JP6789148B2 - 減衰弁およびダンパ - Google Patents

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この発明は、減衰弁およびダンパに関する。
免震装置は、地盤と構造物との間に介装されるボールアイソレータやゴムといった支持装置を備え、構造物を地盤に対して変位可能に支持しており、地震動の構造物への伝達を絶縁するようになっている。免震装置には、前記のような支持装置の他に、地盤と構造物との間に介装されるダンパを備える場合もあり、構造物の振動をダンパが発生する減衰力で減衰させて構造物の振動を抑制するようになっている。
このように免震装置に併用される免震用のダンパは、構造物の振動を抑制できるが、ピストン速度が高速域に達する大きな揺れに対してダンパの減衰力が過大となると構造物に大きな加速度が作用して柱や梁などが変形してしまう可能性がある。
よって、免震用のダンパにあっては、調圧弁とリリーフ弁を並列して構成された減衰弁を備えており、図6に示すように、ピストン速度が速くなるとリリーフ弁が開弁して減衰係数を小さくして、高速時における減衰力が過多となるのを防止し、構造物の保護を図っている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2005−248520号公報
しかしながら、前述の減衰弁では、免震装置の免震効果を阻害してしまう場合がある。前述の減衰弁を利用したダンパの減衰力特性(ピストン速度に対してダンパが発生する減衰力の特性)は、減衰係数が小さく切り換わるまでは、つまり、リリーフ弁が開弁するまでは、調圧弁の減衰係数が大きくピストン速度の増加に対して減衰力の増加量も大きい特性となる。
すると、ピストン速度が低速域にあってもダンパが発生する減衰力が過多となって、地震動を構造物に伝達してしまい免震装置の免震効果を阻害してしまう場合がある。
そうかと言って、リリーフ弁が開弁するまでは減衰係数を低くして免震効果を得ようとすると、以下の問題が生じる。具体的には、大振幅の地震動が発生した場合に、今度は減衰力不足に陥りダンパが最伸長或いは最収縮するか、或いは、構造物が地盤に対する構造物の変位を抑制するストッパに衝突して、構造物に衝撃的な加速度を作用させてしまう可能性がある。
そこで、本発明は前記問題を解決するために創案されたものであって、その目的は、免震効果を損なわず、ピストン速度が高速域に達する大振幅の地震動に対して高い減衰力をダンパに発揮させる減衰弁の提供である。また、他の目的は、免震効果を損なわず、ピストン速度が高速域に達する大振幅の地震動に対して高い減衰力を発揮可能なダンパの提供である。
前記した目的を達成するために、本発明の減衰弁は、低圧力損失弁と、低圧力損失弁と並列に設けられて低圧力損失弁より圧力損失が大きいノーマルクローズ型の高圧力損失弁とを備えており、低圧力損失弁が上流の圧力の上昇に伴って閉弁する。このように構成された減衰弁をダンパに適用すると、小規模地震動の発生時にはダンパが発生する減衰力が小さくなり、大規模地震動の発生時にはダンパが大きな減衰力を発揮するようになる。
また、高圧力損失弁が低圧力損失弁の閉弁とともに開弁するように減衰弁を構成してもよい。このように構成された減衰弁をダンパに適用すれば、ダンパの減衰係数を設定圧に対応するピストン速度で切換でき、免震装置の設計が非常に容易となる。
さらに、高圧力損失弁の開弁圧を前記低圧力損失弁の開弁圧よりも高く、前記低圧力損失弁の閉弁圧よりも低い圧力に設定して、低圧力損失弁が閉弁するより前に高圧力損失弁が開弁するように減衰弁を構成してもよい。このように構成された減衰弁をダンパに適用すれば、減衰係数の切換時において減衰力の変化が滑らかとなるので、免震装置に利用しても構造物へ衝撃を与えずに済む。
また、高圧力損失弁が低圧力損失弁の閉弁の際に、低圧力損失弁を通過していた流量を補償するように減衰弁を構成してもよい。このように構成された減衰弁をダンパに適用すれば、減衰係数の切換時において減衰力が急峻に変化しないので、免震装置に利用しても構造物へ衝撃を与えずに済む。
さらに、ダンパは、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されたピストンと、シリンダ内にピストンで区画した伸側室と圧側室と、リザーバと、減衰弁とを備えて構成してもよい。このように構成されたダンパでは、免震効果を損なわず、ピストン速度が高速域に達する大振幅の地震動に対して高い減衰力を発揮できる。
よって、本発明の減衰弁によれば、免震効果を損なわず、ピストン速度が高速域に達する大振幅の地震動に対して高い減衰力をダンパに発揮させえる。また、本発明のダンパによれば、免震効果を損なわず、ピストン速度が高速域に達する大振幅の地震動に対して高い減衰力を発揮できる。
一実施の形態における減衰弁の断面図である。 一実施の形態の一変形例における減衰弁の断面図である。 一実施の形態における減衰弁の圧力流量特性を示した図である。 一実施の形態の減衰弁を適用したダンパの回路図である。 一実施の形態の減衰弁を適用したダンパの減衰力特性を示した図である。 従来の免震用のダンパの減衰力特性を示した図である。
以下に、図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明する。一実施の形態における減衰弁Vは、図1に示すように、低圧力損失弁VLと、低圧力損失弁VLと並列に設けた高圧力損失弁VHとを備えて構成されている。
以下、減衰弁Vについて説明する。低圧力損失弁VLおよび高圧力損失弁VHは、図1に示したように、ハウジングHに設けた弁孔h1,h2に収容されている。ハウジングHは、図1中右方の上流側の部屋Aと図1中左方の下流側の部屋Bの仕切りとして機能しており、弁孔h1,h2は、ハウジングHを貫通して、部屋Aと部屋Bとを連通している。
弁孔h1は、部屋A側から開口部1と、開口部1の内径よりも内径が小径な小径部2、小径部2の内径より大きな内径を持つ大径部3および大径部3の内径より大きな内径を持つとともに内周に螺子溝が設けられる螺子部4を備えるとともに、小径部2と大径部3との境に段部5を備える。他方の弁孔h2は、部屋A側から小径部6、小径部6の内径より大きな内径を持つ大径部7および大径部7の内径より大きな内径を持つとともに内周に螺子溝が設けられる螺子部8を備えるとともに、小径部6と大径部7との境に段部9を備える。
低圧力損失弁VLは、図1に示すように、弁孔h1の開口部1から大径部3にかけて軸方向移動自在に挿入される弁体10と、弁体10を附勢するばね11と、螺子部4に螺子締結される環状のばね受12とを備えて構成されている。
弁体10は、小径部2内に摺動自在に挿入されるガイド軸10aと、ガイド軸10aより図1中左方に連なる円盤状の弁頭10bと、弁頭10bの図1中左方の背面側に設けた軸上のばねガイド10cと、ガイド軸10aの先端に設けたストッパ10dと、ガイド軸10aの側部に軸方向に沿って設けたオリフィス溝10eとを備えて構成されている。
弁体10は、ガイド軸10aが小径部2に摺動自在に挿入されているので、軸ぶれせずに弁孔h1内を軸方向へ移動できる。また、弁頭10bが弁孔h1の段部5に当接すると、低圧力損失弁VLは閉弁する。ばね11は、ばねガイド10cの外周に装着されるとともに、弁頭10bの背面とばね受12との間で介装されており、弁体10を図1中右方へ附勢している。よって、部屋Aと部屋Bの圧力に差がない状態では、弁体10がばね11によって附勢されて弁頭10bが段部5に当接する閉弁位置に配置されて、低圧力損失弁VLは閉弁状態となる。
また、オリフィス溝10eの全長は、小径部2の軸方向長さより長く、弁体10が後退して弁頭10bが段部5から離間するとガイド軸10aに設けたオリフィス溝10eを介して大径部3内が部屋Aに通じる。弁体10には、部屋Aの圧力が作用しており、部屋Aの圧力が部屋Bの圧力より高くなると弁体10が図1中左方へ押圧される。そして、部屋Aの圧力によって弁体10が図1中左方へ押圧されて、ばね11の附勢力に抗して弁頭10bが段部5から離間すると低圧力損失弁VLは開弁し、オリフィス溝10eを通じて部屋Aと部屋Bとを連通する。
さらに、弁体10が閉弁位置から図1中左方へ後退して、弁頭10bが段部5から所定距離離間すると、ストッパ10dが開口部1の底部に当接して、弁体10のそれ以上の後退を規制するとともにオリフィス溝10eと部屋Aとの連通が絶たれる。このように、本例の低圧力損失弁VLは、部屋Aの圧力が部屋Bの圧力より大きくなると開弁し、部屋Aの圧力の上昇に伴って、部屋Aの圧力と部屋Bの圧力の差圧が設定圧以上となると閉弁する。弁体10に部屋Aの圧力と部屋Bの圧力が正面と背面とに作用するため、低圧力損失弁VLにおける閉弁圧は、部屋Aの圧力と部屋Bの圧力の差圧に依存して決され、本例では前記設定圧とされている。
なお、図2に示す低圧力損失弁VLのように、ストッパを弁体の背面側に設けて閉弁させるようにしてもよい。図2に示す低圧力損失弁VLでは、図1に示した低圧力損失弁VLにおける弁体10からストッパ10dを廃止してばね受12に筒状のストッパ12aを設けて、弁体10の最大リフト量を設定してオリフィス溝10eが小径部2によって閉塞されるようにしてある。具体的には、図2の低圧力損失弁VLでは、ばね受12に弁体10側へ突出する筒状のストッパ12aを設けてあり、弁体10が段部5から所定量離間すると弁頭10bがストッパ12aに当接して、それ以上の弁体10の段部5から離間するのを規制している。つまり、弁体10が段部5から遠ざかる最大リフト量がストッパ12aによって設定されている。そして、弁体10がストッパ12aに当接して段部5からの離間が規制されるとオリフィス溝10eの先端である図2中右端が小径部2に対向して、オリフィス溝10eを通じての部屋Aと部屋Bとの連通が絶たれて、低圧力損失弁VLが閉弁する。このように低圧力損失弁VLを構成しても、部屋Aの圧力の上昇に伴って、部屋Aの圧力と部屋Bの圧力の差圧が設定圧以上となると閉弁するように構成できる。
他方、高圧力損失弁VHは、図1に示すように、弁孔h2の小径部6から大径部7にかけて軸方向移動自在に挿入される弁体13と、弁体13を附勢するばね14と、螺子部8に螺子締結される環状のばね受15とを備えて構成され、ノーマルクローズ型の弁とされている。
弁体13は、小径部6内に摺動自在に挿入されるガイド軸13aと、ガイド軸13aより図1中左方に連なる円盤状の弁頭13bと、弁頭13bの図1中左方の背面側に設けた軸上のばねガイド13cと、ガイド軸13aの側部に軸方向に沿って設けたオリフィス溝13dとを備えて構成されている。
弁体13は、ガイド軸13aが小径部6に摺動自在に挿入されているので、軸ぶれせずに弁孔h2内を軸方向へ移動できる。また、弁頭13bが弁孔h2の段部9に当接すると、高圧力損失弁VHは閉弁する。ばね14は、ばねガイド13cの外周に装着されるとともに、弁頭13bの背面とばね受15との間で介装されており、弁体13を図1中右方へ附勢している。よって、部屋Aと部屋Bの圧力に差がない状態では、弁体13がばね14によって附勢されて弁頭13bが段部9に当接する閉弁位置に配置されて、高圧力損失弁VHは閉弁状態となる。
また、オリフィス溝13dは、ガイド軸13aの全長に亘って設けられており、弁体13が後退して弁頭13bが段部9から離間するとガイド軸13aに設けたオリフィス溝13dを介して大径部7内が部屋Aに通じる。弁体13には、部屋Aの圧力が作用しており、部屋Aの圧力が部屋Bの圧力より高く両者の差圧が設定圧以上となると弁体13が図1中左方へ押圧されて、ばね14の附勢力に抗して弁頭13bが段部9から離間する。つまり、高圧力損失弁VHは、部屋Aの圧力と部屋Bの圧力の差圧が設定圧以上となると開弁して、オリフィス溝13dを通じて部屋Aと部屋Bとを連通する。弁体13に部屋Aの圧力と部屋Bの圧力が正面と背面とに作用するため、高圧力損失弁VHにおける開弁圧は、部屋Aの圧力と部屋Bの圧力の差圧に依存して決され、本例では前記設定圧とされている。この開弁圧である設定圧は、ばね14に与える初期荷重によって設定すればよい。また、オリフィス溝13dをガイド軸13aの全長に亘って設けるのではなく、オリフィス溝13dをガイド軸13aの図1中左端まで設けず、弁頭13bが段部9から少し離間してからオリフィス溝13dが大径部7に連通されるようにしてもよい。
本例では、前述したように、低圧力損失弁VLの閉弁圧と高圧力損失弁VHの開弁圧が前記設定圧となっている。よって、図3に示すように、低圧力損失弁VLと高圧力損失弁VHの合成圧力流量特性は、設定圧Ps未満の範囲では低圧力損失弁VLの特性が表れ、設定圧Ps超の範囲では高圧力損失弁VHの特性が表れる。流量の観点からは、減衰弁Vを通過する流量が流量Qsに達すると、部屋Aと部屋Bの差圧が設定圧Psとなり、流量増加に伴って流量Qsを境にして低圧力損失弁VLの特性から高圧力損失弁VHの特性へ遷移する。また、高圧力損失弁VHは、低圧力損失弁VLに比較して同流量の作動油が通過する際の圧力損失が大きい。よって、減衰弁Vの圧力流量特性、つまり、低圧力損失弁VLと高圧力損失弁VHの合成圧力流量特性は、図3に示すように、低圧力損失弁VLの特性が表れる範囲から高圧力損失弁VHの特性が現れる範囲に移行すると、圧力流量特性の傾きが大きくなる。
なお、本例では、低圧力損失弁VLの閉弁と高圧力損失弁VHの開弁の前後で両者のトータルの流路面積が変化しないように、高圧力損失弁VHにおけるオリフィス溝13dの弁頭側端における断面積を設定してある。よって、合成圧力流量特性は、図3に示すように、低圧力損失弁VLの特性から高圧力損失弁VHの特性への切換わりにおいて圧力変動がない特性となっている。
このように構成された減衰弁Vは、図4に示すように、ダンパDに適用されており、ダンパDに減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能している。
以下、ダンパDの構成について説明する。ダンパDは、シリンダ21と、当該シリンダ21内に摺動自在に挿入されるピストン22と、シリンダ21内に移動自在に挿入されてピストン22に連結されるピストンロッド23と、シリンダ21内にピストン22で区画された伸側室R1と圧側室R2と、シリンダ21の端部に設けたバルブケース24と、シリンダ21の外周に設けた外筒25と、シリンダ21と外筒25との間の環状隙間で形成したリザーバRとを備えている。そして、本例のダンパDにあっては、ピストン22とバルブケース24をそれぞれハウジングとして三つの減衰弁Va,Vb,Vcを備えている。
また、伸側室R1と圧側室R2には、液体として、たとえば、作動油が充填されるとともに、リザーバRには、作動油のほかに気体が充填されている。液体は、作動油以外にも、水や水溶液なども使用可能である。なお、リザーバR内は、特に、気体を圧縮して充填する加圧状態とする必要は無いが、加圧状態としてもよい。
このダンパDは、図示はしないが、たとえば、地盤と構造物との間にボールアイソレータや積層ゴム等といった弾性体とともに介装されて免震装置に組み込まれるが、ダンパDの用途はこれに限定されるものではない。
以下、ダンパDの各部について説明する。シリンダ21は筒状であって、その図4中右端はバルブケース24によって閉塞され、図4中左端には環状のロッドガイド26が取付けられている。また、前記ロッドガイド26の内周には、シリンダ21内に移動自在に挿入されるピストンロッド23が摺動自在に挿入されている。このピストンロッド23は、本例では、一端をシリンダ21内に摺動自在に挿入してピストン22に連結してあり、他端をシリンダ21外へ突出させていて、シリンダ21に対して移動自在とされている。本例では、ピストンロッド23が伸側室R1のみを貫通していて、ダンパDは、いわゆる片ロッド型とされている。なお、ダンパDは、ピストンロッド23が伸側室R1および圧側室R2の双方を貫通してシリンダ21から両端がシリンダ21外へ突出する、いわゆる両ロッド型のダンパとされてよい。
そして、シリンダ21は、外筒25内に収容されており、シリンダ21と外筒25との間には、リザーバRが形成されている。また、外筒25は、この場合有底筒状とされていて、開口端は、前述のロッドガイド26が取付けられて閉塞されている。さらに、外筒25の底部とシリンダ21との間に前記したバルブケース24が挟持されており、外筒25内にシリンダ21及びバルブケース24が固定されている。
なお、ピストンロッド23の図4中左端である他端と、外筒25の底部には、このダンパDを構造物と地盤との間の設置箇所へ取付けできるようにブラケット30,31が設けられる。
ピストン22には、減衰弁Va,Vbがそれぞれ設けられている。具体的には、減衰弁Va,Vbは、それぞれ、図1に示すように、低圧力損失弁VLと高圧力損失弁VHとで構成されていて、ピストン22をハウジングHとしてピストン22に設けられている。減衰弁Vaは、部屋Aを伸側室R1とし、部屋Bを圧側室R2として、前述した通りに動作して伸側室R1から圧側室R2へ向かう作動油の流れに抵抗を与え、図3の圧力流量特性を示すようになっている。減衰弁Vbは、部屋Aを圧側室R2とし、部屋Bを伸側室R1として、前述した通りに動作して圧側室R2から伸側室R1へ向かう作動油の流れに抵抗を与え、前述の圧力流量特性を示すようになっている。
さらに、バルブケース24には、減衰弁Vcが設けられている。具体的には、減衰弁Vcは、図1に示すように、低圧力損失弁VLと高圧力損失弁VHとで構成されていて、バルブケース24をハウジングHとしてバルブケース24に設けられている。減衰弁Vcは、部屋Aを圧側室R2とし、部屋BをリザーバRとして、前述した通りに動作して圧側室R2からリザーバRへ向かう作動油の流れに抵抗を与え、図3の圧力流量特性を示すようになっている。
また、バルブケース24には、リザーバRと圧側室R2とを連通する吸込通路27が設けられており、吸込通路27には、リザーバRから圧側室R2へ向かう作動油の流れのみを許容する逆止弁28が設けられている。
以上のように、ダンパDは構成され、以下、このダンパDの作動について説明する。ダンパDが伸長作動して、ピストン22が図4中左方へ移動する場合、ピストン22によって、伸側室R1が圧縮されて圧側室R2が拡大される。伸側室R1の容積減少に見合った量の作動油は、伸側室R1から押し出されて、減衰弁Vaを介して拡大される圧側室R2へ移動する。ダンパDの伸長作動の際には、ピストンロッド23がシリンダ21内から退出するため、退出するピストンロッド23の体積分の作動油が吸込通路27を介してリザーバRから圧側室R2へ供給される。
そして、減衰弁Vaは、図3に示した圧力流量特性を示す。減衰弁Vaは、伸側室R1の圧力と圧側室R2の圧力の差圧が設定圧Ps未満の場合、低圧力損失弁VLが開弁して作動油の流れに抵抗を与え、伸側室R1の圧力と圧側室R2の圧力の差圧が設定圧Ps超の場合、高圧力損失弁VHが開弁して作動油の流れに抵抗を与える。そして、ダンパDの伸長作動時において、減衰弁Vaを通過する作動油の流量は、ピストン22の移動速度に比例する。また、ダンパDが伸長作動時に発揮する減衰力は、ピストン22の伸側室R1に面する断面積と伸側室R1内の圧力の積からピストン22の圧側室R2に面する断面積と圧側室R2内の圧力の積を差し引いた値となる。よって、ダンパDの伸長作動時における減衰力特性は、図5に示すが如く、減衰弁Vaを通過する流量が流量Qsとなるピストン速度が速度Dvとすると、ピストン速度が速度Dvとなるのを境にして、減衰係数(傾き)が異なる特性となる。具体的には、ダンパDは、ピストン速度が速度Dvより低いと減衰係数が小さく、ピストン速度が速度Dvより高いと減衰係数が大きくなる減衰力特性を発揮する。
他方、ダンパDが収縮作動して、ピストン22が図4中右方へ移動する場合、ピストン22によって、圧側室R2が圧縮されて伸側室R1が拡大される。圧側室R2の容積減少によって、伸側室R1の拡大容積分の作動油は、圧側室R2から減衰弁Vbを介して拡大される圧側室R2へ移動する。また、ダンパDの収縮作動の際には、ピストンロッド23がシリンダ21内へ侵入するため、侵入するピストンロッド23の体積分の作動油は、圧側室R2から減衰弁Vcを介してリザーバRへ排出される。
そして、減衰弁Vb,Vcは、図3に示した圧力流量特性を示す。そして、ダンパDの収縮作動時において、減衰弁Vb,Vcを通過する作動油の流量は、ピストン22の移動速度に比例する。また、ダンパDが収縮作動時に発揮する減衰力は、ピストン22の圧側室R2に面する断面積と圧側室R2内の圧力の積からピストン22の伸側室R1に面する断面積と伸側室R1内の圧力の積を差し引いた値となる。そして、減衰弁Vb,Vcの低圧力損失弁VLの閉弁圧と高圧力損失弁VHの開弁圧である設定圧Psについては、ダンパDの収縮作動時における減衰力特性が伸長作動時における減衰力特性と等しくなるようにそれぞれ調整してある。よって、ダンパDの収縮作動時における減衰力特性も図5に示すが如く、ピストン速度が速度Dvとなるのを境にして、減衰係数が異なる特性となる。具体的には、ダンパDは、ピストン速度が速度Dvより低いと減衰係数が小さく、ピストン速度が速度Dvより高いと減衰係数が大きくなる減衰力特性を発揮する。
このように減衰弁Vは、低圧力損失弁VLと、低圧力損失弁VLと並列に設けられて低圧力損失弁より圧力損失が大きいノーマルクローズ型の高圧力損失弁VHとを備えており、低圧力損失弁VLが上流の圧力の上昇に伴って閉弁するようになっている。
このように構成された減衰弁VをダンパDに適用すると、小規模地震動の発生時にはダンパDの伸縮速度が低く、ダンパDが発生する減衰力も小さくなる。そのため、ダンパDは、免震装置の免震効果を阻害せず、地震動を構造物に伝達するのを阻止できる。他方、大規模地震動の発生時にはダンパDの伸縮速度が高くなるので、ダンパDが大きな減衰力を発揮して構造物の振動を抑制する。よって、ダンパDに減衰弁Vを適用すると、小規模地震に対して減衰力を小さくし、大規模地震に対して減衰力を大きくするダンパDを実現できる。
よって、本発明の減衰弁Vによれば、免震効果を損なわず、ピストン速度が高速域に達する大振幅の地震動に対して高い減衰力をダンパDに発揮させえる。また、本発明のダンパDによれば、免震効果を損なわず、ピストン速度が高速域に達する大振幅の地震動に対して高い減衰力を発揮できる。
なお、ダンパDにあっては、減衰弁Vbを廃止して、代わりに圧側室R2から伸側室R1へ向かう作動油の流れのみを許容する通路を設ける構造を採用しても、図5に示す減衰力特性を実現できるので、そのようにしてもよい。
また、ダンパDが伸縮作動の際に、シリンダ21内から作動油がリザーバRへ必ず排出されるユニフロー型に設定される場合には、伸側室R1からリザーバRへ通じる通路の途中に減衰弁Vを設ければよい。具体的には、図4に示したダンパDの構造から、減衰弁Va,Vb,Vcを廃止し、その代わりに、圧側室R2から伸側室R1へ向かう作動油の流れのみを許容する通路を設ける。さらに、伸側室R1からリザーバRへ通じる通路を設けて、この通路に部屋Aを伸側室R1に対応させ部屋BをリザーバRに対応させて減衰弁Vを設ける。このようにダンパDを構成すると、伸長時には、圧縮される伸側室R1からリザーバRへ減衰弁Vを通じて作動油が排出され、拡大する圧側室R2にはリザーバRから作動油が供給される。収縮時には、伸側室R1と圧側室R2とがピストン22に設けた通路で連通され、ピストンロッド23がシリンダ21内に侵入する体積分の作動油が減衰弁Vを介してリザーバRへ押し出される。よって、このように構成されたダンパDでは、伸縮作動の際に、必ずシリンダ21内から作動油が減衰弁Vを通じてリザーバRへ移動し、図5に示す減衰力特性を実現できる。
また、本例の減衰弁Vにあっては、高圧力損失弁VHの開弁圧と低圧力損失弁VLの閉弁圧がともに設定圧とされていて、高圧力損失弁VHが低圧力損失弁VLの閉弁とともに開弁するようになっている。よって、本例の減衰弁Vにあっては、低圧力損失弁VLと高圧力損失弁VHの流量圧力特性を設定圧で切換できる。したがって、この減衰弁VをダンパDに適用すれば、ダンパDの減衰係数を設定圧に対応するピストン速度で切換でき、免震装置の設計が非常に容易となる。
なお、高圧力損失弁VHが低圧力損失弁VLの開弁後に開弁し低圧力損失弁VLが閉弁するより前に開弁するように、高圧力損失弁VHの開弁圧を低圧力損失弁VLの開弁圧よりも高く低圧力損失弁VLの閉弁圧よりも低い圧力に設定してもよい。この場合、低圧力損失弁VLと高圧力損失弁VHの特性の切換の際に、低圧力損失弁VLと高圧力損失弁VHの両者が開弁する状況ができるので、図6に示すように、低圧力損失弁VLの特性から高圧力損失弁VHの特性に遷移する際に圧力変動が滑らかとなる。このように構成される減衰弁VをダンパDに適用すれば、減衰係数の切換時において減衰力の変化が滑らかとなるので、免震装置に利用しても構造物へ衝撃を与えずに済む。
また、本例では、高圧力損失弁VHが低圧力損失弁VLの閉弁の際に、低圧力損失弁VLを通過していた流量を補償するようになっている。つまり、低圧力損失弁VLの閉弁の前後で減衰弁Vを通過する流量に変動が生じず、減衰弁Vにおける圧力流量特性は、低圧力損失弁VLの閉弁の前後で圧力が急変せず、連続する特性となる。このように構成される減衰弁VをダンパDに適用すれば、減衰係数の切換時において減衰力が急峻に変化しないので、免震装置に利用しても構造物へ衝撃を与えずに済む。
さらに、本例のダンパDでは、シリンダ21と、シリンダ21内に移動自在に挿入されたピストン22と、シリンダ21内にピストン22で区画した伸側室R1と圧側室R2と、リザーバRと、減衰弁Vとを備えている。減衰弁Vは、伸側室R1と圧側室R2との間、伸側室R1とリザーバRとの間、および、圧側室R2とリザーバRとの間のうち、任意の箇所に設ければよく、このように構成されたダンパDでは、免震効果を損なわず、ピストン速度が高速域に達する大振幅の地震動に対して高い減衰力を発揮できる。
なお、本例の低圧力損失弁VLと高圧力損失弁VHは、部屋Aと部屋Bの差圧力によって開閉するようになっているが、上流の部屋Aの圧力のみに依存して開閉するようになっていてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形及び変更が可能である。
21・・・シリンダ、22・・・ピストン、D・・・ダンパ、R・・・リザーバ、
R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、V・・・減衰弁、VH・・・高圧力損失弁、VL・・・低圧力損失弁

Claims (5)

  1. 上流の圧力により開閉し、開弁時に上流から下流への液体の流れを許容する低圧力損失弁と、
    前記低圧力損失弁と並列に設けられて、前記低圧力損失弁に比較して同流量の液体の通過時における圧力損失が大きいノーマルクローズ型の高圧力損失弁とを備え、
    前記低圧力損失弁は、上流の圧力の上昇に伴って閉弁する
    ことを特徴とする減衰弁。
  2. 前記高圧力損失弁は、前記低圧力損失弁の閉弁とともに開弁する
    ことを特徴とする請求項1に記載の減衰弁。
  3. 前記高圧力損失弁は、開弁圧が前記低圧力損失弁の開弁圧よりも高く、前記低圧力損失弁の閉弁圧よりも低い圧力に設定され、前記低圧力損失弁が閉弁するより前に開弁する
    ことを特徴とする請求項1に記載の減衰弁。
  4. 前記高圧力損失弁は、前記低圧力損失弁の閉弁の際に、前記低圧力損失弁を通過していた流量を補償する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の減衰弁。
  5. シリンダと、
    シリンダ内に移動自在に挿入されたピストンと、
    前記シリンダ内に前記ピストンで区画した伸側室と圧側室と、
    リザーバと、
    前記伸側室と前記圧側室との間、前記伸側室と前記リザーバとの間、および、前記圧側室と前記リザーバとの間のうち、任意の箇所に設けた請求項1から4のいずれか一項に記載の減衰弁とを備えた
    ことを特徴とするダンパ。
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