JP6785464B2 - 集合用インターホン装置 - Google Patents
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インターホン装置1は、集合住宅の共同玄関に設置された共同玄関子器10、棟内の各住宅に設置された複数の住宅情報盤11、管理室に設置された管理室親機12を、制御装置13、インターホン回線14を介して相互接続した基本構成になっている。制御装置13は、共同玄関子器10、住宅情報盤11、管理室親機12の間で呼出通話を行わせるために伝送制御する要素である。インターホン回線14の種別は特に制限されず一定の伝送容量を有する。インターホン装置1の呼出通話に係る作用は従来と同様である。またインターホン装置1は、共同玄関に設置されたカメラ子器15の撮影した訪問者映像を通話用映像として住宅情報盤に伝送して再生させるテレビ通話機能を有する。
図2は、そのような基本動作におけるカメラ子器、共同玄関子器、住宅情報盤の相互作用を時系列的に説明するフロー図である。
共同玄関子器から呼び出された住宅情報盤は呼出音を鳴動させ、応答操作がなされると、共同玄関子器と住宅情報盤との間に通話路が形成され呼出通話が可能になる(時刻T2)。
このとき共同玄関子器では、通話用映像伝送部によって、カメラ子器の撮影した訪問者画像の一部を取り出して通話用映像を生成する映像処理が開始され、処理されたあとの通話用映像がインターホン回線を通じて住宅情報盤にリアルタイムに伝送される。またこのとき保存用映像伝送部によって、カメラ子器の撮影した訪問者画像の全体を一時保存する処理も開始される。
住宅情報盤では、呼出通話中、共同玄関子器からリアルタイム伝送されてきた通話用映像が表示部に再生される。これにより訪問者映像を見ながらのテレビ通話が可能になる(時刻T3)。
その後住宅情報盤で終了操作がなされると、共同玄関子器と住宅情報盤との間に形成されていた通話路が開放され、呼出通話は終了される。呼出通話が終了された時点で、共同玄関子器では、通話用映像伝送部による映像処理が中止され、通話用映像の住宅情報盤への伝送も中止される。また保存用映像伝送部による訪問者映像の一時保存の処理も中止される(時刻T4)。
呼出通話が終了されたあと、共同玄関子器では、保存用映像伝送部によって、一時保存された訪問者映像の全体を保存用映像として住宅情報盤に非リアルタイムに伝送する処理が開始される。住宅情報盤では、共同玄関子器から非リアルタイムに伝送されてきた保存用映像を映像記録部に蓄積する(時刻T5)。
保存用映像の蓄積が終了したあと、住宅情報盤で再生操作がなされると、映像処理部はその操作に基づいて保存用映像の一部を取り出す映像処理を実行し、その処理後の保存用映像を表示部に再生させる(時刻T6)。
図3(a)は前記のような伝送容量の予約がなされたときの通話用映像、保存用映像の伝送態様を示すインターホン回線の概略波形図である。この波形図では各時刻においてインターホン回線で伝送される信号の種別を示している。
波形図の開始時点で1回目の呼出通話(系統は問わない)がすでに開始されており、この呼出通話が時刻T2に終了している。時刻T1、T2ではインターホン回線の8Mbpsの全伝送容量の内の3Mbpsが、この呼出通話のための通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送によって占められている。図中、これらの通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送は、それぞれ白色波形によって示している。
時刻T3に、1回目の呼出通話による保存用映像の伝送が開始されている。時刻T3〜T8では、インターホン回線の全伝送容量の内の1Mbpsが、この保存用映像の伝送によって占められている。図中、この保存用映像の伝送は淡灰色波形によって示している。
時刻T5に2回目の呼出通話が開始されている。時刻T5〜T8では、インターホン回線の全伝送容量の内の3Mbpsが、この呼出通話のための通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送によって占められている。図中、これらの通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送は、濃灰色波形によって示している。
時刻T7に3回目の呼出通話が開始されている。時刻T7、T8では、インターホン回線の全伝送容量の内の3Mbpsが、この呼出通話のための通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送によって占められている。図中、これらの通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送は、黒色波形によって示している。
具体的には、例えば集合住宅に共同玄関子器(カメラ子器を含む)が2系統設けられ、インターホン回線の全伝送容量は8Mbpsであるとき、通話用映像の伝送(訪問者の音声、居住者の音声の伝送を含む)にそれぞれ3Mbpsを動的に割り当てる。また保存用映像の伝送には、その時点で残っている空容量の全てを割り当てる。このとき2系統の通話用映像を伝送するのに必要な伝送容量は6Mbpsであるから、2系統の通話用映像を伝送している間でも、保存用映像を2Mbpsで伝送できる。
波形図の開始時点で1回目の呼出通話がすでに開始されており、この呼出通話が時刻T12で終了している。時刻T11、T12ではインターホン回線の8Mbpsの全伝送容量の内の3Mbpsが、この呼出通話のための通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送によって占められている。図中、これらの通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送は、それぞれ白色波形によって示している。
時刻T13に1回目の呼出通話の保存用映像の伝送が開始されている。時刻T13、T14では、インターホン回線の全伝送容量がこの保存用映像の伝送によって占められている。図中、この保存用映像の伝送は淡灰色波形によって示している。
時刻T15に2回目の呼出通話が開始されている。時刻T15〜T18では、インターホン回線の全伝送容量の内の3Mbpsが、この呼出通話のための通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送によって占められている。図中、これらの通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送は、濃灰色波形によって示している。その結果、時刻T15、T16では、保存用映像の伝送の占める伝送容量は5Mbpsに制限されている。すなわち呼出通話中の通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送を優先し、保存用映像の伝送を制限している。
時刻T17に3回目の呼出通話が開始されている。時刻T17、T18では、インターホン回線の全伝送容量の内の3Mbpsが、この呼出通話のための通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送によって占められている。図中、これらの通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送は、黒色波形によって示している。このとき全伝送容量の内の3Mbpsは、2回目の呼出通話のための通話用映像、訪問者の音声、居住者の音声の伝送に占められている。よって時刻T17、T18では、前記第1系統の保存用映像の伝送は残っている伝送空容量の2Mbpsに制限されている。
映像処理部は、保存用映像を表示部で再生させるための映像処理として、居住者の再生操作に応じて保存用映像の一部を取り出すことで低ビットレートの映像を生成する映像処理をリアルタイムに実行する。この映像処理によって住宅情報盤での保存用映像の再生が可能になる。居住者の行う再生操作には、再生すべき保存用映像を選択しその再生を開始させる操作と、再生中の画面を見ながら行う各種の画面操作とがある。以下に説明する映像処理は後者の画面操作に対応したものである。
保存用映像S1は例えば720pの解像度であると想定する。一方表示部は480pの解像度の映像が再生可能であると想定する。このとき保存用映像S1の画面から破線枠によって示した範囲を抜き出せば、480pの解像度の映像V1が生成できる。すなわち映像処理部は、保存用映像S1の画面の所定範囲を抜出すことで、図4(b)に示すような低ビットレートの映像V1が生成できる。
しかしこのとき保存用映像S1の画面の中心から外れた位置に訪問者が映っていることもあり得る。そのような訪問者を確認可能にするため、映像処理部は、再生中になされた移動操作に基づいて、保存用映像S1から抜き出すべき範囲を移動できるようにするとよい。具体的には、居住者は保存用映像V1の再生画面を見ながら、抜出すべき範囲の移動操作を行う。
例えばここで右上方向に移動操作がなされると、保存用映像S1の画面から抜き出すべき範囲が、図4(a)の破線枠によって示す位置から、図4(c)の破線枠によって示す位置に移動される。図4(c)の破線枠によって示す範囲を抜き出せば、図4(d)に示すような再生画面V2が得られる。この再生画面V2では訪問者が画面の中心に映った状態になっている。これによりカメラ子器の正面にいなかった訪問者も後で確認できるようになる。
一方、抜き出すべき範囲を標準よりも縮小した場合、その範囲を抜き出すだけでは、抜き出した画面が小さすぎて訪問者の確認が難しくなってしまう。よってこの場合は画素を補間し追加する等して画面を拡大すればよい。
カメラ子器が複数の撮影ユニットを備えている場合、撮影ユニットのそれぞれが撮影した複数の訪問者映像が保存用画像として住宅情報盤に伝送されてくることになる。この場合、映像処理部は、そのような複数の訪問者映像から1つの映像を合成することで、保存用映像よりも低ビットレートの映像を生成すればよい。
このとき映像処理部は、図5(a)、図5(b)に示す2つの訪問者映像S2、S3から、図5(c)に示すような映像V3を合成する。すなわち訪問者映像S2の画面の左上部に、訪問者映像S3の縮小画面を重ね合わせることで映像V3を合成する。映像を重ね合わせる位置は、再生中になされた移動操作に応じて移動できるようにすると、縮小画面が邪魔になって訪問者が確認できないという不具合が回避できる。
また再生中に切換操作がなされると、映像の重ね合わせの順序を変更するようにしてもよい。図5(c)では訪問者映像S2の画面の上に、訪問者映像S3の縮小画面を重ね合わせているが、切換操作がなされると、重ね合わせ順序を変更し、訪問者映像S3の画面の上に、訪問者映像S2の縮小画面を重ね合わせ映像V4を生成して再生中の保存用映像を切換えてもよい。
10b 保存用映像伝送装置
11 住宅情報盤
11c 映像処理部
15 カメラ子器
15a 撮影ユニット
Claims (3)
- 共同玄関に設置されたカメラ子器の撮影した訪問者映像の所定範囲を抜き出した通話用映像を住宅情報盤に伝送して再生させるテレビ通話機能を有した集合用インターホン装置において、
前記共同玄関に設置された前記カメラ子器の撮影した前記訪問者映像の所定範囲を抜き出した前記通話用映像を前記住宅情報盤にリアルタイムに伝送する通話用映像伝送装置と、
前記カメラ子器の撮影した訪問者映像の全体を一時保存し、この一時保存した当該訪問者映像の全体を保存用映像として前記住宅情報盤に非リアルタイムに伝送する保存用映像伝送装置とを備え、
前記通話用映像伝送装置は、前記通話用映像を住宅情報盤に伝送して再生中に、前記住宅情報盤における前記所定範囲を指定する操作に基づいて、前記訪問者映像から指定された所定範囲を抜き出した通話用映像を前記住宅情報盤に伝送して再生させ、
前記住宅情報盤は、前記保存用映像伝送装置から伝送されてきた保存用映像を蓄積し、再生操作に応じて、蓄積されている保存用映像のうち前記通話用映像とは異なる範囲を抜き出した映像を再生可能であることを特徴とする集合用インターホン装置。 - 請求項1に記載の集合用インターホン装置において、
前記カメラ子器は、訪問者を同時撮影する複数の撮影ユニットを備え、
前記保存用映像伝送装置は、同時撮影された訪問者映像の全体を一時保存し保存用映像として前記住宅情報盤に伝送することを特徴とする集合用インターホン装置。 - 請求項1又は2に記載の集合用インターホン装置において、
前記住宅情報盤は、前記再生操作に基づいて、蓄積されている保存用映像に対して少なくとも画面の一部抜出し、縮小、合成、切換えのいずれかを含む映像処理を行うことで、当該保存用映像の一部を取り出す映像処理部を備えていることを特徴とする集合用インターホン装置。
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