JP6787771B2 - 荷電粒子線治療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子線治療装置に関する。
従来、患者の患部に荷電粒子線を照射することによって治療を行う荷電粒子線治療装置として、例えば、特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載の荷電粒子線治療装置では、加速器で加速された荷電粒子線を、減衰部(ディグレーダ)に入射させてエネルギーを減衰させてから、被照射体に照射している。
特開2015−181655号公報
ここで、上述のような荷電粒子線治療装置においては、荷電粒子線が減衰部を通過すると、当該荷電粒子線(ビーム)が発散することでビームサイズが大きくなる。従って、高精度な照射を行うことが求められる場合には、コリメータ等を用いることで荷電粒子線の一部をカットすることでビームサイズを調整することも可能である。ただし、そのような対応を行った場合は、荷電粒子線の線量が低下するという問題が生じる。
そこで本発明は、線量の低下を抑制しつつ、荷電粒子線のビームサイズの拡大を抑制できる荷電粒子線治療装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る荷電粒子線治療装置は、荷電粒子を加速して予め設定されたエネルギーの荷電粒子線を出射する加速器と、加速器から出射された荷電粒子線を入射させることで、当該荷電粒子線のエネルギーを低下させる第1の減衰部と、第1の減衰部を通過した荷電粒子線を入射させ、高周波の電場を連続的に発生させることで、荷電粒子線を収束させる電場生成部と、電場生成部から出射された荷電粒子線を被照射体へ照射する照射部と、を備える。
本発明に係る荷電粒子線治療装置は、加速器から出射された荷電粒子線を入射させることで、当該荷電粒子線のエネルギーを低下させる第1の減衰部と、第1の減衰部を通過した荷電粒子線を入射させ、高周波の電場を連続的に発生させることで、荷電粒子線を収束させる電場生成部を備えている。従って、一度、第1の減衰部を通過した荷電粒子線は、電場生成部を通過することによって、ビームサイズの収束が行われる。従って、照射部の先端側においてコリメータ等で一部を遮断する事などによる線量の低下を抑制しつつ、荷電粒子線のビームサイズの拡大を抑制できる。
また、電場生成部と照射部との間に設けられ、電場生成部から出射された荷電粒子線を入射させることで、当該荷電粒子線のエネルギーを低下させる第2の減衰部を更に備えてよい。このような構成により、電場生成部から出射された荷電粒子線のエネルギーの微調整を行うことができる。
また、第1の減衰部は、単一のエネルギー低下量にて、又は複数段階で調整可能なエネルギー低下量にて、荷電粒子線のエネルギーを低下させ、第2の減衰部は、第1の減衰部よりも多段階で調整可能なエネルギー低下量にて、荷電粒子線のエネルギーを低下させてよい。このような構成により、第1の減衰部で、電場生成部へ入射させることが出来る程度まで荷電粒子線のエネルギーを低下させ、第2の減衰部で多段階のエネルギー低下量にて、荷電粒子線のエネルギーの微調整をすることができる。
本発明によれば、線量の低下を抑制しつつ、荷電粒子線のビームサイズの拡大を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置の概略構成図である。 図1の荷電粒子線治療装置の照射部付近の概略構成図である。 腫瘍に対して設定された層を示す図である。 エネルギー調整部の構成を示す概略構成図である。 電場生成部の構成の一例を示す概略構成図である。 電場生成部の構成の一例を示す概略構成図である。 荷電粒子線の収束に関する模式図である。 変形例に係るエネルギー調整部の構成を示す概略構成図である。 変形例に係るエネルギー調整部の構成を示す概略構成図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置1は、放射線療法によるがん治療等に利用される装置であり、イオン源(不図示)で生成した荷電粒子を加速して荷電粒子線として出射する加速器3と、荷電粒子線を被照射体へ照射する照射部2と、加速器3から出射された荷電粒子線を照射部2へ輸送するビーム輸送ライン41と、ビーム輸送ライン41上において加速器3と照射部2との間に設けられるエネルギー調整部20と、を備えている。照射部2は、治療台4を取り囲むように設けられた回転ガントリ5に取り付けられている。照射部2は、回転ガントリ5によって治療台4の周りに回転可能とされている。
図2は、図1の荷電粒子線治療装置の照射部付近の概略構成図である。なお、以下の説明においては、「X方向」、「Y方向」、「Z方向」という語を用いて説明する。「Z方向」とは、荷電粒子線Bの基軸AXが延びる方向であり、荷電粒子線Bの照射の深さ方向である。なお、「基軸AX」とは、後述の走査電磁石6で偏向しなかった場合の荷電粒子線Bの照射軸とする。図2では、基軸AXに沿って荷電粒子線Bが照射されている様子を示している。「X方向」とは、Z方向と直交する平面内における一の方向である。「Y方向」とは、Z方向と直交する平面内においてX方向と直交する方向である。
まず、図2を参照して、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1の概略構成について説明する。なお、以降の説明においては、荷電粒子線治療装置1がスキャニング法に係る照射装置である場合について説明する。なお、スキャニング方式は特に限定されず、ラインスキャニング、ラスタースキャニング、スポットスキャニング等を採用してよい。更に、荷電粒子線治療装置1の照射方法はスキャニング法に限定されず、ワブラー法、ブロードビーム法、原体照射法等、あらゆる照射方法を採用してよい。図2に示されるように、荷電粒子線治療装置1は、加速器3と、照射部2と、ビーム輸送ライン41と、制御部7と、を備えている。
加速器3は、荷電粒子を加速して予め設定されたエネルギーの荷電粒子線Bを出射する装置である。加速器3として、例えば、サイクロトロン、シンクロトロン、シンクロサイクロトロン、ライナック等が挙げられる。なお、加速器3として単一のエネルギーで荷電粒子線Bを出射するサイクロトロンを採用する場合、エネルギー調整部20を採用することの効果がより顕著となる。この加速器3は、制御部7に接続されており、供給される電流が制御される。加速器3で発生した荷電粒子線Bは、ビーム輸送ライン41によって照射ノズル9へ輸送される。ビーム輸送ライン41は、加速器3と、エネルギー調整部20と、照射部2と、を接続し、加速器3から出射されてエネルギー調整部20にてエネルギー調整された荷電粒子線を照射部2へ輸送する。
荷電粒子線治療装置1は、加速器3内に配置され、イオン源から出た荷電粒子線Bを遮断するビームチョッパ16を更に備えている。ビームチョッパ16の作動状態(ON)において、イオン源から出た荷電粒子線Bは遮断され、加速器3から出射されない状態となる。ビームチョッパ16の停止状態(OFF)において、イオン源から出た荷電粒子線Bは遮断されることなく加速器3から出射される状態となる。ビームチョッパ16の作動状態及び停止状態は、ビームチョッパスイッチ(不図示)により切り替えられる。なお、荷電粒子線の照射、非照射を切り替える手段としてビームチョッパ以外を用いても良い。例えば、ビーム輸送ライン中にシャッターを設けてシャッターで荷電粒子線を遮断してよい。あるいは、加速器3内に設けたデフレクタ(電磁石)を用いて荷電粒子線を照射するときのみ加速器3から荷電粒子線を出射させてよい。
照射部2は、患者15の体内の腫瘍(被照射体)14に対し、荷電粒子線Bを照射するものである。荷電粒子線Bとは、電荷をもった粒子を高速に加速したものであり、例えば陽子線、重粒子(重イオン)線、電子線等が挙げられる。具体的に、照射部2は、イオン源(不図示)で生成した荷電粒子を加速する加速器3から出射されてビーム輸送ライン41で輸送された荷電粒子線Bを腫瘍14へ照射する装置である。照射部2は、走査電磁石(走査部)6、四極電磁石8、プロファイルモニタ11、ドーズモニタ12、フラットネスモニタ13a,13b、及びディグレーダ30を備えている。走査電磁石6、各モニタ11,12,13a,13b、四極電磁石8、及びディグレーダ30は、照射ノズル9に収容されている。
走査電磁石6は、X方向走査電磁石6a及びY方向走査電磁石6bを含む。X方向走査電磁石6a及びY方向走査電磁石6bは、それぞれ一対の電磁石から構成され、制御部7から供給される電流に応じて一対の電磁石間の磁場を変化させ、当該電磁石間を通過する荷電粒子線Bを走査する。X方向走査電磁石6aは、X方向に荷電粒子線Bを走査し、Y方向走査電磁石6bは、Y方向に荷電粒子線Bを走査する。これらの走査電磁石6は、基軸AX上であって、加速器3よりも荷電粒子線Bの下流側にこの順で配置されている。
四極電磁石8は、X方向四極電磁石8a及びY方向四極電磁石8bを含む。X方向四極電磁石8a及びY方向四極電磁石8bは、制御部7から供給される電流に応じて荷電粒子線Bを絞って収束させる。X方向四極電磁石8aは、X方向において荷電粒子線Bを収束させ、Y方向四極電磁石8bは、Y方向において荷電粒子線Bを収束させる。四極電磁石8に供給する電流を変化させて絞り量(収束量)を変化させることにより、荷電粒子線Bのビームサイズを変化させることができる。四極電磁石8は、基軸AX上であって加速器3と走査電磁石6との間にこの順で配置されている。なお、ビームサイズとは、XY平面における荷電粒子線Bの大きさである。また、ビーム形状とは、XY平面における荷電粒子線Bの形状である。
プロファイルモニタ11は、初期設定の際の位置合わせのために、荷電粒子線Bのビーム形状及び位置を検出する。プロファイルモニタ11は、基軸AX上であって四極電磁石8と走査電磁石6との間に配置されている。ドーズモニタ12は、荷電粒子線Bの強度を検出する。ドーズモニタ12は、基軸AX上であって走査電磁石6に対して下流側に配置されている。フラットネスモニタ13a,13bは、荷電粒子線Bのビーム形状及び位置を検出監視する。フラットネスモニタ13a,13bは、基軸AX上であって、ドーズモニタ12よりも荷電粒子線Bの下流側に配置されている。各モニタ11,12,13a,13bは、検出した検出結果を制御部7に出力する。
ディグレーダ30は、通過する荷電粒子線Bのエネルギーを低下させて当該荷電粒子線Bのエネルギーの微調整を行う。本実施形態では、ディグレーダ30は、照射ノズル9の先端部9aに設けられている。なお、照射ノズル9の先端部9aとは、荷電粒子線Bの下流側の端部である。照射ノズル9内のディグレーダ30は、省略することも可能である。
制御部7は、例えばCPU、ROM、及びRAM等により構成されている。この制御部7は、各モニタ11,12,13a,13bから出力された検出結果に基づいて、加速器3、走査電磁石6及び四極電磁石8を制御する。また、本実施形態においては、制御部7は、各モニタ11,12,13a,13bの検出結果をフィードバックして、荷電粒子線Bのビームサイズが一定となるように、四極電磁石8を制御する。
また、荷電粒子線治療装置1の制御部7は、荷電粒子線治療の治療計画を行う治療計画装置100と接続されている。治療計画装置100は、治療前に患者15の腫瘍14をCT等で測定し、腫瘍14の各位置における線量分布(照射すべき荷電粒子線の線量分布)を計画する。具体的には、治療計画装置100は、腫瘍14に対して治療計画マップを作成する。治療計画装置100は、作成した治療計画マップを制御部7へ送信する。
スキャニング法による荷電粒子線の照射を行う場合、腫瘍14をZ方向に複数の層に仮想的に分割し、一の層において荷電粒子線を走査して照射する。そして、当該一の層における荷電粒子線の照射が完了した後に、隣接する次の層における荷電粒子線の照射を行う。
図2に示す荷電粒子線治療装置1により、スキャニング法によって荷電粒子線Bの照射を行う場合、通過する荷電粒子線Bが収束するように四極電磁石8を作動状態(ON)とする。
続いて、加速器3から荷電粒子線Bを出射する。また、加速器3から出射された荷電粒子線Bをエネルギー調整部20で調整することで、当該荷電粒子線Bの飛程を調整する。出射された荷電粒子線Bは、走査電磁石6の制御によって走査される。これにより、荷電粒子線Bは、腫瘍14に対してZ方向に設定された一の層における照射範囲内を走査されつつ照射されることとなる。一の層に対する照射が完了したら、次の層へ荷電粒子線Bを照射する。
制御部7の制御に応じた走査電磁石6の荷電粒子線照射イメージについて、図3(a)及び(b)を参照して説明する。図3(a)は、深さ方向において複数の層に仮想的にスライスされた被照射体を、図3(b)は、深さ方向から見た一の層における荷電粒子線の走査イメージを、それぞれ示している。
図3(a)に示すように、被照射体は照射の深さ方向において複数の層に仮想的にスライスされており、本例では、深い(荷電粒子線Bの飛程が長い)層から順に、層L、層L、…層Ln−1、層L、層Ln+1、…層LN−1、層LとN層に仮想的にスライスされている。また、図3(b)に示すように、荷電粒子線Bは、ビーム軌道TLを描きながら層Lの複数の照射スポットに対して照射される。すなわち、制御部7に制御された照射ノズル9は、ビーム軌道TL上を移動する。
次に、図4を参照して、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1が備えるエネルギー調整部20の構成について説明する。エネルギー調整部20は、上流側の加速器3側から第1の減衰部21と、コリメータ22と、電場生成部23と、を備える。
第1の減衰部21は、加速器3から出射された荷電粒子線Bを入射させることで、当該荷電粒子線Bのエネルギーを低下させる部材である。第1の減衰部21は、電場生成部23の上流側にて、荷電粒子線Bの飛程の荒調整を行うことができる部材である。
コリメータ22は、第1の減衰部21を通過した荷電粒子線Bのうち、拡散によって広がった不要な部分を遮断し、一定の形状及びビームサイズに荷電粒子線Bを調整する部材である。コリメータ22は、貫通孔を有しており、荷電粒子線Bに当該貫通孔を通過させることで、荷電粒子線Bのうち、拡散した部分を貫通孔の縁部で遮断し、必要な部分を電場生成部23側へ出射することができる。
電場生成部23は、第1の減衰部21を通過した荷電粒子線Bを入射させ、高周波の電場を連続的に発生させることで、荷電粒子線Bを収束させる。また、電場生成部23は、荷電粒子線Bを構成する荷電粒子を加速又は減速することができる。電場生成部23は、加速モードの場合と減速モードの場合のいずれであっても荷電粒子線Bを収束させることができる。電磁石を用いて荷電粒子線Bのビームサイズを絞る場合は、正面から見た場合に、図7(b),(c)に示すように、荷電粒子線Bは一軸方向のみに絞られていた。これに対し、電場生成部23で荷電粒子線Bを収束させることでビームサイズを絞る場合は、図7(a)に示すように、ビーム全体を絞ることができる。また、電場生成部23は、荷電粒子線Bのエネルギーを調整することで、当該荷電粒子線Bの飛程を調整することができる。すなわち、電場生成部23は、患者15の体内における荷電粒子線Bの最大到達深さを調整する。
上述のような電場生成部23として、収束力を発生させることができる直線加速器(ライナック)を用いることができる。収束力を発生させることができる直線加速器の一例として、RFQ(Radio Frequency Quadrupole)、DTL(Drift Tube Liner accelerator)等が挙げられる。
ここで、電場生成部23としてRFQ型線形加速器を採用した場合の構成について説明する。図4に示すように、RFQ型線形加速器として構成される電場生成部23は、両端をプレートによって閉止された導電性外筒部24を備え、導電性外筒部24の中心軸に沿ってビーム軸が規定されている。両端のプレートの中央部には、ビーム通過孔24aが設けられている。また、導電性外筒部24内には、ビーム軸を囲むように、4枚の導電性翼部25が90°の角度間隔をおいて配置されている。
各翼部25のビーム軸側には、ビーム軸に沿って波形が形成されている。この波形は図4に示すように、互いに対向する位置、即ち、180°離れた位置にある翼部において同一の位相を持っている。他方、互いに隣接する翼部における波形は180°の位相差を有している。上記した導電性外筒部24と翼部25によって構成されるキャビティ内に、所定の周波数の高周波電力が導入されると、対向する2つの翼部25には同相の高周波電圧が印加され、隣接する翼部25には互いに逆相の高周波電圧が印加され、ビーム軸に沿って4重極の加速集束電場が形成される。このような電場生成部23では、電場を形成する翼部25が波形形状を有している。従って、当該波形形状の翼部25が形成する電場の中には、荷電粒子線Bを構成する粒子に対してビーム軸側へ向かう収束力が作用する成分が含まれることとなる。互いに直交する電極に関し、ある断面において、片方X軸の電極対が「山」となっていれば、もう片方Y軸の電極対は「谷」になる。谷から山に電場が立つような位相では、Y軸方向に収束力が作用する。
また、図5及び図6を参照して、電場生成部23としてDTL型線形加速器を採用した場合の構成について説明する。図5に示すように、電場生成部23は、導電性外筒部36を有している。導電性外筒部36の内部には、大電力の高周波によって中心軸に沿って電場が生じる。この電場の方向は、図5(a)及び図5(b)に示すように、半周期毎に逆転する。電場が進行方向に向いているとき(図5(a)の状態)には、荷電粒子線Bを構成する荷電粒子Pは加速される。一方、電場が進行方向の反対側に向いているとき(図5(b)の状態)には、荷電粒子Pは減速される。従って、電場が進行方向の反対側に向いているときには、荷電粒子Pがチューブ37内に配置されるように、当該チューブ37の位置及び長さが設定される。ただし、荷電粒子Pの加速が進むと、チューブ37の長さ及びギャップの大きさが広がるため、電場生成部23の構造は、図6に示すような結合空洞型の加速器の構造へ切り替わる。
図6に示すように、図1及び図3と同様に、両端をプレートにより閉止された導電性外筒部(不図示)を備え、両端のプレートの中央部にはビーム通過孔が設けられている。導電性外筒部内には、互いに対向する位置から一対の導電性金属板(不図示)がビーム軸方向に突出しており、且つ、当該導電性金属板には、交互にステム32がそれぞれ取り付けられている。更に、これらステム32は電極(ドリフトチューブ)31A〜31Cとそれぞれ電気的に接続されている。これら導電性外筒部、電極31A〜31C、導電性金属板、及びステム32によって構成されるキャビティ内に所定の周波数の高周波電力が導入されると、図6(a),(c),(e)に示すように、隣り合う電極間に高周波電圧が印加され、ビーム軸上のイオンビームは順次加速される。
上述のような電場生成部23では、図6(a)及び図6(b)に示すように、荷電粒子Pが電極31Aの進行方向の端部に配置されているときに、電極31A及び電極31Cの極性がプラスで電極31Bの極性がマイナスとなる場合、電極31A及び電極31Cから電極31Bへ向かってビーム軸側へ凸となるように湾曲する電場が形成される。従って、荷電粒子Pには、ビーム軸側へ向かう収束力が作用する。次に、図6(b)及び図6(c)に示すように、荷電粒子Pが電極31Aと電極31Bとの間の空間に配置されているときに、電極31A〜31Cの極性は0となる。この場合は荷電粒子Pに力は作用しない。次に、図6(e)及び図6(f)に示すように、荷電粒子Pが電極31Bの進行方向の反対側の端部に配置されているときに、電極31A及び電極31Cの極性がマイナスで電極31Bの極性がプラスとなる場合、電極31Bから電極31A及び電極31Cへ向かってビーム軸側へ凸となるように湾曲する電場が形成される。従って、荷電粒子Pには、ビーム軸側へ向かう収束力が作用する。
次に、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1は、加速器3から出射された荷電粒子線Bを入射させることで、当該荷電粒子線Bのエネルギーを低下させる第1の減衰部21と、第1の減衰部21を通過した荷電粒子線Bを入射させ、高周波の電場を連続的に発生させることで、荷電粒子線Bを収束させる電場生成部23を備えている。従って、一度、第1の減衰部21を通過した荷電粒子線Bは、電場生成部23を通過することによって、ビームサイズの収束が行われる。従って、照射部2の先端側においてコリメータ等で一部を遮断する事などによる線量の低下を抑制しつつ、荷電粒子線のビームサイズの拡大を抑制できる。
なお、ビームサイズの拡大は低エネルギー領域で生じ易いため、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1を採用することで、低エネルギー領域でのエミッタンスの回復を行うことができる。また、荷電粒子線Bのビームサイズを線量の低下を抑制しながら収束させることができるため、高強度な荷電粒子線治療の実施が可能となる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、図8に示すようなエネルギー調整部120を採用してもよい。このエネルギー調整部120は、電場生成部23と照射部2と間(ここでは電場生成部23に下流側で隣り合う位置)に第2の減衰部124を備えている。ここでの電場生成部23は、一定のエネルギーの荷電粒子線Bしか入射させることができないため、第1の減衰部121は単一のエネルギー低下量にて荷電粒子線Bのエネルギーを低下させる。一方、第2の減衰部124は、複数段階でエネルギー低下量を調整可能である。すなわち、第1の減衰部121よりも多段階で調整可能なエネルギー低下量にて、荷電粒子線のエネルギーを低下させることができる。第2の減衰部124の入射面は荷電粒子線Bに対して傾斜した面であるため、連続的にエネルギー低下量を調整できる。このような構成により、荷電粒子線Bは、第1の減衰部121である程度のエネルギーまで減衰したのち、電場生成部23で収束されることでビームの質が回復し、更に第2の減衰部124でエネルギーの微調整を行うことができる。
また、電場生成部223が複数のエネルギーに係る荷電粒子線Bを入射可能なものである場合は、図9に示すようなエネルギー調整部220を採用してよい。この場合、電場生成部223の上流側に設けられる第1の減衰部221は、複数段階(ここでは3段階)で調整可能なエネルギー低下量にて、荷電粒子線Bのエネルギーを低下させることができる。第2の減衰部224の入射面は荷電粒子線Bに対して傾斜した面であるため、連続的にエネルギー低下量を調整できる。従って、第2の減衰部224は、第1の減衰部221よりも多段階で調整可能なエネルギー低下量にて、荷電粒子線のエネルギーを低下させることができる。このような構成により、荷電粒子線Bは、第1の減衰部221で電場生成部223が加減速可能なエネルギーまで減衰したのち、電場生成部223で収束されることでビームの質が回復し、更に第2の減衰部224でエネルギーの微調整を行うことができる。このように、第2の減衰部224で多段階のエネルギー低下量にて、荷電粒子線Bのエネルギーの微調整を行うことができる。
また、照射部2の構成は図2に示すものに限定されず、適宜変更可能である。
1…荷電粒子線治療装置、2…照射部、3…加速器、14…腫瘍(被照射体)、21,121,221…第1の減衰部、23,223…電場生成部、41…ビーム輸送ライン、124,224…第2の減衰部。

Claims (3)

  1. 荷電粒子を加速して予め設定されたエネルギーの荷電粒子線を出射する加速器と、
    前記加速器から出射された前記荷電粒子線を入射させることで、当該荷電粒子線のエネルギーを低下させる第1の減衰部と、
    前記第1の減衰部を通過した前記荷電粒子線を入射させ、高周波の電場を連続的に発生させることで、前記荷電粒子線を収束させる電場生成部と、
    前記電場生成部から出射された前記荷電粒子線を被照射体へ照射する照射部と、を備える、荷電粒子線治療装置。
  2. 前記電場生成部と前記照射部との間に設けられ、前記電場生成部から出射された前記荷電粒子線を入射させることで、当該荷電粒子線のエネルギーを低下させる第2の減衰部を更に備える、請求項1に記載の荷電粒子線治療装置。
  3. 前記第1の減衰部は、単一のエネルギー低下量にて、又は複数段階で調整可能なエネルギー低下量にて、前記荷電粒子線のエネルギーを低下させ、
    前記第2の減衰部は、前記第1の減衰部よりも多段階で調整可能なエネルギー低下量にて、前記荷電粒子線のエネルギーを低下させる、請求項2に記載の荷電粒子線治療装置。
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