JP6636385B2 - 荷電粒子線治療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子線治療装置に関する。
被照射体に荷電粒子線を照射することによって治療を行う荷電粒子線治療装置において、荷電粒子線を照射する照射ノズル内にマルチリーフコリメータを備える構成が知られている(例えば、特許文献1)。マルチリーフコリメータは、複数のリーフを含む一対のリーフ群を含み、リーフを移動することで、一対のリーフ群の間の開口形状を荷電粒子線の照射野に対応させるものである。
特開2014−176546号公報
ところで、被照射体に対して所定のスキャニングパターンに従って荷電粒子線を照射する所謂スキャニング照射を行う荷電粒子線治療装置において、照射野の形状を決めることを主目的とするのではなく、照射野の周縁部における線量分布を改善することを主目的としてマルチリーフコリメータを適用することが検討されている。すなわち、照射野の周縁部において、線量がなだらか低下するのではなく急峻に低下させることを主目的としてマルチリーフコリメータを適用することが検討されている。しかしながら、スキャニング照射を行う荷電粒子線治療装置に対して特許文献1に記載のマルチリーフコリメータを適用すると、照射ノズル内に一対のリーフ群に含まれるリーフを移動させるためのスペースを確保する必要があり、照射ノズルが大型化する可能性がある。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、スキャニング照射を行う荷電粒子線治療装置において、照射ノズルの大型化を防ぎつつ照射野の周縁部における荷電粒子線の線量分布を改善することが可能な荷電粒子線治療装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る荷電粒子線治療装置は、荷電粒子線を被照射体に照射する荷電粒子線治療装置であって、前記荷電粒子線を生成して出射する加速器と、前記荷電粒子線を被照射体へ照射する照射ノズルと、前記加速器と前記照射ノズルとを接続し、前記荷電粒子線を輸送する輸送ラインと、を備え、前記荷電粒子線が照射される際の基準軸と直交する軸を第1軸、前記基準軸及び前記第1軸と直交する軸を第2軸とし、前記照射ノズルは、予め定められた最大走査範囲内において前記荷電粒子線を前記第1軸に沿った方向及び前記第2軸に沿った方向へ走査可能な走査部と、前記走査部よりも下流側に設けられ、前記荷電粒子線が前記被照射体へ照射される際の照射野の形状を規定するマルチリーフコリメータと、を有し、前記マルチリーフコリメータは、前記基準軸を挟むように対向して設けられた一対のリーフ群を有し、前記リーフ群は、前記第1軸に沿った方向に複数並べられていると共に、前記第2軸に沿った方向に独立して進退可能であり、前記荷電粒子線を遮蔽するリーフと、前記リーフを前記第2軸に沿った方向に進退させるリーフ駆動部を、を有し、複数の前記リーフのうちの少なくとも一部は、前記第2軸に沿った方向における長さが、前記最大走査範囲の前記第2軸に沿った方向における長さの半分よりも短いことを特徴とする。
上記の荷電粒子線治療装置では、走査部により走査された荷電粒子線が、マルチリーフコリメータを経て被照射体に照射されるため、照射野の周縁部における荷電粒子線の線量分布が改善される。また、マルチリーフコリメータは、複数のリーフのうちの少なくとも一部が、第2軸に沿った方向における長さが、最大走査範囲の第2軸に沿った方向における長さの半分よりも短い。したがって、リーフの第2軸に沿った方向の進退のために確保する必要がある空間を小さくすることができるため、マルチリーフコリメータの小型化が可能となり、照射ノズルの大型化を防ぎつつ荷電粒子線の線量分布を改善させることができる。
ここで、前記第1軸に沿った方向において、前記リーフ群の両端側に設けられると共に、前記第2軸に沿った方向における長さが、前記最大走査範囲の前記第2軸に沿った方向における長さ以上であって、前記荷電粒子線を遮蔽する一対の遮蔽ブロックをさらに備える態様とすることができる。
上記のように、一対の遮蔽ブロックをさらに備えることで、リーフ群の両端側においても、線量分布を改善することが可能となる。
また、前記リーフ群は、前記リーフを支持する支持部を有し、前記リーフは、前記支持部に対して、前記第1軸に沿った軸を中心に揺動可能である態様とすることができる。
上記の構成を備えることで、荷電粒子線の照射方向に対応させてリーフの角度を変更することが可能となり、線量分布の改善効果をさらに高めることができる。
本発明によれば、スキャニング照射を行う荷電粒子線治療装置において、照射ノズルの大型化を防ぎつつ照射野の周縁部における荷電粒子線の線量分布を改善することが可能な荷電粒子線治療装置が提供される。
実施形態に係る荷電粒子線治療装置の概略構成図である。 マルチリーフコリメータの概略斜視図である。 マルチリーフコリメータの主要部の平面図である。 図3のIV−IV矢視図である。 リーフ部材の変形例を示す図である。 リーフ部材の変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、各図においては、説明の便宜上XYZ直交座標系を示している。XYZ直交座標系では、Z軸の延在方向を荷電粒子線の照射方向の基準軸Aの延在方向とし、X軸(第1軸)の延在方向をZ軸に直交する方向とし、Y軸(第2軸)の延在方向をZ軸及びX軸に直交する方向として、以下の説明に用いる。なお、荷電粒子線の照射方向の基準軸Aとは、図3及び図4に示すように、照射ノズル12内で荷電粒子線を偏向せずに照射した場合の荷電粒子線のビーム中心が通過する軸のことである。
図1に示すように、荷電粒子線治療装置1は、放射線療法によるがん治療等に利用される装置であり、イオン源(不図示)で生成した荷電粒子を加速して荷電粒子線として出射する加速器11と、荷電粒子線を被照射体へ照射する照射ノズル12(照射部)と、加速器11から出射された荷電粒子線を照射ノズル12へ輸送するビーム輸送ライン13(輸送ライン)と、ビーム輸送ライン13に設けられ、荷電粒子線のエネルギーを低下させて荷電粒子線の飛程を調整するデグレーダ(エネルギー調整部)18と、ビーム輸送ライン13に設けられた複数の電磁石25と、を備えている。本実施形態では、加速器11としてサイクロトロンを採用するが、これに限定されず、その他の加速器、例えば、シンクロトロン、シンクロサイクロトロン、ライナック等であってもよい。
荷電粒子線治療装置1では、治療台22上の患者Pの腫瘍(被照射体)に対して加速器11から出射された荷電粒子線の照射が行われる。荷電粒子線は電荷をもった粒子を高速に加速したものであり、例えば陽子線、重粒子(重イオン)線等がある。本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1は、いわゆるスキャニング法により荷電粒子線の照射を行うものであり、被照射体を深さ方向において仮想的に複数の層に分割(スライス)し、層(スライスした平面)毎に、層上の照射範囲に対して、荷電粒子線の照射を行う。
なお、スキャニング法による照射方式として、例えばスポット式スキャニング照射、及び、ラスター式スキャニング照射がある。スポット式スキャニング照射は、一の層における照射範囲で、一のスポットへの照射が完了すると、一度ビーム(荷電粒子線)照射を止め、次のスポットへの照射準備が整った後に次のスポットへの照射を行う方式である。これに対し、ラスター式スキャニング照射は、一の層における照射範囲については、照射を途中で止めることなく、連続的にビーム照射を行う方式である。このように、ラスター式スキャニング照射は、一の層における照射範囲については連続的にビーム照射が行われるものであるため、スポット式スキャニング照射と異なり、照射範囲は複数のスポットから構成されるものではない。以下では、ラスター式スキャニング照射により照射を行う例を説明するが、これに限定されず、スポット式スキャニング照射により照射を行う構成としてもよい。
照射ノズル12は、治療台22の周りを360度回転可能な回転ガントリ23の内側に取り付けられており、回転ガントリ23によって任意の回転位置に移動可能とされている。照射ノズル12には、収束電磁石19、スキャニング電磁石21(走査部)、ダクト28及びマルチリーフコリメータ30が含まれている。スキャニング電磁石21は、照射ノズル12の中に設けられている。スキャニング電磁石21は、荷電粒子線の照射方向(Z方向)と交差する面においてX方向へ荷電粒子線を走査するX方向走査電磁石と、荷電粒子線の照射方向(Z方向)と交差する面においてX方向と交差するY方向へ荷電粒子線を走査するY方向走査電磁石と、を有していて、X方向及びY方向へ走査可能となっている。また、スキャニング電磁石21により走査された荷電粒子線はX方向及び/又はY方向へ偏向されるため、スキャニング電磁石よりも下流側のダクト28は、その径が下流側ほど拡大されている。ダクト28は、通過する荷電粒子線の発散を抑制するためのガスが充填されているか、内部が真空となっている。
また、マルチリーフコリメータ30は、患者Pの腫瘍(被照射体)の形状に合わせて荷電粒子線の照射野を整形するものである。マルチリーフコリメータ30は、スキャニング電磁石21よりも下流側であって、ダクト28内の下端近傍に設けられる。マルチリーフコリメータ30の詳細については後述する。
ビーム輸送ライン13は、荷電粒子線が通る真空ダクト14を有している。真空ダクト14の内部は真空状態に維持されており、輸送中の荷電粒子線を構成する荷電粒子が空気等により散乱することを抑制している。
ビーム輸送ライン13上のデグレーダ18は、通過する荷電粒子線のエネルギーを低下させて当該荷電粒子線の飛程を調整する。患者Pの体表から被照射体である腫瘍までの深さは患者ごとに異なるため、荷電粒子線を患者Pに照射する際には、荷電粒子線の到達深さである飛程を調整する必要がある。デグレーダ18は、加速器11から所定のエネルギーで出射された荷電粒子線のエネルギーを調整することにより、患者体内の所定の深さにある被照射体に荷電粒子線が適切に到達するように調整する。このようなデグレーダ18による荷電粒子線のエネルギー調整は、被照射体を仮想的にスライスした層毎に行われる。なお、加速器11がサイクロトロンである場合には、デグレーダ18を用いて荷電粒子線のエネルギー調整を行うが、加速器11がシンクロトロンである場合には、荷電粒子線のエネルギー調整を容易に行うことができるため、デグレーダ18を省略することができる。
電磁石25は、ビーム輸送ライン13に複数設けられるものであり、磁場によってビーム輸送ライン13で荷電粒子線を輸送することができるように、当該荷電粒子線の調整を行うものである。電磁石25として、輸送中の荷電粒子線のビーム径を収束させる収束電磁石19、及び荷電粒子線を偏向させる偏向電磁石20が採用される。なお、以下では収束電磁石19及び偏向電磁石20を区別せずに電磁石25と記載する場合がある。また、電磁石25は、少なくともビーム輸送ライン13のうちデグレーダ18よりも下流側に複数設けられるが、デグレーダ18によるエネルギー調整前の荷電粒子線のビーム径を収束させるために、デグレーダ18よりも上流側にも設けられていてもよい。電磁石25の総数は、ビーム輸送ライン13の長さ等により柔軟に変更が可能であり、例えば、10〜40程度の数とされる。
電磁石25それぞれに対して、磁界を生じさせるための電流を供給する電磁石電源が接続される(図示省略)。電磁石25に供給する電流を調整することにより、対応する電磁石25の磁場の強さが設定される。
また、ビーム輸送ライン13におけるデグレーダ18及び電磁石25の配置等は特に限定されない。
次に、照射ノズル12内に設けられるマルチリーフコリメータ30について図2〜図4を参照しながら説明する。
図2は、マルチリーフコリメータ30を示す概略斜視図であり、図3は、マルチリーフコリメータ30の平面図(Z方向から見た図)であり、図4は、図3のIV−IV矢視図である。
マルチリーフコリメータ30は、Y方向で対向する一対のリーフ群31,32と、一対のリーフ群31,32の両端側に設けられ、X方向で対向する一対の遮蔽ブロック35,36と、を有している。
図3に示すように、一対のリーフ群31,32は、基準軸Aに直交するXY平面において、基準軸Aを挟んでY方向で対向する。一対のリーフ群31,32は、それぞれY方向に独立して進退可能な多数のリーフ41を含むリーフ部材40から構成されている。
リーフ部材40は、リーフ41と、リーフ41を支持する支持部42と、リーフ41を移動させるリーフ駆動部43と、を有する。リーフ部材40は、リーフ群31に含まれるリーフ部材40のリーフ41と、リーフ群32に含まれるリーフ部材40のリーフ41と、が互いに対向するように、XY平面に沿って配置される。
リーフ41は、Y方向に沿って延びる長方形板状の部材である。リーフ41は、荷電粒子線の遮蔽に用いられる部材であることから、荷電粒子線を遮蔽可能な材料により製造される。荷電粒子線を遮蔽可能な材料としては、真鍮、銅、タンタル、モリブデン等が挙げられるが、遮蔽能力の高い真鍮製とすることが好ましい。
リーフ41の幅(Z方向の長さ)は、リーフ41によって荷電粒子線の遮蔽が可能となるように設定される。したがって、リーフ41を遮蔽能力の高い真鍮製とした場合、リーフ41の幅を小さくすることができ、マルチリーフコリメータ30の小型化が可能となる。
リーフ41の長さ(Y方向の長さ)は、荷電粒子線の最大走査範囲に応じて設定される。荷電粒子線の最大走査範囲は、スキャニング電磁石21による荷電粒子線の偏向制御が可能な範囲である。そして、リーフ41の長さは、荷電粒子線の最大走査範囲のY方向の長さの1/2よりも短くすることができる。なお、リーフ41の長さの下限は、照射ノズル12から出射される荷電粒子線のビーム径に対して4倍程度であることが好ましい。リーフ41の長さを上記の範囲とすることで、荷電粒子線の遮蔽を確実に行いつつ、マルチリーフコリメータ30の小型化が可能となる。
リーフ41の厚さ(X方向の長さ)は、特に限定されないが、リーフ41の厚さを小さくすることで、マルチリーフコリメータ30による荷電粒子線の照射野の整形をより細かくすることができる。
また、リーフ41は、その表面に無電解ニッケルメッキによる硬質めっき層(硬質コーティング層)が形成されていてもよい。硬質めっき層の形成方法は無電解ニッケルめっきに限定されず、種々の方法を適用することができる。また、硬質めっき層は、リーフ41の表面の一部に形成されていてもよいし、全てに形成されていてもよい。
リーフ41を支持する支持部42は、リーフ41の長手方向の一方側端部に取り付けられて、Y方向に延びる部材である。支持部42の材料は特に限定されない。支持部42は、リーフ41がY方向の進退が可能な状態でリーフ41を支持できればよい。このような構成としては、例えば、支持部42自体が伸び縮み可能な構成とすることが挙げられるが、支持部42自体は伸び縮みしない棒状の部材であってもよい。
リーフ駆動部43は、リーフ41をY方向に進退させるための駆動手段である。リーフ部材40の支持部42が伸び縮み可能な構成である場合には、リーフ駆動部43の駆動により支持部42の伸び縮みを変化させることで、リーフ41のY方向の進退を制御することができる。また、リーフ部材40の支持部42が伸び縮みしない場合には、リーフ駆動部43の駆動により支持部42を移動させることで、支持部42と一体化されたリーフ41のY方向の進退を制御することができる。なお、リーフ41をリーフ駆動部43が直接移動させる構成としてもよい。その場合には、支持部42は設けられず、リーフ駆動部43とリーフ41とが直接接続される。
一対のリーフ群31,32は、Y方向から見たときに、荷電粒子線の最大走査範囲のうちのX方向の両端が、リーフ群31,32に含まれる多数のリーフ41と重なるように配置される。具体的には、図4に示すように、Y方向から見たときの荷電粒子線の最大走査範囲F2の長さよりも、リーフ群31,32のX方向の長さが大きくなるようにリーフ群31,32に含まれる多数のリーフ41が配置される。
また、一対の遮蔽ブロック35,36は、それぞれY方向に沿って延びる柱状の部材である。一対の遮蔽ブロック35,36は、基準軸Aに直交するXY平面であり、且つ、一対のリーフ群31,32よりも上方(Z方向に沿った上側)において、基準軸Aを挟んでX方向で対向する。すなわち、リーフ群31,32の一方側の端部同士を繋ぐように遮蔽ブロック35が設けられ、他方側の端部同士を繋ぐように遮蔽ブロック36が設けられる。
遮蔽ブロック35,36は、荷電粒子線の遮蔽に用いられる部材であることから、荷電粒子線を遮蔽可能な材料により製造される。荷電粒子線を遮蔽可能な材料としては、真鍮、銅、タンタル、モリブデン等が挙げられるが、遮蔽能力の高い真鍮製とすることが好ましい。
遮蔽ブロック35,36の高さ(Z方向の長さ)は、遮蔽ブロック35,36によって荷電粒子線の遮蔽が可能となるように設定される。したがって、遮蔽ブロック35,36を遮蔽能力の高いタングステン、タンタル製とした場合、遮蔽ブロック35,36の高さを小さくすることができ、マルチリーフコリメータ30の小型化が可能となる。
遮蔽ブロック35,36の長さ(Y方向の長さ)は、荷電粒子線の最大走査範囲のY方向の長さ以上とすることができる。また、図3に示すように、Y方向での荷電粒子線の最大走査範囲F1を全て含むように、遮蔽ブロック35,36が配置される。
遮蔽ブロック35,36の幅(X方向の長さ)は特に限定されないが、照射ノズル12から出射される荷電粒子線のビーム径に対して4倍程度であることが好ましい。遮蔽ブロック35,36の幅を上記の範囲とすることで、荷電粒子線の遮蔽を確実に行いつつ、マルチリーフコリメータ30の小型化が可能となる。
また、遮蔽ブロック35,36には、それぞれブロック駆動部37,38が接続され、ブロック駆動部37,38の駆動により、遮蔽ブロック35,36のX方向に進退可能となっている。
上記のマルチリーフコリメータ30では、一対のリーフ群31,32に含まれる多数のリーフ41をY方向に進退させると共に、一対の遮蔽ブロック35,36をX方向に進退させることで、中央に開口T(図3参照)を形成することができる。この開口Tの形状を被照射体の形状に合わせることで、荷電粒子線の照射野を規定することができる。開口Tの形状は、被照射体に対して荷電粒子線を照射するスライス平面(層)に応じて設定される。
ここで、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1では、加速器11から出射され、ビーム輸送ライン13により輸送された荷電粒子線が、スキャニング電磁石21により所定の方向に偏向されると共に、マルチリーフコリメータ30で形成された開口Tによってさらに照射野が規定されて、患者Pに対して照射される。
従来、マルチリーフコリメータは、ブロードビーム法(拡大照射法)の荷電粒子線治療装置に対して適用することが一般的であった。ブロードビーム法の荷電粒子線治療装置では、ビーム径が被照射体より大きな荷電粒子線ビームに対してマルチリーフコリメータを適用することで、被照射体の形状に対応した照射野を有する荷電粒子線を切り出して患者Pに照射されている。
一方、スキャニング照射を行う荷電粒子線治療装置では、被照射体に対応したスキャニングパターンに基づいて荷電粒子線の照射を行うことから、マルチリーフコリメータのような照射野を整形するための装置は不要であると考えられていた。しかしながら、スキャニング照射を行う荷電粒子線治療装置においても、照射ノズルから出射される荷電粒子線ビームのペナンブラ(ラテラルペナンブラ)に改善の余地があることが分かった。すなわち、照射ノズルから出射されるビームは線量分布が一様であることが望まれるが、ビーム辺縁において線量分布が低下し、照射野の端部において荷電粒子線の線量がなだらかに低下する可能性が考えられた。
そこで、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1では、荷電粒子線のスキャニング照射を行いつつ、マルチリーフコリメータ30を適用することで、リーフ41によって荷電粒子線が遮蔽されるため、特に照射野の周縁部における荷電粒子線の線量分布を改善し、周縁部における線量の変化を急峻とすることが可能となる。
また、本実施形態にかかる荷電粒子線治療装置1におけるマルチリーフコリメータ30は、リーフ41の長さは、荷電粒子線の走査範囲のY方向の長さの半分よりも短い。これにより、マルチリーフコリメータ30が占める空間の小型化が可能となり、荷電粒子線治療装置1としても小型化が可能となる。
ブロードビーム法(拡大照射法)の荷電粒子線治療装置では、被照射体より大きなビーム径を有する荷電粒子線を被照射体に対応した照射野に成形するためにマルチリーフコリメータが用いられていたため、荷電粒子線を全て遮蔽することが可能となるようなリーフを準備しておく必要があり、リーフが長くする必要があった。その場合、一対のリーフ群の外側にもリーフの移動を可能とするための空間を設けておく必要があるため、マルチリーフコリメータが占める空間が大型化する。したがって、マルチリーフコリメータを収容する照射ノズル自体も大型化していた。
これに対して、本実施形態に係るスキャニング照射を行う荷電粒子線治療装置1では、荷電粒子線のビーム径がブロードビーム法と比較して非常に小さく、被照射体の周縁部における荷電粒子線の線量分布の制御に用いられるものであるから、リーフを十分に小さくすることができる。したがって、リーフの移動を可能とするための空間も小型化することができることから、マルチリーフコリメータ30が占める空間の小型化が可能となり照射ノズルも小型化することができる。
また、マルチリーフコリメータ30におけるリーフ41が小型化すると、リーフ41の移動が容易となる。したがって、リーフ41の移動を高速化することができるため、マルチリーフコリメータ30における開口Tの制御をより高速に行うことができる。
さらに、リーフ部材40の支持部42が伸び縮み可能な構成であると、リーフ部材40の移動に伴う支持部42の移動量を少なくすることができる。したがって、リーフ41が移動に伴って移動する支持部42のための空間を確保しておく必要がなく、マルチリーフコリメータ30が占める空間のさらなる小型化が可能となる。
なお、リーフ部材40のリーフ41による荷電粒子線の線量分布の改善効果を高めるために、リーフ41がX方向を軸として揺動可能な構成とすることが好ましい。この点について、図5を参照しながら説明する。
図5は、リーフ部材40のリーフ41をYZ平面に沿ってX方向を軸として回動させて端面41aを基準軸Aの延びる方向(Z方向)に対して角度αだけ傾けた構成を示している。端面41aは、リーフ群と対向する側の端面である。また、角度αは、荷電粒子線の照射方向に応じて設定される。
スキャニング照射を行う荷電粒子線治療装置1では、荷電粒子線がスキャニング電磁石21によって偏向して照射されるため、荷電粒子線の照射位置が基準軸Aから離間するほど、荷電粒子線が基準軸Aに対して傾いた状態で照射される。このように荷電粒子線が基準軸Aに対して傾いた状態で照射されると、照射野の周縁部で荷電粒子線の線量がなだらかに低下する状態が発生する可能性がある。これに対して、支持部42に対してX方向に延びる軸を中心にリーフ41を揺動可能な構成とすることで、荷電粒子線の傾きに応じてリーフ41の端面を傾ける構成とすることで、リーフ41の端部における荷電粒子線の散乱等を抑制することができ、荷電粒子線の線量分布をさらに改善することができる。
支持部42に対してX方向に延びる軸を中心にリーフ41が揺動可能な構成とする方法は特に限定されない。例えば、図5の例では、リーフ41に対して取り付ける支持部42を2つにして、それぞれがリーフ41に対して、X方向を中心として回動可能に取り付けられている。この構成だと、2つの保持部材のY方向の移動量を互いに異ならせることで、X方向に延びる軸を中心にリーフ41が揺動可能となる。
さらに、支持部が伸び縮み可能な構成であって、且つ、支持部に対してリーフが揺動可能なリーフ部材40Aの例を図6に示す。図6(A)〜図6(C)は、リーフ部材40Aの構成、支持部42Aが伸び縮み、及び、リーフ41の揺動の手順について説明する図である。
図6(A)に示すリーフ部材40Aでは、支持部42Aが複数の筒状部材421,422,423と、棒状のから構成されている。これらの筒状部材421,422,423は、この順にY方向に沿って摺動可能に連結されていて、先端側(リーフ41側)の筒状部材421、筒状部材421に連結する筒状部材422、筒状部材422に連結する423の順に、外径が大きくなっている。また、筒状部材421は筒状部材422の内側に収容可能であり、筒状部材422は筒状部材423の内側に収容可能である。筒状部材421は、リーフ41に対してX方向に延びる軸を中心に回動可能に取り付けられている。また、筒状部材421とは別にY方向に延びる例えばワイヤー等により形成される棒状部材425が、リーフ41に対してX方向に延びる軸を中心に回動可能に取り付けられている。
上記のリーフ部材40Aの場合、筒状部材421,422,423の相対位置を変えることで、リーフ41のY方向に進退することができる。例えば、図6(A)に示すように、筒状部材421,422,423がこの順にY方向に沿って伸びる状態とすることで、リーフ41が−Y方向へ移動する。また、図6(B)に示すように、筒状部材421,422が筒状部材423内に収容されている状態、すなわち、筒状部材421,422,423が互いに重なり合った状態とすることで、リーフ41が+Y方向へ移動する。また、棒状部材425の筒状部材421,422,423に対するY方向の相対位置を変化させることで、図6(C)に示すように、支持部42Aに対してX方向に延びる軸を中心にリーフ41を揺動させることができる。
このように、リーフ部材40Aの構成、特にリーフ41のY方向の進退及びX方向に延びる軸を中心とした揺動を制御するための構成は種々の変更をすることができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、マルチリーフコリメータ30は、照射ノズル12内であって、スキャニング電磁石21よりも下流であれば、取り付け位置は限定されない。
また、マルチリーフコリメータ30の構造についても適宜変更することができる。例えば、一対の遮蔽ブロック35,36はそれぞれ一つのブロックで構成されている構成について説明したが、遮蔽ブロック35,36のそれぞれが複数のブロックから構成されていてもよい。また、リーフ41の形状や、リーフをY方向に進退せるための構造については適宜変更することができる。また、リーフを進退させるためのリーフ駆動部についてもその機構及び配置等を適宜変更することができる。
1…荷電粒子線治療装置、11…加速器、12…照射ノズル(照射部)、13…ビーム輸送ライン、30…マルチリーフコリメータ、31,32…リーフ群、35,36…遮蔽ブロック、37,38…ブロック駆動部、40…リーフ部材、41…リーフ、42…支持部、43…リーフ駆動部。

Claims (3)

  1. 荷電粒子線を被照射体に照射する荷電粒子線治療装置であって、
    前記荷電粒子線を生成して出射する加速器と、
    前記荷電粒子線を被照射体へ照射する照射ノズルと、
    前記加速器と前記照射ノズルとを接続し、前記荷電粒子線を輸送する輸送ラインと、を備え、
    前記荷電粒子線が照射される際の基準軸と直交する軸を第1軸、前記基準軸及び前記第1軸と直交する軸を第2軸とし、
    前記照射ノズルは、
    予め定められた最大走査範囲内において前記荷電粒子線を前記第1軸に沿った方向及び前記第2軸に沿った方向へ走査可能な走査部と、
    前記走査部よりも下流側に設けられ、前記荷電粒子線が前記被照射体へ照射される際の照射野の形状を規定するマルチリーフコリメータと、を有し、
    前記マルチリーフコリメータは、前記基準軸を挟むように対向して設けられた一対のリーフ群を有し、
    前記リーフ群は、
    前記第1軸に沿った方向に複数並べられていると共に、前記第2軸に沿った方向に独立して進退可能であり、前記荷電粒子線を遮蔽するリーフと、
    前記リーフを前記第2軸に沿った方向に進退させるリーフ駆動部を、を有し、
    複数の前記リーフのそれぞれは前記基準軸方向に沿った全体において、前記第2軸に沿った方向における長さが、前記最大走査範囲の前記第2軸に沿った方向における長さの半分よりも短い、荷電粒子線治療装置。
  2. 前記第1軸に沿った方向において、前記リーフ群の両端側に設けられると共に、前記第2軸に沿った方向における長さが、前記最大走査範囲の前記第2軸に沿った方向における長さ以上であって、前記荷電粒子線を遮蔽する一対の遮蔽ブロックをさらに備える、請求項1に記載の荷電粒子線治療装置。
  3. 前記リーフ群は、前記リーフを支持する支持部を有し、
    前記リーフは、前記支持部に対して、前記第1軸に沿った軸を中心に揺動可能である、請求項1又は2に記載の荷電粒子線治療装置。
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