JP6781882B2 - 植物育成容器および植物育成方法 - Google Patents
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Description
本発明の第1の態様に係る植物育成容器は、底部と、底部の外周部から上方に向かって延びる側壁部とを有し、底部と側壁部とで囲まれる収容部に用土を収容する容器本体と、前記側壁部の外周面から水平方向外側に突出する下側突出部と、前記側壁部の上端部に設けられると共に該上端部を上下方向に貫通する複数の孔であって、保温カバー、保湿カバー、又は防虫カバーのフレームが上下方向に挿通する複数の孔と、前記各孔を挿通した各フレームの端をそれぞれ前記下側突出部に固定する固定手段とを備え、前記下側突出部は、前記側壁部の高さ方向の中央又は中央より下側の前記側壁部の外周面から水平方向外側に向かって突出すると共に、前記側壁部の外周面の全周に亘って連続的に又は間欠的に設けられている。
本発明の第1の実施形態に係る植物育成容器は、図1〜8に示すように、底部11と、底部11の外周部から上方に向かって延びる側壁部12とを有し、底部11と側壁部12とで囲まれる収容部13に用土Sを収容する容器本体10と、保温、保湿、又は防虫等の目的のカバー用の1つ又は複数(本実施形態では3本)のフレーム20と、側壁部12の上端部から水平方向外側に向かって突出する上側突出部12aと、上側突出部12aに設けられると共に上側突出部12aを上下方向に貫通する複数の孔12bと、側壁部12の外周面から水平方向外側に突出する下側突出部12cと、前記各孔12bを挿通したフレーム20の端をそれぞれ下側突出部12cに固定する固定構造とを備えている。上側突出部12aは側壁部12の上端部の一部を形成している。上側突出部12aは必ずしも側壁部12の最上端と同じ高さに位置する必要は無く、上側突出部12aの上面が当該最上端から2〜3cm程度、又は3〜5cm程度下方に配置されていても、上側突出部12aは側壁部12の上端部の一部を形成するものとする。
本実施形態では、容器本体10の下端側である側壁部12の下端の1箇所又は複数個所に排水孔12eが形成され、排水孔12eはプラスチック製の栓やゴム製の栓(図示せず)によって開閉可能に構成されている。排水孔12eを底部11に設けることも可能である。栓が無い構成とすることも可能であり、排水孔を他の公知の構成とすることも可能である。
本実施形態では、容器本体10はプラスチック製であり、上側突出部12aと下側突出部12cとの間の側壁部12は、収容部12に収容する用土Sと外部の空気とを仕切る実質1枚の板であり、模様等の他に当該側壁から突出する構成を極力有しないことが好ましい。上側突出部12aと下側突出部12cとの間の側壁部12の80%以上の面積、より好ましくは90%以上の面積で、前記側壁から突出する構成を有しないことが好ましい。
下側突出部12cには固定構造として複数の雌ねじ孔12dが設けられ、平面視において、各雌ねじ孔12dは上側突出部12aに設けられた各孔12bに略対応した位置に配置されている。
フレーム20はプラスチック製の棒であり、その両端に雄ねじ20aが形成されている。フレーム20は可撓性、および曲げに抗する復元力を発生する弾性を有することが望ましく、プラスチック、硬質ゴム、カーボンファイバー等の材質から成る。なお、金属製とすることも可能である。
先ず、図1および7のように、容器本体10の収容部13の底部に1〜3mm程度の細かな目のプラスチック製の網51を配置する。この時、収容部13の底部に底上げ用のプラスチック片52を配置し、網51を収容部13の底部から浮かすことが好ましい。
続いて、収容部13内に肥料入りの用土Sを側壁部12の最上端とほぼ同じ高さ位置まで充填し、用土Sの上にマルチ53を被せる。マルチ53は黒色等のビニール袋であれば何でも良い。そして、マルチ53の種をまく位置に育成用開口53aを形成し、育成用開口53aの近傍に水及び肥料供給用開口53bを形成する。そして、育成用開口53aの位置の用土に種をまき、水及び肥料供給用開口53bから水を供給する。水及び肥料供給用開口53bの位置の用土に図7のように凹部を設けておくと、水及び肥料を供給し易い。なお、網51、プラスチック片52、およびマルチ53は有っても無くても良い。
または、カバー40の下端が下側突出部12cを超えて数cm以上下方に位置するように、カバー40を容器本体10に被せるだけで、カバー40が上側突出部12a、下側突出部12c、および各フレーム20の端側に接触し、さらに下側突出部12cの下側に配置されるカバー40の開口部は自然に萎んだり撓んだりするので、前記固定部材の取付けや前記結ぶ作業を行わなくても、カバー40の開口部側を下側突出部12cから外れないようにすることができる。
なお、上側突出部12aにより側壁部12に向かう日光が遮られることを考慮すると、下側突出部12cを、側壁部12の高さの35%の位置よりも下側の側壁部12の外周面から水平方向外側に向かって延びるように形成することが実質的に有効である。さらに、下側突出部12cを、側壁部12の高さの20%の位置よりも下側の側壁部12の外周面から水平方向外側に向かって延びるように形成すると、様々な日照条件に対応することができるので、実質的により有利である。
その他の公知の手段によりフレーム20の端を下側突出部12cに固定することも可能である。
また、上記各実施形態において、カバー40を、1mm以下の細かな穴を周知の防虫ネットを下方が開口する袋状に形成したものや、下方が開口する袋状に形成された不織布や、その他の公知のカバーに置き換えることも可能であり、この場合でも前述と同様の作用効果を奏し得る。
また、上記各実施形態において、底部11の上面を排水孔12eに向かって下り傾斜をなすように形成することも可能である。
また、日光による温度上昇と空気層による保温効果をより効率的に得るため、容器本体10を黒、青、茶等の色に形成することも有効である。一方、上側突出部12aと下側突出部12cとの間のカバー40に大き目の孔を多数あけるだけで、季節等により空気層の保温効果を弱めることもできる。また、上側突出部12aと下側突出部12cとの間に遮光性のカバーを装着すれば、その範囲の容器本体は光を受けなくなり温度上昇が防止され、空気層が存在するので、温度上昇の防止も効果的に行うことができる。
この実験例では、下側突出部12cは当該鉢の高さ方向の下から20%程度の位置に取付けられている。
また、本実験例ではフレーム20として針金を用いた。2本の針金を用意し、先ず、一方の針金の一端側をある1つの孔12bに上方から下方に向かって挿通させて対応する下側突出部12cの孔12dに固定した。この際、針金の一端側を曲げ、例えば孔12dに巻き付けることにより、針金の一端側を孔12dに固定する。また、当該針金の他端側を対角位置に配置された孔12bに上方から下方に向かって挿通させて対応する下側突出部12cの孔12dに同様に固定した。他方の針金も同様に固定した。
今回、市販の30Lのビニール袋の下端側(開口側)の内径が上側突出部12aや下側突出部12cの外径に比べかなり大きかったため、当該ビニール袋の周方向の一部を切除すると共に、当該ビニール袋の切断された部分を黒のビニールテープで接続することにより、当該ビニール袋の下端側(開口側)の内径を上側突出部12aや下側突出部12cの外径より若干大きくなるよう設定した。
その後、マルチ53と用土に挿通するように複数本のフレームを用土に立て、市販の30Lの透明なビニール袋であるカバー40をフレーム20が固定された当該鉢に上方から被せた。この時、ビニール袋の下端に縦に切込みを入れ、当該切込みで分離された2箇所を上側突出部12aの下側で結ぶことにより、カバー40を当該鉢に固定した。
なお、実施例のカバー40は、上記のようにビニール袋を切断した後に黒のビニールテープで接続しているので、その隙間を介してカバー40の内外の空気が入れ替えられる。実施例と同等の空気の入れ替えが行われるように、比較例1のカバー40には切込みを入れた。
12月9日に種まきをした後に、12月10、11、13、14、および15日と日照時間が短い日が続いたため、発芽が少し遅れたものと思われる。また、実施例と比較例1の双葉が完全に開いた日を確認したのは同日であるが、これも、12月9日に種まきをした後に、12月10、11、13、14、および15日と日照時間が短い日が続いたためであると考えている。
さらに、2015年12月9日という十分に寒くなった時期に種まきをしたので、実施例、比較例1および比較例2に害虫はつかなかった。このように、寒い時期は害虫の被害を受け難いという利点がある。
12 側壁部
12a 上側突出部
12b 孔
12c 下側突出部
12d 雌ねじ孔
20 フレーム
20a 雄ねじ
40 カバー
53 マルチ
Claims (8)
- 植物育成容器の使用方法であって、
前記植物育成容器は、
底部と、前記底部を水平方向に延びる面上に載置した時に前記底部の外周部から上方に向かって延びる側壁部とを有し、前記底部と前記側壁部とで囲まれる収容部に用土を収容する容器本体であって、当該容器本体からの排水を受けるための受け皿とは異なる容器本体と、
保温、保湿、又は防虫目的のカバー用のフレームと、
前記側壁部の上端部から前記水平方向の外側に突出する上側突出部と、
前記側壁部の外周面から前記水平方向の外側に突出する下側突出部と、
前記上側突出部に設けられると共に該上側突出部を上下方向に貫通する複数の孔であって、前記フレームの端側が上下方向に挿通する複数の孔と、
前記各孔を挿通した各フレームの端をそれぞれ前記下側突出部に固定する固定手段とを備え、
前記下側突出部は、前記側壁部の高さ方向の中央又は中央より下側の前記側壁部の外周面から前記水平方向の外側に向かって突出すると共に、前記側壁部の前記外周面の全周又は略全周に亘って設けられており、
この方法は、
前記収容部に植物育成に用いる用土を収容する用土収容ステップと、
前記各孔を挿通した前記各フレームの端をそれぞれ前記下側突出部に前記固定手段により固定するフレーム固定ステップと、
下方に開口する形状のカバーを前記フレームが固定手段により固定された容器本体に上方から被せるカバー装着ステップと、を有し、
前記カバー装着ステップでは、前記カバーによって前記下側突出部の外周の少なくとも上端側が全周に亘って覆われ、これにより前記下側突出部の上方且つ前記上側突出部の下方において前記カバーと前記側壁部との間に空気層が形成されるように、前記カバーを前記容器本体に被せる植物育成容器の使用方法。 - 底部と、前記底部を水平方向に延びる面上に載置した時に前記底部の外周部から上方に向かって延びる側壁部とを有し、前記底部と前記側壁部とで囲まれる収容部に用土を収容する容器本体であって、当該容器本体からの排水を受けるための受け皿とは異なる容器本体を有する植物育成容器であって、
前記側壁部の上端部から前記水平方向の外側に突出する上側突出部と、
前記側壁部の外周面から前記水平方向の外側に突出する下側突出部と、
前記上側突出部に設けられると共に該上側突出部を上下方向に貫通する複数の孔であって、保温カバー、保湿カバー、又は防虫カバーのフレームが上下方向に挿通する複数の孔と、
前記各孔を挿通した各フレームの端をそれぞれ前記下側突出部に固定する固定手段とを備え、
前記下側突出部は、前記側壁部の高さ方向の中央又は中央より下側の前記側壁部の外周面から前記水平方向の外側に向かって突出すると共に、前記側壁部の前記外周面の全周に亘って連続的に又は間欠的に設けられている植物育成容器。 - 底部と、前記底部を水平方向に延びる面上に載置した時に前記底部の外周部から上方に向かって延びる側壁部とを有し、前記底部と前記側壁部とで囲まれる収容部に用土を収容する容器本体であって、当該容器本体からの排水を受けるための受け皿とは異なる容器本体と、
保温カバー、保湿カバー、又は防虫カバー用のフレームと、
前記側壁部の上端部から前記水平方向の外側に突出する上側突出部と、
前記側壁部の外周面から前記水平方向の外側に突出する下側突出部と、
前記上側突出部に設けられると共に該上側突出部を上下方向に貫通する複数の孔であって、前記フレームの端側が上下方向に挿通する複数の孔と、
前記各孔を挿通した各フレームの端をそれぞれ前記下側突出部に固定する固定手段とを備え、
前記下側突出部は、前記側壁部の高さ方向の中央又は中央より下側の前記側壁部の外周面から前記水平方向の外側に向かって突出すると共に、前記側壁部の前記外周面の全周に亘って連続的に又は間欠的に設けられている植物育成容器。 - 底部と、前記底部を水平方向に延びる面上に載置した時に前記底部の外周部から上方に向かって延びる4つの側面壁を有する側壁部とを備え、前記底部と前記側壁部とで囲まれる収容部に用土を収容する平面視略長方形の容器本体であって、当該容器本体からの排水を受けるための受け皿とは異なる容器本体と、
前記4つの側面壁のうち前記長方形の長辺に対応する側壁部の側面壁の上端部から前記水平方向の外側に突出する上側突出部と、
前記長方形の長辺に対応する側壁部の側面壁から前記水平方向の外側に突出する下側突出部と、
前記上側突出部に設けられると共に該上側突出部を上下方向に貫通する複数の孔であって、保温カバー、保湿カバー、又は防虫カバーのフレームが上下方向に挿通する複数の孔と、
前記各孔を挿通した各フレームの端をそれぞれ前記下側突出部に固定する固定手段とを備え、
前記下側突出部は、前記長辺に対応する側面壁の高さ方向の中央又は中央より下側の前記側面壁から前記水平方向の外側に向かって突出している植物育成容器。 - 前記固定手段は、前記フレームの端の外周面に形成された雄ねじと螺合するように前記下側突出部に設けられた雌ねじである請求項2〜4のいずれかに記載の植物育成容器。
- 前記固定手段は、前記フレームの端が嵌合するように前記下側突出部に設けられた溝又は孔である請求項2〜4のいずれかに記載の植物育成容器。
- 前記固定手段は、前記フレームの端側に前記水平方向および上下方向の少なくとも一方に係合する共に、前記下側突出部に固定される固定片である請求項2〜4のいずれかに記載の植物育成容器。
- 前記フレームは、一端及び他端にそれぞれ雄ねじが形成され、前記固定手段は、前記複数の孔のうち一つを上方から下方に向かって通過した前記フレームの一端が螺合するよう
に前記突出部に設けられた雌ねじと、前記複数の孔のうち他の一つを上方から下方に向かって通過した前記フレームの他端が螺合するように前記突出部に設けられた雌ねじとを有する請求項3に記載の植物育成容器。
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