以下、経費検査装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、経費情報を受け付け、外部情報または過去に申請された経費情報を用いて、不正に関する検査を行い、検査結果を出力する経費検査装置を含む情報システムについて説明する。なお、外部情報は、経費情報以外の情報であり、例えば、後述する申請者集合、後述する会社規定情報、後述する飲食店集合、後述する風俗店集合、後述する相手先集合、後述するカード利用経費情報、後述する移動手段情報を含む。また、不正の検査の対象は、例えば、出張費、交通費、二重申請、領収書の使い回しの検査、宿泊費、二次会の支出である。
また、本実施の形態において、2以上の経費情報に対応する情報を用いた統計処理結果を用いて、不正に関する検査を行い、検査結果を出力する経費検査装置を含む情報システムについて説明する。統計処理結果は、例えば、特定店舗の使用頻度、特定相手先への利益の供与の頻度、特定の者の不正の回数である。
また、本実施の形態において、経費申請の承認者が要件を満たすか否かを検査する経費検査装置を含む情報システムについて説明する。
また、本実施の形態において、領収書画像を検査する経費検査装置を含む情報システムについて説明する。なお、領収書画像の検査は、例えば、領収書画像の記載事項の不備の検査、領収書画像のタイムスタンプの不備の検査、領収書画像が不鮮明であることの検査、領収書画像に記載されている不適切な決済手段の検査、領収書画像の手書き金額の偽装の検査である。
さらに、本実施の形態において、外部情報を用いて、申請されるべき経費の申請漏れを検知する経費検査装置を含む情報システムについて説明する。
図1は、本実施の形態における情報システムAの概念図である。情報システムAは、経費検査装置1、および1または2以上の申請者端末2、および1または2以上の外部サーバ3を備える。
経費検査装置1は、申請された経費情報に対する検査を行う装置である。経費検査装置1は、通常、いわゆるサーバであり、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバ等である。なお、経費検査装置1の種類は問わない。
申請者端末2は、申請者が使用する端末である。申請者は、経費の申請を行うユーザである。申請者端末2は、例えば、いわゆるパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等であり、その種類は問わない。
外部サーバ3は、後述する外部情報を格納しており、外部情報を経費検査装置1に提供する装置である。なお、後述する外部情報の全てまたは一部は、経費検査装置1に存在しても良い。また、後述する外部情報の全てが経費検査装置1に存在する場合、外部サーバ3は不要である。外部サーバ3は、通常、いわゆるサーバであり、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバ等である。なお、外部サーバ3の種類は問わない。
経費検査装置1、申請者端末2、および外部サーバ3は、通常、インターネット、専用回線等のネットワークにより、相互に通信可能である。
図2は、本実施の形態における情報システムAのブロック図である。図3は、情報システムAを構成する経費検査装置1のブロック図である。
経費検査装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。格納部11は、例えば、経費情報格納部111、申請者集合格納部112、会社規定情報格納部113、飲食店集合格納部114、風俗店集合格納部115、相手先集合格納部116、カード利用経費格納部117、および移動手段情報格納部118を備える。申請者集合格納部112は、個人情報格納部1121、勤怠情報格納部1122、入退館情報格納部1123、営業活動情報格納部1124、カード明細情報格納部1125、および営業車位置情報格納部1126を備える。移動手段情報格納部118は、算出情報格納部1181、および地図情報格納部1182を備える。受付部12は、経費受付部121を備える。処理部13は、検査部131、および統計処理部132を備える。検査部131は、画像検査手段1311を備える。出力部14は、結果出力部141を備える。
申請者端末2は、第一格納部21、第一受付部22、第一処理部23、第一送信部24、第一受信部25、第一出力部26を備える。
経費検査装置1における経費情報格納部111、申請者集合格納部112、会社規定情報格納部113、飲食店集合格納部114、風俗店集合格納部115、相手先集合格納部116、カード利用経費格納部117、および移動手段情報格納部118は、外部の他の装置に存在しても良い。
外部サーバ3は、飲食店集合格納部114、風俗店集合格納部115、相手先集合格納部116、カード利用経費格納部117、および移動手段情報格納部118のいずれかを格納していることは好適である。
なお、検査部131は、格納部11の各種の情報を用いて、後述する検査の処理を行っても良いし、外部サーバ3に格納されている各種の情報または外部サーバ3から送信された情報を用いて、後述する検査の処理を行っても良い。
外部サーバ3は、例えば、出発駅を識別する情報(後述する出発識別子の一例)と到着駅を識別する情報(後述する到着識別子の一例)とを含む問合せを受信し、1以上の交通費を出力するサーバである。かかる外部サーバ3は、後述する運賃算出情報を格納する算出情報格納部1181を有する。また、かかる外部サーバ3は、ジョルダン(登録商標)のサーバ(URL「https://www.jorudan.co.jp/」)、NAVITIME(登録商標)のサーバ(URL「https://www.navitime.co.jp/」)である。
外部サーバ3は、例えば、出発識別子と到着識別子とを含む問合せを受信し、タクシー料金を出力するサーバである。かかる外部サーバ3は、後述するタクシー料金算出情報を格納する算出情報格納部1181、地図情報格納部1182を有する。また、かかる外部サーバ3は、taxisiteのサーバ(URL「https://www.taxisite.com/far/」)である。
格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、後述する経費情報格、後述する外部情報である。
経費情報格納部111には、経費情報が格納される。経費情報格納部111には、通常、2以上の経費情報が格納される。経費情報とは、申請された経費の内容を特定する情報である。経費情報は、例えば、支出金額情報、宛先識別子、店舗識別子、相手先識別子、使用日情報、支払手段識別子、科目、摘要、承認者識別子を有する。支出金額情報は、経費として使った金額を特定する情報である。宛先識別子は、領収書の宛先を示す情報であり、金額を支払う企業等を識別する情報である。店舗識別子は、経費を使用した店舗を識別する情報である。店舗識別子は、例えば、店舗名、店舗ID、店舗のURL、店舗の電話番号である。相手先識別子は、経費を使用した相手先を特定する情報である。相手先識別子は、接待または手土産等の利益を供与した相手を識別する情報である。相手先識別子は、例えば、組織名(例えば、会社名、団体名)と氏名、相手先のIDである。使用日情報は、経費を使用した日を特定する情報である。支払手段識別子は、支払手段を識別する情報である。支払手段識別子は、例えば、「現金」「クレジットカード」「電子マネー」「○○PAY」等である。科目は、経費の分類を特定する情報である。科目は、経費種類識別子と言っても良い。科目は、例えば、出張費、旅費交通費(または、交通費)、宿泊費、出張旅費、接待交際費、会議費である。承認者識別子は、経費の承認者を識別する情報である。承認者識別子は、例えば、申請者識別子、役職識別子である。申請者識別子は、経費を申請した申請者を識別する情報であり、例えば、氏名、IDである。役職識別子は、役職を識別する情報であり、例えば、役職名(例えば、「部長」「所長」)、IDである。経費情報格納部111の経費情報は、通常、申請者識別子に対応付いている。
経費情報が交通費の経費の情報である場合、当該経費情報は、例えば、使用日情報と、出発識別子と到着識別子と料金情報とを有する1以上の区間情報を有する交通費情報を有する。当該経費情報は、交通費を示す経費種類識別子を有することは好適である。経費情報が出張費の経費の情報である場合、当該経費情報は、例えば、使用日情報を有する。当該経費情報は、出張費を示す経費種類識別子を有することは好適である。経費情報が宿泊費の経費の情報である場合、当該経費情報は、例えば、宿泊施設に宿泊した日を特定する使用日情報を含む。経費情報が接待交際費、会議費である場合、当該経費情報は、例えば、申請者識別子に対応付けられており、かつ使用日情報と経費を支出した店舗を識別する店舗識別子を有する。
経費情報は、領収書画像を有しても良い。領収書画像は、領収書の画像である。領収書画像は、例えば、領収書を撮影して得られた画像である。領収書画像は、JPEG、GIF等、そのデータ構造は問わないことは言うまでもない。
経費情報は、例えば、参加者情報、人数情報を有する。参加者情報は、経費の使用に参加した者(例えば、飲食した者)を特定する情報(例えば、氏名)である。人数情報は、経費の使用に参加した人数である。
申請者集合格納部112には、申請者集合が格納される。申請者集合は、各申請者に対応する各申請者独自の情報である。申請者集合は、例えば、後述する個人情報の集合、後述する勤怠情報の集合、後述する入退館情報の集合、後述する営業活動情報の集合、後述するカード明細情報の集合、または後述する営業車位置情報の集合である。
個人情報格納部1121には、1または2以上の個人情報が格納される。個人情報は、申請者に関する情報である。個人情報には、申請者識別子が対応付いている。個人情報は、例えば、申請者の氏名、所属企業名、所属企業ID,所属部署名、所属部署ID、役職を識別する役職識別子、申請者の定期の区間を特定する定期区間情報、不正回数、メールアドレスを有する。不正回数は、申請者が不正な経費申請を行った回数、または申請者の不正について検知された回数である。メールアドレスは、情報を送信する先を特定する情報であれば良く、SNSのID等でも良く、広く解する。
なお、2つの情報が対応付いていることは、一の情報から他の情報を取得できれば良く、例えば、一の情報と他の情報とがリンク付いていること、一の情報と他の情報とが同一のバッファに格納されていること、一の情報が他の情報を含むこと等である。
勤怠情報格納部1122には、1または2以上の勤怠情報が格納される。勤怠情報は、申請者の勤怠に関する情報である。勤怠情報は、通常、申請者識別子に対応付いている。勤怠情報は、勤務日情報を含む。勤務日情報は、対応する申請者識別子で識別される申請者が勤務した日を特定するための情報である。勤務日情報は、通常、勤務日を示す情報であるが、非勤務日を示す情報でも良い。勤務日情報が非勤務日を示す情報である場合、勤務日情報が示す日以外の日が勤務日である。勤怠情報は、通常、勤務した時間を特定する勤務時間情報を有する。勤務時間情報は、例えば、勤務開始時刻、勤務終了時刻を有する。勤怠情報格納部1122の中の勤怠情報は、例えば、一の外部サーバ3(勤怠管理サーバ)から受信された情報である。勤怠管理サーバ(勤怠管理システム)は、従業員の勤怠を管理するサーバであり、公知技術に係る装置であるので、詳細な説明は省略する。
入退館情報格納部1123には、1または2以上の入退館情報が格納される。入退館情報は、申請者の入退館に関する情報である。入退館とは、申請者の勤務場所(勤務地と言っても良い)への入館および勤務場所からの退館である。また、入館は、勤務日における勤務開始のための出社、退館は、勤務日における勤務終了後の退社と言っても良い。入退館情報は、通常、申請者識別子に対応付いている。入退館情報は、例えば、勤務日情報、勤務時間情報を有する。勤務時間情報は、例えば、勤務開始時刻、勤務終了時刻を有する。勤務時間情報は、例えば、勤務した時間を特定する情報を有する。入退館情報は、タイムカードの打刻、入退館システムに対する出社または退社の入力により、構成される情報である。なお、入退館情報は、勤怠情報と同じでも良い。入退館情報格納部1123の中の入退館情報は、例えば、一の外部サーバ3(入退館管理サーバ)から受信された情報である。入退館管理サーバ(入退館管理システム)は、公知技術に係る装置であるので、詳細な説明は省略する。
営業活動情報格納部1124には、1または2以上の営業活動情報が格納される。営業活動情報は、営業活動に関する情報である。営業活動情報は、例えば、営業日報の情報である。営業活動情報は、通常、申請者識別子に対応付いている。営業活動情報は、営業日情報と1以上の地点識別子とを含む。営業活動情報は、営業活動の内容を示す文字列等を有しても良い。営業日情報は、申請者の営業活動の日を特定する情報である。地点識別子は、訪問した地点を特定する情報である。地点識別子は、例えば、(緯度、経度)、会社名、地点名、地名、駅名、バス停名等である。営業活動情報のデータ構造は問わない。
カード明細情報格納部1125には、1または2以上のカード明細情報が格納される。カード明細情報は、申請者が使用したクレジットカードの明細を示す情報である。カード明細情報は、通常、申請者識別子に対応付いている。カード明細情報は、例えば、使用日情報、支払先を識別する支払先識別子(例えば、店舗識別子)、金額情報、カード識別子を有する。カード識別子は、カードを識別する情報であり、例えば、カード番号である。カード明細情報格納部1125の中のカード明細情報は、例えば、一の外部サーバ3(カード管理会社サーバ)から受信された情報である。
営業車位置情報格納部1126には、1または2以上の営業車位置情報が格納される。営業車位置情報は、申請者が使用した営業車の位置を特定する情報である。営業車位置情報は、通常、申請者識別子に対応付いている。営業車位置情報は、営業車を使用した日を特定する使用日情報に対応付けられている。営業車位置情報は、例えば、(緯度,経度)であるが、地点識別子でも良い。営業車位置情報は、例えば、営業車を識別する営業車識別子に対応付いている。
会社規定情報格納部113には、会社規定情報が格納されている。会社規定情報は、会社の規定を示す情報である。会社規定情報は、申請者が属する企業の規定に関する情報である。会社規定情報は、例えば、残業時刻情報、1または2以上の承認者情報、1または2以上の決済手段情報を有する。
残業時刻情報とは、宿泊を許す残業時刻を特定する情報である。残業時刻情報は、例えば、「23時」「24時以降」である。
承認者情報は、経費の承認者となり得ることを特定する情報である。承認者情報は、例えば、承認者を特定する承認者識別子(例えば、申請者識別子、氏名)、承認者の役職を特定する役職識別子(例えば、「部長」「所長」)である。
決済手段情報とは、許容されない決済手段を特定する情報である。決済手段情報は、例えば、「○○PAY」「電子マネー」「クレジットカード」である。
飲食店集合格納部114には、飲食店集合が格納される。飲食店集合は、1または2以上の飲食店情報を有する。飲食店情報は、飲食店に関する情報である。飲食店情報は、例えば、飲食店を識別する飲食店識別子、金額情報を有する。飲食店情報は、住所情報、電話番号情報等を有しても良い。飲食店識別子は、例えば、飲食店名、IDである。金額情報は、例えば、飲食店での適切な利用額を特定する情報である。金額情報は、例えば、当該飲食店で一人が使用する金額に関する情報である。金額情報は、例えば、当該飲食店で一人が使用する平均的な金額を示す情報である。金額情報は、例えば、当該飲食店で一人が使用する金額の上限を特定する情報でも良い。金額情報は、例えば、一回に使用する金額の上限を特定する情報等でも良い。
風俗店集合格納部115は、風俗店集合が格納される。風俗店集合は、1または2以上の風俗店情報を有する。風俗店情報は、例えば、風俗店を識別する風俗店識別子を有する。風俗店情報は、金額情報、住所情報、電話番号情報等を有しても良い。風俗店情報は、例えば、申請者が行ってはいけない店舗を特定する情報である。
相手先集合格納部116は、相手先集合が格納される。相手先集合は、1または2以上の相手先情報を有する。相手先情報は、例えば、相手先識別子、相手先の所属を識別する所属識別子を有する。相手先情報は、例えば、公務員の情報である。相手先情報は、例えば、議員の情報である。相手先情報は、例えば、申請者が利益を供与してはいけない相手を特定する情報である。なお、利益の供与とは、例えば、接待または手土産を渡す行為である。
カード利用経費格納部117には、カードでの支払いを予定されている1以上の経費種類識別子が格納される。経費種類識別子は、カード種類識別子に対応付いていても良い。カード種類識別子は、カードの種類を識別する情報である。カード種類識別子は、例えば、「EX−ICカード」、「コーポレートカード」である。経費種類識別子は、例えば、新幹線の運賃を示す「新幹線」、「接待交際費」である。
移動手段情報格納部118には、移動手段情報が格納される。移動手段情報は、電車またはバスまたは飛行機またはタクシー等の移動手段を使用した場合の交通費を算出するための情報である。移動手段情報は、後述する算出情報を含む。移動手段情報は、例えば、後述する地図情報を含む。
算出情報格納部1181には、算出情報が格納される。算出情報は、例えば、運賃算出情報、タクシー料金算出情報である。運賃算出情報は、例えば、電車またはバスまたは飛行機の交通手段の運賃を算出するための情報である。運賃算出情報は、例えば、出発識別子と到着識別子と料金情報との組を、1または2組以上有する情報である。出発識別子と到着識別子は、例えば、駅名、空港名、バス停名、駅ID、空港ID、バス停IDである。タクシー料金算出情報は、タクシー料金を算出するための情報である。タクシー料金算出情報は、例えば、距離を入力として、タクシー料金を算出するための演算式である。タクシー料金算出情報は、例えば、距離とタクシー料金との組を、1または2組以上有する情報である。
地図情報格納部1182には、地図情報が格納される。地図情報は、例えば、ナビゲーションに利用される地図の情報である。地図情報は、例えば、KIWIフォーマットの情報である。
受付部12は、各種の情報や指示を受け付ける。ここでの受け付けとは、通常、申請者端末2等の端末からの受信である。ただし、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念であっても良い。
経費受付部121は、1または2以上の経費情報を受け付ける。経費受付部121は、通常、申請者識別子に対応付けて、経費情報を受け付ける。経費受付部121は、例えば、経費情報と申請者識別子とを受け付ける。経費受付部121は、例えば、1以上の各申請者ごとに、1以上の経費情報を受け付けても良い。経費情報の受け付けは、例えば、申請者端末からの受信であるが、図示しない管理者端末からの受信でも良いし、記録媒体からの読み出しでも良いし、申請者の入力の受け付けでも良い。
経費受付部121は、領収書画像を有する経費情報を受け付けることは好適である。経費受付部121は、領収書画像と、領収書画像以外の情報であり、経費情報を構成する情報とを、別々に受け付けても良い。ただし、領収書画像と当該領収書画像以外の情報とは、対応づくように受け付けられる。
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、検査部131、統計処理部132が行う処理である。
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。検査部131は、経費情報格納部111に格納されている経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得しても良い。経費情報格納部111に格納されている経費情報は、経費受付部121が受け付けた経費情報である。検査結果は、経費情報の検査の結果に関連する情報である。検査結果は、例えば、不正であるか否かを示す情報を含む。検査結果は、例えば、不正である経費情報の一部または全部を含む。検査結果は、例えば、不正でない旨(正当である旨)を示す情報である。検査結果は、例えば、経費情報識別子、申請者識別子、経費種類識別子、金額情報、検査内容識別子、申請日等のうち、1以上の情報を有する。経費情報識別子は、経費情報を識別する情報であり、例えば、IDである。検査内容識別子は、検査内容を識別する情報である。検査内容識別子は、通常、後述する検査処理に対応付けて、格納部11に格納されている。検査内容識別子は、例えば、「出勤日以外の経費」「出張費の不正」「宿泊費の不正」「宿泊不可の日の宿泊費」「交通費の不正」「領収書分割」である。なお、検査内容識別子の内容、およびデータ構造等は問わない。
検査部131は、例えば、外部情報を用いて、経費受付部121が受け付けた経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。外部情報とは、経費情報以外の情報である。検査部131が使用する外部情報は、経費検査装置1の格納部11に格納されていても良いし、外部サーバ3に格納されていても良い。
検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報以外の経費情報を用いて、経費受付部121が受け付けた経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。経費受付部121が受け付けた経費情報以外の経費情報は、例えば、経費情報格納部111に格納されている経費情報であるが、外部サーバ3に格納されている経費情報でも良い。
検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付く申請者情報を申請者集合から取得し、当該申請者情報を用いて、経費受付部121が受け付けた経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。なお、申請者集合は、例えば、申請者集合格納部112に格納されている情報であるが、図示しない外部の装置に格納されている情報でも良い。申請者情報は、申請者識別子に対応付く情報であり、例えば、勤怠情報、入退館情報、営業活動情報、カード明細情報、営業車位置情報である。
画像検査手段1311は、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する領収書画像を検査し、画像検査結果を取得する。なお、画像検査結果は、検査結果の一例である。
画像検査手段1311は、領収書画像から1以上の文字列を取得し、当該1以上の文字列を用いて、領収書画像が正当であるか否かを検査し、画像検査結果を取得する。画像検査手段1311は、領収書画像から1以上の文字列を取得するために、文字認識処理、機械学習処理のいずれか1以上を用いる。
なお、本明細書において、機械学習処理で使用するアルゴリズムは問わない。機械学習は、例えば、深層学習、決定木、ランダムフォレスト、SVM、SVR等である。機械学習で用いるモジュールは、例えば、TensorlFlowのモジュール、TinySVM等である。
(1)文字認識処理による方法
画像検査手段1311は、例えば、領収書画像に対して、文字認識処理を行い、1以上の文字列を取得する。文字認識処理を行い、領収書画像から経費情報を構成する情報を取得する処理は公知技術である。なお、画像検査手段1311は、取得した文字列が、支払金額情報、店舗識別子、相手先識別子、使用日情報、科目、摘要、決済手段情報のうちのいずれの情報であるかを決定し、当該情報の種類(クラス、カテゴリー等と言っても良い)を識別する情報に対応付けて、文字列を取得する。取得した文字列のクラスを決定する技術は、情報の分類問題(クラスタリングの問題)であり、公知技術である。
画像検査手段1311は、例えば、クラス毎に、各クラスに属する2以上の文字列を正例とし、当該クラスに属さない1以上の文字列を負例として、機械学習の学習処理を行うことにより、クラスに属するか否かの二値分類を行う学習器を構成する。そして、画像検査手段1311は、領収書画像から取得した1以上の各文字列に対して、2以上の各学習器を用いて、機械学習の予測処理を行い、クラスごとの予測結果とスコアを取得し、クラスに属するスコアが最大のクラスを、属するクラスに決定する。
また、画像検査手段1311は、例えば、文字列とクラスとの組を、2組以上有する教師データとして、学習処理を行い、クラスを出力する多値分類を行う一の学習器を構成する。次に、画像検査手段1311は、領収書画像から取得した1以上の各文字列に対して、学習器を用いて、機械学習の予測処理を行い、各文字列が属するクラスに決定する。
画像検査手段1311は、例えば、文字列とクラスとの組である多数の教師データを用いて、文字列を分類するための学習器を、機械学習のアルゴリズムのうちの学習処理を行うモジュールを用いて、取得する。
(2)機械学習処理による方法
画像検査手段1311は、例えば、領収書画像と、文字列とクラスとの組を1組以上、有する2以上の教師データを用いて、機械学習のアルゴリズムにより学習処理を行い、学習器を取得する。なお、この学習器は、領収書画像を入力とし、文字列とクラスとの1組以上の組を出力とする学習器である。
次に、画像検査手段1311は、取得された学習器と、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する領収書画像とを、機械学習のアルゴリズムのうち予測処理を行うモジュールに与え、文字列とクラスとの組を1組以上、取得する。
(3)文字認識処理と機械学習処理の両方を用いる方法
画像検査手段1311は、例えば、上記の(1)(2)の両方を用いて、クラス毎に文字列を取得し、クラス毎に(1)(2)の処理で一致しない場合、文字認識処理で取得されたスコアと、機械学習処理で取得されたスコアとを用いて、スコアが条件を満たすほど高い方の文字列を取得する。
また、上記の(1)〜(3)方法のいずれか等で取得した1以上の文字列を用いて、画像検査手段1311は、当該1以上の各文字列が予め決められた条件を満たすか否かを判断し、画像検査結果を取得する。1以上の文字列は、例えば、支払金額情報、店舗識別子、相手先識別子、使用日情報、科目、摘要、決済手段情報のうちのいずれかである。
画像検査手段1311は、例えば、不正な1または2以上の領収書画像である負例と、正当な1以上の2以上の領収書画像である正例とを有する教師データを用いて、機械学習のアルゴリズムにより、学習処理を行い、学習器を構成する。次に、画像検査手段1311は、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する領収書画像と、学習器とを、機械学習の予測処理を行うモジュールに与え、予測処理を行い、不正であるか否かの予測結果を取得する。なお、学習器は、例えば、領収書内の金額の加工の不正を検知するための学習器、領収書へのサインの有無の検査のための学習器、不鮮明な領収書画像の検知のための学習器である。また、学習器は、通常、不正であるか否かの二値分類のための学習器である。
統計処理部132は、受け付けられた経費情報に対応付く申請者識別子に対応付く1または2以上の経費情報であり、経費情報格納部111に格納されている1または2以上の経費情報に基づいた統計処理を行い、統計処理結果を取得する。統計処理部132は、例えば、申請者識別子ごとに、当該申請者識別子に対応付く1または2以上の経費情報であり、経費情報格納部に格納されている1または2以上の経費情報に基づいた統計処理を行い、統計処理結果を取得する。なお、統計処理部132が統計処理を行うタイミングは問わない。統計処理部132は、例えば、ユーザの指示の受け付けにより、統計処理を行う。統計処理部132は、例えば、経費情報の受け付けにより、統計処理を行う。
統計処理部132は、例えば、経費情報格納部111に格納されている2以上の経費情報であり、一の申請者識別子に対応付く2以上の経費情報に含まれる店舗識別子を用いて、店舗頻度情報を取得する。店舗頻度情報は、一の店舗識別子により識別される店舗の利用頻度に関する情報である。店舗頻度情報は、利用頻度を示す情報である。店舗頻度情報は、例えば、利用した総回数を示す情報、単位期間の利用回数を示す情報である。単位期間は、例えば、1ヶ月、6ヶ月、1年である。統計処理部132は、申請者識別子ごとに、店舗頻度情報を取得することは好適である。
統計処理部132は、経費情報格納部111に格納されている2以上の経費情報であり、一の申請者識別子に対応付く2以上の経費情報に含まれる相手先識別子を用いて、接待頻度情報を取得する。接待頻度情報は、一の相手先識別子により識別される相手先に対する支出の頻度に関する情報である。相手先に対する支出とは、相手先への利益の供与のための支払であり、例えば、相手先への接待の支払、相手先への手土産の支払等である。接待頻度情報は、利益供与の頻度を示す情報である。接待頻度情報は、例えば、利益供与した総回数を示す情報、単位期間の利益供与の回数を示す情報である。統計処理部132は、申請者識別子ごとに、接待頻度情報を取得することは好適である。
統計処理部132は、一の申請者識別子に対応する経費情報に対する審査結果であり、不正であることに対応する審査結果を取得した回数である不正回数を、一の申請者識別子に対応付けて取得する。統計処理部132は、申請者識別子ごとに、不正回数を取得することは好適である。
結果出力部141は、検査部131が取得した検査結果を出力する。結果出力部141は、画像検査手段1311が取得した画像検査結果を出力する。
結果出力部141は、統計処理部132が取得した統計処理結果を出力する。結果出力部141は、例えば、申請者識別子に対応付けて統計処理結果を出力する。
申請者端末2を構成する第一格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、申請者識別子、経費情報である。
第一受付部22は、各種の指示や情報を受け付ける。各種の指示や情報は、例えば、経費情報、回答情報である。回答情報とは、検査結果に対する回答を示す情報である。
第一処理部23は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、第一受付部22が受け付けた指示や情報を、送信するデータ構造の指示や情報にする処理である。各種の処理とは、例えば、第一受信部25が受信した情報を、出力するデータ構造の情報にする処理である。
第一送信部24は、各種の指示や情報を送信する。各種の指示や情報は、例えば、経費情報、申請者識別子、回答情報である。
第一受信部25は、各種の情報を受信する。各種の情報は、例えば、検査結果、画像検査結果である。
第一出力部26は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、検査結果、画像検査結果である。
ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
(検査処理の具体例)
以下、検査部131が行う具体的な検査の例について、以下に説明する。なお、以下において、主に、不正である場合について説明するが、不正でない場合は、通常、検査部131は、「正当である」旨の検査結果を取得する。また、正当である場合、検査部131は、通常、検査対象の経費情報を申請者識別子に対応付けて、経費情報格納部111に蓄積する。
なお、検査部131が検査のために使用する経費情報が有する情報は、経費受付部121が受け付けた文字列でも良いし、経費受付部121が受け付けた領収書画像から取得された情報でも良い。経費受付部121が受け付けた文字列は、例えば、申請者が入力した情報である。
(1)勤怠情報を用いた検査
検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付く勤怠情報であり、経費受付部121が受け付けた経費情報に含まれる使用日情報と同一の勤務日情報を含む勤怠情報を勤怠情報格納部1122から取得する。次に、検査部131は、当該勤怠情報を用いて、経費受付部121が受け付けた経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。
(1−1)出勤日以外の経費の検査
検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付く勤怠情報であり、経費受付部121が受け付けた経費情報に含まれる使用日情報と同一の勤務日情報を含む勤怠情報を勤怠情報格納部1122から取得する。次に、検査部131は、当該勤怠情報が出勤日でない日の情報であるか否かを判断する。出勤日でない日の情報である場合、検査部131は、「出勤日でない不正な経費」である旨の検査結果を取得する。なお、勤怠情報が出勤日でない日の情報であることは、検査部131は、勤怠情報が「休日である旨の情報」を含むこと、または勤怠情報が勤務開始時刻および勤務終了時刻を含まないこと等から、判断する。
(1−2)出張費の不正の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子および使用日情報を取得する。次に、検査部131は、取得した申請者識別子および使用日情報に対応する勤怠情報を、勤怠情報格納部1122から取得する。次に、検査部131は、取得した勤怠情報が出張を示す情報ではない、と判断した場合は、「カラ出張の不正」を示す検査結果を取得する。なお、「勤怠情報が出張を示す情報ではない」場合は、例えば、(a)勤怠情報の中に、「出張」を示す情報を有さない場合、(b)勤怠情報の中に、勤務開始時刻、勤務終了時刻の情報が存在する場合等である。
(1−3)宿泊費の不正の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子および使用日情報を取得する。次に、検査部131は、取得した申請者識別子および使用日情報に対応する勤務日情報から、勤務時間情報を取得する。次に、検査部131は、取得した勤務時間情報を用いて、宿泊施設への宿泊が認められる否かを判断し、検査結果を取得する。
さらに具体的には、検査部131は、勤務時間情報が有する勤務終了時刻と、宿泊が認められる残業時刻を示す残業時刻情報とを比較し、予め決められた宿泊条件を満たすか否かを判断する。検査部131は、宿泊条件を満たさないと判断した場合、「宿泊費の不正な請求である旨」の検査結果を取得する。なお、宿泊条件は、残業時刻情報と勤務終了時刻とを用いた条件であり、例えば、「残業時刻情報=<勤務終了時刻」「残業時刻情報<勤務終了時刻」である。
(2)入退館情報を用いた検査
検査部131は、経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付く入退館情報であり、経費情報が有する使用日情報が特定する日に対応する入退館情報を入退館情報格納部1123から取得し、当該入退館情報を用いて、経費受付部121が受け付けた経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。
(2−1)出勤日以外の経費の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子および使用日情報を取得する。次に、検査部131は、取得した申請者識別子および使用日情報に対応する入退館情報を、入退館情報格納部1123から取得する処理を行う。次に、検査部131は、当該入退館情報が出勤日でない日の情報であるか否かを判断する。出勤日でない日の情報である場合、検査部131は、「出勤日でない不正な経費」である旨の検査結果を取得する。なお、入退館情報が出勤日でない日の情報であることは、検査部131は、入退館情報が「休日である旨の情報」を含むこと、または入退館情報が勤務開始時刻および勤務終了時刻を含まないこと等から、判断する。
(2−2)出張費の不正の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子および使用日情報を取得する。次に、検査部131は、取得した申請者識別子および使用日情報に対応する入退館情報を、入退館情報格納部1123から取得する処理を行う。次に、検査部131は、入退館情報の取得処理の結果が出張を示す情報ではない、と判断した場合は、「カラ出張の不正」を示す検査結果を取得する。なお、「入退館情報の取得処理の結果が出張を示す情報ではない」場合は、例えば、(a)入退館情報を取得できた場合、(b)取得した入退館情報が有する勤務開始時刻、勤務終了時刻の情報が、通常勤務の勤務開始の時刻情報および勤務終了の時刻情報である場合等である。なお、通常勤務の勤務開始の時刻情報および勤務終了の時刻情報は、例えば、会社規定情報に格納されている。
(2−3)宿泊費の不正の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子および使用日情報を取得する。次に、検査部131は、取得した申請者識別子および使用日情報に対応する入退館情報から、勤務終了時刻を取得する。次に、検査部131は、取得した勤務終了時刻を用いて、宿泊施設への宿泊が認められる否かを判断し、検査結果を取得する。
さらに具体的には、検査部131は、勤務終了時刻と、宿泊が認められる残業時刻を示す残業時刻情報とを比較し、予め決められた宿泊条件を満たすか否かを判断する。検査部131は、宿泊条件を満たさないと判断した場合、「宿泊費の不正な請求である旨」の検査結果を取得する。なお、残業時刻情報は、例えば、会社規定情報に格納されている。
(3)営業活動情報を用いた検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付く営業活動情報であり、経費情報が有する使用日情報と同一の営業日情報を有する営業活動情報が有する1以上の地点識別子を営業活動情報格納部1124から取得し、当該1以上の地点識別子を用いて、経費受付部121が受け付けた経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。
(3−1)交通費の不正の検査(i)
検査部131は、会社の位置を示す情報、営業活動情報が有する1以上の地点識別子を、交通費の算出モジュールに与え、交通費の算出のための算出情報を用いて、1または2以上の交通費を取得する。なお、ここで、取得される交通費は、最安値の交通費であることは好適である。また、2以上の交通費を取得する場合は、2以上の移動ルートがある場合である。また、交通費の取得技術、最安値の交通費の取得技術は、公知技術であるので詳細な説明を省略する。また、検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報から支出金額情報を取得する。
次に、検査部131は、支出金額情報と取得した交通費とを用いて、支出金額情報が予め決められた正当な交通費の条件を満たすか否かを判断する。正当な交通費の条件を満たさない場合は、「交通費請求が不正である」旨の検査結果を得る。なお、正当な交通費の条件は、例えば、「支出金額情報=最安値の交通費」「支出金額情報と、1以上のいずれかの交通費が一致する」「支出金額情報<=1以上のいずれかの交通費」である。
(3−2)交通費の不正の検査(ii)
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報から、出発識別子と到着識別子とを有する交通費情報を取得する。また、検査部131は、営業活動情報が有する1以上の地点識別子を取得する。そして、検査部131は、出発識別子といずれかの地点識別子との距離が、予め決められた条件を満たすほど近いか否かを判断する。そして、出発識別子と全ての各地点識別子との距離が、予め決められた条件を満たさない場合、検査部131は「交通費の申請が不正である」旨の検査結果を取得する。検査部131は、到着識別子といずれかの地点識別子との距離が、予め決められた条件を満たすほど近いか否かを判断する。そして、到着識別子と全ての各地点識別子との距離が、予め決められた条件を満たさない場合、検査部131は「交通費の申請が不正である」旨の検査結果を取得する。
なお、出発識別子または到着識別子と、各地点識別子との距離を算出する技術は公知技術である。
(4)カード明細情報を用いた検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付くカード明細情報であり、経費情報が有する使用日情報と同一の使用日情報を有するカード明細情報をカード明細情報格納部1125から取得し、当該カード明細情報を用いて、経費受付部121が受け付けた経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。
(4−1)領収書分割の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付くカード明細情報であり、経費情報が有する使用日情報と同一の使用日情報を有するカード明細情報をカード明細情報格納部1125から取得する。そして、検査部131は、2以上のカード明細情報を取得でき、かつ2以上の各カード明細情報が有する店舗識別子が同一であり、と判断した場合に、「領収書分割の不正である」旨の検査結果を取得する。
(4−2)社内飲み会後のタクシー利用の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付くカード明細情報を取得する。また、検査部131は、当該カード明細情報が有する情報を用いて、タクシー利用の経費であるか否かを判断する。タクシー利用の経費である場合、検査部131は、当該カード明細情報が有する使用日情報と同一の使用日情報を含む経費情報に含まれる1以上の参加者情報(例えば、参加者の氏名)を取得する。次に、検査部131は、1以上の参加者情報のすべてが、個人情報格納部1121(社員データベース)が有する個人情報に対応するか否か(例えば、参加者の氏名を含むか否か)を判断する。そして、1以上の参加者情報のすべてが個人情報に対応する場合、検査部131は、「社内飲み会後のタクシー利用」である旨の検査結果を取得する。
(5)営業車位置情報を用いた検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付く1以上の営業車位置情報であり、経費情報が有する使用日情報と同一の使用日情報に対応付けられている1以上の営業車位置情報を営業車位置情報格納部1126から取得する。次に、検査部131は、当該営業車位置情報を用いて、経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。
(5−1)営業車の不正な使用の検査(不正な地点の検査)
検査部131は、取得した1以上の営業車位置情報が、予め決められた不正な地点(例えば、観光地)と予め決められた条件を満たすほど近いか否かを判断する。予め決められた条件を満たすほど近いと判断した場合、検査部131は、「営業車の不正な使用である」旨の検査結果を取得する。なお、予め決められた不正な地点の情報は、例えば、会社規定情報の中に含まれる。
(6)カード利用経費情報を用いた検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付く経費種類識別子が、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付く所有カード情報に対応する経費種類識別子として、カード利用経費格納部117に格納されているか否か検査し、検査結果を取得する。なお、例えば、飲食代または接待費は、クレジットカードを使用することが、カード利用経費格納部117に格納されている、とする。
(7)会社規定情報を用いた検査
検査部131は、会社規定情報格納部113に格納されている会社規定情報を用いて、経費受付部121が受け付けた経費情報が、前記会社規定情報が特定する会社規定に合致するか否かの検査を行い、検査結果を取得する。なお、会社規定情報を用いた検査の具体例は、例えば、(2−2)、(2−3)、後述する(13−1)(13−2)、後述する(14−3)(a)、後述する(14−4)(a)等である。
(8)移動手段情報を用いた検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報と、移動手段情報格納部118に格納されている移動手段情報とを用いて、交通費の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。
(8−1)電車、バス、または飛行機の交通費の不正の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた交通費に関する経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付く申請者情報を取得し、申請者情報、または申請者情報と移動手段情報を用いて、交通費の請求に関する不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。
さらに具体的には、検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報から出発識別子と到着識別子と料金情報とを有する1以上の区間情報を有する交通費情報を取得する。次に、1以上の各区間情報が有する出発識別子と到着識別子とを交通費の算出モジュールに与え、交通費の算出のための算出情報を用いて、1または2以上の交通費を取得する。なお、ここで、取得される交通費は、最安値の交通費であることは好適である。また、2以上の交通費を取得する場合は、2以上の移動ルートがある場合である。また、交通費の取得技術、最安値の交通費の取得技術は、公知技術であるので詳細な説明を省略する。また、また、交通費は、外部サーバ3を用いて取得することは好適である。
また、検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報から支出金額情報を取得する。
次に、検査部131は、料金情報と交通費とを用いて、料金情報が予め決められた正当な交通費の条件を満たすか否かを判断する。正当な交通費の条件を満たさない場合は、「交通費請求が不正である」旨の検査結果を得る。なお、正当な交通費の条件は、例えば、「料金情報=最安値の交通費」「料金情報と、1以上のいずれかの交通費が一致する」「料金情報<=1以上のいずれかの交通費」である。
(8−2)タクシー料金の不正の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けたタクシー料金に関する経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付く申請者情報を取得し、申請者情報、または申請者情報と移動手段情報を用いて、交通費の請求に関する不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。
さらに具体的には、検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報から出発識別子と到着識別子と支出金額情報とを有する交通費情報を取得する。次に、交通費情報が有する出発識別子と到着識別子と地図情報とを用いて、移動した距離を取得する。次に、検査部131は、当該距離と、タクシー料金の算出のための算出情報とを用いて、タクシー料金を取得する。なお、ここで、タクシー料金の取得技術は、公知技術であるので詳細な説明を省略する。また、タクシー料金は、外部サーバ3を用いて取得することは好適である。
また、検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報から支出金額情報を取得する。
次に、検査部131は、支出金額情報とタクシー料金とを用いて、支出金額情報が予め決められた正当なタクシー料金の条件を満たすか否かを判断する。正当なタクシー料金の条件を満たさない場合は、「交通費請求が不正である旨」の検査結果を得る。なお、正当な交通費の条件は、例えば、「支出金額情報=タクシー料金」「支出金額情報−タクシー料金<=閾値」「支出金額情報−タクシー料金<閾値」である。
(8−3)定期区間との重複の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた交通費に関する経費情報に対応付けられている申請者識別子に対応付く定期区間情報を、個人情報格納部1121から取得する。次に、検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報から出発識別子と到着識別子とを有する1以上の区間情報を有する交通費情報を取得する。
次に、検査部131は、定期区間情報が特定する区間と、1以上の各区間情報が特定する区間との重複の有無を、移動手段情報を用いて判断する。検査部131は、例えば、1以上の各区間情報の区間の中の駅名を順に並べた駅名の集合(駅名群1)を、移動手段情報を用いて、する。そして、検査部131は、定期区間情報が特定する区間の駅名を順に並べた駅名の集合(駅名群2)を、移動手段情報を用いて取得する。そして、検査部131は、駅名群1と駅名群2の中で、2以上の連続する同一の駅名が含まれるか否かを判断する。2以上の連続する同一の駅名が含まれる場合に、検査部131は、「申請した交通費が定期区間を含む」旨の検査結果を取得する。
(9)店舗情報を用いた検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する店舗識別子と店舗集合が有する店舗情報とを用いて、経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。なお、店舗集合は、例えば、飲食店集合格納部114の飲食店集合、または風俗店集合格納部115の飲食店集合であるが、図示しない外部の装置に存在する飲食店集合または風俗店集合でも良い。
(9−1)店舗不正の検査(風俗店等の利用)
検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する店舗識別子を取得する。次に、検査部131は、取得した店舗識別子(風俗店識別子)が風俗店集合格納部115に格納されているか否かを検査し、格納されている場合に、「行ってはいけない風俗店で経費を使用した旨の不正」を示す検査結果を取得する。なお、かかる検査結果は、風俗店集合格納部115の当該店舗識別子を含む風俗店情報を含むことは好適である。
(9−2)金額不正の検査
(a)金額全体の検査
検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する店舗識別子と対になる金額情報を飲食店集合格納部114から取得する。次に、検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する支出金額情報を取得する。次に、検査部131は、取得した支出金額情報と取得した金額情報と比較して、予め決められた条件を満たすほど高い金額を示す情報であるか否かを判断する。そして、検査部131は、予め決められた条件を満たすほど高い金額を示す情報である場合に、「不正な金額の経費が使われた」旨の検査結果を取得する。なお、予め決められた条件は、例えば、「支出金額情報−金額情報>=閾値」「支出金額情報−金額情報>閾値」「支出金額情報/金額情報>=閾値」「支出金額情報/金額情報>閾値」である。なお、各閾値は、異なっていても良いことは言うまでもない。
(9−3)交際費は飲食店を利用しているか否かの検査
検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報の経費種類識別子を取得する。次に、検査部131は、当該経費種類識別子が「交際費」に該当するか否かを判断する。「交際費」に該当する場合、検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する店舗識別子を取得する。次に、検査部131は、当該店舗識別子が飲食店の識別子であるか否かを判断する。飲食店の識別子でなければ、検査部131は、「不正な交際費の申請である」旨の検査結果を取得する。
なお、検査部131は、例えば、店舗識別子が飲食店集合格納部114に格納されているか否かにより、店舗識別子が飲食店の識別子であるか否かを判断する。また、検査部131は、例えば、店舗識別子をキーとしてウェブ検索を行い、取得したウェブページに、飲食店を示す情報(例えば、居酒屋、イタリアン、料理名など)が存在するか否かにより、店舗識別子が飲食店の識別子であるか否かを判断する。また、店舗識別子のクラスタリングは、他の方法を用いても良い。つまり、店舗識別子が飲食店の識別子であるか否かを判断するアルゴリズムは問わない。
(b)一人当たりの金額の検査
検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する店舗識別子と対になる金額情報を飲食店集合格納部114から取得する。次に、検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する支出金額情報を取得する。また、検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する人数情報、または経費情報が有する参加者情報から取得された人数情報を取得する。次に、検査部131は、取得した支出金額情報と取得した金額情報と人数情報とを用いて、予め決められた条件を満たすほど、一人当たりの金額が高いか否かを判断する。そして、検査部131は、一人当たりの金額が予め決められた条件を満たすほど高い金額である場合に、「不正な金額の経費が使われた」旨の検査結果を取得する。なお、予め決められた条件は、例えば、「(支出金額情報/人数情報)−金額情報>=閾値」「(支出金額情報/人数情報)−金額情報>閾値」「(支出金額情報/人数情報)/金額情報>=閾値」「(支出金額情報/人数情報)/金額情報>閾値」である。なお、各閾値は、異なっていても良いことは言うまでもない。
(10)相手先情報を用いた検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する相手先識別子と外部情報が有する1以上の相手先情報とを用いて、経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する。なお、1以上の相手先情報は、例えば、相手先集合である。また、相手先集合は、例えば、相手先集合格納部116の相手先集合である。
(10−1)公務員に対する利益供与の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する相手先識別子を取得する。次に、検査部131は、取得した相手先識別子が、公務員の情報が格納されている相手先集合格納部116に存在するか否かを判断する。存在する場合には、「公務員に対して不正な利益供与をした旨の不正」を示す検査結果を取得する。
(10−2)議員に対する利益供与の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する相手先識別子を取得する。次に、検査部131は、取得した相手先識別子が、議員の情報が格納されている相手先集合格納部116に存在するか否かを判断する。存在する場合には、「議員に対して不正な利益供与をした旨の不正」を示す検査結果を取得する。
(11)過去の経費情報を用いた検査
(11−1)二重申請の検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報と、当該経費情報に対応付けられている申請者識別子と同一の申請者識別子に対応付けられて経費情報格納部111に格納されている過去の1以上のいずれかの経費情報とが、予め決められた条件を満たすほど近似するか否かを判断し、検査結果を取得する。
2つの経費情報が「予め決められた条件を満たすほど近似する」ことは、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する支出金額情報、店舗識別子、相手先識別子、使用日情報、科目、摘要、承認者識別子のうち、(a)予め決められた数以上の情報が一致すること、(b)予め決められた1または2以上の情報がすべて一致すること等である。なお、予め決められた1または2以上の情報は、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する支出金額情報、店舗識別子、相手先識別子のうちの1以上の情報である。
(11−2)領収書の使い回しの検査
検査部131は、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する領収書画像と、経費情報格納部111に格納されている過去の経費情報が有する領収書画像とが、予め決められた条件を満たすほど類似していると判断した場合、「領収書の使い回しの不正である」旨の検査結果を取得する。なお、検査部131が検査に使用する過去の経費情報が有する領収書画像は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応付けられている申請者識別子と同一の申請者識別子に対応付けられている領収書画像(申請者自身が、過去に使用した領収書画像)であることは好適であるが、他の申請者識別子に対応付けられている領収書画像でも良い。具体的には、例えば、以下の(a)(b)のいずれかの方法で領収書の使い回しを検査する。
(a)画像の類似度を用いる場合
検査部131は、例えば、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する領収書画像と、経費情報格納部111に格納されている過去の1以上の各経費情報が有する領収書画像との類似度を取得し、当該類似度が閾値以上または閾値より大きい場合、「領収書の使い回しの不正である」旨の検査結果を取得する。なお、検査結果は、使い回しと判断された過去の経費情報、使い回しと判断された過去の経費情報が有する領収書画像等を有しても良い。
(b)機械学習による場合
検査部131は、例えば、領収書の使い回しであると人が判断した2つの領収書画像の組の1組以上を正例とし、異なる2つの領収書の組の1組以上を負例として有する教師データを用いて、機械学習の学習処理により、構成された学習器を構成する。なお、かかる学習器は、使い回しか否か(同一か否か)を出力する学習器である。
次に、検査部131は、当該学習器と、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する領収書画像と、経費情報格納部111の過去の領収書画像とを用いて、機械学習の予測処理を行い、使い回しであるとの出力結果を得た場合に、「領収書の使い回しの不正である」旨の検査結果を取得する。なお、経費情報格納部111の過去の領収書画像は、経費受付部121が受け付けた経費情報に対応する申請者識別子に対応付く領収書画像であることは好適である。
(11−3)同日の経費申請の数が多いことの検査
検査部131は、一の申請者識別子に対応付く2以上の経費情報を検査し、同一の使用日情報を有する経費情報の数が予め決められた条件を満たすほど多いか否かを判断し、検査結果を取得する。検査部131は、経費情報の数が予め決められた条件を満たすほど多い場合に、不正である旨の検査結果を取得する。
なお、一の申請者識別子に対応付く、同一の使用日情報を有する経費情報の数は、統計処理部132が取得しても良い。
(11−4)二次会支出による不正の検査
検査部131は、一の申請者識別子に対応付く2以上の経費情報を検査し、同一の使用日情報であり、異なる飲食店識別子を有する経費情報の数が予め決められた条件を満たすほど多いか否かを判断し、検査結果を取得する。例えば、同日に2以上の飲食店の経費申請がある場合、二次会にまで経費を使用していることを意味し、「二次会支出による不正である」旨の検査結果を取得する。
(12)統計処理結果を用いた検査
検査部131は、統計処理部132が取得した統計処理結果が予め決められた条件を満たすか否かを検査し、検査結果を取得する。
(12−1)店舗頻度情報を用いた検査
検査部131は、統計処理部132が取得した店舗頻度情報が予め決められた条件を満たすほど大きいか否かを検査し、検査結果を取得する。検査部131は、店舗頻度情報が予め決められた条件である店舗頻度条件を満たすほど大きい値の場合、「一の店舗を使用しすぎている」旨の検査結果を取得する。店舗頻度条件は、不正条件の一例である。店舗頻度条件は、例えば、「店舗頻度情報>=閾値」「店舗頻度情報>閾値」である。また、店舗頻度条件は、例えば、格納部11に格納されている。
(12−2)接待頻度情報を用いた検査
検査部131は、統計処理部132が取得した接待頻度情報が予め決められた条件を満たすか否かを検査し、検査結果を取得する。検査部131は、接待頻度情報が予め決められた条件である接待頻度条件を満たすほど大きい値の場合、「一の相手先の接待等の回数が多すぎる(癒着の可能性がある等)」旨の検査結果を取得する。接待頻度条件は、不正条件の一例である。接待頻度条件は、例えば、「接待頻度情報>=閾値」「接待頻度情報>閾値」である。また、接待頻度条件は、例えば、格納部11に格納されている。
(12−3)一の申請者の不正回数の検査
検査部131は、統計処理部132が取得した不正回数が予め決められた条件である不正回数条件を満たすか否かを検査し、「申請者の不正回数は多い」旨の検査結果を取得する。予め決められた条件は、例えば、「今までの不正回数が閾値以上または閾値より多い」「単位期間(例えば、1年、3年)の不正回数が閾値以上または閾値より多い」である。なお、不正回数条件は、不正条件の一例である。不正回数条件は、例えば、「不正回数>=閾値」「不正回数>閾値」である。また、不正回数条件は、例えば、格納部11に格納されている。
(13)経費申請の承認者の不正の検知
検査部131は、受け付けられた経費情報が有する承認者識別子で識別される承認者が、承認者情報により特定される承認者であるか否かを検査し、検査結果を取得する。
(13−1)承認可能な承認者が管理されている場合
検査部131は、例えば、受け付けられた経費情報が有する承認者識別子が、会社規定情報格納部113の会社規定情報に格納されている承認者情報の中に含まれるか否かを判断し、含まれていない場合、「不正な承認者である」旨の検査結果を取得する。
(13−2)承認可能な役職が管理されている場合
検査部131は、例えば、受け付けられた経費情報が有する承認者識別子と対になる役職識別子を個人情報格納部1121から取得し、当該役職識別子が、会社規定情報格納部113の会社規定情報に格納されている承認者情報の中に含まれるか否かを判断し、含まれていない場合、「不正な承認者である」旨の検査結果を取得する。
(14)申請漏れの検知
検査部131は、一の申請者識別子に対応する申請者情報を用いて、申請者情報に対応する経費情報が、一の申請者識別子に対応付けられている1以上の経費情報が格納されている経費情報格納部111に存在するか否かを判断し、申請者情報に対応する経費の申請が行われているか否かの申請の漏れの検査を行い、検査結果を取得する。なお、申請者情報は、例えば、勤怠情報、入退館情報、営業活動情報、カード明細情報、営業車位置情報である。
(14−1)勤怠情報を用いた申請漏れの検知
(a)労働賃金の経費の申請漏れ
検査部131は、一の申請者識別子に対応する勤怠情報を勤怠情報格納部1122から取得する。次に、検査部131は、取得した勤怠情報が給与の範囲に入らない勤怠に対応する情報であるか否かを判断する。次に、勤怠情報が給与の範囲に入らない勤怠に対応する情報であると判断した場合、検査部131は、一の申請者識別子に対応し、当該勤怠情報が有する勤務日情報と同一の使用日情報を有する経費情報であり、労働賃金を示す経費種類識別子(例えば、「労働賃金」)を有する経費情報が経費情報格納部111に存在するか否かを判断する。当該経費情報が経費情報格納部111に存在しない、と判断した場合、検査部131は、当該「勤怠情報に対応する経費が申請されていない」旨の検査結果を取得する。
取得した勤怠情報が給与の範囲に入らない勤怠であるか否かについて、検査部131は、例えば、勤怠情報が有する曜日情報を取得し、当該曜日情報が勤務日でない曜日(例えば、土曜日、日曜日、祝日)である場合に、取得した勤怠情報が給与の範囲に入らない勤怠であると判断する。検査部131は、例えば、勤怠情報に対応する申請者識別子を取得し、当該申請者識別子と対になる申請者種類情報が予め決められた情報(例えば、「アルバイト」、「パート」)である場合、取得した勤怠情報が給与の範囲に入らない勤怠であると判断する。なお、申請者種類情報は、個人情報格納部1121の個人情報が有する情報である。
(b)出張費の申請の漏れ
検査部131は、一の申請者識別子に対応する勤怠情報を勤怠情報格納部1122から取得する。次に、検査部131は、取得した勤怠情報が出張に対応する情報であるか否かを判断する。勤怠情報が出張に対応する情報である場合に、検査部131は、一の申請者識別子に対応し、当該勤怠情報が有する勤務日情報と同一の使用日情報を有する経費情報であり、出張の際に申請する経費の経費種類識別子(例えば、「出張費」「旅費交通費」)を有する経費情報が経費情報格納部111に存在するか否かを判断する。検査部131は、かかる経費情報が経費情報格納部111に存在しないと判断した場合、検査部131は、当該「出張に対応する経費が申請されていない」旨の検査結果を取得する。
なお、検査部131は、例えば、勤怠情報が出張であることを示す出張フラグを有する場合に、当該勤怠情報が出張に対応する情報である、と判断する。また、検査部131は、例えば、勤怠情報が開始時刻情報及び終了時刻情報を有さない場合に、当該勤怠情報が出張に対応する情報である、と判断する。また、検査部131は、例えば、勤怠情報が出張先を示す地点識別子を有する場合、当該勤怠情報が出張に対応する情報である、と判断する。
(c)海外日当の申請の漏れ
検査部131は、一の申請者識別子に対応する勤怠情報を勤怠情報格納部1122から取得する。次に、検査部131は、取得した勤怠情報が海外出張に対応する情報であるか否かを判断する。勤怠情報が海外出張に対応する情報である場合に、検査部131は、一の申請者識別子に対応し、当該勤怠情報が有する勤務日情報と同一の使用日情報を有する経費情報であり、海外出張の際に申請する経費の経費種類識別子(例えば、「海外日当」「海外出張手当」)を有する経費情報が経費情報格納部111に存在するか否かを判断する。検査部131は、かかる経費情報が経費情報格納部111に存在しないと判断した場合、検査部131は、当該「海外出張に対応する経費が申請されていない」旨の検査結果を取得する。
なお、検査部131は、例えば、勤怠情報が海外出張であることを示す海外出張フラグを有する場合に、当該勤怠情報が海外出張に対応する情報である、と判断する。また、検査部131は、例えば、勤怠情報が海外出張先を示す地点識別子を有する場合、当該勤怠情報が海外出張に対応する情報である、と判断する。
また、検査部131は、例えば、会社規定情報格納部113の会社規定情報が有する海外出張の規定の金額情報を取得し、対応する経費情報の金額情報と比較し、一致しない場合に、「海外日当の申請の不正」の旨の検査結果を取得しても良い。
また、検査部131は、例えば、一の申請者識別子に対応する営業活動情報を営業活動情報格納部1124から取得する。そして、検査部131は、営業活動情報が有する地点識別子が海外出張に対応する地点識別子であると判断した場合、当該営業活動情報が有する営業日情報を取得する。次に、検査部131は、一の申請者識別子に対応し、取得した営業日情報と同一の使用日情報を有する経費情報であり、海外出張の際に申請する経費の経費種類識別子を有する経費情報が経費情報格納部111に存在するか否かを判断する。検査部131は、かかる経費情報が経費情報格納部111に存在しないと判断した場合、検査部131は、当該「海外出張に対応する経費が申請されていない」旨の検査結果を取得する。
(14−2)入退館情報を用いた申請漏れの検知
(a)労働賃金の経費の申請漏れ
検査部131は、一の申請者識別子に対応する入退館情報を入退館情報格納部1123から取得する。次に、検査部131は、取得した入退館情報が給与の範囲に入らない勤務に対応する情報であるか否かを判断する。次に、入退館情報が給与の範囲に入らない勤務に対応する情報であると判断した場合、検査部131は、一の申請者識別子に対応し、当該入退館情報が有する勤務日情報と同一の使用日情報を有する経費情報であり、労働賃金を示す経費種類識別子(例えば、「労働賃金」)を有する経費情報が経費情報格納部111に存在するか否かを判断する。当該経費情報が経費情報格納部111に存在しない、と判断した場合、検査部131は、当該「入退館情報に対応する経費が申請されていない」旨の検査結果を取得する。
取得した入退館情報が給与の範囲に入らない勤怠であるか否かについて、検査部131は、例えば、入退館情報が有する曜日情報を取得し、当該曜日情報が勤務日でない曜日(例えば、土曜日、日曜日、祝日)である場合に、取得した入退館情報が給与の範囲に入らない勤怠であると判断する。検査部131は、例えば、入退館情報に対応する申請者識別子を取得し、当該申請者識別子と対になる申請者種類情報が予め決められた情報(例えば、「アルバイト」、「パート」)である場合、取得した入退館情報が給与の範囲に入らない勤務であると判断する。
(b)出張費の申請の漏れ
検査部131は、一の申請者識別子に対応する入退館情報を入退館情報格納部1123から取得する。次に、検査部131は、取得した入退館情報が出張に対応する情報であるか否かを判断する。入退館情報が出張に対応する情報である場合に、検査部131は、一の申請者識別子に対応し、当該入退館情報が有する勤務日情報と同一の使用日情報を有する経費情報であり、出張の際に申請する経費の経費種類識別子(例えば、「出張費」「旅費交通費」)を有する経費情報が経費情報格納部111に存在するか否かを判断する。検査部131は、かかる経費情報が経費情報格納部111に存在しないと判断した場合、検査部131は、当該「出張に対応する経費が申請されていない」旨の検査結果を取得する。
なお、検査部131は、例えば、入退館情報が開始時刻情報及び終了時刻情報を有さない場合に、当該入退館情報が出張に対応する情報である、と判断する。検査部131は、例えば、入退館情報が開始時刻情報及び終了時刻情報を有さず、かつ一の申請者識別子に対応し、使用日情報と同一の勤務日情報を有する勤怠情報が出勤(欠勤でない旨)を示す情報であると判断した場合に、当該入退館情報が出張に対応する情報である、と判断する。
(14−3)営業活動情報を用いた申請漏れの検知
(a)出張費の申請の漏れ
検査部131は、一の申請者識別子に対応する営業活動情報を営業活動情報格納部1124から取得する。次に、検査部131は、取得した営業活動情報が出張に対応する情報であるか否かを判断する。営業活動情報が出張に対応する情報である場合に、検査部131は、一の申請者識別子に対応し、当該営業活動情報が有する営業日情報と同一の使用日情報を有する経費情報であり、出張の際に申請する経費の経費種類識別子(例えば、「出張費」「旅費交通費」)を有する経費情報が経費情報格納部111に存在するか否かを判断する。検査部131は、かかる経費情報が経費情報格納部111に存在しないと判断した場合、検査部131は、当該「出張に対応する経費が申請されていない」旨の検査結果を取得する。
なお、検査部131は、例えば、営業活動情報が有する地点識別子と、予め決められている会社の位置情報とを用いて、地点識別子が識別する地点と会社との距離を地図情報格納部1182の地図情報を用いて取得し、当該距離が、出張費が発生する距離以上の距離であると判断した場合に、営業活動情報が出張に対応する情報であると判断する。なお、出張費が発生する最低の距離の情報は、例えば、会社規定情報格納部113に格納されている。
また、検査部131は、例えば、営業活動情報が地点識別子を有する場合に、営業活動情報が出張に対応する情報であると判断する。
なお、営業活動情報が出張に対応する情報であると判断するアルゴリズムは問わない。営業活動情報は、出張か否かを示すフラグを有しても良い。
(b)交通費の申請の漏れ
検査部131は、一の申請者識別子に対応する営業活動情報が有する1以上の地点識別子を営業活動情報格納部1124から取得する。次に、検査部131は、予め格納されている会社の位置情報と取得した1以上の地点識別子とを用いて、交通費が発生するか否かを判断する。交通費が発生すると判断した場合、検査部131は、営業活動情報が有する営業日情報と同一の使用日情報を有する経費情報であり、「旅費交通費」の経費種類識別子を有する経費情報が経費情報格納部111に存在するか否かを判断する。検査部131は、かかる経費情報が経費情報格納部111に存在しないと判断した場合、検査部131は、当該「交通費の経費が申請されていない」旨の検査結果を取得する。
なお、交通費が発生するか否かについて、検査部131は、例えば、算出情報格納部1181の算出情報を用いて判断する。具体的には、検査部131は、例えば、会社の位置情報と地点識別子を、交通費を算出する算出モジュールに与え、交通費の情報が出力されるか否かを判断する。また、検査部131は、例えば、会社の位置情報と地点識別子との距離を、地図情報を用いて取得し、当該距離が閾値以上であるか否かにより、交通費が発生するか否かを判断する。なお、算出モジュールは、公知技術である。
(14−4)営業車位置情報を用いた申請漏れの検知
(a)出張費の申請の漏れ
検査部131は、一の申請者識別子、および一の使用日情報に対応する1以上の営業車位置情報を営業車位置情報格納部1126から取得する。次に、検査部131は、取得した1以上の営業車位置情報が出張に対応する情報であるか否かを判断する。営業車位置情報が出張に対応する情報である場合に、検査部131は、一の申請者識別子に対応し、営業車位置情報に対応する一の使用日情報と同一の使用日情報を有する経費情報であり、出張の際に申請する経費の経費種類識別子(例えば、「出張費」)を有する経費情報が経費情報格納部111に存在するか否かを判断する。検査部131は、かかる経費情報が経費情報格納部111に存在しないと判断した場合、検査部131は、当該「出張に対応する経費が申請されていない」旨の検査結果を取得する。
なお、検査部131は、例えば、1以上の各営業車位置情報と、予め格納されている会社の位置情報とを用いて、営業車位置情報が示す位置と会社との距離の最大値を地図情報格納部1182の地図情報を用いて取得し、当該距離の最大値が、出張費が発生する距離以上の距離であると判断した場合に、営業活動情報が出張に対応する情報であると判断する。なお、出張費が発生する最低の距離の情報は、例えば、会社規定情報格納部113に格納されている。
また、検査部131は、例えば、1以上の各営業車位置情報に対応付けられている出張フラグが存在する場合に、営業活動情報が出張に対応する情報であると判断する。なお、出張フラグは、出張であることを示すフラグである。
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、検査結果、画像検査結果、統計処理結果である。ここで、出力とは、通常、申請者端末2への送信であるが、経理端末等の他の装置への送信、経費検査装置1への蓄積、ディスプレイへの表示等でも良い。
(15)画像検査手段1311が行う領収書画像検査
画像検査手段1311は、例えば、文字認識処理、機械学習処理のうちの1以上の処理を行い(上記の(1)〜(3)方法のいずれか等)、1以上の文字列を取得し、当該1以上の各文字列が予め決められた条件を満たすか否かを判断し、画像検査結果を取得する。1以上の文字列は、例えば、支払金額情報、店舗識別子、相手先識別子、使用日情報、科目、摘要、決済手段情報のうちのいずれかである。
画像検査手段1311が行う検査の例は、以下の(15−1)〜(15−9)である。画像検査手段1311は、例えば、(15−1)〜(15−9)のうちのいずれか1以上の検査を行い、画像検査結果を取得する。なお、(15−1)〜(15−9)は、領収書画像検査の例である。
(15−1)領収書画像と経費情報の文字列との不一致の検査
画像検査手段1311は、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する領収書画像から文字列とクラスとの組を、1組以上取得する。次に、検査部131は、組ごとに、当該組が有するクラスに対応し、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する文字列(例えば、支払金額情報、店舗識別子、相手先識別子、使用日情報、科目、摘要、決済手段情報のうちのいずれか)を取得する。次に、検査部131は、組ごとに、領収書画像から取得した一のクラスの文字列と、経費受付部121が受け付けた経費情報が有する同一クラスの文字列とを比較し、予め決められた関係を有するか否かを判断する。予め決められた関係を有さない場合、検査部131は、不正を示す検査結果を取得する。
なお、予め決められた関係は、一致であるが、予め決められた条件を満たすほど類似すること(例えば、類似度が閾値以上、「(株)」と「株式会社」の差異のみ、表記の差異のみ等)である。
(15−2)金額の加工の検査
(a)文字認識処理を用いる場合
画像検査手段1311は、例えば、文字認識技術により、領収書画像から金額の領域の文字列とスコアとを取得し、当該スコアが予め決められた条件を満たすほど低いと判断した場合に、領収書の金額の加工があった、と判断する。なお、画像検査手段1311は、例えば、領収書画像の全文字を文字認識技術により取得し、当該文字の集合から文字「¥」を検出し、当該文字「¥」の横の数字列を支払金額情報として取得する。
(b)機械学習処理を用いる場合
画像検査手段1311は、例えば、手書きにより金額が偽装された1以上の領収書画像と偽装されていない1以上の領収書画像とを教師データとして、機械学習のアルゴリズムにより、学習処理を行い、領収書画像を入力として金額が偽装されたか否かの検査結果を取得する学習器を構成する。
次に、画像検査手段1311は、例えば、経費受付部121が受け付けた領収書画像と学習器とを用いて、機械学習のアルゴリズムにより予測処理を行い、領収書画像に記載されている金額が、手書きにより偽装されたか否かを示す画像検査結果を取得する。
(15−3)税区分の不適切性等の検査
画像検査手段1311は、領収書画像から2以上の文字列を取得する。次に、画像検査手段1311は、2以上の文字列が、予め決められた不正パターンに合致するか否かを判断する。不正パターンに合致する場合に、画像検査手段1311は、不正である旨の検査結果を取得する。
不正パターンは、例えば、クラス「摘要」に対応する文字列の中に文字列「手土産」を含み、かつクラス「税区分」に対応する文字列の中に「10%」を含むことである。かかる不正パターンは、税区分の不正である。画像検査手段1311は、例えば、画像検査手段1311は、取得した文字列を用いて、クラス「摘要」に対応する文字列の中に「手土産」を含み、かつクラス「税区分」に対応する文字列の中に「10%」を含むと判断した場合、「税区分の不正」である旨の画像検査結果を取得する。
(15−4)宛名の不備の検査
画像検査手段1311は、領収書画像から1以上の文字列を、クラスに対応付けて取得する。
次に、画像検査手段1311は、クラス「宛名」に対応する文字列が、格納部11に格納されている社名に合致しないと判断した場合、領収書の宛名の不備である旨の画像検査結果を取得する。また、例えば、画像検査手段1311は、取得した文字列を用いて、クラス「宛名」に対応する文字列が、格納部11に格納されている「上様」等の不適切な文字列であると判断した場合、領収書の宛名の不備である旨の画像検査結果を取得する。
(15−5)領収書へのサインの有無の検査
画像検査手段1311は、例えば、サインが有る1以上の領収書を正例とし、サインが無い1以上の領収書を負例とする教師データを用いて、機械学習のアルゴリズムにより、学習器を構成する。そして、画像検査手段1311は、受け付けられた領収書画像と学習器とを用いて、予測処理を行い、サインの有無を示す情報を取得する。そして、画像検査手段1311は、サインが無い、と判断した場合、領収書へのサインが無いことの不備を示す画像検査結果を取得する。
(15−6)領収書画像の不鮮明さの検査
(a)文字認識処理を用いる場合(第一不鮮明処理)
画像検査手段1311は、文字認識技術を用いて、経費受付部121が受け付けた領収書画像から1以上の文字列とともに、文字認識のスコアを取得し、スコアが予め決められた条件を満たすほど低い場合に、領収書画像が不鮮明であると判断する第一不鮮明処理を行う。なお、文字認識を行い、文字列を取得し、かつ文字認識のスコア(尤度と言っても良い)を出力する技術は公知技術である。
(b)機械学習処理を用いる場合(第二不鮮明処理)
画像検査手段1311は、不鮮明な1以上の領収書画像と鮮明な1以上の領収書画像とを機械学習のアルゴリズムにより、学習処理を行い、学習器を構成する。なお、かかる学習器は、領収書画像を入力として領収書画像が不鮮明であるか鮮明であるかの判断結果を取得する学習器である。
次に、画像検査手段1311は、経費受付部121が受け付けた領収書画像と学習器とを用いて、機械学習のアルゴリズムにより予測処理を行い、領収書画像が不鮮明であるか鮮明であるかの検査結果を取得する。
(15−7)決済手段の検査
画像検査手段1311は、領収書画像から文字列である決済手段情報(例えば、「○○PAY」)を取得し、決済手段情報が、会社規定情報が有する決済手段情報であるか否かを検査し、画像検査結果を取得する。なお、会社規定情報は、会社規定情報格納部113に存在する。
(15−8)手書き領収書への角印有無の検査
(a)機械学習処理を用いる場合
画像検査手段1311は、例えば、手書きであり、角印が押された1以上の領収書画像を正例とし、角印が押されてない1以上の領収書画像を負例として、機械学習のアルゴリズムにより、学習処理を行い、学習器を構成する。なお、かかる学習器は、領収書画像を入力とし、角印が押されているか否かを出力とする学習器である。
次に、画像検査手段1311は、受け付けた領収書画像と学習器とを用いて、機械学習のアルゴリズムにより予測処理を行い、角印が押されているか否かを示す画像検査結果を取得する。
(b)画像認識処理を用いる場合
画像検査手段1311は、受け付けられた領収書画像に対して文字認識処理を行い、手書き文字が存在するか否か(例えば、スコアが閾値以下または閾値未満であるか否か)を判断する。手書き文字が存在すると判断した場合、画像検査手段1311は、例えば、画像認識により、画素値が赤の領域の画素値であり、概ね矩形形状の輪郭を有する角印が存在するか否かを判断する。角印が存在しないと判断した場合、画像検査手段1311は、角印が押されていない旨の画像検査結果を取得する。
(15−9)タイムスタンプの検査
画像検査手段1311は、受け付けられた領収書画像が有するタイムスタンプが示す日情報を取得する。なお、日情報は、領収書画像にタイムスタンプが付加された日を示す情報である。
次に、画像検査手段1311は、受け付けられた領収書画像に対応する領収書発行日を取得する。
次に、画像検査手段1311は、取得した日情報が示す日が、領収書発行日に対して、予め決められた以上の期間が経過しているか否かを判断し、画像検査結果を取得する。予め決められた以上の期間は、例えば、「3日以上」、または「4日以上」である。
なお、画像検査手段1311は、通常、領収書画像から領収書発行日を取得するが、経費受付部121が受け付けた経費情報に含まれる文字列である領収書発行日を取得しても良い。また、領収書画像にタイムスタンプを付加する技術、領収書画像が有するタイムスタンプを取得する技術は公知技術である。
格納部11、経費情報格納部111、申請者集合格納部112、会社規定情報格納部113、飲食店集合格納部114、風俗店集合格納部115、相手先集合格納部116、カード利用経費格納部117、移動手段情報格納部118、個人情報格納部1121、勤怠情報格納部1122、入退館情報格納部1123、営業活動情報格納部1124、カード明細情報格納部1125、営業車位置情報格納部1126、算出情報格納部1181、地図情報格納部1182、および第一格納部21は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
受付部12、経費受付部121、および第一受信部25は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
処理部13、検査部131、統計処理部132、画像検査手段1311、および第一処理部23は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。プロセッサは、MPU、CPU、GPU等、その種類は問わない。
出力部14、結果出力部141、および第一送信部24は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
第一受付部22は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
第一出力部26は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。第一出力部26は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
を備える。
次に、経費検査装置1の動作例について、図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS401)経費受付部121は、申請書識別子に対応付いた経費情報を申請者端末2から受信したか否かを判断する。経費情報を受信した場合はステップS402に行き、経費情報を受信しなかった場合はステップS406に行く。
(ステップS402)処理部13は、ステップS401で受信された経費情報に対する検査処理を行う。検査処理とは、経費申請の不正の検査の処理である。検査処理の例について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS403)検査部131は、ステップS402において取得した検査結果が「正当」であるか否かを判断する。「正当」である場合はステップS404に行き、「正当」でない場合はステップS405に行く、
(ステップS404)処理部13または図示しない蓄積部は、ステップS401で受信された経費情報を、申請書識別子に対応付けて、経費情報格納部111に蓄積する。ステップS401に戻る。なお、ステップS404において、結果出力部141は、「正当」である旨の検査結果を、経費情報を送信した申請者端末2に送信しても良い。
(ステップS405)結果出力部141は、ステップS402において取得された検査結果を、経費情報を送信した申請者端末2に送信する。ステップS401に戻る。なお、ステップS405で、検査部131は、経費情報に対応する申請者識別子に対応する不正回数を、1インクリメントしても良い。また、ステップS405で、処理部13または図示しない蓄積部は、ステップS401で受信された経費情報を、申請書識別子に対応付けて、経費情報格納部111に蓄積しても良い。
(ステップS406)処理部13は、統計検査を行うタイミングであるか否かを判断する。統計検査を行うタイミングであればステップS407に行き、統計検査を行うタイミングでなければステップS414に行く。
なお、処理部13は、図示しない時計から時刻を取得し、当該時刻が予め決められた時刻以降であれば、統計検査を行うタイミングであると判断する。また、処理部13は、統計検査の指示が受信された場合に、統計検査を行うタイミングであると判断する。また、統計検査とは、経費情報の統計処理結果を用いた不正の検査である。統計検査は、例えば、定期的に(例えば、1ヶ月に一度)行われることは好適である。
(ステップS407)処理部13は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS408)処理部13は、経費情報格納部111にi番目の申請者識別子が存在するか否かを判断する。i番目の申請者識別子が存在する場合はステップS409に行き、i番目の申請者識別子が存在しない場合はステップS412に行く。i番目の申請者識別子が存在するか否かは、検査対象のi番目の申請者が存在するか否かである。
(ステップS409)処理部13は、i番目の申請者識別子に対応する経費情報に対して、統計処理を行い、統計処理結果を用いて、経費申請の不正に関する検査を行う。かかる統計検査処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS410)処理部13は、ステップS409で取得した検査結果を、i番目の申請者識別子に対応付けて、出力する。処理部13は、例えば、i番目の申請者識別子に対応付けて、検査結果を格納部11に蓄積する。また、処理部13は、例えば、i番目の申請者識別子に対応付けられた検査結果を、図示しない端末に送信する。
(ステップS411)処理部13は、カウンタiを、1インクリメントする。ステップS408に戻る。
(ステップS412)統計処理部132は、出力する統計処理結果を構成する。
(ステップS413)結果出力部141は、ステップS412で構成された統計処理結果を出力する。ステップS401に戻る。なお、統計処理結果の出力とは、例えば、統計処理結果を格納部11に蓄積すること、統計処理結果を図示しない端末に送信することである。
(ステップS414)処理部13は、申告漏れ検査を行うタイミングであるか否かを判断する。申告漏れ検査を行うタイミングであればステップS415に行き、申告漏れ検査を行うタイミングでなければステップS401に戻る。
なお、処理部13は、図示しない時計から時刻を取得し、当該時刻が予め決められた時刻以降であれば、申告漏れ検査を行うタイミングであると判断する。また、処理部13は、申告漏れ検査の指示が受信された場合に、申告漏れ検査を行うタイミングであると判断する。また、申告漏れ検査とは、経費申請の漏れの検査である。申告漏れ検査は、例えば、定期的に(例えば、1ヶ月に一度)行われることは好適である。
(ステップS415)処理部13は、経費申請の漏れ検査を行う。漏れ検査の処理例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS416)結果出力部141は、ステップS415で取得された漏れ検査の検査結果を出力する。ステップS401に戻る。ここでの検査結果の出力とは、例えば、検査結果の格納部11への蓄積、漏れに対応する申請者識別子で識別される申請者への送信、図示しない端末への送信等である。
なお、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、ステップS402の検査処理の例について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS501)検査部131は、受信された経費情報の中に、領収書画像が含まれるか否かを判断する。領収書画像が含まれる場合はステップS502に行き、領収書画像が含まれない場合はステップS505に行く。
(ステップS502)画像検査手段1311は、領収書画像から文字列とクラスとの組を、1または2組以上取得する。なお、かかる処理は、上述したので、ここでの詳細な説明は省略する。
(ステップS503)画像検査手段1311は、領収書画像検査を行い、検査結果を取得する。
領収書画像検査は、例えば、上述した(15−1)〜(15−9)のうちの1以上の検査である。
(ステップS504)検査部131は、共通検査を行い、検査結果を取得する。共通検査とは、経費情報の経費種類識別子(科目でも良い)に依存しない検査である。
共通検査は、例えば、(1−1)(2−1)の出勤日以外の経費の検査、(4−1)領収書分割の検査、(5−1)営業車の不正な使用の検査、(6)カード利用経費情報を用いた検査、(10)相手先情報を用いた検査、(11−1)二重申請の検査、(11−2)領収書の使い回しの検査、(11−3)同日の経費申請の数が多いことの検査、(13)経費申請の承認者の不正の検知である。
(ステップS505)検査部131は、受信された経費情報から経費種類識別子を取得する。
(ステップS506)検査部131は、ステップS505で取得した経費種類識別子が「交通費(旅費交通費でも良い)」であるか否かを判断する。「交通費」である場合はステップS507に行き、「交通費」でない場合はステップS508に行く。
(ステップS507)検査部131は、交際費検査処理を行い、検査結果を取得する。ステップS514に行く。
交通費検査処理とは、交通費特有の検査のための処理である。交通費検査処理は、例えば、上述した(3−1)交通費の不正の検査(i)、(3−2)交通費の不正の検査(ii)、(4−2)社内飲み会後のタクシー利用の検査、(8−1)電車、バス、または飛行機の交通費の不正の検査、(8−2)タクシー料金の不正の検査、(8−3)定期区間との重複の検査である。
(ステップS508)検査部131は、ステップS505で取得した経費種類識別子が「交際費(接待交費でも良い)」であるか否かを判断する。「交際費」である場合はステップS509に行き、「交際費」でない場合はステップS510に行く。
(ステップS509)検査部131は、交際費検査処理を行い、検査結果を取得する。ステップS514に行く。
交際費検査処理とは、交際費特有の検査のための処理である。交際費検査処理は、例えば、(9−1)店舗不正の検査(風俗店等の利用)、(9−2)金額不正の検査、(9−3)交際費は飲食店を利用しているか否かの検査、(10)相手先情報を用いた検査、(11−4)二次会支出による不正の検査である。
(ステップS510)検査部131は、ステップS505で取得した経費種類識別子が「宿泊費」であるか否かを判断する。「宿泊費」である場合はステップS511に行き、「宿泊費」でない場合はステップS512に行く。
(ステップS511)検査部131は、宿泊費検査処理を行い、検査結果を取得する。ステップS514に行く。
宿泊費検査処理とは、宿泊費特有の検査のための処理である。宿泊費検査処理は、例えば、(1−3)宿泊費の不正の検査、(2−3)宿泊費の不正の検査である。
(ステップS512)検査部131は、ステップS505で取得した経費種類識別子が「出張費」であるか否かを判断する。「出張費」である場合はステップS513に行き、「出張費」でない場合はステップS512に行く。
(ステップS513)検査部131は、出張費検査処理を行い、検査結果を取得する。ステップS514に行く。
出張費検査処理とは、出張費特有の検査のための処理である。出張費検査処理は、例えば、(1−2)出張費の不正の検査 、(2−2)出張費の不正の検査である。
(ステップS514)検査部131は、取得された検査結果を用いて、出力される検査結果を構成する。上位処理にリターンする。
例えば、1以上の不正の検査結果が得られている場合、検査部131は、不正であった場合のすべての検査結果を含む検査結果を構成する。また、不正の検査結果が得られていない場合、検査部131は、「正当」である旨の検査結果を構成する。
次に、ステップS409の統計検査処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS601)統計処理部132は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS602)統計処理部132は、検査対象の申請者識別子(ステップS408のi番目の申請者識別子)に対応する1または2以上の経費情報であり、経費情報格納部111の1以上の経費情報の中の店舗識別子において、i番目の店舗識別子が存在するか否かを判断する。i番目の店舗識別子が存在する場合はステップS603に行き、i番目の店舗識別子が存在しない場合はステップS607に行く。
なお、i番目の店舗識別子とは、検査対象の申請者識別子に対応する1または2以上の経費情報の中の店舗識別子をユニーク処理した中での、i番目の店舗識別子である。また、検査対象の経費情報の期間は、予め決められていても良いし、すべての期間でも良い。
(ステップS603)統計処理部132は、検査対象の申請者識別子に対応し、i番目の店舗識別子が含まれる経費情報の数を取得する。統計処理部132は、当該数を用いて、店舗頻度情報を取得する。なお、店舗頻度情報は、数と同じ値でも良いし、数を期間で割った値等でも良い。店舗頻度情報は、通常、当該数をパラメータとする増加関数により算出される値である。
(ステップS604)検査部131は、ステップS603で取得された店舗頻度情報が、予め決められた店舗頻度条件を満たすほど大きいか否かを判断する。店舗頻度条件を満たす場合はステップS605に行き、店舗頻度条件を満たさない場合はステップS606に行く。
(ステップS605)検査部131は、「一の店舗を使用しすぎている」旨の検査結果、およびi番目の店舗識別子を有する検査結果を、検査対象の申請者識別子に対応付けて取得する。なお、検査部131は、検査対象の申請者識別子に対応する不正回数を、1インクリメントしても良い。
(ステップS606)統計処理部132は、カウンタi、インクリメントする。ステップS602に戻る。
(ステップS607)統計処理部132は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS608)統計処理部132は、検査対象の申請者識別子に対応する1または2以上の経費情報であり、経費情報格納部111の1以上の経費情報の中の店舗識別子において、i番目の相手先識別子が存在するか否かを判断する。i番目の相手先識別子が存在する場合はステップS609に行き、i番目の相手先識別子が存在しない場合はステップS613に行く。
なお、i番目の相手先識別子とは、検査対象の申請者識別子に対応する1または2以上の経費情報の中の相手先識別子をユニーク処理した中での、i番目の相手先識別子である。また、検査対象の経費情報の期間は、予め決められていても良いし、すべての期間でも良い。
(ステップS609)統計処理部132は、検査対象の申請者識別子に対応し、i番目の相手先識別子が含まれる経費情報の数を取得する。統計処理部132は、当該数を用いて、相手先頻度情報を取得する。なお、相手先頻度情報は、数と同じ値でも良いし、数を期間で割った値等でも良い。相手先頻度情報は、通常、当該数をパラメータとする増加関数により算出される値である。
(ステップS610)検査部131は、ステップS603で取得された相手先頻度情報が、予め決められた相手先頻度条件を満たすほど大きいか否かを判断する。相手先頻度条件を満たす場合はステップS611に行き、相手先頻度条件を満たさない場合はステップS612に行く。
(ステップS611)検査部131は、「一の相手先の接待等の回数が多すぎる」旨の検査結果、およびi番目の相手先識別子を有する検査結果を、検査対象の申請者識別子に対応付けて取得する。なお、検査部131は、検査対象の申請者識別子に対応する不正回数を、1インクリメントしても良い。
(ステップS612)統計処理部132は、カウンタi、インクリメントする。ステップS608に戻る。
(ステップS613)検査部131は、検査対象の申請者識別子に対応する不正回数を、個人情報格納部1121から取得する。
(ステップS614)検査部131は、ステップS613で取得した不正回数が、不正回数条件を満たすか否かを判断する。不正回数条件を満たす場合はステップS615に行き、不正回数条件を満たさない場合はステップS616に行く。
(ステップS615)検査部131は、「申請者の不正回数は多い」旨の検査結果を、検査対象の申請者識別子に対応付けて取得する。なお、検査結果は、不正回数の多い申請者識別子だけでも良い。
(ステップS616)検査部131は、統計検査の結果、不正の検査結果を取得できたか否かを判断する。検査結果を取得した場合は上位処理にリターンし、検査結果を取得しなかった場合はステップS617に行く。
(ステップS617)検査部131は、変数「検査結果」に「正当」である旨を代入する。上位処理にリターンする。
次に、ステップS415の漏れ検査の処理例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS701)検査部131は、カウンタiに1を代入する。カウンタiは、検査対象の申請者のカウンタである。
(ステップS702)検査部131は、i番目の申請者識別子が格納部11に存在するか否かを判断する。i番目の申請者識別子が存在する場合はステップS703に行き、i番目の申請者識別子が存在しない場合は上位処理にリターンする。i番目の申請者識別子は、検査対象のi番目の申請者の識別子である。
(ステップS703)検査部131は、カウンタjに1を代入する。カウンタjは、検査対象の日のカウンタである。
(ステップS704)検査部131は、検査対象のj番目の日を示す日情報が存在するか否かを判断する。j番目の日を示す日情報が存在する場合はステップS705に行き、存在しない場合はステップS722に行く。なお、漏れ検査する日は、予め決められており、漏れ検査する日を特定する情報は、図示しないバッファに格納されている、とする。
(ステップS705)検査部131は、i番目の申請者識別子に対応し、j番目の日を示す日情報と同一の勤務日情報を有する勤怠情報が勤怠情報格納部1122に存在するか否かを判断する。存在する場合はステップS706に行き、存在しない場合はステップS709に行く。
(ステップS706)検査部131は、i番目の申請者識別子に対応し、j番目の日を示す日情報と同一の勤務日情報を有する勤怠情報を勤怠情報格納部1122から取得する。検査部131は、取得した勤怠情報を用いて、経費申請の漏れの検査を行う。かかる検査は、例えば、「(14−1)勤怠情報を用いた申請漏れの検知」において説明した処理である。
(ステップS707)検査部131は、ステップS706における検査の結果、漏れがあったか否かを判断する。漏れがあった場合はステップS708に行き、無かった場合はステップS709に行く。
(ステップS708)検査部131は、漏れがあった旨および漏れの内容を示す検査結果を、i番目の申請者識別子およびj番目の日情報に対応付けて、取得する。
(ステップS709)検査部131は、i番目の申請者識別子に対応し、j番目の日を示す日情報と同一の勤務日情報を有する入退館情報が入退館情報格納部1123に存在するか否かを判断する。存在する場合はステップS710に行き、存在しない場合はステップS713に行く。
(ステップS710)検査部131は、i番目の申請者識別子に対応し、j番目の日を示す日情報と同一の勤務日情報を有する入退館情報を入退館情報格納部1123から取得する。検査部131は、取得した入退館情報を用いて、経費申請の漏れの検査を行う。かかる検査は、例えば、「(14−2)入退館情報を用いた申請漏れの検知」において説明した処理である。
(ステップS711)検査部131は、ステップS710における検査の結果、漏れがあったか否かを判断する。漏れがあった場合はステップS712に行き、無かった場合はステップS713に行く。
(ステップS712)検査部131は、漏れがあった旨および漏れの内容を示す検査結果を、i番目の申請者識別子およびj番目の日情報に対応付けて、取得する。
(ステップS713)検査部131は、i番目の申請者識別子に対応し、j番目の日を示す日情報と同一の営業日情報を有する営業活動情報が営業活動情報格納部1124に存在するか否かを判断する。存在する場合はステップS714に行き、存在しない場合はステップS717に行く。
(ステップS714)検査部131は、i番目の申請者識別子に対応し、j番目の日を示す日情報と同一の営業日情報を有する営業活動情報を営業活動情報格納部1124から取得する。検査部131は、取得した営業活動情報を用いて、経費申請の漏れの検査を行う。かかる検査は、例えば、「(14−3)営業活動情報を用いた申請漏れの検知」において説明した処理である。
(ステップS715)検査部131は、ステップS714における検査の結果、漏れがあったか否かを判断する。漏れがあった場合はステップS716に行き、無かった場合はステップS717に行く。
(ステップS716)検査部131は、漏れがあった旨および漏れの内容を示す検査結果を、i番目の申請者識別子およびj番目の日情報に対応付けて、取得する。
(ステップS717)検査部131は、i番目の申請者識別子に対応し、j番目の日を示す日情報と同一の営業日情報を有する営業車位置情報が営業車位置情報格納部1126に存在するか否かを判断する。存在する場合はステップS718に行き、存在しない場合はステップS721に行く。
(ステップS718)検査部131は、i番目の申請者識別子に対応し、j番目の日を示す日情報と同一の営業日情報を有する1以上の営業車位置情報を営業車位置情報格納部1126から取得する。検査部131は、取得した1以上の営業車位置情報を用いて、経費申請の漏れの検査を行う。かかる検査は、例えば、「(14−4)営業車位置情報を用いた申請漏れの検知」において説明した処理である。
(ステップS719)検査部131は、ステップS718における検査の結果、漏れがあったか否かを判断する。漏れがあった場合はステップS720に行き、無かった場合はステップS721に行く。
(ステップS720)検査部131は、漏れがあった旨および漏れの内容を示す検査結果を、i番目の申請者識別子およびj番目の日情報に対応付けて、取得する。
(ステップS721)検査部131は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS704に戻る。
(ステップS722)検査部131は、i番目の申請者識別子に対応する検査結果を構成する。なお、検査部131は、例えば、i番目の申請者識別子に対応付けて、検査結果を一時蓄積する。検査結果は、例えば、1以上の漏れの検査の結果を有する。漏れが無かった場合、検査結果は、「漏れなし」を示す情報である。
(ステップS723)検査部131は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS702に戻る。
次に、申請者端末2の動作例を説明する。申請者端末2の第一受付部22は、ユーザから経費情報の入力を受け付ける。次に、第一処理部23は、第一格納部21に格納されている申請者識別子を読み出す。そして、第一処理部23は、受け付けられた経費情報と読み出した申請者識別子とを有する送信情報を構成する。次に、第一送信部24は、経費情報と申請者識別子とを有する送信情報を、経費検査装置1に送信する。
次に、第一受信部25は、経費検査装置1から検査結果を受信する。第一処理部23は、受信した検査結果を出力する構造にする。第一出力部26は、検査結果を出力する。
(統計処理結果の具体例)
以下、本実施の形態における経費検査装置1の統計処理部132が取得し、結果出力部141が出力する統計処理結果の例について説明する。
(具体例1)
統計処理部132は、経費情報格納部111の経費情報であり、一定期間(例えば、2019年12月の1ヶ月)の各申請者の経費情報を、各申請者ごとに統計処理し、申請者識別子ごと、店舗識別子ごとの店舗頻度情報を取得した、とする。また、統計処理部132は、申請者識別子ごとの経費情報の数を取得した、とする。
そして、統計処理部132は、店舗頻度情報を縦軸、申請者識別子ごとの経費情報の数を横軸とするグラフ上に、申請者識別子ごと、店舗識別子ごとの店舗頻度情報をプロットした統計処理結果を取得した、とする。
また、統計処理部132は、格納部11の店舗頻度条件「店舗頻度情報>=3」を満たす場合、リスクが高い、と判断した、とする。リスクが高いことは、不正であること、と言っても良い。そして、統計処理部132は、リスクが高いと判断した申請者の申請者識別子、利用して店舗の店舗識別子、および店舗頻度情報を取得する。
そして、統計処理部132は、上記の処理の結果、出力される統計処理結果を構成する。
次に、結果出力部141は、当該統計処理結果(801,802)を出力する。かかる出力例は、図8である。
図8において、801は、店舗頻度情報をグラフ上にプロットした統計処理結果である。801の縦軸は、人別店舗別の最大件数(店舗頻度情報)である。また、801の横軸は、人別申請件数である。
また、802は、リスクの高いと判断された店舗頻度情報に対応する申請者識別子(申請者)、店舗名、店舗頻度情報(件数)を有するレコードからなる表である。
(具体例2)
具体例2は、出張中であるにも関わらず打刻がある場合の情報を取得する例である。
統計処理部132は、例えば、申請者識別子ごとに、勤怠情報が出張であることを示す場合、または出張費または交通費の経費情報が申請されている場合に、当該勤怠情報が有する勤務日情報または経費情報が有する使用日情報に対応する日が、出張した日である、と判断する。
次に、統計処理部132は、当該勤怠情報が有する勤務日情報または当該経費情報が有する使用日情報と、同一の勤務日情報を含む入退館情報であり、勤務開始時刻および勤務終了時刻が存在する(打刻がある)頻度(例えば、ある月の1ヶ月における回数)を取得する。かかる情報は、出張中に打刻がある頻度である。
また、統計処理部132は、例えば、申請者識別子ごとに、1ヶ月の各勤怠情報が示す勤務時間と、勤怠情報が有する勤務日情報と同一の勤務日情報を含む入退館情報が示す勤務時間との差異の平均値を取得する。かかる情報は、勤怠情報と打刻とのずれである。
そして、統計処理部132は、申請者識別子ごとに、出張中に打刻がある頻度を横軸、勤怠情報と打刻とのずれを縦軸とするグラフに、申請者識別子のドットをプロットしたグラフである統計処理結果を構成する。
次に、結果出力部141は、当該統計処理結果を出力する。かかる出力例は、図9である。図9において、901の領域のドットに対応する申請者が、不正をしている可能性が高い申請者である。
以上、本実施の形態によれば、外部情報または申請された経費情報以外の経費情報を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、申請者情報を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、申請者の勤怠情報を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、申請者の入退館情報を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、申請者の営業活動情報を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、申請者のクレジットカード明細情報を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、申請者の営業車位置情報を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、申請者が所有するカードの情報を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、会社規定情報を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、移動手段情報を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、店舗集合を用いることにより、不適切な経費申請に対して、検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、不適切な相手に対する不適切な支出の検知が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、不適切な出張費、不適切な交通費、二重申請、領収書の使い回し、不正な宿泊費、不正な二次会の経費等の検知が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、2以上の経費情報に基づいた統計処理結果を用いることにより、不適切な経費申請に関する検査が適切に行える。
また、本実施の形態によれば、特定店舗の使用頻度が高いことを検知できる。
また、本実施の形態によれば、特定相手先に対応する支出の頻度が高いことを検知できる。
また、本実施の形態によれば、特定の者の不正が多いことを検知できる。
また、本実施の形態によれば、経費申請に対する承認者が要件を満たしていないことを検知できる。
また、本実施の形態によれば、経費の申請漏れを検知できる。
また、本実施の形態によれば、領収書画像の適切な検査が行える。
また、本実施の形態によれば、領収書画像の記載事項の適切な検査が行える。
また、本実施の形態によれば、領収書画像のタイムスタンプの不備の検査が行える。
また、本実施の形態によれば、不鮮明な領収書画像の検査が行える。
また、本実施の形態によれば、不適切な決済手段の検査が行える。
さらに、本実施の形態によれば、手書きによる金額の偽装の検査が行える。
なお、本実施の形態における経費検査装置1は、外部の1または2以上の各経費管理装置4から、経費情報を受信し、当該経費情報の検査を行い、検査結果を経費管理装置に送信する装置として機能することは好適である。かかる場合、経費検査装置1は、例えば、図10の構造を有する。つまり、かかる場合、経費検査装置1の申請者集合格納部112、会社規定情報格納部113、カード利用経費格納部117、個人情報格納部1121、勤怠情報格納部1122、入退館情報格納部1123、営業活動情報格納部1124、カード明細情報格納部1125、および営業車位置情報格納部1126は、例えば、組織識別子ごとに存在する。つまり、申請者集合、会社規定情報、カード利用経費情報、個人情報、勤怠情報、入退館情報、営業活動情報、カード明細情報、および営業車位置情報は、組織識別子に対応付けられている。
また、経費検査装置1が経費管理装置4から受信する経費情報は、組織識別子に対応付けられている。そして、経費検査装置1が経費管理装置4から経費情報を受信した場合、検査部131は、当該経費情報に対応する組織識別子に対応付けられている申請者集合等を用いて、検査を行い、検査結果を取得する。そして、結果出力部141は、検査結果を経費管理装置4に送信する。なお、組織識別子とは、組織を識別する情報であり、例えば、会社名、会社IDである。また、組織とは、例えば、会社、団体、部署である。
また、申請者端末2から経費情報を受信した経費管理装置4は、その経費情報の検査を行うために、当該経費情報を経費検査装置1に送信する。そして、当該経費情報の送信に応じて、経費検査装置1から検査結果を受信する。そして、経費管理装置4は、当該検査結果が正当である場合のみ、当該経費情報を蓄積する。また、経費管理装置4は、当該検査結果が不正である場合には、検査結果を申請者端末2に送信する。
以上の、経費検査装置1と1または2以上の経費管理装置4を有するシステム構成により、経費検査装置1は、経費情報検査サーバとしての機能を発揮できる。また、経費管理装置4は、従来の経費情報の管理機能に加えて、経費検査装置1を使用することによる、経費検査機能を得ることができる。
また、経費検査装置1は、1または2以上の各経費管理装置4から、2以上の経費情報を受信したり、組織ごとの経費情報格納部111を含むことにより、上述した統計処理も可能となる。
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における経費検査装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、経費の申請の内容を特定する経費情報を受け付ける経費受付部と、経費情報以外の外部情報、または前記経費受付部が受け付けた前記経費情報以外の経費情報を用いて、前記経費受付部が受け付けた前記経費情報の不正に関する検査を行い、検査結果を取得する検査部と、前記検査部が取得した前記検査結果を出力する結果出力部として機能させるためのプログラムである。
また、図11は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の経費検査装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図11は、このコンピュータシステム300の概観図であり、図12は、システム300のブロック図である。
図11において、コンピュータシステム300は、CD−ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
図12において、コンピュータ301は、CD−ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD−ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の経費検査装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3101に記憶されて、CD−ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD−ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の経費検査装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。つまり、経費検査装置1は、スタンドアロンの装置であっても良く、2以上の装置から構成されても良い。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。