JP6657015B2 - 荷電粒子線治療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子線治療装置に関する。
従来、患者の患部に荷電粒子線を照射することによって治療を行う荷電粒子線治療装置として、例えば、特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載の荷電粒子線治療装置では、加速器で加速された荷電粒子線を、走査用電磁石で走査させた後、患者の患部に照射する。この荷電粒子線治療装置は、荷電粒子線の走査速度を調整することによって、患部に対して照射される荷電粒子線の線量を調整している。
特開2009−243891公報
ここで、上述のような荷電粒子線治療装置は、荷電粒子線の照射中、当該荷電粒子線の電流値を変更せずに一定としている。従って、線量を低くすべき領域に対して過剰な線量の荷電粒子線が照射されないように、最も線量を低くすべき領域に合わせて荷電粒子線の電流値が設定される。そして、他の領域に対しては、荷電粒子線が照射される時間を長くする(例えば、ラスタースキャン方式では走査速度を遅くし、スポットスキャン方式ではスポットでの滞在時間を長くする)ことで、必要な線量を得ていた。
しかしながら、上述のような治療を行った場合、線量が高い領域では、低電流(低線量率)の荷電粒子線を長時間にわたって照射する必要があるため、照射時間が大幅に長くなってしまい、治療に要する時間が長くなってしまうという問題がある。
そこで本発明は、荷電粒子線治療に要する時間を短縮することができる荷電粒子線治療装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る荷電粒子線治療装置は、荷電粒子を加速して荷電粒子線を出射する加速器と、被照射体へ荷電粒子線を照射する照射部と、加速器と照射部とを接続し、加速器から出射された荷電粒子線を照射部へ輸送するビーム輸送ラインと、照射部による荷電粒子線の照射を制御する制御部と、を備え、被照射体を荷電粒子線の照射の深さ方向において仮想的に複数の層に分割した場合に、照射部は、各々の層において荷電粒子線を走査させる走査部を備え、制御部は、一の層において、第1の電流値にて荷電粒子線を照射して走査した後、当該一の層において、第1の電流値と異なる第2の電流値にて荷電粒子を照射して走査するように照射部を制御する。
本発明に係る荷電粒子線治療装置では、照射部は、一の層において荷電粒子線を走査させる走査部を備える。また、制御部は、第1の電流値にて荷電粒子線を照射して走査した後、第1の電流値と異なる第2の電流値にて荷電粒子線を照射して走査するように照射部を制御する。このような構成により、線量が低い領域に対しては、照射部は、第1の電流値及び第2の電流値のうちの低い方の電流値を設定して荷電粒子線を照射することができる。一方、照射部は、線量が高い領域に対しては、第1の電流値及び第2の電流値のうちの高い方の電流値を設定して荷電粒子線を照射することができる。このように、各領域に対して線量に合わせた電流値にて荷電粒子線を照射することができる。これにより、照射部は、線量の低い領域に合わせた電流値の荷電粒子線を、線量の高い領域に長時間照射することを回避できる。以上によって、荷電粒子線治療に要する時間を短縮できる。
また、本発明に係る荷電粒子線治療装置において、制御部は、第2の電流値にて荷電粒子線を走査させる第2の領域が、第1の電流値にて荷電粒子線を走査させる第1の領域とは異なる領域を含むように、照射部を制御してよい。この場合、第1の領域と第2の領域とは、全部又は一部が異なる領域となる。従って、照射部は、異なる電流値の荷電粒子線を異なる領域に対して照射することができるため、同じ箇所に異なる電流値の荷電粒子線を照射する場合に比して、照射時間の演算等が容易となる。
また、制御部は、所定の位置に対して、少なくとも第1の領域と第2の領域が設定された治療計画マップに基づいて、照射部を制御し、治療計画マップでは、所定の位置に対して計画された荷電粒子線の線量分布に基づいて、第1の領域及び第2の領域が設定されてよい。この場合、治療計画マップの線量分布に基づいて第1の領域及び第2の領域を設定することにより、容易に各領域を設定することができる。
また、制御部は、一の層に対して計画された荷電粒子線の線量分布に応じて作成された第1のマップ及び第2のマップに基づいて、照射部を制御し、第1のマップと第2のマップとでは、荷電粒子線の線量のレンジが互いに異なっており、第1のマップは、第1の電流値にて荷電粒子線を走査させる第1の領域を設定し、第2のマップは、第2の電流値にて荷電粒子線を走査させる第2の領域を設定してよい。この場合、線量のレンジが互いに異なっている第1のマップ及び第2のマップに基づいて第1の領域及び第2の領域を設定することにより、容易に各領域を設定することができる。
本発明によれば、荷電粒子線治療に要する時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置の斜視図である。 図1の荷電粒子線治療装置の照射部及び制御部の概略構成図である。 腫瘍に対して設定された層を示す図である。 治療計画マップの一例を示す図である。 治療計画マップの他の例を示す図である。 腫瘍に対して設定された各層における線量分布を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置1は、放射線療法によるがん治療等に利用される装置であり、イオン源(不図示)で生成した荷電粒子を加速して荷電粒子線として出射する加速器3と、荷電粒子線を被照射体へ照射する照射部2と、加速器3から出射された荷電粒子線を照射部2へ輸送するビーム輸送ライン41と、を備えている。照射部2は、治療台4を取り囲むように設けられた回転ガントリ5に取り付けられている。照射部2は、回転ガントリ5によって治療台4の周りに回転可能とされている。
図2は、図1の荷電粒子線治療装置の照射部及び制御部の概略構成図である。なお、以下の説明においては、「X方向」、「Y方向」、「Z方向」という語を用いて説明する。「Z方向」とは、荷電粒子線Bの基軸AXが延びる方向であり、荷電粒子線Bの照射の深さ方向である。なお、「基軸AX」とは、後述の走査電磁石6で偏向しなかった場合の荷電粒子線Bの照射軸とする。図2では、基軸AXに沿って荷電粒子線Bが照射されている様子を示している。「X方向」とは、Z方向と直交する平面内における一の方向である。「Y方向」とは、Z方向と直交する平面内においてX方向と直交する方向である。
まず、図2を参照して、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1の概略構成について説明する。荷電粒子線治療装置1は、スキャニング法に係る照射装置である。なお、スキャニング方式は特に限定されず、ラインスキャニング、ラスタースキャニング、スポットスキャニング等を採用してよい。図2に示されるように、荷電粒子線治療装置1は、加速器3と、照射部2と、ビーム輸送ライン41と、制御部7と、を備えている。
加速器3は、荷電粒子を加速して荷電粒子線Bを出射する装置である。加速器3として、例えば、サイクロトロン、シンクロトロン、シンクロサイクロトロン、ライナック等が挙げられる。この加速器3は、制御部7に接続されており、供給される電流が制御される。加速器3で発生した荷電粒子線Bは、ビーム輸送ライン41によって照射ノズル9へ輸送される。ビーム輸送ライン41は、加速器3と照射部2とを接続し、加速器3から出射された荷電粒子線を照射部2へ輸送する。
荷電粒子線治療装置1は、加速器3内に配置され、イオン源から出た荷電粒子線Bを遮断するビームチョッパ16を更に備えている。ビームチョッパ16の作動状態(ON)において、イオン源から出た荷電粒子線Bは遮断され、加速器3から出射されない状態となる。ビームチョッパ16の停止状態(OFF)において、イオン源から出た荷電粒子線Bは遮断されることなく加速器3から出射される状態となる。ビームチョッパ16の作動状態及び停止状態は、ビームチョッパスイッチ(不図示)により切り替えられる。なお、荷電粒子線の照射、非照射を切り替える手段としてビームチョッパ以外を用いても良い。例えば、ビーム輸送ライン中にシャッターを設けてシャッターで荷電粒子線を遮断してよい。あるいは、加速器3内に設けたデフレクタ(電磁石)を用いて荷電粒子線を照射するときのみ加速器3から荷電粒子線を出射させてよい。
照射部2は、患者15の体内の腫瘍(被照射体)14に対し、荷電粒子線Bを照射するものである。荷電粒子線Bとは、電荷をもった粒子を高速に加速したものであり、例えば陽子線、重粒子(重イオン)線、電子線等が挙げられる。具体的に、照射部2は、イオン源(不図示)で生成した荷電粒子を加速する加速器3から出射されてビーム輸送ライン41で輸送された荷電粒子線Bを腫瘍14へ照射する装置である。照射部2は、走査電磁石(走査部)6、四極電磁石8、プロファイルモニタ11、ドーズモニタ12、フラットネスモニタ13a,13b、及びディグレーダ30を備えている。走査電磁石6、各モニタ11,12,13a,13b、四極電磁石8、及びディグレーダ30は、照射ノズル9に収容されている。
走査電磁石6は、X方向走査電磁石6a及びY方向走査電磁石6bを含む。X方向走査電磁石6a及びY方向走査電磁石6bは、それぞれ一対の電磁石から構成され、制御部7から供給される電流に応じて一対の電磁石間の磁場を変化させ、当該電磁石間を通過する荷電粒子線Bを走査する。X方向走査電磁石6aは、X方向に荷電粒子線Bを走査し、Y方向走査電磁石6bは、Y方向に荷電粒子線Bを走査する。これらの走査電磁石6は、基軸AX上であって、加速器3よりも荷電粒子線Bの下流側にこの順で配置されている。
四極電磁石8は、X方向四極電磁石8a及びY方向四極電磁石8bを含む。X方向四極電磁石8a及びY方向四極電磁石8bは、制御部7から供給される電流に応じて荷電粒子線Bを絞って収束させる。X方向四極電磁石8aは、X方向において荷電粒子線Bを収束させ、Y方向四極電磁石8bは、Y方向において荷電粒子線Bを収束させる。四極電磁石8に供給する電流を変化させて絞り量(収束量)を変化させることにより、荷電粒子線Bのビームサイズを変化させることができる。四極電磁石8は、基軸AX上であって加速器3と走査電磁石6との間にこの順で配置されている。なお、ビームサイズとは、XY平面における荷電粒子線Bの大きさである。また、後述のビーム形状とは、XY平面における荷電粒子線Bの形状である。
プロファイルモニタ11は、初期設定の際の位置合わせのために、荷電粒子線Bのビーム形状及び位置を検出する。プロファイルモニタ11は、基軸AX上であって四極電磁石8と走査電磁石6との間に配置されている。ドーズモニタ12は、荷電粒子線Bの強度を検出する。ドーズモニタ12は、基軸AX上であって走査電磁石6に対して下流側に配置されている。フラットネスモニタ13a,13bは、荷電粒子線Bのビーム形状及び位置を検出監視する。フラットネスモニタ13a,13bは、基軸AX上であって、ドーズモニタ12よりも荷電粒子線Bの下流側に配置されている。各モニタ11,12,13a,13bは、検出した検出結果を制御部7に出力する。
ディグレーダ30は、通過する荷電粒子線Bのエネルギーを低下させて当該荷電粒子線Bの飛程を調整する。なお、飛程の調整は、加速器3の直後に設けられたディグレーダ(不図示)によって荒調整が行われ、照射ノズル9内のディグレーダ30で微調整が行われる。ディグレーダ30は、基軸AX上であって、走査電磁石6よりも荷電粒子線Bの下流側に設けられ、患者15の体内における荷電粒子線Bの最大到達深さを調整する。本実施形態では、ディグレーダ30は、照射ノズル9の先端部9aに設けられている。なお、照射ノズル9の先端部9aとは、荷電粒子線Bの下流側の端部である。照射ノズル9内のディグレーダ30は、省略することも可能である。また、加速器3としてシンクロトロンを採用する場合には、加速器3の直後に設けるディグレーダを省略してもよい。加速器3から出射された後に荷電粒子線のエネルギーをディグレーダによって調整するのではなく、加速器3から出射する荷電粒子線のエネルギーを調整してもよい。
制御部7は、例えばCPU、ROM、及びRAM等により構成されている。この制御部7は、各モニタ11,12,13a,13bから出力された検出結果に基づいて、加速器3、走査電磁石6及び四極電磁石8を制御する。また、本実施形態においては、制御部7は、各モニタ11,12,13a,13bの検出結果をフィードバックして、荷電粒子線Bのビームサイズが一定となるように、四極電磁石8を制御する。
また、荷電粒子線治療装置1の制御部7は、荷電粒子線治療の治療計画を行う治療計画装置100と接続されている。治療計画装置100は、治療前に患者15の腫瘍14をCT等で測定し、腫瘍14の各位置における線量分布(照射すべき荷電粒子線の線量分布)を計画する。具体的には、治療計画装置100は、腫瘍14に対して治療計画マップを作成する。治療計画装置100は、作成した治療計画マップを制御部7へ送信する。なお、治療計画マップの詳細については後述する。
スキャニング法による荷電粒子線の照射を行う場合、腫瘍14をZ方向に複数の層に仮想的に分割し、一の層において荷電粒子線を走査して照射する。そして、当該一の層における荷電粒子線の照射が完了した後に、隣接する次の層における荷電粒子線の照射を行う。
図2に示す荷電粒子線治療装置1により、スキャニング法によって荷電粒子線Bの照射を行う場合、所定の飛程に調整可能なディグレーダ30をセットすると共に、通過する荷電粒子線Bが収束するように四極電磁石8を作動状態(ON)とする。
続いて、加速器3から荷電粒子線Bを出射する。出射された荷電粒子線Bは、走査電磁石6の制御によって走査される。これにより、荷電粒子線Bは、腫瘍14に対してZ方向に設定された一の層における照射範囲内を走査されつつ照射されることとなる。一の層に対する照射が完了したら、次の層へ荷電粒子線Bを照射する。
制御部7の制御に応じた走査電磁石6の荷電粒子線照射イメージについて、図3(a)及び(b)を参照して説明する。図3(a)は、深さ方向において複数の層に仮想的にスライスされた被照射体を、図3(b)は、深さ方向から見た一の層における荷電粒子線の走査イメージを、それぞれ示している。
図3(a)に示すように、被照射体は照射の深さ方向において複数の層に仮想的にスライスされており、本例では、深い(荷電粒子線Bの飛程が長い)層から順に、層L、層L、…層Ln−1、層L、層Ln+1、…層LN−1、層LとN層に仮想的にスライスされている。また、図3(b)に示すように、荷電粒子線Bは、ビーム軌道TLを描きながら層Lの複数の照射スポットに対して照射される。すなわち、スキャニング制御部36に制御された照射ノズル9は、ビーム軌道TL上を移動する。
次に、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1による荷電粒子線Bの照射態様について説明する。制御部7は、所定の層Lに対し、第1の電流値にて荷電粒子線Bを照射して走査した後、第1の電流値と異なる第2の電流値にて荷電粒子線Bを照射して走査するように照射部2を制御する。制御部7は、第2の電流値にて荷電粒子線Bを走査させる第2の領域が、第1の電流値にて荷電粒子線Bを走査させる第1の領域とは異なる領域を含むように、照射部2を制御する。第2の領域は、一部において第1の領域と重複していてもよいし、完全に第1の領域と異なる位置であってもよいし、結果的に完全に第1の領域と重複してもよい。
例えば、図6(a)に示すような腫瘍14に対して荷電粒子線Bを照射する場合について説明する。図6(a)では所定の層Lに対する線量分布を色の濃淡で示している。色が濃いほど線量が少ない領域であり、色が薄いほど線量が多い領域である。例えば、所定の値よりも線量が高い領域を第1の領域E1とし、線量が所定の値以下の領域を第2の領域E2とする。この場合、図6(b)に示すように、照射部2が第1の電流値(ここでは第2の電流値よりも高い)にて荷電粒子線Bを照射する場合は、照射部2は、第2の領域E2を除く第1の領域E1のみに対して荷電粒子線Bを照射して走査させる。照射部2が第1の電流値にて荷電粒子線Bを照射しているときに、荷電粒子線Bが第2の領域E2を走査する際は、ビームチョッパ16で荷電粒子線Bを遮断する(以下、このように荷電粒子線Bを遮断した状態で走査することを「空撃ち」と称する)。これにより、第2の領域E2に対しては荷電粒子線Bが照射されない。その後、照射部2は、第2の電流値にて荷電粒子線Bを第2の領域E2に照射し走査させる。なお、空撃ちは必須ではないため、必要に応じて空撃ちを行う。例えば、ビームの走査経路の途中に他の領域が存在する場合には、当該他の領域において空撃ちをする必要がある。一方、走査経路の終端側に他の領域が存在する場合には、空撃ちすることなく、他の領域となった時点で照射を終了する。
なお、所定の層Lの第1の領域E1に対して第1の電流値にて荷電粒子線Bを照射し、その後、層Lの第2の領域E2に対して第2の電流値にて荷電粒子線Bを照射してよい。あるいは、所定の層Lの第1の領域E1に対して第1の電流値にて荷電粒子線Bを照射し、その後、次の層Ln+1(及びそれ以降の層)の第1の領域E1に対して第1の電流値にて荷電粒子線Bを照射してよい。各層に対する第1の電流値での荷電粒子線Bの照射が完了した後、各層における第2の領域E2に対して第2の電流値にて荷電粒子線Bを照射してよい。
ここで、制御部7は、所定の層に対して、少なくとも第1の領域と第2の領域が設定された治療計画マップに基づいて、照射部2を制御してよい。治療計画マップでは、所定の層に対して計画された荷電粒子線Bの線量分布に基づいて、第1の領域及び第2の領域が設定されている。すなわち、制御部7は、治療計画マップの線量分布を所定のレンジに分割し、各レンジに対応した領域及び電流値を設定することができる。なお、このような演算は、制御部7が行っても治療計画装置100が行ってもよい。
具体的には、治療計画マップにおいて、図4(a)に示す線量分布が設定された後、当該線量分布の強弱に基づいて、図4(b)〜(d)に示すような、線量のレンジがそれぞれ異なる複数のマップを作成してよい。例えば、図4(b)に示すように、図4(a)の治療計画マップにおいて線量が1000〜100に設定される範囲のみを抜き出したマップを作成する。このマップにおいて、抜き出された範囲(線量が1000〜100となっている範囲)が、第1の電流値で荷電粒子線Bを照射する第1の領域となる。図4(b)のうち、1000〜100の数字が記載されている箇所が第1の領域に該当し、「0」と記載されている箇所が他の領域であって空撃ちをする(又は荷電粒子線が照射されない)領域に該当する。このように設定された第1の領域に対しては、1000〜100の数字(線量の値を示す)のうち、最も小さい数字に合わせて第1の電流値を設定する。本実施形態では、第1の電流値は、線量100に対応する値(I[A])とする。制御部7は、第1の領域の各箇所に対し、線量を示す数字に合わせて照射時間を調整して荷電粒子線Bを照射する。
また、図4(c)に示すように、図4(a)の治療計画マップにおいて線量が99〜10に設定される範囲のみを抜き出したマップを作成する。このマップにおいて、抜き出された範囲(線量が99〜10となっている範囲)が、第2の電流値で荷電粒子線Bを照射する第2の領域となる。図4(c)のうち、99〜10の数字が記載されている箇所が第2の領域に該当し、「0」と記載されている箇所が他の領域であって空撃ちをする(又は荷電粒子線が照射されない)領域に該当する。このように設定された第2の領域に対しては、99〜10の数字(線量の値を示す)のうち、最も小さい数字に合わせて第2の電流値を設定する。本実施形態では、第2の電流値は、線量10に対応する値(I/10[A])とする。制御部7は、第2の領域の各箇所に対し、線量を示す数字に合わせて照射時間を調整して荷電粒子線Bを照射する。
また、図4(d)に示すように、図4(a)の治療計画マップにおいて線量が9〜1に設定される範囲のみを抜き出したマップを作成する。このマップにおいて、抜き出された範囲(線量が9〜1となっている範囲)が、第3の電流値で荷電粒子線Bを照射する第3の領域となる。図4(d)のうち、9〜1の数字が記載されている箇所が第3の領域に該当し、「0」と記載されている箇所が他の領域であって空撃ちをする(又は荷電粒子線が照射されない)領域に該当する。このように設定された第3の領域に対しては、9〜1の数字(線量の値を示す)のうち、最も小さい数字に合わせて第3の電流値を設定する。本実施形態では、第3の電流値は、線量1に対応する値(I/100[A])とする。制御部7は、第3の領域の各箇所に対し、線量を示す数字に合わせて照射時間を調整して荷電粒子線Bを照射する。ただし、第3の領域における線量は他の領域に比して極めて小さいため、荷電粒子線Bの照射を省略してもよい。
なお、図4に示す例では、治療計画マップに基づいて線量のレンジがそれぞれ異なる三つのマップを作成し、三つの異なる電流値にて荷電粒子線Bを照射したが、二つのマップを作成して二つの異なる電流値にて荷電粒子線Bを照射してもよく、四つ以上のマップを作成して四つ以上の異なる電流値にて荷電粒子線Bを照射してもよい。このとき、指定した照射時間内に収まるように、治療計画マップの分割数を設定してよい。また、1000〜100、99〜10、9〜1というレンジに分けて各々のマップを作成していたが、各々のマップに対応するレンジはどのような範囲に設定してもよい。
なお、上述のように電流値として第1の電流値、第2の電流値、及び第3の電流値を設定したが、各層に対する照射の順序は特に限定されず、治療時間が最短となるような順序に設定してよい。また、各電流値の大小関係は特に限定されない。
次に、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1では、照射部2は、荷電粒子線Bの照射の深さ方向における所定の層(所定の位置)で、荷電粒子線Bを走査させる走査電磁石6を備える。また、制御部7は、第1の電流値にて荷電粒子線Bを照射して走査した後、第1の電流値と異なる第2の電流値にて荷電粒子線Bを照射して走査するように照射部2を制御する。このような構成により、照射部2は、線量が低い領域に対しては、第1の電流値及び第2の電流値のうちの低い方の電流値を設定して荷電粒子線Bを照射することができる。一方、照射部2は、線量が高い領域に対しては、第1の電流値及び第2の電流値のうちの高い方の電流値を設定して荷電粒子線Bを照射することができる。このように、各領域に対して線量に合わせた電流値にて荷電粒子線を照射することができる。これにより、照射部2は、線量の低い領域に合わせた電流値の荷電粒子線を、線量の高い領域に長時間照射することを回避できる。以上によって、荷電粒子線治療に要する時間を短縮できる。
例えば、図4(a)に示す治療計画マップにおいて、従来技術で照射する場合、全ての領域を第3の電流値(I/100[A])のビームで照射するため、第3の電流値のビームを用いて線量1を照射する時間をt秒とすると、全ての領域を照射するにはt×数千秒かかる。これに対し、本願発明では、図4(b)のマップで示す領域を第1の電流値で照射するのにt×数十秒、図4(c)のマップで示す領域を第2の電流値で照射するのにt×数十秒、図4(d)のマップで示す領域を第3の電流値で照射するのにt×数十秒要し、合計してもt×数十〜数百秒しか要さない。従って、照射時間を1/10〜1/100レベルで短縮することが可能となる。
また、本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1において、制御部7は、第2の電流値にて荷電粒子線Bを走査させる第2の領域が、第1の電流値にて荷電粒子線Bを走査させる第1の領域とは異なる領域を含むように、照射部2を制御する。この場合、第1の領域と第2の領域とは、互いに異なる領域となる。従って、照射部2は、異なる電流値の荷電粒子線を異なる領域に対して照射することができるため、同じ箇所に異なる電流値の荷電粒子線Bを照射する場合に比して、照射時間の演算等が容易となる。
また、制御部7は、所定の層(所定の位置)に対して、少なくとも第1の領域と第2の領域が設定された治療計画マップに基づいて、照射部2を制御する。治療計画マップでは、所定の層に対して計画された荷電粒子線Bの線量分布に基づいて、第1の領域及び第2の領域が設定される。この場合、治療計画マップの線量分布に基づいて第1の領域及び第2の領域を設定することにより、容易に各領域を設定することができる。
また、制御部7は、一の層に対して計画された荷電粒子線Bの線量分布に応じて作成された第1のマップ及び第2のマップに基づいて、照射部2を制御する。第1のマップと第2のマップとでは、荷電粒子線の線量のレンジが互いに異なっており、第1のマップは、第1の電流値にて荷電粒子線Bを走査させる第1の領域を設定し、第2のマップは、第2の電流値にて荷電粒子線Bを走査させる第2の領域を設定する。この場合、線量のレンジが互いに異なっている第1のマップ及び第2のマップに基づいて第1の領域及び第2の領域を設定することにより、容易に各領域を設定することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では(例えば図4の治療計画マップを用いた形態)、第1の領域と第2の領域とは、完全に異なる領域として設定されていた。これに代えて、第1の領域と第2の領域の一部が重なっていてもよく、例えば、第1の領域の全体が第2の領域の一部に含まれてもよい。あるいは、第2の領域の全体が第1の領域の一部に含まれてもよい。
また、照射部2の構成は図2に示すものに限定されず、少なくとも走査電磁石6以外の構成は適宜変更してもよい。
また、図4(b)〜図4(d)に対応するマップを、図5(b)〜図5(d)のようにしてもよい。例えば、図4の例だと、範囲1000−100のマップにおける十の位と一の位の数値は切り捨てられることになってしまう。そこで、図5(b)〜図5(d)のように、レンジに対応して各スポットの線量の値を割り振ることで、照射時間の短縮と照射精度の維持との両立を実現することが可能となる。
1…荷電粒子線治療装置、2…照射部、3…加速器、6…走査電磁石(走査部)、7…制御部、14…腫瘍(被照射体)、41…ビーム輸送ライン。

Claims (1)

  1. 荷電粒子を加速して荷電粒子線を出射する加速器と、
    被照射体へ前記荷電粒子線を照射する照射部と、
    前記加速器と前記照射部とを接続し、前記加速器から出射された前記荷電粒子線を前記照射部へ輸送するビーム輸送ラインと、
    前記照射部による前記荷電粒子線の照射を制御する制御部と、を備え、
    前記被照射体を前記荷電粒子線の照射の深さ方向において仮想的に複数の層に分割した場合に、
    前記照射部は、各々の層において前記荷電粒子線を走査させる走査部を備え、
    前記制御部は、一の層において、第1の電流値にて前記荷電粒子線を照射して走査した後、当該一の層において、前記第1の電流値と異なる第2の電流値にて前記荷電粒子線を照射して走査するように前記照射部を制御し、
    前記制御部は、前記一の層に対して計画された前記荷電粒子線の線量分布に応じて作成された第1のマップ及び第2のマップに基づいて、前記照射部を制御し、
    前記第1のマップと前記第2のマップとでは、前記荷電粒子線の線量のレンジが互いに異なっており、
    前記第1のマップは、前記第1の電流値にて前記荷電粒子線を走査させる第1の領域を設定し、
    前記第2のマップは、前記第2の電流値にて前記荷電粒子線を走査させる第2の領域を設定する、荷電粒子線治療装置。
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