以下に、本願にかかる広告抽出装置、広告抽出方法および広告抽出プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる広告抽出装置、広告抽出方法および広告抽出プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(第1の実施形態)
〔1.広告抽出処理〕
以下では、図1を用いて、第1の実施形態にかかる広告抽出処理の一例について説明する。図1は、第1の実施形態にかかる広告抽出処理の一例を示す図である。図1では、広告抽出装置200によって広告抽出処理が行われる例を示す。
まず、図1に示す広告抽出システム1は、ユーザ端末10と、広告主端末30a〜30cと、コンテンツサーバ100と、業者端末120と、広告抽出装置200とを含む。ユーザ端末10、広告主端末30a〜30c、コンテンツサーバ100、広告抽出装置200は、ネットワークを介して有線または無線により通信可能に接続される。
ユーザ端末10は、ユーザによって利用される端末装置である。例えば、ユーザ端末10は、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。
例えば、ユーザ端末10は、ユーザに指示されたウェブページを取得するためのページリクエストをコンテンツサーバ100に送信する。また、ユーザ端末10は、ページリクエストに応じてコンテンツサーバ100により配信されたウェブページに広告取得命令が含まれている場合には、広告コンテンツを取得するための広告リクエストを広告抽出装置200に送信する。そして、ユーザ端末10は、広告リクエストに応じて広告抽出装置200により配信された広告コンテンツを受け付けると、受け付けた広告コンテンツを配置したウェブページを表示する。
なお、図1に示す広告抽出システム1には、1台のユーザ端末10が含まれる例を示すが、複数台のユーザ端末10が含まれてもよい。
広告主端末30a〜30cは、広告主によって利用される端末装置である。例えば、広告主端末30a〜30cは、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDAや、デスクトップ型PCや、ノート型PC等である。
図1に示すように、広告主端末30aは広告主C1に、広告主端末30bは広告主C2に、広告主端末30cは広告主C3に、それぞれ利用される端末装置である。なお、広告抽出システム1は、広告主端末30a〜30cといった3台の端末装置を含むものに限定されるものではない。また、以下では、広告主端末30a〜30cを含め、各広告主の端末装置を総じて広告主端末30と表記する場合がある。例えば、広告主端末30は、広告主の指示に従って、広告コンテンツに関する各種情報を広告抽出装置200に送信する。
コンテンツサーバ100は、コンテンツ(例えば、ウェブページ)を配信するサーバ装置である。具体的には、コンテンツサーバ100は、ユーザ端末10からページリクエストを受け付けると、受け付けたページリクエストに応じたウェブページをユーザ端末10に配信する。例えば、コンテンツサーバ100は、ページリクエストに含まれているURLに対応するウェブページを自装置内の所定の記憶部から取得し、ユーザ端末10に配信する。
また、図1に示す広告抽出システム1には、1台のコンテンツサーバ100が含まれるとともに、かかるコンテンツサーバ100は、コンテンツ配信業者(以下、「配信業者」と表記する)T1により管理されているものとする。しかし、この例に限らず、広告抽出システム1には、複数の配信業者(例えば、配信業者T1、T2・・・)それぞれによって管理される複数台のコンテンツサーバ100が含まれてもよい。
また、業者端末120は、配信業者T1によって利用される端末装置である。業者端末120は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDAや、デスクトップ型PCや、ノート型PC等である。例えば、上記のように、広告抽出システム1に、各配信業者による複数台のコンテンツサーバ100が含まれている場合、広告抽出システム1には、各配信業者に対応する複数台の業者端末120が含まれる。図1の例では、業者端末120は、配信業者T1の指示に従って、以下に示す広告枠スコアに関する各種情報を広告抽出装置200に送信する。
広告抽出装置200は、所定の広告枠に対して設定される広告枠スコアと、配信候補の広告コンテンツそれぞれに対して設定される広告スコアとに基づいて、所定の広告枠に表示される配信対象の広告コンテンツを配信候補の広告コンテンツから抽出する。そして、広告抽出装置200は、抽出した広告コンテンツをユーザ端末10に配信する。また、本実施形態では、広告抽出装置200により配信される広告コンテンツは、クリック課金型の広告コンテンツであるものとする。しかし、この例に限られず、後課金型の広告コンテンツであればどのようなものであってもよく、例えば、広告コンテンツ表示からコンバージョンに至った場合に、所定の金額を課金させるコンバージョン課金型の広告コンテンツであってもよい。
広告枠スコアは、各配信業者によって、自身のコンテンツサーバ100から配信されるコンテンツに含まれる所定の広告枠に対して設定される当該所定の広告枠の評価を示す評価値、すなわち広告枠評価値である。本実施形態では、広告枠スコアは、所定の広告枠に広告コンテンツが表示されることにより期待される収益期待値(eCPM:effective Cost Per Mille)、または、収益期待値に関する値であるものとする。このような収益期待値は、例えば、かかる所定の広告枠にこれまでに表示された広告コンテンツの実績情報等に基づいて配信業者により算出され、広告枠スコアとして所定の広告枠に設定される。
例えば、図1では、配信業者T1によりウェブページP1に含まれる広告枠F1の収益期待値として「4」が算出されたとする。このため、図1では、業者端末120が、配信業者T1の指示に従い、広告枠F1に広告枠スコアである収益期待値「4」を設定する旨の情報として、ウェブページID「P1」、広告枠ID「F1」、広告枠スコア「4」を、広告抽出装置200に送信した例を示す。また、広告抽出装置200が、配信業者T1の業者端末120から受け付けた上記広告枠スコアに関する各種情報をそれぞれ対応付けて、コンテンツ情報記憶部221に格納している例を示す。
また、広告抽出装置200は、入稿された広告コンテンツそれぞれについて、各広告コンテンツに対して設定された入札単価(クリック単価ともよばれる)と、その広告コンテンツの実績情報(例えば、クリック率)とを用いて、広告コンテンツの評価を示す広告評価値である広告スコアを算出する。このように算出された広告スコアは、対応する広告コンテンツが所定回数表示された場合に期待される収益期待値(eCPM)に相当する。そして、広告抽出装置200は、算出した広告スコアを広告情報記憶部222に格納する。
例えば、図1では、広告主端末30aが、広告主C1の指示に従い、広告コンテンツ「AD1」を入稿するとともに、広告コンテンツ「AD1」のターゲティング条件「20代女性」、入札単価「100円」を設定するようこれらの情報を広告抽出装置200に送信した例を示す。また、広告抽出装置200が、広告主C1の広告主端末30aから受け付けた上記広告コンテンツに関する各種情報をそれぞれ対応付けて、広告情報記憶部222に格納している例を示す。また、広告抽出装置200が、入札単価「100円」と広告コンテンツ「AD1」の実績情報とを用いて、広告コンテンツ「AD1」の広告スコア「10」を算出し、広告スコア「10」を広告コンテンツ「AD1」に対応付けて、広告情報記憶部222に格納している例を示す。なお、詳細な説明は省略するが、広告抽出装置200は、広告情報記憶部222に示すように、広告主C2の広告コンテンツ「AD2」、および、広告主C3の広告コンテンツ「AD3」についても、同様にして算出した広告枠スコアを対応付けて格納する。
さて、ここまで第1の実施形態にかかる広告抽出システム1の構成について説明してきた。以下では、かかる広告抽出システム1に含まれる広告抽出装置200によって行われる広告抽出処理について具体的に説明する。
まず、ユーザ端末10のユーザ(ユーザU1とする)が、ユーザ端末10を操作して、ウェブページP1を表示するよう指定したとする。これに応じて、ユーザ端末10は、ウェブページP1のページリクエストをコンテンツサーバ100に送信する(ステップS1)。例えば、かかるページリクエストには、ウェブページP1を示すURLが含まれており、コンテンツサーバ100は、かかるURLに対応するHTMLデータ、すなわちウェブページP1のデータを記憶部から抽出し、リクエスト元のユーザ端末10に配信する(ステップS2)。このときコンテンツサーバ100は、ウェブページP1に広告枠F1が含まれることから、広告枠F1の識別情報である広告枠ID「F1」もリクエスト元のユーザ端末10に配信する。
次に、ユーザ端末10は、コンテンツサーバ100から受け付けたウェブページP1に広告枠F1が含まれていることから、広告枠ID「F1」およびユーザ端末10の識別情報であるユーザID「U1」を含む広告リクエストを広告抽出装置200に送信する(ステップS3)。
広告抽出装置200は、かかる広告リクエストを受け付けると、広告枠F1に設定される広告枠スコアと、配信候補の広告コンテンツそれぞれに対して設定される広告スコアとに基づいて、広告枠F1に表示させる配信対象の広告コンテンツを抽出する(ステップS4)。
ステップS4の広告抽出処理について、詳細に説明する。広告抽出装置200は、コンテンツ情報記憶部221を参照し、広告枠ID「F1」に対応付けられている広告枠スコア「4」を取得する(ステップS4a)。また、広告抽出装置200は、広告情報記憶部222を参照し、ターゲティング条件を満たす広告コンテンツを特定する。例えば、ユーザU1が「25歳女性」であり、現在曜日が「水曜日」であるとすると、広告抽出装置200は、ターゲティング条件を満たす広告コンテンツとして、広告コンテンツ「AD1」、「AD2」および「AD3」を特定する。
そして、広告抽出装置200は、特定した配信候補の広告コンテンツ「AD1」、「AD2」および「AD3」それぞれに対応する広告スコア「10」、「12」および「3」を広告情報記憶部222から取得する(ステップS4b)。そして、広告抽出装置200は、広告枠「F1」、配信候補の広告コンテンツ「AD1」、「AD2」および「AD3」を、各スコア(広告枠スコアおよび広告スコア)の高い順に順位付けする(ステップS4c)。図1の例では、広告抽出装置200は、「広告コンテンツAD2:1位」、「広告コンテンツAD1:2位」、「広告枠F1:3位」、「広告コンテンツAD3:4位」といった順位付けを行う。図1に示す左側の順位リストは、ステップS4cにおいて広告抽出装置200により順位付けされた順位情報を概念的に示したものである。
続いて、広告抽出装置200は、上記ユーザID「U1」に対応する順位情報を参照し、コンテンツ情報記憶部221から取得した広告枠F1の広告枠スコア「4」と、広告コンテンツ「AD1」〜「AD3」それぞれの広告スコア「10」、「12」および「3」を比較する。そして、広告抽出装置200は、広告枠スコア「4」より高い広告スコアを有する広告コンテンツ「AD1」および「AD2」のうち、広告スコアの最も高い広告コンテンツ「AD2」を配信対象として決定し(ステップS4d)、広告情報記憶部222から広告コンテンツ「AD2」のデータを抽出する。
最後に、広告抽出装置200は、抽出した広告コンテンツ「AD2」を広告枠ID「F1」に対応付けてリクエスト送信元のユーザ端末10に配信する(ステップS5)。ユーザ端末10は、広告抽出装置200から受け付けた広告コンテンツ「AD2」を広告枠F1に配置したウェブページP1を表示する。
また、他の一例について説明する。例えば、広告抽出装置200は、ステップS3において、「木曜日」に「男性」であるユーザU1のユーザ端末10から広告リクエストを受け付けたとする。この場合、広告抽出装置200は、ステップS4bにおいて、かかる広告リクエストに対するターゲティング条件を広告コンテンツ「AD1」および「AD2」が満たさないことからこれらを配信対象から除外する。一方、広告抽出装置200は、「木曜日」に送信されたかかる広告リクエストに対するターゲティング条件を広告コンテンツ「AD3」が満たすことから、広告コンテンツ「AD3」を配信候補として特定する。
そして、広告抽出装置200は、ステップS4cにおいて、広告枠「F1」および配信候補の広告コンテンツ「AD3」を、それぞれスコア(広告枠スコアおよび広告スコア)の高い順に順位付けする。図1に示す右側の順位リストに示すように、広告抽出装置200は、「広告枠F1:1位」、「広告コンテンツAD3:2位」といった順位付けを行う。
かかる例では、広告抽出装置200は、ステップS4dにおいて、広告枠F1が順位1位であり、広告枠スコア「4」より高い広告スコアを有する広告コンテンツが存在しないことから、広告配信を行わない、または、予め決められた所定の広告コンテンツを配信する。
ここで、広告コンテンツ「AD3」には、広告コンテンツ「AD1」および「AD2」と比べて非常に低い入札単価「10円」が設定されるとともに、ターゲティング条件「月曜〜日曜」が設定されている。このように、広告主によるターゲティング条件の設定のされ方によっては、図1の順位リスト:右に示すように、競い相手となる広告コンテンツが無くなってしまう場合がある(広告コンテンツ「AD1」および「AD2」が除外され、広告コンテンツ「AD3」のみが残った状態)。このような場合には、他の配信候補の広告コンテンツ等と比較して、極端に入札単価が低い広告コンテンツであっても配信対象となることが考えられる。
例えば、広告枠F1において、上記のように、ターゲティング条件の設定のされ方によっては、入札単価が低い広告コンテンツでも表示させることができるといったことが広告主の間で広まったり等すると、広告枠F1は、安価でも容易に広告コンテンツが表示されるとして価値が損なわれてしまう。そして、広告枠F1の価値が損なわれるということは、結果的に、広告枠F1を含むウェブページP1の価値も損なわれることにつながる可能性もある。コンテンツ配信業者にとってはこのようなデメリットな状況はなるべく回避したいものである。
しかし、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、図1に示すように、配信業者T1により広告枠F1における広告コンテンツの実績情報等に基づき設定された広告枠スコアを足切ラインとして用いることで、広告枠スコアより高い広告スコアを有する広告コンテンツしか配信対象として抽出しない。言い換えれば、広告抽出装置200は、広告枠スコアより低い広告スコアを有する広告コンテンツを配信することはない。例えば、図1の例では、広告抽出装置200は、ターゲティング条件の内容に拘わらず、入札単価「10円」と極端に低い広告コンテンツ「AD3」を配信することはない。
このように、広告抽出装置200は、ある所定値以上の広告スコア(収益期待値)を有する広告コンテンツであれば表示されることを許可するといった配信業者側の希望価格も考慮した広告抽出処理を行うことができるため、広告枠の価値が損なわれることを防止することができる。
〔2.広告抽出装置の構成〕
次に、図2を用いて、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200の構成について説明する。図2は、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200の構成例を示す図である。図2に示すように、広告抽出装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。
通信部210は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークと有線または無線で接続され、ユーザ端末10、広告主端末30、コンテンツサーバ100、業者端末120との間で情報の送受信を行う。
記憶部220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図2に示すように、記憶部220は、コンテンツ情報記憶部221と、広告情報記憶部222と、課金情報記憶部223とを有する。
コンテンツ情報記憶部221は、各配信業者によって設定される広告枠スコアと、広告枠スコアに関する各種情報を記憶する。ここで、図3は、第1の実施形態にかかるコンテンツ情報記憶部221の一例を示す図である。図3の例では、コンテンツ情報記憶部221は、「業者ID」、「ウェブページID」、「広告枠ID」、「広告枠スコア」といった項目を有する。
「業者ID」は、配信業者それぞれの業者端末120または各配信業者を識別する識別情報を示す。また、「業者ID」には、各配信業者の名称として、例えば会社名や個人事業者名が直接用いられてもよい。「ウェブページID」は、各配信業者によって管理・運営されるウェブページそれぞれを識別する識別情報を示す。本実施形態では、「ウェブページID」は、ウェブページのURLであるものとするが、説明を簡単にするために「P1」といった概念的な記号を用いることにする。また、「ウェブページID」として、例えば、「Yサイト−TOPページ」といったように所定の名称が用いられてもよい。
「広告枠ID」は、各ウェブページに含まれる広告枠それぞれを識別する識別情報を示す。「広告枠ID」は、例えば、配信業者によって生成されたものであってもよいし、広告抽出装置200が、業者端末120を介して「広告枠ID」の候補を提示することにより、その候補の中から配信業者に選択させてもよい。
「広告枠スコア」は、各配信業者によって、自身が管理・運営するウェブページに含まれる所定の広告枠に対して設定される当該所定の広告枠の評価を示す評価値、すなわち広告枠評価値である。本実施形態では、かかる広告枠スコアは、所定の広告枠に広告コンテンツが表示されることにより期待される収益期待値(eCPM)、または、収益期待値に関する値であるものとする。このような値は、例えば、所定の広告枠にこれまでに表示された広告コンテンツの実績情報等に基づいて配信者により算出され、広告枠スコアとして所定の広告枠に設定される。
すなわち、図3では、業者ID「T1」によって識別される配信業者(配信業者T1とする)が、広告枠ID「F1」によって識別される広告枠(広告枠F1とする)を含むウェブページであって、ウェブページID「P1」によって識別されるウェブページ(ウェブページP1とする)を管理している旨の情報を、広告抽出装置200に送信した例を示す。また、配信業者T1が、広告枠F1に対して広告枠スコア「4」を設定した例を示す。
ここで、配信業者によって、広告枠の収益期待値(eCPM)が算出される一例について、配信業者T1の例を用いて説明する。図3に示すように、広告抽出装置200は、配信業者T1によって管理・運営されるウェブページP1に関する情報を有しているため、ウェブページP1に含まれる広告枠F1に広告コンテンツが表示された表示回数、広告枠F1に表示された広告コンテンツがクリックされたクリック回数、また、広告枠F1に表示された広告コンテンツの入札単価等を、定期的(例えば、1ヶ月)に配信業者T1にレポートする。
配信業者T1は、広告抽出装置200からのレポートを参照し、例えば、所定期間(例えば、1ヶ月)に広告枠F1に表示された各広告コンテンツがクリックされた総クリック回数を、かかる所定期間に広告枠F1に広告コンテンツが表示された総表示回数で除算することによりクリック率(CTR:Crick Through Rate)を算出する。なお、配信業者T1は、広告枠F1における各広告コンテンツのクリック率を平均した平均クリック率を算出してもよい。
また、配信業者T1は、広告枠F1に表示された各広告コンテンツの入札単価から平均入札単価を算出する。そして、配信業者T1は、算出したクリック率(平均クリック率でもよい)と平均入札単価とを乗算することより、広告枠F1の収益期待値を算出する。
配信業者T1は、このように算出した収益期待値を広告枠スコアとして設定する。あるいは、配信業者T1は、算出した収益期待値を参考にして調整した値(収益期待値に関する値)を広告枠スコアとして設定する。例えば、配信業者T1は、図1に示すように、広告枠スコアとしての収益期待値「4」を算出したとすると、業者端末120を操作して、ウェブページID「P1」、広告枠ID「F1」、広告枠スコア「4」を広告抽出装置200へ送信することで、広告枠スコアの設定を完了する。
次に、広告情報記憶部222は、広告主から受け付けた広告コンテンツに関する各種情報や、広告コンテンツが配信やクリックされたことによる実績情報を記憶する。ここで、図4は、第1の実施形態にかかる広告情報記憶部222の一例を示す図である。図4の例では、広告情報記憶部222は、「広告主ID」、「広告ID」、「広告データ」、「ターゲティング条件」、「入札単価」、「クリック率」、「広告スコア」といった項目を有する。
「広告主ID」は、広告主または広告主によって広告コンテンツ入稿等に利用される広告主端末30を識別するための識別情報を示す。「広告ID」は、広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。例えば、広告ID「AD1」によって識別される広告コンテンツを、広告コンテンツ「AD1」と表記する。「広告データ」は、広告主端末30から入稿された広告コンテンツであって、対応する「広告枠ID」により識別される広告枠に表示するよう指定されている広告コンテンツのデータを示す。「広告データ」は、例えば、画像、動画、テキストデータ、URLまたはこれらの格納場所を示すファイルパス名等である。
「ターゲティング条件」は、どのような広告リクエスト(例えば、ユーザ属性「女性」が対応付けられるユーザ端末10からの広告リクエスト)に応じて、配信させる広告コンテンツであるかを指定する条件情報を示す。
「入札単価」は、広告主が広告コンテンツを入稿する際に指定する広告料金を示す。例えば、「入札単価」は、広告コンテンツがユーザに1回クリックされた際に広告主から広告配信者(例えば、広告抽出装置200の管理者)に支払われる単価に該当する。「クリック率」(CTR)は、広告コンテンツがクリックされた回数を広告コンテンツの表示回数によって除算した値を示す。なお、ユーザ端末10に配信されたことがない広告コンテンツのCTRには、予め決められている固定値や、全ての広告コンテンツにおけるCTRの平均値や、同一の広告カテゴリ(例えば、車、旅行)に属する全ての広告コンテンツにおけるクリック率の平均値等が記憶される。また、「クリック率」には、クリック率の予測モデル等から予測される予測クリック率が記憶されてもよい。このような予測クリック率は、例えば、広告コンテンツの種別や、広告コンテンツが表示されるウェブページの種別等によって予測される。
「広告スコア」は、広告コンテンツの評価を示す広告指標値を示す。本実施形態では、「広告スコア」は、入稿された各広告コンテンツの収益期待値(eCPM)であるものとする。例えば、後述する広告抽出装置200の広告情報受付部232は、入稿された広告コンテンツそれぞれについて、各広告コンテンツに対して設定された入札単価と、その広告コンテンツのクリック率とを乗算することにより「広告スコア」である収益期待値を算出する。
すなわち、図4の例では、広告主ID「C1」によって識別される広告主が、広告ID「AD1」によって識別される広告コンテンツのデータ「aaa.png」を入稿するとともに、広告コンテンツ「AD1」に対し、ターゲティング条件「20代女性」および入札単価「100円」を指定している例を示す。また、広告抽出装置200が、広告コンテンツ「AD1」について、クリック率「0.1」を算出するとともに、入札単価「100円」とクリック率「0.1」とを乗じることにより、広告スコアとして収益期待値「10」を算出した例を示す。
次に、課金情報記憶部223は、広告主に課金する課金額に関する情報を記憶する。ここで、図5は、第1の実施形態にかかる課金情報記憶部223の一例を示す図である。図5の例では、課金情報記憶部223は、「広告主ID」、「広告ID」、「課金額(単価)」、「累積課金額」といった項目を有する。
「広告主ID」は、図4に示すものと同様に、広告主または広告主によって広告コンテンツ入稿等に利用される広告主端末30を識別するための識別情報を示す。「広告ID」は、対応する「広告主ID」により識別される広告主によって入稿された広告コンテンツを示す。
課金額(単価)は、後述する抽出部235により配信対象の広告コンテンツが抽出された場合に、抽出された広告コンテンツに対し後述する算定部236により算定された課金額を示す。また、課金額(単価)は、かかる広告コンテンツがユーザに1回クリックされた際に広告主から広告配信者(例えば、広告抽出装置200の管理者)に支払われる単価、すなわちクリック単価に該当する。「累積課金額」は、図5に示す課金額(単価)と、かかる課金額(単価)が設定された広告コンテンツが所定期間(例えば、1ヶ月)にクリックされた回数との乗算により算定された額を示す。
すなわち、図5の例では、後述する算定部236により広告コンテンツ「AD1」について、課金額(単価)として「40円」が算定され、また、広告コンテンツ「AD1」が所定期間にクリックされたクリック数と、課金額「40円」を用いて、所定期間での累積課金額として「20000円」が算定された例を示す。
図2に戻り、制御部230は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告抽出装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図2に示すように、制御部230は、コンテンツ情報受付部231と、広告情報受付部232と、要求受付部233と、取得部234と、抽出部235と、算定部236と、配信部237と、課金部238とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。制御部230の内部構成は、図2に示した情報に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
コンテンツ情報受付部231は、配信業者から広告枠スコアの設定を受け付ける。例えば、コンテンツ情報受付部231は、配信業者による広告枠スコアの設定情報として、業者端末120からウェブページID、広告枠ID、広告枠スコアを受け付ける。そして、コンテンツ情報受付部231は、広告枠スコア設定元の配信業者の業者IDに対応付けて、受け付けたウェブページID、広告枠ID、広告枠スコアをコンテンツ情報記憶部221に格納する。
例えば、図3では、配信業者T1により管理されるウェブページP1に含まれる広告枠F1に配信業者T1が広告枠スコア「4」を設定する旨の情報として、コンテンツ情報受付部231が、配信業者T1の業者端末120からウェブページID「P1」、広告枠ID「F1」、広告枠スコア「4」を受け付けた例を示す。また、コンテンツ情報受付部231が、上記のように受け付けた情報をコンテンツ情報記憶部221に格納している例を示す。
広告情報受付部232は、広告主から広告コンテンツのデータの入稿を受け付ける。具体的には、広告情報受付部232は、広告枠への表示を希望する広告コンテンツの入稿を受け付けるとともに、広告リクエストに対するターゲティング条件の指定、入札単価の指定を受け付ける。そして、広告情報受付部232は、広告主IDおよび広告IDに対応付けて、入稿された広告コンテンツのデータ、受け付けた指定情報を広告情報記憶部222に格納する。
例えば、図4では、広告情報受付部232は、広告主C1より広告主端末30aを介して、広告コンテンツ「AD1」のデータの入稿を受け付けるとともに、ターゲティング条件「20代女性」および入札単価「100円」とする指定を受け付けた例を示す。また、広告情報受付部232が、上記のように受け付けた情報を、広告主ID「C1」および広告ID「AD1」に対応付けて広告情報記憶部222に格納している例を示す。
ここで、図示しないが、図4に示す広告情報記憶部222には、広告コンテンツがクリックされたクリック回数や、ユーザ端末10に表示された表示回数も記憶されてよく、これらの情報を用いて、広告情報受付部232は、各広告コンテンツのクリック率を算出する。そして、広告情報受付部232は、広告情報記憶部222を参照し、広告コンテンツ毎に、入札単価とクリック率とを乗じることにより広告スコアである収益期待値の算出も行う。つまり、図4では、広告情報受付部232が、広告主C1より入稿された広告コンテンツ「AD1」について、広告スコア「10」を算出した例を示す。
要求受付部233は、ユーザ端末10から広告リクエストを受け付ける。例えば、要求受付部233は、ユーザ端末10から広告枠IDおよびユーザIDを含む広告リクエストを受け付ける。また、要求受付部233は、広告リクエストに含まれる広告枠IDおよびユーザIDを取得部234に送信する。この点について、図1を用いて説明する。
例えば、配信業者T1のコンテンツサーバ100が、ユーザU1のユーザ端末10からウェブページP1のページリクエストを受け付けたとする(ステップS1)。ウェブページP1には、広告枠ID「F1」によって識別される広告枠F1が含まれるため、かかるコンテンツサーバ100は、ウェブページP1のデータとともに、広告枠ID「F1」をユーザ端末10に配信する(ステップS2)。そして、ユーザ端末10は、ウェブページP1を受け付けると、広告枠ID「F1」およびユーザID「U1」を含む広告リクエストを広告抽出装置200に送信する(ステップS3)。そして、要求受付部233は、ユーザ端末10から広告枠ID「F1」およびユーザID「U1」を含む広告リクエストを受け付ける。また、要求受付部233は、広告枠ID「F1」およびユーザID「U1」を取得部234に送信する。
取得部234は、広告枠の評価に関する指標値である広告枠スコアと、配信候補の広告コンテンツの評価に関する指標値である広告スコアを取得する。具体的には、取得部234は、コンテンツ情報記憶部221から広告枠スコアを取得し、広告情報記憶部222から広告スコアを取得する。以下では、取得部234の処理について、一例を用いて説明する。
例えば、上記のように、ユーザU1のユーザ端末10から広告枠ID「F1」およびユーザID「U1」を含む広告リクエストが送信されたことにより、かかる広告リクエストが要求受付部233によって受け付けられたとする。これにより、要求受付部233が、広告枠ID「F1」およびユーザID「U1」を取得部234に送信したとする。
取得部234は、要求受付部233から広告枠ID「F1」およびユーザID「U1」を受け付けると、コンテンツ情報記憶部221を参照し、広告枠ID「F1」に対応付けられる広告枠スコアを取得する。図3の例では、取得部234は、コンテンツ情報記憶部221を参照し、広告枠ID「F1」に対応付けられる広告枠スコア「4」を取得する。
また、取得部234は、広告情報記憶部222を参照し、広告リクエストに対するターゲティング条件を満たす広告コンテンツを特定する。そして、取得部234は、特定した広告コンテンツそれぞれに対応付けられる広告スコアを取得する。
例えば、ユーザU1が「25歳女性」であり、現在曜日が「水曜日」であるとすると、図4の例では、取得部234は、広告枠ID「F1」に対応付けられる広告コンテンツのうち、ターゲティング条件を満たす広告コンテンツとして、広告コンテンツ「AD1」、「AD2」および「AD3」を特定する。そして、取得部234は、特定した配信候補の広告コンテンツ「AD1」、「AD2」および「AD3」それぞれに対応付けられる広告スコア「10」、「12」および「3」を広告情報記憶部222から取得する。
また、取得部234は、取得した広告枠スコアおよび取得した広告スコアに関する各種情報を対応付けて抽出部235に送信する。例えば、取得部234は、「F1広告枠スコア:4、AD1広告スコア:10、AD2広告スコア:12、AD3広告スコア:3」といった情報を抽出部235に送信する。
図2に戻り、抽出部235は、取得部234により取得された広告枠スコアと広告スコアとに基づいて、広告枠に表示される配信対象の広告コンテンツを配信候補の広告コンテンツから抽出する。具体的には、抽出部235は、広告枠スコアと配信候補の広告コンテンツそれぞれの広告スコアとに基づいて、配信対象の広告コンテンツを配信候補の広告コンテンツから抽出する。例えば、抽出部235は、広告枠スコアより高い広告スコアを有する配信候補の広告コンテンツの中から、配信対象の広告コンテンツを決定し、決定した広告コンテンツの広告IDを抽出する。また、抽出部235は、抽出した広告IDに対応する広告データを抽出する。以下では、抽出部235の処理について、一例を用いて説明する。
例えば、上記のように、取得部234が、「F1広告枠スコア:4、AD1広告スコア:10、AD2広告スコア:12、AD3広告スコア:3」といった取得した広告スコアに関する情報を抽出部235に送信したとする。
かかる場合、抽出部235は、広告枠F1の広告枠スコアおよび配信候補の広告コンテンツ「AD1」〜「AD3」それぞれの広告スコアに基づいて、広告枠F1および広告コンテンツ「AD1」〜「AD3」それぞれに対し順位付けする。具体的には、抽出部235は、広告枠F1の広告枠スコア、広告コンテンツ「AD1」〜「AD3」それぞれの広告スコアを比較し、その広告枠スコアおよび広告スコアが高い順に順位付けする。したがって、抽出部235は、これら広告枠スコアおよび広告スコアのうち、最も高いスコアを有する広告コンテンツ「AD2」に1位、次いで広告コンテンツ「AD1」に2位、次いで広告枠F1に3位、次いで広告コンテンツ「AD3」に4位といった順位付けを行う。
また、抽出部235は、順位が高い順に広告枠F1および広告コンテンツ「AD1」〜「AD3」を上からソートする。ここで、図6は、抽出部235により順位付けされた順位情報を概念化した順位リスト(1)を示す。
そして、抽出部235は、図6に示す順位情報に基づき、広告枠F1の広告枠スコア「4」より高い広告スコアを有する配信候補の広告コンテンツ(広告枠F1の順位より高い順位の広告コンテンツ)である広告コンテンツ「AD1」および「AD2」から、配信対象の広告コンテンツを決定する。例えば、抽出部235は、広告コンテンツ「AD1」および「AD2」のうち最も広告スコアの高い広告コンテンツ「AD2」を配信対象の広告コンテンツとして決定し、決定した広告コンテンツの広告ID「AD2」を抽出する。
そして、抽出部235は、広告情報記憶部222にアクセスし、配信対象の広告コンテンツ「AD2」の広告データ「bbb.png」を抽出する。そして、抽出部235は、抽出した広告コンテンツ「AD2」の広告データ「bbb.png」を配信部237に送信する。
また、抽出部235における他の一例の処理について説明する。例えば、要求受付部233によって、「木曜日」に「男性」であるユーザU1のユーザ端末10から、広告枠ID「F1」を含む広告リクエストが受け付けられたとする。取得部234は、コンテンツ情報記憶部221から広告枠スコア「4」を取得するとともに、かかる広告リクエストに対するターゲティング条件を広告コンテンツ「AD1」および「AD2」が満たさないことからこれらを配信対象から除外する。一方、取得部234は、「木曜日」に送信されたかかる広告リクエストに対するターゲティング条件を広告コンテンツ「AD3」が満たすことから、広告コンテンツ「AD3」を配信候補として特定する。
このように、取得部234により広告コンテンツ「AD3」が配信候補として特定された場合、抽出部235は、広告枠「F1」および配信候補の広告コンテンツ「AD3」を、それぞれスコア(広告枠スコアおよび広告スコア)の高い順に順位付けする。また、抽出部235は、順位が高い順に広告枠F1および広告コンテンツ「AD3」を上からソートする。ここで、図7は、抽出部235により順位付けされた順位情報を概念化した順位リスト(2)を示す。
図7に示すように、広告枠F1が順位1位であり、広告枠スコア「4」より高い広告スコアを有する広告コンテンツが存在しないことから、抽出部235は、配信対象の広告コンテンツを抽出しない。
このように、抽出部235は、広告枠スコアより高い広告スコアを有する広告コンテンツしか抽出しない。言い換えれば、抽出部235は、広告抽出処理において、広告枠スコアを足切ラインとして用いる。これにより、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、他の広告コンテンツの入札単価や平均的な入札単価と比べて、極端に入札単価の低い広告コンテンツを表示させないようにすることができるため、このような広告コンテンツが表示されてしまうことで広告枠の価値が低下することを防止することができる。また、広告抽出装置200は、入札単価の低い広告コンテンツ、すなわち広告収益の見込めない広告コンテンツを配信する機会を少なくすることができる。
図2に戻り、算定部236は、広告枠スコアと、抽出部235により抽出された配信対象の広告コンテンツの広告スコアとに基づいて、当該配信対象の広告コンテンツを入稿した広告主に請求する課金額(単価)を算定する。例えば、算定部236は、以下に示す式(1)および(2)を用いて、課金額(単価)を算定する。
Si+Sx/2=Save−i ・・・ (1)
Siは、配信対象の広告コンテンツiの広告スコアを示す。Sxは、配信対象の広告コンテンツiを表示させる広告枠xの広告枠スコアを示す。Save−iは、SiとSxとの平均である平均スコアを示す。
そして、算定部236は、式(2)を用いて、配信対象の広告コンテンツを入稿した広告主に請求する課金額(単価)を算定する。
Save−i/CTRi=Mi ・・・ (2)
Save−iは、上記式(1)を用いて算出された平均スコアを示す。CTRiは、広告コンテンツiのクリック率を示す。Miは、配信対象の広告コンテンツiを入稿した広告主に請求する課金額(単価)を示す。以下では、算定部236の処理について、一例を用いて説明する。
例えば、上記のように、抽出部235が、広告コンテンツ「AD2」を配信対象の広告コンテンツとして抽出したとする。これまで説明してきたように、かかる例では、広告コンテンツ「AD2」の広告スコアSAD2が「12」、広告コンテンツ「AD2」を表示する広告枠F1の広告枠スコアSF1が「4」である。
算定部236は、これらの値を上記式(1)に代入して、配信対象の広告コンテンツ「AD2」の平均スコアSave−AD2として「8円」を算定する。また、算定部236は、図4に示す広告情報記憶部222を参照し、広告コンテンツ「AD2」のクリック率CTRAD2が「0.06」であることから、上記式(2)にこれらの値を代入して、課金額MAD2として「133円」を算定する。
ここで、算定部236は、上記式(1)および式(2)を用いて算定した課金額Miについて、本来広告主に設定されている入札単価との比較を行う。そして、算定部236は、課金額Miが広告主に設定されている入札単価より低い場合には、課金額Miが実際の課金に用いられるようにする。一方、算定部236は、課金額Miが広告主に設定されている入札単価より高い場合には、広告主に設定されている入札単価が実際の課金に用いられるようにする。
例えば、算定部236は、上記式(1)および式(2)を用いて算定した広告コンテンツ「AD2」の課金額MAD2「133円」と、図4に示す広告情報記憶部222において、対応する広告主C2により設定されている入札単価「200円」との比較を行う。そして、算定部236は、課金額MAD2「133円」が入札単価「200円」より低いことから、課金額MAD2「133円」を、図5に示すように、広告ID「AD2」に対応付けて課金情報記憶部223に格納する。
このように、算定部236は、配信対象の広告コンテンツの広告スコアと、その広告コンテンツを表示する広告枠の広告枠スコアとの平均スコアを用いて、課金額を算定する。そして、算定部236は、算定した課金額が広告主の入札単価より低い場合には、算定した課金額を用いる。一方、算定部236は、算定した課金額が広告主の入札単価より高い場合には、広告主の入札単価を用いる。
このため、算定部236は、広告枠スコアと広告スコアの両方を考慮したバランスのとれた課金額を算定することができる。また、算定部236は、広告主が入札単価より高い額で課金することを防止することができる。
図2に戻り、配信部237は、抽出部235により抽出された配信対象の広告コンテンツを、広告リクエスト送信元のユーザ端末10に配信する。例えば、上記のように、ユーザU1のユーザ端末10からの広告リクエストに応じて、抽出部235により、広告枠F1に表示させる配信対象の広告コンテンツとして、広告コンテンツ「AD2」が抽出されたとする。かかる場合、配信部237は、ユーザU1のユーザ端末10に対し、広告コンテンツ「AD2」を広告枠F1に表示するよう配信する。
そして、ユーザ端末10は、配信部237から受け付けた広告コンテンツ「AD2」を広告枠F1に配置したウェブページP1を表示する。
一方、配信部237は、要求受付部233により広告リクエストが受け付けられたとしても、広告コンテンツの配信を行わない、または、予め決められた所定の広告コンテンツを配信する場合がある。
例えば、図7に示すように、抽出部235により配信対象の広告コンテンツが抽出されなかった場合、配信部237は、配信対象の広告コンテンツが存在しないため広告配信を行わない、または、予め決められた所定の広告コンテンツを配信してもよい。予め決められた所定の広告コンテンツとは、例えば、広告抽出装置200の管理者によって用意された広告コンテンツ等である。
図2に戻り、課金部238は、算定部236により算定された課金額(単価)に基づいて、累積課金額を算定し、算定した累積課金額を対応する広告主に課金するよう指示する。例えば、課金部238は、ユーザ端末10から、広告コンテンツがクリックされた旨のクリック情報を受け付け、クリック情報を受け付ける度に、クリックされた広告コンテンツに対して算定されている課金額(単価)に基づいて、クリックされた広告コンテンツを入稿した広告主に請求する累積課金額を算定する。以下では、課金部238の処理について、一例を用いて説明する。
例えば、上記のように、抽出部235により広告コンテンツ「AD2」が配信対象の広告コンテンツとして抽出され、配信部237により広告コンテンツ「AD2」がユーザU1のユーザ端末10に配信されたとする。そして、ユーザU1が、ウェブページP1の広告枠F1に表示された広告コンテンツ「AD2」をクリックしたとする。
かかる場合、例えば、ユーザ端末10は、広告コンテンツ「AD2」がクリックされた旨の情報として、広告ID「AD2」を含むクリック情報を広告抽出装置200に送信する。課金部238は、クリック情報を受け付けると、課金情報記憶部223を参照し、広告ID「AD2」に対応付けられる課金額「133円」を特定する。
そして、課金部238は、課金情報記憶部223において、広告コンテンツ「AD2」に対応する累積課金額に「133円」を加算する。そして、課金部238は、所定期間(例えば、1ヶ月)毎に、その所定期間での累積課金額を課金するよう対応する広告主C2に指示する。
〔3.処理手順〕
次に、図8を用いて、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200が実行する広告抽出処理の手順について説明する。図8は、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200による広告抽出処理手順を示すフローチャートである。
まず、広告抽出装置200のコンテンツ情報受付部231が、配信業者から広告枠スコアの設定として、ウェブページID、広告枠ID、広告枠スコアを受け付けることにより、図3に示すような内容のコンテンツ情報記憶部221を有しているものとする。また、広告情報受付部232が、広告コンテンツの入稿を受け付けるとともに、入札単価の指定、ターゲティング条件の指定を受け付けることにより、図4に示すような内容の広告情報記憶部222を有しているものとする。
そして、要求受付部233は、ユーザ端末10から広告リクエストを受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。要求受付部233により広告リクエストが受け付けられた場合には(ステップS101;Yes)、取得部234は、コンテンツ情報記憶部221を参照し、広告リクエストに含まれる広告枠IDに対応付けられる広告枠スコアを取得する(ステップS102)。一方、要求受付部233は、広告リクエストを受け付けていない場合には(ステップS101;No)、受け付けるまで待機する。
また、取得部234は、広告情報記憶部222を参照し、広告リクエストに対するターゲティング条件を満たす広告コンテンツ(配信候補の広告コンテンツ)を特定し、特定した広告コンテンツそれぞれに対応付けられる広告スコアを取得する(ステップS103)。なお、取得部234は、ステップS102とS103を同時に行ってもよいし、逆の順序で行ってもよい。
抽出部235は、取得部234によって取得された広告枠スコアと広告スコアに基づき、配信候補の広告コンテンツの中に、かかる広告枠スコアより高い広告コンテンツが存在するか否かを判定する(ステップS104)。例えば、抽出部235は、広告枠スコア、各配信候補の広告コンテンツの広告スコアを比較し、広告枠スコアおよび広告スコアが高い順に順位付けする。そして、抽出部235は、順位が高い順に広告枠および各配信候補の広告コンテンツを上からソートし、ソートしたものに決定した順位を対応付ける。このような状態で、抽出部235は、広告枠スコアより高い広告スコアを有する配信候補の広告コンテンツが存在するか否かを判定する。
そして、抽出部235は、広告枠スコアより高い広告スコアを有する配信候補の広告コンテンツが存在する場合には(ステップS104;Yes)、かかる配信候補の広告コンテンツ中から、最も高い広告スコアを有する広告コンテンツを配信対象の広告コンテンツとして決定する(ステップS105)。そして抽出部235は、決定した広告コンテンツの広告IDを抽出する(ステップS106)。
抽出部235により配信対象の広告コンテンツが抽出されると、算定部236は、広告枠スコアと、配信対象の広告コンテンツの広告スコアとに基づいて、当該配信対象の広告コンテンツを入稿した広告主に対して課金させる単価(課金額)を算定する(ステップS107)。具体的には、抽出部235は、上記式(1)および式(2)を用いて、課金額(単価)を算定する。
算定部236により配信対象の広告コンテンツを入稿した広告主に請求する課金額が算定されると、抽出部235は、広告情報記憶部222にアクセスし、配信対象の広告コンテンツの広告IDに対応する広告データを抽出する(ステップS108)。
配信部237は、抽出部235により抽出された配信対象の広告コンテンツのデータをユーザ端末10に配信する(ステップS109)。一方、広告枠スコアより高い広告スコアを有する配信候補の広告コンテンツが存在しない場合には(ステップS104;No)、配信部237は、予め決められている所定の広告コンテンツのデータをユーザ端末10に配信する(ステップS110)。
〔4.変形例〕
上述した第1の実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、他の実施形態について説明する。
〔4−1.課金額算出〕
上記第1の実施形態では、算定部236が、広告枠スコアと、抽出部235により抽出された配信対象の広告コンテンツの広告スコアとを用いて、配信対象の広告コンテンツを入稿した広告主に請求する課金額(単価)を算定する例を示した。しかし、この例に限らず、算定部236は、配信候補の広告コンテンツの広告スコア、または、広告枠スコアに基づいて、課金額(単価)を算定してもよい。例えば、算定部236は、抽出部235により順位付けされた順位情報を用いて、配信対象の広告コンテンツより低い順位の配信候補の広告スコア、または、配信対象の広告コンテンツより低い順位の広告枠の広告枠スコアに基づいて、課金額(単価)を算定する。以下では、変形例にかかる算定部236の処理について、一例を用いて説明する。
上記例のように、ユーザU1のユーザ端末10からウェブページP1に含まれる広告枠F1に表示する広告コンテンツのリクエストが送信されたとする。また、これにより、取得部234が、広告枠F1の広告枠スコアや、配信候補として特定した広告コンテンツ「AD1」〜「AD3」の広告スコアを取得したとする。さらに、抽出部235が、図6に示すように、広告枠F1の広告枠スコア、広告コンテンツ「AD1」〜「AD3」それぞれの広告スコアを比較し、配信対象の広告コンテンツ「AD2」を抽出したとする。
ここで、変形例にかかる算定部236は、配信対象の広告コンテンツ「AD2」入稿元の広告主に請求する課金額(単価)を算定する。具体的には、算定部236は、抽出部235により順位付けされた順位情報を参照し、配信対象の広告コンテンツ「AD2」より1つ低い順位付けがされているものを特定する。図6に示す順位情報の例では、算定部236は、配信対象の広告コンテンツ「AD2」より1つ順位の低い広告コンテンツ「AD1」を特定する。
そして、算定部236は、特定した広告コンテンツ「AD1」の広告スコア「10」を、配信対象の広告コンテンツ「AD2」のクリック率「0.06」で除算することにより、課金額(単価)として「166円」を算定する。このような算定方法は、上記式(2)において、平均スコアを、配信対象の広告コンテンツより1つ順位の低い広告コンテンツの広告スコアに置き換えたものに相当する。
そして、算定部236は、算定した課金額「166円」と、図4に示す広告情報記憶部222において、対応する広告主C2により設定されている入札単価「200円」との比較を行う。そして、算定部236は、課金額「166円」が入札単価「200円」より低いことから、課金額「166円」を、広告ID「AD2」に対応付けて課金情報記憶部223に格納し、実際の課金に用いられるようにする。
また、他の一例について説明する。例えば、図6に示す順位情報において、抽出部235により広告コンテンツ「AD1」が配信対象として抽出されたとする。かかる場合、算定部236は、配信対象の広告コンテンツ「AD1」より1つ低い順位付けがされているものとして、広告枠「F1」を特定する。
そして、算定部236は、特定した広告枠F1の広告枠スコア「4」を、配信対象の広告コンテンツ「AD1」のクリック率「0.1」で除算することにより、課金額(単価)として「40円」を算定する。このような算定方法は、上記式(2)において、平均スコアを、配信対象の広告コンテンツより1つ順位の低い広告枠の広告枠スコアに置き換えたものに相当する。
そして、算定部236は、算定した課金額「40円」と、図4に示す広告情報記憶部222において、対応する広告主C1により設定されている入札単価「100円」との比較を行う。そして、算定部236は、課金額「40円」が入札単価「100円」より低いことから、課金額「40円」を、広告ID「AD1」に対応付けて課金情報記憶部223に格納し、実際の課金に用いられるようにする。
このように、算定部236は、広告枠スコアおよび配信候補の広告コンテンツの広告スコアの高さに応じて順位付けされた順位情報を用いて、配信対象として抽出された広告コンテンツより1つ低い順位の広告コンテンツあるいは広告枠を特定する。そして、算定部236は、配信対象の広告コンテンツより1つ順位が低いものが配信候補の広告コンテンツであった場合には、かかる配信候補の広告コンテンツの広告スコアを用いて課金額を算定する。また、算定部236は、配信対象の広告コンテンツより1つ順位が低いものが広告枠であった場合には、かかる広告枠の広告枠スコアを用いて課金額として算定する。
これにより、広告抽出装置200は、広告枠スコアと広告スコアの両方を考慮したバランスのとれた課金額を算定することができる。また、算定部236は、広告主が入札単価より高い額で課金することを防止することができる。
〔4−2.広告枠スコア(1)〕
上記第1の実施形態では、各配信業者が、自信が配信するウェブページの所定の広告枠に対し、その広告枠に表示された広告コンテンツの入札単価や実績情報等に基づいて、収益期待値、または、収益期待値に関する値を算出し、算出した値をかかる広告枠の広告枠スコアとして設定する例を示した。しかし、配信業者は、広告枠に対して広告枠スコアを設定するのではなく、広告枠に対して所定の価格を設定してもよい。このような所定の価格は、広告枠に対する入札価格とみなすことができ、以下では、広告枠価格と表記する。例えば、配信業者は、広告抽出装置200からのレポートを参照し、自身が管理するウェブページに含まれる広告枠に表示された各広告コンテンツの入札単価から平均入札単価を算出する。そして、配信業者は、平均入札単価を参考に、広告枠価格を設定することが考えられる。
そして、広告抽出装置200のコンテンツ情報受付部231は、配信業者から広告枠価格の設定を受け付ける。例えば、コンテンツ情報受付部231は、配信業者による広告枠価格の設定情報として、業者端末120からウェブページID、広告枠ID、広告枠価格を受け付ける。そして、コンテンツ情報受付部231は、広告枠価格設定元の配信業者の業者IDに対応付けて、受け付けたウェブページID、広告枠ID、広告枠価格をコンテンツ情報記憶部221に格納する。このような場合のコンテンツ情報記憶部221をコンテンツ情報記憶部221aとする。
また、コンテンツ情報受付部231は、配信業者によって広告枠に設定された広告枠価格に基づいて、広告枠毎に収益期待値(eCPM)を算出し、算出した収益期待値を広告枠スコアとして設定する。例えば、コンテンツ情報受付部231は、広告枠毎に設定された広告枠価格と、当該広告枠に表示された広告コンテンツがクリックされたクリック率(広告枠の評価値)とを乗じることにより、当該広告枠に広告コンテンツが表示されることにより期待される収益期待値を算出し、算出した収益期待値を広告枠スコアとして設定する。
ここで、図9は、変形例にかかるコンテンツ情報記憶部221aの一例を示す図(1)である。例えば、図9では、配信業者T1により管理されるウェブページP1に含まれる広告枠F1に配信業者T1が広告枠価格「100円」を設定する旨の情報として、コンテンツ情報受付部231が、配信業者T1の業者端末120からウェブページID「P1」、広告枠ID「F1」、広告枠価格「100円」を受け付けた例を示す。また、コンテンツ情報受付部231が、広告枠F1の広告枠価格「100円」と、広告枠F1の実績情報であるクリック率(0.04とする)とを乗じて、収益期待値「4」を算出し、算出した収益期待値「4」を広告枠F1の広告枠スコアとして設定した例を示す。
このような状態において、要求受付部233によりユーザ端末10からの広告リクエストが受け付けられると、取得部234は、コンテンツ情報記憶部221aから広告枠スコアを取得する。
例えば、ユーザU1のユーザ端末10から広告枠ID「F1」およびユーザID「U1」を含む広告リクエストが送信されたことにより、かかる広告リクエストが要求受付部233によって受け付けられたとする。取得部234は、コンテンツ情報記憶部221aを参照し、広告枠ID「F1」に対応付けられる広告枠スコアを取得する。図9の例では、取得部234は、コンテンツ情報記憶部221aを参照し、広告枠ID「F1」に対応付けられる広告枠スコア「4」を取得する。
このように、コンテンツ情報受付部231は、配信業者から広告枠に対する入札価格である広告枠価格の設定を受け付け、受け付けた広告枠価格と、かかる広告枠の評価値であるクリック率とを用いて、収益期待値を算出する。そして、コンテンツ情報受付部231は、算出した収益期待値をかかる広告枠の広告枠スコアとして設定する。また、取得部234は、広告リクエストに応じて、上記のようにしてコンテンツ情報受付部231により設定された広告枠スコアをコンテンツ情報記憶部221aから取得する。
これにより、広告抽出装置200は、配信業者に対して、広告枠に対する収益期待値の設定だけでなく、価格設定にも対応することができるため、広告枠に対する情報設定の利便性を高めることができる。また、広告抽出装置200は、配信業者からは広告枠に対する価格設定を受け付けて、広告枠スコアの算出・設定は装置側で行うため、配信業者による広告枠スコア(収益期待値)算出の手間を省かせることができる。
〔4−3.広告枠スコア(2)〕
上記第1の実施形態では、コンテンツ情報受付部231が、配信業者から広告枠毎に1つの広告枠スコアの設定を受け付ける例について説明した。しかし、コンテンツ情報受付部231は、配信業者から1つの広告枠について、複数の広告枠スコアの設定を受け付けてもよい。例えば、コンテンツ情報受付部231は、配信業者から1つの広告枠について、時間帯毎の広告枠スコアの設定を受け付ける。なお、ここでは、広告枠スコアは収益期待値であるものとする。また、配信業者による収益期待値の算出については、上述してきた通りであるため説明を省略する。
そして、広告抽出装置200は、図3に示すコンテンツ情報記憶部221に代わって、図10に示すコンテンツ情報記憶部221bを有するものとする。図10は、変形例にかかるコンテンツ情報記憶部221bの一例を示す図(2)である。図10に示すように、コンテンツ情報記憶部221bは、時間帯毎に「広告枠スコア」の項目を有する。図10では、省略しているが、コンテンツ情報記憶部221bは、24時間を1時間毎に区切った計24の「広告枠スコア」の項目を有する。
例えば、図10では、配信業者T1により管理されるウェブページP1に含まれる広告枠F1に配信業者T1が0時台の広告枠スコア「4円」、1時台の広告枠スコア「3円」・・・を設定する旨の情報として、コンテンツ情報受付部231が、配信業者T1の業者端末120からウェブページID「P1」、広告枠ID「F1」、0時台の広告枠スコア「4円」、1時台の広告枠スコア「3円」・・・を受け付けた例を示す。
このような状態において、要求受付部233によりユーザ端末10からの広告リクエストが受け付けられると、取得部234は、コンテンツ情報記憶部221bから広告枠スコアを取得する。
例えば、「0時15分」に、ユーザU1のユーザ端末10から広告枠ID「F1」およびユーザID「U1」を含む広告リクエストが送信されたことにより、かかる広告リクエストが要求受付部233によって受け付けられたとする。取得部234は、コンテンツ情報記憶部221bを参照し、広告枠ID「F1」に対応付けられる広告枠スコアのうち、広告リクエストが受け付けられた時間帯に応じた広告枠スコアを取得する。図10の例では、取得部234は、コンテンツ情報記憶部221bを参照し、広告枠ID「F1」に対応付けられる広告枠スコアのうち、0時台の広告枠スコア「4」を取得する。
このように、コンテンツ情報受付部231は、配信業者から1つの広告枠について、時間帯毎の広告枠スコアの設定を受け付ける。そして、取得部234は、広告リクエストが受け付けられた時間帯に応じて、取得する広告枠スコアを動的に変える。これにより、広告抽出装置200は、配信業者に対し、広告枠スコアの設定をより詳細に行わせることができる。
なお、コンテンツ情報受付部231は、配信業者から1つの広告枠について、時間帯毎の広告枠価格の設定を受け付けてもよい。かかる場合、コンテンツ情報受付部231は、時間帯毎の広告枠価格それぞれについて収益期待値を算出し、算出した収益期待値を広告枠スコアとして設定する。
(第2の実施形態)
〔1.広告抽出装置の構成〕
第1の実施形態では、広告抽出装置200が、配信業者から広告枠スコアの設定を受け付ける例を示した。しかし、第2の実施形態にかかる広告抽出装置300は、各配信業者によって配信されるウェブページに含まれる広告枠毎に収益期待値を算出し、算出した収益期待値を対応する各配信業者に提示する。これにより、第2の実施形態にかかる広告抽出装置300は、配信業者による広告枠スコアの検討や算出を補助する。
図11を用いて、第2の実施形態にかかる広告抽出装置300の構成について説明する。図11は、第2の実施形態にかかる広告抽出装置300の構成例を示す図である。図11に示すように、広告抽出装置300は、通信部210と、記憶部220と、制御部330とを有する。なお、広告抽出装置200と符号が重複する処理部は、広告抽出装置200と同一処理部であるため説明を省略する。
制御部330は、例えば、CPUやMPU等によって、広告抽出装置300内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部330は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図11に示すように、制御部330は、提示部331と、コンテンツ情報受付部231と、広告情報受付部232と、要求受付部233と、取得部234と、抽出部235と、算定部236と、配信部237と、課金部238とを有する。制御部330の内部構成は、図11に示した情報に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部330が有する各処理部の接続関係は、図11に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
提示部331は、各配信業者によって配信されるウェブページに含まれる広告枠毎に、当該広告枠に表示された広告コンテンツにおける実績情報に基づいて、当該広告枠に広告コンテンツが表示されることにより期待される収益期待値(eCPM)を算出する。そして、提示部331は、算出した収益期待値を配信業者に提示する。以下では、提示部331によって、ウェブページP1に含まれる広告枠F1の収益期待値が算出される例について説明する。
例えば、提示部331は、所定期間(例えば、1ヶ月)において広告枠F1に表示された広告コンテンツがクリックされた総クリック回数を、所定期間に広告枠F1に広告コンテンツが表示された総表示回数で除算することによりクリック率を算出する。また、提示部331は、広告枠F1に表示された広告コンテンツそれぞれの入札価格を用いて、平均入札単価を算出する。そして、提示部331は、算出したクリック率と平均入札価格とを乗算することにより広告枠F1の収益期待値を算出する。なお、提示部331は、広告枠F1に表示された各広告コンテンツ毎にクリック率を算出し、算出した各広告コンテンツのクリック率を平均した平均クリック率を用いてもよい。
そして、提示部331は、こうして算出した収益期待値を所定のタイミング(例えば、配信業者から広告枠スコアの設定を受け付ける前)で配信業者に提示する。例えば、広告枠F1を含むウェブページP1を配信しているのは配信業者T1であるため、提示部331は、上記のように算出した広告枠F1の収益期待値を配信業者T1の業者端末120に送信する。
配信業者T1は、受け付けた収益期待値を参照し、広告枠スコアを設定する。例えば、配信業者T1は、受け付けた収益期待値をそのまま広告枠スコアとして設定することもできるし、受け付けた収益期待値を参考に調整した値(広告枠スコアに関する値)を設定することもできる。こうして各配信業者から広告枠スコアの設定を受け付けたのちの処理は、上述してきたとおりである。
例えば、配信業者によっては、どのような値が広告枠スコアとして最適であるかわからない場合がある。設定した広告枠スコアが高すぎると、広告抽出装置300は、配信対象の広告コンテンツを抽出できる機会を減らしてしまうことになる。また、設定した広告枠スコアが低すぎると、そのような広告枠スコアは足切ラインとして働かない可能性がある。
しかし、このように、提供部331が、装置側で算出した収益期待値を配信業者に提示することで、広告抽出装置300は、配信業者がより最適な広告枠スコアを設定できるよう補助することができる。また、広告抽出装置300は、配信業者による広告枠スコア算出の手間を省くこともできる。
〔2.変形例〕
上述した第2の実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、他の実施形態について説明する。
〔2−1.提示処理(1)〕
第2の実施形態では、提示部331が、各配信業者が配信するウェブページに含まれる広告枠毎に、収益期待値を算出して提示する例を示した。しかし、提示部331は、各広告枠に表示された広告コンテンツのコンバージョン率に応じた収益期待値を提示してもよい。例えば、広告抽出装置300は、コンバージョン率毎に所定の収益期待値を設定したテーブルを有しているものとする。
例えば、広告抽出装置300は、コンバージョン率範囲0〜0.5%:eCPM「10円」、コンバージョン率範囲0.5〜2.0%:eCPM「15円」、コンバージョン率範囲2.0〜4.0%:eCPM「20円」、コンバージョン率範囲4.0〜6.0%:eCPM「25円」、コンバージョン率範囲6.0〜8.0%:eCPM「30円」・・・といったように、コンバージョン率の範囲毎に収益期待値を対応付けたテーブルを有しているものとする。例えば、このような対応付けは、各広告コンテンツの実績情報等に基づいて、広告抽出装置300の管理者等によって予め行われてよいものである。以下では、提示部331によって、ウェブページP1に含まれる広告枠F1での収益期待値が算出される例について説明する。
例えば、提示部331は、所定期間(例えば、1ヶ月)において広告枠F1に表示された広告コンテンツのうちコンバージョンに至った広告コンテンツの数を、所定期間に広告枠F1に広告コンテンツが表示された総表示回数で除算することによりコンバージョン率を算出する。ここで、提示部331は、コンバージョン率「3%」を算出したとすると、コンバージョン率範囲2.0〜4.0%に対応付けられるeCPM「20円」を広告枠F1の収益期待値として特定する。そして、提示部331は、特定した広告枠F1の収益期待値「20円」を配信業者T1に提示する。
これにより、広告抽出装置300は、広告枠に表示された広告コンテンツのコンバージョン率に応じた収益期待値を提示することができる。
〔2−2.提示処理(2)〕
また、提示部331は、1つの広告枠について、複数の収益期待値を算出し、算出した複数の収益期待値を対応する配信業者に提示してもよい。例えば、提示部331は、1つの広告枠について、時間帯毎の収益期待値を算出する。例えば、提示部331は、広告枠F1について、0時台の収益期待値、1時台の収益期待値、2時台の収益期待値・・・といったように24時間のうち1時間毎の収益期待値を広告枠毎に算出する。そして、提供部331は、算出した時間帯毎の収益期待値を配信業者に提示する。
そして、配信業者は、提示された時間帯毎の収益期待値に基づいて、時間帯毎の広告枠スコアを設定する。また、コンテンツ情報受付部231は、配信業者から時間帯毎の広告枠スコアを受け付け、コンテンツ情報記憶部221bに格納する。また、取得部234は、要求受付部233により広告リクエストが受け付けられると、広告リクエストが受け付けられた時間帯に応じた広告枠スコアを取得する。
(その他)
〔1.プログラム〕
また、上述してきた各実施形態にかかる広告抽出装置200および300は、例えば図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、広告抽出装置200を例に挙げて説明する。図12は、広告抽出装置200の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態にかかる広告抽出装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部230の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部220内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
また、例えば、コンピュータ1000が第2の実施形態にかかる広告抽出装置300として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部330の機能を実現する。
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
(効果)
第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、取得部234と、抽出部235とを有する。取得部234は、広告枠の評価を示す広告枠評価値と、配信候補の広告コンテンツの評価を示す広告評価値とを取得する。抽出部235は、取得部234により取得された広告枠評価値と広告評価値とに基づいて、広告枠に表示される配信対象の広告コンテンツを配信候補の広告コンテンツから抽出する。
これにより、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、広告枠の価値が低下することを防止することができる。また、広告抽出装置200は、入札単価の低い広告コンテンツ、すなわち広告収益の見込めない広告コンテンツを配信する機会を少なくすることができる。
また、抽出部235は、広告枠評価値と配信候補の広告コンテンツそれぞれの広告評価値とに基づいて、配信対象の広告コンテンツを配信候補の広告コンテンツから抽出する。
これにより、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、広告主だけでなく、コンテンツ(例えば、ウェブページ)配信業者側の意図も考慮した広告抽出を行うことができるとともに、広告枠の価値が低下することを防止することができる。
また、抽出部235は、広告枠評価値より高い前記広告評価値を有する配信候補の広告コンテンツの中から、配信対象の広告コンテンツを抽出する。
これにより、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、広告主だけでなく、コンテンツ(例えば、ウェブページ)配信業者側の意図も考慮した広告抽出を行うことができるとともに、広告枠の価値が低下することを防止することができる。
第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、配信部237をさらに有する。そして、配信部237は、広告枠評価値より高い広告評価値を有する配信候補の広告コンテンツが存在しなかった場合に、広告コンテンツの配信を行わない、または、予め決められた所定の広告コンテンツを配信する。
これにより、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、広告枠評価値より低い広告評価値を有する広告コンテンツを配信しないため、例えば、そのような広告コンテンツを配信してしまうことで広告枠の評価が低下してしまうことを防止することができる。
第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、算定部236をさらに有する。そして、算定部236は、広告枠評価値と、抽出部235により抽出された配信対象の広告コンテンツの広告評価値とに基づいて、配信対象の広告コンテンツを入稿した広告主に請求する課金額を算定する。
これにより、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、広告枠評価値と広告評価値の両方を考慮したバランスのとれた課金額を算定することができる。また、広告抽出装置200は、広告主が入札単価より高い額で課金することを防止することができる。
また、算定部236は、配信候補の広告コンテンツの広告評価値、または、広告枠評価値に基づいて、抽出部235により抽出された配信対象の広告コンテンツを入稿した広告主に請求する課金額を算定する。
これにより、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、広告枠評価値と広告評価値の両方を考慮したバランスのとれた課金額を算定することができる。また、広告抽出装置200は、広告主が入札単価より高い額で課金することを防止することができる。
また、取得部234は、広告枠を含むウェブページを配信する配信者により広告枠に設定された広告枠評価値に関する情報を取得する。
これにより、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、広告主だけでなく、コンテンツ(例えば、ウェブページ)配信業者側の意図も考慮した広告抽出を行うことができる。
また、取得部234は、広告枠を含むウェブページを配信する配信者により広告枠に設定された入札価格に基づいて算出された広告枠評価値を取得する。
これにより、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、広告枠に対する収益期待値の設定だけでなく、価格設定にも対応することができるため、配信業者による広告枠に対する情報設定の利便性を高めることができる。
また、取得部234は、入札価格と、広告枠に対する所定の評価値とを用いて算出された広告枠に広告コンテンツが表示されることにより期待される収益期待値である広告枠評価値を取得する。
これにより、第1の実施形態にかかる広告抽出装置200は、広告枠評価値である収益期待値の算出を装置側で行うため、配信業者が広告枠評価値を検討する手間を省くことができる。また、広告抽出装置200は、広告枠に対する収益期待値の設定だけでなく、価格設定にも対応することができるため、配信業者による広告枠に対する情報設定の利便性を高めることができる。
第2の実施形態にかかる広告抽出装置300は、提示部331をさらに有する。提示部331は、広告枠に表示された広告コンテンツにおける実績情報に基づいて、広告枠に広告コンテンツが表示されることにより期待される収益期待値を算出し、算出した収益期待値を配信者に提示する。
これにより、第2の実施形態にかかる広告抽出装置300は、配信業者がより最適な広告枠評価値を設定できるよう補助することができる。また、広告抽出装置300は、配信業者による広告枠評価値算出の手間を省くこともできる。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、抽出部は、抽出手段や抽出回路に読み替えることができる。