JP6787473B1 - 分散型電源システム - Google Patents

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Abstract

【課題】散型電源システムにおける出力電力を、系統側への逆潮流が発生しない範囲でより高い出力電力に、より確実に制御できる技術を提供する。【解決手段】発電装置(20)と、パワーコンディショナ(10)と、電力供給対象である負荷(2、3)と商用電力系統(1a)とに接続された出力端(17、18、19)とを備え、所定の出力電力を出力することで前記負荷(2、3)に電力を供給する分散型電源システム(1)であって、過去の所定期間における前記出力電力を検知する検知手段(6a、6b)と、出力電力を変更する出力変更手段(13)と、検知手段(6a、6b)が検知した過去の所定期間における系統電力の最大値を検出し、系統電力の最大値が、商用電力系統(1a)への逆潮流が生じ得る閾値より小さい場合には、出力変更手段(13)に出力電力を所定量だけ増加させる制御部(12)と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、分散型電源システムに関し、特に、分散型電源による電力が系統へ逆潮流することを抑制する分散型電源システムに関する。
従来より、分散型電源システムにおいては、系統との接続経路にある受電点における電力を検出し、分散型電源の出力電力を調整することで、系統側への出力電力の逆潮流を抑制していた(例えば、特許文献1等参照のこと)。しかしながら、特に、太陽光発電を利用する分散型電源においては、負荷の変動や太陽光の照度の変動があるため、出力を高速に調整することが困難な場合があった。これに対応するため、従来の分散型電源システムにおいては、系統側への逆潮流が生じる電力のレベルに対して、充分な余裕を持って動作させることで逆潮流の発生を防止していた。
したがって、系統側への逆潮流が生じる電力レベルに近いレベルで、太陽光発電による電力を有効に活用することが困難であった。また、太陽光発電においては、出力電力を減少させることは比較的容易に実施できるが、出力電力を増加させることは、太陽電池の特性により制限され、出力動作点も、MPPT制御で探索するため、高速に出力電力を増加させることが困難であった。また、分散型電源システムに蓄電池を導入することで、分散型電源システムの出力電力を増加・減少させることを、蓄電池への充電によって実現することも可能であるが、蓄電池を導入するための装置コストが増大する問題があった。
特許第3656556号公報
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、分散型電源システムにおける出力電力を、系統側への逆潮流が発生しない範囲でより高い出力電力に、より確実に制御できる技術を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明は、直流電力を発電する発電装置と、前記発電装置によって発電された直流電力を交流に変換するパワーコンディショナと、電力供給対象である負荷と商用電力系統とに接続された出力端とを備え、所定の出力電力を出力することで前記負荷に電力を供給する分散型電源システムであって、
過去の所定期間において、前記商用電力系統へ流れる系統電力を検知する検知手段と、
前記出力電力を変更する出力変更手段と、
前記検知手段が検知した前記過去の所定期間における前記系統電力の最大値を検出し、前記系統電力の最大値が、前記商用電力系統への逆潮流が生じ得る閾値より小さい場合には、前記出力変更手段に前記出力電力を所定量だけ増加させる制御部と、
を備えることを特徴とする、分散型電源システムである。
これによれば、過去の所定期間における系統電力を監視しておき、その系統電力の最大値が、商用電力系統への逆潮流が生じ得る閾値より小さい場合には、出力電力を所定量だけ増加させることができる。そうすれば、過去における分散型電源システムの出力電力の変動を考慮した上で、その最大値を、商用電力系統への逆潮流が生じ得る閾値に近づける
ことができる。これによれば、より確実に、逆潮流を防止しつつ、分散型電源システムの出力電力を高く維持することができる。
また、本発明においては、前記過去の所定期間は所定数の分割期間に分割され、
前記分割期間の経過毎に、その時点から過去に前記所定期間遡った時点までの各分割期間における前記系統電力の最大値である分割期間最大値が記憶される記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された、前記所定期間における全ての前記分割期間最大値のうちの最大値を取得することで、前記過去の所定期間における前記系統電力の最大値を検出するようにしても構わない。
これによれば、過去の所定期間における系統電力の最大値を、当該所定期間を分割した分割期間毎に、より少ない情報量で取得することができる。その結果、より少ない情報でより最適に、分散型電源システムの出力電力を、商用電力系統への逆潮流が生じ得る閾値に近づけることができ、より高速に系統電力を最適化することができる。なお、前記系統電力は、前記出力電力−負荷消費電力から算出が出来るため、系統電力に変えて、負荷消費電力の測定を行って、出力電力から、測定した負荷消費電力を引き算することで系統電力を算出しても、本発明を実現できることは、言うまでもない。
また、本発明においては、前記制御部は、前記出力電力を所定量だけ増加させた場合には、前記記憶部に記憶されている前記過去の所定期間における前記分割期間最大値を所定量だけ増加させるようにしてもよい。
ここで、過去の各分割期間における系統電力の分割期間最大値は、その時点における出力電力の値から、その負荷消費電力が引き算された値である。よって、現時点において出力電力の値を所定量だけ増加させた場合には、過去の所定期間における分割期間最大値も所定量だけ増加させることで、現時点における出力電力に対してその負荷消費分を引き算した最大値を仮定し、その値と商用電力系統への逆潮流が生じ得る閾値とを比較することができる。その結果、より正確に、逆潮流を防止しつつ、分散型電源システムの出力電力を高く維持することができる。同様に、前記分割期間最大値を所定量だけ増加させる代わりに、直近の出力電力目標値と、負荷消費電力を、合わせて記録することでも、目標値変更後の受電点電力の受電点動作レベルを実現することが出来る。
また、本発明においては、前記過去の所定期間は所定数の分割期間に分割され、
前記分割期間の経過毎に、その時点から前記所定期間遡った時点までの各分割期間における前記系統電力の最大値と前記閾値との偏差である分割期間偏差が記憶される記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された、前記過去の所定期間における全ての前記分割期間偏差のうちの最小値を取得することで、前記過去の所定期間における前記系統電力の最大値を検出するようにしてもよい。
この場合には、過去の所定期間における系統電力の最大値の代わりに、過去の所定期間における、閾値と系統電力の偏差の最小値を取得することで、系統電力が閾値に達するか否かを評価することができる。これによれば、偏差の最小値の符号より、逆潮流の発生の可能性を判定することができ、判定を簡易化することが可能である。
また、本発明においては、前記制御部は、前記出力電力を所定量だけ増加させた場合には、前記記憶部に記憶されている前記過去の所定期間における前記分割期間偏差を所定量だけ減少させるようにしてもよい。ここで、過去の各分割期間における分割期間偏差は、その時点における系統電力と閾値との偏差の値から、その変動分が差し引かれた値である
。よって、現時点において出力電力を所定量だけ増加させ、結果として偏差を所定量だけ減少させた場合には、過去の所定期間における分割期間偏差も所定量だけ減少させることで、現時点における系統電力と閾値との偏差から、その変動分を差し引いた最小値を仮定し、その最小値の値や符号から、逆潮流の発生の可能性を判定することができる。その結果、より正確に、逆潮流を防止できる目標値を設定することで、分散型電源システムの出力電力に関して、逆潮流が発生しないために目標とする発電量を高く維持することができる。
また、本発明においては、前記制御部は、前記出力電力及び/または前記所定量を前記パワーコンディショナの定格出力に対する比率として取得するようにしてもよい。また、前記発電装置及び、該発電装置によって発電された直流電力の電圧を変更するとともに直流を交流に変換するパワーコンディショナを、各々複数有し、
前記制御部は、前記出力電力及び/または前記所定量を前記複数のパワーコンディショナの定格出力の合計値に対する比率として取得するようにしてもよい。
このように、出力電力や、出力電力を増加させる際の所定量を、パワーコンディショナの定格出力に対する比率として取得することで、複数のパワーコンディショナの出力電力を同時に制御する場合であっても、合計の定格出力に対する比率を制御量として、複数のパワーコンディショナに対して同様の制御を行うことが可能である。その結果、複数のパワーコンディショナの出力電力を同時に、より容易に制御することが可能となる。
また、本発明においては、前記制御部は、前記系統電力の最大値が前記閾値より大きい場合には、前記出力変更手段に前記出力電力を第二所定量だけ減少させるようにしても構わない。これにより、系統電力の最大値が閾値を超えて、商用電力系統への逆潮流の発生の可能性が生じた場合に、出力電力を減少させ、逆潮流の発生の可能性を低減することができる。
また、本発明においては、直流電力を充電または放電する蓄電池をさらに備え、
前記制御部は、前記系統電力の最大値が前記閾値より大きい場合には、前記出力電力の一部を前記蓄電池に充電するようにしても構わない。このことによっても、パワーコンディショナの発電する電力を抑制することなく、蓄電池へ充電することで、系統へ供給する電力を減少させることができ、逆潮流の発生の可能性を低減することができる。あるいは、本発明においては、直流電力を充電または放電する蓄電池をさらに備え、前記制御部は、前記出力電力が前記負荷の消費電力より大きい場合には、前記出力電力の一部を前記蓄電池に充電するようにしても構わない。
また、本発明においては、前記負荷における消費電力を増大させる負荷電力増大手段をさらに備え、
前記制御部は、前記系統電力の最大値が前記閾値より大きい場合には、前記負荷電力増大手段に、前記負荷における消費電力を増大させるようにしても構わない。このことによっても、商用電力系統側に流れる電力を減少させることができ、逆潮流の発生の可能性を低減することができる。あるいは、本発明においては、前記負荷における消費電力を増大させる負荷電力増大手段をさらに備え、前記制御部は、前記出力電力が前記負荷の消費電力より大きい場合には、前記負荷電力増大手段に、前記負荷における消費電力を増大させるようにしても構わない。
また、本発明においては、前記商用電力系統に対して、複数の前記負荷が複数の系列として並列に接続され、
前記複数の系列における各系列に、前記発電装置と、前記パワーコンディショナと、前記出力端と、前記検知手段と、前記出力変更手段とを備え、
前記制御部は、前記各系列における前記検知手段が検知した前記過去の所定期間における前記系統電力の合計値の最大値を検出し、前記合計値の最大値が、前記商用電力系統への逆潮流が生じ得る閾値より小さい場合には、前記各系列における前記出力変更手段に前記出力電力を所定量だけ増加させるようにしても構わない。
これによれば、複数の系列において、負荷の大きさやパワーコンディショナの出力電力が異なり、系統電流の方向が異なるような場合でも、各々の系列における出力電力の合計値として、逆潮流の発生の可能性について判定することができる。その結果、より簡単に、システム全体として逆潮流の発生を抑制することが可能である。
なお、本発明における上記の課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することが可能である。
本発明によれば、分散型電源システムにおける出力電力を、系統側への逆潮流が発生しない範囲でより高い出力電力に、より確実に制御することができる。
本発明の実施例1における分散型電源システムの概略構成を示す図である。 本発明の実施例1における出力電力の変化、出力制御目標の変化及び、制御偏差の最小値の変化を示すグラフである。 本発明の実施例2における分散型電源システムの概略構成を示す図である。 本発明の実施例2における分散型電源システムの変形例の概略構成を示す図である。 本発明の実施例2における分散型電源システムの第二の変形例の概略構成を示す図である。 本発明の実施例2における分散型電源システムの第三の変形例の概略構成を示す図である。 本発明の実施例3における分散型電源システムの概略構成を示す図である。 本発明の実施例3における分散型電源システムの変形例の概略構成を示す図である。
〔適用例〕
以下、本発明の適用例について、図面を参照しつつ説明する。図1に、本適用例における分散型電源システム1の概略構成について示す。図1において、分散型電源システム1は、パワーコンディショナ10と太陽光発電装置20とを含んでいる。1aは商用電源の商用電力系統であり、この商用電力系統1aには、第1の負荷2と、第2の負荷3(以下、単純に負荷2、3という)が接続されている。
パワーコンディショナ10は、太陽光発電装置20から入力された電力を変換する電力変換部13を有する。この電力変換部13は、太陽光発電装置20が発電した電力を昇圧するDC/DCコンバータと、このDC/DCコンバータによって昇圧された電力を商用電力系統1aと同期のとれた交流電力に変換するDC/ACインバータを含んでおり、これらの作動により、太陽光発電装置20が発電した直流電力を、商用電力系統1aと同期のとれた交流電力に変換する。また、パワーコンディショナ10は、電力変換部13からの出力電力を制御するための制御指令信号を発信する制御部12と、電力変換部13からの出力電力を制御する際に用いる情報を記憶する記憶部11を有する。
そして、パワーコンディショナ10は、上述のように、太陽光発電装置20が発電した
電力を商用電力系統1aと同期のとれた交流電力に変換して負荷2、3に供給する。そして、パワーコンディショナ10による出力電力が、負荷2、3における消費電力に対して不足する場合には、商用電力系統1aより商用電力の供給を受ける。
一方、パワーコンディショナ10による出力電力が、負荷2、3における消費電力より大きい場合には、商用電力系統1a側に逆潮流が生じる虞があるので、この場合には、電力変換部13を制御することで、パワーコンディショナ10による出力電力を抑制する必要がある。本適用例では、その際に、パワーコンディショナ10による出力電力を、商用電力系統1a側への逆潮流が生じる閾値を超えない範囲で出来る限り大きくなるように制御することで、太陽光発電装置20の発電能力を最大限に利用するようにした。
本適用例においては、常に、過去の所定の監視期間における、パワーコンディショナ10による系統電力の最大値を監視し、その最大値が逆潮流を生じる虞がある閾値より小さい場合には、パワーコンディショナ10による出力電力の制御目標値である出力制御目標を所定量増加させ、監視期間における系統電力の最大値が閾値を超えない範囲で、出力制御目標が最大となるような制御を行う。
図2には、分散型電源システム1における制御の一例を示す。図2の上段グラフは、系統CT(カレントトランス)6a、6bが設けられた受電点における系統電力の時間的変化を示す。この系統電力は、負荷2、3の消費電力が一定の場合には、パワーコンディショナ10からの出力電力に応じた時間的変化をするので、上段グラフは、パワーコンディショナ10からの出力電力を示しているとも言える。この系統電力は、太陽光発電装置20による発電電力やパワーコンディショナ10の電力変換部13による出力の変動や揺らぎを含んでおり、ばらつきながら変化する。
図2の中段グラフは、パワーコンディショナ10の電力変換部13における出力制御目標Bの時間的変化を示す。図2の上段グラフにおいて、RPR検出レベルは、系統電力がこれ以上となることで、逆潮流が発生する閾値である。実際には、系統電力がこれ以上となることで、出力継電器(RPR)が作動し、逆潮流が商用電力系統1aに流れ込まないように、パワーコンディショナ10が商用電力系統1aから遮断される。
また、図2において、横軸(時間軸)を分割する破線で挟まれた時間は、本適用例における分割期間である。この分割期間は、系統電力の最大値を検出する単位としての期間であり、この分割期間毎に、系統電力の最大値が検出される。この分割期間毎の系統電力の最大値を、以下、分割期間最大値とも呼ぶ。また、この分割期間の長さは例えば、5secである。そして、各分割期間において検出された分割期間最大値は記憶部11に記憶される。
図2には、過去の30sec程度の期間に関する系統電力しか記載されていないが、本適用例では、分割期間が経過する毎に、例えば過去60sec程度の監視期間における系統電力が監視される。そして、その時点で、記憶部11に記憶された、過去の監視期間に含まれる各分割期間における分割期間最大値のうちの最大値がRPR検出レベルより小さい場合には、出力制御目標Bを所定量だけ増加させる。そして、監視期間に含まれる各分割期間最大値のうちの最大値が、RPR検出レベル以上(あるいは、RPR検出レベルを超えた値)となった場合には、出力制御目標Bを低下させる。
なお、上記の制御において、出力制御目標Bを増加させる場合には、記憶部11に記憶されている、監視期間に属する各分割期間における過去の分割期間最大値の値も、同量だけ増加させる。これは、過去の各分割期間においては、出力制御目標B自体が小さいため、現在時刻において、過去の監視期間における、先述の変動や揺らぎを含んだ系統電力の
最大値を求めるためには、過去の分割期間最大値について出力制御目標Bの増加分を増加させた上で、それらのうちの最大値を取得する必要があるからである。同様に、上記の制御において、出力制御目標Bを減少させる場合には、記憶部11に記憶されている、監視期間に属する各分割期間における分割期間最大値の値を、同量だけ減少させる。
この制御によれば、パワーコンディショナ10による出力電力を、その変動や揺らぎを考慮した上で、逆潮流が生じない範囲で可及的に大きい値に制御することができる。その結果、より効率よく、太陽光発電装置20の発電電力を利用することが可能である。また、この制御によれば、5sec程度の分割期間毎に出力制御目標Bを決定し、太陽光発電装置20の発電電力に基づく電力を制御するため、常に出力最大となる太陽光発電装置20の動作点を探索するMPPT制御による太陽光発電装置20の発電電力に基づく電力の制御と比較して、より高速にパワーコンディショナ10による出力電力を制御することが可能である。
<実施例1>
次に、本発明の実施例について、図を参照しつつ詳細に説明する。本実施例におけるパワーコンディショナ10は、太陽光発電装置20が発電した電力を商用電力系統1aと同期のとれた交流電力に変換する出力変更手段としての電力変換部13を備える。また、商用電力系統1aと負荷2、3の間の受電点を流れる電流の向きと大きさを検出する検知手段としての系統CT(カレントトランス)6a、6bと、この系統CT6a、6bの検出信号を入力するCT入力回路(ADコンバータ)15a、15bを備える。また、電力変換部13の出力電流の大きさを検出する出力CT(カレントトランス)CT14と、この出力CT14の検出信号を入力するCT入力回路(ADコンバータ)15cを備える。さらに、商用電力系統1aの電圧(系統電圧)を検出信号として入力する電圧入力回路35a、35bと、電力変換部13に指令を発信してパワーコンディショナ10による出力電力を制御する制御部(MPU)12を備える。
そして、制御部(MPU)12は、CT入力回路15a、15b、15c及び電圧入力回路35a、35bからの信号を受けて、負荷2、3側から商用電力系統1a側に向かう逆潮流が生じないように電力変換部13を制御する。この制御部12には、制御部12によって行われる制御に必要なデータが記憶された記憶部11が接続されている。この記憶部11は、ROM、RAM等のメモリ素子を含んで構成される。
制御部12の出力側は電力変換部13に設けられたCPU(図示せず)に接続されており、この電力変換部13の入力側には太陽光発電装置20の出力側が接続してあり、電力変換部13の出力側は信号出力部16に接続されている。この信号出力部16は、接続線17、18、19を介して商用電力系統1a及び負荷2、3に接続されている。そして、この信号出力部16には出力CT14が設けてあり、この出力CT14の信号出力側はCT入力回路15cを介して制御部12に接続されている。また、信号出力部16からの出力信号の電圧を検出すべく信号出力部16に電圧入力回路35a、35bの入力側が接続されている。
次に、図2について詳細に説明する。図2において、前述のように、上段グラフは、系統CT(カレントトランス)6a、6bが設けられた受電点における系統電力の時間的変化を示す。図2の中段グラフは、パワーコンディショナ10の制御部12によって決定される出力制御目標Bの時間的変化を示す。図2の下段グラフは、上段グラフにおいて検出され記憶部11に記憶された、各分割期間における分割期間最大値の変更の様子を示す。なお、実際には、本実施例においては、各分割期間における分割期間最大値は、RPR検出レベルと各分割期間における分割期間最大値との制御偏差Aとして記憶される。よって、各分割期間における分割期間最大値は、各分割期間における制御偏差Aの最小値Ami
n[n](n=0〜11)として記憶部に記憶される。なお、各分割期間における制御偏差Aの最小値Amin[n]は、以下、分割期間偏差とも呼ぶ。
図2の上段グラフにおいて、RPR検出レベルは、系統電力がこれを超えることで、保護継電器(RPR)が作動し、分散型電源システム1と商用電力系統1aとが遮断される閾値である。このRPR検出レベルは、例えば、逆潮流も順潮流もない0Wの状態から、パワーコンディショナ10の定格電力の5%の電力が逆潮流側に流れた場合の電力値であってもよい。また、図2において、上述のように、分割期間の長さは5secであり、監視期間の長さは60secである。すなわち、監視期間60secを12分割する期間として、分割期間5secが定義されている。
本実施例では、過去60secの監視期間における、RPR検出レベルと系統電力との偏差である制御偏差Aが監視される。この制御偏差Aの値は、太陽光発電装置20に対する照度の変化やパワーコンディショナ10の出力電力の変動によって変化する。そして、図2の上段グラフに示すように、各分割期間における分割期間偏差Amin[n](n=0〜11)を検出し、記憶部11に記憶する。なお、本実施例では、制御偏差Aは、以下の式(1)に示すように、パワーコンディショナ10による定格出力電力(パワーコンディショナ10が後述するように複数個ある場合にはその合計値)に対する割合[%]として記憶される。

制御偏差A[%] = { (系統電力−RPR検出レベル)÷Σパワーコンディショナ定格}
×100[%] −オフセット・・・・・(1)
式(1)に関して、標準偏差A[%]は、逆潮流側については、100[%] ≧ 制御偏差A[%]の範囲に制限してもよい。また、順潮流側については、制御偏差A[%] ≧−50[%]の範囲に制限してもよい。これにより、負荷2、3が大幅に変動したような場合であ
っても、制御偏差A[%]が過応答になることを抑制できる。
そして、各分割期間における分割期間偏差Amin[n]の、監視期間全体における最小値が、所定の偏差閾値(本実施例ではパワーコンディショナ定格出力の1%)より大きい場合には、出力制御目標Bを、所定増加量(所定増加量:本実施例では1%)ずつ増加させる。この所定増加量は本発明における所定量に相当する。同時に、各分割期間について記憶されている制御偏差Aの最小値を1%縮小する。また、各分割期間における分割期間偏差Amin[n]の、監視期間全体における最小値が0以下(あるいは負数でもよい)となった場合は、その時の出力制御目標Bの値に、分割期間偏差Amin[n]の監視期間全体における最小値Min(Amin[n])を加算する。ここで加算されるMin(Amin[n])は本発明における第二所定量に相当する。
同時に、各分割期間について記憶されている分割期間偏差Amin[n]から、Min(Amin[n])を減算する。この場合、Min(Amin[n])は負の値であるので、出力制御目標Bは減少し、各分割期間偏差Amin[n]は増加し、その最小値Min(Amin[n])が0になる。なお、各分割期間における分割期間偏差Amin[n]の、監視期間全体における最小値が0以下(あるいは負数でもよい)となった場合は、パワーコンディショナ10による出力電力の監視期間における最大値が増加したために、監視期間における逆潮流電力の最大値が、RPR検出レベル以上となった場合に相当する。
なお、その際、出力制御目標Bの変化には、1[%/s]のレートリミットをかけるようにしてもよい。また、出力制御目標Bは、システムの起動時あるいは、系統と切り離されたゲートブロックの解除時には、0%から再スタートさせるようにしてもよい。また、各分割期間偏差Amin[n]は、システムの起動時あるいは、系統と切り離されたゲートブロックの解除時には、Amin[n](%)−5(%)の値から、再スタートさせるように
してもよい。
本実施例によれば、現在のパワーコンディショナ10による出力電力のみならず、過去のパワーコンディショナ10による出力電力に基づく系統電力を確認しつつ、逆潮流がRPR検出レベルを超えない範囲で、パワーコンディショナ10の出力電力が可及的に大きくなるように制御をすることができ、逆潮流の発生を抑制しながら、効率的に負荷2、3に電力供給を行うことが可能である。また、従来は、パワーコンディショナ10を含めた分散型電源システム1の設置先における負荷2、3の変動を確認しつつ、設置時に出力制御目標Bを調整する必要があったが、本システムにおいては、負荷2、3の変動の影響も含めた上で、分散型電源システム1の作動中にパワーコンディショナ10による出力電力を最適値に自動調節することが可能である。
なお、本実施例においては、出力制御目標Bの値は、5秒の分割期間に1%という割合で、徐々に変化させることとしたが、出力制御目標Bの変化速度はこれに限られない。例えば、PI制御によって、一気にRPR検出レベルに近づけてもよい。また、本実施例において出力制御目標Bは、パワーコンディショナ10の定格出力に対する比率[%]を制御量として制御を行ったが、必ずしも、出力制御目標Bをパワーコンディショナ10の定格出力に対する比率[%]を制御量として制御する必要はない。実際の電力値[W]を制御量として制御しても構わない。さらに、本実施例においては、監視期間を60secとしたが、監視期間がこれに限定されるものではないことは当然である。しかしながら、監視期間を60sec程度とし、分割時間を5sec程度とすることで、パワーコンディショナ10による出力電力を充分高速に制御することが可能である。また、制御偏差Aの計算に、オフセットが加算されているように、オフセットの値によって、RPRの検出レベルと異なる閾値を制御目標とすることも可能であるし、逆潮流側での閾値設定に限らず、順調流側に目標値を設定することによっても、所定の機能を実現することが可能である。
また、本実施例においては、発電装置として、太陽光発電装置20を用いることを前提としたが、本発明は、発電装置として、太陽光の他の自然エネルギーを用いた発電装置の他、燃料電池、蓄電池を用いた電力供給装置、ガスエンジン装置、及びそれらの組み合わせ等に適用されてもよい。
<実施例2>
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例においては、分散型電源システムが、複数のパワーコンディショナを備えている例について説明する。
図3には、本実施例における分散型電源システム51の概略構成を示す。図3に示すように、本実施例では、Masterパワーコンディショナ10の他に、Slaveパワーコンディショナ10a、10bを備えている。このSlaveパワーコンディショナ10a、10bの内部構成は、系統CT6a、6bとCT入力回路15a、15bを有していない点の他は、図1に示したものと同等である。Slaveパワーコンディショナ10aは、接続線17a、18a、19aによって、商用電力系統1a及び負荷2、3に接続されており、Slaveパワーコンディショナ10bは、接続線17b、18b、19bによって、商用電力系統1a及び負荷2,3に接続されている。そして、Masterパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10aの間及び、Slaveパワーコンディショナ10aとSlaveパワーコンディショナ10bの間では、CAN(Controller Area Network)通信22、23によって情報通信がなされる。
本実施例における制御の概要は、実施例1で説明した制御と同等である。本実施例においては、Masterパワーコンディショナ10の制御における出力制御目標Bは、パワーコンディショナ10、10a、10bの合計の定格出力を100%とした場合の、各パ
ワーコンディショナの出力の割合(%)として制御される。例えば、Masterパワーコンディショナ10の制御部12において、実施例1と同様の制御によって、出力制御目標B(%)が決定される。そして、その出力制御目標B(%)の情報がCAN通信22、23によって、Slaveパワーコンディショナ10a、10bに送信される。Slaveパワーコンディショナ10a、10bにおいては、Masterパワーコンディショナ10からの指令に基づいて、自らにおける出力制御目標B(%)が同じ値になるような制御が行われる。
図3に示す本実施例の分散型電源システム51においては、複数のパワーコンディショナの合計の定格出力に対する比率(%)を制御量とするので、パワーコンディショナの台数が増えても、同じアルゴリズムを使用することが可能である。このように、本実施例に係る制御によれば、分散型電源システム51のシステム構成の自由度が増加し、分散型電源システムの設置が容易となる。その結果、導入コストや手間を省略し、分散型電源システムの普及を促進することが可能である。また、複数のパワーコンディショナの合計の定格出力に対する比率(%)を制御量として制御を行うので、パワーコンディショナ毎に出力電力の揺らぎが異なっていても、適切な制御が可能である。
《変形例》
図4には、変形例として、本実施例に係る分散型電源システム52を、三相の需要家負荷2a及び単相の需要家負荷2、3と、高圧配電線21とに接続した例を示す。この変形例では、高圧配電線21からの電力を、キュービクル52bを介して、需要家構内52aにおける三相の需要家負荷2aと、単相の需要家負荷2、3に供給している。Masterパワーコンディショナ10及びSlaveパワーコンディショナ10a、10bの構成は、図3に示したものと同等である。Masterパワーコンディショナ10及びSlaveパワーコンディショナ10a、10bの出力端は、単相の需要家負荷2、3とキュービクル52bの間に接続されており、系統CT6a、6bは、高圧配電線21とキュービクル52bの間の受電点に設けられている。
この変形例においては、需要家構内52aのキュービクル52bから高圧配電線21への逆潮流を抑制しつつ、各パワーコンディショナに接続された太陽光発電装置(不図示)の出力を可及的に高出力に制御することが可能であり、太陽光発電装置による発電電力をより効率的に利用することが可能である。
次に、図5には、本実施例におけるSlaveパワーコンディショナ10bの代わりに、蓄電池用パワーコンディショナ10cを接続した変形例を示す。この例では、Masterパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10aの間は、CAN(Controller Area Network)通信22によって情報通信がなされる。そして、Mast
erパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10aについては、実施例2で説明したと同様の制御によって、その出力電力が制御される。
そして、逆潮流電力が、RPR検出レベル以上(あるいは、RPR検出レベルを超えた値)となった場合には、出力目標値Bが減少する。その場合には同時に、Masterパワーコンディショナ10の制御部12から蓄電池用パワーコンディショナ10cには、通信線22aを通じて充電指令信号が発信され、Masterパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10aに接続された太陽光発電装置の余剰の発電電力は、蓄電池用パワーコンディショナ10cに接続された蓄電池(不図示)に充電される。これによれば、太陽光発電装置の発電電力を無駄にすることがなく、さらに効率的に、太陽光発電装置の発電電力を利用することが可能である。
また、図5に示す変形例では、逆潮流電力が、RPR検出レベル以上(あるいは、RP
R検出レベルを超えた値)となった場合に、出力目標値Bを減少させる代わりに、蓄電池用パワーコンディショナ10cに接続された蓄電池(不図示)への充電量を増加させることとしてもよい。これによれば、出力目標値Bは、Masterパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10aの出力電力の合計値に基づく逆潮流電力が、RPR検出レベルと同等レベルになるように制御した上で、Masterパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10aの出力電力の合計値に基づく逆潮流電力が、RPR検出レベル以上(あるいは、RPR検出レベルを超えた値)となった場合には、蓄電池(不図示)への充電量を増加させるので、出力目標値Bをより高く設定することが可能である。その結果、さらに効率的に、太陽光発電装置の発電電力を利用することが可能である。
図6には、本実施例におけるSlaveパワーコンディショナ10bの代わりに、デマンドコントローラまたは負荷制御機器10dを接続した変形例を示す。この例では、Masterパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10aは、CAN(Controller Area Network)通信22によって情報通信がなされる。そして、Mast
erパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10aについては、実施例2で説明したと同様の制御によって、その出力電力が制御される。そして、Masterパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10aの出力の合計に基づく逆潮流電力が、RPR検出レベル以上(あるいは、RPR検出レベルを超えた値)となった場合には、出力目標値Bを減少させる代わりに、デマンドコントローラまたは負荷制御機器10dに、通信線22bを通じて消費電力の増加指令信号が発信され、需要家内での負荷2、3における消費電力を増加させる。このデマンドコントローラまたは負荷制御機器10dは、本実施例において負荷電力増大手段に相当する。
これによれば、出力目標値Bは、Masterパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10aの出力の合計に基づく逆潮流電力が、RPR検出レベルと同等レベルになるように制御した上で、パワーコンディショナ10とパワーコンディショナ10aの出力の合計に基づく逆潮流電力が、RPR検出レベル以上(あるいは、RPR検出レベルを超えた値)となった場合には、需要家内での負荷2、3における消費電力を増加させるので、出力目標値Bをより高く設定することが可能である。その結果、さらに効率的に、太陽光発電装置の発電電力を利用することが可能である。
<実施例3>
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例においては、分散型電源システムが、異なる需要家負荷に電力を供給する複数の系列に適用され、各々の系列における受電点で電力計測が行われる例について説明する。
図7には、本実施例における分散型電源システム61の概略構成を示す。図6に示すように、本実施例の分散型電源システム61は、第1の系列61aと、第2の系列61bとを有する。第1の系列61aのために、Masterパワーコンディショナ10が設けられている。また、第2の系列61bのために、計測用Slaveパワーコンディショナ30が設けられている。このMasterパワーコンディショナ10及び、計測用Slaveパワーコンディショナ30の内部構成は、図1に示したものと同等である。Masterパワーコンディショナ10は、接続線17、18、19によって、第1の系列61aにおいて、商用電力系統1a及び需要家負荷2、3に接続されている。また、計測用Slaveパワーコンディショナ30は、接続線37、38、39によって、第2の系列61bにおいて、商用電力系統1a及び需要家負荷32、33に接続されている。
そして、Masterパワーコンディショナ10は、系統CT6a、6bによって、第1の系列61aの受電点における、商用電力系統1aと需要家負荷2、3の間における電
力を測定する。また、計測用Slaveパワーコンディショナ30は、系統CT36a、36bによって、第2の系列61bの受電点における、商用電力系統1aと需要家負荷32、33の間における電力を測定する。このような構成は、例えば電力供給先が構内で系列が複数に分かれている場合や、1カ所の受電点において測定できる電力が限界を超える場合に複数の受電点において測定する場合などに採用される。
そして、Masterパワーコンディショナ10と計測用Slaveパワーコンディショナ30との間では、CAN(Controller Area Network)通信によって情報通信がなさ
れる。そして、本実施例においては、第1の系列61aと、第2の系列61bとで、測定箇所を2カ所に分けて、各々の系列におけるMasterパワーコンディショナ10と、計測用Slaveパワーコンディショナ30による出力電力を合算した合算出力電力に基づく逆潮流電力が、RPR検出レベルを超えない範囲で最大となるように制御される。その際のMasterパワーコンディショナ10と計測用Slaveパワーコンディショナ30における制御の内容は、実施例1において説明したものと同等である。
これによれば、例えば、第1の系列61aにおいては、パワーコンディショナ10による出力電力より需要家負荷2,3による消費電力が大きく、第2の系列61bにおいては、パワーコンディショナ30による出力電力が需要家負荷32、33による消費電力より大きいような場合には、パワーコンディショナ30による出力電力を、需要家負荷2,3に供給する等の制御を行うことができる。そして、その上で、商用電力系統1aへの逆潮流を抑制することができる。
《変形例》
次に、本実施例の変形例について説明する。本実施例においては、分散型電源システムが、異なる需要家負荷に電力を供給する複数の系列に適用され、各々の系列における受電点で電力計測が行われる例であって、各々の系列に複数のパワーコンディショナが備えられた例について説明する。
図8には、本実施例における分散型電源システム71の概略構成を示す。図8に示すように、本実施例の分散型電源システム71は、第1の系列71aと、第2の系列71bとを有する。この変形例では、第1の系列71aのために、Masterパワーコンディショナ10及び、Slaveパワーコンディショナ10a、10bが設けられている。また、第2の系列71bのために、計測用Slaveパワーコンディショナ30及び、そのSlaveパワーコンディショナ30a、30bが設けられている。これらのパワーコンディショナ10、10a、10b、30、30a、30bの内部構成は、図1に示したものと同等である。
Masterパワーコンディショナ10は接続線17、18、19によって、Slaveパワーコンディショナ10aは接続線17a、18a、19aによって、Slaveパワーコンディショナ10bは接続線17b、18b、19bによって、第1の系列61aにおいて、商用電力系統1a及び需要家負荷2、3に接続されている。また、計測用Slaveパワーコンディショナ30は接続線37、38、39によって、Slaveパワーコンディショナ30aは接続線37a、38a、39aによって、Slaveパワーコンディショナ30bは接続線37b、38b、39bによって、第2の系列61bにおいて、商用電力系統1a及び需要家負荷32、33に接続されている。
そして、Masterパワーコンディショナ10は、系統CT6a、6bによって、第1の系列61aの受電点における、商用電力系統1aと需要家負荷2、3の間における電力を測定する。また、計測用Slaveパワーコンディショナ30は、系統CT36a、36bによって、第2の系列61bの受電点における、商用電力系統1aと需要家負荷3
2、33の間における電力を測定する。
そして、Masterパワーコンディショナ10と計測用Slaveパワーコンディショナ30との間では、CAN(Controller Area Network)通信によって情報通信がなさ
れる。Masterパワーコンディショナ10とSlaveパワーコンディショナ10a、10bの間及び、計測用Slaveパワーコンディショナ30とSlaveパワーコンディショナ30a、30bの間も、CAN(Controller Area Network)通信22、23
、42、43によって情報通信がなされる。
本実施例においては、第1の系列71aと、第2の系列71bとで、測定箇所を2カ所に分けて、各々の系列におけるMasterパワーコンディショナ10及びSlaveパワーコンディショナ10a、10bと、計測用Slaveパワーコンディショナ30及びSlaveパワーコンディショナ30a、30bとによる出力電力を合算した合算出力に基づく逆潮流電力が、RPR検出レベルを超えない範囲で最大となるように制御される。また、各々の系列71a、71bにおける各パワーコンディショナの出力の制御の内容は、実施例2において説明したものと同等である。
すなわち、第1の系列71aにおいては、Masterパワーコンディショナ10の制御における出力制御目標Bは、Masterパワーコンディショナ10及びSlaveパワーコンディショナ10a、10bの合計の定格出力を100%とした場合の、各パワーコンディショナの出力の割合(%)を制御量として制御される。そして、Slaveパワーコンディショナ10a、10bにおいては、Masterパワーコンディショナ10からの指令に基づいて、自らにおける出力制御目標B(%)が同じ値になるような制御が行われる。また、第2の系列71bにおいては、計測用Slaveパワーコンディショナ30の制御における出力制御目標Bは、計測用Slaveパワーコンディショナ30及び、Slaveパワーコンディショナ30a、30bの合計の定格出力を100%とした場合の、各パワーコンディショナの出力の割合(%)を制御量として制御される。Slaveパワーコンディショナ30a、30bにおいては、計測用Slaveパワーコンディショナ30からの指令に基づいて、自らにおける出力制御目標B(%)が同じ値になるような制御が行われる。
これによれば、例えば、第1の系列61aにおいては、Masterパワーコンディショナ10及びSlaveパワーコンディショナ10a、10bによる出力電力より需要家負荷2,3による消費電力が大きく、第2の系列61bにおいては、計測用Slaveパワーコンディショナ30及びSlaveパワーコンディショナ30a、30bによる出力電力が需要家負荷32、33による消費電力より大きいような場合には、計測用Slaveパワーコンディショナ30及びSlaveパワーコンディショナ30a、30bによる出力電力を、需要家負荷2,3に供給する等の制御を行うことができる。そして、その上で、商用電力系統1aへの逆潮流を抑制することができる。
また、複数のパワーコンディショナの合計の定格出力に対する比率(%)を制御量とするので、パワーコンディショナの台数が増えても、各パワーコンディショナに同じアルゴリズムを使用することが可能である。このように、本実施例に係る制御によれば、分散型電源システム71のシステム構成の自由度が増加し、分散型電源システム71の設置が容易となる。その結果、導入コストや手間を省略し、分散型電源システムの普及を促進することが可能である。また、また、複数のパワーコンディショナの合計の定格出力に対する比率(%)を制御量として制御を行うので、パワーコンディショナ毎に出力電力の揺らぎが異なっていても、適切な制御が可能である。
なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本発明の
構成要件を図面の符号付きで記載しておく。
<発明1>
直流電力を発電する発電装置(20)と、前記発電装置(20)によって発電された直流電力を交流に変換するパワーコンディショナ(10)と、電力供給対象である負荷(2、3)と商用電力系統(1a)とに接続された出力端(17、18、19)とを備え、所定の出力電力を出力することで前記負荷(2、3)に電力を供給する分散型電源システム(1)であって、
過去の所定期間において、前記商用電力系統へ流れる系統電力を検知する検知手段(6a、6b)と、
前記出力電力を変更する出力変更手段(13)と、
前記検知手段(6a、6b)が検知した前記過去の所定期間における前記系統電力の最大値を検出し、前記系統電力の最大値が、所定の閾値より小さい場合には、前記出力変更手段(13)に前記出力電力を所定量だけ増加させる制御部(12)と、
を備えることを特徴とする、分散型電源システム(1)。
1 :分散型電源システム
1a :商用電力系統
2,3 :負荷
10 :パワーコンディショナ
11 :記憶部
12 :制御部

Claims (12)

  1. 直流電力を発電する発電装置と、前記発電装置によって発電された直流電力を交流に変換するパワーコンディショナと、電力供給対象である負荷と商用電力系統とに接続された出力端とを備え、所定の出力電力を出力することで前記負荷に電力を供給する分散型電源システムであって、
    過去の所定期間において、前記商用電力系統へ流れる系統電力を検知する検知手段と、
    前記出力電力を変更する出力変更手段と、
    前記検知手段が検知した前記過去の所定期間における前記系統電力の最大値を検出し、前記系統電力の最大値が、所定の閾値より小さい場合には、前記出力変更手段に前記出力電力を所定量だけ増加させる制御部と、
    を備え
    前記過去の所定期間は所定数の分割期間に分割され、
    前記分割期間の経過毎に、その時点から過去に前記所定期間遡った時点までの各分割期間における前記系統電力の最大値である分割期間最大値が記憶される記憶部をさらに備え、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶された、前記所定期間における全ての前記分割期間最大値のうちの最大値を取得することで、前記過去の所定期間における前記系統電力の最大値を検出することを特徴とする、分散型電源システム。
  2. 前記制御部は、前記出力電力を所定量だけ増加させた場合には、前記記憶部に記憶されている前記過去の所定期間における前記分割期間最大値を所定量だけ増加させることを特徴とする、請求項1に記載の分散型電源システム。
  3. 直流電力を発電する発電装置と、前記発電装置によって発電された直流電力を交流に変換するパワーコンディショナと、電力供給対象である負荷と商用電力系統とに接続された出力端とを備え、所定の出力電力を出力することで前記負荷に電力を供給する分散型電源システムであって、
    過去の所定期間において、前記商用電力系統へ流れる系統電力を検知する検知手段と、
    前記出力電力を変更する出力変更手段と、
    前記検知手段が検知した前記過去の所定期間における前記系統電力の最大値を検出し、前記系統電力の最大値が、所定の閾値より小さい場合には、前記出力変更手段に前記出力
    電力を所定量だけ増加させる制御部と、
    を備え、
    前記過去の所定期間は所定数の分割期間に分割され、
    前記分割期間の経過毎に、その時点から前記所定期間遡った時点までの各分割期間における前記系統電力の最大値と前記閾値との偏差である分割期間偏差が記憶される記憶部をさらに備え、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶された、前記過去の所定期間における全ての前記分割期間偏差のうちの最小値を取得することで、前記過去の所定期間における前記系統電力の最大値を検出することを特徴とする、分散型電源システム
  4. 前記制御部は、前記出力電力を所定量だけ増加させた場合には、前記記憶部に記憶されている前記過去の所定期間における前記分割期間偏差を所定量だけ減少させることを特徴とする、請求項3に記載の分散型電源システム。
  5. 前記制御部は、前記出力電力及び/または前記所定量を前記パワーコンディショナの定格出力に対する比率として取得することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の分散型電源システム。
  6. 前記発電装置及び、該発電装置によって発電された直流電力を交流に変換するパワーコンディショナを、各々複数有し、
    前記制御部は、前記出力電力及び/または前記所定量を前記複数のパワーコンディショナの定格出力の合計値に対する比率として取得することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の分散型電源システム。
  7. 前記制御部は、前記系統電力の最大値が前記閾値より大きい場合には、前記出力変更手段に前記出力電力を第二所定量だけ減少させることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の分散型電源システム。
  8. 直流電力を充電または放電する蓄電池をさらに備え、
    前記制御部は、前記系統電力の最大値が前記閾値より大きい場合には、前記出力電力の一部を前記蓄電池に充電することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の分散型電源システム。
  9. 前記負荷における消費電力を増大させる負荷電力増大手段をさらに備え、
    前記制御部は、前記系統電力の最大値が前記閾値より大きい場合には、前記負荷電力増大手段に、前記負荷における消費電力を増大させることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の分散型電源システム。
  10. 直流電力を充電または放電する蓄電池をさらに備え、
    前記制御部は、前記出力電力が前記負荷の消費電力より大きい場合には、前記出力電力の一部を前記蓄電池に充電することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の分散型電源システム。
  11. 前記負荷における消費電力を増大させる負荷電力増大手段をさらに備え、
    前記制御部は、前記出力電力が前記負荷の消費電力より大きい場合には、前記負荷電力増大手段に、前記負荷における消費電力を増大させることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の分散型電源システム。
  12. 前記商用電力系統に対して、複数の前記負荷が複数の系列として並列に接続され、
    前記複数の系列における各系列に、前記発電装置と、前記パワーコンディショナと、前
    記出力端と、前記検知手段と、前記出力変更手段とを備え、
    前記制御部は、前記各系列における前記検知手段が検知した前記過去の所定期間における前記系統電力の合計値の最大値を検出し、前記合計値の最大値が、前記商用電力系統への逆潮流が生じ得る閾値より小さい場合には、前記各系列における前記出力変更手段に前記出力電力を所定量だけ増加させることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の分散型電源システム。
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