以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、遊技機の概略構成について説明する。なお、以下では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
また、本実施の形態のスロットマシンXにおいては、使用される正規のメダルは、φ30(直径約30mm)、厚さ約1.7mmのものとする。また、以下の説明において、単に「メダル」と言った場合には、基本的に正規のメダル(φ30のメダル)を意味するものとする。なお、メダルは、例えばφ25のもの(例えば、直径約25mm、厚さ約1.6mm)等の異なるサイズのものを使用するものとしてもよい。また、φ30とは異なるサイズのメダルを使用する場合には、メダルが通過する部分のサイズを、メダルのサイズの比に応じて適宜変更して設計することが好ましい。
図1はスロットマシンXを示す斜視図である。このスロットマシンXは、筐体1を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、図示は省略するが、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット等が設けられている。
また、筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられている。
筐体1内には、図示は省略するが、リールユニットや基板ユニット等が設けられている。リールユニットは、周囲に複数の図柄を表示した3個の回転リールと、回転リールを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)を有している。また、基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、基板ユニットは、スロットマシンXの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
図1に示すように、前扉3の上部中央には、平板状のパネル4が設けられている。また、パネル4は、その中央部に形成された透明な表示窓5と、表示窓5を囲うように形成され、絵柄が描かれた(印刷された)意匠部6とを備えている。
表示窓5の奥には、前記3個の回転リールが横一列に設けられている。そして、表示窓5を通して回転リールの一部が視認可能となっている。各回転リールの外周面には複数種類の図柄が配列されており、回転リールが停止すると表示窓5を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。そして、3個の回転リールが停止したときに表示窓5を通して表示される図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
意匠部6の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって意匠部6に描かれた絵柄が背後から照らされるようになっている。また、前扉3のパネル4の上部には、報知や演出などを行うための照明装置7が設けられている。また、前扉3の左右両端部には、報知や演出などを行うための照明装置8,8が設けられている。
また、前扉3は、筐体1にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口部を開閉するようになっている。
なお、前扉3は、上側部分と下側部分とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシンXは、遊技店における機種の交換時に筐体1、前扉3の下側部分および筐体1内の電源ユニットやホッパーユニット等が遊技店の島設備に取り付けられたままで、前扉3の上側部分およびリールユニット等が交換可能ないわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。
また、前扉3の上下方向中央部には、スロットマシンXを操作するための操作部10が設けられている。操作部10には、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ11、遊技を開始させるためのスタートレバー12、3個の回転リールそれぞれの回転を停止させるための3個のストップボタン13、メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口41、メダル投入口41の下方で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン、1枚のメダルをゲームに投資するときに操作される1ベットボタン15、最大数の3枚のメダルをベットするときに操作されるMAXベットボタン16(ベットボタン)等が設けられている。
MAXベットボタン16は、上方を向くように配置されており、上方から下方に向かって押し込まれるように形成されている。MAXベットボタン16を動作させるために必要な力(以下、操作力という)は、約1.0Nとなっている。また、MAXベットボタン16は、押圧部と弾性部材とを備えている。押圧部は、遊技者の指等によって押し込み操作される部材であり、樹脂等で形成されている。また、押圧部は、弾性部材によって上方に付勢されている。弾性部材は、押圧部を付勢するとともに、押圧部が押し込み操作された場合には付勢力に抗して弾性変形するように形成されている部材であり、ばね等が用いられている。
また、ストップボタン13は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。ストップボタン13の操作力は、約0.7Nとなっている。すなわち、ストップボタン13の操作力は、MAXベットボタン16の操作力よりも小さくなっている。
また、ストップボタン13は、MAXベットボタン16と同様に、押圧部と弾性部材とを備えており、ストップボタン13は、弾性部材によって前方に付勢されている。
また、既述のとおり、MAXベットボタン16の操作力は約1.0Nとなっている。すなわち、押圧部を押し込んで弾性部材を弾性変形させ、MAXベットボタン16が備えるセンサからスイッチON信号(ボタンが押された旨の信号)が出力される位置まで押圧部を移動させるのに必要な荷重(センサ検知荷重)が約1.0Nとなっている。本実施の形態の遊技機においては、センサには、フォトセンサが用いられているが、押圧部の押し込みを検知できるものであればその他のセンサを用いてもよい。フォトセンサは、例えば、押圧部の押し込みによって動く検出物体によって、発光素子から受光素子に向かう光が変化したことを検知すると、スイッチON信号を出力するようになっている。押圧部は、センサ検知荷重より大きな荷重が加えられると、弾性部材を弾性変形させながらさらに移動し、メカストッパーに当接して停止するようになっている。ストップボタン13(操作力約0.7N)についても同様である。
ここで、本実施の形態の遊技機における基本的な遊技の流れを説明する。遊技者がMAXベットボタン16を押下すると、クレジットされたメダルが投入(ベット)され、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、遊技者が遊技を開始する操作としてスタートレバー12を押下する操作を行うと、回転リールが回転を始め、回転リールの回転速度が所定の速度まで上昇するとストップボタン13の押下操作が有効な状態となる。その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタン13を押下していくと、各回転リールが停止する。そして、すべての回転リールが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
上記から明らかなように、ストップボタン13は、遊技毎に回転リールの数に応じた複数個押下する必要がある。このとき、ストップボタン13の操作力が、MAXベットボタン16の操作力よりも小さく設定されていることにより、遊技者は、ストップボタン13の操作に関して軽くて心地よい操作フィーリングを得ることができるとともに、テンポよくすべてのストップボタン13を押下することが可能となる。したがって、遊技者は快適に遊技を行うことが可能となり、遊技性が向上する。また、このように使用頻度の高いストップボタン13の操作力が小さく設定されていることにより、遊技者の疲労の蓄積が軽減され、遊技性が向上する。
また、MAXベットボタン16は、遊技を開始するための操作に用いられることや、上から叩くようにして操作することが可能であることから、強い力で操作されることも多いが、ストップボタン13よりも操作力が大きく設定されていることにより、遊技者は適度に押しごたえのある操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
また、前扉3の下端部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿18とが形成されている。また、操作部10とメダル受け皿18との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル20が設けられている。また、下パネル20の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル20が背後から照らされるようになっている。
次に、前記メダル投入口41を備えるメダル投入ユニット30について説明する。メダル投入ユニット30は、図2に示すように、メダル投入部31と、メダルを選別するセレクタ33と、メダル投入部31から投入されたメダルをセレクタ33へ導くメダル通路35と、センサユニット37と、Rシュート39と、を備えている。
メダルは、メダル投入部31のメダル投入口41から投入され、メダル通路35を通過して、セレクタ33に到達する。そして、セレクタ33では、メダルの選別が行なわれる。具体的には、メダルが正規のメダルの場合には、このメダルはRシュート39に向けて流され、Rシュート39を通ってホッパーユニットに到達する。一方、既定の大きさとは異なる大きさのメダルや、不適切なタイミングで投入されたメダルは、非正規のメダルとして、前記メダル払い出し口からメダル受け皿18に排出されるように導かれる。
メダル投入部31は、メダル投入口41と、メダル制止壁42(壁部)と、メダルガイド部43と、を備えており、金属(例えば、ステンレス鋼等)により成形されている。メダルガイド部43は、メダルをメダル投入口41に案内するための部分であり、メダル投入口41に向かって前後に延びる断面円弧状の溝となっている。また、メダル制止壁42は、メダルガイド部43に沿って移動させたメダルを衝突させて、メダルの前後方向への動きを止め、メダルがメダル投入口41から投入されるようにするためのものであり、壁面をメダル投入口41側に向けている。また、メダル制止壁42は、メダルガイド部43の後端からメダル1枚分の厚さよりも僅かに離れて配置されている。メダル投入口41は、メダルガイド部43と、メダル制止壁42との間に形成された左右に長いスリット状の孔である。そして、遊技者が、メダルガイド部43に沿ってメダルをメダル制止壁42側に移動させ、メダルがメダル制止壁42に当接した状態でメダルを離すことで、メダルがメダル投入口41から投入されるようになっている。
また、メダル投入口41は、平面視において矩形状となっており、短辺(前後方向)の長さがメダル1枚分の厚さよりも僅かに長くなっているとともに、長辺(左右方向)の長さがメダルの直径よりも僅かに長くなっている。また、メダル投入口41の短辺の長さは、メダル2枚分の厚さよりも短くなっている。
また、メダル制止壁42は、図3に示すように、メダル投入口41から投入されたメダルをメダル通路35へと導く投入口側メダル通路45の後面を構成している(図9参照)。また、メダル制止壁42は、その上部がメダル投入口41の後端から上方に延出している。また、メダル制止壁42の上縁は、左右方向において、メダル投入口41の中央部に対応する部分が上方に凸となる山なり形状となっている。そして、メダル投入口41から投入されたメダルは、投入口側メダル通路45を通過してメダル通路35に至るようになっている。
なお、以下では、メダル通路35や投入口側メダル通路45等の、メダルが通過する通路について、その断面の長辺方向(メダルの径方向に対応する方向)の長さを「幅」といい、短辺方向(メダルの厚さ方向に対応する方向)の長さを「高さ」ということとする。また、メダルが通過する通路について、メダルの裏面(メダル通路35を通過するメダルにおける後側を向く面、以下同様)に対向する面を後面といい、メダルの表面(メダル通路35を通過するメダルにおける前側を向く面、以下同様)に対向する面を前面といい、メダルの側面に対向する面(通路の前面と後面とをつなぐ面)を側面という。
投入口側メダル通路45は、上方から下方へ向かう直線状となっており、メダルが上方から下方へ向かって真っすぐ流下するようになっている。また、投入口側メダル通路45は、上方の入口から下方の出口に向かって、幅が狭くなるとともに、高さが低くなっている。また、投入口側メダル通路45の高さは、最も高い部分から最も低い部分までのどの部分においてもメダル1枚分の厚さよりも長く、メダル2枚分の厚さよりも短くなっている。
投入口側メダル通路45の下部は、メダル投入部31の下面から下方に突出する角筒状突出部47によって形成されている。また、角筒状突出部47の左前側および右後側にはそれぞれ、メダル投入部31の下面から下方に突出するボス48,48が、設けられている。また、ボス48,48は、ネジ孔を有している。また、角筒状突出部47の下端面の右前部分から下方に突出するようにして、矩形の板状の係止片49が設けられている。
メダル通路35は、レール後部材50とレール前部材51とにより形成されている(図2、図7、図9参照)。レール後部材50は、メダル通路35の後面および両側面を構成している。また、レール前部材51は、メダル通路35の前面を構成している。
メダル通路35は、入口が上方を向くとともに、出口が下方を向いた状態となっている。また、メダル通路35は、図4に示すように、入口から入ってきたメダルを、下方に向かうにつれ左方に向かうように導く第一曲部35aと、第一曲部35aから出てきたメダルを左方に向かうにつれ下方に向かうように導く第二曲部35bと、第二曲部35bから出てきたメダルを下方に導く直線部35cと、を備えている。すなわち、第一曲部35aは、メダルの進行方向において左方に向けて湾曲しており、第二曲部35bは、メダルの進行方向において下方に向けて湾曲している。換言すると、メダル通路35を通過するメダルは、第一曲部35aにおいて進行方向が下方から左方に変わり、第二曲部35bにおいて進行方向が左方から下方に変わるようになっている。また、直線部35cの下端は、メダル通路35の出口となっている。また、メダル通路35の入口と第一曲部35aとの間は、ごく短い(例えば、5mm以下の)直線路となっている。
メダル通路35の両側面は、第一曲部35aおよび第二曲部35bを形成するように湾曲した面となっている。具体的には、第一曲部35aにおいて、メダル通路35の右側面は、下方に向かうにつれて左方に湾曲する曲面となっている。また、第一曲部35aの右側面は、正面視において、略1/4円弧状となっている。また、第一曲部35aにおいて、メダル通路35の後面は略1/4円状となっている。そして、第一曲部35aは、正面視において、円の中心Pが左側面近傍(左側面上を含む)にある略1/4円状となっている。また、第二曲部35bにおいて、メダル通路35の左側面は、左方に向かうにつれて下方に湾曲する曲面となっている。また、第二曲部35bの左側面は、正面視において、略1/4円弧状となっている。また、第二曲部35bにおいて、メダル通路35の後面は略1/4円状となっている。そして、第二曲部35bは、正面視において、円の中心Qが右側面近傍(右側面上を含む)にある略1/4円状となっている。
なお、メダル通路35の入口と出口とは、メダル通路35の左右方向において、メダル1枚分以上ずれて配置されている。そして、メダル通路35がクランク形状となっていることにより、メダル投入口41からメダル通路35の深部やセレクタ33まで異物が挿入されゴト行為が行われることが防がれている。また、このようなクランク形状となるメダル通路35が、メダル投入部31とは別体のレール後部材50およびレール前部材51により作られているので、メダル投入部31の金型成形を容易にすることができる。
レール前部材51は、透明な合成樹脂により成形されている。レール前部材51は、図6および図7に示すように、板状であり、正面視において、その外形がレール後部材50の外形と略一致するようになっている。また、レール前部材51の上端部左側には、前方に突出する突出部55が設けられている。突出部55は、前方から後方に向けて切り欠いた切欠き部を備えており、この切欠き部が、下方から上方に向けてネジを挿通させるネジ挿通部55aとなっている。また、レール前部材51の上端部右側には、前方から後方に向けて断面矩形状に切り欠いた切欠き部56が形成されている。また、レール前部材51の下端部の左右両端部にはそれぞれ、ネジを挿通させるためのネジ挿通孔57,57および後方に向けて突出する突起部58,58が設けられている。また、レール前部材51の背面は、平面状となっている。
レール後部材50は、図4および図5に示すように、メダル通路35の後面を形成する背板60と、メダル通路35の右側面を形成する右側壁61と、メダル通路35の左側面を形成する左側壁62と、右側壁61または左側壁62の下端部から左右方向外側に突出するフランジ部64,64と、を備えている。また、レール後部材50は、金属(例えば、ステンレス鋼等)により一体的に成形されている。背板60は、板状であり、板面を前後方向に向けた状態となっている。また、背板60は、正面視において、前述のメダル通路35の形状(第一曲部35a、第二曲部35b、直線部35c)に沿った形状となっている。また、右側壁61および左側壁62は、背板60の右端縁または左端縁に沿って前方に突出するように形成されている。また、フランジ部64,64は、右側壁61または左側壁62の下端部と一体的に形成されている。また、フランジ部64,64の前面、右側壁61の前端面および左側壁62の前端面は、面一となっている。また、左右のフランジ部64,64それぞれには、ネジを挿通するためのネジ挿通孔65,65およびレール前部材51の突起部58が挿入される突起部挿入孔66,66が設けられている。
レール後部材50とレール前部材51とは、レール前部材51の背面が、レール後部材50のフランジ部64,64の前面、右側壁61の前端面および左側壁62の前端面と当接するとともに、突起部58,58が突起部挿入孔66,66に挿入された状態で、後述するネジ止めにより一体化されている。そして、レール後部材50の背板60と、右側壁61と、左側壁62と、レール前部材51とに囲われた空間としてのメダル通路35が形成されている。
また、背板60の両側部には、前方に突出する凸部70,70がメダル通路35の延在方向に沿って形成されている。また、右側の凸部70の幅は、右側壁61から略一定の長さとなっている。また、左側の凸部70の幅は、左側壁62から略一定の長さとなっている。すなわち、右側の凸部70と右側壁61との間には隙間がなく、左側の凸部70と左側壁62との間にも隙間がない。また、凸部70,70は、メダルの背面に接触する面である正面側の面(前面)が平らな面になっている。また、凸部70,70の内側面は、R形状となっており、丸みを帯びた形状となっている。
また、右側壁61と左側壁62とは、互いに略一定の距離を保って延在している。また、左右の凸部70,70は、メダル通路35において、互いに略一定の距離を保って延在している。
ここで、図8に示す右側壁61の内側面と左側壁62の内側面との間隔、すなわちメダル通路35の幅W1は、入口部分を除き約31.8mmとなっている。また、メダル通路35は、入口部分の幅が、入口側に向けて僅かに拡がった形状となっており、もっとも広がった部分(上端)の幅W2は約32.3mmとなっている。また、右側の凸部70と左側の凸部70との間隔W3は、約21.3mmとなっている。また、右側の凸部70の幅W4は、約5.2mmとなっている。また、左側の凸部70の幅W5は約5.2mmとなっている。換言すると、メダル通路35の幅W1は、メダルの直径よりもメダルの直径の5%〜10%分広くなっている。また、各凸部70の幅は、メダル通路35の幅の10%〜25%となっている。
なお、右側の凸部70の幅W4と、左側の凸部70の幅W5とはほぼ等しくなっているが、右側の凸部70の幅W4の方が広くなっていてもよく、左側の凸部70の幅W5の方が広くなっていてもよい。
上述の通り、メダル通路35を通過するメダルMはφ30となっている。したがって、メダルMがメダル通路35の右側に寄って、右側の側面(右側壁61)に接した状態であっても、メダルMの裏面が左側の凸部70に接触可能になっている。また、メダルMがメダル通路35の左側に寄って、左側の側面(左側壁62)に接した状態であっても、メダルMの裏面が右側の凸部70に接触可能になっている。換言すると、メダル通路35を通過するメダルMは、その裏面が常に両側の凸部70,70に当接可能な状態となっている。さらに換言すると、メダル通路35の一方の側面の任意の点から他方の側部側の凸部70までの最短距離は、メダルMの直径未満となっており、メダル通路35の他方の側面の任意の点から一方の側部側の凸部70までの最短距離は、メダルMの直径未満となっている。また、メダル通路35を通過するメダルMは、正面視において、両側の凸部70,70に対し、少なくともメダルMの直径の3%、より好ましくは5%分以上が突出するようになっている。
また、図9に示す左右の凸部70の高さH1は、約0.3mmとなっている。また、メダル通路35の高さとしての、凸部70,70とレール前部材51との間隔H2は、約2.3mmとなっている。前述の通り、メダルの厚みは約1.7mmなので、メダル通路35の高さは、メダル2枚分の厚みよりも低くなっている。また、このように、メダル通路35の高さが低くなっていることにより、メダル通路35内においてメダルが傾くことが抑えられ、左右の凸部70,70の間に形成された凹部71にメダルが接触しないようになっている。また、メダル通路35の高さは、通路のほぼ全体にわたり約2.3mmで略一定となっているが、入口部分のみ僅かに拡がった形状となっている。具体的には、レール前部材51上端のメダル通路35に対応する部分と、レール後部材50の左右の凸部70,70の上端とは、面取りされて傾斜面51a,70aが形成されており、これにより、メダル通路35は入口が拡がった形状となっている。
なお、凸部70,70は、レール前部材51に形成してもよいが、レール後部材50に形成することで、メダルを案内するレールとしての機能をレール後部材50に集約することができる。すなわち、メダル通路35を流下するメダルは、第一曲部35aの右側面に衝突して左方へと導かれるので、第一曲部35aの右側面は耐衝撃性の高い金属等により形成することが好ましい。また、凸部70,70も摩耗を抑制するために金属により形成することが好ましい。このように、メダル通路35の側面や凸部70,70等の、耐久性を高くすることが望ましい部分を金属により一体的に成形することで、メダル通路35の耐久性を高めることができる。また、レールとしての機能がレール後部材50に集約されるので、レール前部材51は、レール後部材50からメダルが飛び出るのを防ぐ蓋として機能すればよく、材料に樹脂等を採用しても問題なくなり、製造コストを低減することができる。なお、レール後部材50とレール前部材51との両方に凸部70,70を形成してもよい。この場合には、レール後部材50の凸部70,70と、レール前部材51の凸部70,70とは、互いに対向するように形成されていることが好ましい。また、レール後部材50は樹脂製であってもよく、レール前部材51は金属製であってもよい。
また、凸部70,70の代わりに、レール後部材50に、メダル通路35に沿って複数(例えば、3本)の突条を形成してもよい。この場合に、各突条は、メダル通路35の延在方向に沿って形成される。また、これら複数の突条は、互いに並行して配置される。換言すると、メダル通路35の後面に複数の溝が形成されるようにしてもよい。各突条のサイズは、例えば、幅を約2.0mm(メダル通路の幅およびメダルの直径の10%以下)、高さを約0.2mmとすることが考えられるが、これに限定されるものではない。また、各突条の上端は、凸部70,70と同様に、面取りされて傾斜面70aのような傾斜面が形成されており、メダル通路35の入口が拡がるようになっていてもよい。また、メダルMがメダル通路35の右側に寄って、右側の側面(右側壁61)に接した状態であっても、メダルMの裏面が当該複数の突条の全てに接触可能になっており、メダルMがメダル通路35の左側に寄って、左側の側面(左側壁62)に接した状態であっても、メダルMの裏面が当該複数の突条の全てに接触可能になっていることが好ましい。換言すると、メダル通路35を通過するメダルMは、その裏面が常に当該複数の突条全てに当接可能な状態となっていることが好ましい。このような構成によれば、突条が長期の使用により摩耗してしまう場合であっても、複数の突条が均等に摩耗するようになる。
また、当該複数の突条は、レール前部材51に形成してもよく、レール後部材50とレール前部材51との両方に形成してもよい。また、当該複数の突条をレール後部材50とレール前部材51との両方に形成する場合には、レール後部材50とレール前部材51とに同数の突条を設け、レール後部材50の突条それぞれと、レール前部材51の突条それぞれとを互いに対向する位置に(互いに並走するように)設けることが望ましい。このように、同数の突条を互いに対向する位置に設けることで、メダルが傾いた際に突条と突条との間にメダルが引っかかったりすることを防ぐことができるとともに、メダルが傾くこと自体効果的に防ぐことができる。
また、レール後部材50の背板60には、図4および図5に示すように、左右に長い矩形状の開口80が設けられている。また、開口80は、第一曲部35aの出口(図4および図8に二点鎖線Aで図示)近傍に設けられている。具体的には、開口80は、第一曲部35aの出口に隣接して設けられている。また、開口80の上縁は、第一曲部35aの出口の上下方向中央よりも下方であって、第一曲部35aの出口の下端よりも上方に位置している。また、開口80は、第二曲部35bの左右方向略全域にわたり形成されている。具体的には、開口80の右縁は、第一曲部35aと第二曲部35bとの境界線上に位置している。また、開口80の右縁は、左右方向の位置が、直線部35cの右側面の位置と略一致している。また、開口80の左縁は、左右方向の位置が、第二曲部35bの左端部および直線部35cの左端部と近接している。
また、開口80の下縁から上方に延びるようにして傾斜面82が形成されている。また、傾斜面82は、上方に向かうほど後方に向かうように、凸部70,70の前面に対して傾斜した平面となっている。また、傾斜面82の上縁は、第一曲部35aの出口の下端よりも上方に位置している。また、傾斜面82の下縁は、第一曲部35aの出口の下端よりも下方に位置している。
また、開口80は、第二曲部35bから直線部35cにわたって設けられている。なお、開口80は、第一曲部35aに設けられていてもよく、第二曲部35bに設けられていてもよく、直線部35cに設けられていてもよく、これらのうちの複数の領域にわたって設けられていてもよい。
また、レール後部材50の背板60の背面であって、開口80の上方位置には、後方に突出するボス84が設けられている。また、ボス84は、ネジ孔を有している。また、背板60の背面上端部の右側には、後方に突出する突出部86が設けられている。突出部86は、後方から前方に向けて切り欠いた切欠き部を備えており、この切欠き部が、下方から上方に向けてネジを挿通させるネジ挿通部86aとなっている。また、レール後部材50の左側壁62の上端部には、平面視L字状の係止部88が、前方に突出して設けられている。
センサユニット37は、図10に示すように、ケーシング90と、センサ100と、可動片110(可動部材)とを備えている。そして、センサ100と可動片110とは、ケーシング90に固定されて一体化されている。
ケーシング90は、ケーシング本体91と蓋92とを有している。ケーシング本体91は、センサ100が収容される空間としてのセンサ収容部94を有している。また、センサ収容部94は、前側、下側および左側が開口している。
センサ100は、フォトインタラプタを主要素とする電子回路である。センサ100は、可動片110の動作を検知し、検知信号を出力するようになっている。センサ100は、フォトインタラプタに電源を供給する配線や、フォトインタラプタの検知信号を送信するための配線が接続されるコネクタ101を、センサ収容部94の左側の開口から露出させた状態で、センサ収容部94に収容されている。また、センサ収容部94に収容されたセンサ100は、下側が蓋92に覆われた状態で、ケーシング本体91にネジ95によるネジ止めによって固定されている。
また、ケーシング本体91のセンサ収容部94の上方には、丸棒状の軸96が設けられている。また、軸96には、ねじりコイルばね97が設けられている。
また、ケーシング本体91の上端部には、ネジ挿通孔99aを有するセンサユニット取付部99が設けられている。
可動片110は、図10および図11に示すように、メダルが接触するメダル接触部111と、板状部112と、遮光部113と、支持部114,114とを備えており、これらが黒色の合成樹脂により一体的に成形されている。また、メダル接触部111は、第一板状部111aと第二板状部111bとを備えている。
板状部112、第一板状部111aおよび第二板状部111bは、左右に長い矩形の板状となっている。また、板状部112の下辺と第一板状部111aの上辺が接続されており、第一板状部111aの下辺と第二板状部111bの上辺が接続されている。また、第一板状部111aは、板状部112から離れるほど前側に向かうように、板状部112に対して傾斜した傾斜面となっている。また、第二板状部111bは、板状部112と略平行となっている。したがって、メダル接触部111は、左右方向からみた断面形状がくの字状となっている。また、第一板状部111aの左側面と第二板状部111bの左側面とを繋ぐようにして、補強部116が設けられており、メダル接触部111が補強されている。また、メダル接触部111は、右端部が面取りされた形状となっており、傾斜面118が形成されている。
遮光部113は、板状をしており、板面を左右方向に向けた状態で、第一板状部111aの背面から後方に突出して設けられている。また、支持部114は、板状部112の上端に左右に離間して2つ設けられている。また、支持部114は、軸が挿通される軸挿通孔114aを有している。
可動片110は、軸挿通孔114aに軸96が挿通されることで、ケーシング本体91と一体化されている。また、ねじりコイルばね97は、その一端がケーシング本体91に係止されているとともに、他端が可動片110のばね係止孔110aに係止されており、軸96を中心に可動片110が前方かつ上方に向けて回動するように(右側から見た場合の時計回り方向に)付勢されている。
センサユニット37は、図12に示すように、センサユニット取付部99のネジ挿通孔99aに挿通されたネジ127が、レール後部材50のボス84のネジ孔にねじ込まれることで、レール後部材50に固定されている。また、可動片110は、図8に示すように、レール後部材50の開口80からメダル接触部111が露出した状態となっている。
可動片110は、動作前の状態(可動片110が押下されておらず、最大限前側に動いた状態)においては、メダル接触部111がメダル通路35の後面よりも前方に突出した状態となっている。具体的には、第一板状部111aの下端部の前面および第二板状部111bの前面の全体が、凸部70,70の前面よりも前方に突出した状態となっている。また、動作前の状態において、可動片110は、板状部112の前面が、レール後部材50の開口80の縁に当接した状態となっており、可動片110の前方への回動が制止されている。また、動作前の状態において、可動片110とレール前部材51との間隔は、メダル1枚分未満となっている。
また、動作前の状態においては、第一板状部111aおよび第二板状部111bは、下側に向かうほど前側に向かうように凸部70,70の前面(メダル通路35の後面)に対して、傾斜した状態となっている。換言すると、第一板状部111aおよび第二板状部111bは、下側ほどメダル通路35内に突出した状態となっており、可動片110のメダル接触部111は、下側ほどメダル通路35内に突出している。また、傾斜面118は、左側に向かうほど前側に向かうように(メダル通路35内に突出するように)、凸部70,70の前面に対して、傾斜した状態となっている。また、傾斜面118は、下側に向かうほど前側に向かうように(メダル通路35内に突出するように)、凸部70,70の前面に対して、傾斜した状態となっている。また、傾斜面118は、その右上端部が、凸部70,70の前面よりも後方に位置している。そして、傾斜面118は、第一曲部35aの出口の中央から離れた側ほどメダル通路35内に突出するように形成されている。また、第一板状部111aの上縁は、第一曲部35aの出口の上下方向中央よりも下方であって、第一曲部35aの出口の下端よりも上方に位置している。また、第一板状部111aの下縁は、第一曲部35aの出口の上下方向中央よりも下方であって、第一曲部35aの出口の下端よりも上方に位置している。また、可動片110の右縁は、第一曲部35aの出口の近傍に位置している。また、メダル接触部111の横幅W6は、約26.5mmとなっている。また、傾斜面118は、略三角形状となっており、その頂点が、メダル接触部111の右上端、右下端、第一板状部111aと第二板状部111bとの境目に配置されている。また、傾斜面118の横幅W7は、約4.7mmとなっている。すなわち、メダル接触部111の横幅のうち、約10%〜25%を面取りして傾斜面118が形成されている。
メダル通路35を通るメダルMは、可動片110のうち、まず傾斜面118に接触するようになっている。また、メダルMは、傾斜面118の上を滑るようにして移動し、これに従って、可動片110が、下方かつ後方に向かって押下される(回動する)ようになっている。そして、可動片110が押下されると、可動片110の遮光部113がフォトインタラプタの発光部120と受光部121との間に移動し、発光部120から受光部121への光を遮光部113が遮るようになっている(図10、図11参照)。そして、これによりフォトインタラプタから、可動片110が押下された旨の検知信号が送信されるようになっている。このとき、メダルMがメダル通路35の後面側を通る場合は、可動片110は、第二板状部111bの前面が凸部70,70の前面と面一(平行)になるまで押されるようになっている。一方、メダルMがメダル通路35の前面側を通る場合は、可動片110は、第二板状部111bの前面が凸部70,70の前面と面一になるまでは押されないようになっているが、いずれの場合であっても、遮光部113が発光部120から受光部121への光を遮る状態まで可動片110が動くようになっている。また、メダルMが、可動片110を通過すると、可動片110がねじりコイルばね97の付勢力によって上方かつ前方に押し戻され、前記動作前の状態に戻るようになっている。
なお、フォトインタラプタからの検知信号は、上述の基板ユニット(メイン制御基板)に送られるようになっている。そして、基板ユニットは、所定時間(例えば、1秒程度)連続して検知信号が送られてきた場合に、ゴト行為が行われているおそれがあると判断し、スピーカー等を介して音を発したりして異常を報知するようになっている。なお、センサユニット37は、ゴト行為等の異常を検知するものではなく、例えば、メダル通路35を通過するメダルの枚数をカウントするもの等であってもよい。また、センサ100は、可動片110の動作を検知することができるものであれば、フォトインタラプタ以外のセンサを用いてもよい。また、可動片110は、ねじりコイルばね97以外の弾性体等によって、メダル通路35内に突出するように付勢されていてもよい。また、可動片110は、回動するように押下されるものではなく、直動するように押下されるもの等であってもよい。
可動片110は、ねじりコイルばね97の付勢力に抗って最大限動作させた場合、第二板状部111bの下端部の背面が傾斜面82の前面に当接して停止するようになっている。また、このとき、可動片110の前面(第二板状部111bの前面)は、凸部70,70の前面よりも僅かに後方に位置するようになっている。換言すると、可動片110は、メダル通路35を通過するメダルに接触しない位置まで押し込むことが可能となっている。
また、前述のように、可動片110の動作前の状態において、可動片110とレール前部材51との間隔は、メダル1枚分未満となっており、可動片110のメダル接触部111は、下側ほどメダル通路35に突出しているため、メダル通路35を逆流しようとする物体の動きは、可動片110によって押さえられ、当該物体がメダル通路35を通して引き抜かれることが防止されるようになっている。
レール後部材50およびレール前部材51は、図7に示すように、レール後部材50のネジ挿通部86aに挿通されたネジと、レール前部材51のネジ挿通部55aに挿通されたネジとが、メダル投入部31の2つのボス48,48それぞれのネジ孔にねじ込まれることにより、メダル投入部31と一体化されている。また、レール後部材50の係止部88が、メダル投入部31の角筒状突出部47の側面に係止されるとともに、メダル投入部31の係止片49が、レール前部材51の切欠き部56に係止されることにより、メダル投入部31に対するレール後部材50およびレール前部材51の位置決めがされている。また、レール後部材50およびレール前部材51の上端面は、メダル投入部31の下端面に当接している。そして、これにより、投入口側メダル通路45とメダル通路35とが連通した状態となっている。
ここで、投入口側メダル通路45とメダル通路35との高さ方向の関係について図9を参照しながら説明する。投入口側メダル通路45の出口における高さH3は、約2.2mmとなっている。一方、メダル通路35の高さH2は前述の通り約2.3mmとなっている。すなわち、メダル通路35の高さH2は、投入口側メダル通路45の出口の高さH3よりも高くなっており、投入口側メダル通路45からメダル通路35へメダルが通りやすくなっている。
また、レール後部材50およびレール前部材51のメダル投入部31への取り付け具合によって、投入口側メダル通路45の出口に対するメダル通路35の入り口の位置は多少変化する。しかし、レール後部材50がメダル投入部31に対して最大限前側にずれた状態であっても、凹部71が投入口側メダル通路45の後面よりも前側に位置することはないように設定されている。また、レール後部材50がメダル投入部31に対して最大限前側にずれた状態であっても、レール後部材50の左右の凸部70,70の上端の傾斜面70aの上縁が、投入口側メダル通路45の後面の下縁よりも前側に位置することはないように設定されている。また、レール前部材51がメダル投入部31に対して最大限後側にずれた状態であっても、レール前部材51の上端の傾斜面51aの上縁が、投入口側メダル通路45の前面の下縁よりも後側に位置することはないように設定されている。換言すると、投入口側メダル通路45からレール後部材50およびレール前部材51の上端面は見えないようになっている。すなわち、メダル通路35の高さH2は、投入口側メダル通路45の出口部分の高さH3よりも高くなっているため、互いの位置決めが正確であれば、メダル通路35と投入口側メダル通路45との接合点においてメダルが引っかかる心配はないが、これに加えて、レール前部材51の上端と、レール後部材50の凸部70,70の上端とが面取りされていることにより、当該位置決めが多少ずれたとしても、当該接合点においてメダルが引っかかる心配がないようにされている。
また、投入口側メダル通路45の出口からメダル制止壁42の上端までの長さL1は、メダル1枚の直径(30mm)よりも短くなっている。換言すると、メダル投入部31に形成された投入口側メダル通路45と他部材(メダル通路35)との接合部からメダル制止壁42の上端までの長さは、メダル1枚の直径よりも短くなっている。すなわち、本実施の形態の遊技機においては、メダル通路35と投入口側メダル通路45とのつなぎ目にメダルが引っかかることはないようにされているが、仮に当該つなぎ目にメダルが引っかかりうる構成であったとしても、当該つなぎ目にメダルが引っかかった場合に、メダルの上側の縁がメダル制止壁42よりも上側に位置し、遊技者がメダルの裏面に触れることが可能となるようになっている。これにより、メダルが引っかかった場合に、メダルを掴んで容易に引き抜くことができるようになっている。
レール後部材50とレール前部材51とセレクタ33とは、図12に示すように、レール後部材50のネジ挿通孔65,65およびレール前部材51のネジ挿通孔57,57に挿通されたネジ128,128がセレクタ上部に設けられたネジ孔(図示せず)にねじ込まれることで、一体化されている。
セレクタ33は、メダルを選別するメダル選別部130と、このメダル選別部130へとメダルを導くセレクタ側メダル通路131とを備えている。セレクタ側メダル通路131は、メダルが通過する通路である。セレクタ側メダル通路131は、図13に示すように、高さ方向(メダルの厚さ方向)に湾曲した通路となっているが、入口部分のみ高さが僅かに高くなっており、入口部分を除く通路の略全体において高さが一定となっている。また、セレクタ側メダル通路131は、どの部分においても高さがメダル2枚分の厚さ未満となっている。また、セレクタ側メダル通路131の高さH4は、連通するメダル通路35の高さH2よりも高くなっている。具体的には、メダル通路35の高さH2が約2.3mmなのに対し、セレクタ側メダル通路131の高さH4は、3.4mmとなっている。また、セレクタ側メダル通路131は、どの部分においても、幅がメダル1枚分の幅よりも僅かに広い程度となっている。
セレクタ側メダル通路131は、図12に示すように、その前面および後面、すなわちメダルのそれぞれの面に対向する面に、メダルの通過経路に沿った複数の突条134が設けられている。また、セレクタ側メダル通路131の前面に設けられた複数の突条134と後面に設けられた複数の突条134とは、互いに対向する位置に配置されている。
メダル選別部130は、メダル選別機構140と、このメダル選別機構140の後側に配置されたメダル排出部141とを備えている。メダル選別機構140は、既定のメダルであって、適切なタイミングで投入されたメダルを、メダル排出部141から落ちないように支持し、前記ホッパーユニットに向けて導くようになっている。一方、メダル選別機構140は、既定の大きさとは異なる大きさのメダルや、不適切なタイミングで投入されたメダル等の非正規のメダルを、メダル排出部141に向けて落とすようになっている。そして、メダル排出部141から落とされたメダルは、前記メダル払い出し口からメダル受け皿18に排出されるようになっている。なお、このようにメダルを選別する機構は、従来のセレクタのものを用いればよい。
このように本構成においては、メダル通路35の両側部には、メダルの一方の面に接触する凸部70,70が形成されている。また、凸部70,70は、メダル通路35を通過するメダルがメダル通路35の一方の側部に寄った状態であっても、メダル通路35の他方の側部に形成された凸部70に、メダルの一方の面が接触可能に形成されているとともに、メダル通路35を通過するメダルがメダル通路35の他方の側部に寄った状態であっても、メダル通路35の一方の側部に形成された凸部70に、メダルの一方の面が接触可能に形成されている。したがって、メダルは、一方の面の両端部がメダル通路35の両側部に形成された凸部70,70それぞれに接触可能な状態で、メダル通路35を通過することとなる。このため、メダル通路35を通過するメダルは、両側部の凸部70に案内され、凸部70と凸部70の間の凹部71には接触しなくなるので、メダルとメダル通路35との接触面積が小さくなり、メダルに働く摩擦力が低減される。したがって、メダルの流れを滑らかにし、メダル詰まりを防止することができる。また、メダル通路35内のゴミが、凹部71に入るようになるので、このゴミによってメダルの流れが阻害されることが無くなり、メダル詰まりを防止することができる。
また、凸部70,70が、メダル通路35の両側部に形成されるとともに、どちらかの側部にメダルが寄った場合であっても、他方の側部側の凸部70にメダルが接触可能なように形成されるので、凸部70の幅は、ある程度広く設定されることとなる。したがって、凸部70が摩耗しにくくなるという効果も得ることができる。
また、本構成においては、メダル通路35は、下方に向かうにつれて左方に向かうように湾曲する第一曲部35aを有し、可動片110は、メダルが接触するメダル接触部111を有している。また、メダル接触部111は、第一曲部35aの出口付近に配置され、メダル接触部111がメダル通路35内に向けて突出するように可動片110が付勢されている。また、メダル接触部111の第一曲部35a側の端部は、面取りされた形状となっている。したがって、例えば、メダルMが、図8において二点鎖線で示す位置から左上にバウンドするような場合に、メダル通路35を流下してきたメダルがバウンドしてから左側壁62に当たって跳ね返ってくるまでの間に可動片110に当たることを防止することができる。仮に、メダル接触部111の右端部が面取りされていない場合、図8において二点鎖線で示す位置にメダルMがあるときには、可動片110が押下されてしまうこととなる。そうすると、メダルMがバウンドした際に、可動片110の押下が一旦解除され、左側壁62に当たって跳ね返ってきた後に再度可動片110が押下されることとなる。すなわち、この場合1枚のメダルによって2回可動片110が押下されることとなる。したがって、可動片110の押下回数によってメダルの通過枚数をカウントする場合などに、誤検出が生じてしまうこととなる。また、メダルMがバウンドした際に、可動片110の押下が一旦解除されない場合には、メダルMがバウンドして戻ってくるまでの間ずっと可動片110が押下されたままとなってしまうため、1枚のメダルによる可動片110の押下時間が想定よりも長くなってしまい、誤検出が生じてしまうおそれがある。本実施の形態の構成においては、メダル接触部111の第一曲部35a側の端部が、面取りされた形状となっており、傾斜面118が形成されているので、不要なメダルの接触を抑え、このような誤検出を防ぐことができる。
また、傾斜面118が形成されており、メダルは可動片110のうち、傾斜面118に最初に接触するようになっているので、メダルの衝突する衝撃を面で受けることができ、可動片110の摩耗を抑制することができる。また、傾斜面118が形成されていることにより、メダルがメダル通路35のどこを通過した場合であっても、1枚のメダルによって可動片110が押下される時間を、ある程度一定に揃えることができる。
なお、メダル通路35や、投入口側メダル通路45は、鉛直面に対して傾斜して設けられていてもよい。また、メダル通路35や、投入口側メダル通路45の前面は、必ずしもスロットマシンXの正面を向いていなくてもよく、スロットマシンXの側方や後方等を向くように配置されていてもよい。また、このようにスロットマシンXの正面とメダル通路35や投入口側メダル通路45の正面とが一致していない場合には、メダル通路35や投入口側メダル通路45に関する左右の記載は、メダル通路35や投入口側メダル通路45を正面から見たときの左右として適宜読み換えればよい。