JP6782460B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は、非水電解質二次電池に関する。
近年、非水電解質二次電池には、長時間の使用が可能となるような高容量化や、比較的短時間に大電流充放電を繰り返すことが可能となるような出力特性の向上が求められている。
例えば、特許文献1には、正極活物質としての母材粒子の表面に周期律表の第3族の元素を存在させることにより、充電電圧を高くした場合においても正極活物質と電解液の反応を抑制することができ、充電保存特性の劣化を抑制できることが示唆されている。
特許文献2には、正極活物質中にマグネシウム(Mg)を固溶させることにより、正極の結晶性が低下し、放電性能を改善できることが示唆されている。
国際公開第2005/008812号 国際公開第2014/097569号
しかし、上記特許文献1及び2に開示されている技術を用いても、充放電サイクル後の電池の直流抵抗(DCR:Direct Current Resistance、以後、DCRと呼ぶ場合がある)が上昇する、即ち出力特性が低下することが分かった。
そこで、本開示の目的は、充放電サイクル後のDCRの上昇を抑制することができる非水電解質二次電池を提供することである。
本開示に係る非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池であって、正極の正極活物質は、リチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子が凝集して形成された二次粒子と、希土類化合物の一次粒子が凝集して形成された二次粒子とを含む。希土類化合物の二次粒子は、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子の表面において、隣接するリチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子間に形成された凹部に付着し、且つ当該凹部を形成する当該各一次粒子に付着しており、リチウム含有遷移金属酸化物には、マグネシウムが固溶していることを特徴とする。
本開示に係る非水電解質二次電池によれば、充放電サイクル後のDCRの上昇を抑制することができる。
図1は、実施形態の一例である非水電解質二次電池の正面図である。 図2は、図1中のAA線断面図である。 図3は、実施形態の一例である正極活物質粒子及び当該粒子の一部を拡大して示す断面図である。 図4は、従来の正極活物質粒子の一部を拡大して示す断面図である。 図5は、従来の正極活物質粒子の一部を拡大して示す断面図である。
図面を参照しながら、実施形態の一例について以下詳細に説明する。
本開示は実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。また、実施形態の説明で参照する図面は、模式的に記載されたものである。
図1は、実施形態の一例である非水電解質二次電池11を示す図である。
図1及び図2に示すように、非水電解質二次電池11は、正極1と、負極2と、非水電解質(不図示)とを備える。正極1及び負極2は、セパレータ3を介して巻回され、セパレータ3と共に扁平型電極群を構成している。非水電解質二次電池11は、正極集電タブ4、負極集電タブ5と、周縁同士がヒートシールされた閉口部7を有するアルミラミネート外装体6とを備える。扁平型電極群及び非水電解質は、アルミラミネート外装体6内に収容されている。そして、正極1は正極集電タブ4に接続され、負極2は負極集電タブ5に接続され、二次電池として充放電可能な構造となっている。
図1及び図2に示す例では、扁平型電極群を含むラミネートフィルムパック電池を示しているが、本開示の適用はこれに限定されない。電池の形状は、例えば円筒形電池、角形電池、コイン電池等であってもよい。
以下、非水電解質二次電池11の各構成要素について詳説する。
[正極]
正極は、例えば金属箔等の正極集電体と、正極集電体上に形成された正極活物質層とで構成される。正極集電体には、アルミニウムなどの正極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。正極合材層は、正極活物質の他に、導電材及び結着材を含むことが好適である。正極は、例えば正極集電体上に正極活物質、導電材、及び結着材等を含む正極合材スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧延して正極合材層を集電体の両面に形成することにより作製できる。
導電材は、正極活物質層の電気伝導性を高めるために用いられる。導電材としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料が例示できる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
結着材は、正極活物質及び導電材間の良好な接触状態を維持し、且つ正極集電体表面に対する正極活物質等の結着性を高めるために用いられる。結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が例示できる。また、これらの樹脂と、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩(CMC−Na、CMC−K、CMC-NH4等、また部分中和型の塩であってもよい)、ポリエチレンオキシド(PEO)等が併用されてもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
以下、図3を参照しながら、実施形態の一例である正極活物質粒子について詳説する。
図3は、実施形態の一例である正極活物質粒子及び当該粒子の一部を拡大して示す断面図である。
図3に示すように、正極活物質粒子は、リチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子20が凝集して形成されたリチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21と、希土類化合物の一次粒子24が凝集して形成された希土類化合物の二次粒子25とを含む。そして、希土類化合物の二次粒子25は、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の表面において、隣接するリチウム含有遷移金属酸化物の各一次粒子20の間に形成された凹部23に付着し、且つ凹部23を形成する各一次粒子20に付着している。さらに、正極活物質粒子を構成するリチウム含有遷移金属酸化物にはマグネシウム(Mg)が固溶している。リチウム含有遷移金属酸化物に固溶するMgの濃度は、リチウムを除く金属元素の総モル量に対して0.03mol%以上0.5mol%以下であることが好ましい。
ここで、希土類化合物の二次粒子25が凹部23を形成するリチウム含有遷移金属酸化物の各一次粒子20に付着しているとは、凹部23において隣接する少なくとも2つの一次粒子20の表面に二次粒子25が付着した状態を意味する。本実施形態の正極活物質粒子は、例えばリチウム含有遷移金属酸化物の粒子断面を見たときに、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の表面において隣接する2つの一次粒子20の両方の表面に、希土類化合物の二次粒子25が付着している。希土類化合物の二次粒子25の一部が、凹部23以外の二次粒子21の表面に付着していてもよいが、二次粒子25の殆ど、例えば80%以上、又は90%以上、又は実質的に100%が凹部23に存在する。
本実施形態の正極活物質粒子によれば、隣接するリチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子20の両方に付着した希土類化合物の二次粒子25により、充放電サイクルにおける一次粒子20の表面変質が抑制され、正極活物質粒子の割れが抑制される。加えて、希土類化合物の二次粒子25は、隣接する一次粒子20同士を固定(接着)する効果も有していると考えられるため、充放電サイクルにおいて正極活物質が膨張収縮を繰り返しても、凹部23における一次粒子界面からの割れが抑制される。
さらに、リチウム含有遷移金属酸化物にMgを固溶させることで、二次粒子21の内部における一次粒子20の界面の変質、割れを抑制することができる。即ち、二次粒子21の表面における一次粒子20の界面の劣化を希土類化合物が、二次粒子21の内部における一次粒子20の界面の劣化をMgがそれぞれ抑制すると考えられる。ゆえに、充放電サイクル後のDCR上昇を抑制することができ、出力特性の低下を抑制することができる。
上記希土類化合物としては、希土類の水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物、炭酸化合物、リン酸化合物及びフッ素化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
希土類化合物を構成する希土類元素は、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムから選択される少なくとも1種である。これらの中でも、ネオジム、サマリウム、エルビウムが特に好ましい。ネオジム、サマリウム、エルビウムの化合物は、他の希土類化合物に比べて、例えばリチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の表面(一次粒子20の界面)で生じ得る表面変質の抑制効果が特に優れる。
上記希土類化合物の具体例としては、水酸化ネオジム、水酸化サマリウム、水酸化エルビウム等の水酸化物、オキシ水酸化ネオジム、オキシ水酸化サマリウム、オキシ水酸化エルビウム等のオキシ水酸化物、リン酸ネオジム、リン酸サマリウム、リン酸エルビウム等のリン酸化合物、炭酸ネオジム、炭酸サマリウム、炭酸エルビウム等の炭酸化合物、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化エルビウム等の酸化物、フッ化ネオジム、フッ化サマリウム、フッ化エルビウム等のフッ素化合物などが挙げられる。
上記希土類化合物の一次粒子24の平均粒径としては、5nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上80nm以下であることがより好ましい。
上記希土類化合物の二次粒子25の平均粒径としては、100nm以上400nm以下であることが好ましく、150nm以上300nm以下であることがより好ましい。二次粒子25の平均粒径が大きすぎると、二次粒子25が付着するリチウム含有遷移金属酸化物の凹部23の数が減少し、高温サイクル後の容量維持率の低下が十分に抑制できない場合がある。一方、二次粒子25の平均粒径が小さすぎると、二次粒子25がリチウム含有遷移金属酸化物の凹部23において各一次粒子20と接触する面積が小さくなる。その結果、隣接する一次粒子20同士を固定(接着)する効果が小さくなり、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の表面の割れを抑制する効果が小さくなる場合がある。
上記希土類化合物の割合(付着量)は、リチウム含有遷移金属酸化物の総質量に対して希土類元素換算で、0.005質量%以上0.5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.3質量%以下であることがより好ましい。上記割合が過少であると、リチウム含有遷移金属酸化物の凹部23に付着する希土類化合物の量が少なくなるため、希土類化合物による上述の効果が十分に得られない場合がある。一方、上記割合が多すぎると、凹部23だけでなく、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の表面も希土類化合物によって覆われ、初期充放電特性が低下する場合がある。
リチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子20の平均粒径としては、100nm以上5μm以下であることが好ましく、300nm以上2μm以下であることがより好ましい。一次粒子20の平均粒径が小さすぎると、二次粒子21の内部も含めた一次粒子界面が多くなりすぎて、充放電サイクルにおける正極活物質の膨張収縮により、一次粒子の割れが発生し易くなる場合がある。一方、平均粒径が大きすぎると、二次粒子21の内部も含めた一次粒子界面の量が少なくなりすぎて、特に低温での出力が低下する場合がある。
リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の平均粒径としては、2μm以上40μm以下が好ましく、4μm以上20μm以下がより好ましい。二次粒子21の平均粒径が小さすぎると、正極活物質としての充填密度が低下し、高容量化が十分に図られない場合がある。一方、平均粒径が大きすぎると、特に低温での出力が十分に得られなくなる場合がある。なお、二次粒子21は、一次粒子20が結合(凝集)して形成されるため、一次粒子20が二次粒子21よりも大きいことはない。
平均粒径は活物質粒子の表面及び断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、例えばそれぞれ数十個の粒子の粒径を測定することにより求めた。また、希土類化合物の一次粒子の平均粒径とは活物質の表面に沿った大きさのことであり、厚さ方向ではない。
リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の中心粒径(D50)は、3μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましい。中心粒径(D50)は、光回折散乱法により測定することができる。中心粒径(D50)は、二次粒子21の粒径分布において体積積算値が50%のときの粒径を意味し、メジアン径(体積基準)とも呼ばれる。
リチウム含有遷移金属酸化物は、当該酸化物中に占めるニッケル(Ni)の割合が、リチウム(Li)を除く金属元素の総モル量に対して80モル%以上であることが好ましい。これにより、例えば正極の高容量化を図ることができ、また後述する一次粒子20の界面でのプロトン交換反応が生じ易くなる。リチウム含有遷移金属酸化物は、ニッケル(Ni)の他に、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)の少なくとも1種を含むことが好適である。好適なリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、リチウム含有ニッケルマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルトマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物等が挙げられる。リチウム含有ニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物としては、Ni、Co、Alのモル比が8:1:1、82:15:3、85:12:3、87:10:3、88:9:3、88:10:2、89:8:3、90:7:3、91:6:3、91:7:2、92:5:3、94:3:3等の組成のものを用いることができる。なお、これらは単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
Ni割合(Ni比率)が80モル%以上であるリチウム含有遷移金属酸化物では、3価のNiの割合が多くなるため、水中で水とリチウム含有遷移金属酸化物中のリチウムとのプロトン交換反応が起こり易くなる。そして、プロトン交換反応により生成したLiOHが、リチウム含有遷移金属酸化物の粒子内部から表面に大量に出てくる。これにより、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の表面において隣接するリチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子20の間におけるアルカリ(OH-)濃度が周囲より高くなる。このため、一次粒子20間に形成された凹部23のアルカリに引き寄せられるようにして希土類化合物の一次粒子24が凝集して二次粒子25を形成しながら付着し易くなる。一方、Ni割合が80モル%未満であるリチウム含有遷移金属複合酸化物では、3価のNiの割合が少なく、上記プロトン交換反応が起こりにくくなるため、一次粒子20間におけるアルカリ濃度は周囲と殆ど変わらない。このため、析出した希土類化合物の一次粒子24が結合して二次粒子25を形成したとしても、リチウム含有遷移金属酸化物の表面に付着する際には凹部23以外の部分(凸部)に付着し易くなる。
リチウム含有遷移金属酸化物は、高容量化等の観点から、当該酸化物中に占めるCoの割合が、Liを除く金属元素の総モル量に対して7モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。Coが過少になると、充放電時の構造変化が起こり易くなり、粒子界面での割れが生じ易くなる場合があるため、より一層、表面変質の抑制効果が発揮される。
リチウム含有遷移金属酸化物には、上記の通りMgが固溶している。リチウム含有遷移金属酸化物に固溶しているMgの濃度は、Liを除く金属元素の総モル量に対して0.03mol%以上0.5mol%以下が好ましく、0.05mol%以上0.3mol%以下がより好ましい。Mgの固溶量が過少であると、二次粒子21の内部における一次粒子20の界面の変質、割れを抑制する効果が現れにくくなる場合がある。一方、Mgの固溶量が多すぎると、正極活物質重量あたりの容量が減少する傾向が見られる。詳しくは後述するが、リチウム含有遷移金属酸化物におけるMgの固溶の有無及び固溶量(濃度)はエネルギー分散X線分光法(EDS)、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法、及びSEMを用いて確認できる。
リチウム含有遷移金属酸化物中のMgは、二次粒子21の全体に均一に固溶していてもよいが、好ましくは二次粒子21の表面付近に偏在している。即ち、二次粒子21中にはMgの濃度分布が存在することが好ましい。リチウム含有遷移金属酸化物に固溶するMgの濃度を二次粒子21の中心付近よりも表面付近で高くすることにより、DCR上昇に与える影響が大きい二次粒子21の表面付近における一次粒子20の界面の変質、割れを効率良く抑制することができる。
具体的には、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の表面から当該粒子の粒径の20%までの表層領域に固溶するMgの濃度は、当該粒子の他の領域に固溶するMgの濃度よりも高いことが好ましい。Mgは二次粒子21の表層領域のみに存在し、二次粒子21の他の領域には実質的に存在していなくてもよい。二次粒子21の他の領域とは、表層領域以外の領域であって、上記粒径の20%に対応する位置から二次粒子21の中心までの領域を意味する(以下、「中心領域」という場合がある)。ここで、二次粒子21の粒径は、SEM観察により得られる粒子画像に外接円を描き、当該外接円の直径を計測することで求めた。
上記表層領域に固溶するMgの濃度は、Liを除く金属元素の総モル量に対して0.03mol%以上0.5mol%以下が好ましく、0.05mol%以上0.4mol%以下がより好ましく、0.08mol%以上0.35mol%以下が特に好ましい。例えば、二次粒子21の全体におけるMgの固溶量(濃度)が0.03mol%である場合、表層領域に固溶するMgの濃度は0.03mol%を超えることが好ましく、当該濃度は二次粒子21の表面に近づくほど高くなることが好ましい。なお、二次粒子21の全体におけるMgの濃度はLiを除く金属元素の総モル量に対して0.03mol%以上であることが好適である。一方、上記表層領域に固溶するMgの濃度が高すぎると、固溶するMgの量が多すぎるため、初期充放電容量が低下する場合がある。
上記表層領域に固溶するMgの濃度は、EDS及びICP発光分析法を用いて測定(算出)できる。例えば、EDSにより得られた二次粒子21の断面のMgマッピング画像と、ICP発光分析法により測定されたMg含有量とに基づいて、二次粒子21の表層領域に固溶するMgの濃度を算出することができる。
リチウム含有遷移金属酸化物にMgを固溶させる方法としては、マグネシウム化合物とリチウム、ニッケル等の化合物を混合して焼成(熱処理)する方法、リチウム含有遷移金属酸化物に対してマグネシウム化合物を混合して焼成する方法などが例示できる。前者の方法によれば、二次粒子21の全体にMgを均一に固溶させることができる。後者の方法によれば、二次粒子21の表層領域に固溶するMgの濃度を中心領域に固溶するMgの濃度よりも高くすることができる。上記焼成は、500〜700℃の温度で行うことが好ましく、例えば酸素雰囲気下又は大気中で行われる。上記マグネシウム化合物は特に限定されず、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等を用いることができる。
リチウム含有遷移金属酸化物は、高温保存特性に優れた電池を得るという観点等から、リチウム含有遷移金属酸化物を水等で洗浄し、リチウム含有遷移金属酸化物の表面に付着しているアルカリ成分を除去することが好ましい。
リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の表面に希土類化合物を付着させる方法としては、例えばリチウム含有遷移金属酸化物を含む懸濁液に、希土類化合物を溶解した水溶液を加える方法が挙げられる。希土類化合物を溶解した水溶液をリチウム含有遷移金属酸化物を含む懸濁液に加える間、懸濁液のpHを11.5以上、好ましくはpH12以上の範囲に調整することが望ましい。この条件下で処理することで希土類化合物の粒子が二次粒子21の表面に偏在して付着した状態となり易い。一方、懸濁液のpHを6以上10以下にすると、希土類化合物の粒子が二次粒子21の表面全体に均一に付着した状態となり易い。また、pHが6未満になると、リチウム含有遷移金属酸化物の少なくとも一部が溶解する場合がある。
上記懸濁液のpHは11.5以上14以下、特に好ましくはpH12以上13以下の範囲に調整することが望ましい。pHが14より大きくなると、希土類化合物の一次粒子24が大きくなりすぎる場合がある。また、リチウム含有遷移金属酸化物の粒子内部にアルカリが過剰に残留し、正極合材スラリーの作製時にゲル化し易くなる場合があり、電池の保存安定性に影響を与えることも考えられる。
リチウム含有遷移金属酸化物を含む懸濁液に、希土類化合物を溶解した水溶液を加える際、単に水溶液を用いた場合には希土類の水酸化物として析出する。一方、十分に二酸化炭素を溶解させた水溶液を用いた場合には希土類の炭酸化合物として析出する。十分にリン酸イオンを懸濁液に加えた場合には、希土類のリン酸化合物をリチウム含有遷移金属酸化物の粒子表面に希土類化合物を析出させることができる。懸濁液中の溶解イオンを制御することで、例えば水酸化物とフッ化物が混ざった状態の希土類化合物も得られる。
希土類化合物が表面に付着したリチウム含有遷移金属酸化物は熱処理することが好ましい。熱処理を行うことにより、希土類化合物が一次粒子20の界面に強固に付着し、一次粒子20の界面で生じる表面変質の抑制効果、及び一次粒子20同士の接着効果が大きくなり、優れたDCRの抑制効果が得られ易くなる。
希土類化合物が表面に付着したリチウム含有遷移金属酸化物の熱処理は、真空下で行うことが好ましい。希土類化合物を付着させる際に用いた懸濁液の水分は、リチウム含有遷移金属酸化物の粒子内部にまで浸透しているが、リチウム含有遷移金属酸化物の凹部23に希土類化合物の二次粒子25が付着していると、乾燥時に内部からの水分が抜けにくくなる。このため、熱処理を真空下で行い、水分を効率良く除去することが好ましい。電池内に正極活物質から持ち込まれる水分量が増加すると、水分と非水電解質との反応で生成した生成物により活物質表面が変質する場合がある。
希土類化合物を含む水溶液としては、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酸化物、又は塩化物等を水を主成分とする溶媒に溶解したものを用いることができる。特に、希土類酸化物を用いる場合、硫酸、塩酸、硝酸などの酸に当該酸化物を溶解して得られた希土類の硫酸塩、塩化物、硝酸塩を含む水溶液であってもよい。
リチウム含有遷移金属酸化物と希土類化合物とを乾式で混合する方法を用いて、希土類化合物をリチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子表面に付着させた場合、希土類化合物の粒子が、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子表面にランダムに付着し易い。即ち、リチウム含有遷移金属酸化物の凹部23に希土類化合物を選択的に付着させることは難しい。また、乾式で混合する方法を用いた場合は、リチウム含有遷移金属酸化物に希土類化合物を強固に付着させることが難しく、一次粒子20同士を固着(接着)する効果が十分に得られない場合がある。例えば、正極活物質粒子を導電材及び結着材等と混合して正極合材を作製する際に、希土類化合物がリチウム含有遷移金属酸化物から脱落し易くなる場合がある。
正極活物質としては、上述のリチウム含有遷移金属酸化物の粒子を単独で用いる場合に限定されない。上述のリチウム含有遷移金属酸化物と他の正極活物質とを混合させて使用することも可能である。他の正極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・脱離可能な化合物であれば特に限定されず、例えば安定した結晶構造を維持したままリチウムイオンの挿入脱離が可能であるコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムなどの層状構造を有するもの、リチウムマンガン酸化物、リチウムニッケルマンガン酸化物などのスピネル構造を有するもの、オリビン構造を有するもの等を用いることができる。なお、正極活物質には、同一の粒径のものを用いてもよく、また異なる粒径のものを用いてもよい。
[負極]
負極は、例えば金属箔等からなる負極集電体と、当該集電体上に形成された負極合材層とで構成される。負極集電体には、銅などの負極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極合材層は、負極活物質の他に、結着材を含むことが好適である。負極は、例えば負極集電体上に負極活物質、結着材等を含む負極合材スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧延して負極合材層を集電体の両面に形成することにより作製できる。
負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出できるものであれば特に限定されず、例えば天然黒鉛、人造黒鉛等の炭素材料、ケイ素(Si)、錫(Sn)等のリチウムと合金化する金属、又はSi、Sn等の金属元素を含む合金、複合酸化物などを用いることができる。負極活物質は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
結着材としては、正極の場合と同様にフッ素樹脂、PAN、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等を用いることができる。水系溶媒を用いて合材スラリーを調製する場合は、CMC又はその塩(CMC−Na、CMC−K、CMC-NH4等、また部分中和型の塩であってもよい)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)又はその塩(PAA−Na、PAA−K等、また部分中和型の塩であってもよい)、ポリビニルアルコール(PVA)等を用いることが好ましい。
[セパレータ]
セパレータには、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、セルロースなどが好適である。セパレータは、セルロース繊維層及びポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂繊維層を有する積層体であってもよい。また、ポリエチレン層及びポリプロピレン層を含む多層セパレータであってもよく、セパレータの表面にアラミド樹脂等が塗布されたものを用いてもよい。
セパレータと正極及び負極の少なくとも一方との界面には、無機物のフィラーを含むフィラー層が形成されていてもよい。無機物のフィラーとしては、例えばチタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)の少なくとも1種を含有する酸化物、リン酸化合物またその表面が水酸化物等で処理されているものなどが挙げられる。フィラー層は、例えば当該フィラーを含有するスラリーを正極、負極、又はセパレータの表面に塗布して形成することができる。
[非水電解質]
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した溶質とを含む。非水溶媒には、例えばエステル類、エーテル類、ニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類及びこれらの2種以上の混合溶媒等を用いることができる。非水溶媒は、これら溶媒の水素の少なくとも一部をフッ素等のハロゲン原子で置換したハロゲン置換体を含有していてもよい。
上記エステル類の例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状カルボン酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステルなどが挙げられる。
上記エーテル類の例としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテル等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル等の鎖状エーテル類などが挙げられる。
上記ニトリル類の例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、n−ヘプタニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジボニトリル、ピメロニトリル、1,2,3−プロパントリカルボニトリル、1,3,5−ペンタントリカルボニトリル等が挙げられる。
上記ハロゲン置換体としては、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等のフッ素化環状炭酸エステル、フッ素化鎖状炭酸エステル、フルオロプロピオン酸メチル(FMP)等のフッ素化鎖状カルボン酸エステル等を用いることが好ましい。
上記溶質としては、従来から用いられてきた公知の溶質を用いることができる。例えば、フッ素含有リチウム塩であるLiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(FSO 22、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO2)(C4 9SO2)、LiC(C25SO23、及びLiAsF6などを用いることができる。さらに、フッ素含有リチウム塩に、フッ素含有リチウム塩以外のリチウム塩〔P、B、O、S、N、Clの中の1種類以上の元素を含むリチウム塩(例えば、LiClO4等)〕を加えたものを用いてもよい。特に、高温環境下においても負極の表面に安定な被膜を形成する点から、フッ素含有リチウム塩とオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩とを含むことが好ましい。
上記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩の例として、LiBOB〔リチウム−ビスオキサレートボレート〕、Li[B(C24)F2]、Li[P(C24)F4]、Li[P(C2422]が挙げられる。中でも特に負極で安定な被膜を形成させるLiBOBを用いることが好ましい。溶質は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記非水電解質には、過充電抑制材を添加して用いることがきる。例えば、シクロヘキシルベンゼン(CHB)を用いることができる。また、ベンゼン、ビフェニル、2−メチルビフェニル等のアルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、ナフタレン、トルエン、アニソール、シクロペンチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼンなどのベンゼン誘導体、フェニルプロピオネート、酢酸−3フェニルプロピル等のフェニルエーテル誘導体、及びそれらのハロゲン化物を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
実験例
以下、実験例により本開示をさらに説明するが、本開示はこれらの実験例に限定されるものではない。
[第1実験例]
(実験例1)
[正極活物質の作製]
LiOHと、共沈により得られたNi0.91Co0.06Al0.03(OH)2で表されるニッケルコバルトアルミニウム複合水酸化物を500℃で熱処理して得られた酸化物とを、Liと遷移金属全体とのモル比が1.05:1で、石川式らいかい乳鉢にて混合した。次に、この混合物を酸素雰囲気中にて760℃で20時間熱処理後に粉砕することにより、平均二次粒径が約11μmのLi1.05Ni0.91Co0.06Al0.032で表されるリチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物(リチウム含有遷移金属酸化物)の粒子を得た。
上記リチウム含有遷移金属酸化物粒子を1000g用意し、この粒子を1.5Lの純水に添加して攪拌し、純水中にリチウム含有遷移金属酸化物が分散した懸濁液を調製した。次に、酸化エルビウムを硫酸に溶解して得た0.1mol/Lの濃度の硫酸エルビウム塩水溶液と、1.0mol/Lの濃度の硫酸マグネシウム水溶液とを、上記懸濁液に複数回にわけて加えた。懸濁液に硫酸エルビウム塩水溶液を加えている間の懸濁液のpHは11.5〜12.0であった。次いで、懸濁液を濾過し、得られた粉末を純粋で洗浄した後、真空中200℃で乾燥し、さらに酸素雰囲気中で600℃で熱処理を行い、正極活物質を作製した。得られた正極活物質粒子の中心粒径(D50、体積基準)は、約10μmであった(HORIBA製、LA920を用いて測定)。
得られた正極活物質の表面をSEMにて観察したところ、平均粒径20〜30nmのエルビウム化合物の一次粒子が凝集して形成された平均粒径100〜200nmのエルビウム化合物の二次粒子が、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子表面に付着していることが確認された。また、エルビウム化合物の二次粒子の殆どは、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子表面において隣接するリチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子間に形成された凹部に付着しており、凹部において隣接する一次粒子の両方に接触した状態で付着していることが確認された。また、エルビウム化合物の付着量をICP発光分析法により測定したところ、エルビウム元素換算で、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物に対して0.15質量%であった。
リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子表面には、マグネシウム化合物と思われる付着物は殆ど確認できなかった。二次粒子の断面をEDSで元素マッピングしたところ、リチウム含有遷移金属酸化物を構成する一次粒子内部にMgが存在していることが確認された。特に、二次粒子の表面から2μmの範囲に多くのMgが存在していた。なお、当該二次粒子の粒径(SEM粒子画像に描かれた外接円の直径)は約10μmである。Mgの濃度をICP発光分析法により測定したところ、Liを除く金属元素の総モル量に対して0.1mol%であった。上記元素マッピングで得られたMgが存在している深さと、ICP発光分析法により測定したMgの濃度とから算出した、当該二次粒子の表層領域(二次粒子の表面から深さ2μmの領域)におけるMg濃度は0.17mol%であった。
実験例1では、懸濁液のpHが11.5〜12.0と高いために、懸濁液中で析出した水酸化エルビウムの一次粒子同士が結合(凝集)して二次粒子を形成したと考えられる。また、実験例1では、Niの割合が91%と高く、3価のNiの割合が多くなるために、リチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子界面でLiNiO2とH2Oの間でプロトン交換が起こり易くなり、プロトン交換反応により生成した多量のLiOHが、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子表面にある一次粒子と一次粒子が隣接している界面の内部から出てくる。これにより、リチウム含有遷移金属酸化物の表面において隣接する一次粒子間におけるアルカリ濃度が高くなる。そして、懸濁液中で析出した水酸化エルビウム粒子が、アルカリに引き寄せられるようにして、上記一次粒子界面に形成された凹部に凝集するように二次粒子を形成しながら析出したと考えられる。
マグネシウムの析出は、エルビウムほどアルカリ濃度に鋭敏に応答しないため、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子表面に均一に析出し易い。熱処理前の粒子をSEMで観察したところ、二次粒子表面にマグネシウム化合物が均一に析出していることが確認された。一方、熱処理後(焼成後)の粒子を観察したところ、二次粒子表面に均一に析出していたマグネシウム化合物は殆ど表面には確認できず、Mgがほぼ粒子内部に拡散し固溶したと考えられる。
[正極の作製]
上記正極活物質粒子に、カーボンブラックと、ポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、正極活物質粒子と導電材と結着材との質量比が100:1:1となるように秤量し、T.K.ハイビスミックス(プライミクス社製)を用いてこれらを混練して正極合材スラリーを調製した。
次いで、上記正極合材スラリーを、アルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧延ローラーにより圧延し、集電体にアルミニウム製の集電タブを取り付けることにより、正極集電体の両面に正極合材層が形成された正極極板を作製した。当該正極における正極活物質の充填密度は3.60g/cm3であった。
[負極の作製]
負極活物質である人造黒鉛と、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)と、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)とを、100:1:1の質量比で水溶液中において混合し、負極合材スラリーを調製した。次に、この負極合材スラリーを銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布した後、塗膜を乾燥させ、圧延ローラーにより圧延し、集電体にニッケル製の集電タブを取り付けた。これにより、負極集電体の両面に負極合材層が形成された負極極板を作製した。当該負極における負極活物質の充填密度は1.75g/cm3であった。
[非水電解液の調製]
エチレンカーボネート(EC)と、メチルエチルカーボネート(MEC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを、2:2:6の体積比で混合した混合溶媒に対して、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.3モル/リットルの濃度となるように、溶解させた後、当該混合溶媒に対してビニレンカーボネート(VC)を2.0質量%の濃度で溶解させた。
[電池の作製]
このようにして得た正極および負極を、これら両極間にセパレータを配置して渦巻き状に巻回した後、巻き芯を引き抜いて渦巻状の電極体を作製した。次に、この渦巻状の電極体を押し潰して、扁平型の電極体を得た。この後、この偏平型の電極体と上記非水電解液とを、アルミニウムラミネート製の外装体内に挿入し、電池A1を作製した。当該電池のサイズは、厚み3.6mm×幅35mm×長さ62mmであった。また、当該非水電解質二次電池を4.20Vまで充電し、3.0Vまで放電したときの放電容量は950mAhであった。
(実験例2)
正極活物質の作製において、硫酸マグネシウム水溶液を加えなかったこと以外は、上記実験例1と同様にして電池A2を作製した。
(実験例3)
正極活物質の作製において、懸濁液に硫酸エルビウム塩水溶液を加えている間の懸濁液のpHを9で一定に保持したこと以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を作製し、当該正極活物質を用いて電池A3を作製した。上記懸濁液のpHを9に調整するために、適宜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えた。
得られた正極活物質の表面をSEMにより観察したところ、平均粒径10nm〜50nmの水酸化エルビウムの一次粒子が、二次粒子化することなくリチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子の表面全体に(凸部にも凹部にも)均一に分散して付着していることが確認された。また、エルビウム化合物の付着量をICP発光分析法により測定したところ、エルビウム元素換算で、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物に対して0.15質量%であった。
実験例3では、懸濁液のpHを9としたため、懸濁液中における水酸化エルビウムの粒子の析出速度が遅くなり、水酸化エルビウムの粒子が二次粒子化することなくリチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子の表面全体に均一に析出した状態になったと考えられる。
(実験例4)
正極活物質の作製において、硫酸マグネシウム水溶液を加えなかったこと以外は、上記実験例3と同様にして電池A4を作製した。
(実験例5)
正極活物質の作製において、硫酸エルビウム塩水溶液を加えず、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子表面に水酸化エルビウムを付着させなかったこと以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を作製し、当該正極活物質を用いて電池A5を作製した。
(実験例6)
正極活物質の作製において、硫酸マグネシウム水溶液を加えなかったこと以外は、上記実験例5と同様にして電池A6を作製した。
(実験例7)
正極活物質の作製において、リチウム含有遷移金属酸化物のLiを除く金属元素の総モル量に対するMg含有量を0.03mol%に調整したこと以外は、上記実験例1と同様にして電池A7を作製した。実験例1同様に、二次粒子の表層領域(二次粒子の表面から深さ2μmの領域)におけるMg濃度を測定した結果、Mg濃度は0.05mol%であった。
[DCRの測定]
上記各電池について、下記条件で充放電サイクル前及び100サイクル後のDCRの測定を行った。
<サイクル前のDCRの測定>
SOC100%まで475mAの電流で充電した後、SOC(State Of Charge)が100%に到達した電池電圧で電流値が30mAとなるまで定電圧充電を行った。充電終了後120分間休止した時点の開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)を測定し、475mAで10秒間放電を行い、放電10秒後の電圧を測定した。下記式(1)によりサイクル前のDCR(SOC100%)を測定した。
DCR(Ω)=(120分休止後のOCV(V)−放電10秒後の電圧(V))/(電流値(A))・・・(1)
その後、下記条件での充放電を1サイクルとして、この充放電サイクルを150回繰り返し行った。サイクル前のDCRの測定と充放電サイクル試験の間の休止時間は10分間とした。
<充放電サイクル試験>
・充電条件
475mAの電流で電池電圧が4.2V(正極電位はリチウム基準で4.3V)となるまで定電流充電を行い、電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの定電圧で電流値が30mAとなるまで定電圧充電を行った。
・放電条件
950mAの定電流で電池電圧が3.0Vとなるまで定電流放電を行った。
・休止条件
上記充電と放電の間の休止間隔は10分間とした。
<150サイクル後のDCRの測定>
上記サイクル前のDCRの測定と同様の方法で、150サイクル後のDCR値測定を行った。なお、充放電サイクル試験とサイクル後のDCR測定の間の休止時間は10分間とした。DCR測定、充放電サイクル試験ともに45℃の恒温槽内で行った。
[DCR上昇率の算出]
下記式(2)により150サイクル後のDCR上昇率を算出した。結果を表1に示す。
DCR上昇率(SOC100%)=(150サイクル後のDCR(SOC100%)/(サイクル前のDCR(SOC100%)×100 ・・・(2)
Figure 0006782460
電池A1について以下考察する。電池A1の正極活物質は、希土類化合物の二次粒子が凹部において隣接するリチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子の両方に付着している(図3参照)。これにより、充放電サイクル時において、一次粒子のいずれの表面においても、表面変質及び一次粒子界面からの割れが抑制できたと考えられる。加えて、希土類化合物の二次粒子は、リチウム含有遷移金属酸化物を構成する一次粒子同士を固定(接着)する効果も有しているので、リチウム含有遷移金属酸化物の凹部において、一次粒子界面から割れが生じるのを抑制できたと考えられる。
さらに、電池A1の正極活物質では、リチウム含有遷移金属酸化物にMgが固溶しているため、リチウム含有遷移金属酸化物の粒子内部における一次粒子の界面の変質、割れについても抑制されたと考えられる。
電池A1においては、正極活物質の表面変質及び割れが、正極活物質の表面及び内部の両方から抑制され、充放電サイクル後のDCR上昇率が低く抑えられたと考えられる。電池A1では、リチウム含有遷移金属酸化物の凹部に存在する希土類化合物の二次粒子と、リチウム含有遷移金属酸化物に固溶したMgとの相乗効果により、DCR上昇率の抑制効果が飛躍的に向上している。
電池A3及びA5について以下考察する。電池A3で用いた正極活物質は、図4に示すように、希土類化合物の一次粒子24が、二次粒子を形成することなく、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の表面全体に均一に付着している。電池A5で用いた正極活物質には、図5に示すように、リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子21の表面に希土類化合物が付着していない。
電池A3及び電池A5においては、リチウム含有遷移金属酸化物の凹部23において、希土類化合物の二次粒子が付着していないため、凹部23を形成する一次粒子20の表面変質及び一次粒子界面からの割れを抑制できないと考えられる。電池A3、A5の正極活物質にはMgが固溶しているものの、DCR上昇に与える影響は、二次粒子内部の劣化よりも二次粒子表面の劣化のほうが大きく、DCR上昇率は電池A1よりも高くなったと考えられる。
電池A2、A4、及びA6について考察する。電池A2、電池A4、電池A6の正極活物質は、Mgが固溶していない点で、電池A1、A3、及びA5の正極活物質とそれぞれ異なる。
電池A2においては、希土類化合物の二次粒子が、リチウム含有遷移金属酸化物の凹部において隣接する一次粒子の両方に付着している。これにより、上述した電池A1と同じ理由で、凹部を形成する一次粒子のいずれの表面においても、表面変質及び一次粒子界面からの割れが抑制できると考えられる。しかし、電池A2においては、正極活物質にMgが固溶していないため、二次粒子内部の一次粒子界面、特に二次粒子表面近傍の劣化、割れを抑制することができない。その結果、電池A2では正極抵抗が増加し、電池A1よりもDCR上昇率が高くなったと考えられる。
電池A4及び電池A6においては、リチウム含有遷移金属酸化物の凹部に希土類化合物の二次粒子が付着していないため、凹部を形成する一次粒子20の表面変質及び一次粒子界面からの割れが抑制できない。加えて、電池A4及び電池A6においては、正極活物質にMgが固溶していないため、二次粒子表面、内部とも、一次粒子界面の変質・割れを抑制することができない。ゆえに、電池A4及び電池A6では、電池A2よりも正極抵抗が増加し、充放電サイクル後のDCR上昇率がさらに高くなったと考えられる。
電池A7では電池A1に比べてMgの量が少ないものの、粒子内部における一次粒子界面の変質・割れを抑制する効果は電池A1に比べ小さいながらも発現するため、電池A1とほぼ同等のDCR上昇率になったと考えられる。
〔第2実験例〕
第1実験例においては、希土類元素としてエルビウムを用いたが、第2実験例では、希土類元素として、サマリウム、ネオジムを用いた場合について検討した。
(実験例8)
正極活物質の作製において、硫酸エルビウム塩水溶液の代わりに、硫酸サマリウム溶液を用いた以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を作製し、当該正極活物質を用いて電池A8を作製した。サマリウム化合物の付着量をICP発光分析法により測定したところ、サマリウム元素換算で、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物に対して0.13質量%であった。実験例1同様に、二次粒子の表層領域(二次粒子の表面から深さ2μmの領域)におけるMg濃度を測定した結果、Mg濃度は0.17mol%であった。
(実験例9)
正極活物質の作製において、硫酸エルビウム塩水溶液の代わりに、硫酸ネオジム溶液を用いた以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を作製し、当該正極活物質を用いて電池A9を作製した。ネオジム化合物の付着量をICP発光分析法により測定したところ、ネオジム元素換算で、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物に対して0.13質量%であった。実験例1同様に、二次粒子の表層領域(二次粒子の表面から深さ2μmの領域)におけるMg濃度を測定した結果、Mg濃度は0.17mol%であった。
電池A8,A9について、第1実験例と同様の条件で、150サイクル後のDCR上昇率を算出した。
Figure 0006782460
表2からわかるように、エルビウムと同じ希土類元素であるサマリウム、ネオジムを用いた場合においても、DCR上昇率が抑制される。従って、エルビウム、サマリウム及びネオジム以外の希土類元素を用いた場合においても、同様にDCR上昇率が抑制されると考えられる。
本発明は、非水電解質二次電池に利用できる。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 正極集電タブ
5 負極集電タブ
6 アルミラミネート外装体
7 閉口部
11 非水電解質二次電池
20 リチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子(一次粒子)
21 リチウム含有遷移金属酸化物の二次粒子(二次粒子)
23 凹部
24 希土類化合物の一次粒子(一次粒子)
25 希土類化合物の二次粒子(二次粒子)

Claims (4)

  1. 正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池であって、
    前記正極の正極活物質は、
    リチウム含有遷移金属酸化物の一次粒子が凝集して形成された二次粒子と、
    希土類化合物の一次粒子が凝集して形成された二次粒子と、
    を含み、
    前記希土類化合物の前記二次粒子は、前記リチウム含有遷移金属酸化物の前記二次粒子の表面において、隣接する前記リチウム含有遷移金属酸化物の前記一次粒子間に形成された凹部に付着し、且つ当該凹部を形成する当該各一次粒子に付着しており、
    前記リチウム含有遷移金属酸化物には、マグネシウムが固溶し、
    前記リチウム含有遷移金属酸化物の前記二次粒子の表面から当該粒子の粒径の20%までの表層領域に固溶するマグネシウムの濃度は、当該粒子の他の領域に固溶するマグネシウムの濃度よりも高く、リチウムを除く金属元素の総モル量に対して0.03mol%以上0.5mol%以下であり、
    上記希土類化合物の付着量は、前記リチウム含有遷移金属酸化物の総質量に対して希土類元素換算で、0.005質量%以上0.5質量%以下である、非水電解質二次電池。
  2. 前記希土類化合物を構成する希土類元素が、ネオジム、サマリウム及びエルビウムから選ばれる少なくとも1種の元素である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記リチウム含有遷移金属酸化物に占めるニッケルの割合が、リチウムを除く金属元素の総モル量に対して80モル%以上である、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記リチウム含有遷移金属酸化物中に占めるコバルトの割合が、リチウムを除く金属元素の総モル量に対して7モル%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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