して、適宜の段数に設定することができる。
第一及び第二のシート部材12(1),12(2)を接合する接合工程で行う接合の方法は、上述した接合工程S14のように接着剤を用いた方法に限定されず、例えば、超音波や加熱による溶着等の他の方法を用いもよい。
また、この発明の断熱材とこれを用いた断熱用構造物は、住宅等の建築物の他、住設機器、自動車、航空機、船舶等、断熱性能が要求される幅広い分野に利用できるものである。
10,32,34,40 断熱材
12(1),36(1),42(1) 第一のシート部材
12(2) 第二のシート部材
14 減圧室
16(1),16(2) 基材
18(1),38(1),44(1) 第一突条
18(2) 第二突条
20(1),20(2) 境界部
22(1),22(2) 平坦部
24(1),24(2) 金属層
30,46 断熱用構造物
S11 第一のシート部材プレス工程
S12 第二のシート部材プレス工程
S13 金属蒸着工程
S14 接合工程

Claims (7)

  1. ガスバリア性の合成樹脂で成る板状の基材の外周縁の平坦部を残した内側領域に、複数の第一突条がエンボス状に形成された第一のシート部材と、
    ガスバリア性の合成樹脂で成る板状の基材の外周縁の平坦部を残した内側領域の、個々の前記第一突条に対応する位置に、複数の第二突条がエンボス状に形成された第二のシート部材とで構成され、
    複数の前記第一突条は、長さ方向に対して直角な断面形状がそれぞれ円弧状で、互いに平行に隣接し、前記第一のシート部材の表面側に膨出し、
    隣り合う前記第一突条の境界部は、前記第一突条の長さ方向に対して直角な断面が、前記第一突条と逆向きに膨出した円弧状に連続し、
    複数の前記第二突条は、長さ方向に対して直角な断面形状がそれぞれ円弧状で、互いに平行に隣接し、前記第二のシート部材の表面側に膨出し、
    隣り合う前記第二突条の境界部は、前記第二突条の長さ方向に対して直角な断面が、前記第二突条と逆向きに膨出した円弧状に連続し、
    前記第一及び第二のシート部材は、互いの裏面同士が対向し、前記基材の平坦部同士が気密に接合し、前記第一突条の境界部及びこれに対応する前記第二突条の境界部の円弧状の凸の外側同士が線接触して気密に接合し、前記第一突条及びこれに対応する前記第二突条で囲まれた中空の減圧室が複数形成され
    複数の前記減圧室は、個々の形状が略円柱状で、互いに独立していることを特徴とする断熱材。
  2. 前記第一及び第二突条は、それぞれの内壁面が金属層で覆われている請求項1記載の断熱材。
  3. 前記合成樹脂は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂である請求項1又は2記載の断熱材。
  4. 請求項1乃至3のいずれか記載の断熱材より構成され、前記断熱材が厚み方向に複数段に積み重なって互いに固定されていることを特徴とする断熱用構造物。
  5. 積み重なった前記各断熱材の前記減圧室は、互いに交差する角度に配置されている請求項4記載の断熱用構造物。
  6. ガスバリア性の合成樹脂で成る板状の基材の内側に、複数の第一突条をエンボス状にプレス成形することによって第一のシート部材を製作する第一のシート部材プレス工程と、
    ガスバリア性の合成樹脂で成る板状の基材の内側の、個々の前記第一突条に対応する位置に、複数の第二突条をエンボス状にプレス成形することによって第二のシート部材を製作する第二のシート部材プレス工程と、
    前記第一のシート部材及び第二のシート部材を互いに接合する接合工程とを備え、
    前記第一のシート部材プレス工程において、前記複数の第一突条は、長さ方向に対して直角な断面形状がそれぞれ円弧状で、互いに平行に隣接し、前記第一のシート部材の表面側に膨出するように成形され、隣り合う前記第一突条の境界部は、前記第一突条の長さ方向に対して直角な断面が、前記第一突条と逆向きに膨出した円弧状に連続するように形成され、
    前記第二のシート部材プレス工程において、前記複数の第二突条は、長さ方向に対して直角な断面形状がそれぞれ円弧状で、互いに平行に隣接し、前記第二のシート部材の表面側に膨出するように成形され、隣り合う前記第二突条の境界部は、前記第二突条の長さ方向に対して直角な断面が、前記第二突条と逆向きに膨出した円弧状に連続するように形成され、
    前記接合工程では、前記第一及び第二のシート部材の裏面同士を対向させて前記第一突条及びこれに対応する前記第二突条で囲まれた空間を複数形成し、減圧された環境下で前記基材の外周縁の平坦部同士及び前記境界部の円弧状の凸の外側同士を各々気密に接合することによって、互いに独立した略円柱状の減圧室を複数形成することを特徴とする断熱材の製造方法。
  7. 第一及び第二のシート部材プレス工程の後、前記接合工程の前に、前記第一及び第二突条の内壁面を金属層で覆うための金属蒸着工程を設けた請求項6記載の断熱材の製造方法。
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