JP6788754B1 - 移動体通信システム及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

複数の移動体通信事業者の移動体通信ネットワークに接続するための中継技術を提供する。実施形態に係る中継装置(20)は、端末装置(10)とドナーセル基地局(30)との間の通信を中継する。中継装置(20)は、1以上の端末装置(10)と接続するアクセス通信部(22)と、特定の識別情報IDに対応付けられたドナーセル基地局(30)との間で特定の識別情報IDに対応付けられたバックホール通信路BHを各々確立する複数のバックホール通信部(26)と、を備え、特定の識別情報IDに対応づけられた端末装置(10)を特定の識別情報IDに対応付けられた特定のバックホール通信路(26)と接続する。

Description

本発明は、端末装置とマクロセル基地局との間で通信を中継する中継技術に関する。
移動体通信に関する標準規格を策定する3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)のリリース8において、通信規格としてLTE(Long Term Evolution)が規定され運用されている(非特許文献1)。LTEその他の通信規格に準拠した移動体通信システムでは、端末装置(UE: User Equipment)のカバレッジを改善するために、マクロセル(Macro-cell)基地局よりも小さなカバレッジエリアを有するスモールセル(Small-cell)基地局が用いられている。スモールセル基地局は、アクセス(AC:Access Link)通信路を介して端末装置と接続する。またスモールセル基地局は、バックホール(BH:Backhaul Link)通信路を介して移動体通信事業者(MNO: Mobile Network Operator)が運営するコアネットワークと接続する。このようなスモールセル基地局に関する技術として、アクセス通信路とバックホール通信路に互いに異なる周波数帯域を割り当てる中継装置が考案されている(特許文献1)。また、無線通信路を複数の移動体通ネットワークで共有するための規格も提案されている(非特許文献2)。
http://www.3gpp.org/technologies/keywords-acronyms/98-lte http://www.3gpp.org/news-events/3gpp-news/1592-gush
特開2016−171536号公報
上記先行技術文献に記載されているような移動体通信システムでは、端末装置及び中継装置は、特定の移動体通信事業者に対応づけられており、この特定の移動体通信事業者の運営する移動体通信ネットワークに接続される。
しかしながら、多くの国で、複数の移動体通信事業者がサービスを提供しており、それぞれの移動体通信事業者と契約した端末装置が利用されている。いずれの移動体通信事業者と契約した端末装置に対しても良好なカバレッジを提供するために、施設毎に各移動体通信事業者の中継装置を設けなければならなかった。これは施設提供者のスペースと設備に無駄が多いという問題を生じていた。
本実施形態は、上記の事情に鑑みて創案されたものであり、複数の移動体通信事業者の移動体通信ネットワークに接続するための中継技術を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、実施形態に係る中継装置は、端末装置とドナーセル基地局との間の通信を中継する中継装置であって、1以上の端末装置と接続するアクセス通信部と、特定の識別情報に対応付けられたドナーセル基地局との間で前記特定の識別情報に対応付けられたバックホール通信路を各々確立する複数のバックホール通信部と、を備え、前記特定の識別情報に対応づけられた前記端末装置を前記特定の識別情報に対応付けられた特定のバックホール通信路と接続する。
実施形態に係る中継方法は、端末装置とドナーセル基地局との間の通信を中継する中継方法であって、1以上の端末装置と接続するステップと、特定の識別情報に対応付けられたドナーセル基地局との間で前記特定の識別情報に対応付けられたバックホール通信路を各々確立するステップと、前記特定の識別情報に対応づけられた前記端末装置を前記特定の識別情報に対応付けられた特定のバックホール通信路と接続するステップと、を備える。
実施形態に係る移動体通信システムは、固有の識別情報に対応付けられ、前記固有の識別情報を含むパラメータのみを認識する移動体通信ネットワークを複数備える移動通信システムであって、前記複数の移動体通信ネットワークに接続する中継装置と、前記複数の移動体通信ネットワークのそれぞれに設けられ、他の移動体通信ネットワーク固有の識別情報を含むパラメータを自らの移動体通信ネットワーク固有の識別情報を含むパラメータに変換する仮想基地局と、を備える。
上記中継技術によれば、中継装置が複数のバックホール通信路を確立し、特定の識別情報に対応づけられた端末装置を特定の識別情報に対応付けられた特定のバックホール通信路と接続するので、設備上の無駄を抑制することが可能である。
実施形態1に係る移動体通信システムを示すブロック図である。 実施形態1に係る中継装置のハードウェア構成図である。 実施形態1に係るバックホール通信部の動作を説明する模式図。 実施形態に係る分割統合部の動作を説明する模式図。 実施形態に係るデータの分割動作を説明する模式図。 実施形態に係るデータの統合動作を説明する模式図。 実施形態2に係る中継装置のブロック図である。 実施形態3に係る移動体通信システムを示すブロック図である。 実施形態3に係る移動体通信システムの初期動作を示すシーケンス図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態は、例示に過ぎず、明示しない種々の変形を排除しない。また、図面において、同一または類似の構成要素については同一または類似の符号を付している。
<実施形態1>
本実施形態1は、異なる移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)が運営する移動体通信ネットワークMN(Mobile Network)に同時に接続可能な中継装置の基本形態に関する。以下の説明において、異なる移動体通信事業者をアルファベットの小文字で識別するものとする。例えば、移動体通信事業者aに対応付けられるシステムや構成である装置XYには小文字aを付して装置XYaというように表記する。
(全体システム)
図1は、本実施形態1に係る移動体通信システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、移動体通信システム100は、端末装置10a及び10b、中継装置20、並びに移動体通信ネットワークMNa及びMNbを備えて構成される。
端末装置10a及び10bは、スマートフォン、携帯電話等の移動体通信端末であり、図面ではUE(User Equipment)とも表記する。以下、移動体通信事業者との対応づけが必要ではない場合には、単に「端末装置10」と称する。
移動体通信ネットワークMNaは、移動体通信事業者aが運営する基盤システムであり、移動体通信ネットワークMNbは、移動体通信事業者bが運営する基盤システムである。図1では、簡単のために、移動体通信事業者aが管理する移動体通信ネットワークMNa及び移動体通信業者bが管理する移動体通信ネットワークMNbのみが接続されている場合を例示してある。但し、さらに他の移動体通信業者が管理する移動体通信ネットワークが接続されていてもよい。
以下、説明を簡単にするため、移動体通信ネットワークMNa及び移動体通信ネットワークMNbは同じ構成を有しているものとする。また、特段に移動体通信ネットワークを区別する必要がない場合には、数字の符号に小文字を付けずに表記して説明する。
(移動体通信ネットワーク)
移動体通信ネットワークMNは、ドナーセル基地局(donor-cell base station)30、第1コアネットワーク(core network)40、及び第2コアネットワーク60を備える。第2コアネットワーク60は、外部ネットワーク70(public data network)に接続されている。
ドナーセル基地局30は、いわゆるマクロセル(macro-cell)基地局としての構成を備える。ドナーセル基地局は、多数のマクロセル基地局のうち、端末装置や中継装置と無線ベアラによりバックホール通信路を確立しているものをいう。特にLTE規格では、ドナーセル基地局をDeNB(Donor eNodeB)と表記することもある。基地局30は、各々が無線アクセスネットワーク(RAN: Radio Access Network)を形成するように動作する。ドナーセル基地局30は、中継装置20との間でバックホール通信路BHを確立するほか、端末装置10との間でも直接アクセス通信路ACを確立するように構成されている。ドナーセル基地局30は、相対的に高出力の電波を発生することによって、半径数百メートルから十数キロメートルのサービスエリアであるマクロセルを提供する。
第1コアネットワーク40及び第2コアネットワーク60は、特にLTE規格ではEPC(Evolved Packet Core)とも呼ばれている。
第1コアネットワーク40は、主として、ドナーセル基地局30を制御してバックホール通信路BHの確立・解除を管理するネットワークである。
具体的に、第1コアネットワーク40は、HSS(Home Subscriber Server)401、MME(Mobility Management Entity)402、SGW(Serving Gateway)403、PGW(Packet Data Network Gateway)404、及びDHCPサーバ(Dynamic Host Configuration Protocol server)405を備える。
HSS401は、端末装置10を利用するユーザの加入者情報を管理するサーバである。MME402は、マクロセル基地局を収容し、端末装置10の位置管理や呼び出し等のモビリティ管理を実行するノードである。SGW403は、ユーザパケットデータを伝送するノードである。PGW404は、第2コアネットワーク60とのインターフェースを有するノードである。DHCPサーバ405は、ドナーセル基地局30に直接接続する端末装置10や中継装置20のバックホール通信部26にIPアドレスを付与するサーバである。
第2コアネットワーク60は、主として、中継装置20及び中継装置20に直接接続する端末装置10を管理するネットワークである。例えば、第2コアネットワークEPC60は、中継装置20の位置管理や中継装置20に接続する端末装置10への発呼・着呼の接続制御や課金管理等を実施する。
具体的に、第2コアネットワーク60は、HSS601、MME602、SGW603、PGW604を備える。HSS601は、端末装置10を利用するユーザの加入者情報を管理するサーバである。MME602は、アクセス通信部22を収容し、端末装置10の位置管理や呼び出し等のモビリティ管理を実行するノードである。SGW603は、ユーザパケットデータを伝送するノードである。PGW604は、外部ネットワーク70とのインターフェースを有するノードである。
外部ネットワーク70は、図示しないIP伝送装置(ルータ等)を介して接続される広帯域ネットワークであり、典型的にはインターネットである。
なお、移動体通信ネットワークMNの上記構成は例示であり、これに限られない。
(中継装置)
図1に示すように、中継装置20は、端末装置10とドナーセル基地局30との間の通信を中継する中継装置であって、アクセス通信部22、分割統合部24、及びバックホール通信部26を備える。図面では、中継装置20をUR(User Equipment Relay)とも称する。
上記構成要素により、本実施形態の中継装置20は、端末装置10とドナーセル基地局30との間の通信を中継する以下の中継方法を実施可能に構成されている。
(1)1以上の端末装置10と接続するステップ(アクセス通信部22)。
(2)特定の識別情報IDに対応付けられたドナーセル基地局30との間で特定の識別情報IDに対応付けられたバックホール通信路BHを各々確立するステップ(バックホール通信部26)。
(3)特定の識別情報IDに対応づけられた端末装置10を特定の識別情報IDに対応付けられた特定のバックホール通信路BHと接続するステップ(分割統合部24)。
以下、各ステップを実行する構成要素について具体的に説明する。
アクセス通信部22は、1以上の端末装置10と接続する通信装置である。図1では、アクセス通信部22は、移動体通信事業者aに対応づけられた端末装置10aと移動体通信事業者bに対応づけられた端末装置10bとに共通に接続している。アクセス通信部22は、端末装置10に対して相対的に低出力の電波を発生することによって、半径数メートルから数十メートルのサービスエリアであるスモールセルを構築する。このことから、アクセス通信部22を、LTE規格では、ピコeNB(evolved NodeB)、フェムトeNB、ホームeNBとも呼ぶ。図面ではアクセス通信部22をSC(Small-cell)と表記する。アクセス通信部22は、いずれの端末装置10との間でも同一の周波数帯域の電波を介して接続し、アクセス通信路ACを形成している。アクセス通信部22は、各端末装置10から受信したアップリンクデータを復調し、パケットデータのブロックとして受信順に出力するようになっている。またアクセス通信部22は、分割統合部24から提供されたダウンリンクデータであるパケットデータのブロックを共通の周波数帯域の搬送波で変調してアクセス通信路ACを介して送信するようになっている。アップリンクデータ及びダウンリンクデータともに、複数のパケットデータのブロックにより構成されている。個々のブロックに付与されている識別情報IDにより対応する移動体通信事業者が識別可能である。アクセス通信部22は、ハードウェアを主体として構成される。但し、アクセス通信部22を制御部がソフトウェアプログラムを実行することにより同様の機能を奏するように構成することも可能である。
バックホール通信部26は、特定の識別情報に対応付けられたドナーセル基地局30との間で特定の識別情報IDに対応付けられたバックホール通信路BHを各々確立する。図1では、バックホール通信部26aが、移動体通信事業者aを特定する識別情報IDaに対応づけられたドナーセル基地局30aとの間でバックホール通信路BHaを確立している。またバックホール通信部26bが、移動体通信事業者bを特定する識別情報IDbに対応づけられたドナーセル基地局30bとの間でバックホール通信路BHbを確立している。バックホール通信路BHを介して送受信されるアップリンクデータ及びダウンリンクデータはそれぞれ対応するドナーセル基地局30が指定する周波数帯域の搬送波で変調された電波である。バックホール通信部26は、顧客構内装置(CPE:Customer Premises Equipment)とも呼ばれる。バックホール通信部26は、ハードウェアを主体として構成される。但し、バックホール通信部26を制御部がソフトウェアプログラムを実行することにより同様の機能を奏するように構成することも可能である。
バックホール通信部26が形成するバックホール通信路BHは、空中線経由でパケットデータを伝送する経路である。パケットデータは通信規格に従った所定の変調方式に従って所定の周波数帯域の搬送波で変調されていてもよい。
分割統合部(SCU:Splitting and Combining Unit)24は、特定の識別情報IDに対応づけられた端末装置10を特定の識別情報IDに対応付けられた特定のバックホール通信路BHと接続するように構成されている。分割統合部24は、例えば、所定のハードウェアをソフトウェアで動作させることにより機能的に実現される。
図2に、分割統合部24を中心とする中継装置20のハードウェア構成を例示する。図2に示すように、分割統合部24は、制御部200、記憶部204、インターフェース回路206及び210を備える。
制御部200は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)201及びメモリ202を備えており、メモリ202に格納されるコンピュータソフトウェアプログラムをCPU201が実行することにより、分割統合部24を機能的に実現している。但し、分割統合部24をハードウェアのみにより同様の機能を奏するように構成することも可能である。
インターフェース回路206は、アクセス通信部22との間で統合データCDを送受信する接続手段である。インターフェース回路210は、各バックホール通信部26との分割データSDを送受信する接続手段である。
記憶部204は、書き込んだ順番でデータが読み出されるように構成されたメモリである。具体的には、アップリンクでは、アクセス通信部22が端末装置10からアンテナ222を介して受信し、インターフェース回路206経由で内部バスに供給したパケットデータを、記憶部204が順番に記憶する。そして制御部200の制御により記憶部204から順次読み出されたパケットデータは、識別情報IDに対応づけられたブロック単位で識別情報IDに対応づけられたインターフェース回路210を介してバックホール通信部26に転送され、アンテナ262からドナーセル基地局30に向けて送信される。また、ダウンリンクでは、バックホール通信部26がアンテナ262から受信してインターフェース回路210経由で内部バスに供給したパケットデータを、記憶部204が受信した順番に記憶していく。そして制御部200の制御により記憶部204から順次読み出されたパケットデータは、識別情報IDに対応づけられたブロック単位で統合データCDとしてインターフェース回路206を介してアクセス通信部22に転送され、アンテナ222から端末装置10に向けて送信される。
なお、図2に示したブロック図は例示に過ぎず、異なる構成により同様の機能を奏するように構成することも可能である。例えば、上記ブロック図では、アップリンクデータ及びダウンリンクデータを制御部200の管理する内部バスに供給していたが、アクセス通信部22とバックホール通信部26とをバッファメモリを介して直結し、制御部200は全体の制御機能のみを奏するように構成することも可能である。このような構成は、通信速度が相対的に高かったりトラフィックの容量が大きかったりする場合に妥当な構成である。
図3を参照して、バックホール通信部26の機能を説明する。図3に示すように、移動体通信事業者を特定する識別情報IDに対応させてバックホール通信部26が複数並行して設けられている。
識別情報IDは、移動体通信事業者を特定する固有情報であり、例えば、公衆陸上移動体ネットワーク番号PLMN(Public Land Mobile Network)番号を利用可能である。PLMN番号は、3桁の国番号と事業者と特定する2-3桁のネットワーク番号で構成される。但し、識別情報IDはPLMN番号以外の体系で付与されていてもよい。以下、簡単のために、移動体通信事業者aの識別情報をIDaというように表記する。
図3では、バックホール通信部26aが、移動体通信事業者aを特定する識別情報IDaに対応づけられたドナーセル基地局30aとの間でバックホール通信路BHaを確立し、アクセス通信部22に接続する端末装置10aが移動体通信ネットワークMNaに接続されている。また、バックホール通信部26bが、移動体通信事業者bを特定する識別情報IDbに対応づけられたドナーセル基地局30bとの間でバックホール通信路BHaを確立し、アクセス通信部22に接続する端末装置10bが移動体通信ネットワークMNbに接続されている。さらに、バックホール通信部26cが、移動体通信事業者cを特定する識別情報IDcに対応づけられたドナーセル基地局30cとの間でバックホール通信路BHcを確立し、アクセス通信部22に接続する端末装置10cが移動体通信ネットワークMNcに接続されている。このように、事業が許可されている任意の移動体通信事業者xについて特定のバックホール通信路BHxを確立可能なバックホール通信部26xを設けることが可能である。
なお、バックホール通信部26の各々には、接続先の制限手段が設けられている。接続先の制限手段とは、特定の移動体通信業者のみ接続を許可し、他の移動体通信事業者への接続を禁止する機能を有する。このような制限手段の代表例として、SIM(Subscriber Identity Module)が挙げられる。
SIMには、特定の移動体通信事業者xを特定するための識別情報IDxが割り振られている。SIMは、各々に割り振られている識別情報IDxによって特定される移動体通信事業者xの運用する移動体通信ネットワークMNxにしか接続できず、他の移動体通信事業者yの運用する移動体通信ネットワークMNyへの接続が制限される。本実施形態では、バックホール通信部26a、26b、及び26cの各々に設けられたSIMには識別情報IDa、IDb、及びIDcが割り振られている。これによって、バックホール通信部26a、26b、及び26cは、各々、移動体通信ネットワークMNa、MNb、及びMNcに専ら接続するようになっている。SIMは、ハードウェアであるSIMカードの形態で各バックホール通信部26に着脱可能に構成されていてもよいし、ソフトウェアであるeSIM(embedded SIM)として任意の識別情報IDxを設定するように構成されていてもよい。
SIMカードは、標準SIM、micro SIM、nano SIMといった各種形態で提供される。異なる識別情報IDが割り振られたSIMカードを差し替えることで、異なる移動体通信ネットワークMNに接続先を変更することが可能である。
eSIMを適用する場合には、例えば、書き換え可能なメモリカードとして、バックホール通信部26のカードリーダに装着される。遠隔地から識別情報IDを該当するバックホール通信部26のメモリカードにダウンロードすることが可能に構成される。例えば、バックホール通信部26aのメモリカードには、識別情報IDaがダウンロードされる。この操作により、バックホール通信部26aは、移動体通信ネットワークMNaに専ら接続するように設定される。eSIMによれば、メモリカードに一度特定の識別情報IDxをダウンロードして移動体通信ネットワークMNxに専ら接続するようになっていたとしても、後に他の識別情報IDyをダウンロードして書き換えて異なる移動体通信ネットワークMNyに専ら接続するように変更することが可能である。
図4を参照して、分割統合部24の機能を説明する。図4に示すように、分割統合部24は、アクセス通信部22と複数のバックホール通信部26との間に設けられる。
分割統合部24は、アクセス通信部22から提供されたアップリンクデータを当該アップリンクデータに含まれる識別情報IDxに対応付けられたバックホール通信路BHxを確立しているバックホール通信部26xに供給する。具体的には、分割統合部24の識別情報判定部242がアップリンクデータに含まれている識別情報IDxを参照する。そして、当該識別情報IDxが付されているパケットデータのブロックを対応するバックホール通信部26xに供給する。この動作により、統合データCDが移動体通信事業者ごとの分割データSDに仕分けされることになる。
また分割統合部24は、1以上のバックホール通信路BHからのダウンリンクデータを順次アクセス通信部22に供給する。具体的に、バックホール通信部26により受信されて転送されてくるパケットデータを到着順にブロック毎に統合して統合データCDを生成する。この動作により、各移動体通信事業者から個別に送信されてきたパケットデータのブロックが統合されることになる。
図5Aを参照して、アップリンクデータの分割動作を説明する。図5Aは、端末装置10b、10a、10cからこの順番で送信されたパケットデータのブロックACb,ACa、ACcが連結された統合データCDをバックホール通信路BHに分割して供給する場合を示している。各端末装置10からのパケットデータのブロックには、対応する移動体通信事業者を特定する識別情報IDb、IDa、IDcが付されている。分割統合部24は、記憶部204(図2参照)に、到着順にパケットデータのブロックを書き込んでいく。そして、分割統合部24は、記憶部204の機能により、書き込まれた順番でパケットデータのブロックを読み出す。読み出されたパケットデータのブロックは、識別情報IDxに応じて移動体通信事業者xごとに仕分けされた分割データSDxとして、バックホール通信部26xに供給される。供給された分割データSDxは、バックホール通信路BHxを介して対応する移動体通信ネットワークMNxに送信される。
図5Bを参照して、ダウンリンクデータの統合動作を説明する。図5Bは、移動体通信ネットワークMNa、MNc、MNbからこの順番でパケットデータのブロックがそれぞれのバックホール通信路BHa、BHc、BHb経由でバックホール通信部26a、26c、26bに供給された場合を示している。それぞれのパケットデータのブロックには、対応する移動体通信事業者を特定する識別情報IDa、IDc、IDbが付されている。各バックホール通信部26a、26c、26bは、到着順にパケットデータのブロックを出力する。分割統合部24は、出力順にパケットデータのブロックを記憶部204に書き込む。そして、分割統合部24は、記憶部204の機能により、書き込まれた順番でパケットデータのブロックを読み出し、統合データCDとしてアクセス通信部22へ出力する。アクセス通信部22は、共通する周波数帯域で順次パケットデータのブロックを送信する。各端末装置10a、10c、10bは、同一の周波数帯域で提供される全てのパケットデータを参照可能であるが、識別情報IDxにより自ら契約する移動体通信事業者xのために仕向けられたパケットデータのブロックのみを識別して受信する。
(作用効果)
本実施形態1の中継装置20によれば、バックホール通信部26xが複数の移動体通信事業者に対してバックホール通信路を確立するように構成されているので、スペース及び設備上の無駄を抑制可能である。
<実施形態2>
本実施形態2は、上記実施形態1で説明した中継装置の変形例に係る。図6に実施形態2に係る中継装置のブロック図を示す。本実施形態2は、中継装置の変形に関するため、図6ではその他の構成要素は図示を省略してある。
図6に示すように、本実施形態2に係る中継装置20Bは、無線通信BH−r及び有線通信BH−cの双方を利用可能に構成されている点で上記実施形態1と異なる。有線通信BH−cはバックホール通信部26Bを経由せず、分割統合部24に直接接続されている。有線通信BH−cは移動体通信事業者ごとに設けてもよいし、複数の移動体通信業者に対して共通に一つ設けてもよい。アクセス通信部22及び分割統合部24の構成及び動作については上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
バックホール通信部26Bは、バックホール通信路BHとして、無線通信BH−rと有線通信BH−cを選択的に利用可能に構成されている。図6では、移動体通信事業者aに対応づけられたバックホール通信部26Baが、無線通信BHa−r及び有線通信BHa−cを選択的に確立可能になっている。また移動体通信事業者bに対応づけられたバックホール通信部26Bbが、無線通信BHb−r及び有線通信BHb−cを選択的に確立可能になっている。
無線通信BH−rは、パケットデータを所定の周波数帯域の搬送波で所定の変調方式で変調した電磁波として伝送する通信形態である。有線通信BH−cは、通信ケーブル、光ファイバその他の空中線以外の物理的な信号伝送路でパケットデータを伝送する通信形態である。パケットデータは所定の変調方式に従って所定の周波数帯域の搬送波で変調されていてもよい。
無線通信BH−r及び有線通信BH−cは、どちらか一方を選択して利用することも双方を選択して同時に利用することも可能に構成されている。無線通信BH−r及び有線通信BH−cの利用態様によって、以下の3態様に分けられる。
(第1の態様)
第1の態様は、バックホール通信路BHとして、無線通信BH−r及び有線通信BH−cのうちいずれか一方を選択する態様である。
通信路の選択は、個々の中継装置20Bの設置環境に応じて判断すべきである。無線通信は通信ケーブル等の物理的な信号伝送路の配線が不要という利点がある一方、屋内の奥深く等のマクロセル基地局から電波が届きにくい環境下ではバックホール通信路の形成が困難である。有線通信は、信号伝送路の配線が必要ではあるが、配線さえされていれば安定的に高速・広帯域の伝送が可能であるという利点がある。
従って、無線通信BH−rを選択することを原則としながらも、中継装置20Bがマクロセル基地局からの電波が届きにくい環境下に設置されている場合に有線通信BH−cを選択するように設定することが可能である。このような選択ルールに従って制御するように構成しておけば、どのような通信環境であってもバックホール通信路BHを確実に確立することができる。
(第2の態様)
第2の態様は、バックホール通信路BHとして、無線通信BH−r及び有線通信BH−cのうちいずれか一方を選択した場合であってバックホール通信路BHの確立に失敗したときに無線通信BH−r及び有線通信BH−cのうちいずれか他方を選択する態様である。
当該態様は、無線通信BH−r及び有線通信BH−cのどちらか一方の補完として他方を用いる、いわゆるバックアップ機能を持たせる態様である。当該態様では、無線通信BH−r及び有線通信BH−cの一方を選択しながら他方を即時に選択して利用可能な、いわゆるホットスタンバイ状態として機能される。
例えば、原則無線通信BH−rを選択する場合には、無線通信状態が悪化したりマクロセル基地局の故障や保守などで一時的に無線通信が利用できない状態になったりしたときに有線通信BH−cに切り替える。逆に、原則有線通信BH−cを選択する場合には、通信ケーブルの断線や保守等で一時的に有線通信が利用できない状態になったときに無線通信BH−rに切り替える。このような選択ルールに従って制御するように構成しておけば、無線通信BH−r及び有線通信BH−cの一方に障害が生じたとしても他方への選択切替によってバックホール通信路BHを即時にかつ継続的に確立することができる。
(第3の態様)
第3の態様は、バックホール通信路BHとして、無線通信BH−r及び有線通信BH−cの双方を同時に選択して双方のバックホール通信路BHを確立可能に構成する態様である。
当該態様は、無線通信BH−r及び有線通信BH−cの双方を用いることによって通信路のトラフィックを最大限に確保する広帯域化を図れる態様である。マクロセル基地局は他の中継装置20や端末装置10などの無線通信装置とも接続可能である。このため、無線通信BH−rを選択している場合であっても、他の無線通信装置とのトラフィックが増えると、当該無線通信BH−rの帯域が狭くなってしまう場合がある。この点、当該態様に従って制御するように構成しておけばよれば、無線通信BH−r及び有線通信BH−cの双方を同時に選択するので一定の帯域を確保し続けることが可能となる。
(有線通信の回線数)
ここで、上記各態様において、中継装置20Bが提供可能なバックホール通信路BHの数N(Nは自然数)に対して有線通信BH−cをn回線(nはNより少ない自然数)設けることは妥当である。上記各態様において説明したように、無線通信BH−rを原則的に選択するようにしている場合、有線通信BH−cは不測の事態へのバックアップ回線としての位置づけとなる。このような不測の事態が生じる確率は通常低いと考えられるので、一つの無線通信BH−rに対して一つの有線通信BH−cを設けることは経済的とは言えない。
例えば、無線通信の回線数Nに対して有線通信を回線数n(n<N)だけ設けるものとすれば、回線のバックアップ体制を整えながらもコストダウンを図ることができる。
<実施形態3>
本実施形態3は、本実施形態の中継装置を導入した場合に、コアネットワーク側に生じうる不都合に対処するための移動体通信システムの改良に関する。
(不都合の説明)
まず、複数のバックホール通信部により複数の移動体通信事業者の運用する移動体通信ネットワークに接続した場合に生じうる不都合について説明する。
移動体通信ネットワークにおいて通信網を維持管理するために必要なパラメータとして、世界的に唯一無二の固有なパラメータであるグローバル・パラメータと移動体通信ネットワーク内部においてのみ固有であればよいローカル・パラメータとが存在する。例えば、特定の移動体通信事業者によって運用される基地局を特定する識別情報は、ローカル・パラメータである。またこのような基地局によって形成されるサービスエリアであるセルを特定する識別情報もローカル・パラメータである。このようなローカル・パラメータをグローバル・パラメータとするために、ローカル・パラメータである基地局やセルの識別情報に移動体通信事業者を特定する識別情報を組み合わせて、グローバル・パラメータとすることになっている。グローバル・パラメータを設定することで、いずれの移動体通信事業者が運営する移動体通信ネットワークからもこのグローバル・パラメータを参照して、これら基地局やセルの管理や制御が可能となる。
例えば、LTE規格では、基地局を特定する識別情報をeNB-IDとした場合、当該識別番号に移動体通信事業者を特定する識別情報MN-IDを加えたMN-ID+eNB-IDをグローバル・パラメータGlobal_eNB−IDとして設定する。実際には、移動体通信事業者を特定する識別情報はPLMN番号であるため、基地局を特定する識別情報のグローバル・パラメータは、PLMN+eNB−IDとなる。簡単のために、移動体通信事業者aを特定する識別情報をIDaと表記すると、基地局を特定する識別情報のグローバル・パラメータは、IDa+eNB−IDと表記される。
同様に、このような基地局によって形成されるセルを特定する識別情報をCell-IDとした場合、グローバル・パラメータはMN-ID+eNB-ID+Cell−IDとなる。移動体通信事業者aについてのセルを特定する識別情報のグローバル・パラメータは、IDa+eNB−ID+Cell−IDと表記される。
さて、移動体通信事業者が運用する個々の移動体通信ネットワークでは、パラメータに付与される移動体通信事業者を特定する識別情報を参照して、当該パラメータが自らの移動体通信ネットワークのものであるか否かを判断する。例えば、移動体通信事業者xが運用する移動体通信ネットワークMNxでは、パラメータに自らの移動体通信事業者を特定する識別情報IDxが付されていれば、当該パラメータを参照して必要とされる管理・制御を実行するようになっている。
ここで、基地局を特定するグローバル・パラメータは、固有情報であるとの性格から一つの基地局に対して一つだけしか付与されない。上記実施形態における中継装置20は一つの基地局とみなされるので、唯一つのグローバル・パラメータが付与される。基地局を特定するグローバル・パラメータは、上述したように、移動体通信事業者を特定する識別情報を含んで設定される。中継装置20は複数の移動体通信事業者に接続するが、中継装置20を特定するグローバル・パラメータは一つに定めなければならない。このため、いずれか一つの移動体通信事業者を特定する識別情報のみを付与してグローバル・パラメータとせざるを得ない。実際には、上位に位置づけられるPLMN番号が中継装置20のグローバル・パラメータを設定するために使用される。例えば、本実施形態において、上位の移動体通信事業者を特定する識別情報をIDaとすると、識別情報eNB−IDを有する中継装置20のグローバル・パラメータは、IDa+eNB−IDとなる。
ところが、上述したように、個々のコアネットワークでは、パラメータに付与されている識別情報IDを参照して、それぞれのコアネットワークで管理・制御すべきパラメータであるかを判断する。このため自分以外の移動体通信事業者の識別情報IDを含んで設定された中継装置20のグローバル・パラメータは無視されてしまう。図1において説明した移動体通信システム100を例にとれば、中継装置20は、グローバル・パラメータとしてIDa+eNB−IDが付与されているので、移動体通信事業者aの移動体通信ネットワークMNaでは識別されるが、移動体通信事業者bの移動体通信ネットワークMNbでは無視されてしまう。本実施形態3に係る移動体通信システムは、このような不都合に対処するものである。
(構成の説明)
図7のブロック図を参照しながら、本実施形態3に係る移動体通信システムを説明する。図7に示すように、本実施形態3に係る移動体通信システム100Bは、第1の移動体通信ネットワークMNaと、第2の移動体通信ネットワークMNbと、第1の移動体通信ネットワークMNa及び第2の移動体通信ネットワークMNbに接続する中継装置20と、管理サーバ80と、を備える。中継装置20は、上記実施形態で説明した中継装置と同様の構成を備える。
本実施形態では、第1の移動体通信ネットワークMNaは、当該ネットワークMNaを運用する移動体通信事業者MNOaを特定するために第1の識別情報IDaが割り当てられ、第1の識別情報IDaを含むパラメータのみを認識するものとする。同様に、第2の移動体通信ネットワークMNbは、当該ネットワークMNbを運用する移動体通信事業者MNObを特定するために第2の識別情報IDbが割り当てられ、第2の識別情報IDbを含むパラメータのみを認識するものとする。
第1の移動体通信ネットワークMNaは、第1コアネットワーク40aと第2コアネットワーク60aとの間に仮想基地局装置50aを備える点で、前述の実施形態1で説明した移動体通信ネットワークMNaと異なる。第2の移動体通信ネットワークMNbは、第1コアネットワーク40bと第2コアネットワーク60bとの間に仮想基地局装置50bを備える点で、前述の実施形態1で説明した移動体通信ネットワークMNbと異なる。ただし、仮想基地局装置50a及び仮想基地局装置50bの設置位置は、これに限られない。例えば、仮想基地局装置50aは、第1の移動体通信ネットワークMNaの他のロケーションに設けられていてもよい。仮想基地局装置50bは、第2の移動体通信ネットワークMNbの他のロケーションに設けられていてもよい。また、仮想基地局装置50a及び仮想基地局装置50bは、中継装置20に付属して設けられていてもよい。
仮想基地局装置50a及び50bは、いずれもコンピュータ装置としての構成を備える。以下、特に限定しない場合には、仮想基地局装置50a及び50bを単に仮想基地局装置50と表記する。仮想基地局装置50は、所定のソフトウェアプログラムを実行することにより、次のような機能を実現する。
仮想基地局装置50aが実行する機能は、第1の移動体通信ネットワークMNaに割り当てられた第1の識別情報IDaを含むパラメータを認識する機能と、第2の移動体通信ネットワークMNbに割り当てられた第2の識別情報IDbを含むパラメータを第1の識別情報IDaを含むパラメータに変換する機能である。仮想基地局装置50bが実行する機能は、第2の移動体通信ネットワークMNbに割り当てられた第2の識別情報IDbを含むパラメータを認識する機能と、第1の移動体通信ネットワークMNaに割り当てられた第1の識別情報IDaを含むパラメータを第2の識別情報IDbを含むパラメータに変換する機能である。仮想基地局装置50は、管理サーバ80に管理される変換テーブル52を参照して上記機能を実現する。
管理サーバ80は、第1の移動体通信ネットワークMNa、第2の移動体通信ネットワークMNb、及び中継装置20と通信可能に移動体通信システム100Bのいずれかか、図示されていないその他のロケーションに設置されている。管理サーバ80は、中継装置20に接続状況を参照し、接続している1以上の移動体通信ネットワークMNのそれぞれに割り当てられた識別情報IDを取得する。そして管理サーバ80は、中継装置20のアクセス通信部22で使用するパラメータ、移動体通信ネットワークMNaで使用するパラメータ、移動体通信ネットワークMNbで使用するパラメータを相互に変換するための変換テーブル52を更新可能に保持する。上位の移動体通信ネットワークMNaで使用するパラメータは中継装置20のアクセス通信部22で使用するパラメータと同じ場合もある。
図7の例では、変換テーブル52は、仮想基地局装置50aから参照することが可能なように、アクセス通信部22で使用するパラメータと移動体通信ネットワークMNaで使用するパラメータとを相互に変換するための情報を格納する。また変換テーブル52は、仮想基地局装置50bから参照することが可能なように、アクセス通信部22で使用するパラメータと移動体通信ネットワークMNbで使用するパラメータとを相互に変換するための情報を格納する。管理サーバ80は、中継装置20に接続する移動体通信ネットワークMNの編成に変更があった際に変更後の接続状況を参照し、変換テーブル52を更新するようになっている。管理サーバ80はOAM(Operations, Administration, Maintenance)とも表記される。
仮想基地局装置50、変換テーブル52、管理サーバ80以外の構成については、上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
(動作の説明)
図7の移動体通信システム100Bにおいて、中継装置20には、当該中継装置20を基地局として特定するためのグローバル・パラメータとしてIDa+eNB−IDが付与されているものとする。移動体通信事業者aの運用する移動体通信ネットワークMNaでは、グローバル・パラメータに含まれるIDaは自らの移動体通信事業者aの識別情報であるため問題なく認識される。ところが、同じ中継装置20に接続される移動体通信事業者bの運用する移動体通信ネットワークMNbでは、中継装置20を特定するグローバル・パラメータに自らの移動体通信事業者bを特定する識別情報IDbが含まれていないので無視されてしまう。
この点、本移動体通信システム100Bでは、管理サーバ80が予め中継装置20の接続状況を参照し、現在移動体通信ネットワークMNaと移動体通信ネットワークMNbが接続されていることを検出し、第1の識別情報IDaを含むパラメータと第2の識別情報IDbを含むパラメータとの間でのパラメータの変換を可能にするための変換テーブル52を準備している。仮想基地局装置50bは、変換テーブル52を参照して、第1コアネットワーク40b側から供給されたグローバル・パラメータに含まれている第1の識別情報IDaを第2の識別情報IDbに書き換えてから第2コアネットワーク60bに供給する。第2コアネットワーク60bは、仮想基地局装置50bから提供されたグローバル・パラメータが自らの第2の識別情報IDbを含んでいるので、自ら管理・制御すべき基地局として中継装置20を認識できることになる。
また、第2コアネットワーク60b側から中継装置20に向けて送出されるグローバル・パラメータには第2の識別情報IDbが含まれるが、仮想基地局装置50bが同様に変換テーブル52を参照して、グローバル・パラメータに含まれる第2の識別情報IDbを第1の識別情報IDaに書き換えてから、第1コアネットワーク40b側に提供する。従って、中継装置20は、第1の識別情報IDaを含むこのグローバル・パラメータを正しいものとして認識する。
なお、移動体通信ネットワークMNが自らの識別情報を含むパラメータのみならず、他の識別情報を含むパラメータを認識可能に構成されていれば、上述した仮想基地局装置50及び変換テーブル52は不要である。具体的には、第1の移動体通信ネットワークMNaは、自らの移動体通信ネットワークMNaに割り当てられた第1の識別情報IDaを含むパラメータを認識する機能の他に、他の移動体通信ネットワークMNbに割り当てられた第2の識別情報IDbを含むパラメータを認識する機能を備えていてもよい。第2の移動体通信ネットワークMNbは、自らの移動体通信ネットワークMNbに割り当てられた第2の識別情報IDbを含むパラメータを認識する機能の他に、他の移動体通信ネットワークMNaに割り当てられた第1の識別情報IDaを含むパラメータを認識する機能を備えていてもよい。
また、図7では、移動体通信ネットワークMNaと移動体通信ネットワークMNbのみを記載したが、無論、その他一つまたは複数の移動体通信ネットワークMNxが存在してもよい。その他の移動体通信ネットワークMNxにおいても、同様に、仮想基地局装置50xが設けられる。そして、各移動体通信ネットワークMNxに設けられる仮想基地局装置50xは、当該移動体通信ネットワークMNxに割り当てられた識別情報IDxを含むパラメータを他の移動体通信ネットワークMNyに割り当てられた識別情報IDyを含むパラメータに変換する機能、及び、他の移動体通信ネットワークMNyに割り当てられた識別情報IDyを含むパラメータを当該移動体通信ネットワークMNxに割り当てられた識別情報IDxを含むパラメータに変換する機能を有する。さらに、仮想基地局装置50xは、認識情報IDxの変換だけではなく、認識情報IDxを含む全パラメータを全て変換する機能を持たせてもよい。
(初期設定の説明)
図8のシーケンス図を参照して、本実施形態3に係る移動体通信システム100Bの初期動作を説明する。当該初期動作は、中継装置20を設置して電源を立ち上げ、バックホール通信路の確立が完了したのちに実行されるものである。
ステップST11a及びST11bにおいて、中継装置20は自らをコアネットワーク側に認識させる設定要求S1SetupReuestをバックホール通信部26a及び26bを通じて移動体通信ネットワークMNa及びMNbに送出する。この設定要求には、中継装置20を特定するグローバル・パラメータとしてIDa+eNB−IDが含まれる。管理サーバ80は、中継装置20の接続状況を参照して、移動体通信ネットワークMNa及びMNbに接続されることを認識し、移動体通信ネットワークMNb側の仮想基地局装置50bから参照可能なように変換テーブル52を設定する。
ステップST12において、移動体通信ネットワークMNa側の仮想基地局装置50aは、管理サーバ80により特段識別情報の変換が指定されていないので、上記グローバル・パラメータは第2コアネットワーク60aに提供される。ステップST13において、第2コアネットワーク60aはこれに対して設定応答S1SetupReponseを返信する。ステップST14において、これを受けた仮想基地局装置50aは、管理サーバ80により特段識別情報の変換が指定されていないので、当該設定応答をそのまま中継装置20に提供する。
ステップST15において、移動体通信ネットワークMNb側の仮想基地局装置50bは、ステップST11bで送出されていた設定要求を参照する。仮想基地局装置50bは、管理サーバ80により変換テーブル52が設定されているので、設定要求に含まれていたグローバル・パラメータIDa+eNB−IDをIDb+eNB−IDに変換して第2コアネットワーク60bに提供する。偶然にもeNB−IDが移動体通信ネットワークMN側で使われていた場合にはIDb+eNB−IDbに変換する場合もある。ステップST16において、第2コアネットワーク60bはこれに対して設定応答S1SetupReponseを返信する。
ステップST17において、コアネットワーク60aの仮想基地局装置50aは、位置情報更新MMEConfigurationUpdateを中継装置20に送信する。ステップST18において、中継装置20は、移動体通信ネットワークMNaに対して位置情報更新応答MMEconfigurationUpdateAcknowledgeを返信する。
ステップST19において、コアネットワーク60bの仮想基地局装置50bは、位置情報更新MMEConfigurationUpdateを中継装置20に送信する。ステップST20において、中継装置20は、移動体通信ネットワークMNbに対して位置情報更新応答MMEconfigurationUpdateAcknowledgeを返信する。
以上の処理により、第1の移動体通信ネットワークMNaにおいても第2の移動体通信ネットワークMNbにおいても中継装置20が適切にスモールセル基地局として登録され、上記実施形態の中継装置として機能可能となる。
本実施形態3によれば、管理サーバ80が予め中継装置20の接続状況を参照し、アクセス通信部22で使用するパラメータと移動体通信ネットワークMNで使用するパラメータとを相互に変換するための変換テーブル52を準備する。よって、いずれの移動体通信ネットワークMNにおいても、グローバル・パラメータが適切に変換され認識可能となる。
<その他の実施の形態>
以上のとおり本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の開示に限定されるものと理解するべきではない。本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
具体的には、上記各実施形態では、通信規格がLTEであることを前提として記載したが、これに限られない。例えば、LTEの後継規格となる5Gなどでも、本願発明を適用することが可能である。
10…端末装置、20、20B…中継装置、22…アクセス通信部、24…分割統合部、26,26B…バックホール通信部、30…ドナーセル(マクロセル)基地局、40…第1コアネットワーク、50…仮想基地局装置、52…変換テーブル、60…第2コアネットワーク、70…外部ネットワーク、80…管理サーバ、100、100B…移動体通信システム、MN…移動体通信ネットワーク

Claims (7)

  1. 端末装置とドナーセル基地局との間の通信を中継する中継装置前記中継装置が接続する複数のドナーセル基地局それぞれに対応する移動体通信ネットワークと、を含む移動体通信システムであって、
    前記中継装置は、
    1以上の端末装置と接続するアクセス通信部と、
    特定の識別情報に対応付けられたドナーセル基地局との間で前記特定の識別情報に対応付けられたバックホール通信路を各々確立する複数のバックホール通信部と、を備え、
    前記特定の識別情報に対応づけられた前記端末装置を前記特定の識別情報に対応付けられた特定のバックホール通信路と接続
    前記移動体通信ネットワークは、
    自らの移動体通信ネットワークに割り当てられた第1の識別情報を含むパラメータを認識する機能と、
    他の移動体通信ネットワークに割り当てられた第2の識別情報を含むパラメータを前記第1の識別情報を含むパラメータに変換する機能と、
    を有する仮想基地局装置を備える、
    移動体通信システム
  2. 前記アクセス通信部と前記複数のバックホール通信部との間に分割統合部をさらに備え、
    前記分割統合部は、
    前記アクセス通信部からのアップリンクデータを当該アップリンクデータに含まれる識別情報に対応付けられたバックホール通信路を確立しているバックホール通信部に供給し、
    1以上の前記バックホール通信路からのダウンリンクデータを順次統合して前記アクセス通信部に供給する、
    請求項1に記載の移動体通信システム
  3. 無線通信及び有線通信のうちいずれか一方を選択して前記バックホール通信路を確立可能に構成されている、
    請求項1または2に記載の移動体通信システム
  4. 前記無線通信及び前記有線通信のうちいずれか一方を選択した場合であって前記バックホール通信路の確立に失敗したときに前記無線通信及び前記有線通信のうちいずれか他方を選択する、
    請求項3に記載の移動体通信システム
  5. 無線通信及び有線通信の双方を同時に選択して双方の前記バックホール通信路を確立可能に構成されている、
    請求項1または2に記載の移動体通信システム
  6. 前記仮想基地局装置は、
    前記第2の識別情報を含むパラメータを前記第1の識別情報を含むパラメータに変換するための変換テーブルを格納する管理サーバに接続して前記変換テーブルを参照する機能をさらに有する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の移動体通信システム。
  7. 端末装置とドナーセル基地局との間の通信を中継する中継装置と、前記中継装置が接続する複数のドナーセル基地局それぞれに対応する移動体通信ネットワークと、を含む移動体通信システムを制御する方法であって、
    前記中継装置が、
    1以上の端末装置と接続するステップと、
    特定の識別情報に対応付けられたドナーセル基地局との間で前記特定の識別情報に対応付けられたバックホール通信路を各々確立するステップと、
    前記特定の識別情報に対応づけられた前記端末装置を前記特定の識別情報に対応付けられた特定のバックホール通信路と接続するステップと、を実行し、
    前記移動体通信ネットワークに含まれる仮想基地局装置が、
    自らの移動体通信ネットワークに割り当てられた第1の識別情報を含むパラメータを認識するステップと、
    他の移動体通信ネットワークに割り当てられた第2の識別情報を含むパラメータを前記第1の識別情報を含むパラメータに変換するステップと、を実行する、
    法。
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