組換えタンパク質、例えば、モノクローナル抗体、例えば、エクリズマブ又はAlexion1210の製造の間、可溶性タンパク質凝集物が溶液中に形成されることが公知である。典型的な組換えタンパク質生産プロセスの細胞培養フェーズは、細胞から液体培養培地への組換えタンパク質の分泌を含むことが多く、これは細胞、液体培養培地成分、細胞のための栄養、宿主-細胞タンパク質(プロテアーゼを含む)、溶存酸素、及び他の化合物を含む。細胞培養(液体培養培地を含む)は、典型的にはほぼ中性pHで30℃超の温度で数日間維持される。十分な量の組換えタンパク質が発現されたら、液体培養培地は典型的には清澄化され、収穫され、組換えタンパク質は1つ又は複数の単位操作(例えば、複数のクロマトグラフィー工程)によって精製される。例えば、組換えタンパク質の精製は、ウイルス不活性化を達成するために、酸性pHで組換えタンパク質を含む溶液をインキュベートすることを含んでいてもよい。精製方法は、陽イオン交換クロマトグラフィーなどの高い伝導度条件下で実施される工程及び/又は陰イオン交換クロマトグラフィーなどの高いpHで実施される工程を含んでいてもよい。方法は、限外ろ過/ダイアフィルトレーションの工程を含んでいてもよい。精製方法を通して、組換えタンパク質を含む溶液は、ポンプ注入され、撹拌され、ろ過され、ステンレス・スチール、ガラス、及びプラスチックを含む種々の物質に曝露される。これらのpH、イオン強度、温度、濃度、剪断力の条件、及び他の処理する条件への曝露は、組換えタンパク質凝集物の形成をもたらしうる。組換えタンパク質を精製するための方法は、1つ又は複数のフィルターを用いることを含んでいてもよい。これらのフィルターは組換えタンパク質凝集物(例えば、可溶性組換えタンパク質凝集物を含みうる可溶性タンパク質凝集物)で詰まるようになり得、その結果、フィルターの処理量が低下する可能性があり、及び/又はフィルターが詰まった状態になる可能性がある。加えて、タンパク質凝集物(例えば、可溶性組換えタンパク質凝集物)の存在は、精製された組換えタンパク質の収率を減少させる可能性があり、及び/又は得られた精製された組換えタンパク質産物の安全性を、(例えば、産物の免疫原性を増加させる特徴の変化を引き起こすことによって)減少させる可能性がある。
本明細書に提供される方法は、1つ又は複数の以下の利益を(任意の組合せにおいて)を提供する:組換えタンパク質を精製する方法若しくは組換えタンパク質産物を製造する方法における又は同法を実施するため使用されるシステムにおける、可溶性タンパク質凝集物(例えば、可溶性組換えタンパク質凝集物を含む可溶性タンパク質凝集物)のレベルにおける低下、組換えタンパク質を精製する方法若しくは組換えタンパク質産物を製造する方法において使用される1つ又は複数のフィルター(例えば、ウイルスフィルター)の処理量の増加、精製された組換えタンパク質又は組換えタンパク質産物の安全性プロファイルの改善、組換えタンパク質を精製するため又は組換えタンパク質産物を製造するため必要とされる単位操作の総数における低下、組換えタンパク質を精製する方法又は組換えタンパク質産物を製造する方法のコストの減少、精製された組換えタンパク質又は組換えタンパク質産物(例えば、培養培地から出発する場合)を得るための時間がより短期間であること、対象(例えば、ヒト対象)への投与後の精製された組換えタンパク質又は組換えタンパク質産物における免疫原性の減少したレベル(組換えタンパク質を捕獲する工程の後の組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程を含まない方法によって精製された又は製造された組換えタンパク質との比較)、組換えタンパク質を精製する方法及び組換えタンパク質産物を製造する方法における又は同法を実施するため使用されるシステムにおけるフィルターの目詰まり又は汚染のリスクの低下、並びに精製された組換えタンパク質における宿主細胞タンパク質の低下したレベル(組換えタンパク質を捕獲する工程の後(及び場合によって、1つ又は複数の更なる単位操作の更に後)の組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程を含まない方法又は同法を実施するため使用されるシステムとの比較)。
組換えタンパク質を精製する方法及び組換えタンパク質産物を製造する方法が、本明細書に提供される。方法は、例えば、(a)組換えタンパク質を含む溶液、例えば、清澄化された液体培養培地又は緩衝化された組換えタンパク質を含む溶液から組換えタンパク質を捕獲する工程;(b)捕獲することの後に、溶液に1つ又は複数の単位操作を実施する工程;及び工程(a)及び(b)の後に、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流して、精製された組換えタンパク質を含み、可溶性タンパク質凝集物を実質的に含まないろ過物を提供する工程;及び場合によって、更に(d)精製された組換えタンパク質に1つ又は複数の単位操作を実施する工程を含んでいてもよい。いくつかの実施形態は、例えば、捕獲する工程の前に、少なくとも1つの(例えば、2、3、又は4つの)単位操作を更に含む(例えば、培養培地を清澄化すること、溶液中の組換えタンパク質を濃縮するための限外ろ過/ダイアフィルトレーション、ウイルス不活性化、及び組換えタンパク質を含む溶液のpHとイオン濃度の一方又は両方を調整することの群から選択される)。いくつかの実施形態において、工程(b)は、例えば、溶液中の組換えタンパク質を濃縮するための限外ろ過/ダイアフィルトレーション、組換えタンパク質産物を精製すること、組換えタンパク質を最終精製すること、ウイルスを不活性化すること、ろ過によってウイルスを除去すること、及び組換えタンパク質を含む溶液のpHとイオン濃度の一方又は両方を調整することの群から選択される、溶液に1つ又は複数の(例えば、2、3、又は4つの)単位操作を実施することを含む。いくつかの実施形態において、工程(b)は、ウイルス不活性化を実施すること並びに組換えタンパク質を含む溶液のpHとイオン濃度の一方又は両方を調整することを含む。いくつかの実施形態は、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の後に、1つ又は複数の(2、3、又は4つの)単位操作を実施することを更に含む(例えば、組換えタンパク質を精製すること、組換えタンパク質を最終精製すること、ウイルスを不活性化すること、ろ過によってウイルスを除去すること、精製された組換えタンパク質を含む溶液のpHとイオン濃度の一方又は両方を調整すること、又は流体を更なるデプスフィルターを通過させることの群から選択される1つ又
は複数の単位操作)。いくつかの実施形態において、工程(d)は、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程(工程(c))の直後に、ウイルスろ過を実施することを含む。いくつかの実施形態において、工程(d)は、組換えタンパク質を精製する単位操作を実施すること及びウイルスろ過を実施することを含む。いくつかの実施形態において、工程(d)は、組換えタンパク質を最終精製する単位操作を実施すること及びウイルスろ過を実施することを含む。いくつかの実施形態において、工程(d)は、(例えば、陽イオン交換クロマトグラフィーを通して)組換えタンパク質を精製する単位操作を実施すること、(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィーを通して)組換えタンパク質を最終精製すること、及びウイルスろ過を実施することを含む。いくつかの実施形態において、工程(d)は、限外ろ過/ダイアフィルトレーションの単位操作を実施すること、(例えば、陽イオン交換クロマトグラフィーを通して)組換えタンパク質を精製すること、(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィーを通して)組換えタンパク質を最終精製すること、及びウイルスろ過を実施することを含む。
本明細書に提供される方法は、可溶性タンパク質凝集物の少なくとも又は約95%、96%、97%、98%、98.2%、98.4%、98.6%、98.8%、99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、若しくは99.9%を含まない或いは検出可能な可溶性タンパク質凝集物を含まない、精製された組換えタンパク質をもたらしうる。本明細書に提供される方法は、精製された組換えタンパク質に存在する宿主細胞タンパク質において、低下、例えば、最高5%低下、最高10%低下、最高15%低下、最高20%低下、最高25%低下、最高30%低下、最高35%低下、最高40%低下、最高45%低下、最高50%低下、最高55%低下、最高60%低下、最高65%低下、最高70%低下、最高75%低下、最高80%低下、最高85%低下、最高90%低下、最高95%低下、又は最高99%低下も提供することができる(組換えタンパク質を捕獲する工程の後(及び場合によって、1つ又は複数の更なる単位操作の更に後)の組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程を含まない方法によって生産した精製された組換えタンパク質との比較)。宿主細胞タンパク質のレベルを決定するための方法は、当技術分野において周知である。例えば、宿主細胞タンパク質のレベルを決定するためのキットは、Cygnus Technologies社 (Southport、NC)、ArrayBridge社 (St.Louis、MO)、Cisbio社 (Bedford、MA)、及びLonza社(Basel、スイス)から市販されている。
本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態において、工程(c)において生産されたろ過物は、デプスフィルターを通して流される組換えタンパク質における宿主細胞タンパク質のレベル(例えば、ろ過物を生成する工程(c)におけるデプスフィルターに流される又は供給される組換えタンパク質中の宿主細胞タンパク質のレベル)と比較して、低下したレベルの宿主細胞タンパク質(例えば、最高5%低下、最高10%低下、最高15%低下、最高20%低下、最高25%低下、最高30%低下、最高35%低下、最高40%低下、最高45%低下、最高50%低下、最高55%低下、最高60%低下、最高65%低下、最高70%低下、最高75%低下、最高80%低下、最高85%低下、最高90%低下、最高95%低下、又は最高99%低下)を含んでいてもよい。
本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態において、工程(c)において生産されたろ過物は、(例えば、デプスフィルターを通して流される組換えタンパク質における、可溶性タンパク質凝集物のレベル及び宿主細胞タンパク質のレベル、例えば、ろ過物を生成する工程cにおけるデプスフィルターに流される又は供給される組換えタンパク質中の、可溶性タンパク質凝集物のレベル及び宿主細胞タンパク質のレベルと比較して)、可溶性タンパク質凝集物のレベル及び宿主細胞タンパク質のレベルの双方において、低下したレベル(例えば、最高5%低下、最高10%低下、最高15%低下、最高20%低下、最高30%低下、最高35%低下、最高40%低下、最高45%低下、最高50%低下、最高55%低下、最高60%低下、最高60%低下、最高70%低下、最高75%低下、最高80%低下、最高85%低下、最高90%低下、最高95%低下、又は最高99%低下)を含んでいてもよい。
本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態において、組換えタンパク質はデプスフィルターを通して流され、タンパク質凝集物のレベル及び宿主細胞タンパク質のレベルの一方又は両方は少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%低下する(例えば、デプスフィルターを通して流される組換えタンパク質における、可溶性タンパク質凝集物のレベル及び/又は宿主細胞タンパク質のレベル、例えば、ろ過物を生成する工程cにおけるデプスフィルターに流される又は供給される組換えタンパク質中の、可溶性タンパク質凝集物のレベル及び宿主細胞タンパク質のレベルとの比較)。
本明細書に提供される方法はまた、組換えタンパク質を捕獲する工程の後(及び場合によって、1つ又は複数の単位操作を実施することの後においても)のデプスフィルターを通して組換えタンパク質を流す工程を含まない方法によって精製された組換えタンパク質と比較して、対象(例えば、ヒト対象)に投与する場合に、免疫原性の減少したレベルを有する精製された組換えタンパク質をもたらしうる。
本明細書に提供される方法は、組換えタンパク質を精製する方法及び組換えタンパク質産物を製造する方法における又は同法を実施するため使用されるシステムにおけるフィルター目詰まり又は汚染のリスクの低下を更に提供しうる(組換えタンパク質を捕獲する工程の後(及び場合によって、1つ又は複数の単位操作を実施することの後においても)の組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程を含まない方法又は同法を実施するため使用されるシステムとの比較)。
組換えタンパク質
本明細書に提供される方法によって生産されうる組換えタンパク質の非限定的な例は、免疫グロブリン(軽鎖及び重鎖免疫グロブリンを含む)、抗体(例えば、エクリズマブ又はAlexion1210を含む)、又は抗体断片(例えば、本明細書に記載される任意の抗体断片)、酵素、タンパク質(例えば、ヒトエリスロポエチン、腫瘍壊死因子(TNF)、又はインターフェロンアルファ又はベータ)、或いは免疫原性若しくは抗原性のタンパク質又はタンパク質断片(例えば、ワクチンに使用するためのタンパク質)を含む。組換えタンパク質は、少なくとも1つの多機能性の組換えタンパク質スカフォールド(例えば、米国特許出願公開第2012/0164066号に記載されている組換え抗原結合性タンパク質)を含む操作された抗原結合性のポリペプチドであってもよい。抗体である組換えタンパク質の非限定的な例には、エクリズマブ、Alexion1210、パニツムマブ(panitumumab)、オマリズマブ、アバゴボマブ(abagovomab)、アブシキマブ(abciximab)、アクトクスマブ(actoxumab)、アダリムマブ、アデカツムマブ(adecatumumab)、アフェリモマブ、アフツズマブ(afutuzumab)、アラシズマブ(alacizumab)、アラシズマブ(alacizumab)、アレムツズマブ、アリロクマブ(alirocumab)、アルツモマブ(altumomab)、アマツキシマブ(amatuximab)、アマツキシマブ(amatuximab)、アナツモマブ(anatumomab)、アンルキンズマブ(anrukinzumab)、アポリズマブ(apolizumab)、アルシツモマブ(arcitumomab)、アチヌマブ(atinumab)、トシリズマブ(tocilizumab)、バシリジマブ(basilizimab)、ベクツモマブ(bectumomab)、ベリムマブ、ベバシズマブ、ベシレソマブ(besilesomab)、ベズロトクスマブ、ビシロマブ(biciromab)、カナキヌマブ、セルトリズマブ、セツキシマブ(cetuximab)、シクスツムマブ(cixutumumab)、ダクリズマブ、デノスマブ、デンスマブ(densumab)、エドレコロマブ(edrecolomab)、エファリズマブ、エフングマブ(efungumab)、エプラツズマブ、エルツマキソマブ(ertumaxomab)、エタラシズマブ(etaracizumab)、フィギツムマブ(figitumumab)、ゴリムマブ、イブリツモマブ チウキセタン、イゴボマブ(igovomab)、イムガツズマブ(imgatuzumab)、インフリキシマブ、イノリモマブ(inolimomab)、イノツズマブ(inotuzumab)、ラベツズマブ(labetuzumab)、レブリキズマブ、モキセツモマブ(moxetumomab)、ナタリズマブ、オビヌツズマブ、オレゴボマブ(oregovomab)、パリビズマブ、パニツムマブ(panitumumab)、ペルツズマブ(pertuzumab)、ラニビズマブ、リツキシマブ、トシリズマブ(tocilizumab)、トシツモマブ(tositumomab)、トラロキヌマブ、ツコツズマブ(tucotuzumab)、トラスツズマブ、ベルツズマブ(veltuzumab)、ザルツムマブ(zalutumumab)、及びザツキシマブ(zatuximab)が含まれる。本明細書に記載される方法によって生産されうる組換え抗体の更なる例は、当技術分野において公知である。
本方法によって生産されうる組換えタンパク質の例には、アルグルコシダーゼアルファ、ラロニダーゼ、アバタセプト、ガルスルファーゼ、ルトロピンアルファ、抗血友病因子、アガルシダーゼベータ、インターフェロンベータ-1a、ダルベポエチンアルファ、テネクテプラーゼ(tenecteplase)、エタネルセプト、凝固因子IX、卵胞刺激ホルモン、インターフェロンベータ-1a、イミグルセラーゼ(imiglucerase)、ドルナーゼアルファ、エポエチンアルファ、インスリン又はインスリンアナログ、メカセルミン、VIII因子、VIIa因子、抗トロンビンIII、プロテインC、ヒトアルブミン、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、インターロイキン-11、ラロニダーゼ、イデュルスファーゼ(idursuphase)、ガルスルファーゼ(galsulphase)、α-1-プロテイナーゼインヒビター、ラクターゼ、アデノシンデアミナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベーター、甲状腺刺激ホルモンアルファ、及びアルテプラーゼが含まれる。更なる例には、酸性αグルコシダーゼ、アルグルコシダーゼアルファ、α-L-イズロニダーゼ、イズロネートスルファターゼ、ヘパランN-スルファターゼ、ガラクトース-6-スルファターゼ、酸性βガラクトシダーゼ、βグルコロニダーゼ(glucoronidase)、Nアセチルグルコサミン-1-ホスホトランスフェラーゼ、α-N-アセチルガラクトサミニダーゼ、酸性リパーゼ、リソソーム酸性セラミダーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、βグルコシダーゼ、ガラクトシルセラミダーゼ、αガラクトシダーゼ-A、酸性β-ガラクトシダーゼ、βガラクトシダーゼ、ノイラミニダーゼ、ヘキソサミニダーゼA、及びヘキソサミニダーゼBが含まれる。本明細書に記載される方法によって生産されうる組換えタンパク質の更なる例は、当技術分野において公知である。
本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態において、抗体は、ヒト補体タンパク質C5に結合するヒト抗体又はヒト化抗体である。例えば、組換えタンパク質は、配列番号1を含む、配列番号1から本質的になる、又は配列番号1からなる重鎖及び配列番号2を含む、配列番号2から本質的になる、又は配列番号2からなる軽鎖からなるエクリズマブであってもよい。エクリズマブの重鎖及び軽鎖をコードする核酸は、当技術分野において公知である(例えば、米国特許第6,355,245号中の核酸配列及びAnら、mAbs 1:6、572-579、2009中のFc領域配列を参照されたい)。他の実施例において、組換えタンパク質は、配列番号3を含む、配列番号3から本質的になる、又は配列番号3からなる重鎖及び配列番号4を含む、配列番号4から本質的になる、又は配列番号4からなる軽鎖からなるAlexion1210であってもよい。Alexion1210の重鎖及び軽鎖をコードする核酸は、当技術分野において公知である(例えば、米国特許出願第61/949,932号中の核酸配列を参照されたい)。
細胞及び細胞培養
組換えタンパク質をコードする核酸を含む細胞を使用して、組換えタンパク質(例えば、分泌組換えタンパク質)を生産することができる。いくつかの実施例において、組換えタンパク質をコードする核酸は、細胞のゲノムに安定に組み込まれる。組換えタンパク質を生産するため使用される細胞は、細菌(例えば、グラム陰性菌)、酵母(例えば、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、ピキアパストリス(Pichia pastoris)、ハンゼヌラポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クリベロマイセスラクティス(Kluyveromyces lactis)、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、ヤロウイアリポリティカ(Yarrowia lipolytica)、又はアークスラアデニニボランス(Arxula adeninivorans))、又は哺乳動物細胞であってもよい。
組換えタンパク質を生産するため使用される哺乳動物細胞は、懸濁液中で成長する細胞又は接着細胞であってもよい。組換えタンパク質(例えば、本明細書に記載される任意の組換えタンパク質、例えば、エクリズマブ)を生産するため培養することができる哺乳動物細胞の非限定的な例には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えば、CHO DG44細胞又はCHO-K1s細胞)、Sp2.0、ミエローマ細胞(例えば、NS/0細胞)、B細胞、ハイブリドーマ細胞、T細胞、ヒト胚性腎臓(HEK)細胞(例えば、HEK293E及びHEK293F)、アフリカミドリサル腎臓上皮細胞(Vero)細胞、及びMadin-Darbyイヌ(Cocker Spaniel)腎臓上皮細胞(MDCK)細胞が含まれる。接着細胞が使用されて組換えタンパク質が生産されるいくつかの実施例において、細胞は、複数のマイクロ担体(例えば、1つ又は複数の孔を含むマイクロ担体)の存在下で培養される。組換えタンパク質(例えば、分泌組換えタンパク質)を生産するため培養することができる更なる哺乳動物細胞は、当技術分野において公知である。いくつかの例において、哺乳動物細胞は、バイオリアクターにおいて培養される。いくつかの実施形態において、バイオリアクターに播種するため使用される哺乳動物細胞は、凍結した細胞貯蔵物又はシードトレイン培養に由来するものであった。
組換えタンパク質をコードする核酸は、分子生物学及び分子遺伝学において公知の多種多様な方法を用いて哺乳動物細胞に導入することができる。非限定的な例には、トランスフェクション(例えば、リポフェクション)、トランスダクション(例えば、レンチウイルス、アデノウイルス、又はレトロウイルス感染)、及びエレクトロポレーションが含まれる。いくつかの例において、核酸は、哺乳動物細胞の染色体に安定に組み込まれないが(一過性のトランスフェクション)、他の例において、核酸は、哺乳動物細胞の染色体に安定に組み込まれる。或いは又は加えて、核酸は、プラスミド中に及び/又は哺乳動物人工染色体(例えば、ヒト人工染色体)中に存在することができる。或いは又は加えて、核酸は、ウイルスベクター(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、又はアデノウイルスベクター)を用いて細胞に導入することができる。核酸は、プロモーター配列(例えば、強いプロモーター、例えば、β-アクチンプロモーター及びCMVプロモーター、又は誘導性プロモーター)に作動可能に連結することができる。核酸は、異種性のプロモーターに作動可能に連結することができる。核酸を含むベクターは、必要に応じて、選択可能なマーカー(例えば、哺乳動物細胞にハイグロマイシン、ピューロマイシン、又はネオマイシン抵抗性を与える遺伝子)も含むことができる。
本明細書に注記されるように、組換えタンパク質は、哺乳動物細胞によって細胞外の培地に放出される、分泌タンパク質であってもよい。例えば、可溶性組換えタンパク質をコードする核酸配列は、組換えタンパク質のN末端又はC末端で分泌シグナルペプチドをコードする配列を含んでいてもよく、これは哺乳動物細胞中に存在する酵素によって切断され、引き続いて、細胞外の培地(例えば、灌流細胞培養における第1の及び/又は第2の液体培養培地或いは流加培養における第1の液体培養培地及び/又は液体供給培養培地)に放出される。
本明細書に記載される任意の方法は、組換えタンパク質(例えば、分泌組換えタンパク質)を生産するため十分な条件下で組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を培養することを更に含んでいてもよい。
流加培養
本明細書に記載される方法における培養する工程は、流加培養を含んでいてもよい。当技術分野において公知のものとして、流加培養は、細胞培養から最初の液体培養培地を実質的に又は有意に除去することなく、最初の液体培養培地を含む、初期の細胞培養への供給培養培地の漸増的(周期的)又は連続的な添加を含む。流加培養での細胞培養は、バイオリアクター(例えば、生産バイオリアクター、例えば、10,000Lの生産バイオリアクター)に配置されてもよい。いくつかの例において、供給培養培地は、最初の液体培養培地と同じである。供給培養培地は、液体形態又は乾燥粉末のいずれであってもよい。いくつかの例において、供給培養培地は、最初の液体培養培地の濃縮された形態である及び/又は乾燥粉末として添加される。いくつかの実施形態において、第1の液体供給培養培地及び異なる第2の液体供給培養培地の双方が、第1の液体培養培地に添加される(例えば、連続的に添加される)。いくつかの例において、第1の液体供給培養培地の添加及び第2の液体供給培養培地の培養への添加は、およそ同じ時間に開始される。いくつかの例において、全培養期間にわたって培養に添加される第1の液体供給培養培地及び第2の液体供給培養培地の総容量は、およそ同じである。
供給培養培地が連続的に添加される場合、供給培養培地の添加速度は一定に維持してもよいし、又は培養期間にわたって増加(例えば、徐々に増加)させてもよい。供給培養培地の連続的な添加は、培養期間の間の特定の時点(例えば、哺乳動物細胞が、標的とする生存可能な細胞密度、例えば、約1×106細胞/mL、約1.1×106細胞/mL、約1.2×106細胞/mL、約1.3×106細胞/mL、約1.4×106細胞/mL、約1.5×106細胞/mL、約1.6×106細胞/mL、約1.7×106細胞/mL、約1.8×106細胞/mL、約1.9×106細胞/mL、又は約2.0×106細胞/mLの生存可能な細胞密度に達するとき)で開始することができる。いくつかの実施形態において、供給培養培地の連続的な添加は、培養期間の2日目、3日目、4日目、又は5日目に開始することができる。
いくつかの実施形態において、供給培養培地の漸増的(周期的)な添加は、哺乳動物細胞が、標的とする細胞密度(例えば、約1×106細胞/mL、約1.1×106細胞/mL、約1.2×106細胞/mL、約1.3×106細胞/mL、約1.4×106細胞/mL、約1.5×106細胞/mL、約1.6×106細胞/mL、約1.7×106細胞/mL、約1.8×106細胞/mL、約1.9×106、又は約2.0×106細胞/mL)に達するときに開始することができる。漸増的な供給培養培地添加は、規則的なインターバル(例えば、毎日、1日おき、又は2日おき)で生じさせてもよい又は細胞が特定の標的とする細胞密度(例えば、培養期間にわたって増加する標的とする細胞密度)に達するときに生じさせてもよい。いくつかの実施形態において、添加される供給培養培地の量は、供給培養培地の第1の漸増的な添加と供給培養培地の引き続く添加の間で進行性に増加することができる。培養期間において任意の24時間の期間にわたって初期の細胞培養に添加される液体培養供給培養培地の容量は、培養物を含有するバイオリアクターの初期の容量のいくつかの小部分又は初期の培養物の容量のいくつかの小部分であってもよい。
例えば、液体供給培養培地の添加は、培養期間の開始後、6時間と7日間の間、約6時間と約6日間の間、約6時間と約5日間の間、約6時間と約4日間の間、約6時間と約3日間の間、約6時間と約2日間の間、約6時間と約1日の間、約12時間と約7日間の間、約12時間と約6日間の間、約12時間と約5日間の間、約12時間と約4日間の間、約12時間と約3日間の間、約12時間と約2日間の間、約1日と約7日間の間、約1日と約6日間の間、約1日と約5日間の間、約1日と約4日間の間、約1日と約3日間の間、約1日と約2日間の間、約2日間と約7日間の間、約2日間と約6日間の間、約2日間と約5日間の間、約2日間と約4日間の間、約2日間と約3日間の間、約3日間と約7日間の間、約3日間と約6日間の間、約3日間と約5日間の間、約3日間と約4日間の間、約4日間と約7日間の間、約4日間と約6日間の間、約4日間と約5日間の間、約5日間と約7日間の間、又は約5日間と約6日間の間の時点で(連続的に又は周期的に)生じさせてもよい。
任意の24時間の期間にわたって初期の細胞培養に(連続的に又は周期的に)添加される液体供給培養培地の容量は、バイオリアクターの容量の0.01×と約0.3×の間であってもよい。他の実施形態において、培養期間の間の任意の24時間の期間にわたって初期の細胞培養に(連続的に又は周期的に)添加される液体供給培養培地の容量は、初期の細胞培養の容量の0.02×と約1.0×の間であってもよい。全培養期間にわたって(連続的に又は周期的に)添加される供給培養培地の総量は、初期培養の容量の約1%と約40%の間であってもよい。
いくつかの例において、2つの異なる供給培養培地は、流加培養の間に(連続的に又は漸増的に)添加される。添加される第1の供給培養培地及び第2の供給培養培地の量又は容量は、実質的に同じであってもよい又は異なってもよい。第1の供給培養培地は液体の形態であってもよく、第2の供給培養培地は固体の形態であってもよい、逆もまた同様である。第1の供給培養培地及び第2の供給培養培地は、液体供給培養培地であってもよい。
灌流培養
本明細書に記載される方法における培養する工程は、灌流培養であってもよい。当技術分野において公知のものとして、灌流培養は、バイオリアクター(例えば、生産バイオリアクター)から第1の容量の第1の液体培養培地を除去すること、及び生産バイオリアクターに第2の容量の第2の液体培養培地を添加することを含み、第1の容量及び第2の容量は典型的にはおよそ等しい(が、そうである必要はない)。哺乳動物細胞は、何らかの細胞保持装置又は細胞設置(cell settling)などの当技術分野において公知の技術によってバイオリアクター中に保持される。灌流培養における培養培地の除去及び添加は、同時に又は逐次的に、又は何らかの2つの組合せで実施することができる。さらに、除去及び添加は、時間増加に伴って(例えば、24時間の時間増加に伴って)、バイオリアクターの容量の0.1%から800%の間、1%と700%の間、1%と600%の間、1%と500%の間、1%と400%の間、1%と350%の間、1%と300%の間、1%と250%の間、1%と100%の間、100%と200%の間、5%と150%の間、10%と50%の間、15%と40%の間、8%と80%の間、又は4%と30%の間の量を除去及び交換する速度で連続的に実施することができる。
除去される第1の容量の第1の液体培養培地及び添加される第2の容量の第2の液体培養培地は、いくつかの例において、各24時間期間にわたっておよそ同じに維持することができる。当技術分野において公知のものとして、第1の容量の第1の液体培養培地が除去される速度(容量/時間の単位)及び第2の容量の第2の液体培養培地が添加される速度(容量/時間の単位)は、変更してもよいし、特定の細胞培養システムの条件に依存してもよい。第1の容量の第1の液体培養培地が除去される速度(容量/時間の単位)及び第2の容量の第2の液体培養培地が添加される速度(容量/時間の単位)は、およそ同じであってもよいし、又は異なってもよい。
或いは、除去される及び添加される容量は、各24時間期間にわたって徐々に増加することによって変化してもよい。例えば、各24時間期間内で、除去される第1の液体培養培地の容量及び添加される第2の液体培養培地の容量は、培養期間にわたって増加してもよい。容量は、24時間期間にわたってバイオリアクターの容量の0.5%から約20%の間の容量を増加してもよい。容量は、24時間期間にわたってバイオリアクターの容量又は第1の液体培養培地容量の約25%から約150%の間の容量に、培養期間にわたって増加してもよい。
本明細書に記載される方法のいくつかの例において、培養期間の第1の48時間から96時間の後、各24時間期間において、除去される第1の容量の第1の液体培養培地及び添加される第2の容量の第2の液体培養培地は、第1の液体培養培地の約10%から約95%、約10%から約20%、約20%から約30%、約30%から約40%、約40%から約50%、約50%から約60%、約60%から約70%、約70%から約80%、約80%から約90%、約85%から約95%、約60%から約80%、又は約70%の容量である。
当業者は、第1の液体培養培地及び第2の液体培養培地が、同じタイプの培地であってもよいことを認識する。他の例において、第1の液体培養培地及び第2の液体培養培地は、異なってもよい。第2の液体培養培地は、1つ又は複数の培地成分に関して、より濃縮されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の液体培養培地が加工されたBSAを含む、第2の液体培養培地が加工されたBSAを含む、又は第1及び第2の液体培養培地の双方が加工されたBSAを含む。
第1の容量の第1の液体培養培地は、自動化システムを用いるなどの任意の方法を用いて除去することができる。例えば、交代性のタンジェンシャルフローろ過が使用されてもよい。或いは、第1の容量の第1の液体培養培地は、第1の容量の第1の液体培養培地の哺乳動物細胞を排除する分子量カットオフを有する滅菌膜を通した浸透又は重力流によって除去することができる。或いは、第1の容量の第1の液体培養培地は、撹拌を停止させること又は少なくとも1分間、少なくとも2分間、3分間、4分間、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、40分間、50分間、若しくは1時間の期間で撹拌の割合を有意に減少させること、及び生産バイオリアクターの上部から第1の容量の第1の液体培養培地を除去すること若しくは吸引することによって除去することができる。
第2の容量の第2の液体培養培地は、ポンプによって第1の液体培養培地に添加することができる。第2の液体培養培地は、例えば、第2の容量の第2の液体培養培地を直接的に第1の液体培養培地にピペッティングすること又は注入することによって手動で又は自動化様式で第1の液体培地に添加することができる。
液体培養培地及び清澄化
組換えタンパク質を含む溶液(例えば、組換えタンパク質を含み、細胞を実質的に含まない液体培養培地)は、任意の供給源に由来するものでもよい。例えば、液体培養培地は、組換え細胞培養(例えば、組換え細菌、酵母、又は哺乳動物細胞培養)から得られてもよい。液体培養培地は、哺乳動物細胞流加培養(例えば、組換えタンパク質を分泌する哺乳動物細胞の培養物を含有する流加式バイオリアクター)又は灌流細胞哺乳動物細胞培養(例えば、組換えタンパク質を分泌する哺乳動物細胞の培養物を含有する灌流バイオリアクター)から得られてもよい。液体培養培地は、組換えタンパク質を分泌する細菌、酵母、又は哺乳動物細胞の培養からの清澄化された液体培養培地であってもよい。
組換え細胞培養から得られる液体培養培地が清澄化されて、細胞が実質的に無く、組換えタンパク質を含む、液体培養培地(清澄化された培養培地又は清澄化された液体培養培地とも呼ばれる)を得ることができる。細胞を除去するために、液体培養培地を清澄化する方法は、当技術分野において公知である(例えば、0.2μmろ過の使用及びAlternating Tangential Flow(ATF(商標))システム又はタンジェンシャルフローろ過(TFF)を用いるろ過による)。組換え細胞は、遠心分離を用いて、上清を除去すること又は細胞を重力で容器(例えば、バイオリアクター)の底に定着させること、及び細胞を実質的に含まない液体培養培地を除去することによって液体培養培地から除去することができる。液体培養培地は、本明細書に記載される任意の組換えタンパク質を生産する組換え細胞(例えば、組換え細菌、酵母、又は哺乳動物細胞)の培養から得ることができる。
組換えタンパク質を含む液体培養培地又は組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を培養するため使用される液体培養培地(例えば、灌流培養における第1の及び第2の液体培養培地又は流加培養における第1の液体培養培地及び液体供給培養培地)は、本明細書に記載される又は当技術分野において公知の任意のタイプの液体培養培地であってもよい。例えば、本明細書に記載される任意の液体培養培地は、動物由来成分を含まない液体培養培地、無血清の液体培養培地、血清含有液体培養培地、既知組成の液体培養培地、及び無タンパク質の液体培養培地の群から選択することができる。本明細書に記載される任意のプロセスにおいて、培養から得られる液体培養培地は、それが清澄化される前又は後に及び/又は組換えタンパク質が捕獲される前に、第2の流体(例えば、緩衝化された溶液)の添加によって希釈することができる。
組換えタンパク質を含み、細胞を実質的に含まない液体培養培地は、液体培養培地から組換えタンパク質を捕獲する前に、(例えば、約15℃未満、約10℃未満、約4℃未満、約0℃未満、約-20℃未満、約-50℃未満、約-70℃未満、又は約-80℃未満の温度で)少なくとも若しくは約1日間、少なくとも若しくは約2日間、少なくとも若しくは約5日間、少なくとも若しくは約10日間、少なくとも若しくは約15日間、少なくとも若しくは約20日間、又は少なくとも若しくは約30日間)保存することができる。或いは、いくつかの例において、組換えタンパク質は、清澄化工程の後のバイオリアクターからの直接の液体培養培地から捕獲される。
組換えタンパク質の捕獲
本明細書に提供される方法は、組換えタンパク質(例えば、分泌組換えタンパク質を含む清澄化された液体培養培地又は緩衝化された溶液で希釈されている組換えタンパク質を含む清澄化された液体培養培地)を含む溶液から組換えタンパク質を捕獲する工程を含む。
当技術分野において認識されうるように、捕獲する工程の実施を介して、組換えタンパク質は、部分的に精製又は単離(例えば、質量に関して、少なくとも若しくは約5%、例えば、少なくとも若しくは約10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は少なくとも若しくは約95%純粋)、濃縮することができる、及び組換えタンパク質(例えば、哺乳動物細胞に存在する又は哺乳動物細胞から分泌された、培養培地タンパク質又は1つ又は複数の他の成分(例えば、DNA、RNA、又は他のタンパク質))を含む清澄化された液体培養培地に存在する1つ又は複数の他の成分から安定化することができる。典型的には、捕獲することは、(例えば、親和性クロマトグラフィーの使用によって)組換えタンパク質に結合する樹脂を用いて実施される。組換えタンパク質を含む溶液(例えば、清澄化された液体培養培地)から組換えタンパク質を捕獲するための方法の非限定的な例は本明細書中に記載されており、他のものは当技術分野において公知である。本明細書に記載される方法において、組換えタンパク質は、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム(例えば、任意のクロマトグラフィーカラム及び/又は本明細書に記載される捕獲機構、例えば、親和性クロマトグラフィー樹脂、陰イオン交換クロマトグラフィー樹脂、陽イオン交換クロマトグラフィー樹脂、混合モードクロマトグラフィー樹脂、分子ふるいクロマトグラフィー樹脂、又は疎水的相互作用クロマトグラフィー樹脂)を用いて溶液から捕獲することができる。捕獲する工程は、プロテインA-結合捕獲機構、抗体-若しくは抗体断片-結合捕獲機構、基質結合捕獲機構、及びコファクター-結合捕獲機構を利用するクロマトグラフィー樹脂を用いて実施することができる。
例えば、組換えタンパク質が抗体又は抗体断片である場合、捕獲システムは、プロテインA-結合捕獲機構又は抗原結合捕獲機構(ここで、捕獲抗原は、組換え治療抗体又は抗体断片によって特異的に認識される)であってもよい。捕獲機構は、組換えタンパク質が酵素である場合、組換え酵素を捕獲する酵素、組換え酵素を捕獲する酵素の基質、組換え酵素を捕獲する酵素のコファクターに特異的に結合する抗体又は抗体断片を使用することができる或いは組換え酵素がタグを含む場合、組換え酵素に存在するタグに特異的に結合するタンパク質、金属キレート、又は抗体(若しくは抗体断片)を使用することができる。組換えタンパク質を捕獲するため使用することができる樹脂の非限定的な例は本明細書に記載され、更なる樹脂が当技術分野において公知である。プロテインA-結合捕獲機構を利用する樹脂の非限定的な例は、MABSELECT(商標)SURE(商標)樹脂及びプロテインAセファロース(商標)CL-4B(GE Healthcare社)である。
組換えタンパク質を捕獲するため使用することができるクロマトグラフィーカラムの例示的な非限定的なサイズ及び形状は、当技術分野において周知である。供給された(ローディングされた)液体培養培地は、例えば、約0.05mg/mLから約100mg/mLの間の組換えタンパク質、約0.1mg/mLから約90mg/mLの間、約0.1mg/mLから約80mg/mLの間、約0.1mg/mLから約70mg/mLの間、約0.1mg/mLから約60mg/mLの間、約0.1mg/mLから約50mg/mLの間、約0.1mg/mLから約40mg/mLの間、約0.1mg/mLから約30mg/mLの間、約0.1mg/mLから約20mg/mLの間、0.5mg/mLから約20mg/mLの間、約0.1mg/mLから約15mg/mLの間、約0.5mg/mLから約15mg/mLの間、約0.1mg/mLから約10mg/mLの間、又は約0.5mg/mLから約10mg/mLの間の組換えタンパク質を含む。
当技術分野において認識されうるように、クロマトグラフィーカラムを用いて組換えタンパク質を捕獲するため、クロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜をローディング、洗浄、溶出、及び再生する逐次的なクロマトグラフィー工程を実施しなければならない。
組換えタンパク質を捕獲する能力のある樹脂を含む少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムへの組換えタンパク質のローディング後、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜は少なくとも1つの洗浄緩衝剤で洗浄される。当技術分野において認識されうるように、少なくとも1つの(例えば、2、3、又は4つの)洗浄緩衝剤は、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムから組換えタンパク質ではない全てのタンパク質を溶出するが、組換えタンパク質と樹脂の相互作用を妨げないことを意図したものである。
洗浄後、組換えタンパク質は、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜を通して、溶出緩衝剤を通過させることによって少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜から溶出される。これらの方法に使用することができる溶出緩衝剤の非限定的な例は、捕獲機構及び/又は組換えタンパク質に依存する。例えば、溶出緩衝剤は、異なる濃度の塩(例えば、増加した塩濃度)、異なるpH(例えば、増加した又は減少した塩濃度)、又は捕獲の単位操作を実施する能力のある樹脂に対する結合に関して組換えタンパク質と競合する分子を含んでいてもよい。本明細書に記載される各々の例示的な捕獲機構に関するそのような溶出緩衝剤の例は、当技術分野において周知である。
組換えタンパク質を捕獲する能力のある樹脂を含む少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムからの組換えタンパク質の溶出後に及び少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムにローディングできる組換えタンパク質を含む溶液の次の容量の前に、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜は再生緩衝剤を用いて平衡化されなければならない。
深層ろ過
方法は、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流して、精製された組換えタンパク質を含み、可溶性タンパク質凝集物を実質的に含まないろ過物を提供する工程を含む。本明細書に記載される深層ろ過のための任意の例示的なデプスフィルター又は方法を使用して、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流すことができる。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、組換えタンパク質は、約4.0から約8.5の間、約4.0から約8.4の間、約4.0から約8.2の間、約4.0から約8.0の間、約4.0から約8.0の間、約4.0から約7.8の間、約4.0から約7.6の間、約4.0から約7.5の間、約4.0から約7.4の間、約4.0から約7.2の間、約4.0から約7.0の間、約4.0から約6.8の間、約4.0から約6.6の間、約4.0から約6.4の間、約4.0から約6.2の間、約4.0から約6.0の間、約4.0から約5.8の間、約4.0から約5.6の間、約4.0から約5.4の間、約4.0から約5.2の間、約4.0から約5.0の間、約4.0から約4.8の間、約4.0から約4.6の間、約4.0から約4.4の間、約4.0から約4.2の間、約4.2から約8.5の間、約4.2から約8.4の間、約4.2から約8.2の間、約4.2から約8.0の間、約4.2から約7.8の間、約4.2から約7.6の間、約4.2から約7.5の間、約4.2から約7.4の間、約4.2から約7.2の間、約4.2から約7.0の間、約4.2から約6.8の間、約4.2から約6.6の間、約4.2から約6.4の間、約4.2から約6.2の間、約4.2から約6.0の間、約4.2から約5.8の間、約4.2から約5.6の間、約4.2から約5.4の間、約4.2から約5.2の間、約4.2から約5.0の間、約4.2から約4.8の間、約4.2から約4.6の間、約4.2から約4.4の間、約4.4から約8.5の間、約4.4から約8.4の間、約4.4から約8.2の間、約4.4から約8.0の間、約4.4から約7.8の間、約4.4から約7.6の間、約4.4から約7.5の間、約4.4から約7.4の間、約4.4から約7.2の間、約4.4から約7.0の間、約4.4から約6.8の間、約4.4から約6.6の間、約4.4から約6.4の間、約4.4から約6.2の間、約4.4から約6.0の間、約4.4から約5.8の間、約4.4から約5.6の間、約4.4から約5.4の間、約4.4から約5.2の間、約4.4から約5.0の間、約4.4から約4.8の間、約4.4から約4.6の間、約4.6から約8.5の間、約4.6から約8.4の間、約4.6から約8.2の間、約4.6から約8.0の間、約4.6から約7.8の間、約4.6から約7.6の間、約4.6から約7.5の間、約4.6から約7.4の間、約4.6から約7.2の間、約4.6から約7.0の間、約4.6から約6.8の間、約4.6から約6.6の間、約4.6から約6.4の間、約4.6から約6.2の間、約4.6から約6.0の間、約4.6から約5.8の間、約4.6から約5.6の間、約4.6から約5.4の間、約4.6から約5.2の間、約4.6から約5.0の間、約4.6から約4.8の間、約4.8から約8.5の間、約4.8から約8.4の間、約4.8から約8.2の間、約4.8から約8.0の間、約4.8から約7.8の間、約4.8から約7.6の間、約4.8から約7.5の間、約4.8から約7.4の間、約4.8から約7.2の間、約4.8から約7.0の間、約4.8から約6.8の間、約4.8から約6.6の間、約4.8から約6.4の間、約4.8から約6.2の間、約4.8から約6.0の間、約4.8から約5.8の間、約4.8から約5.6の間、約4.8から約5.4の間、約4.8から約5.2の間、約4.8から約5.0の間、約5.0から約8.5の間、約5.0から約8.4の間、約5.0から約8.2の間、約5.0から約8.0の間、約5.0から約7.8の間、約5.0から約7.6の間、約5.0から約7.5の間、約5.0から約7.2の間、約5.0から約7.0の間、約5.0から約6.8の間、約5.0から約6.6の間、約5.0から約6.4の間、約5.0から約6.2の間、約5.0から約6.0の間、約5.0から約5.8の間、約5.0から約5.6の間、約5.0から約5.4の間、約5.0から約5.2の間、約5.2から約8.5の間、約5.2から約8.4の間、約5.2から約8.2の間、約5.2から約8.0の間、約5.2から約7.8の間、約5.2から約7.6の間、約5.2から約7.5の間、約5.2から約7.4の間、約5.2から約7.2の間、約5.2から約7.0の間、約5.2から約6.8の間、約5.2から約6.6の間、約5.2から約6.4の間、約5.2から約6.2の間、約5.2から約6.0の間、約5.2から約5.8の間、約5.2から約5.6の間、約5.2から約5.4の間、約5.4から約8.5の間、約5.4から約8.4の間、約5.4から約8.2の間、約5.4から約8.0の間、約5.4から約7.8の間、約5.4から約7.6の間、約5.4から約7.5の間、約5.4から約7.4の間、約5.4から約7.2の間、約5.4から約7.0の間、約5.4から約6.8の間、約5.4から約6.6の間、約5.4から約6.4の間、約5.4から約6.2の間、約5.4から約6.0の間、約5.4から約5.8の間、約5.4から約5.6の間、約5.6から約8.5の間、約5.6から約8.4の間、約5.6から約8.2の間、約5.6から約8.0の間、約5.6から約7.8の間、約5.6から約7.6の間、約5.6から約7.5の間、約5.6から約7.4の間、約5.6から約7.2の間、約5.6から約7.0の間、約5.6から約6.8の間、約5.6から約6.6の間、約5.6から約6.4の間、約5.6から約6.2の間、約5.6から約6.0の間、約5.6から約5.8の間、約5.8から約8.5の間、約5.8から約8.4の間、約5.8から約8.2の間、約5.8から約8.0の間、約5.8から約7.8の間、約5.8から約7.6の間、約5.8から約7.5の間、約5.8から約7.4の間、約5.8から約7.2の間、約5.8から約7.0の間、約5.8から約6.8の間、約5.8から約6.6の間、約5.8から約6.4の間、約5.8から約6.2の間、約5.8から約6.0の間、約6.0から約8.5の間、約6.0から約8.4の間、約6.0から約8.2の間、約6.0から約8.0の間、約6.0から約7.8の間、約6.0から約7.6の間、約6.0から約7.5の間、約6.0から約7.4の間、約6.0から約7.2の間、約6.0から約7.0の間、約6.0から約6.8の間、約6.0から約6.6の間、約6.0から約6.4の間、約6.0から約6.2の間、約6.2から約8.5の間、6.2から約8.4の間、6.2から約8.2の間、6.2から約8.0の間、6.2から約7.8の間、6.2から約7.6の間、約6.2から約7.5の間、約6.2から約7.4の間、約6.2から約7.2の間、約6.2から約7.0の間、約6.2から約6.8の間、約6.2から約6.6の間、約6.2から約6.4の間、6.4から約8.5の間、6.4から約8.4の間、6.4から約8.2の間、6.4から約8.0の間、6.4から約7.8の間、6.4から約7.6の間、約6.4から約7.5の間、約6.4から約7.4の間、約6.4から約7.2の間、約6.4から約7.0の間、約6.4から約6.8の間、約6.4から約6.6の間、6.6から約8.5の間、6.6から約8.4の間、6.6から約8.2の間、6.6から約8.0の間、6.6から約7.8の間、6.6から約7.6の間、約6.6から約7.5の間、約6.6から約7.4の間、約6.6から約7.2の間、約6.6から約7.0の間、約6.6から約6.8の間、6.8から約8.5の間、6.8から約8.4の間、6.8から約8.2の間、6.8から約8.0の間、6.8から約7.8の間、6.8から約7.6の間、約6.8から約7.5の間、約6.8から約7.4の間、約6.8から約7.2の間、約6.8から約7.0の間、約7.0から約8.5の間、約7.0から約8.4の間、約7.0から約8.2の間、約7.0から約8.0の間、約7.0から約7.8の間、約7.0から約7.6の間、約7.0から約7.5の間、約7.0から約7.4の間、約7.0から約7.2の間、約7.2から約8.5の間、約7.2から約8.4の間、約7.2から約8.2の間、約7.2から約8.0の間、約7.2から約7.8の間、約7.2から約7.6の間、約7.2から約7.5の間、約7.2から約7.4の間、7.4から約8.5の間、約7.4から約8.4の間、約7.4から約8.2の間、約7.4から約8.0の間、約7.4から約7.8の間、約7.4から約7.6の間、約7.6から約8.5の間、約7.6から約8.4の間、約7.6から約8.2の間、約7.6から約8.0の間、約7.6から約7.8の間、約7.8から約8.5の間、約7.8から約8.4の間、約7.8から約8.2の間、約7.8から約8.0の間、約8.0から約8.5の間、約8.0から約8.3の間、約8.0から約8.2の間、約8.2から約8.5の間、約8.2から約8.4の間、又は約8.3から約8.5の間のpHを有する溶液中でデプスフィルターを通して流される。
デプスフィルターを通して流される組換えタンパク質を含む溶液は、約0.01mg/mLと約25mg/mLの間(例えば、約0.01mg/mLと約22.5mg/mLの間、約0.01mg/mLと約20.0mg/mLの間、約0.01mg/mLと約17.5mg/mLの間、約0.01mg/mLと約15.0mg/mLの間、約0.01mg/mLと約12.5mg/mLの間、約0.01mg/mLと約10mg/mLの間、約0.01mg/mLと約8mg/mLの間、約0.01mg/mLと約6mg/mLの間、約0.01mg/mLと約5mg/mLの間、約0.01mg/mLと約4mg/mLの間、約0.01mg/mLと約3.5mg/mLの間、約0.01mg/mLと約3.0mg/mLの間、約0.01mg/mLと約2.5mg/mLの間、約0.01mg/mLと約2.0mg/mLの間、約0.01mg/mLと約1.5mg/mLの間、約0.01mg/mLと約1.0mg/mLの間、約0.01mg/mLと約0.5mg/mLの間、約0.01mg/mLと約0.25mg/mLの間、約0.01mg/mLと約0.1mg/mLの間、約0.1mg/mLと約12.5mg/mLの間、約0.1mg/mLと約10.0mg/mLの間、約0.1mg/mLと約8.0mg/mLの間、約0.1mg/mLと約6.0mg/mLの間、約0.1mg/mLと約5.0mg/mLの間、約0.1mg/mLと約4.0mg/mLの間、約0.1mg/mLと約3.5mg/mLの間、約0.1mg/mLと約3.0mg/mLの間、約0.1mg/mLと約2.5mg/mLの間、約0.1mg/mLと約2.0mg/mLの間、約0.1mg/mLと約1.5mg/mLの間、約0.1mg/mLと約1.0mg/mLの間、約0.1mg/mLと約0.5mg/mLの間、又は約0.1mg/mLと約0.25mg/mLの間)の組換えタンパク質の濃度を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態において、組換えタンパク質を含む溶液は、約25L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約390L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約200L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約180L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約160L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約140L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約120L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約100L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約80L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約60L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約40L/m2/時間の間、約25L/m2/時間から約35L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約200L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約180L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約160L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約140L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約120L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約100L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約80L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約60L/m2/時間の間、約40L/m2/時間から約50L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約200L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約180L/m2/時間の間、約70L/m2/時間から約150L/m2/時間の間、約70L/m2/時間から約180L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約160L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約140L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約120L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約100L/m2/時間の間、約60L/m2/時間から約80L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約200L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約180L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約160L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約140L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約120L/m2/時間の間、約80L/m2/時間から約100L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約200L/m2/時間の間、100L/m2/時間から約180L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約160L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約140L/m2/時間の間、約100L/m2/時間から約120L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約200L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約180L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約160L/m2/時間の間、約120L/m2/時間から約140L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約200L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約180L/m2/時間の間、約140L/m2/時間から約160L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約200L/m2/時間の間、約160L/m2/時間から約180L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約180L/m2/時間から約200L/m2/時間の間、約200L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約200L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約200L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約200L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約200L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約200L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約200L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約200L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約200L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約200L/m2/時間から約220L/m2/時間の間、約220L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約220L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約220L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約220L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約220L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約220L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約220L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約220L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約220L/m2/時間から約240L/m2/時間の間、約240L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約240L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約240L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約240L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約240L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約240L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約240L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約240L/m2/時間から約260L/m2/時間の間、約260L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約260L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約260L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約260L/
m2/時間から約340L/m2/時間の間、約260L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約260L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約260L/m2/時間から約280L/m2/時間の間、約280L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約280L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約280L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約280L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約280L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約280L/m2/時間から約300L/m2/時間の間、約300L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約300L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約300L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約300L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約300L/m2/時間から約320L/m2/時間の間、約320L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約320L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約320L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約320L/m2/時間から約340L/m2/時間の間、約340L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約340L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、約340L/m2/時間から約360L/m2/時間の間、約360L/m2/時間から約400L/m2/時間の間、約360L/m2/時間から約380L/m2/時間の間、又は約380L/m2/時間から約400L/m2/時間の間の流量でデプスフィルターを通して流されて、選択的に可溶性タンパク質凝集物、例えば、タンパク質二量体及びより高次のタンパク質オリゴマー(例えば、可溶性組換えタンパク質凝集物)が維持される。このろ過工程は、例えば、シリカ、1つ又は複数の層の繊維性の媒体、1つ又は複数の層の帯電した又は表面修飾した微孔性膜、又は小さいベッドのクロマトグラフィー媒体のろ過媒体を含むデプスフィルターを用いて実施される。本明細書に記載されるデプスフィルターは、約10cm2から約32000cm2の間、約10cm2から約31000cm2の間、約10cm2から約30000cm2の間、約10cm2から約29000cm2の間、約10cm2から約28000cm2の間、約10cm2から約27000cm2の間、約10cm2から約26000cm2の間、約10cm2から約25000cm2の間、約10cm2から約24000cm2の間、約10cm2から約23000cm2の間、約10cm2から約22000cm2の間、約10cm2から約21000cm2の間、約10cm2から約20000cm2の間、約10cm2から約19000cm2の間、約10cm2から約18000cm2の間、約10cm2から約17000cm2の間、約10cm2から約16000cm2の間、約10cm2から約15000cm2の間、約10cm2から約14000cm2の間、約10cm2から約13000cm2の間、約10cm2から約12000cm2の間、約10cm2から約11000cm2の間、約10cm2から約10000cm2の間、約10cm2から約9000cm2の間、約10cm2から約8000cm2の間、約10cm2から約7000cm2の間、約10cm2から約6000cm2の間、約10cm2から約5000cm2の間、約10cm2から約4000cm2の間、約10cm2から約3000cm2の間、約10cm2から約2000cm2の間、約10cm2から約1500cm2の間、約10cm2から約1020cm2の間、約10cm2から約1000cm2の間、約10cm2から約500cm2の間、約10cm2から約75cm2の間、約100cm2から約25000cm2の間、約100cm2から約24000cm2の間、約100cm2から約23000cm2の間、約100cm2から約22000cm2の間、約100cm2から約21000cm2の間、約100cm2から約20000cm2の間、約100cm2から約19000cm2の間、約100cm2から約18000cm2の間、約100cm2から約17000cm2の間、約100cm2から約16000cm2の間、約100cm2から約15000cm2の間、約100cm2から約14000cm2の間、約100cm2から約13000cm2の間、約100cm2から約12000cm2の間、約100cm2から約11000cm2の間、約100cm2から約10000cm2の間、約1000cm2から約9000cm2の間、約100cm2から約8000cm2の間、約100cm2から約7000cm2の間、約100cm2から約6000cm2の間、約100cm2から約5000cm2の間、約100cm2から約4000cm2の間、約100cm2から約3000cm2の間、約100cm2から約2000cm2の間、約100cm2から約1000cm2の間、約100cm2から約500cm2の間、約500cm2から約25000cm2の間、約500cm2から約24000cm2の間、約500cm2から約23000cm2の間、約500cm2から約22000cm2の間、約500cm2から約21000cm2の間、約500cm2から約20000cm2の間、約500cm2から約19000cm2の間、約500cm2から約18000cm2の間、約500cm2から約17000cm2の間、約500cm2から約16000cm2の間、約500cm2から約15000cm2の間、約500cm2から約14000cm2の間、約500cm2から約13000cm2の間、約500cm2から約12000cm2の間、約500cm2から約1
1000cm2の間、約500cm2から約10000cm2の間、約500cm2から約9000cm2の間、約500cm2から約8000cm2の間、約500cm2から約7000cm2の間、約500cm2から約6000cm2の間、約500cm2から約5000cm2の間、約500cm2から約4000cm2の間、約500cm2から約3000cm2の間、約500cm2から約2000cm2の間、約500cm2から約1000cm2の間、約1000cm2から約25000cm2の間、約1000cm2から約24000cm2の間、約1000cm2から約23000cm2の間、約1000cm2から約22000cm2の間、約1000cm2から約21000cm2の間、約1000cm2から約20000cm2の間、約1000cm2から約19000cm2の間、約1000cm2から約18000cm2の間、約1000cm2から約17000cm2の間、約1000cm2から約16000cm2の間、約1000cm2から約15000cm2の間、約1000cm2から約14000cm2の間、約1000cm2から約13000cm2の間、約1000cm2から約12000cm2の間、約1000cm2から約11000cm2の間、約1000cm2から約10000cm2の間、約1000cm2から約9000cm2の間、約1000cm2から約8000cm2の間、約1000cm2から約7000cm2の間、約1000cm2から約6000cm2の間、約1000cm2から約5000cm2の間、約1000cm2から約4000cm2の間、約1000cm2から約3000cm2の間、約1000cm2から約2000cm2の間、約5000cm2から約25000cm2の間、約5000cm2から約24000cm2の間、約5000cm2から約23000cm2の間、約5000cm2から約22000cm2の間、約5000cm2から約21000cm2の間、約5000cm2から約20000cm2の間、約5000cm2から約19000cm2の間、約5000cm2から約18000cm2の間、約5000cm2から約17000cm2の間、約5000cm2から約16000cm2の間、約5000cm2から約15000cm2の間、約5000cm2から約14000cm2の間、約5000
cm2から約13000cm2の間、約5000cm2から約12000cm2の間、約5000cm2から約11000cm2の間、約5000cm2から約10000cm2の間、約5000cm2から約9000cm2の間、約5000cm2から約8000cm2の間、約5000cm2から約7000cm2の間、約5000cm2から約6000cm2の間、約10000cm2から約25000cm2の間、約10000cm2から約24000cm2の間、約10000cm2から約23000cm2の間、約10000cm2から約2200cm2の間、約10000cm2から約21000cm2の間、約10000cm2から約20000cm2の間、約10000cm2から約19000cm2の間、約10000cm2から約18000cm2の間、約10000cm2から約17000cm2の間、約10000cm2から約16000cm2の間、約10000cm2から約15000cm2の間、約10000cm2から約14000cm2の間、約10000cm2から約13000cm2の間、約10000cm2から約12000cm2の間、約10000cm2から約11000cm2の間、約15000cm2から約25000cm2の間、約15000cm2から約24000cm2の間、約15000cm2から約23000cm2の間、約15000cm2から約22000cm2の間、約15000cm2から約21000cm2の間、約15000cm2から約20000cm2の間、約15000cm2から約19000cm2の間、約15000cm2から約18000cm2の間、約15000cm2から約17000cm2の間、約15000cm2から約16000cm2の間、約20000cm2から約25000cm2の間、約20000cm2から約24000cm2の間、約20000cm2から約23000cm2の間、約20000cm2から約22000cm2の間、約20000cm2から約21000cm2の間、又は約25cm2の膜表面面積を有してもよい。いくつかの例において、2つ以上のデプスフィルターは、精製プロセス中の1つ又は複数の工程でデプスフィルターを通して流される組換えタンパク質の量を増加させるためのマニフォールドに流体連通される。
組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程は、可溶性タンパク質凝集物の実質的に完全な除去をもたらしうる。例えば、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程は、精製された組換えタンパク質を含み、実質的に含まない(例えば、約若しくは少なくとも90%を含まない、約若しくは少なくとも90.5%を含まない、約若しくは少なくとも91.0%を含まない、約若しくは少なくとも91.5%を含まない、約若しくは少なくとも92.0%を含まない、約若しくは少なくとも92.5%を含まない、約若しくは少なくとも93.0%を含まない、約若しくは少なくとも93.5%を含まない、約若しくは少なくとも94.0%、約若しくは少なくとも94.5%を含まない、約若しくは少なくとも95.0%を含まない、約若しくは少なくとも95.5%を含まない、約若しくは少なくとも96.0%を含まない、約若しくは少なくとも96.5%を含まない、約若しくは少なくとも97.0%を含まない、約若しくは少なくとも97.5%を含まない、約若しくは少なくとも98.0%を含まない、約若しくは少なくとも98.5%を含まない、約若しくは少なくとも99.0%を含まない、約若しくは少なくとも99.5%を含まない、又は約若しくは少なくとも99.8%を含まない)ろ過物を提供することができる。いくつかの実施形態において、デプスフィルターは、精製された組換えタンパク質を含み、検出可能な可溶性タンパク質凝集物を含まないろ過物を提供する。
タンパク質凝集物のレベル又は量を決定するための方法は、当技術分野において公知である。例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、ネイティブ(非変性)ゲルクロマトグラフィー、分析用超遠心(AUC)、フィールドフロー分画(FFF)、及び動的光散乱(DLS)を使用して、デプスフィルターろ過物に存在する可溶性タンパク質凝集物の量を検出することができる。
方法の一実施形態において、ろ過の定圧モード又は操作の定常流モードが、使用される。タンパク質溶液は、加圧リザーバーによって保持することができ及びリザーバー中の圧力によってデプスフィルターを通してポンプ注入することができる。溶液は、デプスフィルターによって保持される凝集物とともにろ過の正常流モードに付され、凝集物を含まない溶液がろ過物として放出される。ろ過物は、1つ又は複数の単位操作などの下流の処理のために導管を通過することができる。この様式で操作することによって、可溶性タンパク質凝集物は、デプスフィルターによって保持される。或いは、リザーバーとデプスフィルターの間に位置するポンプを使用して、定圧にし、デプスフィルターを通した定常流を維持することができるであろう。タンパク質溶液は、デプスフィルターによって保持される凝集物とともにろ過の正常流モードに付され、凝集物を含まない溶液がデプスフィルターからのろ過物として放出される。ろ過物は更に下流の処理のために導管を通過させることができ、例えば、ろ過物は1つ又は複数の更なるデプスフィルター、ウイルスフィルターを通過させることができる、及び/又は1つ又は複数の単位操作は精製された組換えタンパク質において実施することができる。
凝集物を除去するため使用することができる非限定的なデプスフィルターは本明細書に記載され、使用することができる更なるデプスフィルターは当技術分野において公知である。代表的な適切なデプスフィルターは、シリカ、セルロース系繊維、合成繊維又はそのブレンドの形態の繊維性の媒体から形成されるもの、例えば、CUNO(登録商標)Zeta PLUS(登録商標)Delipidフィルター(3M社、St.Paul、MN)、CUNO(登録商標)Emphaze AEXフィルター(3M社、St.Paul、MN)、CUNO(登録商標)90ZA08Aフィルター(3M社、St.Paul、MN)、CUNO(登録商標)DELI08A Delipidフィルター(3M社、St.Paul、MN)、Millipore X0HCフィルター(EMD Millipore、Billerica、MA)、MILLISTAK(登録商標)パッド(EMD Millipore社、Billerica、MA)、全てEMD Millipore社、Billerica、MA.から市販されている帯電したDURAPORE(登録商標)膜、疎水性DURAPORE(登録商標)膜、疎水性AERVENT(登録商標)膜及びINTERCEPT(商標)Q4四級帯電膜などの、帯電した又は再生セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群から選択される物質から作製される界面化学(例えば、米国特許第5,629,084号及び米国特許第4,618,533号によって教示されるような、親水性又は疎水性、又は正若しくは負の帯電)を有する微孔性膜を含む。
1つ又は複数の単位操作
本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態は、捕獲の工程と組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の間に、組換えタンパク質を含む溶液に1つ又は複数の(例えば、2、3、4、又は5つの)単位操作を実施する工程、例えば、ろ過すること(例えば、溶液中の組換えタンパク質を濃縮するための限外ろ過/ダイアフィルトレーション)、組換えタンパク質を精製すること、組換えタンパク質を最終精製すること、ウイルス不活性化、ろ過によってウイルスを除去すること、及び組換えタンパク質を含む溶液のpHとイオン濃度の一方又は両方を調整することの群から選択される1つ又は複数の単位操作を含む。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態は、捕獲の工程と組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の間に、組換えタンパク質を含む溶液に1つ又は複数の(例えば、2、3、4、又は5つの)単位操作を実施する工程、例えば、溶液中の組換えタンパク質を濃縮するための限外ろ過/ダイアフィルトレーション、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、組換えタンパク質を最終精製すること、組換えタンパク質を含む溶液のウイルス不活性化、ウイルスろ過、pHの調整、イオン強度の調整、及びpHとイオン強度の両方の調整の群からの1つ又は複数の単位操作を含む。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態において、方法は、捕獲の工程と組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の間に、最終精製すること(例えば、疎水性相互作用クロマトグラフィーを実施することによって)及び溶液中の組換えタンパク質を濃縮するための限外ろ過/ダイアフィルトレーションの逐次的な単位操作を実施することを含む。
本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態は、捕獲する工程の前に、1つ又は複数の(例えば、2、3、4、又は5つの)単位操作、例えば、培養培地を清澄化すること、ろ過(例えば、溶液中の組換えタンパク質を濃縮するための限外ろ過/ダイアフィルトレーション)、ウイルス不活性化、ウイルスろ過、精製及び組換えタンパク質を含む溶液のpHとイオン濃度の一方又は両方を調整することの群から選択される1つ又は複数の単位操作を実施することを更に含む。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態は、捕獲する工程の前に、1つ又は複数の(例えば、2、3、4、又は5つの)単位操作、例えば、溶液中の組換えタンパク質を濃縮するための限外ろ過/ダイアフィルトレーション、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、組換えタンパク質を最終精製すること、組換えタンパク質を含む溶液のウイルス不活性化、ウイルスろ過、pHの調整、イオン強度の調整、及びpHとイオン強度の両方の調整の群から選択される1つ又は複数の単位操作を実施することを更に含む。いくつかの実施形態において、方法は、捕獲する工程の前に、培養培地の清澄化、組換えタンパク質を濃縮するための限外ろ過/ダイアフィルトレーション、及びウイルス不活性化の逐次的な工程を更に含む。
いくつかの実施形態は、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の後に、1つ又は複数の単位操作、例えば、組換えタンパク質を精製すること、組換えタンパク質を最終精製すること、ウイルスを不活性化すること、ろ過、ろ過によってウイルスを除去すること(ウイルスろ過)、精製された組換えタンパク質を含む溶液のpHとイオン濃度の一方又は両方を調整すること、又は流体を更なるデプスフィルターを通過させることの群から選択される1つ又は複数の単位操作を実施することを更に含む。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態において、ウイルスろ過の単位操作は、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の直後に行なわれる。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態は、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の後に、例えば、組換えタンパク質を精製すること及びウイルスろ過を実施することの単位操作を実施することを含む。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態は、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の後に、例えば、組換えタンパク質を最終精製すること及びウイルスろ過を実施することの単位操作を実施することを含む。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態は、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の後に、例えば、組換えタンパク質を精製すること(例えば、陽イオン交換クロマトグラフィーによって)、組換えタンパク質を最終精製すること(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィーによって)、及びウイルスろ過を実施することの単位操作を実施することを含む。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態は、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の後に、例えば、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、組換えタンパク質を精製すること(例えば、陽イオン交換クロマトグラフィーによって)、組換えタンパク質を最終精製すること(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィーによって)、及びウイルスろ過を実施することの単位操作を実施することを含む。
組換えタンパク質の精製及び最終精製
本明細書に記載される方法は、組換えタンパク質を精製する単位操作を実施するため使用することができる少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムを用いて組換えタンパク質を精製する工程を含んでいてもよい。本明細書に記載される方法は、組換えタンパク質を最終精製する単位操作を実施するため使用することができる少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜を用いて組換えタンパク質を最終精製する工程を含んでいてもよい。
組換えタンパク質を精製するための少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムは、捕獲機構(例えば、本明細書に記載される又は当技術分野において公知の任意の捕獲機構)を利用する樹脂又は陰イオン交換、陽イオン交換、又は分子ふるいクロマトグラフィーを実施するため使用することができる樹脂を含んでいてもよい。組換えタンパク質を最終精製するための少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜は、陰イオン交換、陽イオン交換、又は分子ふるいクロマトグラフィーを実施するため使用することができる樹脂(例えば、当技術分野において公知の陰イオン交換、陽イオン交換、又は分子ふるいクロマトグラフィーを実施するための任意の例示的な樹脂)を含んでいてもよい。
組換えタンパク質を精製するための少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムのサイズ、形状、及び容量及び/又は組換えタンパク質を最終精製するための少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜のサイズ及び形状は、本明細書に記載される又は当技術分野において公知の、クロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜の例示的なサイズ、形状、及び容量の任意の組合せであってもよい。組換えタンパク質を精製すること又は最終精製することは、例えば、組換えタンパク質を精製すること及び最終精製することの操作の単位を実施するために使用される少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜のローディング、洗浄、溶出、及び平衡化の工程を含んでいてもよい。典型的には、精製するため使用されるクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜から出てくる溶出緩衝剤は、組換えタンパク質を含む。典型的には、最終精製するため使用されるクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜から出てくるローディング及び/又は洗浄緩衝剤は、組換えタンパク質を含む。
例えば、組換えタンパク質を精製するためのクロマトグラフィーカラムのサイズは、例えば、約1.0mLから約650Lの間(例えば、約5.0mLと約600Lの間、約5.0mLと約550Lの間、約5.0mLと約500Lの間、約5.0mLと約450Lの間、約5.0mLと約400Lの間、約5.0mLと約350Lの間、約5.0mLと約300Lの間、約5.0mLと約250Lの間、約5.0mLと約200Lの間、約5.0mLと約150Lの間、約5.0mLと約100Lの間、約5.0mLと約50Lの間、約5.0mLと約10Lの間、約5.0mLと約1.0Lの間、約5.0mLから約900mLの間、約5.0mLから約800mLの間、約5.0mLから約700mLの間、約5.0mLから約600mLの間、約5.0mLから約500mLの間、約5.0mLから約400mLの間、約5.0mLから約300mLの間、約5.0mLから約200mLの間、約5.0mLから約180mLの間、約5.0mLから約160mLの間、約5.0mLから約140mLの間、約5.0mLから約120mLの間、約5.0mLから約100mLの間、約5.0mLから約80mLの間、約5.0mLから約60mLの間、約5.0mLから約40mLの間、約5.0mLから約30mLの間、又は約5.0mLから約25mLの間)の容量を有してもよい。
組換えタンパク質を精製するための少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムにローディングされるときの組換えタンパク質を含む流体の直線的な流量は、例えば、50cm/時間から約600cm/時間の間、約50cm/時間から約550cm/時間の間、約50cm/時間から約500cm/時間の間、約50cm/時間から約450cm/時間の間、約50cm/時間から約400cm/時間の間、約50cm/時間から約350cm/時間の間、約50cm/時間から約300cm/時間の間、約50cm/時間から約250cm/時間の間、約50cm/時間から約200cm/時間の間、約50cm/時間から約150cm/時間の間、又は約50cm/時間から約100cm/時間の間(例えば、約100cmから約200cmの間の直径を有するクロマトグラフィーカラムに関して)であってもよい。組換えタンパク質を精製するためのクロマトグラフィーカラムにローディングされる組換えタンパク質の濃度は、例えば、約0.05mg/mLから約90mg/mL組換えタンパク質の間(例えば、約0.1mg/mLから約90mg/mLの間、約0.1mg/mLから約80mg/mLの間、約0.1mg/mLから約70mg/mLの間、約0.1mg/mLから約60mg/mLの間、約0.1mg/mLから約50mg/mLの間、約0.1mg/mLから約40mg/mLの間、約0.1mg/mLから約30mg/mLの間、約0.1mg/mLから約20mg/mLの間、0.5mg/mLから約20mg/mLの間、約0.1mg/mLから約15mg/mLの間、約0.5mg/mLから約15mg/mLの間、約0.1mg/mLから約10mg/mLの間、又は約0.5mg/mLから約10mg/mL組換えタンパク質の間)であってもよい。精製するための少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムにおける樹脂は、陰イオン交換又は陽イオン交換クロマトグラフィー樹脂であってもよい。精製することの単位操作を実施するため使用される少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜における樹脂は、陽イオン交換樹脂であってもよい。
組換えタンパク質のローディング後、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜は少なくとも1つの洗浄緩衝剤で洗浄される。当技術分野において認識されうるように、少なくとも1つの(例えば、2、3、又は4つの)洗浄緩衝剤は、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムから組換えタンパク質ではない全てのタンパク質を溶出するが、組換えタンパク質と樹脂の相互作用又はその他の面では組換えタンパク質を溶出することを妨げないことを意図したものである。
洗浄緩衝剤は、例えば、50cm/時間から約600cm/時間の間、約50cm/時間から約550cm/時間の間、約50cm/時間から約500cm/時間の間、約50cm/時間から約450cm/時間の間、約50cm/時間から約400cm/時間の間、約50cm/時間から約350cm/時間の間、約50cm/時間から約300cm/時間の間、約50cm/時間から約250cm/時間の間、約50cm/時間から約200cm/時間の間、約50cm/時間から約150cm/時間の間、又は約50cm/時間から約100cm/時間の間(例えば、約100cmから約200cmの間の直径を有するクロマトグラフィーカラムに関して)の直線的な流量で少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムを通過させてもよい。使用される洗浄緩衝剤の容量(例えば、一を超える洗浄緩衝剤が使用される場合、使用される洗浄緩衝剤の合わせた総容量)は、約1×カラム容量(CV)から約10×CVの間、約1×CVから約9×CV、約1×CVから約8×CV、約1×CVから約7×CV、約1×CVから約6×CV、約2×CVから約10×CV、約3×CVから約10×CV、約4×CVから約10×CV、約2.5×CVから約5.0×CV、約5×CVから約10×CV、又は約5×CVから約8×CVの間であってもよい。洗浄の総時間は、約2分間から約5時間の間(例えば、約5分間から約4.5時間の間、約5分間から約4.0時間の間、約5分間と約3.5時間の間、約5分間と約3.0時間の間、約5分間と約2.5時間の間、約5分間と約2.0時間の間、約5分間から約1.5時間の間、約10分間から約1.5時間の間、約10分間から約1.25時間の間、約20分間から約1.25時間の間、約30分間から約1時間の間、約2分間と10分間の間、約2分間と15分間の間、又は約2分間と30分間の間)であってもよい。
組換えタンパク質を精製するための少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムの洗浄後、組換えタンパク質は溶出緩衝剤をカラムを通過させることによって溶出される。溶出緩衝剤は、例えば、約25cm/時間から約600cm/時間の間、約25cm/時間から約550cm/時間の間、約25cm/時間から約500cm/時間の間、約25cm/時間から約450cm/時間の間、約25cm/時間から約400cm/時間の間、約25cm/時間から約350cm/時間の間、約25cm/時間から約300cm/時間の間、約25cm/時間から約250cm/時間の間、約25cm/時間から約200cm/時間の間、約25cm/時間から約150cm/時間の間、又は約25cm/時間から約100cm/時間の間(例えば、約100cmから約200cmの間の直径を有するクロマトグラフィーカラムに関して)の直線的な流量で組換えタンパク質を精製する単位操作を実施するため使用することができるカラムを通過させてもよい。組換えタンパク質を精製するための少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムの各々から組換えタンパク質を溶出するため使用される溶出緩衝剤の容量は、約1×カラム容量(CV)から約10×CVの間、約1×CVから約9×CVの間、約1×CVと約8×CVの間、約1×CVから約7×CVの間、約1×CVから約6×CV、約1×CVから約5×CV、約1×CVから約4×CV、約2×CVから約10×CV、約3×CVから約10×CV、約4×CVから約10×CV、約5×CVから約10×CV、又は約5×CVから約9×CVであってもよい。溶出の総時間は、約5分間から約3時間の間、約5分間から約2.5時間の間、約5分間から約2.0時間の間、約5分間から約1.5時間の間、約5分間から約1.5時間の間、約5分間から約1.25時間の間、約5分間から約1.25時間の間、約5分間から約1時間の間、約5分間と約40分間の間、約10分間と約40分間の間、約20分間と約40分間の間、又は約30分間と1.0時間の間であってもよい。これらの方法に使用することができる溶出緩衝剤の非限定的な例は、樹脂及び/又は治療タンパク質に依存する。例えば、溶出緩衝剤は、異なる濃度の塩(例えば、増加した塩濃度)、異なるpH(例えば、増加した又は減少した塩濃度)、又は樹脂に対する結合に関して組換えタンパク質と競合する分子を含んでいてもよい。本明細書に記載される例示的な捕獲機構の各々に関するそのような溶出緩衝剤の例は、当技術分野において周知である。
溶出後、組換えタンパク質を含む流体の次の容量が、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムにローディングすることができる前に、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜は再生緩衝剤を用いて平衡化されなければならない。再生緩衝剤は、例えば、約25cm/時間から約600cm/時間の間、約25cm/時間から約550cm/時間の間、約25cm/時間から約500cm/時間の間、約25cm/時間から約450cm/時間の間、約25cm/時間から約400cm/時間の間、約25cm/時間から約350cm/時間の間、約25cm/時間から約300cm/時間の間、約25cm/時間から約250cm/時間の間、約25cm/時間から約200cm/時間の間、約25cm/時間から約150cm/時間の間、又は約25cm/時間から約100cm/時間の間(例えば、約100cmから約200cmの間の直径を有するクロマトグラフィーカラムに関して)の直線的な流量でクロマトグラフィーカラムを通過させてもよい。平衡化のため使用される再生緩衝剤の容量は、例えば、約1×カラム容量(CV)から約10×CVの間、約1×CVから約9×CVの間、約1×CVから約8×CVの間、約1×CVから約7×CVの間、約1×CVから約6×CVの間、約2×CVから約10×CVの間、約3×CVから約10×CVの間、約2×CVから約5×CVの間、約2.5×CVから約7.5×CVの間、約4×CVから約10×CVの間、約5×CVから約10×CVの間、又は約5×CVから約10×CVの間であってもよい。組換えタンパク質を精製することの単位操作を実施するため使用される溶液中の組換えタンパク質の濃度は、約0.05mg/mLから約90mg/mLの間、約0.1mg/mLから約90mg/mLの間、約0.1mg/mLから約80mg/mLの間、約0.1mg/mLから約70mg/mLの間、約0.1mg/mLから約60mg/mLの間、約0.1mg/mLから約50mg/mLの間、約0.1mg/mLから約40mg/mLの間、約2.5mg/mLと約7.5mg/mLの間、約0.1mg/mLから約30mg/mLの間、約0.1mg/mLから約20mg/mLの間、0.5mg/mLから約20mg/mLの間、約0.1mg/mLから約15mg/mLの間、約0.5mg/mLから約15mg/mLの間、約0.1mg/mLから約10mg/mLの間、又は約0.5mg/mLから約10mg/mL組換えタンパク質の間であってもよい。
組換えタンパク質を最終精製することの単位操作を実施するため使用することができる少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜は、陽イオン交換、陰イオン交換、疎水性、混合モード、又は分子ふるいクロマトグラフィーを実施するため使用することができる樹脂を含んでいてもよい。当技術分野において認識されうるように、最終精製することは、クロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜のローディング、追跡(chasing)、及び再生の工程を含んでいてもよい。例えば、ローディング、追跡、及び再生の工程が、最終精製することを実施するため使用される場合、組換えタンパク質は、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜において樹脂に結合せず、組換えタンパク質は、ローディングする及び追跡する工程においてクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜から溶出され、再生する工程が使用されてクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜から任意の不純物が除去される。ローディングする、追跡する、及び再生する工程の各々において使用される例示的な直線的な流量及び緩衝剤容量は、以下に記載される。
組換えタンパク質を最終精製するためのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜のサイズ、形状、及び容量は、本明細書に記載されるクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜の例示的なサイズ、形状、及び容量の任意の組合せであってもよい。例えば、少なくとも1つのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜のサイズは、約2.0mLから約650Lの間、約2.0mLと約600Lの間、約2.0mLと約550Lの間、約2.0mLと約500Lの間、約2.0mLと約450Lの間、約2.0mLと約400Lの間、約2.0mLと約350Lの間、約2.0mLと約300Lの間、約2.0mLと約250Lの間、約2.0mLと約200Lの間、約2.0mLと約150Lの間、約2.0mLと約100Lの間、約2.0mLと約50Lの間、約2.0mLと約25Lの間、約2.0mLと約10Lの間、約2.0Lと約5Lの間、約2.0mLと約2Lの間、約2.0mLと約1Lの間、約2.0mLと約800mLの間、約2.0mLと約600mLの間、約2.0mLと約400mLの間、約2.0mLと約200mLの間、約2.0mLから約180mLの間、約2.0mLから約160mLの間、約2.0mLから約140mLの間、約2.0mLから約120mLの間、約2.0mLから約100mLの間、約2.0mLから約80mLの間、約2.0mLから約60mLの間、約2.0mLから約40mLの間、約2.0mLから約40mLの間、約2.0mLから約30mLの間、約5.0mLから約30mLの間、約2.0mLから約25mLの間、約2.0mLから約10mLの間、又は約2.0mLから約5mLの間の容量を有してもよい。少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムは、その直径の観点から記載することもできる。例えば、本明細書に提供される少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムは、約1cmから約200cmの間、約1cmから約180cmの間、約1cmと約160cmの間、約1cmと約140cmの間、約1cmと約120cmの間、約1cmと約100cmの間、約1cmと約80cmの間、約1cmと約60cmの間、約1cmと約40cmの間、約1cmと約20cmの間、又は約1cmと約10cmの間の直径を有してもよい。クロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜にローディングされるときの組換えタンパク質を含む流体の直線的な流量は、約25cm/時間から約600cm/時間の間、約25cm/時間から約550cm/時間の間、約25cm/時間から約500cm/時間の間、約25cm/時間から約450cm/時間の間、約25cm/時間から約400cm/時間の間、約25cm/時間から約350cm/時間の間、約25cm/時間から約300cm/時間の間、約25cm/時間から約250cm/時間の間、約25cm/時間から約200cm/時間の間、約25cm/時間から約150cm/時間の間、又は約25cm/時間から約100cm/時間の間(例えば、約100cmから約200cmの間の直径を有するクロマトグラフィーカラムに関して)であってもよい。樹脂1mL当たりにローディングされる組換えタンパク質の量は、約5mg/mLから約250mg/mLの間、約5mg/mLから約200mg/mLの間、約5mg/mLから約150mg/mLの間、約5mg/mLから約100mg/mLの間、約5mg/mLから約80mg/mLの間、約5mg/mLから約60mg/mLの間、約5mg/mLから約40mg/mLの間、約5mg/mLから約20mg/mLの間、約5mg/mLから約15mg/mLの間、又は約5mg/mLから約10mg/mLの間であってもよい。最終精製するためのクロマトグラフィーカラム又はクロマトグラフィー膜における樹脂は、陰イオン交換又は陽イオン交換樹脂であってもよい。樹脂は、例えば、陽イオン交換樹脂であってもよい。
ローディングする工程の後、追跡する工程が、実施される。例えば、追跡緩衝剤は、少なくとも1つのクロマトグラフィー膜又はクロマトグラフィー膜を通して通過させて、カラム又は膜に実質的に結合しない組換えタンパク質を収集することができる。これらの例において、追跡緩衝剤は、例えば、約25cm/時間から約600cm/時間の間、約25cm/時間から約550cm/時間の間、約25cm/時間から約500cm/時間の間、約25cm/時間から約450cm/時間の間、約25cm/時間から約400cm/時間の間、約25cm/時間から約350cm/時間の間、約25cm/時間から約300cm/時間の間、約25cm/時間から約250cm/時間の間、約25cm/時間から約200cm/時間の間、約25cm/時間から約150cm/時間の間、又は約25cm/時間から約100cm/時間の間(例えば、約100cmから約200cmの間の直径を有するクロマトグラフィーカラムに関して)の直線的な流量でカラム又は膜を通過させてもよい。使用される追跡緩衝剤の容量は、例えば、約1×カラム容量(CV)から約20×CVの間、約1×CVから約15×CVの間、約5×CVから約20×CVの間、約1×CVから約14×CVの間、約1×CVから約13×CV、約1×CVから約12×CV、約1×CVから約11×CV、約2×CVから約11×CV、約3×CVから約11×CV、約4×CVから約11×CV、約2.5×CVから約5.0×CV、約5×CVから約11×CV、又は約5×CVから約10×CVであってもよい。追跡する総時間は、約2分間から約3時間の間、約2分間から約2.5時間の間、約2分間から約2.0時間の間、約2分間から約1.5時間の間、約2分間から約1.25時間の間、約2分間から約5分間の間、約2分間から約10分間の間、約2分間から約4分間の間、約30分間から約1時間の間、約2分間と15分間の間、又は約2分間と30分間の間であってもよい。ローディングする工程及び追跡する工程におけるカラムを通して出てくるろ過物中に存在する組換えタンパク質の合わせた濃度は、約0.1mg/mLから約250mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約200mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約150mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約100mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約80mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約70mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約60mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約50mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約40mg/mL組換えタンパク質の間、約2.5mg/mLと約7.5mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約30mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約20mg/mL組換えタンパク質の間、0.5mg/mLから約20mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約15mg/mL組換えタンパク質の間、約0.5mg/mLから約15mg/mL組換えタンパク質の間、約0.1mg/mLから約10mg/mL組換えタンパク質の間、約0.5mg/mLから約10mg/mL組換えタンパク質の間、又は約1mg/mLと約5mg/mL組換えタンパク質の間であってもよい。
追跡する工程の後、流体の次の容量がローディングされる前に、カラム又は膜は、再生緩衝剤を用いて再生されなければならない。再生緩衝剤は、約25cm/時間から約600cm/時間の間、約25cm/時間から約550cm/時間の間、約25cm/時間から約500cm/時間の間、約25cm/時間から約450cm/時間の間、約25cm/時間から約400cm/時間の間、約25cm/時間から約350cm/時間の間、約25cm/時間から約300cm/時間の間、約25cm/時間から約250cm/時間の間、約25cm/時間から約200cm/時間の間、約25cm/時間から約150cm/時間の間、又は約25cm/時間から約100cm/時間の間の直線的な流量で最終精製するためのカラム又は膜を通過させてもよい。再生するため使用される再生緩衝剤の容量は、約1×カラム容量(CV)から約20×CVの間、約1×CVから約15×CVの間、約5×CVから約20×CVの間、約1×CVから約14×CVの間、約1×CVから約13×CV、約1×CVから約12×CV、約1×CVから約11×CV、約2×CVから約11×CV、約3×CVから約11×CV、約4×CVから約11×CV、約2.5×CVから約5.0×CV、約5×CVから約11×CV、又は約5×CVから約10×CVであってもよい。
他の例において、最終精製することの単位操作を実施するため使用される1つ又は複数のクロマトグラフィーカラム及び/又はクロマトグラフィー膜は、組換えタンパク質を含む流体中に存在する不純物に選択的に結合する又は保持する樹脂を含む、並びに、1つ又は複数のカラム及び/又は膜を再生する代わりに、1つ又は複数のカラム及び/又は膜は、1つ又は複数のカラム及び/又は膜における樹脂の結合能に達したら又は実質的に達するのに近ければ、(例えば、類似するカラム又は膜で)交換される。
ウイルスの不活性化/ウイルスろ過
組換え治療タンパク質を含む流体中に存在するウイルスを不活性化する単位操作は、クロマトグラフィーカラム、クロマトグラフィー膜、又は組換え治療タンパク質を含む流体を、約3.0から5.0の間、約3.5から約4.5の間、約3.5から約4.25の間、約3.5から約4.0の間、約3.5から約3.8の間、又は約3.75のpHで、少なくとも25分間、約30分間から1.5時間の間の期間、約30分間から1.25時間の間の期間、約0.75時間から1.25時間の間の期間、又は約1時間の期間インキュベートする能力のある貯蔵タンクを用いて実施することができる。
ウイルスは、ろ過によって除去することができる。例えば、ウイルスろ過は、組換えタンパク質をデプスフィルターを通して流す工程の前及び/又は後に実施することができる。ウイルスは、例えば、米国特許第6,365,395号に記載される、正常流フィルター(NFF)又はタンジェンシャルフローろ過(TFF)フィルターのいずれかによって組換えタンパク質を含む溶液から除去することができる。TFFモード又はNFFモードのいずれかにおいて、ろ過は、膜表面上で、一般に20から100ナノメートル(nm)直径を有するウイルスを保持するが、その膜を通る組換えタンパク質の通過は許容する条件下で実施される。
ウイルスろ過工程において利用することができる代表的な適切な限外ろ過膜には、再生されたセルロース、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などから形成され、EMD Millipore社、Billerica、MAから市販されているVIRESOLVE(登録商標)膜及びRETROPORE(商標)膜として公知のものが含まれる。これらは、カートリッジ(NFF)形態、例えば、VIRESOLVE(登録商標)NFPウイルスフィルター又はカセット(TFFに関して)として、例えば、PELLICON(登録商標)カセットとしてのいずれかで供給することができる(EMD Millipore社、Billerica、MAから市販されている)。
本明細書に記載されるいくつかの方法は、組換えタンパク質を含む溶液のpH及び/又はイオン濃度を調整する工程を含んでいてもよい。本明細書に記載されるように、組換えタンパク質を含む溶液のpH及び/又はイオン濃度は、(それがデプスフィルターに供給される前及び/又は後に)、緩衝剤を溶液に(例えば、インラインの緩衝剤調整リザーバーの使用を介して)添加することによって調整することができる。
精製された組換えタンパク質の製剤化
本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態は、組換えタンパク質又は組換えタンパク質産物を医薬組成物に製剤化する工程を更に含む。例えば、製剤化は、薬学的に許容される賦形剤を精製された組換えタンパク質又は組換えタンパク質産物(例えば、本明細書に記載される、組換えタンパク質を精製する任意の方法又は組換えタンパク質産物を製造する任意の方法によって生産される)に添加することを含んでいてもよい。製剤化は、薬学的に許容される賦形剤を精製された組換えタンパク質又は組換えタンパク質産物と混合することを含んでいてもよい。薬学的に許容される賦形剤の例(例えば、非天然の薬学的に許容される賦形剤)は、当技術分野において周知である。いくつかの実施形態において、精製された組換えタンパク質又は組換えタンパク質産物は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、又は筋肉内投与について製剤化される。
いくつかの一般的なプロトコールは以下に記載される、これは、本明細書に記載される任意の方法において使用されてもよく、請求項に記載される発明の範囲を限定しない。
(実施例1)
組換え抗体を精製する方法における可溶性タンパク質凝集物レベル
第1のセットの実験を実施して、2つの異なる組換え抗体を精製するためのプロセスにおいて可溶性タンパク質凝集物を除去するデプスフィルターの効果を評価した。この例において、各プロセスは、少なくとも以下の単位操作を含む:プロテインAクロマトグラフィーを用いる抗体捕獲、ウイルス不活性化、深層ろ過、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、及びイオン交換クロマトグラフィー。抗体凝集物の量、単量体(非凝集性の抗体)、及び宿主細胞タンパク質を、各単位操作後に測定した。例えば、凝集物、モノマー、及びHCPのレベルを、2つの異なる抗体(抗体A及び抗体B)を精製するためのプロセスにおいて、プールしたプロテインAクロマトグラフィー溶出液、ウイルス不活性化の後の溶液、デプスフィルター溶出液、及びプールしたイオン交換クロマトグラフィー溶出液において決定した。
Table 1(表1)及びTable 2(表2)中のデータは、組換え抗体精製プロセスにおける深層ろ過の使用が、抗体精製プロセスの間に可溶性タンパク質凝集物における有意な減少(Table 1(表1)において4.5%凝集物から0.6%凝集物への減少、及びTable 2(表2)において2.2%凝集物から0.2%凝集物への減少)をもたらすことを示す。Table 1(表1)において示されるプロセスは、プロテインA捕獲(ProA)続いてウイルス不活性化(VI)、次に深層ろ過、限外ろ過ダイアフィルトレーション(UF/DF1)、及びイオン交換クロマトグラフィー(IEX)からなる。Table 1(表1)において示されるプロセスにおける溶液物質を、各単位操作後に、宿主細胞タンパク質(HCP)濃度、%タンパク質単量体、%タンパク質凝集物、及びDNAのピコグラム/mgタンパク質について分析した。Table 2(表2)において示されるプロセスは、プロテインA捕獲(ProA)続いてウイルス不活性化(VI)、次に深層ろ過、及び限外ろ過ダイアフィルトレーション(UF/DF1)からなる。表2において示されるプロセスにおける溶液物質を、各単位操作後に、HCP、%タンパク質単量体、%タンパク質凝集物、及びDNAのピコグラム/mgタンパク質について分析した。
Table 1(表1)及びTable 2(表2)中のデータは、組換え抗体を精製するためのプロセスにおける早期の深層ろ過工程の導入が、タンパク質凝集物を有意に低下させることを実証する。抗体精製プロセスにおける深層ろ過工程の後でさえも、タンパク質凝集物の量が、更なる工程の実施で再び増加することもデータは実証する。
(実施例2)
組換えFc融合タンパク質を精製するためのプロセスにおける下流の深層ろ過の使用
実験のセットを実施して、組換えタンパク質精製プロセスにおけるデプスフィルターの下流又は後(例えば、細胞培養培地清澄化、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、ウイルス不活性化、プロテインA捕獲、疎水性相互作用クロマトグラフィー(例えば、最終精製すること)、及び第2の限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程の後)の使用が、清澄化された細胞培養から組換えFc融合タンパク質を精製するための方法において、ウイルスフィルターにおける流量の減衰を減少させるかどうかを決定した。
異なる精製単位操作は、図1に示され、各プロセスに関して、プロテインAクロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィー(例えば、最終精製すること)を含んでいた。プロセスは、図1におけるダイアグラムに従って変動した。1つのプロセスは、5mg/mLの組換えタンパク質濃度への濃縮、プレろ過、及びウイルスろ過を含んでいた。1つのプロセスは、7.5mg/mLの組換えタンパク質濃度への濃縮、プレろ過、及びウイルスろ過を含んでいた。次のプロセスは、7.5mg/mLの組換えタンパク質濃度への濃縮、深層ろ過、プレろ過、及びウイルスろ過を含んでいた。第4のプロセスは、10g/Lの組換えタンパク質濃度への濃縮、プレろ過、及びウイルスろ過を含んでいた。各々の検査した方法は、第1の限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程を、プロテインAクロマトグラフィーの前に含んでいた。異なる検査した精製方法における異なる工程の概略図、各工程での可溶性タンパク質凝集物のパーセンテージ、ウイルスフィルター処理量、及びウイルスフィルターの流れの減衰は、図1に示される。(図1は、各方法におけるプロテインAクロマトグラフィー工程前に行なわれる限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程を示さない)。各工程での可溶性タンパク質凝集物のパーセンテージ、ウイルスフィルター処理量、及びウイルスフィルターの流れの減衰も、図1に示される。精製方法が、第2の限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程の直後に及び逐次的なプレろ過及びウイルスろ過の直前に、深層ろ過工程を含む場合、ウイルスろ過工程におけるウイルスフィルター処理量(g/m2)が増加することを図1中のデータは示す。
第2のセットの実験を実施して、精製方法におけるウイルスろ過の直前のデプスフィルターの使用が、ウイルスフィルターに流されるタンパク質凝集物の減少をもたらすかどうかを検査した(ウイルスろ過の直前に、デプスフィルターよりむしろプレフィルターを利用する類似する方法との比較)。この方法において検査した精製方法は、培養培地の清澄化、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、ウイルス不活性化、プロテインAクロマトグラフィー(例えば、捕獲)、疎水的相互作用クロマトグラフィー(例えば、最終精製)、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、ウイルス不活性化、プロテインAクロマトグラフィー(捕獲)、疎水的相互作用クロマトグラフィー(例えば、最終精製)、限外ろ過又はダイアフィルトレーション(例えば、5mg/mL、7.5mg/mL、又は10mg/mLの濃度への濃縮)、Sartorious Maxプレフィルター又はCUNO Delipidデプスフィルター、及びウイルスろ過でのろ過の工程を含む。
Table 3(表3)は、検査した異なる精製方法の各々に関する、ウイルスフィルターに入る可溶性タンパク質凝集物のパーセンテージ(ローディング中の凝集物含有量)及びプールしたウイルスフィルター溶出液中に存在する可溶性タンパク質凝集物のパーセンテージ(ろ過物プール中の凝集物含有量)を示す。各精製は、二連で実行し、Table 3(表3)及び図2に示される。ウイルスろ過の直前にデプスフィルターを利用する方法からのウイルスろ過プールに可溶性タンパク質凝集物の有意により低いパーセンテージが存在したことをデータは示す。CUNO Delipidデプスフィルターに関してTable 3(表3)の下二行を参照されたい。検査した精製方法の各々における処理量(g/m2)と比較して、ウイルスフィルターの流量の減衰をプロットし、図2に示した。ウイルスろ過の前にデプスフィルターの使用が含まれる精製方法における異なる処理量値(g/m2)で、より低い流量の減衰が存在したことを、これらのデータは示す。ウイルスろ過の前にデプスフィルターの使用を含まない精製方法について観察された異なる処理量値での流量の減衰の比較(Delipid-Virosart実行1及び2-4.6g/Lデータについてのデータを参照されたい)。
実験のセットを実施して、組換えFc融合タンパク質を精製するためのプロセスにおける異なる工程での深層ろ過の使用の効果を検査した。異なる方法は:培養培地の清澄化、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、ウイルス不活性化、プロテインAクロマトグラフィー(捕獲)、疎水性相互作用クロマトグラフィー、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、及びウイルスろ過(実験1);培養培地の清澄化、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、ウイルス不活性化、プロテインAクロマトグラフィー(捕獲)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(例えば、最終精製)、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、深層ろ過、及びウイルスろ過(実験2);又は培養培地の清澄化、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、ウイルス不活性化、プロテインAクロマトグラフィー(捕獲)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(例えば、最終精製)、デプスフィルターろ過、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、及びウイルスろ過(実験3)の単位操作を含んでいた。図3は、異なる精製プロセス、各工程での可溶性タンパク質凝集物のパーセンテージ及びウイルスフィルターの結果としての流れの減衰を示す模式図である。可溶性タンパク質凝集物の最低のパーセンテージ及びウイルスフィルターを通した最良の流れが、ウイルスろ過の工程の直前に深層ろ過の工程を有する精製方法において達成されたことをデータは示した。Table 4(表4)におけるデータは類似する検査した精製プロセスからのデータを表す:実行1及び2は上記の実験1に対応する、実行3及び4は上記の実験2に対応する、実行5及び6は上記の実験3に対応する。図4は、上記の実験1、実験2、及び実験3プロセスに対応する精製プロセスに関して異なる処理量値(g/m2)に対するウイルスフィルターの流量の減衰を示す。
ウイルスろ過工程の直前にデプスフィルター用いる精製方法が、ウイルスフィルターを通過した溶液中により低いパーセンテージのタンパク質凝集物をもたらし、ウイルスフィルターにおける異なる処理量値に対する流量の減衰において有意な減少ももたらすことを、得られたデータは示す(図4)。
(実施例3)
深層ろ過におけるpH及びフィルターのローディングの効果
実験のセットを実施して、以下の工程を含むプロセスにおいて実施される深層ろ過工程におけるpH及びフィルターのローディングの効果を検査した:培養培地の清澄化、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、ウイルス不活性化、プロテインAクロマトグラフィー(捕獲)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(例えば、最終精製)、限外ろ過/ダイアフィルトレーション、深層ろ過、及びウイルスろ過。これらの方法においてデプスフィルターを通過させる溶液は、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、又は8.5のpHを有し、及び場合によって、70L/m2、125L/m2、及び180L/m2のフィルターのローディングでフィルターを通過させた。
デプスフィルターのローディング液中の可溶性タンパク質凝集物のパーセンテージ及び異なるプロセスにおけるデプスフィルタープール溶出液を測定した、これはTable 5(表5)及びTable 6(表6)に示される。深層ろ過が、異なるフィルターのローディングを用いること及び6.0と8.5の間のpH値を有する異なる組換え抗体含有溶液を用いることなどの精製プロセスにおいて可溶性タンパク質凝集物及び宿主細胞タンパク質のレベルを有意に低下させることをデータは示した。
Table 5(表5)において、デプスフィルターを通した通過の前に、出発の凝集物%及びHCP(ng/mg)は、最上部の行に示されるように、4.5%凝集物及び3712ng/mgであった。pHが6.5と7.5の間の場合に、深層ろ過工程は良好に実施された。pH6.5での180L/m2及びpH6.5での70L/m2を比較すると、ローディングもデプスフィルターの実施に影響した。pH6.5でのより低いローディングにより、凝集物及びHCPの双方のデプスフィルター除去の良好な実施が可能とされた。
Table 6(表6)において、デプスフィルターの実施は、pH6.0、pH7.0、及びpH8.0で評価された。デプスフィルターを通した通過の前に、出発のHCP(ng/mg)及び%凝集物は、それぞれ、第三列及び第六列に示されるように、7,045〜9,078ng/mg及び2.1%〜2.8%であった。深層ろ過工程は、検査した全てのpH値でHCPの除去に非常に良く実施された。凝集物除去は、わずかによりpH感受性であった。Table 6(表6)を参照されたい。
(実施例4)捕獲すること及び深層ろ過の間に、ウイルス不活性化を実施すること及び精製された組換えタンパク質を含む溶液のpHとイオン濃度の一方又は両方を調整することを含む例示的なプロセス
3つの異なる精製プロセスを、この実施例において検査した。各々の検査したプロセスには、深層ろ過及び1つ又は複数の更なる下流の単位操作を実施する前に、プロテインAクロマトグラフィー捕獲工程及び精製された組換えタンパク質を含む溶液のpHとイオン濃度の一方又は両方を調整することを含めた。検査したプロセスの各々(概略図1から概略図3)は、図5及び図6に示される。産物収率及び可溶性タンパク質凝集物クリアランスを、3つの検査したプロセスの間で比較した。
材料及び方法
材料
単回のバイオリアクター培養実行から収穫されたエクリズマブを含む培養培地を、各実験に使用した。以下の更なる物質を使用して、検査したプロセスを実施した:Millipore DOHC、Millipore A1HC、Millipore Express SHC(0.2μm)、MabSelect(商標)SuRe(商標)樹脂(GE Healthcare社)、Zeta Plus Dilipidフィルター(3M DELI08A)、Pelicon3 UF/DF膜、POROS 50HSカラム(Life Technologies社)、POROS 50HQ樹脂(Life Technologies社)、Capto Adhere ImpRes樹脂(GE Healthcare社)、Sartorius MAXプレフィルター、Sartorius Virosart CPV、AKTA Avantクロマトグラフィーシステム(Unicornソフトウェアを備える)、pHメータ、及び伝導度メータ。全ての緩衝剤を、USPグレードの化学物質を用いて作製した。Table 7(表7)は、この実施例に使用される各々のカラム及びフィルターの寸法を列挙する。
方法
MabSelect(商標)SuRe(商標)クロマトグラフィーは、産物を濃縮するため及び不純物を除去するため使用されるFc親和性ベース捕獲工程である。産物は、中性pHでカラムに結合し、25mM酢酸ナトリウム(pH3.7)を用いて低pHで溶出される。5つのクロマトグラフィーサイクルを実施して、図5及び図6に図示される3つの検査したプロセス(概略図1から概略図3)のための出発原料を生成した。Table 8(表8)及びTable 9(表9)は、エクリズマブのプロテインA精製のためのプロセス条件を要約する。
低pHウイルス不活性化工程を実施して、ウイルス、例えば、エンベロープウイルスを不活性化した。プロテインAプールを、Table 10(表10)に記載される条件下で低pHウイルス不活性化に付した。物質を、pH調整後の撹拌なしで、pH3.70で60分間、室温で維持した。物質を、60分間インキュベートし、引き続いて1.0M TrisベースでpH6.0に中和した。
Zeta Plus Delipidフィルター(3M DELI08A)でのエクリズマブのろ過を、Table 11(表11)に記載されるローディング条件下で実施した。中和した低pHウイルス不活性化プールを、並行して、3つのZeta Plus Delipidフィルター(3×25cm2のろ過面積)を通してろ過した。ろ過を、150LMHで遂行した。50L/m2の回収フラッシュを、50mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH6.0を用いて遂行した。
POROS 50HSは、可溶性タンパク質凝集物及び不純物クリアランスを提供するため使用される、フロースルー強陽イオン交換クロマトグラフィー工程である。ローディングの間、抗体は、カラムを通して流されるが、可溶性タンパク質凝集物及び不純物はカラムに結合する。不純物は、2M塩化ナトリウムを用いてカラムからストリップされる。Delipidろ過物を、2M NaClを用いて18mS/cmの伝導度に調整し、次にPOROS 50HSカラムにローディングした。深層ろ過を実施するために使用したプロセス条件は、Table 12(表12)及びTable 13(表13)に示される。
限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程1(UF/DF1)は、POROS 50HQローディング物質を生成するため実施される濃縮及び緩衝剤交換工程である。エクリズマブを、6Xダイアフィルトレーション前に4mg/mLに濃縮した。UF/DF1条件を、Table 14(表14)に列挙する。
POROS 50HQは、不純物及びウイルスを除去するため使用される、フロースルー陰イオン交換クロマトグラフィー工程である。ローディングの間、抗体はカラムを通して流され、不純物はカラムに結合する。産物収集後、不純物は、2.0M塩化ナトリウム緩衝剤を用いてカラムからストリップされる。UF/DF1サイクルからの物質を、Table 15(表15)及びTable 16(表16)に列挙されるパラメータを用いてPOROS 50HQフロースルーカラムで処理した。
Capto Adhere ImpResは、不純物を除去する結合及び溶出モードに使用される、多モード強陰イオン交換クロマトグラフィー工程である。エクリズマブは、中性pH下でカラムに結合し、pHを低下させることによって溶出される。Delipidろ過物及びPOROS 50HSプールを1.0M TrisベースでpH7.0に調整し、POROS 50HQプールを1Mクエン酸でpH7.0に調整して、それぞれ概略図1から概略図3に関して、Capto Adhere ImpResローディング物質を生成した。Capto Adhere ImpResクロマトグラフィーを実施するために使用したカラムの仕様及び条件は、Table 17(表17)及びTable 18(表18)に示される。
Virosart CPVウイルスろ過工程は、≧20nmである潜在的なウイルスを除去する。3つの検査プロセス(概略図1から概略図3)からの物質を、フィルターサイジング分析のため<30psiの圧力で、Sartorius MAXプレフィルター及びVirosart CPVウイルスフィルターを通して処理した。Sartorius MAXプレろ過及びVirosart CPVウイルスろ過工程を、Table 19(表19)に列挙される条件下で実施した。
結果
プロテインA捕獲クロマトグラフィーのデータは、Table 20(表20)に示される。プロテインAクロマトグラフィー捕獲の実施は、実施した5つのサイクルの間で一致し、平均収率88%±1%標準偏差であった。MabSelect(商標)SuRe(商標)クロマトグラフィーサイクルからの5つのクロマトグラムは、非常に類似する溶出プロファイルを共有する。産物収率は、低pH不活性化及び中和後に、およそ100%であった(Table 21(表21))。しかしながら、濁度は、およそ9.8倍に平均105NTUに増加し(Table 21(表21))、概略図1のプロセスにおいて中和した低pH不活性化プール中に37.53%の可溶性タンパク質凝集物が存在していた(Table 22(表22))。
Delipidろ過を、並行して、3つの25cm2フィルター(0.0075m2の総面積)で実施した。Delipid深層ろ過の結果をTable 23(表23)に示す。Delipidフィルターにローディングされたエクリズマブの量は249g/m2から270g/m2の範囲であり、プロセス収率は42%から52%の範囲であり、平均46%±4%であった。5つのサイクルからのDelipidプールを、プールし、次にサイズ排除クロマトグラフィー-HPLC(SEC-HPLC)によって分析した。Delipid深層ろ過工程は、可溶性タンパク質凝集物のレベルを37.53%から2.89%に低下させた(図6及びTable 22(表22))。
POROS 50HSクロマトグラフィー工程からのデータをTable 24(表24)に示す。プール容量は449mLであり、これはロード容量よりも11mL少なく、収率は92%であった。第1の最終精製する工程でのPOROS 50HSカラムの結果として、概略図2のプロセスは、Capto Adhere ImpRes工程の後の最終的なレベルの0.26%にまで、大部分の凝集物を除去した(図6及びTable 22(表22))。
UF/DF1データを、Table 25(表25)に示す。UF/DF1フィルター面積は0.005m2であり、平均収率は96%±2%であった。UF/DF1は、2.89%から3.86%の可溶性タンパク質凝集物のレベルにおける増加を引き起こした。
POROS 50HQクロマトグラフィーデータをTable 26(表26)に示す。プール容量は、ロード容量よりも約8%より多かった。収率は99%であり、可溶性タンパク質凝集物のレベルはローディングされた物質中の3.86%からPOROS 50HQプール中の3.56%にわずかに低下した(Table 22(表22))。
概略図1から概略図3のプロセスの各々において実施されたCapto Adhere ImpResクロマトグラフィー工程からのデータをTable 27(表27)に示す。概略図1におけるCapto Adhere ImpResクロマトグラフィーは103mLのカラム容量を有する2.5cm×2.1cmカラムを用いて実施したが、概略図2及び概略図3におけるCapto Adhere ImpResクロマトグラフィーは15.2mLのカラム容量を有する1cm×19.4cmカラムを用いて実行した。ローディングされた物質の濃度は概略図1から概略図3の間で変動したが、樹脂のロード量を一定に維持した、平均は19.2mg/mLであった。概略図1から概略図3からの収率は平均81%±4%であった。図7は、概略図1から概略図3の各々からのCapto Adhere ImpResクロマトグラムの重ね合せである。クロマトグラムはピーク形状における差を示し、概略図2及び概略図3は類似するが、区別される傾向を示す。これらの差は、概略図1から概略図3の各々において実施される異なる上流の精製/ろ過工程の後のアダリムマブの異なる特性(すなわち、帯電性)を反映している可能性がある。等電点電気泳動キャピラリー電気泳動データは、区別される帯電性変形例(ピーク)が、概略図1、概略図2、及び概略図3のCapto Adhere ImpResプールの間に観察されたことを示す(図8)。全ての他の等電点電気泳動キャピラリー電気泳動フラクションと比較して、より酸性の種は、Capto Adhere ImpResプール中に存在し、POROS 50HSプールは唯一の例外であった。概略図1から概略図3の各々の終了時で達成される凝集物レベルは、≦0.6%であった(Table 22(表22))。
ウイルスろ過データをTable 28(表28)に示す。平均収率は97%±1%であった。エクリズマブ流量は、およそ300g/m2で安定化し(図9〜図11)、950g/m2まで安定化したままであった(図9)。図9〜図11は、流量の減衰及びフィルター入口圧力対容量処理量を示す。概略図1における物質のウイルスろ過は、サイズ排除クロマトグラフィーHPLC(SEC-HPLC)によって決定されるような可溶性タンパク質凝集物のパーセンテージの増加を引き起こすことはなかった(Table 22(表22))。
単一の凍結融解サイクルを実行して、可溶性タンパク質凝集物レベルにおけるその効果を決定した直後に、SEC-HPLC分析をエクリズマブプロセスにおいて実施した(Table 29(表29))。
全ての検査したプロセス(概略図1から概略図3)は、≦0.6%可溶性タンパク質凝集物にまで凝集物を効果的に除去し、全ては、ウイルスろ過を介して類似する産物収率(25%から27%)をもたらした。第1の最終精製する工程についてPOROS 50HSクロマトグラフィーを含む、概略図2プロセスは、0.3%のレベルにまで、大部分の可溶性タンパク質凝集物を除去した。概略図3において、POROS 50HQクロマトグラフィー工程前、UF/DF1工程は、可溶性タンパク質凝集物のレベルにおける増加を引き起こした(2.9%から3.9%)。総合すると、これらのデータは、全ての3つの検査したプロセス(概略図1から概略図3)が、類似する産物収率で生産し、可溶性タンパク質凝集物を効果的に清澄化したことを実証する。
(実施例5)
プロテインAクロマトグラフィー溶出及び深層ろ過の最適化
実験のセットを実施して、沈殿及び凝集を防止するプロテインA溶出緩衝剤中に必要とされる塩化ナトリウムの最少量を評価した。
材料及び方法
単回のバイオリアクター培養から得られたエクリズマブを含む清澄化された培養培地を、これらの実験に使用した。GE Healthcare培地(カタログ番号17-5438-05、ロット番号10037980)からのMabSelect(商標)SuRe(商標)を使用して、106mLのカラム容量を有する2.5cm×20cmカラムを調製した。Millipore Pellicon3 UF/DF膜を使用して、限外ろ過/ダイアフィルトレーションを実施した。Orion Conductivityプローブ(E12/026)を使用して伝導度を測定した、伝導度メータは毎日の開始時に100mS/cm伝導度緩衝剤で標準化後に使用した。Hach Turbidityメータ(カタログ番号470060、シリアル番号05080C020561)を使用して流体の濁度を測定した。
この実施例において使用されるプロテインAクロマトグラフィー及び限外ろ過/ダイアフィルトレーション法の概要をTable 30(表30)に示す。MabSelect(商標)SuRe(商標)クロマトグラフィーをTable 31(表31)及びTable 32(表32)に概説したように実施した。エクリズマブを、25mM酢酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH3.7の緩衝剤を用いてカラムから溶出した。
緩衝剤交換工程をプロテインA溶出において実施して、沈殿及び凝集を防止するプロテインA溶出緩衝剤中に必要とされる塩化ナトリウムの最少量を評価した。使用されたダイアフィルトレーション緩衝剤は、25mM酢酸ナトリウム、pH3.7であった。6ダイアフィルトレーション容量(diavolume)の緩衝剤交換を実施した、条件を表33に示す。
結果
Table 34(表34)及びTable 35(表35)、並びに図12は、これらの実験の結果を示す。150mM NaClを有するプロテインAプールが、80%収率をもたらしたことをデータは示す(Table 34(表34))。ダイアフィルトレーションによってプロテインAプール中で伝導度及びpHが減少するにつれて、濁度も減少することをもデータは示す(Table 35(表35)及び図12)。25mM酢酸緩衝剤中およそ4mg/mLの濃度、pH4と7の間、伝導度<1〜15mS/cm(<10〜150mM NaCl)、室温及び2℃から8℃でエクリズマブが沈殿しないことをもデータは示す。
(実施例6)
深層ろ過工程の最適化
実験のセットを実施して、3つの異なるプロテインAクロマトグラフィー溶出緩衝剤を検査した。各プロテインAクロマトグラフィー溶出プールを、低pHで処理してウイルス不活性化を達成し、それをZeta Plus Delipidデプスフィルターを通過させる前に、所望のpH(6又は7のpH)に中和した。全体で6つの異なるローディング条件を、≦100L/m2のローディング及び150LMHの流れでDelipidデプスフィルター(25cm2のろ過面積)を通してろ過した。
材料及び方法
単回のバイオリアクター培養から得られたエクリズマブを含む清澄化された培養培地を、これらの実験に使用した。GE Healthcare培地(カタログ番号17-5438-05、ロット番号10037980)からのMabSelect(商標)SuRe(商標)を使用して、106mLのカラム容量を有する2.5cm×20cmカラムを調製した。3M Zeta Plus Delipidデプスフィルター(カタログ番号BC0025LDELI08A、ロット番号43720及び43534)を使用して深層ろ過の工程を実施した。Explorer及びAvant自動液体クロマトグラフィーシステムを使用してプロテインAカラムクロマトグラフィーを実施した。Orion Rossウルトラフラット表面pHプローブ(Sx1-15902)及びpHメータを、pH4、7、及び10の緩衝剤で毎日の開始時に標準化して、pHを検出するため使用した。
この実施例において6つの異なる検査したプロセスにおいて使用される方法の概要を図13に示す。この実施例において使用されるプロテインAクロマトグラフィー及び深層ろ過法の概要をTable 36(表36)に示す。MabSelect(商標)SuRe(商標)クロマトグラフィーをTable 31(表31)及びTable 32(表32)に概説したように実施した(実施例5に示す)。実施例5に記載されるプロテインAクロマトグラフィー法とは対照的に、この実施例の実験においてエクリズマブを、Table 37(表37)に示される3つの異なる溶出緩衝剤の1つを用いてプロテインAカラムから溶出した。
低pH工程を実施して、ウイルスを不活性化した。この実施例における6つの検査したプロセスの各々において、低pHウイルス不活性化をTable 38(表38)に要約されるプロトコールを用いて実施した。中和を、1.0M Trisベースを用いて実施した。
低pHウイルス不活性化プロトコール後、エクリズマブを含む溶液をZeta Plus Delipidデプスフィルター(25cm2のろ過面積)を通してろ過した。エクリズマブを含む溶液を、≦100L/m2でDelipidデプスフィルターにローディングした。ろ過を、150LMHで実施した。50L/m2の回収フラッシュを、フラッシュ緩衝剤(50mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH6.00)を用いて遂行した。Delipid深層ろ過を、以下のTable 39(表39)に示される条件を用いて実施した。
結果
Table 40(表40)〜Table 42(表42)は、プロテインAクロマトグラフィーデータ及び低pHウイルス不活性化データを示す。NaCl濃度がプロテインAクロマトグラフィー溶出緩衝剤中で増加するにつれて、プール容量は減少し、収率は増加した。しかしながら、プロテインA溶出緩衝剤中のNaCl濃度が増加するにつれて、濁度は増加した(Table 40(表40))。(低pHに保持後)pH6又は7に中和にしたプロテインAプールは、NaCl濃度が増加するにつれて、濁度のレベル(Table 41(表41))及び可溶性タンパク質凝集物のレベル(Table 42(表42))が増加した。同じNaCl濃度で比較した場合に、濁度は(低pH処理及び中和後)プロテインAプールから中和したプロテインAプールで実質的に増加した(Table 40(表40)及びTable 41(表41))。
Table 43(表43)〜Table 45(表45)は、Delipidローディング及びろ過データを示す。デプスフィルターのローディング物質のNaClを増加させることにより、可溶性タンパク質凝集物及び宿主細胞タンパク質クリアランスのレベルが増加することをデータは示す(Table 43(表43))。pH6及び7についてのDelipid深層ろ過プロセス(72L/m2でローディングされた)は、NaCl濃度が増加するにつれて、わずかにより高い収率をもたらしたが、より高い濁度をももたらした(Table 44(表44))。pH6及び7でのDelipidデプスフィルターろ過についての結果は、可溶性タンパク質凝集物及び宿主細胞タンパク質クリアランスのレベルについてDelipidデプスフィルターのローディングと同じ傾向を示す。6のpHを有するDelipidローディング物質は、同じ量のNaClで7のpHを有するDelipidローディング物質と比較して、最低レベルの不純物を有し、0及び20mM NaClでpH7で開始したDelipidローディング物質(Table 43(表43))と比較して、宿主細胞タンパク質レベルにおいておよそ1log減少をもたらした(Table 45(表45))。150mM NaClを含むDelipidローディング物質を使用した場合に、結果は、ろ過物中の宿主細胞タンパク質レベルにおける0.2log減少であった。Delipidデプスフィルターを通して通過させた場合に、NaClの添加なしで6のpHを有するDelipidデプスフィルターのローディング物質は、最高の可溶性タンパク質凝集物及び宿主細胞タンパク質除去/クリアランスを有していたことをデータは示す。
(実施例7)
抗体回収及び不純物クリアランスを最大にする深層ろ過の最適化
更なるセットの実験を実施して、抗体回収を至適化し、不純物(宿主細胞タンパク質及び可溶性タンパク質凝集物)を除去する試みにおいて異なるDelipidデプスフィルターのローディング条件を検査した。
材料及び方法
単回のバイオリアクター培養から得られたAlexion1210の二パラトープ抗体を含む清澄化された培養培地を、これらの実験に使用した。GE Healthcare培地(カタログ番号17-5438-05、ロット番号10037980)からのMabSelect(商標)SuRe(商標)を使用して、106mLのカラム容量を有する2.5cm×20cmカラムを調製した。3M Zeta Plus Delipidデプスフィルター(カタログ番号BC0025LDELI08A、ロット番号43720及び43534)を使用して深層ろ過の工程を実施した。Explorer及びAvant自動液体クロマトグラフィーシステムを使用してプロテインAカラムクロマトグラフィーを実施した。Orion Rossウルトラフラット表面pHプローブ(Sx1-15902)及びpHメータを、pH4、7、及び10の緩衝剤で毎日の開始時に標準化して、pHを検出するため使用した。
この実施例において6つの異なる検査したプロセスにおいて使用される方法の概要を図14に示す。この実施例において使用されるプロテインAクロマトグラフィー及び深層ろ過法の概要をTable 46(表46)に示す。MabSelect(商標)SuRe(商標)クロマトグラフィーをTable 31(表31)及びTable 32(表32)に概説したように実施した(実施例5に示す)。実施例5に記載されるプロテインAクロマトグラフィー法とは対照的に、この実施例の実験において抗体を、25mM酢酸ナトリウム、pH3.7を用いてプロテインAカラムから溶出した。
低pH工程を実施して、ウイルスを不活性化した。低pHウイルス不活性化をTable 38(表38)に要約されるプロトコールを用いて実施した(実施例6に示す)。中和を、1.0M Trisベースを用いて実施した。
低pHウイルス不活性化プロトコール後、抗体を含む溶液をZeta Plus Delipidデプスフィルター(25cm2のろ過面積)を通してろ過した。抗体を含む溶液を、>200L/m2でDelipidデプスフィルターにローディングした。ろ過を、150LMHで実施した。50L/m2の回収フラッシュを、フラッシュ緩衝剤(50mMリン酸ナトリウム、pH6)を用いて遂行した。Delipid深層ろ過を、以下のTable 47(表47)に示される条件を用いて実施した。
結果
Table 48(表48)及びTable 49(表49)は、プロテインA及び低pHウイルス不活性化データを示す。Table 50(表50)〜Table 52(表52)及び図15は、Delipid深層ろ過データを示す。これらのデータは、Zeta Plus Delipidフィルターが、≦275g/m2でローディングして抗体の精製を至適化しうることを示す。
他の実施形態
本発明は、その詳細な説明と共に記載されている一方で、前述の説明は、例示することを意図しており、本発明の範囲は限定されず、添付の特許請求の範囲により定義されることが理解される。他の態様、利点、及び修飾は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。