JP6784153B2 - インクセット、記録方法 - Google Patents
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Description
記録媒体に、水と、水溶性有機溶剤と、色材を少なくとも含む固形分と、を含む第1インク組成物を、インクジェット法で吐出して第1インク層を形成する工程と、
前記第1インク層における前記第1インク組成物に含有していた水の80質量%以上を蒸発させる第1乾燥工程と、
前記第1乾燥工程を経た前記第1インク層の上に、水と、水溶性有機溶剤と、色材を少なくとも含む固形分と、を含む第2インク組成物をインクジェット法で吐出して第2インク層を形成する工程と、
前記第2インク層を形成する工程の後に、前記記録媒体上の揮発成分を蒸発させる第2乾燥工程と、
を備え、
前記第1インク組成物の「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」を「r1」とし、前記第2インク組成物の「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」を「r2」とした場合、「r2/r1」の値が2以下である。
前記記録媒体は、インク低吸収性又はインク非吸収性の記録媒体であってもよい。
前記第1インク組成物は、色材として金属化合物粒子及び金属粒子の少なくとも一方を含む、背景画像用インク組成物であり、
前記第2インク組成物は、非白色の色材を含む着色インク組成物であってもよい。
前記第1乾燥工程は、前記記録媒体の表面温度が25℃以上50℃以下で行われてもよい。
前記第1インク組成物は、固形分として樹脂粒子を含んでもよい。
前記第2インク組成物は、固形分として樹脂粒子を含んでもよい。
前記樹脂粒子は、ウレタン系樹脂粒子、エステル系樹脂粒子及びアクリル系樹脂粒子の少なくとも一種であってもよい。
前記第1インク組成物が、ウレタン系樹脂粒子及びエステル系樹脂粒子の少なくとも一種を含み、
前記第2インク組成物が、エステル系樹脂粒子及びアクリル系樹脂粒子の少なくとも一種を含んでもよい。
前記エステル系樹脂粒子は、
ポリエステル樹脂からなる主鎖セグメント(A1)及び付加重合系樹脂からなる側鎖セグメント(A2)からなるグラフトポリマーであるポリエステル樹脂を含んでもよい。
前記「r2/r1」が、0.5以上2以下であってもよい。
前記第1乾燥工程は、前記第1インク層における前記第1インク組成物に含有していた水溶性有機溶剤の蒸発量が20質量%以下で、行われてもよい。つまり、そのような状態となるように行われる。
前記第1乾燥工程は、熱伝導、輻射線照射及び送風の少なくとも一種により行われてもよい。
前記第2乾燥工程は、前記記録媒体の表面温度が、70℃以上で行われてもよい。
前記第2乾燥工程を行った後、前記第2インク層に、樹脂粒子と、水溶性有機溶剤と、水と、を含むクリアインク組成物をインクジェット法で吐出して第3インク層を形成する工程を有してもよい。
前記クリアインク組成物の「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」を「r3」とした場合、「r3/r1」の値が2以下であってもよい。
前記第2乾燥工程で前記第1インク組成物と前記第2インク組成物とに含有していた合計の水の80質量%以上を蒸発させた後に、前記第3インク層を形成する工程を行ってもよい。
前記第3インク層を形成する工程の後に、前記記録媒体上の揮発成分を蒸発させる第3乾燥工程を行ってもよい。
前記第1インク組成物及び前記第2インク組成物が、樹脂粒子を1質量%以上15質量%以下、水溶性有機溶剤を3質量%以上40質量%以下、色材を0.5質量%以上15質量%以下含んでもよい。
前記水溶性有機溶剤は、沸点が250℃以下である水溶性有機溶剤を含んでもよい。
第1インク層を形成する工程は、記録媒体に、水と、水溶性有機溶剤と、色材を少なくとも含む固形分と、を含む第1インク組成物を、インクジェット法で吐出して行われる。本実施形態に係る第1インク層を形成する工程は、インクジェット法を用いて第1インク組成物を記録媒体に吐出して行われる。そして記録媒体の記録領域に第1インク層(画像)が形成される。記録媒体における記録領域は、特に限定されないが、第2インク組成物による第2インク層(画像)の形成を予定している領域であり、当該領域内に第2インク組成物が付着される。以下、記録媒体、第1インク組成物の順に説明し、インクジェット法についてはさらに別項にて後述する。
本実施形態に係るインクジェット記録方法で画像を形成する記録媒体は、インクを吸収する記録面を有するものであっても、インクを吸収する記録面を有しないものであってもよい。したがって記録媒体としては、特に制限はなく、例えば、紙、フィルム、布等のインク吸収性記録媒体、印刷本紙などのインク低吸収性記録媒体、金属、ガラス、高分子等のインク非吸収性記録媒体などが挙げられる。しかし、本実施形態のインクジェット記録方法の優れた効果は、インク低吸収性又はインク非吸収性の記録媒体に対して画像を記録する場合により顕著となる。
第1インク組成物は、少なくとも、水と、水溶性有機溶剤と、色材を含む固形分と、を含有する。第1インク組成物を背景画像用インク組成物とする場合には、例えば、白色系インク組成物や光輝性インク組成物とすることができる。
第1インク組成物は、水を含有する。水は、第1インク組成物の主となる媒体であり、乾燥により蒸発飛散する成分である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を抑制できるので好適である。
第1インク組成物は、水溶性有機溶剤を含有する。水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えばアルキルポリオール類、ピロリドン誘導体、グリコールエーテル類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。なお、本明細書において「水溶性」とは、20℃の水100gに対する溶解度が0.1g以上である性質を備えることをいう。
色材としては、例えば、白色系色材や、光輝性顔料などが挙げられる。
第1インク組成物は、樹脂粒子を含んでもよい。樹脂粒子は、形成される画像の密着性や耐擦性を向上させるという機能を備える。
<ワックス>
第1インク組成物は、ワックスを含有してもよい。ワックスは、第1インク層に滑沢を付与する機能を備えるので、第1インク層の剥がれ等を低減できる。
第1インク組成物は色材として白色系色材や、光輝性顔料を含有するので、インクジェット法に適用するために、白色系色材や、光輝性顔料が水中で安定的に分散保持できるようにすることが好ましい。その方法としては、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂等の樹脂分散剤にて分散させる方法、分散剤にて分散させる方法、色材粒子表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し、前記の樹脂あるいは分散剤なしで水中に分散及び/又は溶解可能とする方法等が挙げられるが、その中でも樹脂分散剤を用いて分散させる方法(樹脂分散顔料)がインク組成物中での分散安定性、インクジェット法によるヘッドノズル孔からの吐出安定性、得られた画像の密着性・耐擦性等の耐久性等において優れているため好ましい。
第1インク組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、表面張力を低下させ記録媒体との濡れ性を向上させる機能を有する。界面活性剤の中でも、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。
第1インク組成物は、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、キレート化剤、防錆剤等を含有してもよい。pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。市販品では、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上全て商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上全て商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。キレート化剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸塩、イミノジコハク酸塩等が挙げられる。防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
第1インク組成物における固形分は、インク組成物中に存在する色材・樹脂分散剤・樹脂粒子・キレート化剤・防錆剤等であり、ただし後述する後乾燥工程としての第2乾燥工程で蒸発揮散しない成分を表す。すなわち水・水溶性有機溶剤等である揮発成分以外の成分を表す。一方、揮発成分は、固形分ではない成分であるが、後乾燥工程としての第2乾燥工程で蒸発揮散する成分であり、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤やpH調整剤などのその他の成分のうち後乾燥工程としての第2乾燥工程で蒸発揮散する成分である。
上記の通り、本実施形態の第1インク組成物は、水溶性有機溶剤と固形分とを含む。そのため、「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」として「r1」を定義することができる。「r1」は、後述の第2インク組成物の「r2」と後述する特定の関係を有する。
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、第1インク層を乾燥させる第1乾燥工程を有する。
第1乾燥工程における第1インクの水分蒸発率が高い場合、耐ひび割れ性が優れる点で好ましい。反面、第1乾燥工程における第1インクの水分蒸発率が低い場合、第1乾燥工程における記録媒体の表面温度を比較的低くできインクジェットヘッドの吐出不良の低減ができることや、第1乾燥工程に要する時間の短縮化の点で好ましい。従って、インクジェットヘッドの吐出不良の低減や、第1乾燥工程に要する時間の短縮化を図る場合に、本実施形態の記録方法が特に有用である。
第2インク層を形成する工程は、第1乾燥工程を経た第1インク層の上に、水と、水溶性有機溶剤と、色材を少なくとも含む固形分と、を含む第2インク組成物を、インクジェット法で吐出して行われる。
第2インク組成物は、少なくとも、水と、水溶性有機溶剤と、色材を含む固形分と、を含有する。第2インク組成物を非白色の色材を含む着色用インク組成物とする場合には、例えば、カラーインク組成物やブラックインク組成物とすることができる。
第2インク組成物は、水を含有する。水は、第2インク組成物の主となる媒体であり、乾燥により蒸発飛散する成分である。水の説明については、第1インク組成物と同様であるので、その記載を省略する。
第2インク組成物は、水溶性有機溶剤を含有する。水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えばアルキルポリオール類、ピロリドン誘導体、グリコールエーテル類などが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。なお、各有機溶剤の具体例、効果、含有量の範囲等については、第1インク組成物で示した内容と同様であるので、その説明を省略する。
第2インク組成物は、非白色(カラー)色材を含有する。非白色色材とは、前述の白色系色材や、光輝性顔料以外の色材のことを指す。非白色色材としては、例えば、染料、顔料等が挙げられる。
第2インク組成物は、第1インク組成物において説明した樹脂粒子の少なくとも一種を含有してもよい。第2インク組成物に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂などを用いることができる。これらの樹脂は、1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂のうち、第2インク組成物に含まれる樹脂粒子の材質は、第2インク層の第1インク層との密着性、及び、第2インク層の耐擦性の少なくとも一方を一層向上できるという観点から、エステル系樹脂及びアクリル系樹脂から選択される少なくとも一種であることがより好ましい。さらに、第1インク組成物に含まれる樹脂粒子の材質と、第2インク層に含まれる樹脂粒子の材質とが同じであると、第2インク層の第1インク層との密着性を一層向上できるという観点から、より好ましい。
第2インク組成物は、樹脂分散剤、ワックス、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、キレート化剤、防錆剤等を含有してもよい。なお、第2インク組成物では、樹脂分散剤は、顔料に対して有効に用いられる。また、第2インク組成物は、樹脂分散顔料、分散剤分散顔料、表面処理顔料のいずれも用いることができ、必要に応じて複数種混合した形で用いることもできるが、樹脂分散顔料を含有していることが好ましい。
第2インク組成物における固形分は、上述した第1インク組成物と同様に、インク組成物中に存在する色材・樹脂分散剤・樹脂粒子・キレート化剤・防錆剤等であり、後述する後乾燥工程としての第2乾燥工程で蒸発揮散しない成分、すなわち水・水溶性有機溶剤等の揮発成分以外の成分を表す。
上記の通り、本実施形態の第2インク組成物は、水溶性有機溶剤と固形分とを含む。そのため、「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」として「r2」を定義することができる。「r2」は、上述の第1インク組成物の「r1」と後述する特定の関係を有する。
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、第2インク層を形成する工程の後に、記録媒体上の揮発成分を蒸発させる第2乾燥工程を有する。第2乾燥工程では、第1インク層及び第2インク層に含まれる揮発成分(水、アルキルポリオール、グリコールエーテルなど)を蒸発させるが、その他のインク層(例えば後述の第3インク層)を形成した後に、記録媒体上の全体に残存する揮発成分を蒸発させる最終的な乾燥工程としてもよい。例えば、第2乾燥工程は、第1乾燥工程と同様の乾燥機能を有してもよく、第1乾燥工程と同じ条件で行われてもよい。また、例えば、第2乾燥工程は、最終的な乾燥工程として機能してもよく、第1乾燥工程よりも乾燥させやすい条件、例えば、記録媒体の表面温度がより高い条件や、乾燥工程の時間がより長い条件、で行われてもよい。すなわち、第2乾燥工程は、第2の第1乾燥工程(本明細書では「第1乾燥工程その2」と言うことがある。)であってもよいし、最終乾燥工程(本明細書では「後乾燥工程」と言うことがある。)であってもよい。
第2乾燥工程が後乾燥工程である場合、第2乾燥工程では、第1インク層及び第2インク層に含まれる揮発成分(水、アルキルポリオール、グリコールエーテルなど)を蒸発させ、記録物を使用できる状態まで乾燥させる。
第2乾燥工程が第2の第1乾燥工程(第1乾燥工程その2)である場合、第2乾燥工程では、第1インク層及び第2インク層に含まれる揮発成分(水、アルキルポリオール、グリコールエーテルなど)を蒸発させ、その他のインク層(例えば後述の第3インク層)を形成する際の滲みを抑制し、ひび割れが生じにくくなる程度まで、記録媒体上の全体に残存する揮発成分を蒸発させる。
本実施形態のインクジェット記録方法では、第1インク組成物の「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」を「r1」とし、第2インク組成物の「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」を「r2」とした場合、「r2/r1」の値が2以下である。このようにすることで、第1インク組成物及び第2インク組成物の組成のバランスが良好となっている。すなわち、「r2/r1」の値が2以下であるため、下層の画像(例えば第1インク層)及び上層(例えば第2インク層)の積層構造における溶媒の分布及び残存量が良好になり、形成した画像を最終的に乾燥させる際(例えば第2乾燥工程の際)に、下層の画像(例えば第1インク層)の収縮率と上層(例えば第2インク層)の画像の収縮率が、大きく異ならないようになっている。これにより、得られる画像におけるひび割れが抑制される。
このようなインクジェット記録方法では、「r2/r1」の値が2以下であるため、第1インク組成物及び第2インク組成物の組成のバランスが良好である。そして、第1乾燥工程により、第1インク層における水の量が低減され、当該第1インク層上に第2インク層が形成されるとともに、第1インク層及び第2インク層の積層構造における溶媒の分布及び残存量が良好となる。そのため、係るインクジェット記録方法によれば、第2インク層を形成する際の滲みが抑制され、かつ、第2乾燥工程おける画像のひび割れが抑制される。係るインクジェット記録方法によれば、複数のインクを重ね打ちして得られる画像であって、滲み及びひび割れの両方が抑制された画像を形成することができる。
7.1.第3インク層を形成する工程
本実施形態のインクジェット記録方法は、第2乾燥工程(上述の「第2の第1乾燥工程(第1乾燥工程その2)」を行った後、第2インク層に、樹脂粒子と、水溶性有機溶剤と、水と、を含むクリアインク組成物をインクジェット法で吐出して第3インク層を形成する工程を含んでもよい。第3インク層は、第2インク層の上に形成されるが、第1インク層のうち、第2インク層が形成されていない領域の上に形成されてもよいし、記録媒体上であって、第1インク層の形成されていない領域の上に形成されてもよい。
クリアインク組成物は、少なくとも、樹脂粒子と、水溶性有機溶剤と、水とを含有する。クリアインク組成物は、色材を含有しないトップコート用インク組成物とすることができる。クリアインク組成物は、記録媒体へ着色して用いるインク組成物ではなく、記録物の光沢性、耐擦性、密着性などの品質の調整のために用いるインク組成物であり、色材の含有量は0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましい。最も好ましくは0質量%、すなわち全く色材を含まない形態である。
クリアインク組成物は、第1インク組成物において説明した樹脂粒子の少なくとも一種を含有する。クリアインク組成物に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂などを用いることができる。これらの樹脂は、1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂のうち、クリアインク組成物に含まれる樹脂粒子の材質は、第3インク層の記録媒体、第1インク層及び第2インク層の少なくとも一層との密着性、及び、第3インク層の耐擦性の少なくとも一方を一層向上できるという観点から、エステル系樹脂及びアクリル系樹脂から選択される少なくとも一種であることがより好ましい。さらに、クリアインク組成物に含まれる樹脂粒子の材質と、第3インク層と接する第1インク層又は第2インク層に含まれる樹脂粒子の材質とが同じであると、第3インク層と接するインク層との密着性を一層向上できるという観点からより好ましい。
クリアインク組成物は、水溶性有機溶剤を含有する。水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えばアルキルポリオール類、ピロリドン誘導体、グリコールエーテル類などが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。なお、各有機溶剤の具体例、効果、含有量の範囲等については、第1インク組成物で示した内容と同様であるので、その説明を省略する。
クリアインク組成物は、水を含有する。水は、クリアインク組成物の主となる媒体であり、乾燥により蒸発飛散する成分である。水の説明については、第1インク組成物と同様であるので、その記載を省略する。
クリアインク組成物は、ワックス、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、キレート化剤、防錆剤等を含有してもよい。これらの成分の具体例、各剤の効果、含有量の範囲等については、第1インク組成物で示した内容と同様であるので、その説明を省略する。
クリアインク組成物における固形分は、上述した第1インク組成物と同様に、インク組成物中に存在する樹脂粒子・キレート化剤・防錆剤等であり、後述する第3乾燥工程で蒸発揮散しない成分、すなわち水・水溶性有機溶剤等の揮発成分以外の成分を表す。
上記の通り、クリアインク組成物は、水溶性有機溶剤と固形分としての樹脂粒子等とを含む。そのため、「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」として「r3」を定義することができる。「r3」は、上述の第1インク組成物の「r1」と後述する特定の関係を有することが好ましい。
本実施形態のインクジェット記録方法で、第3インク層を形成する工程を行う場合には、第1インク組成物の「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」を「r1」とし、クリアインク組成物の「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」を「r3」とした場合、「r3/r1」の値が2以下であることが好ましい。このようにすることで、第1インク組成物及びクリアインク組成物の組成のバランスが良好となっている。すなわち、「r3/r1」の値が2以下であるため、下層の画像(例えば第1インク層)及び最も上層(例えば第3インク層)の積層構造における溶媒の分布及び残存量が良好になり、形成した画像を最終的に乾燥させる際(例えば第2乾燥工程の際)に、下層の画像(例えば第1インク層)の収縮率と最も上層(例えば第2インク層)の画像の収縮率が、大きく異ならないようになっている。これにより、得られる画像におけるひび割れが抑制される。
本実施形態のインクジェット記録方法が第3インク層を形成する工程を含む場合には、さらに第3乾燥工程を含んでもよい。第3乾燥工程では、第1インク層、第2インク層及び第3インク層に含まれる揮発成分(水、アルキルポリオール、グリコールエーテルなど)を蒸発させる。
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、記録ヘッドを有するインクジェット記録装置を用いて行うことができる。本実施形態に係るインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置について説明する。
上述した第1インク組成物、第2インク組成物及びクリアインク組成物は、前述した成分を任意な順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
上述した第1インク組成物、第2インク組成物及びクリアインク組成物は、画像品質とインクジェット用インクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が15mN/m以上50mN/mであることが好ましく、20mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、例えば、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインク組成物で濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す材料組成にて、材料組成の異なる第1インク組成物1−(1)〜1−(4)、第2インク組成物2−(1)〜2−(5)、及びクリアインク組成物3−(1)〜1−(5)を得た。各インク組成物は、表1に示す材料を容器中に入れ、マグネチックスターラーにて2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブランフィルターにて濾過してゴミや粗大粒子等の不純物を除去することにより調製した。なお、表1中の数値は、全て質量%を示し、イオン交換水はクリアインク組成物の全質量が100質量%となるように添加した。なお、顔料分散液はあらかじめ以下のように調製した。また、表中の括弧内の数字は、顔料分散液中の固形分量、エマルジョン形態で供給する樹脂粒子の固形分量を示している。表1に記載のr1、r2、r3は、各インク組成物を後述する記録物の作成に用いた記録媒体に10mg/inch2の付着量で付着させて実施例1の後乾燥工程で乾燥させた後の質量分析からインク組成物の固形分含有量を求め、これとインク組成の水溶性有機溶剤の含有量とから計算した値である。なお、シアン顔料分散液に含む樹脂分散剤には実際には低分子量の分散剤も含まれており、これは固形分として残らないものもある可能性がある。
なお、表1のr1、r2、r3の値は、r1、r2、r3の小数点以下2桁目を四捨五入した値である。一方、表2〜6のr2/r1、r3/r1の値は、小数点以下3桁目まで有するr1、r2、r3の値を用いて、これの少数点以下3桁目の値を四捨五入して得た小数点以下2桁目まで有する値からr2/r1、r3/r1を算出し、これの小数点以下2桁目を四捨五入して得た値である。
実施例及び比較例で使用する第1インク組成物(白色系インク組成物)は、着色剤として水不溶性の顔料(白色系色材)を使用した。また、実施例及び比較例で使用する第2インク組成物は、着色剤として水不溶性のカラー顔料(シアン顔料)を使用した。顔料を各インク組成物に添加する際には、あらかじめ該顔料を樹脂分散剤で分散させた樹脂分散顔料を用いた。具体的には、以下のようにして顔料分散液を調製した。
まず、30%アンモニア水溶液(中和剤)1質量部を溶解させたイオン交換水155質量部に、樹脂分散剤としてアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量:25,000、酸価:180)4質量部を加えて溶解させた。そこに、白色系顔料である酸化チタン(C.I.ピグメントホワイト6)を40質量部加えてジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。その後、遠心分離機による遠心濾過を行って粗大粒子やゴミ等の不純物を除去して、白色系顔料の濃度が20質量%となるように調整し、白色系色材分散液を得た。白色系顔料の粒子径は、平均粒子径で350nmであった。
まず、30%アンモニア水溶液(中和剤)2質量部を溶解させたイオン交換水160.5質量部に、樹脂分散剤としてアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量:25,000、酸価:180)7.5質量部を加えて溶解させた。そこに、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を30質量部加えてジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行なった。その後、遠心分離機による遠心濾過を行って粗大粒子やゴミ等の不純物を除去し、シアン顔料濃度が15質量%となるように調整して、シアン顔料分散液を得た。その際のシアン顔料の粒子径は、平均粒子径で100nmであった。
・タケラックW−6061(商品名、三井化学株式会社製、ポリウレタン樹脂エマルジョン、Tg:25℃、30%分散液)
・エステル系樹脂粒子エマルジョンA
エステル系樹脂粒子エマルジョンAは、以下のように作成した。ポリエステル樹脂の原料モノマーとして、ビスフェノールAのポリオキシプロピレン(2.2)付加物、ビスフェノールAのポリオキシエチレン(2.0)付加物、水素化ビスフェノールA、イソフタル酸、フマル酸、及び酸化ジブチルスズを、混合して重合し、ポリエステル樹脂を得た。
・AQUACER515(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリエチレンワックスエマルジョン、融点135℃、35%分散液)
・ノプコートPEM−17(商品名、サンノプコ株式会社製、ポリエチレンワックスエマルジョン、融点103℃、40%分散液)
・BYK−348(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコーン系界面活性剤)
・サーフィノール DF−110D(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製、アセチレングリコール系界面活性剤)
各評価に使用する記録物は、次のようにして作製した。
得られた各実施例及び比較例の記録物を以下の基準で評価した。また、その結果を表2〜表6に示した。
記録物の記録面側から目視することにより、画質評価の一つとして滲みを評価した。評価基準は以下のとおりである。
B:各インク層間のいずれかに、わずかに滲み・混色がある
C:各インク層間のいずれかに、滲み・混色が目立つ
D:各インク層間のいずれかにおける、滲み・混色が著しい
記録物の記録面側から目視により、画質評価の一つとしてひび割れを評価した。評価基準は以下のとおりである。なお、実施例10は、第1インク層が色画像部、第2インク層が白画像部となっているため、以下の評価基準の「第2インク層(色画像部)」を「第2インク層(白画像部)」と、「第1インク層(白画像部)」を「第1インク層(色画像部)」と読み替えて評価した結果を示した。
B:第2インク層(色画像部)の表面のひび割れにより、その下の第1インク層(白画像部)が見えている個所がわずかにある
C:第2インク層(色画像部)の表面のひび割れにより、その下の第1インク層(白画像部)が見えている個所がかなりある
D:第2インク層(色画像部)の下の第1インク層(白画像部)もひび割れて記録媒体が見えている箇所がある
記録物を20℃〜25℃/40%RH〜60%RH環境の実験室にて5時間放置した後、記録物の記録面(画像の形成部分)に透明粘着テープ(商品名:透明美色、住友スリーエム株式会社製)を貼り付けた。そして、貼り付けたテープを手で剥がして、記録面のインク剥がれやテープへのインク移り状態を確認することにより、テープ剥離性(耐剥離性)に基づいて密着性(耐久性)を評価した。密着性の評価基準は、以下のとおりである。
B:画像剥がれがなくテープにわずかにインク付着がある
C:画像剥がれ・テープへのインク付着が認められる
D:画像が全部剥がれる
記録物を20℃〜25℃/40%RH〜60%RH環境の実験室にて5時間放置した後、記録物の記録面(画像の形成部分)を学振型摩擦堅牢度試験機AB−301(商品名、テスター産業株式会社製)を用いて、荷重200g下・綿布にて20回擦ったときの記録面のインク剥がれ状態や綿布へのインク移り状態を確認することにより、耐擦性(耐久性)を評価した。耐擦性の評価基準は、以下のとおりである。
B:画像の擦り跡・布へのインク付着がわずかにある
C:画像の擦り跡・布へのインク付着が認められる
D:画像が剥がれて布へのインク付着が著しい
以上の評価結果を表2〜表6に示す。
表2〜表5の実施例の評価結果の通り、全ての実施例に係る記録物は、いずれも、滲み、及び、ひび割れの評価において、優れていた。このことは、「r2/r1」の値が2以下であり、第1インク組成物及び第2インク組成物の組成のバランスが良好であることと、第1乾燥工程及び/又は第2乾燥工程(第1乾燥工程その2)の終了時点での記録媒体上の水を、80質量%以上蒸発させたこと、の両者に起因していると考えられる。
実施例10では、「r2/r1」の値が0.6と小さいが、ひび割れ評価が若干劣るものの、高画質な記録物が得られることが分かった。
また、実施例38では、ひび割れ評価が若干劣るものの、高画質な記録物が得られるが、これは、第1インク組成物の水溶性有機溶剤(とともに固形分)の含有量が増加しているが、第1インク層上の第2インク層との「r2/r1」の値が0.5以上2以下の範囲であるためひび割れが良好であったものと考えられる。
また、実施例1〜3を比較すると、第1乾燥工程における第1インクの水分蒸発率が比較的低い場合、耐ひび割れ性がやや低下することがわかったが、一方で、第1乾燥工程における記録媒体の表面温度を低くすることができることがわかった。また、実施例1、2、3の順で、第一インク層形成工程に用いた記録ヘッドの吐出安定性に優れていることがわかった。吐出安定性は、記録物作成試験を60分間連続して行った後に第1インク層形成工程に用いた記録ヘッドの飛行曲りや不吐出ノズルの不良ノズルの発生の確認の試験を行い不良ノズル発生率から判断した。このことから、記録媒体表面温度を比較的低くする場合、第1乾燥工程で記録媒体へ与える熱が少なく、第1乾燥工程で発生する熱をノズルへ及ぼすことにより吐出不良を発生させるという弊害が少なく好ましいことがわかった。また、第1乾燥工程に要する時間も短縮できる傾向があることがわかった。このことから、第1乾燥工程における第1インクの水分蒸発率が比較的低い場合であっても、耐ひび割れ性が優れた記録が行える点で本実施例の記録方法が優れていることがわかった。
また、第3インク層を有する記録物とすることで、耐擦性試験結果が、第3インク層を有さない記録物に比較して、総じてさらに良好となっていた。
Claims (20)
- 記録媒体に、水と、水溶性有機溶剤と、色材を少なくとも含む固形分と、を含む第1インク組成物を、インクジェット法で吐出して第1インク層を形成する工程と、
前記第1インク層における前記第1インク組成物に含有していた水の80質量%以上を蒸発させる第1乾燥工程と、
前記第1乾燥工程を経た前記第1インク層に、水と、水溶性有機溶剤と、色材を少なくとも含む固形分と、を含む第2インク組成物をインクジェット法で吐出して第2インク層を形成する工程と、
前記第2インク層を形成する工程を経た記録媒体に、前記記録媒体の揮発成分を蒸発させる第2乾燥工程と、
を備え、
前記第1乾燥工程は、加熱により行われ、
前記第1乾燥工程において、前記第1インクに含有していた水溶性有機溶剤が、少なくとも一部は蒸発せず残っており、
前記第1インク組成物の「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」を「r1」とし、前記第2インク組成物の「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」を「r2」とした場合、「r2/r1」の値が2以下であり、
前記第1インク組成物と前記第2インク組成物は、それぞれ前記水溶性有機溶剤の含有量が、組成物の総質量に対し25質量%以上である、インクジェット記録方法。 - 請求項1において、
前記記録媒体は、インク低吸収性又はインク非吸収性の記録媒体である、インクジェット記録方法。 - 請求項1又は請求項2において、
前記第1インク組成物は、色材として金属化合物粒子及び金属粒子の少なくとも一方を含む、背景画像用インク組成物であり、
前記第2インク組成物は、非白色の色材を含む着色インク組成物である、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
前記第1乾燥工程は、前記記録媒体の表面温度が25℃以上50℃以下で行われる、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
前記第1インク組成物は、前記固形分として樹脂粒子を含む、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
前記第2インク組成物は、前記固形分として樹脂粒子を含む、インクジェット記録方法。 - 請求項5又は請求項6において、
前記樹脂粒子は、ウレタン系樹脂粒子、エステル系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子の少なくとも一種である、インクジェット記録方法。 - 請求項5ないし請求項7のいずれか一項において、
前記第1インク組成物が、ウレタン系樹脂粒子及びエステル系樹脂粒子の少なくとも一種を含み、
前記第2インク組成物が、エステル系樹脂粒子及びアクリル系樹脂粒子の少なくとも一種を含む、インクジェット記録方法。 - 請求項7又は請求項8において、
前記エステル系樹脂粒子は、
ポリエステル樹脂からなる主鎖セグメント(A1)及び付加重合系樹脂からなる側鎖セグメント(A2)からなるグラフトポリマーであるポリエステル樹脂を含む、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか一項において、
前記「r2/r1」が、0.5以上2以下である、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項10のいずれか一項において、
前記第1乾燥工程は、前記第1インク層における前記第1インク組成物に含有していた水溶性有機溶剤の蒸発量が20質量%以下で行われる、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項11のいずれか一項において、
前記第1乾燥工程は、熱伝導、輻射線照射及び送風の少なくとも一種により行われる、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項12のいずれか一項において、
前記第2乾燥工程は、前記記録媒体の表面温度が、70℃以上で行われる、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項12のいずれか一項において、
前記第2乾燥工程を行った後、前記第2インク層に、樹脂粒子と、水溶性有機溶剤と、水と、を含むクリアインク組成物をインクジェット法で吐出して第3インク層を形成する工程を有する、インクジェット記録方法。 - 請求項14において、
前記クリアインク組成物の「水溶性有機溶剤含有量/固形分含有量」を「r3」とした場合、「r3/r1」の値が2以下である、インクジェット記録方法。 - 請求項14又は請求項15において、
前記第2乾燥工程で前記第1インク組成物と前記第2インク組成物とに含有していた合計の水の80質量%以上を蒸発させた後に、前記第3インク層を形成する工程を行う、インクジェット記録方法。 - 請求項14ないし請求項16のいずれか一項において、
前記第3インク層を形成する工程の後に、前記記録媒体上の揮発成分を蒸発させる第3乾燥工程を行う、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項17のいずれか一項において、
前記第1インク組成物及び前記第2インク組成物が、樹脂粒子を1質量%以上15質量%以下、水溶性有機溶剤を3質量%以上40質量%以下、色材を0.5質量%以上15質量%以下含む、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項18のいずれか一項において、
前記水溶性有機溶剤は、沸点が250℃以下である水溶性有機溶剤を含む、インクジェット記録方法。 - 請求項1ないし請求項19のいずれか一項において、
前記第1インク組成物と前記第2インク組成物は、それぞれ前記水溶性有機溶剤の含有量が、組成物の総質量に対し25〜50質量%である、インクジェット記録方法。
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