JP6787745B2 - モータおよび減速機付モータ - Google Patents
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Description
ブラシは、外部電源に電気的に接続されている。そして、ブラシ、コンミテータを介してコイルに電流が供給されると、アーマチュアコアに磁界が発生する。この磁界とヨークのマグネットとの間で磁気的な吸引力や反発力が作用し、アーマチュアが継続的に回転する。
また、磁極数を増大させてもヨークへのマグネットの固定工数を抑えることができるので、マグネットの剥離の可能性も低くなり、モータの動作不良を抑制できる。
さらに、平板の一面が全て同一磁極となるように着磁されていると共に周方向に隣り合う磁極が異なるように着磁されている。これに加え、磁極の境界が屈曲部に位置している。このため、同一磁極において、磁極の周方向中央から周方向両端に向かうに従ってアーマチュアコアとの間の距離を徐々に長くできる。このため、モータのコギングトルクを低減できる。
この場合、前記ヨークの内面に、前記平板の個数が2個に設定された前記マグネットを3つ設け、磁極数を6極に設定してもよい。
また、磁極数を増大させてもヨークへのマグネットの固定工数を抑えることができるので、マグネットの剥離の可能性も低くなり、モータの動作不良を抑制できる。
さらに、平板の一面が全て同一磁極となるように着磁されていると共に周方向に隣り合う磁極が異なるように着磁されている。これに加え、磁極の境界が屈曲部に位置している。このため、同一磁極において、磁極の周方向中央から周方向両端に向かうに従ってアーマチュアコアとの間の距離を徐々に長くできる。このため、モータのコギングトルクを低減できる。
図1は、減速機付モータ1の外観を示す斜視図である。
同図に示すように、減速機付モータ1は、例えば、車両のパワーウインドウ装置等に用いられるものである。減速機付モータ1は、一面が開口された略箱状のケーシング10と、ケーシング10の開口を閉塞するように設けられたカバー8と、ケーシング10の一端側に設けられたモータ部30と、モータ部30に連結され、大部分がケーシング10内に収容された減速機部60と、を備えている。
ケーシング10の外周部には、モータ部30の一部を収容するモータ収容部16が形成されている。このモータ収容部16の近傍に、ボルト挿通孔18hが形成されている。また、ケーシング10の外周部には、2つの凸部18が間隔をあけて形成されている。これら凸部18にも、ボルト挿通孔18hが形成されている。すなわち、ボルト挿通孔18hは、合計3つ形成されており、それぞれ周方向に略等間隔で配置されている。ボルト挿通孔18hには、車体にケーシング10を固定するためのボルト(不図示)が挿通される。
また、ケーシング10の外周部には、複数の係止突起10aが間隔をあけて形成されている。これら係止突起10aは、ケーシング10にカバー8をスナップフィット固定するためのものである。
カバー8は、樹脂材料により略板状に形成されている。カバー8は、ケーシング10の開口の形状に対応するように形成されている。また、カバー8のモータ収容部16に対応する箇所には、モータ側カバー82が一体成形されている。
さらに、カバー8の外周部には、ケーシング10の各係止突起10aに対応する位置に、それぞれ係止舌片83が一体成形されている。係止舌片83は、ケーシング10の外周部に向かって延出しており、対応する係止突起10aと係止可能に構成されている。各係止突起10aに係止舌片83を係止させることにより、ケーシング10にカバー8がスナップフィット固定される。
また、開口部85の周縁には、シール部91が設けられている。シール部91は、開口部85と出力ギヤ66との間をシールするためのものである。シール部91は、例えばゴム等により形成されている。
減速機部60は、モータ部30の回転力を受けて駆動し、出力ギヤ66からウィンドウレギュレータ等の外部機器に動力を伝達する。図示は省略するが、減速機部60は、モータ部30の回転力が伝達されるウォームギヤ、このウォームギヤに噛合されるウォームホイール等を有している。そして、ウォームホイールと一体となって出力ギヤ66が回転する。これにより、モータ部30の回転が、減速機部60によって減速され、出力ギヤ66から出力される。出力ギヤ66(不図示のウォームホイール)の回転軸方向は、後述するモータ部30の回転軸33の軸方向と直交している。
図2は、モータ部30をモータケース31の開口部31a側からみた平面図である。
図1、図2に示すように、モータ部30は、不図示のブラシを用いて電力が供給される、いわゆるブラシ付き直流モータである。モータ部30は、ケーシング10のモータ収容部16の側面に配置された有底筒状のモータケース31と、モータケース31内に回転自在に収納されるアーマチュア32と、アーマチュア32に電力を供給するための一対のブラシ(不図示)と、ケーシング10とモータケース31との間に配置されたコネクタ部50と、を備えている。
コネクタ部50は、ブラシを介してアーマチュア32に電力を供給するためのものである。コネクタ部50は、モータ収容部16の側面とモータケース31とに挟持されるフレーム部51と、このフレーム部51に一体的に設けられているコネクタ受け部52と、を備えている。
コネクタ受け部52は、車体側に接続されるハーネスの先端に設けられた不図示のコネクタが挿入される略有底筒状のフード52aを有している。フード52a内には、コネクタに設けられたハーネス側端子に電気的に接続される端子部材(何れも不図示)の一端部が保持されている。この端子部材の他端は、不図示のブラシと電気的に接続されている。これにより、外部電源の電力が不図示のブラシに供給される。
モータケース31は、磁性材の板部材に、例えばプレス加工(深絞り加工)を施して形成されたものである。モータケース31は、筒状のヨーク部35と、ヨーク部35の一端側に一体成形された底部36と、ヨーク部35の底部36とは反対側の周縁に一体成形された外フランジ部37と、ヨーク部35の内側面に配置されたマグネット38と、を備えている。そして、底部36がモータケース31の底部を構成し、外フランジ部37側が開口される。
また、底部36の径方向中央には、回転軸33を回転自在に支持するための有底筒状の軸受部39が軸方向外側に向かって突出形成されている。軸受部39には、不図示の軸受が内嵌固定されている。
(マグネット)
図3は、マグネット38を軸方向からみた平面図である。
図2、図3に示すように、マグネット38は、ヨーク部35の内側面に2つ設けられている。2つのマグネット38は、回転軸33を中心に対向配置されている。また、2つのマグネット38は、ヨーク部35の平坦壁41および屈曲壁42に対応するように、屈曲形成されている。
以下、マグネット38の形状について、詳述する。なお、2つのマグネット38は同一形状であるので、以下では、2つのマグネット38のうちの一方のマグネット38についてのみ説明し、他方のマグネット38についての説明を省略する。
また、マグネット38の一面(例えば、内側面)において、磁極の境界E1は、屈曲部44に位置するように着磁されている。
また、ヨーク部35の屈曲壁42に、マグネット38の屈曲部44が配置されている。換言すれば、ヨーク部35の屈曲壁42とマグネット38の屈曲部44とが径方向で重なり合う。そして、ヨーク部35に、マグネット38が接着剤等により固定されている。
すなわち、マグネット38の屈曲部44の外角をAとし(図3参照)、ヨーク部35の屈曲壁42の内角をBとし(図2参照)たとき、外角Aおよび外角Bは、
A+B=360° ・・・(1)
を満たすように設定されている。
W1=W2 ・・・(2)
を満たすように設定されている。
上記式(1)、式(2)を満たすことにより、1つのマグネット38に形成された2つの屈曲部44は、それぞれヨーク部35の屈曲壁42に密接される。また、ヨーク部35の平坦壁41に、マグネット38の平坦部43が密接される。
つまり、磁極の境界E1付近や、隣り合うマグネット38の間の間隙K2付近において、マグネット38の磁束の急激な変化によるアーマチュアコア34への影響を、極力低減できる。このため、モータ部30のコギングトルクを低減できる。
同図に示すように、円弧マグと比較して平板マグのコギングトルクが格段に低減されることが確認できる。
また、磁極数で3極分が1つのマグネット38になっているので、磁極数を増大させてもヨーク部35へのマグネット38の固定工数を抑えることができる。このため、ヨーク部35へのマグネット38の固定作業を簡素化できる。これに加え、ヨーク部35からマグネット38が剥離してしまう可能性も低くなり、モータ部30の動作不良を抑制できる。
ここで、モータケース31は、任意の1つの平坦壁41の面方向と出力ギヤ66の軸方向とが直交するように、モータ収容部16の側面に締結固定されている。このため、出力ギヤ66と直交する方向のモータケース31(ヨーク部35)の占有幅をできる限り狭く設定できる。すなわち、出力ギヤ66と直交する方向において、ヨーク部35を薄型化(扁平化)できるので、自動車用パワーウインドウの駆動用モータのように設置スペースの問題から薄型化が要求されるような用途に有利となるため、減速機付モータ1のレイアウト性を高めることができる。
次に、図5に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。
図5は、モータ部230をモータケース231の開口部231a側からみた平面図であって、前述の図2に対応している。
前述の第1実施形態と本第2実施形態との相違点は、第1実施形態のマグネット38の形状と第2実施形態のマグネット238の形状とが異なる点にある。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、マグネット238は、ヨーク部35の内側面に3つ設けられている。マグネット238は、ヨーク部35の内側面に沿って周方向に互いに角度が付くように並んで配置された2つの平坦部243と、周方向で隣り合う平坦部243同士を連結する2つの屈曲部244と、により構成され、全体として略くの字状になる。平坦部243は、平板状に形成されている。屈曲部244は、径方向に沿う断面が略円弧状となるように形成されている。
また、マグネット238の一面(例えば、内側面)において、磁極の境界E1は、屈曲部244に位置するように着磁されている。
また、ヨーク部35の屈曲壁42に、マグネット238の屈曲部244が配置されている。換言すれば、ヨーク部35の屈曲壁42とマグネット238の屈曲部244とが径方向で重なり合う。そして、ヨーク部35に、マグネット238が接着剤等により固定されている。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
例えば、上述の実施形態では、減速機付モータ1は、例えば、車両のパワーウインドウ装置等に用いられるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな装置に減速機付モータ1を採用することができる。
さらに、上述の第1実施形態では、1つのマグネット38は、3つの平坦部43と2つの屈曲部44とを有する3極に設定されている場合について説明した。また、上述の第2実施形態では、1つのマグネット238は、2つの平坦部243と1つの屈曲部244とを有する2極に設定されている場合について説明した。しかしながら、これらに限られるものではなく、マグネットは、複数の平坦部43,243と、少なくとも1つの屈曲部44,244とにより、任意の複数極に設定することが可能である。
Claims (9)
- 磁性材からなる筒状のヨーク、および前記ヨークの内周面に設けられる複数のマグネットを有するモータケースと、
前記モータケース内に回転自在に軸支される回転軸と、
前記回転軸に外嵌固定されたアーマチュアコアと、
を備え、
前記マグネットは、
少なくとも2つの平板を前記ヨークの内周面に沿って角度が付くように連結してなり、前記平板同士が連結された箇所に屈曲部と、
周方向両端における前記ヨークの前記内周面側に設けられ、前記周方向両端に向かうに従って徐々に前記ヨークの前記内周面から離間するように形成された逃げ部と、
を有し、
且つ、各前記平板の一面が全て同一磁極となるように着磁されていると共に、周方向に隣り合う各前記平板の同一面の磁極が異なるように着磁されており、
且つ、磁極の境界が前記屈曲部に位置し、
前記複数のマグネットのそれぞれと前記アーマチュアコアとの距離が、前記平板の中央から前記屈曲部および前記逃げ部に向かうに従って徐々に大きくなることを特徴とするモータ。 - 前記ヨークは、径方向に沿う断面が多角形状であり、周方向に並ぶ複数の平坦壁を角度が付くように連結してなり、前記平坦壁同士が連結された箇所に屈曲壁を有し、
前記マグネットは、前記屈曲部と前記屈曲壁とが径方向で重なるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。 - 前記平坦壁の内側面に、前記マグネットの前記平板が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
- 前記マグネットの前記屈曲部の外角をAとし、前記ヨークの前記屈曲壁の内角をBとしたとき、前記外角Aおよび前記内角Bは、
A+B=360°
を満たすように設定されている
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のモータ。 - 前記ヨークの前記平坦壁における内側面の周方向の幅と、前記マグネットの前記平板における前記ヨーク側の周方向の幅と、が同一長さに設定されていることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載のモータ。
- 前記ヨークの内面に、前記平板の個数が3個に設定された前記マグネットを2つ設け、磁極数を6極に設定した
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載のモータ。 - 前記ヨークの内面に、前記平板の個数が2個に設定された前記マグネットを3つ設け、磁極数を6極に設定した
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載のモータ。 - 請求項1から請求項7の何れか1項に記載のモータと、
前記回転軸の回転力を受けて駆動し、出力軸から動力を出力する減速機部と、を備えた
ことを特徴とする減速機付モータ。 - 前記ヨークは、径方向に沿う断面が多角形状であり、周方向に並ぶ複数の平坦壁を角度が付くように連結してなり、前記平坦壁同士が連結された箇所に屈曲壁を有すると共に、前記平坦壁および前記屈曲壁が偶数個に設定されており、
1つの前記平坦壁の面方向と前記出力軸の軸方向とが直交していることを特徴とする請求項8に記載の減速機付モータ。
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