JP6782936B1 - 構造物の状態判別モデル作成方法及びその作成システム - Google Patents

構造物の状態判別モデル作成方法及びその作成システム Download PDF

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Abstract

【課題】 構造物の現在状態が正常か異常かを精度良く判別できる状態判別モデルの作成方法及びその作成システムを提供すること。【解決手段】 構造物から位置情報とともに測定された位置情報付き物理量データを入力して診断を行う構造物の状態判別モデルの作成方法及びその作成システムである。本発明のシステムは、構造物の構造解析モデルを内蔵したデータ生成装置及び状態判別モデルを作成するモデル作成装置を含む演算ユニットと、データ生成装置で生成された位置情報付き物理量データを記憶するデータベースと、を備え、データ生成装置は、構造解析モデルの構造解析により正常状態及び異常状態における位置情報付き物理量データを得てデータベースに転送し、モデル作成装置は、上記物理量データを含むビッグデータに人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を適用することにより、構造物に対する状態判別モデルを作成する。【選択図】図1

Description

本発明は、構造物から位置情報とともに測定された位置情報付き物理量データを入力して当該位置情報付き物理量データの診断を行う構造物の状態判別モデル作成方法及びその作成システムに関する。
建築物等の構造物は、付近を走行する交通手段等から発生される定常的な振動や、地震等の非定常的な振動を受けることにより、疲労や経年による劣化が生じることがある。実際の構造物設計は、経年による劣化や地震等の突発的に大きな振動にも長期にわたって耐え得るように振動データを用いた構造解析等を用いて行われることが多い。
このように大型の構造物に対して、数値シミュレーションによる解析を利用した設計を行うためのデータを取得する振動試験技術として、振動の実測値に数値シミュレーションによる構造解析を組み合わせて、振動の入力に対する構造物の応答特性や損傷の予測を行う手法が知られている。そして、これらの予測データを用いたCAEによる具体的な構造物の設計も実用化されている。
CAEによる構造物の設計を行う際には、多くの場合、CADを用いて作成した構造物の解析モデルを用いて振動解析等を行い、その解析結果を実際の構造物の設計データに反映する手法が取られている。この手法によれば、実際の構造物あるいはこれを模した物を作製しなくても形状や材質等の設計変更を容易に行うことが可能となる。
このような解析モデルを作成あるいは改良する手法として、例えば、特許文献1には、モデルを定められた大きさの要素に分割する過程と、このモデルの要素に関する節点座標ベクトルに関する節点座標ベクトルについて固有値解析を行って固有ベクトルを算出する過程と、算出された固有ベクトルから形状の変更の候補を定める設計変数を生成する過程と、生成された設計変数を用いて構造最適化の解析を行う過程と、この構造最適化の結果を出力する過程と、を有するモデルの形状を修正して構造の最適化を行う設計システムにおける構造最適化方法が開示されている。この方法によれば、設計変更を行う際の設計変数の設定をコンピュータが自動で行うため、設計者のスキルに依存せずに最適な形状を導き出すことができるとされている。
また、特許文献2には、既存解析モデルが複数の部分解析モデルからなる複合的解析モデルである場合に、この複合的解析モデルについて、上記部分解析モデルのいずれかを変更対象部分解析モデルとして加えた形状変更を当該変更対象部分解析モデルに隣り合う隣接部分解析モデルに反映させることで、この隣接部分解析モデルに上記形状変更と連動した形状変更を加える連動変更処理を行う隣接部分解析モデル連動部を備えた、既存解析モデルに所望の形状変更を加えることで目的の解析モデルの作成を行う解析モデル作成システムが開示されている。このシステムによれば、既存解析モデルを利用して目的の複合的解析モデルを作成する場合に、部分的な形状変更等に伴うメッシュの歪み等を抑制して、目的解析モデルの生成をより省力的に行うことができるとされている。
特開2002−149717号公報 特開2008−52336号公報
従来のCADを用いた解析モデルの作成は、設計対象の構造物に類似した構造物の設計データを流用あるいは参考にして実行されることが多く、例えば、従来の構造物の設計データや振動解析データ等を集約したビッグデータを用いて、統計学的手法等を応用して設計する手法が考えられる。こうした従来の構造物の設計データや振動解析データ等をベースに設計を行った解析モデルでは、その構造物が正常に動作あるいは機能している状態での測定データが適用されるため、例えば振動データを入力した場合の演算結果では、その結果が異常であるかどうかの判別はできない。
このため、解析モデルによる演算結果から構造物の現在状態が正常か異常かを判別するためには、構造物の破壊限界等の具体的な異常時の測定データを取得しておき、解析モデルによる演算結果と当該異常時の測定データとを対比する手法が考えられる。しかしながら、このような異常時のデータを取得することは極めて困難であるため、あくまでも構造物が正常に動作あるいは機能している状態での測定データを基準に判別することとなり、結果として構造物の現在状態の判別精度を犠牲にせざるを得ないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、構造物から位置情報とともに測定された位置情報付き物理量データを入力とし、その構造物の現在状態が正常か異常かを精度良く判別できる状態判別モデルの作成方法及びその作成システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明による、構造物から位置情報とともに測定された位置情報付き物理量データを入力して当該位置情報付き物理量データの診断を行う構造物の状態判別モデル作成方法は、前記構造物の構造解析モデルに模擬データを入力して構造解析による演算を行うことにより正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び異常状態における前記位置情報付き物理量データを得て、その後、得られた前記正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び前記異常状態における前記位置情報付き物理量データを含むビッグデータに人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を適用することにより、前記構造物の状態判別モデルを作成することを特徴とする。
また、本発明による、構造物から位置情報とともに測定された位置情報付き物理量データを入力して当該位置情報付き物理量データの診断を行う構造物の状態判別モデルの作成システムは、前記構造物の構造解析モデルを内蔵したデータ生成装置及び状態判別モデルを作成するモデル作成装置を含む演算ユニットと、前記データ生成装置で生成された前記位置情報付き物理量データを記憶するデータベースと、を備え、前記データ生成装置は、前記構造解析モデルに模擬データを入力して構造解析による演算を行うことにより正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び異常状態における前記位置情報付き物理量データを得て前記データベースに転送し、前記モデル作成装置は、前記正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び前記異常状態における前記位置情報付き物理量データを含むビッグデータに人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を適用することにより、前記構造物に対する状態判別モデルを作成することを特徴とする。
かかる発明によれば、構造解析で得られた構造物の正常状態における位置情報付き物理量データ及び異常状態における位置情報付き物理量データを含むビッグデータに対して、人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を適用して当該構造物の状態判別モデルを作成することにより、作成された状態判別モデルは、異常状態における位置情報付き物理量データを考慮した演算結果が得られるため、その構造物の現在状態が正常か異常かを精度良く判別できる。
本発明の代表的な一例による構造物の状態判別モデルの作成システムを示す概要図である。 図1で示した解析モデルの構成を示す概略図であって、図2(a)は構造解析モデルを示し、図2(b)は状態判別モデルを示す。 本発明の代表的な一例による構造物の状態判別モデルの作成方法が実行する手順を示すフローチャートである。 本発明による構造物の状態判別モデルの作成システムの代表的な適用例を示す概略図である。
以下、本発明の代表的な一例による構造物の状態判別モデルの作成方法及びその作成システムについて図面を用いて説明する。
図1は、本発明の代表的な一例による構造物の状態判別モデルの作成システムを示す概要図である。また、図2は、図1で示した解析モデルの構成を示す概略図であって、図2(a)は構造解析モデルを示し、図2(b)は状態判別モデルを示す。本発明の代表的な一例による構造物の状態判別モデルの作成システム100は、測定対象となる構造物から位置情報とともに位置情報付き物理量データを測定するセンサ110と、構造物の異常を判別するための状態判別モデルを作成する演算ユニット120と、位置情報付き物理量データを格納するデータベース130と、を含む。また、作成システム100は、後述する図4に示すように、測定の開始指令やセンサ110による測定条件を設定するための入力装置140と、この入力装置140によって入力された測定条件や構造物の各種情報さらには判別結果等を表示する表示装置150と、を含むように構成してもよい。
ここで、本明細書において、「位置情報付き物理量データ」とは、所定のセンサで位置情報とともに取得可能な物理量であって、例えば、構造物の所定の位置における応力、温度や、構造物の周囲の特定位置における流体の圧力、密度、流量、あるいは構造物の周囲の特定位置における電磁力、音量、放射線量等が例示できる。すなわち、本明細書における「位置情報付き物理量データ」は、複数の位置ごとの物理量データをコンター図(等高線図)等で表現できる値として定義できる。
このような物理量データを用いることにより、構造物あるいはその周辺の位置ごとの物理量データから、その数値の高低あるいは密度の分布を得ることができるため、構造物の異常診断における異常箇所を特定することが可能となる。また、「位置情報付き物理量データ」は、位置情報の他に測定時刻等の他の固有情報を追加的に含ませてもよい。
センサ110は、上述のとおり、構造物自体あるいは構造物周辺の位置ごとの位置情報付き物理量データを測定できる構造を有するものであって、構造物の測定箇所に直接取り付けて測定するタイプや、構造物に対して非接触で平面的あるいは空間的に検知できるタイプのいずれのものも適用できるが、例えば、圧電センサやひずみセンサ、あるいは赤外線センサ等が用いられる。また、図1に示す具体例において、センサ110は、測定した位置情報付き物理量データを、接続線112を介して演算ユニット120に送信する。
演算ユニット120は、測定対象である構造物を模擬した構造解析モデルSMを含むデータ生成装置122と、データベース130に格納された位置情報付き物理量データを用いて状態判別モデルDMを生成するモデル作成装置124と、を含む。なお、演算ユニット120は、図1に示す構造物の状態判別モデルの作成システム100全体の動作を制御する中央制御装置(図示せず)を含んでもよい。
データベース130は、正常状態における位置情報付き物理量データ134及び異常状態における位置情報付き物理量データ136を含むビッグデータ132を格納する記憶手段として構成される。正常状態における位置情報付き物理量データ134及び異常状態における位置情報付き物理量データ136は、上記したデータ生成装置122の構造解析モデルSMで出力されたものや、同一の構造物について過去に取得された実際のデータ、あるいは対象となる構造物に類似する構造物で故障等の異常が発生した際のデータ等、様々な条件あるいは環境で生成又は測定されたものを含み得る。
ここで、データベース130は、ビッグデータ132として、位置情報付き物理量データとともに当該位置情報付き物理量データを測定したセンサ110ごとの判別結果が異常であった場合の異常発生範囲や発生時刻、あるいはその異常の深刻度といった情報を付加して保存しておいてもよい。これらの追加情報は、構造解析モデルSMで正常状態における位置情報付き物理量データ134あるいは異常状態における位置情報付き物理量データ136を生成する際や、状態判別モデルDMを作成する際に参照される。
演算ユニット120に含まれるデータ生成装置122は、構造解析モデルSMに模擬データ(例えばセンサ110からの入力用データ等)を入力し、数値演算による結果を位置情報付き物理量データとしてデータベース130に出力する。ここで、図2(a)に示すように、構造解析モデルSMは、例えば有限要素法等の数値解析手法によって構造物を模擬したモデルであって、CAE等による構造物の設計図面に基づいて、当該構造物に欠陥等の不良がない正常構造解析モデルSM1と構造物の一部に意図的に欠陥等の不良部分を形成した異常構造解析モデルSM2とを含むものとして構成される。
データ生成装置122の構造解析モデルSMから出力された位置情報付き物理量データは、正常構造解析モデルSM1の演算結果による正常状態における位置情報付き物理量データ134と、異常構造解析モデルSM2の演算結果による異常状態における位置情報付き物理量データ136とを含むビッグデータ132として、データベース130に送信される。なお、データ生成装置122は、異常状態における位置情報付き物理量データ136の出力値が所定の閾値を超えた場合に、当該異常状態における位置情報付き物理量データ136に異常の深刻度を示す情報を追加する機能をさらに有してもよい。このとき、異常状態における位置情報付き物理量データ136には、上記不良部分の重要度あるいは深刻度に応じて、異常の重みづけを示すデータがさらに付加されてもよい。
通常、正常状態における位置情報付き物理量データ134は、構造物が正常に機能あるいは動作している場合に出力されるデータであるため、構造物の設計データをそのまま適用したモデルを用いて演算することができる。一方、異常状態における位置情報付き物理量データ136は、構造物に敢えて異常な箇所や過負荷等が発生した状態を模擬しなければ取得が困難である。そこで、本発明では、例えば異常構造解析モデルSM2として、構造解析モデルの一部に意図的に不良部分を含ませたものを作成し、これに模擬データを入力して構造解析による演算を行うことにより異常状態における位置情報付き物理量データ136を得る。このとき、上記した不良部分は、構造解析モデルの複数箇所に設けてもよい。
また、異常状態における位置情報付き物理量データ136を得る手法として、異常構造解析モデルSM2に過大あるいは過小な模擬データを入力した状態で、構造解析による演算を行って得るようにしてもよい。これらの手法により、様々なパターンの異常状態における位置情報付き物理量データ136を模擬的に取得することが可能となる。
一方、モデル作成装置124は、後述するデータベース130にアクセスしてビッグデータ132から正常状態における位置情報付き物理量データ134及び異常状態における位置情報付き物理量データ136を読み込み、これらの位置情報付き物理量データに対して人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を適用することにより、構造物に対応した状態判別モデルDMを作成する。ここで、モデル作成装置124では、状態判別モデルDMを作成するにあたり、多量の位置情報付き物理量データからなるビッグデータ132を用いて、統計解析を中心とした手法や、データマイニング、機械学習、ディープラーニング等のニューラルネットワークを応用した手法等の様々な手法を組合せて適用することができる。また、モデル作成装置124は、随時更新されるビッグデータ132に定期的にアクセスして、状態判別モデルDMを修正あるいは更新するようにしてもよい。
状態判別モデルDMは、図2(b)に示すように、入力した位置情報付き物理量データが構造物の特定の位置に負荷された際に周辺の位置へ伝播した場合の分布状態を演算する負荷伝播モデルDM1と、入力した位置情報付き物理量データ及びその負荷が伝播した分布状態に基づいて構造物に与える負荷や変位等を演算する状態出力モデルDM2とを含むものとして構成される。なお、本実施例では、負荷伝播モデルDM1と状態出力モデルDM2とを別々のモデルとして定義した場合を例示しているが、構造物を模擬したモデルを共通化し、当該モデルに上記した出力位置情報付き物理量データを演算する機能と構造物の状態出力を演算する機能とを持たせるように構成してもよい。
負荷伝播モデルDM1は、多数の位置情報付き物理量データの取得位置ごとに対応する正常状態における位置情報付き物理量データ134及び異常状態における位置情報付き物理量データ136をそれぞれ予め読込み、これらに人工知能を含む機械学習および統計学的手法を適用して演算ルールを生成する。その結果として、例えば、構造物を模したモデルの所定の入力位置に何らかの位置情報付き物理量データ(センサ110で測定された負荷値)を入力した際に、その負荷値が構造物内を伝播して所定の出力位置に出力した場合の出力位置情報付き物理量データを演算して負荷分布として出力する。このとき、負荷伝播モデルDM1は、演算した負荷分布のうちの特定の位置情報付き物理量データが所定の閾値を超えたか否かで正常か異常かを判別したり、あるいは既にデータベース130に保存されている正常状態における位置情報付き物理量データ134又は異常状態における位置情報付き物理量データ136と対比して正常か異常かを判別し、その情報を出力する負荷分布に付加する機能を有してもよい。
一方、状態出力モデルDM2は、多数のセンサ110から取得された位置情報付き物理量データをそれぞれ負荷伝播モデルDM1に与えて演算させた結果や、データベース130に格納されている構造物の診断結果に対する付加的情報(例えば、異常状態における位置情報付き物理量データと判別された際の構造物全体への影響度、あるいは異常状態における位置情報付き物理量データの深刻度等)を入力として、これらの位置情報付き物理量データに人工知能を含む機械学習および統計学的手法を適用して演算ルールを生成する。その結果として、例えば、センサ110で測定された位置情報付き物理量データを入力した際に、その測定位置や測定時刻等の固有情報を参照して、入力された位置情報付き物理量データが構造物の形状や材質等の特性に照らして正常状態にあるのか、あるいは異常状態にあるのかを演算して出力する。
このとき、状態出力モデルDM2は、上記した付加的情報を考慮して、構造物における異常の発生部位(範囲)やその深刻度を判別する。また、状態出力モデルDM2は、複数位置での位置情報付き物理量データを同時に入力し、これら複数位置の演算結果を構造物全体の評価として統合する機能を有するように構成してもよい。
図3は、本発明の代表的な一例による構造物の状態判別モデルの作成方法が実行する手順を示すフローチャートである。図3に示すように、演算ユニット120は、まず構造解析モデルSMに入力される模擬データとしての位置情報付き物理量データを取得する(ステップS1)。このとき、模擬データとしては、例えば構造物に取り付けた1つあるいは複数のセンサ110から取得されたものを適用できる。
続いて、演算ユニット120のデータ生成装置122は、構造解析モデルSMの正常構造解析モデルSM1を読み出し(ステップS2)、当該正常構造解析モデルSM1にステップS1で取得した模擬データを入力して正常状態における位置情報付き物理量データ134を演算させ、データベース130に出力する(ステップS3)。
次に、データ生成装置122は、構造解析モデルSMの異常構造解析モデルSM2を読み出し(ステップS4)、当該異常構造解析モデルSM2に同じくステップS1で取得した模擬データを入力して異常状態における位置情報付き物理量データ136を演算させ、データベース130に出力する(ステップS5)。このとき、異常構造解析モデルSM2を複数用意しておき、1つの模擬データから複数の異常状態における位置情報付き物理量データを生成するようにしてもよい。そして、データベース130は、データ生成装置122から出力された正常状態における位置情報付き物理量データ134及び異常状態における位置情報付き物理量データ136をビッグデータ132に追加してデータを更新する(ステップS6)。
続いて、演算ユニット120は、モデル作成装置124にデータベース130から正常状態における位置情報付き物理量データ134及び異常状態における位置情報付き物理量データ136を含むビッグデータ132を読み込む(ステップS7)。このとき、読み込まれる位置情報付き物理量データは、ビッグデータ132のすべてを読み込んでも良いし、例えば構造物の特定箇所に模擬データを入力した場合のデータのみ等の所定のフィルタリングをかけたものを読み込んでも良い。
次に、モデル作成装置124は、読み込んだ正常状態における位置情報付き物理量データ134及び異常状態における位置情報付き物理量データ136に対して、人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を適用することにより、構造物に対応した状態判別モデルDMを作成し(ステップS8)、状態判別モデルDMの作成を終了する。このとき、対象となる構造物に対して状態判別モデルDMを新規に作成した場合はこれを新たに保存し、既に作成された状態判別モデルDMを保有している場合は、既存のモデルに対して新たに作成したモデルを上書き更新して保存する。これにより、本発明による構造物の状態判別モデルの作成方法では、正常状態における位置情報付き物理量データだけでなく、構造物に対する異常状態における位置情報付き物理量データをも考慮した状態判別モデルが作成される。
図4は、本発明による構造物の状態判別モデルの作成システムの代表的な適用例を示す概略図である。図4に示すように、本発明による構造物の状態判別モデルの作成システム100は、例えば、トンネル10やビル20等の建築物、あるいは走行するバス30や航空機、船舶等の輸送手段に適用可能である。本実施例において、作成システム100のセンサ110は、トンネル10やビル20の壁面あるいはバス30の車体等に直接取り付けられるか、又はこれらから非接触で平面的あるいは空間的に測定可能な箇所に取り付けられる。
なお、センサ110からの信号は、図1に示すように演算ユニット120と接続線112を介して有線で送信されても良いし、図4に示すように電磁波等の無線接続により送信されてもよい。これにより、位置情報付き物理量データの測定位置が演算ユニット120から離れた遠隔地にあった場合であっても、当該遠隔地で測定されたデータを用いて構造物の状態判別モデルを作成することができる。
センサ110で取得された位置情報付き物理量データは演算ユニット120に送信され、この位置情報付き物理量データを受信した演算ユニット120において、図3に示した手順にしたがって測定対象である構造物の状態判別モデルの作成を実行する。ここで、演算ユニット120は、作成した状態判別モデルDMを用いて、センサ110で測定した位置情報付き物理量データが正常であるか異常であるかの診断を行ったり、あるいは測定した位置情報付き物理量データを用いて構造物の現在状態を判別する判別装置(図示せず)をさらに含むように構成してもよい。このとき、判別装置は、構造物における異常の発生部位(範囲)やその深刻度を判別する機能を有するのが好ましい。
また、演算ユニット120は、上記した判別装置において診断した位置情報付き物理量データが異常と判別された場合に、警報を発する警報装置(図示せず)をさらに含むように構成してもよい。警報装置としては、例えば、ブザーやサイレン等の音声によるものや、ランプあるいはモニター等の表示によるもの、さらにはこれらを組合せたもの等が適用できる。
さらに、測定対象が移動する輸送手段等の場合には、図4に示した状態判別モデルの作成システム100を構造物(バス30等の輸送手段)に搭載するように構成してもよい。このような構成であれば、測定した位置情報付き物理量データを遠隔地に送信するのが困難な環境であっても、常時最新の位置情報付き物理量データに基づいて状態判別モデルDMを作成あるいは更新することが可能となる。
このとき、構造物に演算ユニット120のみを搭載する軽量な構成を選択してもよい。このような軽量な構成であれば車載機器等の1機能として構成することも可能となる。
以上のような構成を備えることにより、本発明による構造物の状態判別モデルの作成方法及びその作成システムは、データベースに格納されている正常状態における位置情報付き物理量データ及び異常状態における位置情報付き物理量データを含むビッグデータに基づいて、人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を用いることにより状態判別モデルを作成する。このため、作成された状態判別モデルは、正常状態のデータに加えて異常状態におけるデータを考慮した演算結果が得られることにより、その構造物の現在状態が正常か異常かを精度良く判別できる。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれらの例に限定されるものではない。また、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
例えば、上記した具体例では、データ生成装置が実行する判別において、演算結果が所定の閾値を超えた場合に現在状態が異常であると判別したものを例示したが、例えば上記所定の閾値を段階的に設定し、第1の閾値を超えたときは異常の前兆として把握し、第2の閾値を超えたときに異常を判別するようにしてもよい。これにより、構造物に異常が発生する場合の予兆を把握することが可能となる。
10 トンネル
20 ビル
30 バス
100 構造物の状態判別モデルの作成システム
110 センサ
112 接続線
120 演算ユニット
122 データ生成装置
124 モデル作成装置
130 データベース
132 ビッグデータ
134 正常状態における位置情報付き物理量データ
136 異常状態における位置情報付き物理量データ
140 入力装置
150 表示装置

Claims (8)

  1. 構造物から位置情報とともに測定された位置情報付き物理量データを入力して当該位置情報付き物理量データの診断を行う構造物の状態判別モデル作成方法であって、
    前記構造物の構造解析モデルに模擬データを入力して構造解析による演算を行うことにより正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び異常状態における前記位置情報付き物理量データを得て、
    その後、得られた前記正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び前記異常状態における前記位置情報付き物理量データを含むビッグデータに人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を適用することにより、前記構造物の状態判別モデルを作成し、
    前記異常状態における前記位置情報付き物理量データは、前記構造解析モデルに過大あるいは過小な模擬データを入力した状態で、構造解析による演算を行って得られたものであることを特徴とする構造物の状態判別モデル作成方法。
  2. 前記異常状態における前記位置情報付き物理量データは、前記構造解析モデルの一部に意図的に不良部分を含ませた状態で、構造解析による演算を行って得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の構造物の状態判別モデル作成方法。
  3. 前記不良部分は、前記構造解析モデルの複数箇所に設けられたものであることを特徴とする請求項2に記載の構造物の状態判別モデル作成方法。
  4. 前記異常状態における前記位置情報付き物理量データの出力値が所定の閾値を超えた場合に、当該異常状態における前記位置情報付き物理量データに異常の深刻度を示す情報を追加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造物の状態判別モデル作成方法。
  5. 構造物から位置情報とともに測定された位置情報付き物理量データを入力して当該位置情報付き物理量データの診断を行う構造物の状態判別モデルの作成システムであって、
    前記構造物の構造解析モデルを内蔵したデータ生成装置及び状態判別モデルを作成するモデル作成装置を含む演算ユニットと、前記データ生成装置で生成された前記位置情報付き物理量データを記憶するデータベースと、を備え、
    前記データ生成装置は、前記構造解析モデルに模擬データを入力して構造解析による演算を行うことにより正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び異常状態における前記位置情報付き物理量データを得て前記データベースに転送し、
    前記モデル作成装置は、前記正常状態における前記位置情報付き物理量データ及び前記異常状態における前記位置情報付き物理量データを含むビッグデータに人工知能を含む機械学習及び統計学的手法を適用することにより、前記構造物に対する状態判別モデルを作成し、
    前記データ生成装置は、前記構造解析モデルに過大あるいは過小な模擬データを入力した状態で構造解析による演算を行うことにより、前記異常状態における前記位置情報付き物理量データを得ることを特徴とする構造物の状態判別モデルの作成システム。
  6. 前記構造解析モデルは、その一部に意図的に不良部分を含むことを特徴とする請求項に記載の構造物の状態判別モデルの作成システム。
  7. 前記不良部分は、前記構造解析モデルの複数箇所に設けられたものであることを特徴とする請求項に記載の構造物の状態判別モデルの作成システム。
  8. 前記データ生成装置は、前記異常状態における前記位置情報付き物理量データの出力値が所定の閾値を超えた場合に、当該異常状態における前記位置情報付き物理量データに異常の深刻度を示す情報を追加する機能をさらに有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の構造物の状態判別モデルの作成システム。
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山下 拓三 TAKUZO YAMASHITA: "深層学習を用いた鋼構造骨組の損傷ブレース部材の推定", 計算工学講演会論文集 第23巻 [CD−ROM] PROCEEDINGS OF THE CONFERENCE ON COMPUTATIONAL ENG, JPN6020031213, 6 June 2018 (2018-06-06), ISSN: 0004332173 *

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