JP2013169083A - 電力供給システム - Google Patents

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敏成 百瀬
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知男 団栗
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幹也 石井
Takeshi Tomio
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Abstract

【課題】各装置間で直接通信を行うことなく、各装置が電圧源の動作状況に合わせて適宜動作するように制御し、電圧源に要求される容量を小さく抑えることにある。
【解決手段】直流母線に対する電力供給装置として、蓄電装置と商用電力系統に接続される交流母線に接続されるパワーコンディショナとを備え、パワーコンディショナがAC/DC変換作動状態とDC/AC変換作動状態とを切り替えて作動可能に構成され、制御手段が、直流母線の電圧源を蓄電装置とパワーコンディショナとで切り替えて作動させ、電圧源として動作する電力供給装置は、電圧VDCが基準電圧Vthより低くなるに従って、直流母線に供給する電力が多くなり、電圧VDCが基準電圧Vthより高くなるに従って、直流母線から受け取る電力が多くなるように動作する電力供給システム。
【選択図】図3

Description

本発明は、蓄電装置と、商用電力系統に接続される交流母線に接続されるパワーコンディショナとを、直流母線に対して電力の供給が可能な電力供給装置として備え、前記電力供給装置の作動を制御する制御手段を備えた電力供給システムに関する。
上述のような構成の電力供給システムとしては、例えば、特許文献1の図5に記載の電力供給システムがある。上記電力供給システムでは、直流母線4に電力を供給する電力供給装置として、整流器2、蓄電装置1、発電装置9などを備えており、これらの電力供給装置によって直流母線4に設けられた電力消費装置12に電力を供給可能となっている。この電力供給システムにおいては、直流母線4における電圧源として整流器2または蓄電装置1が作動するように構成されている。ここで、整流器2は、交流母線から直流母線4へと一方向にのみ電力を供給可能なパワーコンディショナとしての役割を果たしている。
ところで、特許文献1においては、直流母線4を介して各装置に供給される電力(具体的には、電力消費装置12の消費電力や、蓄電装置1が充電時に要求する電力など)を制御する方法については特段の開示がない。このため、上記電力供給システムを安定して運用する為には、電圧源となる蓄電装置1及び整流器2を大出力に対応したものとし、直流母線4における電力消費装置12などが一斉に最大出力で動作した場合でも正常に電力を供給できるようにする必要がある。
特開2010−068652号公報
しかしながら、電圧源の最大出力を大きくした場合、大出力に対応した太い配線を用意する必要や、大容量のパワーデバイスを用意する必要などが生じ、電力供給システムを構築する際のコストが高くなる。このため、電圧源の最大出力は小さくできることが望ましい。ここで、電圧源の最大出力を小さく抑えるための方法の1つとしては、直流母線における電力の余剰・不足状況に合わせ、電力供給装置の供給電力や電力消費装置の消費電力などを適宜制御する方法が考えられる。
このような制御を行う場合、各装置は、直流母線における電力の余剰・不足状況を何らかの方法によって検知する必要がある。電圧源の動作状況を検知する方法としては、例えば、特許文献1の図5に示すように各電力供給装置間を通信線で接続し、直流母線における電力の余剰・不足状況に合わせて動作する電圧源の動作状態を、電力供給装置に通信によって伝達する方法が考えられる。しかしながら、このように各装置間で通信を行う方法では、通信にかかる時間的ロスが大きく、高い即時応答性が求められる電力供給システムの制御方法としては理想的とはいえない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、各装置間で直接通信を行うことなく、各装置が高速に電圧源の動作状況を検知可能な電力供給システムを構築することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る電力供給システムの特徴構成は、蓄電装置と、商用電力系統に接続される交流母線に接続されるパワーコンディショナとを、直流母線に対して電力の供給が可能な電力供給装置として備え、前記電力供給装置の作動を制御する制御手段を備えた電力供給システムであって、前記パワーコンディショナが、前記交流母線での交流電力を所望の直流電力に変換して前記直流母線に出力することで前記直流母線に電力を供給するAC/DC変換作動状態と、前記直流母線での直流電力を所望の交流電力に変換して前記交流母線に出力することで前記直流母線から電力を受け取るDC/AC変換作動状態とを切り替えて作動可能に構成され、前記蓄電装置が、前記直流母線へ電力を放電することで前記直流母線に電力を供給する放電作動状態と、前記直流母線から電力を充電することで前記直流母線から電力を受け取る充電作動状態とを切り替えて作動可能に構成され、前記制御手段が、前記直流母線の電圧源を、前記蓄電装置と前記パワーコンディショナとで切り替えて作動させ、前記電圧源として動作する電力供給装置は、前記直流母線の電圧が基準電圧より低い場合には、前記直流母線の電圧が前記基準電圧より低くなるに従って前記電圧源が前記直流母線に供給する電力が多くなる関係で、前記直流母線に電力を供給し、前記直流母線の電圧が前記基準電圧より高い場合には、前記直流母線の電圧が前記基準電圧より高くなるに従って前記電圧源が前記直流母線から受け取る電力が多くなる関係で、前記直流母線から電力を受け取るように構成され、前記電圧源として動作しない電力供給装置は、前記直流母線の電圧に応じて出力を調節するように構成された点にある。
上記特徴構成によれば、電圧源(パワーコンディショナまたは蓄電装置)が直流母線に供給する電力の大きさ、または直流母線から受け取る電力の大きさが、直流母線の電圧に応じて設定される。このため、直流母線の電圧は電圧源の動作状況を反映したものとなる。つまり、直流母線の電圧が基準電圧から離れるにつれて電圧源の負荷が大きくなる(すなわち、供給する電力または受け取る電力が大きくなる)。よって、直流母線に接続された電圧源以外の装置は、直流母線の電圧値を参照するだけで、電圧源の動作状況を間接的に検知することができる。すなわち、各装置は、電圧源と装置との間で通信を行うことなく、高速に電圧源の動作状況を検知することができる。よって、例えば、各電力供給装置が直流母線の電圧に応じて出力を調節することで、直流母線の電圧を基準電圧に維持するために必要な電圧源の負荷が過大になることを防止でき、電圧源に必要な最大出力を小さく抑えることも可能となる
また、前記基準電圧が、前記電圧源が前記直流母線に電力を供給する場合の第1基準電圧と、前記電圧源が前記直流母線から電力を受け取る場合の第2基準電圧とからなり、前記第1基準電圧が、前記第2基準電圧より低いと好適である。
第1基準電圧と第2基準電圧が同一である場合には、直流母線の電圧が基準電圧近傍であるときに、わずかな電圧の変動により、電圧源の動作状態が頻繁に切り替わってしまう。具体的には、例えば、パワーコンディショナの場合、DC/AC変換作動状態とAC/DC変換作動状態とが頻繁に切り替わってしまう。また、蓄電装置の場合には、蓄電状態と放電状態とが頻繁に切り替わってしまう。
一方、上記構成によれば、直流母線の電圧が基準電圧近傍であるときに、わずかな電圧の変動が起きても、電圧源の動作状態が頻繁に切り替わってしまうことを抑制できる。よって、例えば、パワーコンディショナへの交流母線からの入力が再度交流母線に再出力されることを抑制でき、また蓄電装置の蓄電状態と放電状態とが頻繁に切り替わり電力ロスが生じることを抑制できる。すなわち、システムの電力効率が低下することを抑制した電力供給システムを提供することができる。
また、前記電圧源以外の前記電力供給装置の各々が、前記直流母線の電圧を計測するための装置内電圧計を備え、前記装置内電圧計で計測された電圧値が、設定電圧差以上に変動する電圧急変点を基準として、前記装置内電圧計で計測される電圧値から前記直流母線における電力の余剰度合いまたは不足度合いを判断すると好適である。
上記特徴構成によれば、電力供給装置は各々、個別に装置内電圧計を備え、当該装置内電圧計を用いて直流母線における電力の過不足を判断することができる。すなわち、装置内電圧計で計測される電圧値が、電圧急変点における高い方の電圧より高い場合には直流母線における電力が余剰気味であることを、電圧急変点における低い方の電圧より低い場合には直流母線における電力が不足気味であることを判断することができる。よって、電力供給システムにおいて、電力供給装置及び電圧源との間の通信線が不要となり、各電力供給装置を自由に配置することができる上、電力供給システムにおいて必要とされる電力に合わせて電力供給装置の数を増減させることが容易となる。すなわち、可搬性及び拡張性に優れた電力供給システムを構築することができる。加えて、電力供給装置及び電圧源との間の通信線が不要なため、電力供給システムの構築にかかるコストを抑えることができる。
また、前記パワーコンディショナが、前記電圧源として前記AC/DC変換作動状態で作動する場合に前記直流母線に供給する電力が最大となるときの前記直流母線の電圧を第1限界電圧とし、前記パワーコンディショナが、前記電圧源として前記DC/AC変換作動状態で作動する場合に前記直流母線から受け取る電力が最大となるときの前記直流母線の電圧を第2限界電圧とし、前記蓄電装置が、前記第1限界電圧よりも低い第3基準電圧以下の場合に前記放電作動状態で作動し、前記第2限界電圧よりも高い第4基準電圧以上の場合に前記充電作動状態で作動する構成とすると好適である。
上記特徴構成によれば、直流母線の電圧が第1限界電圧以上第2限界電圧以下の場合には、パワーコンディショナだけで直流母線の電圧を制御するため、蓄電装置が動作する必要がない。このため、蓄電装置の動作(蓄電または放電)が要求される頻度を低くすることができ、頻繁な動作状態の切り替えにより生じ得る電力ロスを抑制できる。
また、前記電力供給装置として、前記蓄電装置及び前記パワーコンディショナとは別の電力供給ユニットを備えると好適である。
上記特徴構成によれば、直流母線に接続される電力供給装置の数が増えるため、直流母線に供給可能な総電力が増大する。よって、電圧源に要求される出力が相対的に減少する。このため、より一層電圧源に要求される出力が過大となることを防止することができる。
電力供給システムの構成図 電力供給システムの制御モード一覧図 電力供給システムの各制御モードを示す図 各装置の入口電圧を示す図 各装置が備える制御手段の概略図 各装置の制御手段による制御を示すフロー図
以下に図面を参照して、本発明に係る電力供給システムの実施形態を説明する。
(1)電力供給システムの構成
(1−1)概要
図1に示すように、本実施形態における電力供給システムS1は、直流母線DCBに対して電力の供給が可能な複数の電力供給装置10を備えている。さらに、電力供給システムS1は、これらの電力供給装置10の作動を制御する制御手段Cを備えている。
電力供給システムS1は、電力供給装置10として蓄電装置1と、商用電力系統2に接続される交流母線ACBに接続されるパワーコンディショナ3とを備えている。また、電力供給システムS1は、さらに電力供給装置10として、蓄電装置1及びパワーコンディショナ3とは別に、直流母線DCBに電力を供給可能な電力供給ユニット5を備えている。これらの電力供給装置10は、電力供給装置10が直流母線DCBに対する供給する電力(以下、「供給電力」と呼ぶ)もしくは直流母線DCBから受け取る電力(以下、「受取電力」と呼ぶ)を制御可能に構成されている。
本実施形態においては、直流母線DCBから電力を受け取り作動する直流電力消費装置22を備えている。直流電力消費装置22は、直流電力消費装置22の消費電力を制御することで、直流母線DCBからの受取電力を制御可能に構成されている。以下では、電力供給装置10及び直流電力消費装置22を一まとめにして単に「装置」と呼ぶ。
また、電力供給システムS1は、直流母線DCBの電圧を計測可能な電圧計dを備えている。なお、本実施形態においては、電圧計dは各装置ごとに個別に備えられている。電力供給システムS1においては、電圧源は、電圧計dにより計測される直流母線DCBの電圧VDCに応じて、給電電力または受取電力を制御するように構成されている。本願発明においては、このような構成に加え、直流母線DCBに電気的に接続された装置が、直流母線DCBの電圧VDCに応じて受取電力または供給電力を制御する点に特徴を有する。以下では、まず、各装置の構成について説明する。
(1−2)蓄電装置
蓄電装置1は、直流母線DCBから電力が充電される充電作動状態と、直流母線DCBへ電力を放電する放電作動状態とを切り替えて作動可能に構成されている。すなわち、蓄電装置1の充電作動状態は、直流母線DCBから電力を受け取る状態に相当し、放電作動状態は、直流母線DCBに電力を供給する状態に相当する。蓄電装置1は、化学電池とキャパシタとフライホイールなどのうちの少なくとも1つを備えて構成されている。本実施形態においては、蓄電装置1として、電気二重層キャパシタ1bが、DC/DCコンバータ1aを介して直流母線DCBに接続された構成を示す。
また、本実施形態においては、蓄電装置1は、DC/DCコンバータ1aの作動状態を制御する制御手段1cと、蓄電装置1と直流母線DCBとが接続される箇所における直流母線DCBの電圧を計測するための装置内電圧計1dを備える。
(1−3)パワーコンディショナ
パワーコンディショナ3は、交流母線ACBでの交流電力を所望の直流電力に変換して直流母線DCBに出力するAC/DC変換作動状態と、直流母線DCBでの直流電力を所望の交流電力に変換して交流母線ACBに出力するDC/AC変換作動状態とを切り替えて作動可能に構成されている。すなわち、パワーコンディショナ3のDC/AC変換作動状態は、直流母線DCBから電力を受け取る状態に相当し、パワーコンディショナ3のAC/DC変換作動状態は、直流母線DCBに電力を供給する状態に相当する。パワーコンディショナ3は、AC/DC変換及びDC/AC変換を行うための電力変換器3bを備えている。より具体的には、電力変換器3bは、少なくともAC/DC変換を行うための整流回路と、DC/AC変換を行うためのインバータ回路とから構成される。パワーコンディショナ3は、電力変換器3bである整流回路とインバータ回路とのいずれかを介して交流母線ACBと直流母線DCBとが電気的に接続されるように構成されている。
また、本実施形態においては、パワーコンディショナ3は、電力変換器3bの作動状態を制御する制御手段3cと、パワーコンディショナ3と直流母線DCBとが接続される箇所における直流母線DCBの電圧を計測するための装置内電圧計3dを備える。
なお、本実施形態においては、電力供給システムS1は、商用電力系統2の状態(正常に電力供給が行われているか否か)を監視するための電圧計23を備えている。電圧計23はパワーコンディショナ3の制御手段3cと電気的に接続されており、制御手段3cは、電圧計23で計測された電圧値が異常であると判断した場合には、パワーコンディショナ3の動作を停止するように構成されている。
(1−4)電力供給ユニット
電力供給ユニット5は、直流母線DCBに対して電力を供給可能な発電装置5bを備えている。発電装置5bとしては、直流発電装置または交流発電装置を用いることができる。ここで、直流発電装置としては、例えば、燃料電池や太陽電池を用いることができる。また、交流発電装置としては、例えば、ガスエンジンの駆動力を用いたガスエンジン発電装置を用いることができる。発電装置5bは、電力変換器5aを介して直流母線DCBに接続される。発電装置5bが直流発電装置の場合には、電力変換器5aとして、例えばDC/DCコンバータを用い、発電装置5bが交流発電装置の場合には、電力変換器6として、例えば整流回路を用いることが可能である。
また、本実施形態においては、電力供給ユニット5は、発電装置5bの作動状態を制御する制御手段5cと、電力供給ユニット5と直流母線DCBとが接続される箇所における直流母線DCBの電圧を計測するための装置内電圧計5dを備えている。
(1−5)制御手段
制御手段Cは、電力供給装置10の作動を制御するように構成されている。制御手段Cは、マイクロプロセッサ及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを主要な機器として構築される。各装置に備えられた制御手段1c、3c、5c、及び22cも、マイクロプロセッサ及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを主要な機器として構築される。
制御手段Cは、蓄電装置1及びパワーコンディショナ3と図示しない通信線で電気的に接続されており、商用電力系統2の状態及び蓄電装置1の蓄電状況に応じ、直流母線DCBの電圧源を、蓄電装置1とパワーコンディショナ3とで切り替えて作動させるように構成されている。また、蓄電装置1及びパワーコンディショナ3の一方を直流母線DCBにおける電圧源として作動させるように構成されている。ここで、「電圧源として作動」とは、直流母線DCBにおいて供給される電圧値を決定する装置として振舞うことを意味する。
一方、各装置に備えられた制御手段1c、3c、5c、及び22cは、当該装置に備えられた電圧計dにより計測された電圧値に基づいて、当該装置の受取電力または供給電力を制御するように構成されている。例えば、蓄電装置1の場合、制御手段1cは、装置内電圧計1dにより計測された電圧に基づいて蓄電装置1の受取電力または供給電力を制御するように構成されている。パワーコンディショナ3に備えられた制御手段3c及び、電力供給ユニット5に備えられた制御手段5cにおいても同様である。なお、直流電力消費装置22に備えられた制御手段22cは、装置内電圧計22dにより計測された電圧に基づいて直流電力消費装置22の受取電力を制御するように構成されている。
以下では、直流母線DCBの電圧源を、蓄電装置1とパワーコンディショナ3とで切り替えて作動させるときの制御について詳しく説明する。
(2)電力供給システムの制御
(2−1)電圧源の制御
本発明に係る電力供給システムS1においては、蓄電装置1や商用電力系統2などの状況に応じて、図2に示すモード1〜4の4通りの制御が行われる。図2に示すように、モード1および2においては、パワーコンディショナ3が電圧源となり、モード3および4においては、蓄電装置1が電圧源となる。
モード1〜4における電圧源の制御内容について、図3を用いて説明する。図3は、直流母線DCBの電圧によって蓄電装置1及びパワーコンディショナ3の作動状態がどのように変わるかを示している。図3において縦軸は直流母線DCBの電圧VDCを、横軸は、電圧源(蓄電装置1またはパワーコンディショナ3)の受取電力の大きさまたは供給電力の大きさを示している。
なお、この横軸は、電圧源による供給電力もしくは受取電力がないと仮定した場合に、直流母線DCBにおいて過不足する電力を示している。つまりは、受取電力が大きくなるということは、直流母線DCBの余剰電力が大きいことを意味し、供給電力が大きくなるということは、直流母線DCBの不足電力が大きいことを意味する。
モード1〜4では、電圧源として動作する電力供給装置10は、当該電力供給装置10が備える制御手段により、直流母線DCBの電圧VDCが基準電圧Vthより低い場合には、電圧VDCが基準電圧Vthより低くなるに従って供給電力が多くなるように制御され、電圧VDCが基準電圧Vthより高い場合には、電圧VDCが基準電圧Vthより高くなるに従って受取電力が多くなるように制御される。本実施形態においては、電圧源の給電電力及び受取電力と、基準電圧Vthに対する直流母線DCBの電圧の増減量との関係が一次関数となるように設定している。
本実施形態においては、基準電圧Vthは、電圧源が直流母線DCBに給電する場合の第1基準電圧V1と、電圧源が直流母線DCBから電力を受け取る場合の第2基準電圧V2との2つの異なる値からなる。また、第1基準電圧V1が、第2基準電圧V2より低くなるように設定している。
(2−2)各制御モードの詳細
(2−2−1)モード1
モード1での電力供給装置の作動状態を図3(a)に示す。モード1は、電力供給システムS1の起動直後において、商用電力系統2から交流母線ACBへの電力供給が正常に行われている場合の制御モードである。モード1では、制御手段Cが、パワーコンディショナ3を電圧源として作動させる。パワーコンディショナ3は、電圧計dで計測される直流母線DCBの電圧VDCに応じてAC/DC変換作動状態とDC/AC変換作動状態との間で切り替える。図3(a)に、パワーコンディショナ3の作動状態を切り替える条件(範囲)を示す。モード1においては、図3の横軸は、電力供給ユニット5から直流母線DCBへの供給電力(図中では「PSU出力」。図4においても同様)から、直流電力消費装置22の負荷電力(図中では「DC負荷」。図4においても同様)と蓄電装置1の充電量とを引いた値を示している。
パワーコンディショナ3が電圧源になった場合(すなわち、モード1及び2)では、制御手段3cは、第1基準電圧V1として330V、第2基準電圧V2として350Vを設定している。そして、電圧計dで計測した直流母線DCBの電圧が第1基準電圧V1の330Vより低い場合には、制御手段3cは、パワーコンディショナ3をAC/DC変換作動状態にし、直流母線DCBに給電するように制御する。図3に示すように、制御手段3cは、給電時、直流母線DCBの電圧が低いほど、パワーコンディショナ3の給電電力が多くなるように制御する。
また、電圧計dで計測した直流母線DCBの電圧が第2基準電圧V2の350Vより高い場合には、制御手段3cは、パワーコンディショナ3をDC/AC変換作動状態にし、直流母線DCBから受電するように制御する。制御手段3cは、受電時、直流母線DCBの電圧が高いほど、パワーコンディショナ3の受取電力が多くなるように制御する。本実施形態においては、このような制御により、電圧源は、直流母線DCBの電圧を基準電圧Vthに近づける方向に作動する。
(2−2−2)モード2
モード2での電力供給装置の作動状態を図3(b1)(b2)に示す。ここで、図3(b1)は、交流母線ACBから直流母線DCBへの電力供給が正常に行われている場合のモード2における状態を、図3(b2)は、交流母線ACBから直流母線DCBへの電力供給に問題が発生した直後(停電直後)における状態を示している。
モード2は、蓄電装置1の充電が完了し電池容量が適正値に保たれているとともに、商用電力系統2から交流母線ACBへの電力供給が正常に行われている場合の制御モードである。モード2は、例えば、モード1において蓄電装置1が十分に充電された後に用いられる。モード2では、制御手段Cが、パワーコンディショナ3を電圧源とする。蓄電装置1は商用電力系統2の停電時に備え、放電もしくは充電作動状態で作動できるようスタンバイ状態にある。
このモードにおいては、制御手段1cは、蓄電装置1を電圧計dにより計測される直流母線DCBの電圧VDCに応じて放電作動状態と充電作動状態との間で切り替える。モード2においては、図3(b1)(b2)の横軸は、電力供給ユニット5の出力から、直流電力消費装置22の負荷を引いた値を示している。すなわち横軸の値は、直流母線DCBにおいて電力供給ユニット5だけでは賄いきれなかった電力の不足量、または電力供給ユニット5が発生させた電力の余剰量を示している。
ここで、図3(b1)(b2)の縦軸において、パワーコンディショナ3をAC/DC変換作動状態で作動させる場合に供給電力が最大(例えば、定格電力)となるときの電圧VDCを、第1限界電圧V1mと呼ぶ。また、パワーコンディショナ3をDC/AC変換作動状態で作動させる場合に、受取電力が最大(例えば、定格電力)となるときの電圧VDCを第2限界電圧V2mと呼ぶ。すなわち、第1限界電圧V1m及び第2限界電圧V2mは、パワーコンディショナ3の供給電力及び受取電力が、パワーコンディショナ3の定格容量に達するときの電圧VDCを示している。
図3(b1)に示すように、交流母線ACBからの電力供給が正常な場合には、本実施形態においては、制御手段3cは、パワーコンディショナ3をモード1と同様に制御する。さらにモード2(制御手段Cが、パワーコンディショナ3を電圧源として作動させる場合)においては、制御手段1cが、第1限界電圧V1mよりも低い第3基準電圧V3以下の場合に、蓄電装置1を放電作動状態で作動させる。また、制御手段1cは、第2限界電圧V2mよりも高い第4基準電圧V4以上の場合に、蓄電装置1を充電作動状態で作動させる。本実施形態においては、第1基準電圧V1を330V、第1限界電圧V1mを322V、第2基準電圧V2を350V、第2限界電圧V2mを358V、第3基準電圧V3を320V、第4基準電圧V4を360Vに設定している。
このような構成により、電圧VDCが第1限界電圧V1m〜第2限界電圧V2mの範囲内にあるときは、パワーコンディショナ3によって直流母線DCBにおける電力の過不足を緩和できる。また、電圧VDCが、第3基準電圧V3以下もしくは第4基準電圧V4以上となった場合には、蓄電装置1を動作させて、パワーコンディショナ3と蓄電装置1を併用して電力の過不足を緩和できる。すなわち、蓄電装置1の働きにより、パワーコンディショナ3の定格出力を越えて直流母線DCBにおける電力の過不足を緩和することができる。
一方、図3(b2)に示すように、停電直後には、制御手段Cはパワーコンディショナ3を強制的に停止させ、蓄電装置1のみを図3(b1)と同様に動作させる。なお、停電が起きた場合には、停電直後は図3(b2)に示すような制御を行うが、その後、後述するモード3の制御へと移る。
(2−2−3)モード3
モード3での電力供給装置の作動状態を図3(c)に示す。モード3は、商用電力系統2からの電力供給が停止した場合(すなわち、停電した場合)の制御モードである。モード3は、例えば、このモード以外のいずれかのモードにおいて停電が起きた場合に強制的に用いられる。このモードでは、パワーコンディショナ3は停止し、蓄電装置1が電圧源となる。電力供給ユニット5は、起動していれば電流源となる。
このモードは、制御手段Cが停電を検知した際に用いられる。具体的には、制御手段Cは、交流母線ACBにおける電圧を計測するための電圧計23の計測値(すなわち、商用電力系統2から供給される電圧の値)が異常であると判断した場合に、停電が起きたとみなすように構成されている。異常であるとの判断基準としては、例えば、「系統連系している状態において、正常連系時の商用電力系統2の電圧値に対して、現在の電圧値が30%未満」といった条件を設けることができる。
また、制御手段1cは、電圧計dで計測される直流母線DCBの電圧VDCが基準電圧Vth(第1基準電圧V1)以下であれば蓄電装置1を放電作動状態で作動させる。さらに、直流母線DCBの電圧VDCが基準電圧Vth(第2基準電圧V2)より高ければ蓄電装置1を充電作動状態で作動させる。図3(c)の横軸は、図3(a)、(b)と同様、直流母線DCBにおける電力の過不足を示しており、このモードでは、電力供給ユニット5の出力から、直流電力消費装置22の負荷を引いた値を示している。
本実施形態においては、モード3の蓄電装置1の第1基準電圧V1及び第1限界電圧V1mは、モード2のパワーコンディショナ3の第1基準電圧V1より高くなるように設定されている。また、モード3の蓄電装置1の第2基準電圧V2及び第2限界電圧V2mは、モード2のパワーコンディショナ3の第2基準電圧V2より低くなるように設定されている。また、蓄電装置1の給電電力及び受取電力と、基準電圧Vthに対する直流母線DCBの電圧の増減量との関係が一次関数となるように設定している。
(2−2−4)モード4
モード4での電力供給装置の作動状態を図3(d)に示す。モード4は、商用電力系統2から交流母線ACBへの電力供給が正常に行われている状態において、蓄電装置1から交流母線ACB側へと積極的に電力を供給したい場合の制御モードである。モード4は、例えば、モード2において蓄電装置1の蓄電量に余裕があり、蓄電装置1から交流母線ACB上の交流電力消費装置21に電力を供給したい場合に用いられる。このモードでは、蓄電装置1が電圧源となる。このとき、パワーコンディショナ3はDC/AC変換作動状態で作動し、交流母線ACB上の交流電力消費装置21から見て電流源となる。なお、モード4における、蓄電装置1の制御はモード3と同様である。
(2−3)電圧源以外の装置の制御
(2−3−1)基本動作
次に制御手段Cが、蓄電装置1又はパワーコンディショナ3を電圧源として、上記モード1〜4で作動させる場合の、電圧源以外の装置の制御方法について説明する。(ただし、ここでいう「装置」には、モード2における蓄電装置1は除く。モード2における蓄電装置1の制御方法については次節で詳述する)。
各装置の制御手段は、電圧計dで計測された直流母線DCBの電圧VDCに応じて、各装置(電力供給装置10及び直流電力消費装置22)の作動を制御する。具体的には、各装置の制御手段は、図3において基準電圧Vth以上の電圧であれば直流母線DCBにおける電力が過剰気味であると判断し、基準電圧Vth以下の電圧であれば電力が不足気味であると判断する。この判断に基づき、各装置の制御手段は、直流母線DCBの電圧VDCが基準電圧Vthに近づけるように当該装置を作動させる。
具体的には、例えば、制御手段5cが電力供給ユニット5を制御する場合、電力が過剰気味の場合には直流母線DCBへの給電電力を抑え、電力が不足気味の場合には直流母線DCBへの給電電力を増やすように制御する。また、例えば、制御手段22cが直流電力消費装置22を制御する場合、電力が過剰気味の場合には通常通りに作動させ、電力が不足気味の場合には直流母線DCBからの受取電力を減らすように(具体的には、電力消費量を抑えて運転させるように)制御する。
(2−3−2)本実施形態における課題
上述したように本実施形態においては、電圧計dは、図1に示すように、装置ごとに異なる場所に備えられている。このような構成においては、電圧計dにより計測される直流母線DCBの電圧VDCは、配線抵抗や各装置の出力電流量などの影響により各電圧計dが設けられた場所ごとに異なる値となる場合がある。すなわち、直流母線DCB上で電圧の分布が生じる場合がある。直流母線DCB上で電圧の分布が生じない場合には、各装置ごとに基準電圧Vthを基準として、直流母線DCBにおける電力の過不足を判断することができる。しかしながら、直流母線DCB上で電圧の分布が生じる場合には、単純に基準電圧Vthを基準としては、直流母線DCBにおける電力の過不足を判断することができない。以下では、直流母線DCB上で電圧の分布が生じる場合に関して、図4に基づいて説明する。
図4(a)及び(b)は、図1に示すように、蓄電装置1、パワーコンディショナ3、電力供給ユニット5(ここでは、燃料電池システム)、及び直流電力消費装置22が1本の直流母線DCBに繋がり、各装置がそれぞれ装置内に電圧計dを備えた構成において、蓄電装置1を電圧源とした状態での各装置の入口電圧を示している。図4(a)は、電力供給ユニット5が一定の出力を行っている場合を、図4(b)は、電力供給ユニット5の出力がない場合を示している。なお、ここでの基準電圧Vthは、第1基準電圧V1と第2基準電圧V2の2つからなり、第1基準電圧V1は337V、第2基準電圧V2は343Vである。なお、図4(a)及び(b)のグラフにおける4つの系列は、上から順に、直流母線DCBにおける余剰電力が大きいとき、余剰電力が微小のとき、不足電力が微小のとき、及び不足電力が大きいときの各装置の入り口電圧を示している。
図4に示すように、各装置の入口電圧は各種の条件によって大きく異なってくる。例えば、図4(a)の不足微小の場合には、蓄電装置1の入口電圧が第1基準電圧V1となっている。このとき、蓄電装置1の入口電圧に対して、直流電力消費装置22の入口電圧は低くなり、電力供給ユニット5及びパワーコンディショナ3の入口電圧は高くなる。
また、図4(a)の不足大の場合には、蓄電装置1の電圧に対して、直流電力消費装置22の入口電圧は低くなり、さらに、電力供給ユニット5及びパワーコンディショナ3の入口電圧も低くなる。このように、電力供給ユニット5の出力が同一の条件下においても、直流母線DCBの電力状況によって、直流母線DCB上の電圧分布の傾向は異なってくる。
さらに、図4(b)に示すように、電力供給ユニット5の出力がない場合には、図4(a)に示す電力供給ユニット5の出力がある場合とは異なる電圧分布となる。
このように直流母線DCBで電圧分布は、各種の条件によって様々に変化する。このため、単純に基準電圧Vth(第1基準電圧V1または第2基準電圧V2)を基準とする場合には、各装置の入口電圧から直流母線DCBにおける電力の過不足状況を判断できない。以下では、各装置の入口電圧から直流母線DCBにおける電力の過不足状況を判断するにあたり、本実施形態において採用している特有の構成を説明する。
(2−3−3)本実施形態特有の構成
上記課題を解決するため、本実施形態においては、各装置の制御手段は、図5に示すように構成されている。電圧源以外の電力供給装置10を含む各装置の制御手段は、電圧計dで計測された直流母線DCBの電圧VDCが急激に変動する電圧急変点での急変前の電圧または急変後の電圧を基準として、当該装置が備える電圧計dの計測値から、直流母線DCBにおける電力状況を判断できるように構成されている。ここで、電圧急変点とは、直流母線DCBの電圧VDCの変化を時系列に見たときに、電圧値が急激に変動する点のことを意味しており、電圧急変点においては、急変前の電圧と急変後の電圧の2つの電圧値が存在する。各装置の制御手段は、予め定めた設定電圧差以上に、直流母線DCBの電圧VDCが変化した点を、電圧急変点とする。なお、設定電圧としては、例えば、図4においては、第1基準電圧V1と第2基準電圧V2との差である6Vに設定することができる。
ここで、電圧急変点の電圧を基準とすることで、電力状況が判断できる点に関して、図4を用いて補足説明する。電圧源は、直流母線DCBの電圧VDCを第1基準電圧V1又は第2基準電圧V2に近づけるように作動する。具体的には、直流母線DCBにおける電力が非不足気味で第1基準電圧V1より低い場合には第1基準電圧V1に近づけるように、直流母線DCBにおける電力が余剰気味で、第2基準電圧V2より高い場合には第2基準電圧V2に近づけるように作動する。
このため、図4(a)、(b)に示すように、第1基準電圧V1と第2基準電圧V2とに差があると、直流母線DCBにおける電力が余剰気味である場合と、不足気味である場合とでは電圧が大きく変化する。具体的には、図4(a)の蓄電装置1において、グラフ中の「余剰微小」と「不足微小」とを比較すると、電力の状況(余剰か不足か)が変わると、直流母線DCBの電圧が第1基準電圧V1の337Vと第2基準電圧V2の343Vとの間で大きく変化する。
また、直流母線DCB上での電圧の分布が生じている場合でも、電圧の値は異なるものの、蓄電装置1以外の各装置においても同様に電力の状況(余剰か不足か)が変わると、直流母線DCBの電圧が大きく変化する。この現象は、図4(a)及び(b)のいずれの状況下においても同様に起きる。
以上のように、直流母線DCBの電力の過不足状況に応じて、各装置の電圧計dにより計測される電圧は電圧急変点における電圧より高く、もしくは低くなる。よって、いずれの装置においても、電圧急変点を基準とすれば、直流母線DCBの電力状況を判断できる。具体的には、各装置の制御手段が、電圧計dで計測された現在の電圧値が、電圧急変点に対して高いか低いかを調べることで、直流母線DCBにおいて電力が余剰気味か不足気味かを判断することができる。
さらに、各装置の制御手段は、図5に示すように、制御対象機器を制御して、判断された電力状況に基づいて供給電力もしくは受取電力を調整するように構成されている。ここで、制御対象機器とは、装置の供給電力もしくは受取電力の制御を司る機器であり、具体的には、蓄電装置1の場合、DC/DCコンバータ1aを、電力供給ユニット5の場合、電力変換器5aを、直流電力消費装置22の場合、電力消費機器22bが該当する。
各装置の制御手段は、主に電圧監視手段101、電力状況判定手段102の2つから構成される。以下では、これら2つの手段について、各装置の制御手段の動作を示す図6のフローチャートに基づいて説明する。
電圧監視手段101は、電圧計dから入力された直流母線DCBの電圧VDCを逐次チェックし、現在の電圧VDCである現電圧Vcと、ΔT時間前の電圧VDCである過去電圧Vdを記憶するように構成されている。ここで、ΔTは、VDCの最小チェック間隔を意味する。
電圧監視手段101は、まず、現電圧Vcと過去電圧Vdとを比較する(ステップ#01)。次に、現電圧Vcと過去電圧Vdとの差から、電圧値が急激に変化したか否か(すなわち、電圧急変点を越えたか否か)を判断する(ステップ#02)。具体的には、例えば、現電圧Vcと過去電圧Vdとの差の絶対値があらかじめ定めた所定値ε以上の場合に電圧急変点を超えたと判断する。本実施形態においては、所定値εを、電圧源がパワーコンディショナ3の場合(モード1及びモード2)の第1基準電圧V1と第2基準電圧V2の差よりも小さく、かつ、電圧源が蓄電装置1の場合(モード3及びモード4)の第1基準電圧V1と第2基準電圧V2との差よりも小さい値としている。具体的には、本例では、5Vとしている。
ここで、電圧監視手段101は、ステップ#02で電圧値が急激に変化したと判断した場合、現電圧Vc及び過去電圧Vdを電力状況判定手段102に出力する(ステップ#02のYes)。なお、電圧値が急激に変化していないと判断した場合には、ステップ#01に戻る(ステップ#02のNo)。
電力状況判定手段102は、電圧監視手段101から入力された現電圧Vcを急変後電圧Vaとして記憶し、電圧監視手段101から入力された過去電圧Vdを急変前電圧Vbとして記憶するように構成されている(ステップ#03)。そして、急変後電圧Va及び急変前電圧Vbに基づいて、新たに制御手段に入力された現電圧Vcから、現在の直流母線DCBの電力状況を判定するように構成されている(ステップ#04)。そして、判定した電力状況により、各装置の制御を行う(ステップ#11、#12、#21、#22)。
具体的には、電力状況判定手段102は、電圧計dで計測された直流母線DCBの電圧VDCが、電圧急変点において電圧が急変した直後の急変後電圧Vaを記憶する。そして、電圧計dで計測される現在の現電圧Vcと、急変後電圧Vaとの差から直流母線DCBにおける電力状況(余剰度合いまたは不足度合い)を算出するように構成されている。
そして、電力状況判定手段102は、電力が余剰気味の場合には、電力供給装置10による直流母線DCBへの供給電力が少なくなるように制御する。また、電力が不足気味の場合には、電力供給装置10による直流母線DCBへの供給電力が多くなるように制御する、とともに直流電力消費装置22による直流母線DCBからの受取電力が少なくなるように制御する。
このような制御の具体例として、本実施形態においては、電力状況判定手段102は、まず、急変後電圧Vaと急変前電圧Vbの大小関係を比較する(ステップ#04)。次に、急変後電圧Vaの方が大きいと判断した場合には、直流母線DCBにおける電力は余剰気味であると判定する(ステップ#04Yes)。続いて、現電圧Vcと急変後電圧Vaとの電圧差ΔVを求める(ステップ#11)。そして、装置が電力供給装置10の場合には、電圧差ΔVが予め定めた一定値(閾値)より多ければ、装置の出力(直流母線DCBへの電力供給量)を抑制する(ステップ#12)。すなわち、直流母線DCBにおける電力が予め定めた閾値よりも余剰気味である場合には、装置の出力を抑制する。なお、ステップ#12において、装置が電力供給装置10でなかった場合には、何もしない。
一方、ステップ#04において、急変前電圧Vbの方が大きいと判断した場合には、直流母線DCBにおける電力は不足気味であると判定する(ステップ#04No)。続いて、現電圧Vcと急変後電圧Vaとの電圧差ΔVを求める(ステップ#21)。そして、装置が電力負荷の場合(具体的には、蓄電装置1、パワーコンディショナ3、または直流電力消費装置22)には、電圧差ΔVが予め定めた一定値(閾値。なお、この値は、ステップ#12と異なっていても構わない)より小さければ、装置の出力(言い換えれば、装置の消費電力、すなわち、直流母線DCBから受けとる受取電力)を抑制する。すなわち、直流母線DCBにおける電力が予め定めた閾値より不足気味である場合には、装置の出力を抑制する。なお、装置が、電力供給のみが可能な電力供給ユニット5の場合には、何もしない。
以上のようにして、各装置の制御手段は、直流母線DCBの電力状況を判定し、電力状況に合わせて装置の電力供給量もしくは電力消費量を調整する。このような構成により、直流母線DCBの電力が余剰気味であると判定された場合には、電力の余剰を解消する方向に、直流母線DCBの電力が不足気味であると判定された場合には、電力の不足を解消する方向に、電力供給システムS1内の各装置を協調的に動作させることができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、基準電圧Vthが、電圧源が前記直流母線に電力を供給する場合の第1基準電圧V1と、電圧源が前記直流母線から電力を受け取る第2基準電圧V2との2つの異なる値からなる場合の例を説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限らない。すなわち、基準電圧Vthとして、電圧源が前記直流母線に電力を供給する場合の第1基準電圧V1と、電圧源が前記直流母線から電力を受け取る第2基準電圧V2とを同一の値に設定しても構わない。
(2)上記実施形態においては、電力供給システムS1において電力供給装置10の各々が装置内に電圧計dを備え、電圧急変点を基準として、直流母線DCBにおける電力状況を判断する場合の例を説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限らない。すなわち、電力供給装置10の各々が装置内に電圧計dを備えない構成とすることもできる。例えば、電力供給システムS1全体で1つの電圧計dを備え、当該電圧計dの計測値を各装置に配信するように構成しても構わない。また、このような構成とした場合には、電圧急変点を基準として直流母線DCBの電力状況を判断しなくてもよい。例えば、あらかじめ直流母線DCBの電圧値と直流母線DCBの電力状況との対応を調べておき、電圧計dにより計測された値を基準として、直流母線DCBにおける電力状況を判断しても良い。
(3)上記実施形態においては、電力供給システムS1において、電圧源を切り替える制御手段Cと、各装置の制御を司る制御手段とが別々備えられる場合の例を説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限らない。すなわち、制御手段Cが各装置の制御をも司るように構成することもできる。ただし、この場合には、制御手段Cと各装置とを接続する通信線が必要となる。
(4)上記実施形態においては、電力供給システムS1が、電力供給装置10として、蓄電装置1及びパワーコンディショナ3とは別の電力供給ユニット5を備える場合の例を説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限らない。すなわち、電力供給システムS1が電力供給装置10を備えない構成としても構わない。
(5)上記実施形態においては、電圧源の供給電力及び受取電力と、基準電圧Vthに対する直流母線DCBの電圧の増減具合とが単純な一次関数の関係となるように設定した場合の例を説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限らない。すなわち、直流母線DCBの電圧VDCに対して、電圧源の供給電力及び受取電力が一意に決定できれば、どのような関係としても構わない。例えば、2次関数のような関係や、任意に決めた定めた非線形な関係としても構わない。
(6)上記実施形態においては、電圧源以外の各装置が直流母線DCBの電圧に応じて出力を調節する制御例として、図6のフローチャートに示す制御を用いる場合の例を説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限らない。すなわち、直流母線DCBの電圧から直流母線DCBの電力状況(電力の余剰度合いまたは不足度合い)を判断し、その判断に合わせて出力を調節するような制御であれば、どのような制御を用いても構わない。例えば、図6のステップ#12やステップ#22において、現電圧Vcと急変後電圧Vaとの差ΔVの大きさに応じて、抑制する出力の程度を段階的に変更しても構わない。
本発明は、蓄電装置と、商用電力系統に接続される交流母線に接続されるパワーコンディショナとを、直流母線に対して電力の供給が可能な電力供給装置として備え、前記電力供給装置の作動を制御する制御手段を備えた電力供給システムに適応可能である。
1 :蓄電装置
1c :制御手段
1d :装置内電圧計
2 :商用電力系統
3 :パワーコンディショナ
3c :制御手段
3d :装置内電圧計
5 :電力供給ユニット
5c :制御手段
5d :装置内電圧計
10 :電力供給装置
21 :交流電力消費装置
22 :直流電力消費装置
22b :電力消費機器
22d :装置内電圧計
23 :電圧計
101 :電圧監視手段
102 :電力状況判定手段
ACB :交流母線
DCB :直流母線
S1 :電力供給システム
V1 :第1基準電圧
V1m :第1限界電圧
V2 :第2基準電圧
V2m :第2限界電圧
V3 :第3基準電圧
V4 :第4基準電圧
VDC :直流母線の電圧
Vth :基準電圧
C :制御手段
d :電圧計

Claims (5)

  1. 蓄電装置と、商用電力系統に接続される交流母線に接続されるパワーコンディショナとを、直流母線に対して電力の供給が可能な電力供給装置として備え、前記電力供給装置の作動を制御する制御手段を備えた電力供給システムであって、
    前記パワーコンディショナが、前記交流母線での交流電力を所望の直流電力に変換して前記直流母線に出力することで前記直流母線に電力を供給するAC/DC変換作動状態と、前記直流母線での直流電力を所望の交流電力に変換して前記交流母線に出力することで前記直流母線から電力を受け取るDC/AC変換作動状態とを切り替えて作動可能に構成され、
    前記蓄電装置が、前記直流母線へ電力を放電することで前記直流母線に電力を供給する放電作動状態と、前記直流母線から電力を充電することで前記直流母線から電力を受け取る充電作動状態とを切り替えて作動可能に構成され、
    前記制御手段が、前記直流母線の電圧源を、前記蓄電装置と前記パワーコンディショナとで切り替えて作動させ、
    前記電圧源として動作する電力供給装置は、
    前記直流母線の電圧が基準電圧より低い場合には、前記直流母線の電圧が前記基準電圧より低くなるに従って前記電圧源が前記直流母線に供給する電力が多くなる関係で、前記直流母線に電力を供給し、
    前記直流母線の電圧が前記基準電圧より高い場合には、前記直流母線の電圧が前記基準電圧より高くなるに従って前記電圧源が前記直流母線から受け取る電力が多くなる関係で、前記直流母線から電力を受け取るように構成され、
    前記電圧源として動作しない電力供給装置は、
    前記直流母線の電圧に応じて出力を調節するように構成された電力供給システム。
  2. 前記基準電圧が、前記電圧源が前記直流母線に電力を供給する場合の第1基準電圧と、前記電圧源が前記直流母線から電力を受け取る場合の第2基準電圧とからなり、
    前記第1基準電圧が、前記第2基準電圧より低い請求項1に記載の電力供給システム。
  3. 前記電圧源以外の前記電力供給装置の各々が、
    前記直流母線の電圧を計測するための装置内電圧計を備え、
    前記装置内電圧計で計測された電圧値が、設定電圧差以上に変動する電圧急変点を基準として、前記装置内電圧計で計測される電圧値から前記直流母線における電力の余剰度合いまたは不足度合いを判断する請求項2に記載の電力供給システム。
  4. 前記パワーコンディショナが、前記電圧源として前記AC/DC変換作動状態で作動する場合に前記直流母線に供給する電力が最大となるときの前記直流母線の電圧を第1限界電圧とし、
    前記パワーコンディショナが、前記電圧源として前記DC/AC変換作動状態で作動する場合に前記直流母線から受け取る電力が最大となるときの前記直流母線の電圧を第2限界電圧とし、
    前記蓄電装置が、
    前記第1限界電圧よりも低い第3基準電圧以下の場合に前記放電作動状態で作動し、
    前記第2限界電圧よりも高い第4基準電圧以上の場合に前記充電作動状態で作動する請求項1〜3の何れか一項に記載の電力供給システム。
  5. 前記電力供給装置として、前記蓄電装置及び前記パワーコンディショナとは別の電力供給ユニットを備える請求項1〜4の何れか一項に記載の電力供給システム。
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