JP6785114B2 - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1]
末端基及び側鎖基の少なくとも一部がキャッピング化合物でキャッピングされたポリフェニレンエーテル(A)と、
結合芳香族ビニル化合物量が60〜99.9質量%の、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体(B1)、及び/又は、結合芳香族ビニル化合物量が60〜99.9質量%の芳香族ビニル化合物と水添共役ジエン化合物とのブロック共重合体(B2)からなるブロック共重合体成分(B)と
を含有する樹脂組成物であり、
前記(A)成分が、化学式(1)、(2)からなる群から選ばれる1つ以上の構造のユニットを含み、
前記(A)成分及び前記(B)成分の合計の含有量が、前記樹脂組成物100質量%中、90質量%以上であり、
前記(A)成分及び前記(B)成分の合計質量を100質量%とした場合に、前記(A)成分の含有量が40〜90質量%であり、前記(B)成分の含有量が10〜60質量%である
ことを特徴とする、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
[2]
前記(A)成分が、前記キャッピング化合物が反応した構造のユニットを、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり、0.01〜10個含有する、[1]に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
[3]
更に酸化防止剤(C)を、前記樹脂組成物100質量%に対して0.01〜5質量%含有する、[1]又は[2]に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
[4]
前記酸化防止剤(C)が、下記化学式(4)の構造を分子内に有するホスファイト系酸化防止剤である、[3]に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
ISO1133に準拠し、温度280℃、荷重5kgで測定したメルトフローインデックスが、10〜50g/10minである、[1]〜[4]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
[6]
前記(B)成分以外のスチレン系樹脂の含有量が、前記樹脂組成物100質量%に対して0〜5質量%である、[1]〜[5]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
[7]
二軸押出機を用いて、前記(A)成分を前記二軸押出機の最上流の第一原料供給口から供給し、ここで、前記第一原料供給口が設けられたバレルに設けられたホッパーの内部の酸素濃度を5容量%以下とし、前記(B)成分を前記二軸押出機の第一原料供給口よりも下流の第二原料供給口から供給し、溶融混練して、押出樹脂温度280〜325℃で押し出すことを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法。
本実施の形態に係るポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、末端基及び側鎖基の少なくとも一部がキャッピング化合物でキャッピングされたポリフェニレンエーテル(A)と、結合芳香族ビニル化合物量が60〜99.9質量%の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体(B1)及び/又は結合芳香族ビニル化合物量が60〜99.9質量%の芳香族ビニル化合物と水添共役ジエン化合物とのブロック共重合体(B2)からなる成分(B)を含有する樹脂組成物で、前記樹脂組成物100質量%中に占める、前記(A)、(B)成分の合計質量が90質量%以上であり、前記(A)、(B)成分の合計質量を100質量%とした場合に、(A)が40〜90質量%で、(B)が10〜60質量%であるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。
本実施の形態に用いるポリフェニレンエーテル(A)は、ポリフェニレンエーテルの末端基及び側鎖基の少なくとも一部がキャッピング化合物でキャッピングされたポリフェニレンエーテル、具体的には、ポリフェニレンエーテルの末端基及び側鎖基の少なくとも一部にキャッピング化合物が共有結合で付加されたポリフェニレンエーテル、より具体的には、ポリフェニレンエーテルのベンジル位の炭素原子や末端水酸基の酸素原子にキャッピング化合物が共有結合で付加されたポリフェニレンエーテルである。
従来のポリフェニレンエーテルでは、長時間高温にさらされた場合に、末端ユニットにあるメチル基(以下、「末端メチル基」とも称する。)、中間ユニットにあるメチル基(以下、「側鎖メチル基」とも称する。)、末端ユニットにある水酸基(以下、「末端水酸基」とも称する。)が酸化架橋反応を起こすことがあった。
本発明者らは、末端メチル基、側鎖メチル基、末端水酸基等の酸化架橋反応に着目し、この酸化架橋反応を抑えることでアルミ蒸着表面の凹みを一層抑制したり、凹みの進行によりアルミ等の金属が蒸着した鏡面の外観が悪くなることを一層抑えたりできる可能性について検討した。末端メチル基、側鎖メチル基、末端水酸基では、比較的ラジカルが発生しやすい傾向があり、発生したラジカルが酸化架橋を起こす要因となり得ることが分かった。本実施の形態では、ポリフェニレンエーテルの被酸化部位である末端メチル基、側鎖メチル基、末端水酸基を、所定の分子で置換された状態にして封止することで、末端メチル基、側鎖メチル基、末端水酸基の架橋反応を抑制することができ、金属蒸着された樹脂組成物の成形体において長期高温条件下で発生する凹みを有利に抑制することが可能となる。
前記キャッピング化合物が反応した構造のユニットを、100ユニットあたり0.01個以上にすることにより、十分な長期高温暴露後の成形体のアルミ蒸着表面外観を一層改良でき、10個以下にすることにより、機械物性を保持しやすくなる。
ポリフェニレンエーテル(A)は、既に公知の重合方法によって合成された通常のポリフェニレンエーテルの重合粉体を広く用いることが可能である。
中でも、下記の化学式(7)、(8)で表される、末端基及び側鎖基を有する構造のユニットを有する前駆体ポリフェニレンエーテルを用いることが効率の面から好ましい。前駆体ポリフェニレンエーテルが下記の化学式(7)及び/又は(8)の構造のユニットを有することにより、十分に効率よくポリフェニレンエーテル(A)を得ることができる(具体的には、(A)PPEを製造するにあたって、前駆体PPEを経由することにより、化学式(7)、(8)の構造中のCH2−Y部分が選択的に開裂して後述の反応性化合物との置換反応が生じるので、PPE(A)を十分に効率よく得ることができる)。
なお、PPEの末端OH基濃度は、NMR測定により算出することができ、例えば、実施例に記載の方法が挙げられる。
キャッピング化合物としては、特に、ポリフェニレンエーテルの末端基及び/又は側鎖基の反応性や、樹脂組成物の十分な性能発現の観点から、ホスホン酸化合物が好ましく、中でも、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドが特に好ましい。
なお、本実施の形態において、還元粘度は、クロロホルム溶媒を用いて30℃で0.5g/dl溶液で測定し得られた値である。
ここで、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnとは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定による、ポリスチレン換算分子量から得られるものである。
本実施の形態に用いられるブロック共重合体成分(B)は、結合芳香族ビニル化合物量が60〜99.9質量%の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体(B1)、及び/又は、結合芳香族ビニル化合物量が60〜99.9質量%の芳香族ビニル化合物と水添共役ジエン化合物とのブロック共重合体(B2)からなる。
前記(B1)成分は、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物を、不活性な炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を開始剤としてアニオン重合することによって、重合体溶液状態で、製造することができる。
共重合体ブロック中の芳香族ビニル化合物は、均一に分布していても、テーパー状に分布していてもよい。また、共重合体ブロックでは、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分、及び/又は、芳香族ビニル化合物がテーパー状に分布している部分が、それぞれ複数個共存していてもよい。
(B1)成分に用いられる共役ジエン化合物としては、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、特に好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレンである。これらは、1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
前記(B2)成分は、上記で得られた芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体(B1)に対して水添反応(水素添加反応)することにより、共役ジエン化合物ブロックを部分的にあるいは選択的に水添することで調製されるものである。
なお、水添率は、核磁気共鳴装置等により測定できる。
具体的な方法としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方法、好ましくは特公昭63−4841号公報及び特公昭63−5401号公報に記載された方法により、不活性触媒中で水素添加反応触媒の存在下で水素添加して水添重合体溶液を得る方法が挙げられる。
(B2)成分に用いられる共役ジエン化合物としては、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、特に好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレンである。これらは、1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
本実施の形態に所望の効果を十分に発揮し得る観点から、ポリスチレン−ポリ(エチレン・ブチレン)−ポリスチレン構造で構成される三型のリニアタイプのブロック共重合体が特に好ましい。
樹脂組成物の十分な成形流動性、及び、長期高温暴露後の成形体の金属蒸着表面外観の改良の観点から、2.5g/10min以上が好ましく、成形体の成形性、靱性保持の観点から、15g/10min以下が好ましい。
長期高温暴露後の成形品の金属蒸着面の外観不良抑制、及び、十分な靱性付与の観点から、10質量%以上であることが望ましく、十分な耐熱性及び剛性保持の観点から、60質量%以下であることが望ましい。
本実施の形態に係る樹脂組成物は、さらに酸化防止剤(C)を含んでいてもよい。
上記酸化防止剤(C)は、ラジカル連鎖禁止剤として働く1次酸化防止剤と、過酸化物を分解する効果のある2次酸化防止剤のどちらも使用可能である。すなわち、酸化防止剤を用いることにより、ポリフェニレンエーテルが長時間高温にさらされた際に、末端メチル基又は側鎖メチル基において生じ得るラジカルを捕捉することができ(1次酸化防止剤)、又は当該ラジカルにより末端メチル基又は側鎖メチル基に生じた過酸化物を分解することができ(2次酸化防止剤)、それ故に、ポリフェニレンエーテルの酸化架橋を防止することができる。
本実施の形態のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物には、着色の観点から、さらにカーボンブラック、酸化チタン、その他の無機系、有機系の公知の染料、顔料等の着色剤を配合することが可能である。
(B)成分以外のスチレン系樹脂としては、例えば、HIPS、GPPS、AS樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
具体的には、樹脂組成物をクロロホルムに溶解して、無機物等の不溶分を濾過や遠心分離等で分離させる。次に、クロロホルム溶液にメタノールを3倍量程度添加して、ポリマー成分を再沈殿させて、(A)成分、(B)成分を含むポリマー成分と、(C)成分等の添加剤を含む可溶成分とに分離する。(C)成分を含む可溶成分の溶液を乾燥させ、この成分を定量する。可溶成分中の(C)成分の定量は、例えばHPLCでの解析により行う。
(A)成分、(B)成分を含むポリマー成分を乾燥させて、これを50℃に加熱したジクロロメタンに溶解させた後、−30℃の冷凍庫内に24時間放置し、(A)成分を析出分離する。分離した(A)成分を乾燥させ、これを定量する。次に、(B)成分を含むジクロロメタン溶液に、メタノールを3倍量程度添加して、(B)成分を含むポリマー成分を析出させて、析出したポリマーを乾燥させ、これを定量する。析出ポリマー中の(B)成分の分離、定量は、例えばGPC又はHPLCでの解析により行う。また、(B)成分中の結合スチレン量の定量は、例えばUVの解析により、(B)成分の水添率の算出は、NMRの解析により、行う。
本実施の形態のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、前記(A)成分、前記(B)成分等の原材料を、溶融混練の条件を適宜調節して、溶融混練することにより製造することができる。
押出樹脂温度は270〜350℃の範囲内で行うことが好ましい。本願組成物で求められる効果の十分な発現と押出性の観点から、270℃以上が好ましく、350℃以下が好ましい。
通常、ポリフェニレンエーテル樹脂が配合される樹脂組成物を溶融混練する場合、バレル設定温度を低めに設定しても、スクリューでの溶融混練時に生じるシェア発熱によって、実際の押出樹脂温度を350℃以下に抑えることが困難な場合がある。本実施の形態では、後に説明する、トップフィードの酸素濃度の管理による(A)成分のゲル化抑制や、(B)成分のサイドフィードからの配合により、溶融中の押出樹脂温度の上昇を低減し、270℃以上350℃以下に調整することができる。
押出樹脂温度のより好ましい範囲は280〜330℃であり、さらにより好ましい範囲は280〜325℃である。
酸素濃度は、より好ましくは5容量%以下であり、更により好ましくは1容量%以下である。
溶融混練時に前記(A)成分が酸化架橋によりゲル化することで、樹脂の溶融粘度が増大して押出樹脂温度が上がる傾向である。前記(A)成分の酸化架橋によるゲル化を抑制するためである。
酸素濃度の調節は、原料貯蔵ホッパー内を十分に窒素置換して、更に原料貯蔵ホッパーから押出機原料投入口までの、フィードライン中での空気の出入りがないように密閉した上で、窒素フィード量の調節、ガス抜き口の開度を調節することで可能である。
すなわち、前記(A)成分が、押出機最上流の第一原料供給口(例えば、トップフィード)から供給されて溶融混練された後に、前記(B)成分が、第一原料供給口よりも下流の第二原料供給口(例えば、サイドフィード)から供給されることで、押出樹脂温度が著しく低減される。その後、前記(A)成分と前記(B)成分とが混合され、溶融混練されることで、樹脂の溶融粘度が低減されて、押出機出口までにおいて押出樹脂温度の上昇が抑えられる。
ここで、前記(B)成分の供給位置は、押出機のバレル全長を100%として、最上流の原料投入口から40〜80%離れた位置であることが好ましく、45〜75%の位置がより好ましく、50〜70%の位置が更により好ましい。上記供給位置は、前記(B)成分の熱劣化抑制の観点から、40%以上が好ましく、前記(A)成分と前記(B)成分との十分な溶融混練の観点から、80%以下であることが好ましい。
本実施の形態の、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる成形品は、上述の樹脂組成物を成形することにより得ることができる。
後述の実施例及び比較例で得られた樹脂組成物のペレットを、100℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、金型表面を#5000で磨き上げた寸法100mm×100mm×2mm厚みのフィルムゲート鏡面金型を備え付けた射出成形機(IS−80EPN、東芝機械社製)により、シリンダー温度320℃、金型温度120℃、射出圧力(ゲージ圧70MPa)、射出速度(パネル設定値)85%で成形して成形平板を得た。
更にこの得られた成形平板を真空状態下の蒸着装置内に不活性ガスと酸素を導入し、チャンバー内をプラズマ状態にして、成形平板表面を活性化させるプラズマ処理を行い、真空下の蒸着装置内でアルミニウム蒸着を行った。
更に、アルミニウム蒸着面の保護膜として、プラズマ重合処理を行ない、二酸化珪素重合膜を形成させた。
アルミニウム膜厚は80nm、二酸化珪素膜厚は50nmであった。
−エージング試験の実施方法−
得られたアルミ蒸着平板成形品のアルミ蒸着面側から照明の光を当てると、アルミ膜で被覆されていない、微細な点の箇所(ここでは「ピンホール」と呼ぶ)が光を通して透けて見える。
この各サンプルのアルミ蒸着平板成形品1枚の中に存在するピンホール部をランダムに5か所抽出して、アルミ蒸着裏面からマジックで印を付けた後、各サンプルのアルミ蒸着平板成形品1枚ずつを、160℃に設定した熱風オーブン中に入れて、240時間経過するまで放置した。
(1)エージング後のアルミ蒸着成形品の外観評価(目視判定)
240時間経過後、熱風オーブンから取り出して、23℃で24時間放置した各サンプルのアルミ蒸着平板成形品のアルミ蒸着面の外観を目視で判定した。
凹みが目立たず、エージング前と差が認め難いものを○、凹みは目立たないが曇りがあるものを△、エージング前と比べて明らかに凹みが認められ外観の低下が明らかで許容できないものを×と判定した。
評価基準としては、○の判定のものが本用途の成形品として好適である。
(2)エージング後に生じたアルミ蒸着面凹み部分の最深部深さの測定
240時間経過後の、各サンプルのアルミ蒸着平板成形品の予めマジックで印を付けたピンホール部5か所に生じた凹み部分の最深部深さを、レーザーマイコロスコープVR−3000(キーエンス社製)で測定して、5か所の測定値の平均値を求めた。
なお、エージング前の各サンプルの5か所の測定値はいずれも0μmであった。
評価基準としては、最深部深さが小さい値であるほど、凹みが目立ち難く、外観が良好なため、本用途の成形品として有利であると判定した。
樹脂組成物を90℃の熱風乾燥機内で4時間乾燥後、ISO1133に準拠し、設定温度280℃、荷重5kgで測定した。
<ポリフェニレンエーテル(A)>
(A−1)
還元粘度0.38dl/g(0.5g/dlクロロホルム溶液、30℃、ウベローデ粘度計で測定)、数平均分子量15300、100ユニットあたりの末端OH基:0.72個、100ユニットあたりのN,N−ジブチルアミノメチル基:0.43個のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)粉体(PPE−1)を溶液重合により作製した。
上記の(PPE−1)を99.5質量部と、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(株式会社三光製)0.5質量部とをタンブラーミキサーで混合し、この粉体混合物をTEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53;ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の第1原料供給口から供給(トップフィード)して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)の条件で溶融混練し、樹脂組成物ペレット(A−1)を得た(以下、「A−1」ということもある)。
この樹脂組成物ペレット(A−1)をクロロホルムに溶解した後、メタノールで再沈し、ポリフェニレンエーテル成分を抽出した。その後、60℃で4時間真空乾燥し、ポリフェニレンエーテル(A−1)のパウダーを得た。
得られたポリフェニレンエーテルパウダーは、31P−NMR(single plus法)及び1H−NMRにて同定することができ、反応性化合物のメチル基への付加量は、1H−NMRの2.8〜3.6ppmに現れるピークの積分値を、ポリフェニレンエーテルの芳香環由来である6.0〜7.0ppmのピークの積分値で割ることにより得られ、ポリフェニレンエーテル鎖中のモノマー100ユニットあたり、下記の化学式(9)、(10)の構造を合わせて0.25個含むことを確認した。
更に、末端水酸基への付加量は、13C−NMRにて、146.4ppm(OH基に反応性化合物が付加して形成されたエーテル結合の酸素原子に隣接した炭素)のピークの積分値[A]、145.4ppm(OH基に隣接した炭素)の積分値[B]を用いて、下記数式(2)で求めることができ、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり、下記化学式(11)の構造を0.03個含むことを確認した。また、1H−NMRにて、3.5〜5.5ppmに新たなダブレットピークが生じないことを確認した。
ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたりの反応性化合物の付加数(個)=(前駆体ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたりの末端OHの数)×{[A]/([A]+[B])}・・・(2)
また、化学式(10)に対する化学式(9)の割合は、31P−NMRにて、化学式(10)由来の38〜42ppmのピークの積分値に対する、化学式(9)由来の34〜36ppmのピークの積分値の割合を計算することにより求められ、27モル%であることが分かった。
装置 :JEOL RESONANCE ECS400
観測核 :31P
観測周波数 :161.8MHz
パルス幅 :45°
待ち時間 :5秒
積算回数 :10,000回
溶媒 :CDCl3
試料濃度 :20w/v%
化学シフト基準:85%リン酸水溶液(外部基準)0ppm
・1H−NMR 測定条件
装置 :JEOL−ECA500
観測核 :1H
観測周波数 :500.16MHz
測定法 :Single−Plus
パルス幅 :7μsec
待ち時間 :5秒
積算回数 :512回
溶媒 :CDCl3
試料濃度 :5w%
化学シフト基準:TMS 0.00ppm
・13C−NMR 測定条件
装置 :Bruker Biospin Avance 600
観測核 :13C
観測周波数 :150.9MHz
測定法 :逆ゲートデカップリング法
パルス幅 :30°
待ち時間 :10秒
積算回数 :2,000回
溶媒 :CDCl3
試料濃度 :20w/v%
化学シフト基準:TMS 0ppm
以下、ポリフェニレンエーテルの31P−NMR、1H−NMR、13C−NMRの測定は、上記の条件で行った。
上記の(PPE−1)を99.0質量部と、ホスホン酸ジオクチル(城北化学製)1.0質量部とをタンブラーミキサーで混合し、この粉体混合物をTEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53;ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の第1原料供給口から供給(トップフィード)して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)の条件で溶融混練し、樹脂組成物ペレット(A−2)を得た(以下、「A−2」ということもある)。
この樹脂組成物ペレット(A−2)をクロロホルムに溶解した後、メタノールで再沈し、ポリフェニレンエーテル成分を抽出した。その後、60℃で4時間真空乾燥しポリフェニレンエーテル(A−2)のパウダーを得た。
得られたポリフェニレンエーテルパウダーは、31P−NMR(single plus法)及び1H−NMRで同定することができ、反応性化合物の付加量は、1H−NMRの2.8〜3.6ppmに現れるピークの積分値を、ポリフェニレンエーテルの芳香環由来である6.0〜7.0ppmのピークの積分値で割ることにより得られ、ポリフェニレンエーテルのモノマー100ユニットあたり、化学式(12)、(13)の構造を合わせて0.25個含むことを確認した。
更に、末端水酸基への付加量は、13C−NMRにて、146.4ppm(OH基に反応性化合物が付加して形成されたエーテル結合の酸素原子に隣接した炭素)のピークの積分値[A]、145.4ppm(OH基に隣接した炭素)の積分値[B]を用いて、上記数式(2)で求めることができ、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり、下記化学式(14)の構造を0.25個含むことを確認した。また、1H−NMRにて、3.5〜5.5ppmに新たなダブレットピークが生じないことを確認した。
また、化学式(13)に対する化学式(12)の割合は、31P−NMRにて、化学式(13)由来の38〜42ppmのピークの積分値に対する、化学式(12)由来の34〜36ppmのピークの積分値の割合を計算することより求められ、25モル%であることが分かった。
上記の(PPE−1)97質量部と、無水マレイン酸3質量部とを、タンブラーミキサーで混合し、この粉体混合物を二軸押出機(コペリオン社製ZSK25押出機)の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、バレル温度300℃、スクリュー回転数300rpm、ベント真空度7.998kPa(60Torr)の条件で溶融混練して、樹脂組成物ペレット(A−3)を得た(以下、「A−3」ということもある)。
この樹脂組成物ペレット(A−3)をクロロホルムに溶解した後、メタノールで再沈し、ポリフェニレンエーテル成分を抽出した。その後、60℃で4時間真空乾燥しポリフェニレンエーテル(A−3)のパウダーを得た。
得られたポリフェニレンエーテルパウダーは、1H−NMRで同定することができ、1H−NMRの2.5〜4.0ppmに現れるピークの積分値を、ポリフェニレンエーテルの芳香環由来である6.0〜7.0ppmのピークの積分値で割ることにより、ポリフェニレンエーテルのモノマー100ユニット当たり、化学式(15)の構造を0.3個含むことを確認した。
上記の(PPE−1)98.5質量部と、ステアリルアクリレート(東京化成社製)1.5質量部とを、タンブラーミキサーで混合し、この粉体混合物を二軸押出機(コペリオン社製ZSK25押出機)の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、バレル温度300℃、スクリュー回転数300rpm、ベント真空度7.998kPa(60Torr)の条件で溶融混練して、樹脂組成物ペレット(A−4)を得た(以下、「A−4」ということもある)。
この樹脂組成物ペレット(A−4)をクロロホルムで溶解した後、精製水を添加し、分液操作で有機層と水層とに分離して、有機層を回収した。この有機層をメタノールで再沈して、ポリフェニレンエーテル成分を抽出した。その後、60℃で4時間真空乾燥しポリフェニレンエーテル(A−4)のパウダーを得た。
得られたポリフェニレンエーテルパウダーは、1H−NMRで同定することができ、1H−NMRの2.5〜4.0ppmに現れるピークの積分値を、ポリフェニレンエーテルの芳香環由来である6.0〜7.0ppmのピークの積分値で割ることにより、ポリフェニレンエーテルのモノマー100ユニット当たり、化学式(16)の構造を0.4個有することを確認した。
(B1−1)
結合スチレン量77質量%で、ポリスチレンブロック−ポリ(スチレン・ブタジエン)ランダムブロック−ポリスチレンブロックの構造を有して、ISO1133に準拠し、温度200℃、荷重5kgで測定したメルトフローインデックスが10.3g/10minの、三型タイプのブロック共重合体(B1−1)(以下、「B1−1」ということもある)を用いた。
結合スチレン量99質量%の、ポリスチレンブロック−ポリブタジエンブロック−ポリスチレンブロックの構造を有して、ISO1133に準拠し、温度200℃、荷重5kgで測定したメルトフローインデックスが9.1g/10minの、三型タイプのブロック共重合体(B1−2)(以下、「B1−2」ということもある)を用いた。
結合スチレン量65質量%で、ポリブタジエンブロック部分の水素添加率が98%の、ポリスチレンブロック−水添ポリブタジエンブロック−ポリスチレンブロック−水添ポリブタジエンブロックの構造を有して、ISO1133に準拠し、温度200℃、荷重5kgで測定したメルトフローインデックスが8.3g/10minの、四型タイプの水添ブロック共重合体(B2−1)(以下、「B2−1」ということもある)を用いた。
結合スチレン量75質量%で、ポリブタジエンブロック部分の水素添加率が98%の、ポリスチレンブロック−水添ポリブタジエンブロック−ポリスチレンブロックの構造を有して、ISO1133に準拠し、温度200℃、荷重5kgで測定したメルトフローインデックスが9.0g/10minの、三型タイプの水添ブロック共重合体(B2−2)(以下、「B2−2」ということもある)を用いた。
(C−1)
リン系酸化防止剤(化学名:3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン。アデカ社製、商品名:アデカスタブPEP−36〔登録商標〕)(以下、「C−1」ということもある)を用いた。
(PPE)
還元粘度0.40dl/g(0.5g/dlクロロホルム溶液、30℃、ウベローデ粘度計で測定)のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル(以下、「PPE」ということもある)を用いた。
ISO1133に準拠し、温度200℃、荷重5kgで測定したメルトフローインデックスが8.3g/10minのゼネラルパーパスポリスチレン(以下、「GPPS」ということもある)を用いた。
結合スチレン量42質量%で、ポリブタジエンブロック部分の水素添加率が98%の、ポリスチレンブロック−水添ポリブタジエンブロック−ポリスチレンブロックの構造を有して、ISO1133に準拠し、温度200℃、荷重5kgで測定したメルトフローインデックスが9.2g/10minの、三型タイプの水添ブロック共重合体(以下、「エラストマー」ということもある)を用いた。
アクリロニトリル(AN)含有量25%、ISO1133に準拠し、温度200℃、荷重5kgで測定したメルトフローインデックスが12.4g/10minのスチレン−アクリロニトリル共重合体(以下、「AS」ということもある)を用いた。
(PPE)65質量部を、TEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53);ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、(B1−2)35質量部を、バレル8に設置した第二原料供給口(サイドフィード)から供給して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度0.8容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度332℃、の条件で溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
前記(PPE)を(A−1)に置き換えて、トップフィード部集合ホッパー内部の酸素濃度が1.1容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度が305℃であった以外は、比較例1と同様の条件で樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
前記(PPE)を(A−2)に置き換えて、トップフィード部集合ホッパー内部の酸素濃度0.9容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度が305℃であった以外は、比較例1と同様の条件で樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
前記(PPE)を(A−3)に置き換えて、トップフィード部集合ホッパー内部の酸素濃度0.9容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度が305℃であった以外は、比較例1と同様の条件で樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
前記(PPE)を(A−4)に置き換えて、トップフィード部集合ホッパー内部の酸素濃度0.8容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度が305℃であった以外は、比較例1と同様の条件で樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
(A−1)65質量部を、TEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53);ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、(B2−1)35質量部を、バレル8に設置した第二原料供給口(サイドフィード)から供給して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度0.9容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度304℃、の条件で溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
(A−1)65質量部と、(B2−1)35質量部とを、TEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53);ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度0.8容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度310℃、の条件で溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
(A−1)70質量部を、TEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53);ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、(B1−2)25質量部と、(B2−1)5質量部とを、バレル8に設置した第二原料供給口(サイドフィード)から供給して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度0.8容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度311℃、の条件で溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
実施例7の、(B1−2)25質量部を24.5質量部に減らし、(C−1)0.5質量部を第一原料供給口(トップフィード)から供給した以外は、実施例7と同様の操作を繰り返して、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
実施例7の、(B1−2)25質量部と、(B2−1)5部とを、(GPPS)30質量部に置き換えて、第一原料供給口(トップフィード)から供給し、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度が0.9容量%であった以外は、実施例7と同様の操作を繰り返して、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
(A−1)70質量部を、TEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53);ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、(B1−2)15質量部と、(GPPS)15質量部とを、バレル8に設置した第二原料供給口(サイドフィード)から供給して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度1.1容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度307℃、の条件で溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
(A−1)70質量部を、TEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53);ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、(B1−2)15質量部と、(GPPS)5質量部と、(AS)10質量部とを、バレル8に設置した第二原料供給口(サイドフィード)から供給して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度1.3容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度305℃、の条件で溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
(A−1)70質量部を、TEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53);ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、(B1−2)25質量部と、(GPPS)5質量部とを、バレル8に設置した第二原料供給口(サイドフィード)から供給して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度0.8容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度310℃、の条件で溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
(A−1)60質量部を、TEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53);ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、(B1−1)16質量部と、(B2−2)24質量部とを、バレル8に設置した第二原料供給口(サイドフィード)から供給して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度4.4容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度320℃、の条件で溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度が6.8容量%とした以外は、実施例10と同様に溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
(A−1)85質量部を、TEM58SS二軸押出機(東芝機械社製、バレル数13、スクリュー径58mm、L/D=53);ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:14個、及びニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流の第一原料供給口(トップフィード)から供給して、(エラストマー)15質量部を、バレル8に設置した第二原料供給口(サイドフィード)から供給して、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数400rpm、押出レート400kg/hr、ベント真空度7.998kPa(60Torr)、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度0.8容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度336℃、の条件で溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
比較例5の、(エラストマー)を、(B1−2)に置き換えて、トップフィード部集合ホッパー内部の酸素濃度0.4容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度334℃に変更した以外は、比較例5の操作を繰り返して、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
比較例5の、(エラストマー)を、(B1−2)14.5質量部と、(C−1)0.5質量部とに置き換えて、(C−1)は第一原料供給口(トップフィード)から供給して、第一原料供給口(トップフィード)集合ホッパー内部の酸素濃度0.6容量%、押出機ノズル出口で測定した押出樹脂温度334℃に変更した以外は、比較例5の操作を繰り返して、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を含有してなる成形品の評価結果を下記表1に示す。
実施例1、2、参考例3、4、実施例5〜7、12の樹脂組成物は、いずれも(A)成分及び(B)成分の組成が本発明の範囲内であるため、長期高温暴露後のアルミ蒸着面の凹み発生が抑制されて、成形品のアルミ蒸着外観が良好であり、十分良好に使用可能である。
実施例8、13の樹脂組成物は、(A)成分及び(B)成分の組成が本発明の範囲内であり、更に、(C)成分が本発明の好適範囲内の量で配合されているため、更に良好な結果となり、より好適に使用可能である。
比較例2〜4の樹脂組成物は、いずれも(B)成分以外のスチレン系樹脂成分が多量に配合されて、組成が本発明の範囲外であるため、長期高温暴露後のアルミ蒸着面の凹み発生が十分に抑制されず、成形品のアルミ蒸着外観が十分ではなく、使用は困難であると判定された。
比較例5の樹脂組成物は、(B)成分以外のエラストマー成分が使用されており、組成が本発明の範囲外であるため、長期高温暴露後のアルミ蒸着面に曇りが発生して、成形品のアルミ蒸着外観が十分ではなく、使用は困難であると判定された。
一方、実施例9の樹脂組成物は、(C)成分の以外の原材料が配合されているが、組成が本発明の範囲内であるため、長期高温暴露後のアルミ蒸着面の凹み発生が抑制されて、成形品のアルミ蒸着外観が良好であり、良好に使用可能である。
本発明の樹脂組成物からなる成形品は、高温条件下での長期暴露によって生じる金属蒸着された成形品の表面に発生する凹みが抑制され、従来に無い卓越した金属蒸着表面外観を有することから、高温条件下で使用されるプロジェクターや各種照明器具等の家電OA機器部品や、電機電子機器、自動車用途、各種工業製品等の加飾成形部品等に良好に利用可能である。
Claims (7)
- 末端基及び側鎖基の少なくとも一部がキャッピング化合物でキャッピングされたポリフェニレンエーテル(A)と、
結合芳香族ビニル化合物量が60〜99.9質量%の、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体(B1)、及び/又は、結合芳香族ビニル化合物量が60〜99.9質量%の芳香族ビニル化合物と水添共役ジエン化合物とのブロック共重合体(B2)からなるブロック共重合体成分(B)と
を含有する樹脂組成物であり、
前記(A)成分が、化学式(1)、(2)からなる群から選ばれる1つ以上の構造のユニットを含み、
前記(A)成分及び前記(B)成分の合計の含有量が、前記樹脂組成物100質量%中、90質量%以上であり、
前記(A)成分及び前記(B)成分の合計質量を100質量%とした場合に、前記(A)成分の含有量が40〜90質量%であり、前記(B)成分の含有量が10〜60質量%である
ことを特徴とする、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。 - 前記(A)成分が、前記キャッピング化合物が反応した構造のユニットを、ポリフェニレンエーテルを構成するモノマーユニット100個あたり、0.01〜10個含有する、請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
- 更に酸化防止剤(C)を、前記樹脂組成物100質量%に対して0.01〜5質量%含有する、請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- ISO1133に準拠し、温度280℃、荷重5kgで測定したメルトフローインデックスが、10〜50g/10minである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- 前記(B)成分以外のスチレン系樹脂の含有量が、前記樹脂組成物100質量%に対して0〜5質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- 二軸押出機を用いて、前記(A)成分を前記二軸押出機の最上流の第一原料供給口から供給し、ここで、前記第一原料供給口が設けられたバレルに設けられたホッパーの内部の酸素濃度を5容量%以下とし、前記(B)成分を前記二軸押出機の第一原料供給口よりも下流の第二原料供給口から供給し、溶融混練して、押出樹脂温度280〜325℃で押し出すことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法。
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