JP6778934B2 - 希少糖由来二次的生産物由来素材 - Google Patents

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Description

本発明は、希少糖由来二次的生産物由来素材に係り、光触媒反応を用いて生成された希少糖を由来とする希少糖由来二次的生産物を由来とする希少糖由来二次的生産物由来素材に関する。
希少糖は自然界に稀にしか存在しない単糖及びその誘導体と定義されている。天然に豊富に存在する単糖はD‐グルコースを始めとする数種類の限られた糖のみであり、その他の50種類以上はすべて希少糖と呼ばれる。近年、希少糖は、生体への安全性が高い糖骨格の化学構造を持ちながら、グルコースとは異なり代謝されにくい性質があることから、低カロリー甘味料として期待されている。また、希少糖の中には有用な生理活性を有するものもあり、産業的利用価値は極めて高い。しかし、希少糖を工業的に製造する方法としては、高純度で安価で大量に製造可能な方法については、未だ有効な手段がないのが現状である。
希少糖を体系的に製造する方法としては、香川大学の何森教授らが発明した糖異性化酵素による画期的な方法が開示されている(特許文献1)。しかし、この方法は、製造過程において、工業製法としては高価である酵素触媒を用いて糖の変換を行なっており、安価な希少糖製造法という点において課題が残る。
希少糖を化学合成する方法としては、現実的に入手できる安価な炭素原料を考慮すると、二炭素あるいは三炭素の化合物からの増炭反応か、六炭糖からの減炭反応が考えられる。しかし、増炭反応による方法は、糖が有する不斉炭素の多い構造上の特徴により、立体化学を制御するための有機合成化学の高度な技術が必要であり、工業的な大量合成法として確立することは非常に困難である。
減炭反応による方法のうち、一炭素減炭反応による方法では、D‐アラビノ酸カルシウムを過酸化水溶液で酸化する方法が開発されている(非特許文献1)。しかしこの方法は、酸化のために大量の過酸化水素を必要とする。他の方法ではD‐アラビノースオキシムを分解して製造する方法があるが、酢酸化アルドノニトリルを経由するため低収率である(非特許文献2)。四酢酸鉛を用いたD‐グルコースの酸化による方法も知られている(非特許文献3)。しかし、この方法は多段階の複雑な処理を必要とし、工業的製造法としては不適である。
六炭糖からの二炭素を減炭する方法では、コバルト、ニッケル及びルテニウムなどの金属塩の存在の下、グルコン酸塩の水溶液を過酸化水素で酸化する方法として、87%の極めて高収率にD‐エリトロースを製造している(特許文献2)。しかしながらこの方法は、酸化のために大量の過酸化水素を必要とする。さらには食品添加物あるいは医薬品として応用する際に伴う健康被害や毒性による副作用の危険性を考慮すると、コバルト、ニッケル及びルテニウムなどの金属塩の存在は望ましくない。六炭糖からの二炭素を減炭する他の方法では、D‐グルコースを分解してD‐エリトロースを製造する方法として、超臨界状態あるいは亜臨界状態の水を溶媒として用い、D‐グルコースの希薄溶液(0.1〜10%)を高温(200〜800℃)高圧下(2〜90MPa)に処理する製造法が示されている(特許文献3)。この方法の収率と選択性は目覚ましいものではないが、大型の特殊設備が必要である。
光触媒を用いた糖の変換では、一炭素減炭反応による方法があり、D‐グルコース(六炭糖)を光触媒により分解することでD‐アラビノース(五炭糖)及びD‐エリトロース(四炭糖)が生成することが報告されている(非特許文献4)。しかし、上記のようなアルドースに対する光触媒反応の分解速度は遅く、目的の生成物は低収量となり、実用化は困難である。さらには、二炭素減炭された四炭糖を得る場合にはD‐グルコースからD‐アラビノースを経てD‐エリトロースを生成するため、四炭糖の収量としては極微量である。
以上のように、希少糖を含む単糖の有効な工業的製造法は確立しておらず、市販価格も非常に高価なものとなっている。そのため、キシリトールやエリスリトールなどの一部の例外を除いて、市場への供給量は非常に少なく、現在、甘味料や食品添加物、機能性食品として市場へ流通するには至っていない。近年、希少糖を含む単糖の生物学的意義が見直され、応用研究も盛んに行われるようになり、様々な生理活性も見つかりつつある(非特許文献5)。今後、さらに産業的に重要な特性が見つかる可能性も高く、希少糖を安価に大量生産する技術の確立は急務である。
特開2008−109933号公報 特開平10−84907号公報 特開平10−298192号公報
Ruff,Berichte der Deutschen Chemischen Gesellshaft 32(1899)553−554 Wohl A.,Ber.,Vol.65,168,1893 Whistler R.L.et.al.,Methods in Carbohydrate Research,Academic Press,Vol.1,64−66,1962 R.Chong et.al.,Journal of Catalysis,314,101−108,2014 LI−LI LIU et.al.,Oncol Lett.2015 Feb;9(2):769−773
これまでに知られている希少糖を含む単糖の製造法は、二炭素あるいは三炭素の化合物からの増炭反応経路では立体化学の制御と有機合成化学の高度な技術が必要であること、減炭反応経路では収率が低いこと、大量の酸化剤(過酸化水素など)や有害金属を必要とすること、精製が困難である、などの欠点がある。希少糖に期待される食品、化粧品、および医療品への用途を考慮した場合、安全性や大量合成の観点から工業的製造法には不適である。事実として、広く商業的に流通している高純度の希少糖は、キシリトールやエリスリトールなどの例外を除いて存在しておらず、一部で流通している研究試薬としての価格も非常に高価なものとなっている。
希少糖に期待される用途は、医薬品、食品、化粧品、有機合成のビルディングブロック等、多岐に渡るものの、安全で高純度の希少糖が入手困難である点が、市場流通における大きな障害となっている。したがって本発明は、高純度で安全性の高い希少糖を工業的に製造する方法を提供し、得られた希少糖を由来とする安全性の高い希少糖由来二次的生産物を提供するとともに、希少糖由来二次的生産物を由来として食品、機能性食品、甘味料、食品添加物、化粧品、医薬品および医薬品または化成品の原料中間体のいずれかとされた希少糖由来二次的生産物由来素材を提供することを目的とする。
本発明は、上記のような従来技術に伴う商業的困難を解消するために創案されたものである。酸化チタンに代表される光触媒を利用した光触媒反応は、強力な酸化力を有することが知られている。しかし、光触媒反応を糖分解に応用した例であるグルコース(六炭糖)を光触媒反応で分解する方法では、アラビノース(五炭糖)を経て、エリトロース(四炭糖)が生成される一炭素ずつの減炭反応となるため、希少糖の一つであるエリトロース生成量は微量であり、実用に値しないものであった。本出願人らは、光触媒反応による糖分解の研究を進めていく中で、光触媒反応の原料に糖アルコールを用いると、二炭素の減炭反応を優先的に引き起こすことができ、六炭糖の糖アルコールから希少な四炭糖を効率良く製造できることを見出した。さらには、光触媒である酸化チタンに対し、糖の酸化反応に適当な金属を担持させることにより、触媒反応速度を飛躍的に向上させることができることを見出した。この方法により、従来法であるグルコースを原料として光触媒反応を用いた場合に比較して、エリトロースを始めとする四炭糖の生成量を飛躍的に向上させることに成功した。また、この糖アルコールを原料とした光触媒反応では、副産物として別の六炭糖への変換や光学異性体への変換が一部起きることもわかり、これを利用した新たな糖変換方法としても有用な技術であることを見出した。また、本発明方法によって得られた希少糖含有組成物は安全性が高いので、当該希少糖を由来とする希少糖由来二次的生産物が有用であることを見出した。
本発明の第1の態様の希少糖由来二次的生産物由来素材は、D‐エリトロース35.5%、L‐トレオース6.9%、L‐グロース3.8%、D‐グルコース4.0%、D‐アラビノース4.3%、L‐キシロース7.5%(百分率は原料のD‐グルシトールに対する生成率)を含む希少糖由来二次的生産物を含むことによって、食品、機能性食品、甘味料、食品添加物、化粧品、医薬品および医薬品または化成品の原料中間体のいずれかとされたことを特徴とする。
本発明の第2の態様の希少糖由来二次的生産物由来素材は、D‐エリトロース38.5%、D‐マンノース4.9%、D‐アラビノース9.8%(百分率は原料のD‐マンニトールに対する生成率)を含む希少糖由来二次的生産物を含むことによって、食品、機能性食品、甘味料、食品添加物、化粧品、医薬品および医薬品または化成品の原料中間体のいずれかとされたことを特徴とする。
光触媒技術を用いた本発明によって、従来入手困難であった四炭糖の希少糖であるエリトロースおよびトレオース、及びその他の希少糖を、高純度で安全性の高い形で提供できることとなる。光触媒反応で用いる酸化チタンは低価格で入手が容易である上、繰り返し利用が可能であり、工業生産に適した触媒である。さらに、光触媒反応は光触媒と光があれば進む反応であるため、工業的に汎用される簡易な装置構成で実現できる点も工業生産に適している。また、酸化チタン自体の安全性も高いが、光触媒反応は光照射と光触媒(酸化チタン)のみがあれば、水溶液中で進む反応であり、有機溶媒等、毒性の高い物質を全く使わない点でも安全性が高い。したがって、本発明によって提供されるエリトロースおよびトレオース、及びその他の希少糖は、大量生産が可能で、特に食品、化粧品、医薬品の用途に適応させやすい点で大きな産業的意義がある。具体的には、本発明方法によって得られた希少糖含有組成物は安全性が高いので、当該希少糖を由来とする安全性の高い希少糖由来二次的生産物を安価にしかも大量に提供することができる。更に、本発明によって得られた希少糖由来二次的生産物は多方面に利用することができ、D‐エリトロース35.5%、L‐トレオース6.9%、L‐グロース3.8%、D‐グルコース4.0%、D‐アラビノース4.3%、L‐キシロース7.5%(百分率は原料のD‐グルシトールに対する生成率)を含む希少糖由来二次的生産物またはD‐エリトロース38.5%、D‐マンノース4.9%、D‐アラビノース9.8%(百分率は原料のD‐マンニトールに対する生成率)を含む希少糖由来二次的生産物を含むことを特徴とする食品、機能性食品、甘味料、食品添加物、化粧品、医薬品および医薬品または化成品の原料中間体のいずれかとされた希少糖由来二次的生産物由来素材を提供することができる。
本発明の希少糖製造方法の実施形態における従来法(原料:グルコース)と本発明(原料:糖アルコール)の反応効率の比較 本発明の希少糖製造方法の実施形態において、用いる光触媒に金属を担持することによる希少糖生成比率への促進効果 本発明の希少糖製造方法の実施形態によって得られた糖の種類と組成
本発明において糖アルコールとは、単糖のカルボニル基が還元されてヒドロキシ基になった構造の物質を包括的に指すものであり、炭素数は問わず、全ての糖アルコールに適用される。また、糖アルコール原料として、単糖を常法により還元し水素化したものを用いてもよい。単糖の水素化による糖アルコールへの変換については、一般的な化学還元剤を用いて収率良く還元できる方法が汎用されているのでそれを利用することができる。
本発明の光触媒による糖アルコール水溶液の酸化反応は、光触媒の有する強力な酸化力により、優先的に二炭素減炭反応を引き起こすことができる。化1に示したように、この二炭素減炭反応は、糖アルコールの両側の末端から進行する。このとき、減炭された側の末端の炭素のヒドロキシ基はアルデヒド基となり、残りの炭素のヒドロキシ基は立体構造を維持する。この反応の立体化学特性を利用すれば、糖アルコールの種類を変えることにより、任意の四炭糖(アルドテトロース)あるいは三炭糖(グリセルアルデヒド)を製造することができる。例えば、D‐グルシトール(一般名D‐ソルビトール)を原料として用いた場合、C1位とC2位の炭素が減炭されたD‐エリトロースと、C6位とC5位の炭素が減炭されたL−トレオースの2種類の四炭糖が生成される。同様に、D‐マンニトールを原料とすれば、両方の二炭素減炭反応においてD‐エリトロースが生成され、D‐イジトールを原料とすれば、両方の二炭素減炭反応においてD‐トレオースが生成される。さらに例を挙げれば、メソ体のキシリトールからはDL‐グリセルアルデヒドが生成され、D‐アラビニトールからはD‐グリセルアルデヒド、L‐アラビニトールからはL‐グリセルアルデヒドが生成される。なお、この二炭素減炭反応は上に例示した糖アルコールに限定されるものではなく、他の糖アルコールにも適用できる。
本発明の光触媒による糖アルコールの酸化反応は、上記の二炭素減炭反応の他に、収量は低いものの、副産物として別の糖も生成する。化2に示したように、単糖ではアルデヒド基であるC1位とは逆の末端、すなわち六炭糖の糖アルコールのC6位(五炭糖ならC5位、四炭糖ならC4位)のヒドロキシ基を酸化することによりアルデヒド基が生じ、その結果、光触媒酸化を受けにくいアルドースの構造となり、副産物として残存する。このとき他の立体構造の変化は起きず、そのまま維持される。この反応の立体化学特性を利用すれば、単糖を還元し糖アルコールとした後、光触媒酸化反応を行うことによって、糖を同じ炭素数の別の糖に変換、あるいは、別の立体異性(D体またはL体)への変換ができる。例えば、D‐グルコースを還元し、D‐グルシトール(一般名D‐ソルビトール)を光触媒により酸化すれば、一部をL‐グロース(別の六炭糖)に変換することができる。同様に、D‐グロースからはL‐グルコース、D‐アルトロースからはD‐タロース、D‐タロースからはD‐アルトロース、D‐アラビノースからはD‐リキソース、D‐リキソースからはD‐アラビノースがそれぞれ生成される。さらに例を挙げれば、メソ体のキシリトール、及びメソ体のエリスリトールからはDL‐キシロース、及びDL‐エリトロースがそれぞれ生成される。なお、この糖アルコールを介した糖変換反応は、上に例示した糖に限定されるものではなく、他の単糖及び糖アルコールにも適用できる。
本発明における光触媒反応とは、原料と光触媒に対し、その光触媒の光吸収特性および光反応活性に対応した紫外光から可視光領域の波長の光照射することによって行われる化学反応である。本発明における光触媒とは、基本原理として半導体性物質であれば、光触媒として光触媒反応を実施する事ができる。代表的な光触媒の例としては、酸化チタン、酸化タングステン、酸化スズ、チタン酸ストロンチウム、酸化ニオブ、タンタル酸カリウム、酸化ジルコニウム等がある。本発明における反応容器および光照射装置については、既存の光化学反応で常用される設備を適宜用いることができる。
本発明の好ましい光触媒反応では、糖アルコール1種類あるいは複数の糖アルコールを含有する水溶液に対し、酸化チタン、好ましくは金属担持した酸化チタン存在下において、紫外光から可視光領域の波長を光照射することで実施される。
本発明の好ましい金属担持酸化チタンの金属種については、貴金属であれば、酸化チタンに担持して用いることで、光触媒の二炭素減炭反応効率を上昇させることができる。貴金属とは、具体的には白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)である。好ましくは、糖の化学変換に対して高い光触媒活性を示す白金(Pt)、銅(Cu)を担持した酸化チタンによって、本発明は実施される。酸化チタンへの担持形態としては、上記の例示した金属の単体、化合物、錯体の形を用いることができる。本発明の方法は、上記に例示した金属のいずれか一つ、あるいは複数の金属を担持した酸化チ
タンによっても実施可能である。
本発明の光触媒反応により得られた特定の希少糖を含む溶液は、原料の構造に由来する類縁の糖誘導体で構成される希少糖含有組成物である。したがって、反応粗精製物の形態としても食品、化粧品の用途に用いることができる。また、上記反応粗精製物を活性炭処理やイオン交換カラムクロマトグラフィーなどの工業的に汎用される精製を行うことで、容易に高純度希少糖液とすることができる。得られた高純度希少糖液は、食品、化粧品、医薬品、医薬品や化成品の原料中間体等の用途に用いることができる。
即ち、本発明方法によって得られた希少糖含有組成物は安全性が高いので、当該希少糖を由来とする安全性の高い希少糖由来二次的生産物を安価にしかも大量に提供することができる。この希少糖由来二次的生産物としては、反応粗精製物や高純度希少糖液からなる希少糖含有組成物を添加したり、含有させたり、化学反応させたりすることによって、食品、機能性食品、甘味料、食品添加物、化粧品、医薬品および医薬品または化成品の原料中間体のいずれかを生産して得られたものである。
以下に、本発明である光触媒を用いた糖アルコールからの希少糖製造方法の具体的な実施例並びに希少糖由来二次的生産物の実施例を説明する。
<光触媒による六炭糖の糖アルコールから四炭糖の生成(二炭素減炭反応)>
従来技術である六炭糖を原料とした場合と、本発明である六炭糖の糖アルコールを原料とした場合との、光触媒反応によるD‐エリトロース(四炭糖)の生成率の比較をおこなった。単糖原料にはD‐グルコース、糖アルコール原料にはD‐グルシトール(六炭糖D‐グルコースの糖アルコール:一般名D‐ソルビトール)、及びD‐マンニトールを使用した。D‐グルシトール、及びD‐マンニトール各0.136gに対し、純水50mlを添加し、それぞれ15mMのD‐グルシトール水溶液、及びD‐マンニトール水溶液とした。同様に、D‐グルコース0.135gに対し、純水50mlを添加し、15mMのD‐グルコース水溶液とした。それぞれの水溶液へ酸化チタン(アナターゼ/ルチル形)25mgを添加し、低圧水銀ランプを用いて2mW/cmの強度で光照射をし、撹拌しながら室温(約25℃)で光触媒反応を行った。光触媒反応後の溶液から、遠心分離により酸化チタンを除去し、その上清に対して高速液体クロマトグラフィーによる定量分析を行うことで、生成されたD‐エリトロースを定量した。その結果、図1に示したように、従来技術であるD‐グルコースを原料とした場合に比較して、本発明であるD‐グルシトール、及びD‐マンニトールを原料とした場合では、D‐エリトロースの生成率が約4倍〜約5倍に向上した。
<光触媒への金属担持による二炭素減炭反応の促進効果>
光触媒である酸化チタンに白金を担持したことによる二炭素減炭反応の促進効果について検証した。D‐グルシトール、及びD‐マンニトール各0.136gに対し、純水50mlを添加し、それぞれ15mMのD‐グルシトール水溶液、及びD‐マンニトール水溶液とした。そこへPt担持酸化チタン、及び酸化チタン(アナターゼ/ルチル形)各25mgを添加し、低圧水銀ランプを用いて2mW/cmの強度で光照射をし、撹拌しながら室温(約25℃)で光触媒反応を行った。光触媒反応後の溶液から、遠心分離により酸化チタンを除去し、その上清に対して高速液体クロマトグラフィーによる定量分析を行うことで、生成されたD‐エリトロースを定量した。その結果、図2に示したように、金属担持した酸化チタンを用いた方が、D‐グルシトールとD‐マンニトールの両方において、D‐エリトロースの生成率が約4倍に向上した。
<光触媒による糖アルコールの酸化による副生成物の分析>
実施例2と同様の方法で、D‐グルシトール及びD‐マンニトール水溶液に対し光触媒反応を行うことで得られる原料由来糖生成物を、適宜複数の分析カラムを用いて、高速液体クロマトグラフィーによって分析した。図3に示したように、D‐グルシトールからは、D‐エリトロース35.5%、L‐トレオース6.9%、L‐グロース3.8%、D‐グルコース4.0%、D‐アラビノース4.3%、L‐キシロース7.5%が検出された(百分率は原料に対する生成率を示す)。したがって、原料のD‐グルシトールの立体構造に準じて、二炭素減炭反応による主生成物であるD‐エリトロース及びL‐トレオースが確認され、糖アルコール末端の酸化による副生成物であるL‐グロース及びD‐グルコースが確認された。反応過程で生成したL‐グロース及びD‐グルコースの光触媒酸化(一炭素減炭反応)と思われるL‐キシロース及びD‐アラビノースの生成も確認された。
一方、D‐マンニトールからはD‐エリトロース38.5%、D‐マンノース4.9%、D‐アラビノース98%が検出された(百分率は原料に対する生成率を示す)。したがって、原料のD‐マンニトールの立体構造に準じて、二炭素減炭反応による主生成物であるD‐エリトロース、糖アルコール末端の酸化による副生成物であるD‐マンノースが確認された。反応過程で生成したD‐マンノースの光触媒酸化(一炭素減炭反応)と思われるD‐アラビノースの生成も一部あることが確認された。
また、D‐グルシトールとD‐マンニトールからの主生成物である二炭素減炭反応による四炭糖の総量を比較すると、想定された反応機構通り、同程度の総量となることを確認した。

Claims (2)

  1. D‐エリトロース35.5%、L‐トレオース6.9%、L‐グロース3.8%、D‐グルコース4.0%、D‐アラビノース4.3%、L‐キシロース7.5%(百分率は原料のD‐グルシトールに対する生成率)を含む希少糖由来二次的生産物を含むことによって、食品、機能性食品、甘味料、食品添加物、化粧品、医薬品および医薬品または化成品の原料中間体のいずれかとされたことを特徴とする希少糖由来二次的生産物由来素材。
  2. D‐エリトロース38.5%、D‐マンノース4.9%、D‐アラビノース9.8%(百分率は原料のD‐マンニトールに対する生成率)を含む希少糖由来二次的生産物を含むことによって、食品、機能性食品、甘味料、食品添加物、化粧品、医薬品および医薬品または化成品の原料中間体のいずれかとされたことを特徴とする希少糖由来二次的生産物由来素材。
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