JP6780179B1 - 流体供給装置及び内部構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体に所定の流動特性を与えて、流体の潤滑性、浸透性、及び冷却効果を向上させることができる流体供給管であって、構成が簡単で、製造が難しくない流体供給管を提供することにある。【解決手段】流体供給管は管本体と内部構造体を備える。管体は、流体が流入する流入口と流体が流出する流出口とを有し、断面円形の内部壁面を有する中空の形状である。内部構造体は、管本体に収納固定される複数の側面を有する角柱状の軸体であり、その側面には、複数の突起部が網状に配列される。内部構造体の側面と管本体の内部壁面との間であって、複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、流体が、管本体の流入口から供給され流出口から流出する間に、複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられる。【選択図】図4

Description

本発明は、流体を供給する流体供給装置に関し、より具体的には、その内部を流れる流体に所定の流動特性を与える流体供給装置に関する。また、流体供給装置に用いる内部構造体及びその製造方法に関する。例えば、本発明の流体供給装置は、マシニングセンターや切削機、ドリル、研削盤の様々な工作機械のクーラント(冷却剤或いは加工液とも呼ばれる)の供給装置に適用可能である。また、本発明は、流体をせん断、攪拌、拡散、混合するミキサーなどにも適用できる。更には、ファインバブル(マイクロオーダーのマイクロバブルやナノオーダーのウルトラファインバブル)を発生するファインバブル発生装置にも適用できる。
従来、工作機械において、例えば、金属から成る被加工物(ワーク)を所望の形状に加工する際に、被加工物と刃物との当接する部分とその周囲にクーラントを供給することにより、加工中に発生する熱を冷ましたり、被加工物の切り屑や削り屑などを加工箇所から除去したりしている。被加工物と刃物との当接部で高い圧力と摩擦抵抗によって発生する切削熱は、刃先を摩耗させたり強度を落としたりして、刃物などの工具の寿命を減少させる。また、被加工物の切り屑などが十分に除去されなければ、加工中に刃先にへばりついて加工精度を落とすこともある。この場合、クーラントは、工具と被加工物との間の摩擦抵抗を減少させ、切削熱を除去すると同時に、被加工物の表面からの切りくずを除去する洗浄作用を行う。このために、クーラントは摩擦係数が小さくて、沸騰点が高くて、刃物と被加工物との当接部によく浸透する特性を持つことが好ましい。
本特許出願人は、特許第6245397号や特許6245401号において、流体の浸透性や潤滑性を上げることができる流体供給管を開示した。例えば、水溶性クーラントの場合は、かかる流体供給管を用いることによって、ファインバブルが発生でき、流体の表面張力を下げることで、流体の浸透性を上げ、また潤滑性を上げることに成功している。
この流体供給管は、ファインバブルの供給を必要とする様々なアプリケーションにも適用できる。更に、この流体供給管を用いて、複数の流体をミキシングする場合にも、流体を微細にせん断し、攪拌し、拡散し、混合することができるようになっている。
特許第6245397号 特許第6245401号
ところで、従前の流体供給装置では、その内部に配置される内部構造体が特殊な形状をしており、特に、金属製の円柱状の軸体上に流体が流れる螺旋状の流路を形成する(切削、旋削、研削などの金属加工による)実施形態にあっては、金属加工の精度を要求され、その実現は難易度が高いものであった。そのため、製造に時間がかかり、結果として製造コストの向上を招いていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、これまでの流体供給装置及びそれに用いられる内部構造体を改善するものである。特に、その加工を簡単にして、且つ従来のものと同等以上の流体の流動特性を与える流体供給装置を提供することを目的とする。また、そのような流体供給装置に用いることができる内部構造体及びその製造方法を実現するものである。
本発明は、上述の問題を解決するために、次の構成にしてある。
即ち、本発明のひとつの実施形態によれば、流体供給装置は、流体が流入する流入口と、流体が流出する流出口とを有し、断面円形の内部壁面を有する中空の管本体と、管本体に収納固定される複数の側面を有する角柱状の軸体である内部構造体と、を有する。内部構造体の側面には、複数の突起部が網状に配列され、内部構造体の側面と管本体の内部壁面との間であって、複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、流体が、管本体の流入口から供給され流出口から流出する間に、複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられる。内部構造体の各側面に設けられる複数の突起部の上面の高さは、管本体の内部壁面の円弧にあわせて、総体として、中心が高く、外に向かって低くなる
また、他のひとつの実施形態によれば、角柱状の軸体である内部構造体は中空であり、この内部構造体の中空に、第2の内部構造体が収納固定され、この第2の内部構造体の外表面には、複数の突起部が網状に配列され、第2の内部構造体の外表面と中空の内部構造体の内部壁面との間であって、複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、流体が、管本体の流入口から供給され流出口から流出する間に、第2の内部構造体の複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられる。
本発明のひとつの実施形態による内部構造体は、円筒形の内部壁面をもつ収納体に収納されて、流体に対し流動特性を与える。内部構造体は、複数の側面を有する角柱状の内部軸体を有し、内部軸体の側面には、複数の突起部が網状に配列され、複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、流体が、複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられる。内部構造体の各側面に設けられる複数の突起部の上面の高さは、収納体の内部壁面の円弧にあわせて、総体として、中心が高く、外に向かって低くなる。
また、他のひとつの実施形態の内部構造体によれば、角柱状の内部軸体は中空であり、この内部軸体の中空に、第2の内部軸体が収納固定され、この第2の内部軸体の外表面には、複数の突起部が網状に配列され、第2の内部軸体の外表面と中空の内部軸体の内部壁面との間であって、複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、流体が、第2の内部軸体の複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられる。
発明の他のひとつの実施形態である内部構造体によれば、円筒形の内部壁面をもつ収納体に収納されて、流体に対し流動特性を与える内部構造体であって、内部構造体は、複数の内部構造体が連結されて形成される。各内部構造体は、複数の側面を有する角柱状の内部軸体を有し、内部軸体の側面には、複数の突起部が網状に配列され、複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、流体が、複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられる。内部構造体の各側面に設けられる複数の突起部の上面の高さは、収納体の内部壁面の円弧にあわせて、総体として、中心が高く、外に向かって低くなっており、複数の内部構造体は、相対的に回転した角度で連結されている。
本発明の流体供給装置を、工作機械等のクーラント供給に用いれば、流体供給装置の内部では、複数の突起部間に形成された細い流路を通過する際に、突起部に衝突するなどして、流体を微細にせん断し、攪拌し、拡散し、混合することで、流体の粘性を下げることになる。従って、本発明の流体供給装置に、油性のクーラントを流入した場合、粘性が下がることによって、工作機械の被加工物や刃物により浸透しやすくなることで、冷却性や洗浄性が高まる。水溶性のクーラントを用いる場合においては、流体供給装置で発生した多数のファインバブルによって流体の表面張力が下がり、浸透性や潤滑性が高まる。その結果、工具と被加工物とが接する箇所で生じる熱の冷却効果が大きく上がる。このように、流体の浸透性を向上させて冷却効果を増大させ、潤滑性を向上させると共に、加工精度を向上させることができる。また発生したファインバブルが工具と被加工物とにぶつかって消滅する過程において発生する振動及び衝撃によって、従来に比べて洗浄効果が向上する。これは切削刃などの工具の寿命を延長させ、工具の取換えのために消耗する費用を節減する。特に、本発明の流体供給装置は、角柱状の軸体である内部構造体を有し、内部構造体の各側面には、複数の突起部が網状に配列され、突起部と突起部の間に形成される空間が流体の流路(これは交差する交差流路となる)となり、流体が、突起部と突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられるため、その構成が簡単になる。
本発明の流体供給装置の内部構造体は、断面円形の内部壁面をもつ管本体或いは円筒形の内部壁面をもつ収納体の内部壁面の円弧にあわせて、各側面に設けられる複数の突起部の上面の高さが、総体として、中心が高く、外に向かって低くなっており、流体は、軸体の側面の複数の突起部の間にできる流路を流れ、複数の突起部の上面を流れる流体はほぼ無いことになり、流体の流動特性の付与に効果的な流れとなる。
本発明の流体供給装置は、マシニングセンター、切削機、ドリル、研削盤等の様々な工作機械においての冷却剤供給に適用されることができる。それだけでなく、二つ以上の種類の流体を混合する装置でも効果的に用いることができる。本発明は、それ以外にも流体を供給する様々なアプリケーションに適用可能である。例えば、シャワーノズルや、水耕栽培装置、汚染除去装置等にも適用できる。シャワーノズルの場合は、流体供給装置に水や湯を流入し、所定の流動特性を与えて(例えば、ファインバブルを発生して)洗浄効果を上げる。水耕栽培の場合は、流体供給装置に水を流入し、溶存酸素を増加させて吐出することができる。また、汚染物質除去のために、空気のほか各種の気体(水素、オゾン、酸素その他)を液体(例えば水)に溶解させ、更には、ファインバブル化した気体を含む液体(例えば水)として、供給することも容易に可能となる。
以下の詳細な記述が以下の図面と合わせて考慮されると、本発明のより深い理解が得られる。これらの図面は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の流体供給装置を備えるマシニングセンターの一例を示す。 本発明の第1の実施形態に係る流体供給装置の側面分解図である。 本発明の第1の実施形態に係る流体供給装置の側面透視図である。 本発明の第1の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の3次元斜視図で ある。 本発明の第1の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の別の方向からの 3次元斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の四角錐と、四 角柱の側面上の突起部の配置を説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の突起部の鋭角 の角度及び複数の突起部で形成される交差流路の交差角度を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体供給装置の側面分解図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体供給装置の側面透視図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の3次元斜視図で ある。 本発明の第2の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の三角錐と三角 柱の側面上の突起部の配置を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の突起部の鋭角 の角度及び複数の突起部で形成される交差流路の交差角度を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給装置の側面分解図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給装置の側面透視図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て途中 の3次元斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完 了時の3次元斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完 了時の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完了 時の他の方向からの3次元斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給装置の外側の内部構造体の四角 柱の側面上の複数の突起部の配置を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給装置の内側の内部構造体の四角 錐と、四角柱の側面上の複数の突起部の配置を説明する図である。 本発明の第4の実施形態に係る流体供給装置の側面分解図である。 本発明の第4の実施形態に係る流体供給装置の側面透視図である。 本発明の第4の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て途中 の3次元斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完 了時の3次元斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完 了時の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完了 時の他の方向からの3次元斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る流体供給装置の外側の内部構造体の複数 の突起部の配置を説明する図である。 本発明の第4の実施形態に係る流体供給装置の内側の内部構造体の複数 の突起部の配置を説明する図である。 本発明の第5の実施形態に係る流体供給装置の側面分解図である。 本発明の第5の実施形態に係る流体供給装置の側面透視図である。 本発明の第5の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て途中 の3次元斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完 了時の3次元斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完 了時の断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る流体供給装置の内側内部構造体の円柱側面 上の複数の突起部の配置を平面化して説明する図である。 本発明の第6の実施形態に係る流体供給装置の側面分解図である。 本発明の第6の実施形態に係る流体供給装置の側面透視図である。 本発明の第6の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て途中 の3次元斜視図である。 本発明の第6の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完 了時の3次元斜視図である。 本発明の第6の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完 了時の断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の組み立て完了 時の他の方向からの3次元斜視図である。 本発明の第7の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の3次元斜視図 である。 本発明の第7の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の他の方向から の3次元斜視図である。 本発明の第8の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の3次元斜視図である。 本発明の第9の実施形態に係る流体供給装置の側面分解図である。 本発明の第9の実施形態に係る流体供給装置の側面透視図である。 本発明の第9の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の3次元斜視図 である。 本発明の第9の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の四角錐と、 四角柱の側面上の突起部の配置を説明する図である。 本発明の第9の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の突起部が列 毎に交互に僅かに傾いていることを示す図である。 本発明の第10の実施形態に係る流体供給装置の側面分解図である。 本発明の第10の実施形態に係る流体供給装置の側面透視図である。 本発明の第10の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の3次元斜視 図である。 本発明の第10の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の三角錐と、三角柱の側面上の突起部の配置を説明する図である。 本発明の第10の実施形態に係る流体供給装置の内部構造体の突起部が 列毎に交互に僅かに傾いていることを示す図である。 (A)〜(H)において、本発明の突起部の側面に凹凸又は一乃至複数の段差が形成された複数の変形例を示す図である。 本発明の第11の実施形態に係り、流体供給装置の内部構造体に形成された配列された複数の穴の一つに、取り付け足を有する突起部を取り付ける状態を示す図である。 (A)〜(M)は、第11実施形態に係る取り付け足を有する突起部の種々の形態を示す図である。 本発明の第12の実施形態に係る弾性材料で形成された内部構造体と管本体とからなる流体供給装置を示す図である。 本発明の第12の実施形態の変形例を示し、内部構造体の突起部が内部軸体の軸体の長さ方向から左右方向に僅かに傾いている内部構造体と管本体とからなる流体供給装置を示す図である。 本発明の第13の実施形態に係り、複数の内部構造体が連結されている流体供給装置を示す図である。 本発明の第13の実施形態の変形例に係り、連結された複数の内部構造体及び管本体が弾性材料で形成されたことを示す図である。 本発明の第14の実施形態に係り、分割された分割内部構造体を射出成型にて製造する工程を示す図である。 本発明の第14の実施形態の製造方法にて形成された内部構造体の1/3の分割内部構造体の側面図を示す図である。 本発明の第14の実施形態による1/3の分割内部構造体の3次元斜視図である。 本発明の第14の実施形態のよる1/3の分割内部構造体の別の角度から見た3次元斜視図である。
本明細書においては、主に本発明をマシニングセンターその他の工作機械(旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、ターニングセンタ等)に適用した実施形態について説明するが、本発明の適用分野はこれに限定されない。本発明は、流体を供給する様々なアプリケーションに適用可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明が適用された流体供給部を備えるマシニングセンターの一実施形態を示す。図示されたように、マシニングセンター1は多数の種類の異なる刃物(ドリル、フライス、エンドミルなどの工具)2が、スピンドル3に交換可能に取り付けられる。スピンドル3は、図示しない主軸モータにより、刃物2を回転させることができる。また、スピンドル3や刃物2を上下させる図示しない駆動部も有する。マシニングセンター1では、刃物2の交換によって、フライス、穴あけ、中ぐり、ねじ立て等の種々の作業を可能とする。コラム4には、このスピンドル3のほかに、流体(冷却剤或いは加工液)を供給するノズル5−1〜5−6が取り付けられている。2つのロックラインノズル5−1、5−2は、連結管6を介し、コラム4の内部を経由して供給される流体を、被加工物Wの工作箇所Gを中心に噴射する。また、マシニングセンター1には、小型の4個のシングルノズル5−3〜5−6もあり、連結管6を介し、コラム4の内部を経由して供給される流体を適宜の吐出角度で自由に噴出する。これらのノズル5−1〜5−6もコラム4に取り付けられている。また、マシニングセンター1は、被加工物Wを平面の上で移動させるテーブル7と、被加工物W又は刃物2を上下に移動させるコラム4等を備える基台8と、流体を刃物2や被加工物Wに供給する流体供給部9とを備える。流体供給部9は流体を貯留する加工液タンク10と、上記流体を加工液タンク10から流出させるポンプ11と、ポンプ11から流体供給管P(本発明の「流体供給装置」)に流体を送出する配管12を備える。
配管12から流体供給管Pに流入する流体は、流体供給管Pを通過しながらその内部構造体によって所定の流動特性を持つようになり、流体供給管Pの流出口を経て連結管6を介し、更に、コラム4の内部を介して、上述したノズル5−1〜5−6に供給される。工作箇所Gなどに向けて噴出された流体は、配管13によって回収された後、フィルター装置(図示せず)による濾過などを経て加工液タンク10にもどる。以下、流体供給管Pの様々な実施形態(流体供給管100乃至600、内部構造体740及び840、流体供給管900及び1000)について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図2Aは本発明の第1の実施形態に係る流体供給管100の側面分解図であり、図2Bは流体供給管100の側面透視図である。図3は流体供給管100の内部構造体140の3次元斜視図であり、図4は別の角度からの内部構造体140の3次元斜視図である。図2A及び図2Bに示されたように、流体供給管100は管本体110と内部構造体140とを含む。図2Bにおいて、流体は流入口111から流出口112側へ流れる。
管本体110は、流入側部材120と、流出側部材130から構成される。流入側部材120と流出側部材130とは、円筒形の中が空いている管の形態を有する。流入側部材120は、一端部に所定の直径の流入口111を有し、他の端部側には流出側部材130との接続のために内周面をねじ加工することによって形成された雌ねじ(図示略)を備える。流入口111の側には連結部122が形成されており、連結部122は配管12と結合される。例えば、連結部122の内周面に形成された雌ねじ(図示略)と配管12の端部の外周面に形成された雄ねじ(図示略)とのねじ結合により、流入側部材120と配管12とが連結される。本実施形態においては、図2Aに示されたように、流入側部材120は両端部の内径、即ち、流入口111(流入端)と流出端の内径とが違い、流入口111の内径が流出端の内径より小さい。流入口111と流出端との間にはテーパー部124(又は段差でもよい)が形成されている。本発明はこの構成に限定されず、流入側部材120は流入端と流出端の両端部の内径が同一であってもよい。
流出側部材130は、一端部に所定の直径の流出口112を有し、他の端部側には流入側部材120との接続のために外周面をねじ加工することによって形成された雄ねじ(図示略)を備える。流出側部材130の雄ねじの外周面の直径は流入側部材120の雌ねじの内径と同一である。流出口112の側には連結部138が形成されており、連結部138は連結管6と結合される。例えば、連結部138の内周面に形成された雌ねじ(図示略)と連結管6の端部の外周面に形成された雄ねじ(図示略)とのねじ結合により、流出側部材130と連結管6とが連結される。入力端と連結部138との間には筒形部134及びテーパー部136(又は段差でもよい)が形成される。本実施形態においては、流出側部材130は両端部の内径、即ち、流出口112(流出端)の内径と流入端の内径とが違い、流出口112の内径が流入端の内径より小さい。本発明はこの構成に限定されず、流出側部材130は両端部の内径が同一であってもよい。流入側部材120の一端部の内周面の雌ねじと流出側部材130の一端部の外周面の雄ねじとのねじ結合によって、流入側部材120と流出側部材130とが連結されることで管本体110が形成される。
一方、管本体110の上記構成は一つの実施形態に過ぎず、本発明は上記構成に限定されない。例えば、流入側部材120と流出側部材130との連結は上記のねじ結合に限定されず、当業者に知られた機械部品の結合方法はどれでも適用可能である。また、流入側部材120と流出側部材130との形態は、図2Aの形態に限定されず、設計者が任意に選択したり、流体供給管100の用途によって変更したりすることができる。つまり、管本体110の外形は、図示のものに限らず方形管状等の種々の形状をとることができる。流入側部材120又は流出側部材130は、例えば、スチールやアルミのような金属、又はプラスチックのような樹脂から成る。図2A及び図2Bを一緒に参照すれば、流体供給管100は、内部構造体140を流出側部材130に収納した後に、流出側部材130の外周面の雄ねじと流入側部材120の内周面の雌ねじとを結合させることによって構成されることが理解される。
内部構造体140は、例えば、スチールやアルミのような金属からなる円柱部材を金属加工する方法又はプラスチックのような樹脂を成型する方法等によって形成される。あるいは、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することも可能である。金属の円柱軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。その製造工程としては、円柱状の内部軸体を準備する工程と、円柱状の内部軸体の一端部を角錐(第1の実施形態の場合は四角錐141)に形成する工程と、底面を角柱(第1の実施形態の場合は底面が正方形の四角柱142)の側面とし上面を円柱の外径位置とする交差流路140rを形成することにより、底面を角柱の側面とし、上面を円柱の側面とする複数の突起部140pを形成する工程とを有する。もともとの円柱部材の半径は、管本体110の内壁の半径と同じまたは僅かに小さく、円柱部材が管本体に入り、隙間が出ないサイズであることが望ましい。
図4からも明らかなように、円柱状の軸体を加工することによって、先頭に四角錐141が形成され、残部の部分には四角柱142が形成され、四角柱142の4つの側面に複数の突起部140pが形成される。複数の突起部140pは網状に配置され、その底面は、四角柱142の外表面(側面)と同じ面であり、上面は、もとの円柱状の内部軸体の外表面であり、総体として円弧上の高さとなって丸みを帯びている。つまり、この内部構造体140が図2Bのように、管本体110に挿入固定された場合、四角錐141は、流入する流体を、管本体110の円の中心から半径方向に拡散させて、四角柱142の4つの側面に誘導することになる。そして、各側面に到達した流体は、複数の突起部140pの間に形成された交差する流路140rを流れることになるが、管本体110の円筒形の内壁面とこの複数の突起部140pの高さがほぼ同じ(隙間が無い)なので、流体は、複数の突起部140pの間の交差流路140rを流れる(つまり、複数の突起部140pの上面を流れる流体はほぼ無い)ことになる。
図5Aは、内部構造体140のひとつの側面を平面上にあらわして、四角錐141と突起部140pの配列とを示した図であり、上流側の四角錐141はその頂角を例えば、60度とする。もちろん、この角度は適宜変更可能である。そして、下流側の四角柱142の4つの側面には、頂角41.11°の菱形(底面の形状)の突起部140pが網状に形成される。なお、この頂角も適宜変更可能である。したがって、図5Bにある通り、複数の突起部140pの間に形成される交差流路140rの交差角度も41.11°となる。具体的に言うと、一側面に形成される複数の底面が菱形の突起部140pは、上流から下流にかけて、3個、4個、3個、・・・、4個と14列形成され、ひとつの側面に49個あり、4つの側面の合計は196個となる。もちろん、この数も適宜に変更できる。複数の突起部140pの形状は、底面が菱形状の突起でなくても良く(例えば、三角形、多角形、その他)、その配列も図5A、図5Bから適宜(角度、間隔など)変更できる。この変更は、以下に説明する他の実施形態においても同様に可能である。
以下、流体が流体供給管100を通過する間の流動について説明する。インペラ(羽根車)が右折又は左折するポンプ11によって配管12(図1参照)を経て流入口111を通じて流入された流体は、流入側部材120のテーパー部124の空間を過ぎて内部軸体140の四角錐141にぶつかり、流体供給管100の中心から外側に向かって(即ち、半径方向であって、四角錐の底面方向へ)拡散される。拡散された流体は、四角柱142の各側面に到達し、上流側から下流にかけて3つ、4つ、3つ・・・と形成された、底面は菱形であり上面は円柱の一部で丸みを帯びた形状の複数の突起部140pの間の狭い交差流路140r(交差角41.11°)の間を進む。このとき、交差する流路での流体の流れの強さは、図5Aの上流から下流に向かって、左斜め上流から右斜め下流の方向に流れる強さと、右斜め上流から左斜め下流の方向に流れる強さは、ほぼ同じになる。なお、この2つの流れの方向の角度が上述の交差角(41.11°)になる。流体は、複数の突起部140pに衝突してせん断され、また、複数の交差流路140rで衝突、混合、分散を繰り返す。図5Aにおいて、四角柱142の側面の左端部(図5Aの上側端部)に来た流体は、折り返して、つまり上流から下流に向かって、右斜め上流から左斜め下流の方向に流れてきた流れは、左斜め上流から右斜め下流の方向に流れることになり、右端部(図5Aの下側端部)に来た流体は、折り返して、つまり上流から下流に向かって、左斜め上流から右斜め下流の方向に流れてきた流れは、右斜め上流から左斜め下流の方向に流れることになる。流体が複数の突起部140pによって形成された複数の狭い流路140rを通過することで、多数の微小な渦を発生させる。また、複数の突起部140pの多段の網状の配置によって、交差する流路140rで流体は交互に流れ左右にスイッチングするフリップフロップ現象も生じる。このような現象によって、流体の混合及び拡散を誘発する。突起部140pの上記構造は、異なる性質を有する二つ以上の流体を混合する場合にも有用である。
内部構造体140は、流体が、断面積が大きい上流側(四角錐141)から断面積が小さい下流側(複数の突起部140pの間に形成された交差流路140r)へ流れるようにする構造を有する。この構造は流体の静圧力(static pressure)を変化させる。流体に外部エネルギーが加えられない状態での圧力、速度、及び位置エネルギーの関係は次のようなベルヌーイ方程式として表される。


ここで、pは流線内の一点での圧力、ρは流体の密度、υはその点での流動の速度、gは重力加速度、hは基準面に対するその点の高さ、kは定数である。上記方程式として表現されるベルヌーイ定理は、エネルギー保存法則を流体に適用したものであり、流れる流体に対して流線上ですべての形態のエネルギーの合計はいつも一定であるということを説明する。ベルヌーイ定理によると、断面積が大きい上流では、流体の速度が遅くて静圧は高い。これに対して、断面積が小さい下流では、流体の速度が速くなり静圧は低くなる。
流体が液体である場合、低くなった静圧が液体の飽和蒸気圧に到達すると液体の気化が始まる。このようにほぼ同一の温度において静圧がきわめて短い時間内に飽和蒸気圧より低くなって(水の場合、3000−4000Pa)液体が急激に気化する現象をキャビテーション(cavitation)と称する。本発明の流体供給管100の内部構造はこのようなキャビテーション現象を誘発する。この現象は、水を主成分とする水溶性クーラントの場合は生じやすい。キャビテーション現象によって液体のうちに存在する100ミクロン以下の微小な気泡核を核として液体が沸騰し小さい気泡が多数生じる。気化によって発生するファインバブルは水の表面張力を低下させるため浸透性及び潤滑性を向上させる。浸透性の向上は結果的に冷却効率を増加させる。或いは、流体に予め空気その他の気体を注入し(図1の配管12の途中で気体の注入手段を設ける)、多数の突起部140pとの流体の衝突によって溶存気体の遊離を起こさせ、多数のファインバブルを発生させることもできる。この場合も、発生するファインバブルは水の表面張力を低下させるため浸透性及び潤滑性を向上させる。浸透性の向上は結果的に冷却効率を増加させる。
水の場合、1つの水分子が他の4個の水分子と水素結合を形成でき、この水素結合ネットワークを破壊することは容易ではない。そのために、水は水素結合を形成しない他の液体に比べて沸点や融点が非常に高いし、高い粘度を示す。水の沸点が高い性質は優秀な冷却効果をもたらすので、研削等を行う加工装置の冷却水として頻繁に用いられるが、水分子の大きさが大きくて加工箇所への浸透性や潤滑性は良くないという問題がある。そこで、通常は水でない特殊な潤滑油(即ち、切削油)を単独に、または、水と混合して用いる場合も多い。ところで、本発明の供給管を用いれば、上記したキャビテーション現象によって水の気化が起き、その結果、水の水素結合ネットワークが破壊されて粘度が低くなる。また、従って、本発明によると、特殊な潤滑油を使うこと無しに、水だけを用いても加工品質、即ち、工作機械の性能を向上させることができる。
内部軸体140の四角柱142の各側面の複数の狭い交差流路140rを通過した流体は内部構造体140の下流端部に向かって流れる。下流端部では、フリップフロップ現象によって、流体は、左右方向に流れをスイッチングしながら、流出側部材130の下流のテーパー部136のある空間へ流れ出る。しかる後、流出口112を通じて流出され、図1のノズル5−1〜5−6を通じて工作箇所Gなどに向かって吐き出される。ノズル5−1〜5−6から吐出される流体は、流体供給管P(図2Bの流体供給管100)において、微細レベルで、せん断、攪拌、拡散、混合が十分起きており、油性クーラントの場合、もともと水溶性のクーラントに比べて潤滑性が優れているが、粘性を下げて、浸透性も高まっていて、冷却効果が向上することになる。また、流体に対して、複数の突起部140pの間の狭い交差流路140rを通過することにより、多数のファインバブルが含まれるようになっている場合(特に、水溶性クーラントの場合)、ノズル5−1〜5−6から噴出することで、それが大気圧に露出し、刃物2と被加工物Wにぶつかってバブルがこわれたり爆発したりして消滅する。このようにバブルが消滅する過程で発生する振動及び衝撃は、工作箇所Gで発生するスラッジや切りくずを効果的に除去する。換言すれば、ファインバブルが消滅しながら工作箇所Gの周囲の洗浄効果を向上させる。
本発明の流体供給管100を工作機械等の流体供給部に設けることによって、冷却剤或いは加工液が、ノズルより十分な噴射力の流体となって供給され、刃物と被加工物とで発生する熱を従来に比べてより効果的に冷却させることができ、浸透性及び潤滑性が良くなって加工精度を向上させることができる。また、被加工物の切りくずを加工箇所から効果的に除去することで、切削刃等の工具の寿命を延長させ、工具の取換えのために消耗する費用を節減することができる。
尚、本実施形態では、1つの円柱部材を加工して内部構造体140の四角錐141と、複数の網状の突起部140p(その間の交差流路140r)が設けられた四角柱142とを形成するので、内部構造体140が一体化した1つの部品として製造される。従って、内部構造体140を流出側部材130の内部に収納した後に、流出側部材130と流入側部材120とを結合(例えば、ねじ結合による)する簡単な工程だけで、流体供給管100を製造することができる。なお、内部構造体140の上流部に流入流体を効率的に各側面に分散する四角錐141を設けるようしたが、これは、必須の構成ではない。内部構造体140は、四角柱142の側面に、複数の突起部140pが網状に形成されておればよい。また、内部構造体140の下流端部は、四角柱142の底面(四角形又は正方形)となっているが、この下流端部に四角錐を設けて、流体を管本体110の流出口112の中心に誘導するようにしてもよい。これは、以下に述べる他の実施形態においても同様である。
本実施形態の流体供給装置にあっては、特に、交差流路140rは角柱(本実施形態では四角柱142)の側面、つまり平面上に形成するため、高い精度は要求されず、製造が簡単になる。また、流体供給装置は、流体が突起部と突起部との間の流路を流れる間に、(i)多数の微小バブルを発生するか、(ii)複数の流体を混合するか、(iii)流体を撹拌・拡散するかの少なくとも一つの流動特性を与えることを可能とする。その結果、マシニングセンターのほか、各種の旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、ターニングセンタ等、様々な工作機械においての冷却剤や加工液の供給に用いることが可能である。また、2つ以上の流体(液体と液体、液体と気体、又は、気体と気体等)を混合する装置にも効果的に利用することができる。更には、流体供給装置を燃焼エンジンに適用すれば、燃料と空気とが十分に混ざり合うことによって燃焼効率が向上する。また、流体供給装置を洗浄装置に適用すれば、通常の洗浄装置に比べて洗浄効果をより向上させることができる。また、本発明の流体供給装置は、空気、水素、酸素、オゾンその他の気体を含むファインバブルを発生させることで、汚染物質除去等を含む各種用途に用いれば有用である。これらの作用は、以下に述べる他の実施形態においても同様に実現できる。
(第2の実施形態)
次に、図6A乃至図8Bを参照して本発明の第2の実施形態に係る流体供給管200について説明する。第1の実施形態と同一の構成については説明を省略し、差のある部分を詳細に説明する。第1の実施形態の構成要素と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を使う。図6Aは第2の実施形態に係る流体供給管200の側面分解図であり、図6Bは流体供給管200の側面透視図である。図6A及び図6Bに示されたように、流体供給管200は管本体110と内部構造体240とを含む。図7は、内部構造体240の3次元斜視図である。第2の実施形態の管本体110は第1の実施形態のものと同一であるので、その説明を省略する。図6Bにおいて、流体は流入口111から流出口112側へ流れる。図6Bに示されたように、流体供給管200は、内部構造体240を流出側部材130に収納した後に、流出側部材130の外周面の雄ねじと流入側部材120の内周面の雌ねじとを結合することで構成される。
内部構造体240は、第1の実施形態と同様に、例えば、スチールやアルミのような金属からなる円柱部材を金属加工する方法又はプラスチックのような樹脂を成型する方法等によって形成される。あるいは、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することも可能である。金属の円柱軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。その工程は、円柱状の内部軸体を準備する工程と、円柱状の内部軸体の一端部を三角錐241に形成する工程と、底面を三角柱242の側面とし上面を円柱の外径位置とする交差流路240rを形成することにより、底面を三角柱242の側面とし、上面を円柱の側面とする複数の突起部240pを形成する工程とを有する。なお、三角柱242の底面は正三角形である。
図7に示す通り、円柱状の軸体を加工することによって、先頭に三角錐241が形成され、残部の部分には三角柱242が形成され、三角柱242の3つの側面に複数の突起部240pが形成される。複数の突起部240pは網状に配置され、その底面は、三角柱242の外表面(側面)と同じ面であり、上面は、もとの円柱状の内部軸体の外表面であり、総体として円弧状の高さとなって丸みを帯びている。つまり、この内部構造体240が図6Bのように、管本体110に挿入固定された場合、三角錐241は、流入する流体を、管本体110の円の中心から三角柱242の各側面に拡散させ、誘導することになる。そして、各側面に到達した流体は、複数の突起部240pの間に形成された交差流路240rを流れることになるが、管本体110の円筒形の内壁面と複数の突起部240pの高さがほぼ同じ(隙間が無い)なので、流体は、複数の突起部240pの間の狭い交差流路240rを流れる(つまり、複数の突起部240pの上面を流れる流体はほぼ無い)ことになる。
図8Aは、内部構造体240のひとつの側面を平面上にあらわして、三角錐241と複数の突起部240pの配列を示した図であり、上流側の三角錐241はその頂角を例えば、90度とする。もちろん、この角度は適宜変更可能である。そして、下流側の三角柱242の3つの側面には、頂角41.11°の菱形(底面の形状)の突起部240pが網状に形成される。なお、この頂角も適宜変更可能である。したがって、図8Bにある通り、複数の突起部240pの間に形成される交差流路240rの交差角度も41.11°となる。具体的に言うと、一側面に形成される複数の底面が菱形の突起部240pは、上流から下流にかけて、5個、4個、5個、・・・、4個と14列形成され、ひとつの側面に63個あり、3つの側面の合計は189個となる。もちろん、この数も適宜に変更できる。複数の突起部240pの形状は、第1の実施形態と同様に、底面が菱形状の突起でなくても良く(例えば、三角形、多角形、その他)、その配列も図8A、図8Bから適宜(角度、間隔など)変更できる。
以下、流体が流体供給管200を通過する間の流動について説明する。流入口111を通じて流入された流体は、流入側部材120のテーパー部124の空間を過ぎて内部軸体240の三角錐241にぶつかり、流体供給管200の中心から外側に向かって(即ち、半径方向であって、三角錐241の底面方向へ)拡散される。拡散された流体は、三角柱242の各側面に到達し、上流側から5つ、4つ、5つ・・・と形成された、底面は菱形であり上面は円柱の一部で丸みを帯びた形状の突起部240pの間の狭い交差流路240r(交差角41.11°)の間を進む。図8Aの上流から下流にかけて、左斜め上流から右斜め下流の方向に流れる強さと、右斜め上流から左斜め下流の方向に流れる強さは、ほぼ同じになる。流体は、複数の突起部240pに衝突してせん断され、また、複数の交差流路240rで衝突、混合、分散を繰り返す。本実施形態においても、図8Aの三角柱242の側面の左右端部(図8Aの上側と下側の夫々の端部)からは、流れが折り返すことになる。流体が複数の突起部240pによって形成された複数の狭い流路240rを通過することで、多数の微小な渦を発生させる。また、複数の突起部240pの多段の網状の配置によって、交差する流路240rでは、交互に流れ左右にスイッチングするフリップフロップ現象も生じる。このような現象によって、流体の混合及び拡散を誘発する。突起部240pの上記構造は、異なる性質を有する二つ以上の流体を混合する場合にも有用である。
また、内部構造体240は、流体が、断面積が大きい上流側(三角錐241)から断面積が小さい下流側(複数の突起部240pの間に形成された交差流路240r)へ流れるようにする構造を有する。第1の実施形態で説明したように、ベルヌーイの方程式に従って、静圧が低くなり、キャビテーション現象によって液体のうちに存在する100ミクロン以下の微小な気泡核を核として液体が沸騰し小さい気泡が多数生じる。気化によって発生するファインバブルは水の表面張力を低下させるため浸透性及び潤滑性を向上させる。或いは、流体に予め空気その他の気体を注入し(図1の配管12の途中で気体の注入手段を設ける)、多数の突起部240pとの流体の衝突によって溶存気体の遊離を起こさせ、多数のファインバブルを発生させることもできる。
内部軸体240の三角柱242の各側面の複数の狭い交差流路240rを通過した流体は内部構造体240の端部に向かって流れる。下流端部では、フリップフロップ現象によって、流体は、左右方向に流れをスイッチングしながら、流出側部材130の下流のテーパー部136のある空間へ流れ出る。しかる後、流出口112を通じて流出され、図1のノズル5−1〜5−6を通じて工作箇所Gなどに向かって吐き出される。
なお、内部構造体240の上流部に流入流体を効率的に各側面に分散する三角錐241を設けるようしたが、これは、必須の構成ではない。内部構造体240には、三角柱242の側面に、複数の突起部240pが網状に形成されておればよい。また、内部構造体240の下流端部は、三角柱242の底面(三角形)となっているが、この下流端部に三角錐を設けて、流体を管本体110の流出口112の中心に誘導するようにしてもよい。これは、以下に述べる他の実施形態においても同様である。
(第3の実施形態)
次に、図9A乃至図13Bを参照して本発明の第3の実施形態に係る流体供給管300について説明する。本実施形態にあっては、第1の実施形態と統一の構成については説明を省略し、差のある部分を詳細に説明する。第1の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を使う。図9Aは第3の実施形態に係る流体供給管300の側面分解図であり、図9Bは流体供給管300の側面透視図である。図9A及び図9Bに示されたように、流体供給管300は管本体110と第1の内部構造体(外側内部構造体)340と、第2の内部構造体(内側内部構造体)350を含む。内部構造体340は、第1の実施形態同様の四角柱342であるが、内部に直方体の中空形状の貫通した空洞341が形成されていて、この空洞341に第2の内部構造体350が収納されることになる。図10は、内部構造体340に第2の内部構造体350の収納途中の3次元斜視図である。図11Aは、内部構造体340に第2の内部構造体350の収納された状態の3次元斜視図であり、図11Bは、その一部断面図である。
第1、第2の内部構造体340、350は、第1の実施形態と同様に、例えば、スチールやアルミのような金属からなる柱状部材を金属加工する方法又はプラスチックのような樹脂を成型する方法等によって形成される。あるいは、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することも可能である。金属の円柱軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。その工程は、角柱(第3の実施形態では四角柱)の外形形状の内側内部軸体を準備する工程と、内側内部軸体の上流側の端部に四角錐351を形成する工程と、内側内部軸体の外表面に交差流路350rを作ることにより、複数の突起部350pを形成する(具体的には、四角柱の側面から所定の深さの交差流路350rを形成することにより、底面を交差流路350rの底面と同じ高さとし、上面を四角柱の側面の高さとする複数の突起部350pを形成する)工程とを有する。このようにして内側内部構造体350が形成される。そして、円柱状の外側内部軸体を準備する工程と、外側内部軸体に対して、内側内部軸体が内部に配置される中空の角柱状(第3の実施形態では四角柱、又は底面が正方形の直方体)の空洞341を貫通して形成する(必要に応じて入り口4辺にテーパーをもつガイド343が設けられる)工程と、円柱状の外側内部軸体に対して、底面を角柱(第3の実施形態では四角柱342)の側面とし上面を円柱の外径位置とする交差流路340rを形成することにより、底面を角柱の側面とし、上面を円柱の側面とする複数の突起部340pを形成する工程とを有する。このようにして、外側内部構造体340が形成される。複数の突起部350pが形成された内側内部構造体350を、複数の突起部340pが形成された外側内部構造体340の中空の空洞341に配置する工程によって、組み立てられる。
図10乃至図12に示す通り、外側内部構造体340は、円柱状の軸体を加工することによって、四角柱342が形成され、四角柱342の4つの側面に複数の突起部340pが形成される。複数の突起部340pは網状に配置され、その底面は、四角柱342の外表面(側面)と同じ面であり、その上面は、もとの円柱状の内部軸体の外表面であり、総体として円弧上の高さとなって丸みを帯びている。そして、外側内部構造体340は、内部に直方体の貫通した空洞341が形成されていて、その入り口の四辺にはテーパーをもつガイド343が形成される。
内側内部構造体350は、流体の流入側に四角錐351を有し、それに続く残部の部分は、四角柱352の形状をしていて、4つの側面に複数の突起部350pが形成される。複数の突起部350pは網状に配置され、その高さは一定の高さとされている。つまり、突起部350pの上面は、外側内部構造体340に形成された、直方体の形状をしている空洞341の内壁の高さ(或いは幅)と同じか或いは僅かに低い(小さい)位置に固定されることになる(図12参照)。つまり、空洞341の縦、横の幅(断面の正方形の各辺の長さ)は、内側内部構造体350の平行な両側面から突起している突起部350p相互の表面間の距離と同じか僅かに大きい距離とすることで、突起部350pと空洞341の壁面との距離がほぼ無くなる。図11A、11B或いは図12に示されるように、内側内部構造体350が外側内部構造体340に挿入され、更に図9Bのように、管本体110に挿入固定された場合、四角錐351は、流入する流体を、管本体110の円の中心から四角柱352の各側面に拡散させ、誘導することになる。また、内部構造体340の空洞341の入り口に形成されたテーパーをもつ4辺のガイド343が四角柱342の各側面に流体を誘導することになる。つまり、第3の実施形態では、管本体110の流入口111から流入される流体は、四角錐351を経て空洞341内に流入し、内側内部構造体350に形成された交差流路350rを経由するものと、流入口111から直接または四角錐351、ガイド343を経て、外側内部構造体340に形成された流路340rを経由するものに2分され、それぞれの下流端で2分された流体は合流し、流出口112に向かうことになる。
図13Aは、内部構造体340のひとつの側面を平面上にあらわして、複数の突起部340pの配列を示した図であり、四角柱342の4つの側面には、図示は省略しているが、第1の実施形態と同様、頂角41.11°の菱形(底面の形状)の突起部340pが網状に形成される。なお、この頂角は適宜変更可能である。したがって、そして、複数の突起部340pの間に形成される交差流路340rの交差角度も41.11°となる。具体的に言うと、一側面に形成される複数の底面が菱形の突起部340pは、上流から下流にかけて、3個、4個、3個、・・・、4個と14列形成され、ひとつの側面に49個あり、4つの側面の合計は196個となる。もちろん、この数も適宜に変更できる。複数の突起部340pの形状は、第1の実施形態と同様に、底面が菱形状の突起でなくても良く(例えば、三角形、多角形、その他)、その配列も図13Aから適宜(角度、間隔など)変更できる。
図13Bは、内側内部構造体350の上流の四角錐351と、四角柱352のひとつの側面の複数の突起部350pの配列とを平面上にあらわす。上流側の四角錐351はその頂角を例えば、60度とする。もちろん、この角度は適宜変更可能である。そして、その下流の四角柱352の4つの側面には、図示は省略しているが、外側内部構造体340と同様、頂角41.11°の菱形(底面の形状)の突起部350pが網状に形成される。なお、この頂角は適宜変更可能である。したがって、そして、複数の突起部350pの間に形成される交差流路350rの交差角度も41.11°となる。具体的に言うと、一側面に形成される複数の底面が菱形の突起部350pは、上流から、1個、2個、1個、・・・、2個と14列形成され、ひとつの側面に21個あり、4つの側面の合計は84個となる。もちろん、この数も適宜に変更できる。複数の突起部350pの形状は、外側内部構造体340の突起部340pと同様に、底面が菱形状の突起でなくても良く(例えば、三角形、多角形、その他)、その配列も図13Bから適宜(角度、間隔など)変更できる。
以下、流体が流体供給管300を通過する間の流動について説明する。流入口111を通じて流入された流体は、流入側部材120のテーパー部124の空間を過ぎて内部構造体350の四角錐351にぶつかり、流体供給管300の中心から外側に向かって(即ち、半径方向であって、四角錐の底面方向へ)拡散され、一部は、内側内部構造体350と空洞341で形成される内部の交差流路350rに流入する。また、その流体の残部は内部構造体340の四辺のガイド343で誘導されて、外側内部構造体340と管本体110で形成される内部の交差流路340rに流入する。図13Aの複数の突起部340p間の交差流路340rに流入された流体及び図13Bの複数の突起部350p間の交差流路350rでは、上流から下流にかけて、左斜め上流から右斜め下流の方向に流れる強さと、右斜め上流から左斜め下流の方向に流れる強さは、ほぼ同じになる。本実施形態においても、図13Aの四角柱342の側面の左右端部(図13Aの上側と下側の夫々の端部)からは、流れが折り返すことになる。一方、図12にある通り、内側内部構造体350の四角柱352の側面の各辺(図13Bの上側と下側の夫々の端部)は、空洞341の直方体の側面の各辺とは一定の距離があるため、四角柱352の側面の上下端部では、ひとつの側面の流路から他の側面の流路へ流体は移動することが起こり得る。
流体が外側内部構造体340の複数の突起部340pによって形成された複数の狭い流路340rを通過すること、及び内側内部構造体350の複数の突起部350pによって形成された複数の狭い流路350rを通過することで、多数の微小な渦を発生させる。また、外側内部構造体340では、流体は、複数の突起部340pに衝突してせん断され、また、複数の交差流路340rで衝突、混合、分散を繰り返す。内側内部構造体350では、流体は、複数の突起部350pに衝突してせん断され、また、複数の交差流路350rで衝突、混合、分散を繰り返す。また、複数の突起部340p、350pの多段の網状の配置によって、交差する流路340r、350rでは、交互に流れ左右にスイッチングするフリップフロップ現象も生じる。このような現象によって、流体の混合及び拡散を誘発する。突起部340p、350pの上記構造は、異なる性質を有する二つ以上の流体を混合する場合にも有用である。
また、内部構造体340、350は、流体が、断面積が大きい上流側(四角錐351)から断面積が小さい下流側(複数の突起部340pの間に形成された交差流路340r、及び複数の突起部350pの間に形成された交差流路350r)へ流れるようにする構造を有する。第1の実施形態で説明したように、ベルヌーイの方程式に従って、静圧が低くなり、キャビテーション現象によって液体のうちに存在する100ミクロン以下の微小な気泡核を核として液体が沸騰し小さい気泡が多数生じる。気化によって発生するファインバブルは水の表面張力を低下させるため浸透性及び潤滑性を向上させる。或いは、流体に予め空気その他の気体を注入し(図1の配管12の途中で気体の注入手段を設ける)、多数の突起部340p、350pとの流体の衝突によって溶存気体の遊離を起こさせ、多数のファインバブルを発生させることもできる。
内部軸体340の四角柱342の各側面の複数の狭い交差流路340rを通過した流体は内部構造体340の端部に向かって流れる。また、内部軸体350の四角柱352の各側面の複数の狭い交差流路350rを通過した流体は内部構造体350の端部に向かって流れる。それぞれの下流端部では、フリップフロップ現象によって、流体は、左右方向に流れをスイッチングしながら、流出側部材130の下流のテーパー部136のある空間へ流れ出て合流する。しかる後、流出口112を通じて流出され、図1のノズル5−1〜5−6を通じて工作箇所Gなどに向かって吐き出される。
なお、内部構造体350の上流部に流入流体を効率的に各側面に分散する四角錐351を設けるようしたが、これは、必須の構成ではない。内部構造体350は、四角柱352の側面に、複数の突起部350pが網状に形成されておればよい。また、内部構造体350の下流端部は、四角柱352の底面(四角形)となっているが、この下流端部に四角錐を設けて、空洞341の出口から一部突出するようにして、流体を管本体110の流出口112の中心に誘導するようにしてもよい。加えて、第3実施形態の外側内部構造体340の空洞341は直方体としたが、この空洞341を円柱状とする一方、内側内部構造体350には、四角柱の底面から円弧状の表面を有する複数の突起部を網状に設けるようにしてもよい。つまり、外側内部構造体340の突起部340pと同様な円弧状に高さの変化する突起部とすることもできる。
(第4の実施形態)
次に、図14A乃至図18Bを参照して本発明の第4の実施形態に係る流体供給管400について説明する。本実施形態にあっては、第2又は第3の実施形態と同一の構成については説明を省略し、差のある部分を詳細に説明する。第3の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を使う。図14Aは第4の実施形態に係る流体供給管400の側面分解図であり、図14Bは流体供給管400の側面透視図である。図14A及び図14Bに示されたように、流体供給管400は管本体110と第1の内部構造体(外側内部構造体)440と、第2の内部構造体(内側内部構造体)450を含む。内部構造体440は、第2の実施形態同様の三角柱442(底面が正三角形)であるが、内部に三角柱の形状の中空である貫通した空洞441(底面が正三角形で三角柱442の底面の正三角形よりも各辺の長さが短い)が形成されていて、この空洞441に第2の内部構造体450が収納されることになる。図15は、内部構造440に第2の内部構造体450の収納途中の3次元斜視図である。図16Aは、内部構造体440に第2の内部構造体450の収納された状態の3次元斜視図であり、図16Bは、その一部断面図である。図17は、内部構造体440に第2の内部構造体450の収納された状態の別の角度からの3次元斜視図である。
第1、第2の内部構造体440、450は、第3の実施形態と同様に、例えば、スチールやアルミのような金属からなる柱状部材を金属加工する方法又はプラスチックのような樹脂を成型する方法等によって形成される。あるいは、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することも可能である。金属の円柱軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。その製造工程は、三角柱の外形形状の内側内部軸体を準備する工程と、内側内部軸体の上流側の端部に三角錐を形成する工程と、内側内部軸体の外表面に交差流路450rを作ることにより、複数の突起部450pを形成する(具体的には、三角柱の側面から所定の深さの交差流路450rを形成することにより、底面を交差流路の底面と同じ高さとし、上面を三角柱の側面の高さとする複数の突起部450pを形成する)工程とを有する。このようにして内側内部構造体450が形成される。そして、円柱状の外側内部軸体を準備する工程と、外側内部軸体に対して、内側内部軸体が内部に配置される中空の三角柱状の空洞441を貫通して形成する工程と、円柱状の外側内部軸体に対して、底面を三角柱の側面とし上面を円柱の外径位置とする交差流路440rを形成することにより、底面を三角柱の側面とし、上面を円柱の側面とする複数の突起部440pを形成する工程とを有する。このようにして、外側内部構造体440が形成される。複数の突起部450pと交差流路450rが形成された内側内部構造体450を、複数の突起部440pと交差流路440rが形成された外側内部構造体440の中空の空洞441に配置する工程によって組み立てができる。
図15乃至図17に示す通り、外側内部構造体440は、円柱状の軸体を加工することによって、三角柱442が形成され、三角柱442の3つの側面に複数の突起部440pが形成される。複数の突起部440pは網状に配置され、その底面は、三角柱442の外表面(側面)と同じ面であり、その上面は、もとの円柱状の内部軸体の外表面であり、総体として円弧上の高さとなって丸みを帯びている。そして、外側内部構造体440は、内部に三角柱の貫通した空洞441が形成されていて、その入り口の三辺にはテーパーをもつガイド443が形成される。
一方、内側内部構造体450は、流体の流入側に三角錐451を有し、それに続く残部には、三角柱452(底面は正三角形で各辺の長さは、外側内部構造体440の三角柱442よりも短い)の形状をしていて、3つの側面に複数の突起部450pが形成される。複数の突起部450pは網状に配置され、その高さは一定の高さとされている。つまり、突起部450pの上面は、外側内部構造体440に形成された、三角柱の中空形状をしている空洞441の内壁の高さと同じか或いは僅かに低い位置に固定されることになる(図17参照)。つまり、図16A、16B或いは図17に示されるように、内部構造体450が内部構造体440に挿入され、更に図14Bのように、管本体110に挿入固定された場合、三角錐451は、流入する流体を、管本体110の円の中心から三角柱452の各側面に拡散させ、誘導することになる。また、内部構造体440のテーパーを持つ3辺のガイド443が三角柱442の各側面に流体を誘導することになる。つまり、第4の実施形態では、管本体110の流入口111から流入される流体は、三角錐451を経由して与えられ、空洞441に配置された内側内部構造体450に形成された交差流路450rを経由するものと、直接または三角錐451及びガイド443を経由して与えられ、外側内部構造体440に形成された流路440rを経由するものに2分され、それぞれの下流端で2分された流体は合流し、流出口112に向かうことになる。
図18Aは、内部構造体440のひとつの側面を、平面上にあらわして突起部440pの配列を示した図であり、三角柱442の3つの側面には、図示は省略しているが、第1乃至第3の実施形態と同様、頂角41.11°の菱形(底面の形状)の突起部440pが網状に形成される。なお、この頂角は適宜変更可能である。したがって、複数の突起部440pの間に形成される交差流路440rの交差角度も41.11°となる。具体的に言うと、一側面に形成される複数の底面が菱形の突起部440pは、上流から下流にかけて、5個、4個、5個、・・・、4個と14列形成され、ひとつの側面に63個あり、3つの側面の合計は189個となる。もちろん、この数も適宜に変更できる。複数の突起部440pの形状は、第1乃至第3の実施形態と同様に、底面が菱形状の突起でなくても良く(例えば、三角形、多角形、その他)、その配列も図18Aから適宜(角度、間隔など)変更できる。
図18Bは、内部構造体450の上流側の三角錐451とその下流の三角柱452の一側面上の突起部450pの配列を平面上にあらわしている。三角錐451は、その頂角を、例えば90度とするが、この角度は適宜変更可能である。そして、三角柱452の3つの側面には、図示は省略しているが、内部構造体440の三角柱442の複数の突起部440pと同様、頂角41.11°の菱形(底面の形状)の突起部450pが網状に形成される。なお、この頂角も適宜変更可能である。したがって、そして、複数の突起部450pの間に形成される交差流路450rの交差角度も41.11°となる。具体的に言うと、一側面に形成される複数の底面が菱形の突起部450pは、上流から下流にかけて、1個、2個、1個、・・・、2個と14列形成され、ひとつの側面に21個あり、3つの側面の合計は63個となる。もちろん、この数も適宜に変更できる。複数の突起部450pの形状は、内部構造体440の三角柱442上の複数の突起部440pと同様に、底面が菱形状の突起でなくても良く(例えば、三角形、多角形、その他)、その配列も図13Bから適宜(角度、間隔など)変更できる。
以下、流体が流体供給管400を通過する間の流動について説明する。流入口111を通じて流入された流体は、流入側部材120のテーパー部124の空間を過ぎて内部構造体450の三角錐451にぶつかり、流体供給管400の中心から外側に向かって(即ち、半径方向であって、三角錐の底面方向へ)拡散され、一部は、内側内部構造体450と中空の三角柱状の空洞441で形成される内部の交差流路450rに流入する。また、その流体の残部は内部構造体440の三辺のガイド443で誘導されて、外側内部構造体440と管本体110で形成される内部の交差流路440rに流入する。図18Aの複数の突起部440p間の交差流路440rに流入された流体及び図18Bの複数の突起部450p間の交差流路450rでは、上流から下流にかけて、左斜め上流から右斜め下流の方向に流れる強さと、右斜め上流から左斜め下流の方向に流れる強さは、ほぼ同じになる。本実施形態においても、図18Aの三角柱442の側面の左右端部(図18Aの上側と下側の夫々の端部)からは、流れが折り返すことになる。一方、図17にある通り、内側内部構造体450の三角柱452の側面の各辺(図18Bの上側と下側の夫々の端部)が、三角柱の空洞441の側面の各辺とは一定の距離があるため、三角柱452の側面の上下端部では、ひとつの側面の流路から他の側面の流路へ流体は移動することが起こり得る。
流体が外側内部構造体440の複数の突起部440pによって形成された複数の狭い流路440rを通過すること、及び内側内部構造体450の複数の突起部450pによって形成された複数の狭い流路450rを通過することで、多数の微小な渦を発生させる。また外側内部構造体440では、流体は、複数の突起部440pに衝突してせん断され、また、複数の交差流路440rで衝突、混合、分散を繰り返す。内側内部構造体450では、流体は、複数の突起部450pに衝突してせん断され、また、複数の交差流路450rで衝突、混合、分散を繰り返す。また、複数の突起部440p、450pの多段の網状の配置によって、交差する流路440r、450rでは、交互に流れ左右にスイッチングするフリップフロップ現象も生じる。このような現象によって、流体の混合及び拡散を誘発する。突起部440p、450pの上記構造は、異なる性質を有する二つ以上の流体を混合する場合にも有用である。
また、内部構造体440、450は、流体が、断面積が大きい上流側(三角錐451)から断面積が小さい下流側(複数の突起部440pの間に形成された交差流路440r、及び複数の突起部450pの間に形成された交差流路450r)へ流れるようにする構造を有する。第1の実施形態で説明したように、ベルヌーイの方程式に従って、静圧が低くなり、キャビテーション現象によって液体のうちに存在する100ミクロン以下の微小な気泡核を核として液体が沸騰し小さい気泡が多数生じる。気化によって発生するファインバブルは水の表面張力を低下させるため浸透性及び潤滑性を向上させる。或いは、流体に予め空気その他の気体を注入し(図1の配管12の途中で気体の注入手段を設ける)、多数の突起部440p、450pとの流体の衝突によって溶存気体の遊離を起こさせ、多数のファインバブルを発生させることもできる。
内部軸体440の三角柱442の各側面の複数の狭い交差流路440rを通過した流体は内部構造体440の端部に向かって流れる。また、内部軸体450の三角柱452の各側面の複数の狭い交差流路450rを通過した流体は内部構造体450の端部に向かって流れる。それぞれの下流端部では、フリップフロップ現象によって、流体は、左右方向に流れをスイッチングしながら、流出側部材130の下流のテーパー部136のある空間へ流れ出て合流する。しかる後、流出口112を通じて流出され、図1のノズル5−1〜5−6を通じて工作箇所Gなどに向かって吐き出される。
なお、内部構造体450の上流部に流入した流体を効率的に各側面に分散する三角錐451を設けるようしたが、これは、必須の構成ではない。内部構造体450は、三角柱452の側面に、複数の突起部450pが網状に形成されておればよい。また、内部構造体450の下流端部は、三角柱452の底面(正三角形)となっているが、この下流端部に三角錐を設けて、空洞441の出口から一部突出するようにして、流体を管本体110の流出口112の中心に誘導するようにしてもよい。加えて、第4実施形態の外側内部構造体440の空洞441は中空の三角柱の形状(断面正角形)としたが、この空洞441を円柱状とする一方、内側内部構造体450には、三角柱の底面から円弧状の表面を有する複数の突起部を網状に設けるようにしてもよい。つまり、外側内部構造体440の突起部440pと同様な円弧状に高さの変化する突起部とすることもできる。
(第5の実施形態)
次に、図19A乃至図22を参照して本発明の第5の実施形態に係る流体供給管500について説明する。本実施形態にあっては、第3の実施形態と同一の構成については説明を省略し、差のある部分を詳細に説明する。第3の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を使う。図19Aは第5の実施形態に係る流体供給管500の側面分解図であり、図19Bは流体供給管500の側面透視図である。図19A及び図19Bに示されたように、流体供給管500は管本体110と第1の内部構造体(外側内部構造体)540と、第2の内部構造体(内側内部構造体)550を含む。内部構造体540は、第3の実施形態同様の四角柱542(底面正方形)を含むが、内部に中空の円柱状の貫通した空洞541が形成されていて、この空洞541に第2の内部構造体550が収納されることになる。この外側内部構造体540は、四角錐の頭部を切り欠いた截頭四角錐543を先端形状とする。さらに詳細に言うと、図19Aの通り、その切り欠き部の断面は円形となっている。図20は、内部構造体540に第2の内部構造体550の収納途中の3次元斜視図である。図21Aは、内部構造体540に第2の内部構造体550が収納された状態の3次元斜視図であり、図21Bは、その一部断面図である。
第1、第2の内部構造体540、550は、第3の実施形態と同様に、例えば、スチールやアルミのような金属からなる柱状部材を金属加工する方法又はプラスチックのような樹脂を成型する方法等によって形成される。あるいは、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することも可能である。金属の円柱軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。その製造工程は、円柱の外形形状の内側内部軸体を準備する工程と、内側内部軸体の上流側の端部に螺旋形状(例えば反時計回り)の一ないし複数の翼551を形成する工程と、内側内部軸体の下流の外表面に円柱の側面から所定の深さの交差流路550rを形成することにより、底面を交差流路の底面と同じ高さとし、上面を円柱の側面の同じ高さとする複数の突起部550pを形成する工程と、内側内部軸体の下流端に、ドーム形又は円錐形の誘導部552を形成する工程を含み、これらの工程を経て内側内部構造体550が形成される。更に具体的な一例では、交差流路として、円環状と螺旋状(例えば反時計回り)の交差流路550rを複数作ることにより、複数の突起部550pを形成する。そして、円柱状の外側内部軸体を準備する工程と、外側内部軸体に対して上流側を截頭四角錐543とする工程と、内側内部軸体が内部に配置される中空の円柱状の空洞541(円形の入り口を持つ)を貫通して形成する工程と、円柱状の外側内部軸体に対して、底面を角柱(第5の実施形態では四角柱542)の側面とし上面を円柱の外径位置とする交差流路540rを形成することにより、底面を角柱の側面とし、上面を円柱の側面とする複数の突起部540pを形成する工程とによって、外側内部構造体540が製造される。なお、この四角柱542の底面は正方形である。複数の突起部550p及び複数の螺旋流路550rが形成された内側内部構造体550が、複数の突起部540p及び複数の螺旋流路540rが形成された外側内部構造体540の中空の空洞541に配置する工程によって2つの内部構造体540、550が組み立てられる。
図20乃至図21Bに示す通り、外側内部構造体540は、円柱状の軸体を加工することによって、先端に截頭四角錐543があり、その下流側には四角柱542が形成され、四角柱542の4つの側面に複数の突起部540pが形成される。複数の突起部540pは網状に配置され、その底面は、四角柱542の側面(外表面)と同じ面であり、その上面は、もとの円柱状の内部軸体の外表面であり、総体として円弧上の高さとなって丸みを帯びている。この複数の突起部540pの配列については、第3の実施形態にて説明したものと同様である。そして、外側内部構造体540は、截頭四角錐543の円形先端から内部に中空の円柱状の貫通した空洞541が形成されている。
一方、内側内部構造体550は、流体の流入側に螺旋状の例えば3つの翼551(反時計回りの旋回流を生じる)を有し、それに続く部分は、円柱状に複数の交差流路550rと複数の突起部550pが形成される。複数の突起部550pは網状に配置され、その高さは一定の高さとされている。つまり、突起部550pの上面は、外側内部構造体540に形成された空洞541の内壁の高さと同じか或いは僅かに低い位置に固定されることになる(図19B及び21B参照)。つまり、図21A、図21Bに示されるように、内側内部構造体550が外側内部構造体540に挿入され、更に図19Bのように、管本体110に挿入固定された場合、截頭四角錐543は、流入する流体の一部を、断面円形の管本体110の円の中心から四角柱542の外側内部構造体540の各側面に拡散させ誘導し、各側面に流れ込んだ流体は、交差流路540rを経由することになる。また、流入する流体の残部は、截頭四角錐543の円形流入口から中空の空洞541に流れ込み、翼551によって反時計回りの螺旋流とされた後、内側内部構造体550の流路550rを経由することになる。つまり、第5の実施形態では、管本体110の流入口111から流入される流体は、内側内部構造体550に形成された交差流路550rを経由するものと、外側内部構造体540に形成された流路540rを経由するものに2分され、それぞれの下流端で2分された流体は合流し、流出口112に向かうことになる。
図22は、内側内部構造体550の円柱状に形成された、交差流路550rと突起部550p(突起部550pの上面は、円柱の一部の曲面をもつが、真上から見るとほぼ菱形状である)との関係を平面化して説明したものである。交差流路の一群は、図22の左下から右上に60度の角度をもって、反時計周りの螺旋流を作る複数の螺旋流路である。他の一群は、流体の流れに対して直交する反時計回りの円環流を作る複数の円環流路である。この螺旋流路と円環流路が交差する交差流路550rが形成されている。なおこの複数の突起部550pの形状は、ほぼ菱形状の突起でなくても良く(例えば、三角形、多角形、その他)、その配列も図22から適宜(角度、間隔など)変更できる。
以下、流体が流体供給管500を通過する間の流動について説明する。流入口111を通じて流入された流体は、流入側部材120のテーパー部124の空間を過ぎて内部構造体540の截頭四角錐543にぶつかり、流体の一部は、円形断面をもつ流体供給管500の円の中心から外側に向かって(即ち、半径方向であって、四角錐543の底面方向へ)誘導され、外側内部構造体540と管本体110で形成される内部の交差流路540rに流入する。残部は、截頭四角錐543の円形開口部から螺旋流を作る翼551を経由して、内側内部構造体550と中空の円柱状の空洞541で形成される内部の交差流路550rに螺旋流として流入する。
流体が外側内部構造体540の複数の突起部540pによって形成された複数の狭い流路540rを通過すること、及び内側内部構造体550の複数の突起部550pによって形成された複数の狭い流路550rを通過することによって、多数の微小な渦を発生させる。また、流体は、外側内部構造体540では、複数の突起部540pに衝突してせん断され、また、複数の交差流路540rで衝突、混合、分散を繰り返す。同様に、内側内部構造体550でも、流体は、複数の突起部550pに衝突してせん断され、また、複数の交差流路550rで衝突、混合、分散を繰り返す。また、外側内部構造体540において、複数の突起部540pの多段の網状の配置によって、交差する流路550rでは、交互に流れ左右にスイッチングするフリップフロップ現象も生じる。このような現象によって、流体の混合及び拡散を誘発する。突起部540p、550pの上記構造は、異なる性質を有する二つ以上の流体を混合する場合にも有用である。
また、内部構造体540、550は、流体が、断面積が大きい上流側(円形の流入口がある截頭四角錐543)から断面積が小さい下流側(複数の突起部540pの間に形成された交差流路540r、及び複数の突起部550pの間に形成された交差流路550r)へ流れるようにする構造を有する。この構造は流体の静圧力を変化させる。第1の実施形態で説明したように、ベルヌーイの方程式に従って、静圧が低くなり、キャビテーション現象によって液体のうちに存在する100ミクロン以下の微小な気泡核を核として液体が沸騰し小さい気泡が多数生じる。気化によって発生するファインバブルは水の表面張力を低下させるため浸透性及び潤滑性を向上させる。或いは、流体に予め空気その他の気体を注入し(図1の配管12の途中で気体の注入手段を設ける)、多数の突起部540p、550pとの流体の衝突によって溶存気体の遊離を起こさせ、多数のファインバブルを発生させることもできる
外側内部軸体540の四角柱542の各側面の複数の狭い交差流路540rを通過した流体は外側内部構造体540の端部に向かって流れる。また、内側内部軸体550の円柱状の複数の狭い交差流路550rを通過した流体は内側内部構造体550の端部に流れる。そして二つの流れは合流し、内側内部構造体550の下流端部に設けられた誘導部552によって管本体110の中心方向に誘導され、下流のテーパー部136のある空間へ流れ出る。しかる後、流出口112を通じて流出され、図1のノズル5−1〜5−6を通じて工作箇所Gなどに向かって吐き出される。
なお、外側内部構造体540の上流部に流入流体を効率的に各側面に分散する截頭四角錐543を設けるようしたが、これは、必須の構成ではない。また、内側内部構造体550の上流に複数枚の翼を設けて例えば反時計回りの旋回流を起こしているが、旋回流を起こすには効果的ではあるが、必ずしも翼は必要でない。更に、内側内部構造体550の下流にドーム状の誘導部552を設けているが、円錐形状でもよいし、又はこれを無くしてもよい。この誘導部552は必須の構成ではない。
(第6の実施形態)
次に、図23A乃至図26を参照して本発明の第6の実施形態に係る流体供給管600について説明する。本実施形態にあっては、第4の実施形態や第5の実施形態と同一の構成については説明を省略し、差のある部分を詳細に説明する。第4の実施形態や第5の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を使う。図23Aは第6の実施形態に係る流体供給管600の側面分解図であり、図23Bは流体供給管600の側面透視図である。図23A及び図23Bに示されたように、流体供給管600は管本体110と第1の内部構造体(外側内部構造体)640と、第2の内部構造体(内側内部構造体)550を含む。第2の内部構造体(内側内部構造体)550は、第5の実施形態のそれと全く同一構成をとる。内部構造体640は、第4の実施形態同様の三角柱642(底面正三角形)を含むが、内部に円柱状の貫通した空洞641が形成されていて、この空洞641に第2の内部構造体550が収納されることになる。この外側内部構造体640の上流には、三角錐の頭部を切り欠いた截頭三角錐643が設けられる。さらに詳細に言うと、図23Aの通り、その切り欠き部の断面は円形となっている。図24は、外側内部構造体640に第2の内部構造体(内側内部構造体)550の収納途中の3次元斜視図である。図25Aは、外側内部構造体640に第2の内部構造体(内側内部構造体)550が収納された状態の3次元斜視図であり、図25Bは、その一部断面図である。図26は、異なる方向からの3次元斜視図である。
第1、第2の内部構造体640、550は、第4の実施形態、第5の実施形態と同様に、例えば、スチールやアルミのような金属からなる柱状部材を金属加工する方法又はプラスチックのような樹脂を成型する方法等によって形成される。あるいは、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することも可能である。金属の円柱軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。その製造工程は、円柱の外形形状の内側内部軸体を準備する工程と、内側内部軸体の上流側の端部に螺旋形状(例えば反時計回り)の一ないし複数の翼551を形成する工程と、内側内部軸体の下流の外表面に円柱の側面から所定の深さの交差流路550rを形成することにより、底面を交差流路の底面と同じ高さとし、上面を円柱の側面の同じ高さとする複数の突起部550pを形成する工程と、内側内部軸体の下流端に、ドーム形又は円錐形の誘導部552を形成する工程を含み、これらの工程を経て内側内部構造体550が形成される。更に具体的な一例では、交差流路として、円環状と螺旋状(例えばそれぞれ反時計回り)の交差流路550rを複数作ることにより、複数の突起部550pを形成する。また、円柱状の外側内部軸体を準備する工程と、外側内部軸体に対して上流側を截頭三角錐643とする工程と、内側内部軸体が内部に配置される中空の円柱状の空洞641(円形の入り口を持つ)を貫通して形成する工程と、円柱状の外側内部軸体に対して、底面を三角柱の側面とし上面を円柱の外径位置とする交差流路640rを形成することにより、底面を角柱の側面とし、上面を円柱の側面とする複数の突起部640pを形成する工程とを経て、外側内部構造体640が形成される。複数の突起部550p及び交差流路550rなどが形成された内側内部構造体550を、複数の突起部640p及び交差流路640rが形成された外側内部構造体640の中空の空洞641に配置する工程によって、収納及び組み立てを行う。
図24乃至図25Bに示す通り、外側内部構造体640は、円柱状の軸体を加工することによって、先端に截頭三角錐643があり、その下流側には三角柱642(底面正三角形)が形成され、三角柱642の3つの側面に複数の突起部640pが形成される。複数の突起部640pは網状に配置され、その底面は、三角柱642の側面と同じ面であり、その上面は、もとの円柱状の内部軸体の外表面であり、総体として円弧上の高さとなって丸みを帯びている。この複数の突起部640pの配列については、第4の実施形態にて説明したもの(図18A参照)と同様である。そして、外側内部構造体640は、截頭三角錐643の円形先端から内部に中空の円柱状の貫通した空洞641が形成されている。
一方、内側内部構造体550は、第5の実施形態で説明したものと同じである。図25A、図25Bに示されるように、内側内部構造体550が外側内部構造体640に挿入され、更に図23Bのように、管本体110に挿入固定された場合、截頭三角錐643は、流入する流体の一部を、断面円形の管本体110の円の中心から外側内部構造体640の三角柱642の各側面に拡散させ誘導し、この流体の一部は流路640rを経由することになる。また、流入する流体の残部は、截頭三角錐643の円形流入口から空洞641に流れ、反時計回りの螺旋流を作る複数の翼551を経て、内側内部構造体550の流路550rを経由することになる。つまり、第6の実施形態では、管本体110の流入口111から流入される流体は、内側内部構造体550に形成された交差流路550rを経由するものと、外側内部構造体640に形成された流路640rを経由するものに2分され、それぞれの下流端で2分された流体は合流し、流出口112に向かうことになる。
以下、流体が流体供給管600を通過する間の流動について説明する。流入口111を通じて流入された流体は、流入側部材120のテーパー部124の空間を過ぎて内部構造体640の截頭三角錐643にぶつかり、流体の一部は、流体供給管600の中心から外側に向かって(即ち、半径方向であって、截頭三角錐643の底面方向へ)ガイドされ、内部構造体640と管本体110で形成される内部の交差流路640rに流入する。流体の残部は、截頭三角錐643の円形開口部から内部構造体550と円柱形の空洞641で形成される内部の交差流路550rに翼551を経て流入する。
流体が外側内部構造体640の複数の突起部640pによって形成された複数の狭い流路640rを通過すること、及び内側内部構造体550の複数の突起部550pによって形成された複数の狭い流路550rを通過することで、多数の微小な渦を発生させる。また、外側内部構造体640では、流体は、複数の突起部640pに衝突してせん断され、また、複数の交差流路640rで衝突、混合、分散を繰り返す。内側内部構造体550では、流体は、複数の突起部550pに衝突してせん断され、また、複数の交差流路550rで衝突、混合、分散を繰り返す。また、複数の突起部640pの多段の網状の配置によって、交差する流路640rでは、交互に流れ左右にスイッチングするフリップフロップ現象も生じる。このような現象によって、流体の混合及び拡散を誘発する。突起部640p、550pの上記構造は、異なる性質を有する二つ以上の流体を混合する場合にも有用である。
内部構造体640、550は、流体が、断面積が大きい上流側(円形の流入口がある截頭三角錐643)から断面積が小さい下流側(複数の突起部640pの間に形成された交差流路640r、及び複数の突起部550pの間に形成された交差流路550r)へ流れる構造を有する。第1の実施形態で説明したように、ベルヌーイの方程式に従って、静圧が低くなり、キャビテーション現象によって液体のうちに存在する100ミクロン以下の微小な気泡核を核として液体が沸騰し小さい気泡が多数生じる。気化によって発生するファインバブルは水の表面張力を低下させるため浸透性及び潤滑性を向上させる。或いは、流体に予め空気その他の気体を注入し(図1の配管12の途中で気体の注入手段を設ける)、多数の突起部640p、550pとの流体の衝突によって溶存気体の遊離を起こさせ、多数のファインバブルを発生させることもできる。
外側内部軸体640の三角柱642の各側面の複数の狭い交差流路640rを通過した流体は外側内部構造体640の下流端部に向かって流れる。また、内側内部軸体550の円柱状の複数の狭い交差流路550rを通過した流体は内側内部構造体550の下流端部に流れる。そして二つの流れは合流し、内側内部構造体550の下流端部に設けられた誘導部552によって管本体110の中心方向に誘導され、下流のテーパー部136のある空間へ流れ出る。しかる後、流出口112を通じて流出され、図1のノズル5−1〜5−6を通じて工作箇所Gなどに向かって吐き出される。
なお、外側内部構造体640の上流部に流入流体を効率的に各側面に分散する截頭三角錐643を設けるようしたが、これは、必須の構成ではない。また、内部構造体550の上流に複数枚の翼551を設けて例えば反時計回りの旋回流を起こしているが、旋回流を起こすには効果的ではあるが、必ずしも翼551は必要でない。更に、内側内部構造体550の下流にドーム状の誘導部552を設けているが、円錐形状でもよいし、又はこれを無くしてもよい。この誘導部552は必須の構成ではない。
(第7の実施形態)
次に、図27及び図28を参照して、本発明の第7の実施形態に係る内部構造体740について説明する。この実施形態では、内部を流れる流体の粘性が高い場合(複数の流体を混合する場合に少なくとも一つの流体の粘性が高い場合、例えばエマルジョン燃料のように粘性が高いオイルと水を混合する場合なども含む)であっても、圧力損失への対策が取れ、せん断、攪拌、拡散、混合が適切にできる流体供給管の内部構造体を提供するものである。図27にある通り、内部構造体740は、第1の実施形態で説明した内部構造体140(図3、図4参照)とほぼ同じであって、内部構造体740は、例えば、スチールやアルミのような金属からなる円柱部材を金属加工する方法又はプラスチックのような樹脂を成型する方法等によって形成される。あるいは、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することも可能である。金属の円柱軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。その製造工程は、円柱状の内部軸体を準備する工程と、円柱状の内部軸体の一端部を四角錐741に形成する工程と、底面を四角柱742の側面とし上面を円柱の外径位置とする交差流路740rを形成することにより、底面を角柱の側面とし、上面を円柱の側面とする複数の突起部740p1、740p2を形成する工程とを有する(この場合、突起部740p1と突起部740p2との高さが異なる)。もともとの円柱部材の半径は、管本体110の内壁の半径と同じまたは僅かに小さく、円柱部材が管本体に入り、隙間が出ないサイズであることが望ましい。
図28は、図27の内部構造体740の別の方向からの3次元斜視図である。上述のように、円柱状の軸体を加工することによって、先頭に四角錐741が形成され、残部には四角柱742が形成され、四角柱742の4つの側面に複数の突起部740p1、740p2が形成される。複数の突起部740p1、740p2は網状に配置され、その底面は、四角柱742の外表面と同じ面であり、突起部上面は、突起部740p1にあっては、もとの円柱状の内部軸体の外表面であり、総体として円弧上の高さとなって丸みを帯びている。また突起部740p2は、一定の低い高さとなっている。本実施形態では、上流から下流にかけて、3個ずつの並びのものが低い一定の高さの突起部740p2として配列され、一側面の突起部では合計数49個(突起部740p1と突起部740p2の合計数)のうち21個が低い一定の高さの突起部740p2とされている(図5A参照)。四角錐741を経て、各側面に到達した流体は、複数の突起部740p1及び突起部740p2の間に形成された交差する流路740rを流れることになるが、管本体110の円筒形の内壁面とこの複数の突起部740p1の高さがほぼ同じ(隙間が出ない)なので、流体は、複数の突起部740pの間を流れる(つまり、複数の突起部740pの上面を流れる流体はほぼ無い)ことになる。これに対して、複数の突起部740p2の高さは一定であって、管本体110の円筒形の内壁面と突起部740p2の間に隙間(中央は大きく、横方向では小さい)ができるため、流体は、この隙間を通過することができる。一定の高さの突起部740p2と管本体110の内壁面との隙間を流れる補助的な流路が、交差流路740r以外に存在することによって、複数の突起部間の流路740rの流れのみでは、圧力損失が生じてしまうのを、本実施形態では改善している。本実施例形態のその他の構成や作用は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
この突起部740p2の配列は、圧力損失の状況に応じて、適宜選択、変更が出来るもので、他の実施形態では、四角柱742の各側面において、上流から下流にかけて4個ずつの並びのもの(図5A参照)を一定の高さの突起部740pとすることもできる。また、上流から下流にかけて1列毎のほか、或いは複数列に一度低い突起部740p2を繰り返して出現するようにしてもよい。更には、高、低の2段階の突起部740p1、740p2ではなく、3段階あるいは多段階の突起部を設けるようにしてもよい。更には、低い突起部740p2を流れに沿って、斜め方向に出現するようにしてもよい。いずれにしても、流体の粘性と、突起部でのせん断、攪拌、拡散、混合の能力とによって、適宜、高い突起部740p1と低い突起部740p2(更には多段階の高さの突起部)の配列の仕方を変更して、流体供給管の圧力損失の改善を図ることができる。
(第8の実施形態)
次に、図29を参照して、本発明の第8の実施形態に係る内部構造体840について説明する。この実施形態では、第7の実施形態と同様に、内部を流れる流体の粘性が高い場合(複数の流体を混合する場合に少なくとも一つの流体の粘性が高い場合、例えばエマルジョン燃料のように粘性が高いオイルと水を混合する場合なども含む)であっても、圧力損失への対策が取れ、せん断、攪拌、拡散、混合が適切にできる流体供給管の内部構造体を提供するものである。図29にある通り、内部構造体840は、第2の実施形態で説明した内部構造体240(図7参照)とほぼ同じであって、内部構造体840は、例えば、スチールやアルミのような金属からなる円柱部材を金属加工する方法又はプラスチックのような樹脂を成型する方法等によって形成される。あるいは、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することも可能である。金属の円柱軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。その製造工程は、円柱状の内部軸体を準備する工程と、円柱状の内部軸体の一端部を三角錐841に形成する工程と、底面を三角柱842の側面とし上面を円柱の外径位置とする交差流路840rを形成することにより、底面を角柱の側面とし、上面を円柱の側面とする複数の突起部840p1、840p2を形成する工程とを有する(この場合、突起部840p1と突起部840p2との高さが異なる)。もともとの円柱部材の半径は、管本体110の内壁の半径と同じまたは僅かに小さく、円柱部材が管本体に入り、隙間が出ないサイズであることが望ましい。
上述のように、円柱状の軸体を加工することによって、先頭に三角錐841が形成され、残部には三角柱842が形成され、三角柱842の3つの側面に複数の突起部840p1、840p2が形成される。複数の突起部840p1、840p2は網状に配置され、その底面は、三角柱842の外表面と同じ面であり、その上面は、突起部840p1にあっては、もとの円柱状の内部軸体の外表面であり、総体として円弧上の高さとなって丸みを帯びている。また突起部840p2は、一定の高さとなっている。本実施形態では、低い一定の高さの突起部840p2は、上流側から下流側にかけて4個の並びのものが一定の高さの突起部840p2とされ、一側面の突起部では合計数63個(突起部840p1と突起部840p2の合計数)のうち28個が低い一定の高さの突起部840p2とされている(図8A参照)。三角錐841を経て、各側面に到達した流体は、複数の突起部840p1及び突起部840p2の間に形成された交差する流路840rを流れることになるが、管本体110の円筒形の内壁面とこの複数の突起部840p1の高さがほぼ同じ(隙間が出ない)なので、流体は、複数の突起部840pの間を流れる(つまり、複数の突起部840p1の上面を流れる流体はほぼ無い)ことになる。これに対して、複数の突起部840p2の高さは低く、管本体110の円筒形の内壁面と突起部840p2の上面の間に隙間(中央のものは大きく、横に行くほど小さい)ができるため、流体は、この隙間を通過することができる。一定の低い高さの突起部840p2と管本体110の内壁面との隙間を流れる補助的な流路があることによって、複数の突起部間の流路840rの流れのみでは、圧力損失が生じてしまうのを、本実施形態では改善している。本実施例形態のその他の構成や作用は、第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
この突起部840p2の配列は、圧力損失の状況に応じて、適宜選択、変更が出来るもので、他の実施形態では、三角柱842の各側面において、上流から下流にかけて5個ごとの並びのものを一定の高さの突起部840p2としてもよく、1列毎ではなく複数列に一度低い突起部840p2を繰り返して出現するようにしてもよい。更には、高、低の2段階の突起部840p1、840p2ではなく、3段階あるいは多段階の突起部を設けるようにしてもよい。更には、低い突起部840p2を、流れに沿って斜め方向に出現するようにしてもよい。いずれにしても、流体の粘性と、突起部でのせん断、攪拌、拡散、混合の能力とによって、適宜、高い突起部840p1と低い突起部840p2(更には多段階の高さの突起部)の配列の仕方を変更して、流体供給管の圧力損失の改善を図ることができる。
(第9の実施形態)
次に、図30A乃至図32Bを参照して本発明の第9の実施形態に係る流体供給管900について説明する。第1の実施形態と同一の構成については説明を省略し、差のある部分を詳細に説明する。図30Aは本発明の第9の実施形態に係る流体供給管900の側面分解図であり、図30Bは流体供給管900の側面透視図である。図31は流体供給管900の内部構造体940の3次元斜視図である。
図32Aは、内部構造体940のひとつの側面を平面上にあらわして、四角錐941と突起部940pの配列とを示した図であり、上流側の四角錐941はその頂角を例えば、60度とする。もちろん、この角度は適宜変更可能である。そして、下流側の四角柱942の4つの側面には、第1の実施形態同様に、頂角41.11°の菱形(底面の形状)の突起部940pが網状に形成される。なお、この頂角も適宜変更可能である。ただし、第1の実施形態と異なり、網状に形成された複数の突起部940pは、僅かに傾いている。つまり、図32Bに示す通り、最も上流の3つの突起部940pの底面の菱形は、その中心を軸に、内部構造体940の軸体の長さ方向に対し左方向に僅かに(10.56°)傾いている。そして、次の列の4つの突起部940pの底面の菱形は、その中心を軸に、内部構造体940の軸体の長さ方向に対し右方向に僅かに(10.56°)傾いている。以下同様に、列毎に交互に左右方向に傾いている。勿論、この傾きの角度(10.56°)は、これに限られるものではない。したがって、本実施形態においては、複数の突起部940pの間に形成される交差流路940rの交差角度は、第1の実施形態と同様に41.11°ではあるものの、突起部940pが列毎に左右の異なる方向に僅かに傾いているため、流路に突起部940pの一部が突出していて、流体の突起部940pへの衝突する頻度は、第1の実施形態に比べてより高くなり、多数の微小な渦などを含む乱流を発生し、流体のせん断、撹拌、拡散、混合の効果は増すことになる。更には、ファインバブルの発生についても効果的なものとなる。なお、一側面に形成される複数の底面が菱形の突起部940pは、第1実施形態と同様に、上流から下流にかけて、3個、4個、3個、・・・、4個と14列形成され、ひとつの側面に49個あり、4つの側面の合計は196個となる。もちろん、この数も適宜に変更できる。複数の突起部940pの形状は、底面が菱形状の突起でなくても良く(例えば、三角形、多角形、その他)、その配列も図32A、図32Bから適宜(角度、間隔など)変更できる。
内部構造体940は、他の実施形態同様に、例えば、スチールやアルミのような金属からなる円柱部材を金属加工する方法又はプラスチックのような樹脂を成型する方法等によって形成される。あるいは、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することも可能である。金属の円柱軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。その製造工程としては、円柱状の内部軸体を準備する工程と、円柱状の内部軸体の一端部を角錐(第9の実施形態の場合は四角錐941)に形成する工程と、底面を角柱(第9の実施形態の場合は底面が正方形の四角柱942)の側面とし上面を円柱の外径位置とする交差流路940rを形成することにより、底面を角柱の側面とし、上面を円柱の側面とする複数の突起部940pを形成する工程とを有する。この場合、列毎に突起部940pの傾き角度を左右に変化させながら行う必要がある。円柱状の軸体を加工することによって、先頭に四角錐941が形成され、残部の部分には四角柱942が形成され、四角柱942の4つの側面に複数の突起部940pが形成される。複数の突起部940pは網状に配置され、その底面は、四角柱942の外表面(側面)と同じ面であり、上面は、もとの円柱状の内部軸体の外表面であり、総体として円弧上の高さとなって丸みを帯びている。本実施形態のその他の構成や作用は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、上記第3の実施形態、第5の実施形態、第7の実施形態において説明した突起部(340p、350p、540p、740p1、740p2)の配列を図32A、図32Bと同様に列毎に左右の異なる方向に僅かに傾くようにしてもよい。その場合は、流路に突起部の一部が突出していて、流体の突起部への衝突する頻度がより高くなり、多数の微小な渦などを含む乱流を発生し、流体のせん断、撹拌、拡散、混合の効果は増すことになる。更には、ファインバブルの発生についても効果的なものとなる。
(第10の実施形態)
次に、図33A乃至図35Bを参照して本発明の第10の実施形態に係る流体供給管1000について説明する。第2の実施形態と同一の構成については説明を省略し、差のある部分を詳細に説明する。図33Aは本発明の第10の実施形態に係る流体供給管1000の側面分解図であり、図33Bは流体供給管1000の側面透視図である。図34は流体供給管1000の内部構造体1040の3次元斜視図である。
図35Aは、内部構造体1040のひとつの側面を平面上にあらわして、三角錐1041と複数の突起部1040pの配列を示した図であり、上流側の三角錐1041はその頂角を例えば、90度とする。もちろん、この角度は適宜変更可能である。そして、下流側の三角柱1042の3つの側面には、第2の実施形態同様に、頂角41.11°の菱形(底面の形状)の突起部1040pが網状に形成される。なお、この頂角も適宜変更可能である。ただし、第2の実施形態と異なり、網状に形成された複数の突起部1040pは、僅かに傾いている。つまり、図35Bに示す通り、最も上流の5つの突起部1040pの底面の菱形は、その中心を軸に、内部構造体1040の軸体の長さ方向に対し左方向に僅かに(10.56°)傾いている。そして、次の列の4つの突起部1040pの底面の菱形は、その中心を軸に、内部構造体1040の軸体の長さ方向に対し右方向に僅かに(10.56°)傾いている。以下同様に、列毎に交互に左右方向に傾いている。勿論、この傾きの角度(10.56°)は、これに限られるものではない。したがって、本実施形態においては、複数の突起部1040pの間に形成される交差流路1040rの交差角度は、第2の実施形態と同様に41.11°ではあるものの、突起部1040pが列毎に左右の異なる方向に僅かに傾いているため、流路に突起部1040pの一部が突出していて、流体の突起部1040pへの衝突する頻度は、第2の実施形態に比べてより高くなり、多数の微小な渦などを含む乱流を発生し、流体のせん断、撹拌、拡散、混合の効果は増すことになる。更には、ファインバブルの発生についても効果的なものとなる。なお、一側面に形成される複数の底面が菱形の突起部1040pは、第2実施形態と同様に、上流から下流にかけて、5個、4個、5個、・・・、4個と14列形成され、ひとつの側面に63個あり、3つの側面の合計は189個となる。もちろん、この数も適宜に変更できる。複数の突起部1040pの形状は、底面が菱形状の突起でなくても良く(例えば、三角形、多角形、その他)、その配列も図35A、図35Bから適宜(角度、間隔など)変更できる。
内部構造体1040は、他の実施形態同様に、例えば、スチールやアルミのような金属からなる円柱部材を金属加工する方法又はプラスチックのような樹脂を成型する方法等によって形成される。あるいは、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することも可能である。金属の円柱軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。その製造工程としては、円柱状の内部軸体を準備する工程と、円柱状の内部軸体の一端部を角錐(第10の実施形態の場合は三角錐1041)に形成する工程と、底面を角柱(第10の実施形態の場合は底面が三角形の三角柱1042)の側面とし上面を円柱の外径位置とする交差流路1040rを形成することにより、底面を角柱の側面とし、上面を円柱の側面とする複数の突起部1040pを形成する工程とを有する。この場合、列毎に突起部1040pの傾き角度を左右に変化させながら行う必要がある。円柱状の軸体を加工することによって、先頭に三角錐1041が形成され、残部の部分には三角柱1042が形成され、三角柱1042の3つの側面に複数の突起部1040pが形成される。複数の突起部1040pは網状に配置され、その底面は、三角柱1042の外表面(側面)と同じ面であ、上面は、もとの円柱状の内部軸体の外表面であり、総体として円弧上の高さとなって丸みを帯びている。本実施形態のその他の構成や作用は、第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、上記第4の実施形態、第6の実施形態、第8の実施形態において説明した突起部(440p、450p、640p、840p1、840p2)の配列を図35A、図35Bと同様に列毎に左右の異なる方向に僅かに傾くようにしてもよい。その場合は、流路に突起部の一部が突出していて、流体の突起部への衝突する頻度がより高くなり、多数の微小な渦などを含む乱流を発生し、流体のせん断、撹拌、拡散、混合の効果は増すことになる。更には、ファインバブルの発生についても効果的なものとなる。
(突起部の変形例)
次に、図36を参照して、これまで説明してきたそれぞれの実施形態での複数の突起部(140p〜640p、350p〜550p、740p1、740p2、840p1、840p2、940p、1040p)の変形例につき、説明する。これまでの実施形態では、各突起部の側面は、平坦であったが、本変形例では、その側面に凹凸をつけて、流体の流れを変化させる。つまり、より複雑な流れとするものである。微細な流路を設けて、微小な渦を含む乱流を生じさせやすく、或いはより細い流路を形成することで、キャビテーション現象の誘発をより生じさせやすくする。具体的には、図36の(A)乃至(C)のように、水平方向に平行な凹凸をつける。あるいは図36の(D)のように、垂直方向に平行な凹凸をつける。図36(E)、(F)のように、垂直に、複数の曲面(断面が幾何学的な模様となる)をもつ凹凸をつける、更には、図(G)、(H)のように、複数の段差をつける。これらの凹凸形状は、金属または樹脂を、3次元プリンターを用いて形成することが可能である。また、金属の軸体を加工して作る場合は、切削、旋削、研削の加工を単独または組み合わせて行う。例えばエンドミルによる切削加工によることができる。或いは図36には、図示していないが、突起部側面に梨地模様などをつけることや、シボ加工(Texture Processing)もできる。これらは、エッチング処理や、サンドブラストなどの手法によって実現することができる。
(第11の実施形態)
次に、図37及び図38を参照して本発明の第11の実施形態に係る流体供給管用の内部構造体1140について、特にその組み立てについて説明する。なお、図示は省略しているが、内部構造体1140が収納固定される流体供給管の形状は、これまで説明した実施形態と同様である。
内部構造体1140においては、軸体、すなわち先端に四角錐1141を有し、それに繋がって一体的に形成される四角柱1142の各側面には、複数の穴1140hが形成されている。この穴1140hの配列は、4つの側面において、上流から下流にかけて、3個、4個、3個、・・・、4個と14列形成され、一つの側面に49個の穴1140hが開いている。従って、4つの側面の全部の穴は合計196個となる。勿論、この穴1140hの数や形状(図37では一定の深さの角穴となっている)、配列の仕方は適宜変更できる。この穴1140hの一つずつに、取り付け足(或いは取り付けピン)1140p−fを有する突起部1140pを夫々挿入して取り付ける。従って、各穴1140hの形状、深さは、突起部1140pの取り付け足1140p−fと対応した形状である。この穴1140hへ取り付け足1140p−fを挿入して固定するのは、人手によっても自動機械によってもよい。なお、取り付け足1140p−fは、図37では、角柱状としてあるが、円柱状としてもよいし、更にはその他の形状としてもよい。また挿入し固定する際には、圧入したり、或いは嵌入或いは嵌合したりするようにしてもよい。
複数の突起部1140pについては、他の実施形態と同様に、底面が、例えば菱形であり、上面が円柱の表面の一部または、上面形状も単純に菱形平面として、全体として四角柱(菱形角柱)としてもよい。その高さを、段階的に調節すると、第1の実施形態の図4の如く、総体として円弧の一部になるようにすることもできる。更には、一部の高さを固定することで、第7の実施形態の例えば図28の如くすることもできる。
更に、複数の突起部1140pの配列を、穴1140h及び取り付け足1140p−fの少なくとも一方に方向性をもたせて、第9の実施形態の例えば図31のように、突起部1140pの方向が軸体の長さ方向に平行からずれて、交互に僅かに傾いているようにすることもできる。
図38は、取り付け足を有する突起部の種々の形態を示す図である。(A)は、すでに図37にて説明した突起部1140pであり、側面は平坦である。これに対し、(B)乃至(M)の変形例では、その側面に凹凸又は段差をつけて、流体の流れを変化させる。つまり、より複雑な流れを誘発するものである。微細な流路を設けることによって、微小な渦を含む乱流を生じさせやすく、或いはより細い流路を形成することで、キャビテーション現象の誘発をより生じさせやすくする。具体的には、図38の(B)乃至(E)のように、水平方向に平行な凹凸をつける。あるいは図38の(F)のように、垂直方向に平行な凹凸をつける。(G)、(H)のように、垂直に、複数の曲面(断面が幾何学的な模様となる)をもつ凹凸をつける。更には、(I)、(J)のように、一乃至複数の段差をつける。(K)のように、菱形から外れて、4枚の花弁のような形状とすることや、(L)、(M)のように、基本的には円柱であって、側面に凹凸の溝が垂直方向につけられている。更には、図示していないが、突起部側面に梨地模様などをつけることや、シボ加工(Texture Processing)もできる。突起部が個別構成となっているので、突起部に加工を施すことは、一体形成されていた他の実施形態より簡単であり、切削、旋削、研削などの加工や、エッチング処理や、サンドブラスト処理が簡単に行える。
以上では、四角錐1141を有し、それに繋がって一体的に形成される四角柱1142を準備するとともに、複数の突起部1140pを準備し、四角柱1142に対して、突起部1140の取り付け足1140p−fを各穴1140hに挿入することにより複数の突起部1140pを表面に網状に配列して形成することで内部構造体1140を製造できることを説明した。この場合、内部軸体としては、四角錐1141とそれに繋がる四角柱でなくともよく、例えば、第2実施形態(図7)や第8実施形態(図29)で説明した、三角錐とそれに繋がる三角柱の形状をしたものであってもよく、或いは、その他の実施形態に係る内部軸体に対しても適用できる。また、角錐の形状と多角柱の形状とは適宜変更できる(例えば、5角錐と5角柱の組合せ、6角錐と6角柱の組合せなど)。更に、内部構造体の軸体の材質と突起部の材質とを異ならせることも容易に可能である。例えば、樹脂製の軸体を用意し、それに対して突起部を金属材料で作り、突起部を軸体の穴に挿入し固定するようにしてもよい。
(第12の実施形態)
次に、図39A及び図39Bを参照して本発明の第12の実施形態に係る弾性材料で形成された内部構造体と管本体とから成る流体供給装置を説明する。これまでの実施形態では、内部構造体や管本体は、金属製或いは樹脂製であっても弾性変形しないものを前提として説明してきた。本実施形態では、これら内部構造体1240、管本体1210を、弾性材料を用いて形成した流体供給管1200を説明する。
本実施形態の内部構造体や管本体の弾性材料として、エラストマー材料、例えば、これに限定されるものではないが、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、更にはセラミック等を用いることができる。これらの弾性材料で内部構造体を製造するには、後述の第14の実施形態で説明する射出成型(インジェクションモールディング)による方法や、3Dプリンターによる方法も採用できる。これらの手法で製造された内部構造体1240は弾性力をもつため、ホースなど可撓性のある物品にこの流体供給管1200を接続する(この場合、管本体も弾性材料で形成する)ことや、かかる物品に一体的に流体供給管1200を内装設置することができる。図39Aにあるように、流体供給管1200は、これまで説明した他の実施形態同様に、流体が流入する流入口1211と、流体が流出する流出口1212とを有し、断面円形の内部壁面を有する中空の管本体1210と、管本体1210に収納固定される複数の側面(図39Aのものは4面であるが、3面であっても、それ以上の複数の面を有してもよい)を備えた角柱状の軸体(図39Aでは四角柱1242)である内部構造体1240とを有する。管本体1210及び内部構造体1240は、弾性を有する弾性材料で形成され、全体的に弾性変形する。例えば、管本体1210はホース形状であってもよい。内部構造体1240の流入口側には、角錐(図39Aでは、四角錐1241)が設けられる。この角錐の形状も、軸体の有する角柱の側面の数に合わせて適宜変更できる。四角柱1242の側面には、これまで説明した他の実施形態同様に、複数の突起部1240pが網状に配列され、内部構造体1240の四角柱1242の側面と管本体1210の内部壁面との間であって、複数の突起部1240pの間に形成される空間が流体の流路となる。流体は、管本体1210の流入口1211から供給され、四角錐1241にて四角柱1242の各側面に分散される。そして、複数の突起部1240pの間の流路1240rを通過することにより流動特性が与えられる。しかる後、流体は流出口1212から流出する。
このように、本実施形態にあっては、管本体1210及び内部構造体1240がともに弾性力をもち、流体供給管1200を、全体として屈曲する必要がある用途(屈曲可能なホース、例えば洗浄用ホースに内蔵するなど)に使用することができる。また、内部部構造体1240のみを弾性力をもたせて屈曲した形状で、弾性力を備えていない管本体1210に収納することもできる。例えば、スペースがないシャワーヘッドや、蛇口その他流体の吐出装置にも、内部構造体1240を屈曲した形状で利用できる。
図39Bは、第12の実施形態(図39A)の変形例であり、流体供給管1200Aの内部構造体1240Aに設けられた複数の突起部1240pは複数列形成され、その列ごとに、突起部1240pの方向が、内部構造体1240Aの軸体の長さ方向から左右方向に、交互に、第9の実施形態の如く僅かに傾いている(例えば図32A及び図32B参照)。本変形例においては、突起部1240pが列毎に左右の異なる方向に僅かに傾いているため、流路に突起部1240pの一部が突出していて、流体の突起部1240pへの衝突する頻度は、図39Aのものに比べてより高くなり、多数の微小な渦などを含む乱流を発生し、流体のせん断、撹拌、拡散、混合の効果は増すことになる。更には、ファインバブルの発生についても効果的なものとなる。
(第13の実施形態)
次に図40A、図40Bを参照して、本発明の第13の実施形態を説明する。本実施形態では、複数の内部構造体が連結されて流体供給管1300が構成される。管本体1310の中には、複数の内部構造体1340−1、1340−2が配置される。図40A、図40Bでは、2つであるが、それに限らず3つ以上の内部構造体を連ねることもできる。
管本体1310の上流部に設けられた内部構造体1340−1には、先頭に角錐(図40Aでは、四角錐1341)が設けられる。この角錐の形状も、軸体の有する角柱の側面の数に合わせて適宜変更できる。四角柱1342の側面には、これまで説明した他の実施形態同様に、複数の突起部1340pが網状に配列され、内部構造体1340−1の四角柱1342の側面と管本体1310の内部壁面との間であって、複数の突起部1340pの間に形成される空間が流体の流路1340rとなる。図40Aでは、突起部1340pが列毎に左右の異なる方向に僅かに傾いているため、流路に突起部1340pの一部が突出しているが、突起部1340pが、軸体の長さ方向に対して、すべて平行にあるようにしてもよい。そして、この内部構造体1340−1と下流の内部構造体1340−2とは、角柱形状(図40Aでは四角柱)の連結部1350を経由して接続される。なお、この連結部材1350の形状は、円柱形状であってもよい。そして、下流の内部構造体1340−2は、上流の内部構造体1340−1の四角柱1342の部分の構成と同じであり、その機能も同様であるが、内部構造体1340−1の四角柱1342と、内部構造体1340−2とは相対的に回転して両者が接続されている。つまり、例えば、図40Aの通り、相互に90度の回転がなされて接続されている。このような回転して接続することで、上流の内部構造体1340−1の4つの側面1342での個別の流動特性が付与された流体が、下流の内部構造体の1340−2の別の複数の側面に混合して供給されて、より複雑な流体の流れとなり、流動特性の付与により大きな影響を与える。
図40Aで示した管本体1310と複数の内部構造体1340−1、1340−2が弾性の特性を有する場合の変形例を図40Bに示す。このように、管本体1310と複数の内部構造体1340−1、1340−2を弾性材料で構成した流体供給管1300Aにあっては、全体的に弾性変形、或いは屈曲変形が可能であり、可撓性のホースに接続したり、或いは、ホースの内部に設けたりすることもできる。なお、最下流の内部構造体(図40A或いは図40Bでは、内部構造体1340−2)の下流側に角錐(図40A或いは図40Bの場合には四角錐)を一体的に設けて流体を中心に誘導するようにしてもよい。
(第14の実施形態)
次に、本発明の第14の実施形態に係り、内部構造体を射出成型(インジェクションモールディング)によって製造する方法を、図41乃至図43Bを参照して説明する。図41は分割された分割内部構造体を射出成型にて製造する工程を示す図である。特にプラスチックなどの材料で部分内部構造体1410を射出成型する。本実施形態では、上述した実施形態での三角柱の軸体をもつ内部構造体の1/3の部分内部構造体1410を形成する。
図41において、上側金型UPPERと下側金型LOWERとの間に、上面注入口(図示せず)から樹脂を、空洞CABITYに注入して固化した後、複数のエジェクタピンEJによって押し出して取り出すことになる。この場合、上側金型UPPERには、部分内部構造体1410の三角錐の1/3部分の形状を形成する凸部、三角柱の側面に形成される突起部(凸部)と流路(凹部)の凸凹が反転した形状の凹部(空洞CABITY)と凸部である平面が形成されている。また、下側金型LOWERには1/3の三角柱を形成するV字形の凹部が形成されている。
図42は、このような射出成型によって形成された1/3の分割内部構造体1410の側面図を示し、図43A、図43Bは、夫々別の角度からの1/3の分割内部構造体1410の3次元斜視図である。このように、本実施形態では、三角柱の軸体の内部構造体の1/3の部分内部構造体1410が射出成型で得られるため、3つの分割内部構造体1410を結合(具体的には、接着、溶着、圧着など)して、一つの内部構造体を構成することができる。その結果、分割内部構造体1410が複数結合されて一つに形成された内部構造体は、複数の側面を有する角柱状であって、夫々の側面には、複数の突起部が網状に配列されてなる。この場合、射出成型で使用する材料によっては、結合されて一つになった内部構造体に弾性をもたせることができる。
以上説明した例では、1/3の分割内部構造体を射出成型したが、内部構造体の分割の仕方は各種あり、例えば、四角柱の軸体の内部構造体の場合、1/2の分割内部構造体を射出成型した後、2つの分割内部構造体を結合してひとつの内部構造体としてもよい。また、1/4の分割内部構造体を射出成型して、それら4つの分割内部構造体を結合して、四角柱の軸体である一つの内部構造体を構成することができる。その他の多角柱の軸体をもつ内部構造体の場合も、適宜の数の分割内部構造体を結合して、一つの内部構造体とすることができる。
以上、本発明を、複数の実施形態を利用して説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることではない。例えば、内部構造体(外側内部構造体)を三角柱、四角柱となるようにしたが、これに限らず5つ以上の側面がある角柱(五角柱以上)であっても、上述した実施形態と同様に、各側面に網状に複数の突起部を形成して、その間に交差流路を設ければよい。また、内側内部構造体も、五角柱以上の形態をとってもよい。外側内部構造体に形成する中空の空洞の形状に合わせて、外側内部構造体の角柱と異なる側面数をもつ角柱や円柱も採用できる。つまり、例えば、外側内部構造体の角柱が四角柱であっても、内側内部構造体の角柱を三角柱とすることも可能である。また、外側内部構造体を六角柱として、内側内部構造体を円柱としてもよい。更に、角柱側面に形成する突起部の大きさを上流から下流にかけて同じサイズのものとしたが、これに限らない。具体的には、上流側の突起部は大きくし、下流側の突起部は小さくすることができる。例えば、14列の突起部(図5A、図5B、図8B、図13A、図13B、図18A、図18B、図32A、図32B、図35A,図35B、図37、図39A、図39B、図40A、図40B参照)の前半7列については、より小さいサイズの突起部(菱形底面の各辺を短くする)を設け、後半は図示の通りとするといったようにすることもできる。また、第3乃至第6の実施形態では、内側内部構造体と外側内部構造体の2つの部材(2層)を管本体に収納するようにしたが、内部構造体を3つ(3層)以上の部材とし、これらを組み合わせて収納し使用することもできる。具体的には、例えば、大、中、小の3つ(3層)の内部構造軸体を用い、夫々の側面には、複数の交差流路を形成して複数の突起部を網状に設け、小の内部構造体を中空の空洞を有する中の内部構造体の中に収納固定し、この小と中の一体化した内部構造体を中空の空洞を有する大の内部構造体の中に収納固定するようにする。
本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、上記説明及び関連図面から本発明の多くの変形及び他の実施形態を導出することができる。本明細書では、複数の特定用語が使われているが、これらは一般的な意味として単に説明の目的のために使われただけであり、発明を制限する目的で使われたものではない。添付の特許請求の範囲及びその均等物により定義される一般的な発明の概念及び思想を抜け出さない範囲で多様な変形が可能である。
1 マシニングセンター
W 被加工物
G 工作箇所
2 刃物
5−1〜5−6 ノズル
P、100、200、300、400、500、600、900、1000、1200、1200A、1300,1300A 流体供給管
110、1210、1310 管本体
120 流入側部材
130 流出側部材
140、240、340、440、540、640、740、840、940、1040、1140、1240、1240A,1340−1、1340−2 内部構造体
350、450、550 第2の内部構造体(内側内部構造体)
140p、240p、340p、350p、440p、450p、540p、550p、640p、940p、1040p、1140p、1240p、1340p 突起部
740p1、840p1 高い突起部
740p2、740p2 低い突起部
140r、240r、340r、350r、440r、450r、540r、550r、640r、740r、840r、940r、1040r、1240r、1340r (交差)流路
141、351、741、941、1141、1241、1341 四角錐
241、451、841、1041 三角錐
542 截頭四角錐
643 截頭三角錐
341、441、541、641 空洞
1350 連結部
1140h 穴
1140p−f 取り付け足(取り付けピン)
1410 分割内部構造体
UPPER 上側金型
LOWER 下側金型
CABITY 空洞
EJ エジェクタピン

Claims (28)

  1. 流体が流入する流入口と、流体が流出する流出口とを有し、断面円形の内部壁面を有する中空の管本体と、
    管本体に収納固定される複数の側面を有する角柱状の軸体である内部構造体と、
    を有し、
    内部構造体の側面には、複数の突起部が網状に配列され、
    内部構造体の側面と管本体の内部壁面との間であって、複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、流体が、管本体の流入口から供給され流出口から流出する間に、複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられ
    内部構造体の各側面に設けられる複数の突起部の上面の高さは、管本体の内部壁面の円弧にあわせて、総体として、中心が高く、外に向かって低くなることを特徴とする、
    流体供給装置。
  2. 角柱状の内部構造体の流入口側には角錐が設けられて、流入される流体を複数の側面に分散させて供給するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の流体供給装置。
  3. 内部構造体は、三角柱状又は四角柱状の軸体であって、内部構造体に設けられる角錐は、三角錐又は四角錐であることを特徴とする請求項2に記載の流体供給装置。
  4. 複数の突起部の間に形成される流路は、上流から下流にかけて左斜め上流から右斜め下流への方向の流路と、右斜め上流から左斜め下流への方向の流路の2本の流路が交差する交差流路であり、この2本の流路に対して流体は同じ速度の流れとなることを特徴とする請求項1に記載の流体供給装置。
  5. 突起部の底面形状は菱形であり、この菱形の鋭角の2頂点が内部構造体の軸体の長さ方向に平行にあることを特徴とする請求項1に記載の流体供給装置。
  6. 突起部は複数列形成され、その列ごとに、突起部の方向が、内部構造体の軸体の長さ方向から左右方向に、交互に、僅かに傾いていることを特徴とする請求項1に記載の流体供給装置。
  7. 突起部の底面形状は菱形であり、この菱形の中心を軸に内部構造体の軸体の長さ方向から、僅かに傾いていることを特徴とする請求項6に記載の流体供給装置。
  8. 突起部の上面形状は、円柱の側面の一部の曲面であり、この円柱の半径は管本体の円形断面の半径と同じか僅かに小さいことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の流体供給装置。
  9. 複数の突起部の側面には、凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の流体供給装置。
  10. 複数の突起部の側面には、一乃至複数の段差が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流体供給装置。
  11. 内部構造体は、弾性を有する弾性材料で形成され、全体的に弾性変形することを可能とする請求項1に記載の流体供給装置。
  12. 管本体及び内部構造体は、ともに弾性を有する弾性材料で形成され、管本体とともに内部構造体が弾性変形することを可能とする請求項11に記載の流体供給装置。
  13. 複数の突起部の間にある流路の断面積が、上流の流路の断面積より小さく、複数の突起部の間にある流路を流れる流体の静圧力を低くすることにより、キャビテーション現象を誘発して、微小バブルを発生させることを特徴とする請求項1に記載の流体供給装置。
  14. 流体が突起部と突起部との間の流路を流れる間に、(i)多数の微小バブルを発生するか、(ii)複数の流体を混合するか、(iii)流体を撹拌・拡散するかの、少なくとも一つの流動特性を与えることを特徴とする請求項1に記載の流体供給装置。
  15. 角柱状の軸体である内部構造体は中空であり、
    この内部構造体の中空に、第2の内部構造体が収納固定され、
    この第2の内部構造体の外表面には、複数の突起部が網状に配列され、
    第2の内部構造体の外表面と中空の内部構造体の内部壁面との間であって、複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、
    流体が、管本体の流入口から供給され流出口から流出する間に、第2の内部構造体の複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の流体供給装置。
  16. 角柱状の内部構造体に設けられる中空は角柱状であって、第2の内部構造体は、複数の側面を有する角柱状の軸体であり、複数の突起部は角柱状の軸体の側面に設けられていることを特徴とする請求項15に記載の流体供給装置。
  17. 角柱状の内部構造体に設けられる中空は円柱状であって、第2の内部構造体は、円柱状の軸体であり、複数の突起部は円柱状の軸体の側面に設けられていることを特徴とする請求項15に記載の流体供給装置。
  18. 複数の突起部の高さは、一部が低くなっていて、流体の圧力損失を防ぐようになっていることを特徴とする請求項1に記載の流体供給装置。
  19. 請求項1乃至18のいずれかの流体供給装置に、冷却水を流入し、所定の流動特性を与えてから工具や被加工物に吐出させて、冷却するようにした工作機械。
  20. 請求項1乃至18のいずれかの流体供給装置に、水や湯を流入し、所定の流動特性を与えてから吐出させるようにして洗浄効果を高めるようにしたシャワーノズル。
  21. 請求項1乃至18のいずれかの流体供給装置に、複数の異なる特性の流体を流入し、所定の流動特性を与えて、この複数の流体を混合したのち吐出させるようにした流体混合装置。
  22. 請求項1乃至18のいずれかの流体供給装置に、水を流入し、溶存酸素を増加させてから吐出させる水耕栽培装置。
  23. 円筒形の内部壁面をもつ収納体に収納されて、流体に対し流動特性を与える内部構造体であって、
    内部構造体は、複数の側面を有する角柱状の内部軸体を有し、
    内部軸体の側面には、複数の突起部が網状に配列され、
    複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、
    流体が、複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられ
    内部構造体の各側面に設けられる複数の突起部の上面の高さは、収納体の内部壁面の円弧にあわせて、総体として、中心が高く、外に向かって低くなることを特徴とする、
    内部構造体。
  24. 角柱状の内部軸体は中空であり、
    この内部軸体の中空に、第2の内部軸体が収納固定され、
    この第2の内部軸体の外表面には、複数の突起部が網状に配列され、
    第2の内部軸体の外表面と中空の内部軸体の内部壁面との間であって、複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、
    流体が、第2の内部軸体の複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられる、
    ことを特徴とする請求項23に記載の内部構造体。
  25. 角柱状の内部軸体に設けられる中空は角柱状であって、第2の内部軸体は、複数の側面を有する角柱状の軸体であり、複数の突起部は角柱状の軸体の側面に設けられていることを特徴とする請求項24に記載の内部構造体。
  26. 角柱状の内部軸体に設けられる中空は円柱状であって、第2の内部軸体は、円柱状の軸体であり、複数の突起部は円柱状の軸体の側面に設けられていることを特徴とする請求項24に記載の内部構造体。
  27. 円筒形の内部壁面をもつ収納体に収納されて、流体に対し流動特性を与える内部構造体であって、
    内部構造体は、複数の内部構造体が連結されて形成され、
    各内部構造体は、
    複数の側面を有する角柱状の内部軸体を有し、内部軸体の側面には、複数の突起部が網状に配列され、複数の突起部の間に形成される空間が流体の流路となり、流体が、複数の突起部の間の流路を通過することにより流動特性が与えられ、
    内部構造体の各側面に設けられる複数の突起部の上面の高さは、収納体の内部壁面の円弧にあわせて、総体として、中心が高く、外に向かって低くなっており、
    複数の内部構造体は、相対的に回転した角度で連結されていることを特徴とする、
    内部構造体。
  28. 各内部構造体は、弾性を有する弾性材料で形成され、全体的に変形することを可能とする請求項27に記載の内部構造体。
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