JP6778442B2 - 超音波画像表示方法及び超音波画像表示システム - Google Patents
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Description
このため、ラミネート型電池の内部における気泡の有無の検査を、空中から照射された超音波による透過あるいは反射された超音波に基づいて行なう非接触式超音波透過検査機がある(例えば、非特許文献1参照)。
すなわち、評価対象物であるラミネート型電池に対して、空中から超音波を照射し、評価対象物を透過した、あるいは評価対象物から反射された超音波に基づいて超音波画像を生成し、この超音波画像における輝度値により、気泡の有無を確認する。
しかしながら、上述した非特許文献1に示す従来の超音波透過検査機は、ラミネート型電池の内部における気泡の有無を確認する装置である。
このため、従来の超音波透過検査機は、蓄電量を低下させる劣化試験において、ラミネート型電池が劣化したと判定された際に、ラミネート型電池の超音波画像を取得し、劣化の原因がラミネート型電池の電解質内の気泡の発生であることを確認するために用いられる。
従来の超音波透過検査機は、評価対象物に対して負荷(一例としての蓄電量の低下)を与え、負荷に応じた評価対象物の状態変化を超音波を用いて評価する際、評価対象物の状態変化の過程の観察を行なえない。
ことを特徴とする。
以下、本発明の第1の実施形態による超音波画像表示システムについて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による超音波画像表示システムの構成例を示す図である。図1において、超音波画像表示システム1は、発振部11、音波発生駆動部12、音波発生部13、音波受信部14、音波検出部15、強度分布解析部16、超音波画像生成部17、負荷印加部18、制御部19、記憶部20、表示制御部21、表示部22を備えている。
発振部11は、予め設定された周波数の音波信号を発振し、この音波信号を音波発生駆動部12に対して出力する。
音波発生部13は、バースト信号から超音波のバースト波を生成し、所定の範囲に収束させて評価対象物100に対して照射する。
音波受信部14は、音波発生部13から放射されるバースト波の進行経路の軸上において、音波発生部13と対向して設けられている。評価対象物100の評価を行なう場合には、対向する音波発生部13と音波受信部14との間に、評価対象物100を配置する。また、音波受信部14は、音波発生駆動部12から照射されて、評価対象物100を透過したバースト波を受信し、バースト波の強度を示す受信信号を、音波検出部15に対して出力する。
本実施形態においては、測定点におけるバースト波の照射面積に対する、音響インピーダンスが大きく異なる層同士(例えば、電解質と気泡との各々の層)の界面の重なる割合を、音響インピーダンスの強度として説明する。上述したように、透過率は、音響インピーダンスの強度に対応しており、音響インピーダンスの強度が大きければ減少し、音響インピーダンスの強度が小さければ増加する。
図3において、超音波画像500は、画素としての照射ドット550が所定の間隔でマトリクス状に配列している。
この照射ドット550の各々は、バースト波が照射される測定点それぞれに対応している。すなわち、評価対象物100は、バースト波の照射方向に対して垂直な面において、バースト波による音響インピーダンスの測定が行なわれる毎に、x軸方向及びy軸方向の各々の方向に、図示しない移動機構により、所定の間隔を有するように測定点を移動(スキャン(走査))させる。
そして、測定点が2次元検査面のy軸に平行な他方の端部に達すると、y軸方向(列方向)に所定の間隔で測定点を移動させ、測定点を次の行に配置する。その移動させた他方の端部の位置から、測定点をx軸方向に所定の間隔で移動させる。このx軸及びy軸からなる2次元平面におけるバースト波による測定点の各々が、評価対象物100における音響インピーダンスの分布を示す超音波画像500における照射ドットのそれぞれとなる。また、この照射ドットの各々は、測定点において気泡が存在する音響インピーダンスの強度、あるいは気泡が存在しない音響インピーダンスの強度であるかを示すため、それぞれ表示色の態様を変えて表示される。
この場合、蓄電量のモニタとしては、リチウムイオン電池に一定の電力を消費させている際の出力電圧を用いる。蓄電されている電力が消費されて、リチウムイオン電池の蓄電量が低下することにより、一定の電力を消費する際の出力電圧が低下していく。したがって、所定の時間毎に評価対象物の超音波画像を生成し、その時点の出力電圧と合わせて確認することにより、気泡が発生する時点の出力電圧をパラメータとして、リチウムイオン電池の蓄電量を容易に確認する情報を取得することができる。
また、制御部19は、音波発生駆動部12が音波発生部13に対してバースト波を発生させたタイミングにおいて、負荷印加部18が出力するリチウムイオン電池の出力電圧の電圧値を読み取る。そして、制御部19は、読み取ったリチウムイオン電池の出力電圧の電圧値を、超音波画像の画像番号に対応させて、記憶部20の超音波画像テーブルに対して書き込んで記憶させる。
図6において、表示画面22Sの領域221には、負荷量と超音波画像信号との対応を示す負荷量提示グラフが表示される。この負荷量提示グラフは、縦軸がリチウムイオン電池の出力電圧の変化を示しており、横軸が超音波画像を識別する超音波画像番号が示されている。縦軸の出力電圧は、リチウムイオン電池に対して印加した物理的な負荷の程度を示している。
上述した本実施形態によれば、表示部22の表示画面22Sにおいて、超音波画像番号に対応して、リチウムイオン電池の出力電圧と、リチウムイオン電池内部の気泡の発生の有無を示す超音波画像とが関連づけられて同時に表示されるため、リチウムイオン電池内部に気泡が発生した時点における、当該リチウムイオン電池の出力電圧を、ビジュアル的に容易に観察して確認することができる。
また、本実施形態によれば、表示部22の表示画面22Sにおいて、負荷量提示グラフにおける領域221に表示されている選択バー221Bにより、いずれの超音波画像番号の超音波画像が選択されて表示されているかと、その超音波画像が取得された際の出力電圧を、利用者が容易に確認することができる。
ステップS1: 利用者は、評価対象物100としてリチウムイオン電池を、音波発生部13と音波受信部14との間に設置し、超音波画像表示システム1を駆動し、超音波画像の生成を開始させる。
これにより、負荷印加部18は、リチウムイオン電池から、設定された電流値を流すことにより、電力を消費させる処理を開始する。
一方、負荷印加部18は、経過時間が設定されている時間未満である場合、ステップS6の処理を繰り返す。
強度分布解析部16は、閾値と2次元検査面における全ての測定点に対応した照射ドットの透過率との比較が終了した後、超音波画像生成部17に対して、比較が終了したことを示す制御信号を出力する。
超音波画像生成部17は、記憶部20の超音波画像テーブルにおける透過率テーブルインデックスに対応して、透過率テーブルを参照して照射ドット毎の音響インピーダンスのフラグの値を、測定点番号順に読み出す。そして、超音波画像生成部17は、超音波画像の各照射ドットの表示色を、音響インピーダンスフラグの値に応じた色とし、超音波画像の生成を行なう。超音波画像生成部17は、作成した超音波画像を記憶部20に書き込んで記憶させ、超音波画像を書き込んだアドレスを、超音波画像テーブルにおける超音波画像インデックスに書き込んで記憶させる。
図8における図6の表示画像と異なる点は、表示領域231Aの負荷量提示グラフにおける超音波画像番号の選択を行なう方法である。図6においては、選択バー221Bをマウスによりドラッグして、選択バー221Bをx軸方向に移動させることにより、座標値として超音波画像番号を選択していた。図8においては、表示画面22Sにおける表示領域231A近傍に配置されたスイッチボタン215により、超音波画像番号の選択を行なう。
これにより、図8における超音波画像番号の選択方法によれば、利用者がスイッチボタン215をマウスによりクリックすることで、超音波画像番号を一つずつ増加あるいは現象させることができるので、表示される超音波画像における音響インピーダンスの強度の変化の過程を観察し、音響インピーダンスの強度の変化のタイミングを容易に確認することができる。
以下、本発明の第2の実施形態による超音波画像表示システムについて、図面を参照して説明する。第1の実施形態においては、評価対象物100として、リチウムイオン電池における気泡の発生する出力電圧を確認する処理を例として説明した。第2の実施形態の超音波画像表示システムは、図1に示す第1の実施形態の超音波画像装置と同様の構成である。
第2の実施形態においては、2枚の板材を接着剤で接着した際における、この接着剤の接着力の強度を確認する処理を例として説明する。
本実施形態においても、2枚の板材を接着して形成された合板における接着した界面に対して平行である、バースト波による2次元検査面における全ての測定点に基づく超音波画像の生成が、第1の実施形態と同様に行なわれる。
接着剤800の接着力が矢印Pの方向に移動させる力に比較して強ければ、図9(c)のように、板材600に対して板材700が接着された状態を維持する。一方、接着剤800の接着力が矢印Pの方向に移動させる力に比較して弱くなれば、例えば、図9(d)のように、板材600上の接着剤800と、板材700とが剥がれて空隙900が生じる。この空隙900が生じた場所において、第1の実施形態の気泡が生じた場合と同様に、板材600と板材700との間に、空隙による空気の層が発生するため、板材600と空隙900との界面において、板材600に対して垂直方向の音響インピーダンスの強度が、より大きな数値に変化することになる。
図10において、表示部22の表示画面22Sの領域231には、第1の実施形態における図6と同様に、負荷量と超音波画像信号との対応を示す負荷量提示グラフが表示される。この負荷量提示グラフは、縦軸がネジ700Cの回転数(ネジ700Cを締め付けるために回転させた数)が示されており、横軸が超音波画像を識別する超音波画像番号が示されている。縦軸のネジの回転数は、ネジを締めるために回す回数であり、接着剤800により接着された板材600と板材700とにおいて、板材600から板材700を引き離す方向に力を印加するため、板材700にネジ700Cから印加する負荷の強度を示している。
したがって、図10における領域231の負荷量提示グラフは、縦軸にネジ700Cにより板材700に対して印加する物理的な力が負荷として示されており、横軸にそれぞれの物理的な負荷を印加した際に取得した超音波画像を識別する超音波画像番号が示されている。本実施形態においては、板材600と板材700とを引き離す負荷を増加させた際に、超音波画像を取得している。
また、本実施形態によれば、表示部22の表示画面22Sにおいて、負荷量提示グラフにおける領域231に表示されている選択バー221Bにより、いずれの超音波画像番号の超音波画像が選択されて表示されているかと、その超音波画像が取得された際のネジ700Cの回転数を、利用者が容易に確認することができる。
他の評価対象としては、例えば、上述した板材600と板材700とを接着する接着剤800の固化状態が周囲の温度環境により変化する状態の検出がある。この場合、評価する対象は接着剤800の固化の状態であり、印加する物理的な負荷は評価対象物に与える温度である。
図9(c)に示すように、板材600と板材700とを接着剤800により接着し、合成板を作成する。そして、この合成板の温度を上昇させつつ、すでに説明したように、所定の温度毎に超音波画像の作成を行なう。
表示部22の表示画面22Sの領域23Bには、第1の実施形態における図6と同様に、負荷量と超音波画像信号との対応を示す負荷量提示グラフが表示される。この負荷量提示グラフは、縦軸が合板に印加される温度が示されており、横軸が超音波画像を識別する超音波画像番号が示されている。縦軸の温度は、合板の温度であり、板材600と板材700との界面に位置する接着剤800の固化を促進する物理的な負荷の強度である。領域242には、選択バー221Bにより選択された超音波画像番号に対応する超音波画像が表示される。表示領域213には、領域242に表示している超音波画像の超音波画像番号が表示されている。また、表示領域214には、選択された超音波画像を取得した際の合板の温度が示されている。
したがって、図11における領域231Bの負荷量提示グラフは、縦軸に温度が合板に対して印加する物理的な力が負荷として示されており、横軸にそれぞれの物理的な負荷を印加した際に取得した超音波画像を識別する超音波画像番号が示されている。本実施形態においては、板材600と板材700とを接着剤800で接着した合板の負荷を増加させた際に、超音波画像を取得している。
この場合も、すでに説明した図11における表示画面22Sにより、利用者は封止剤が溶解する温度を超音波画像により検出する。
すなわち、利用者が領域231Bの負荷量提示グラフの選択バー221Bを移動させることで、評価対象物の物性の変化(液層から固相へ、あるいは固相から液層への変化)の状況を、評価対象物の温度と対応づけて順次確認することができる。
一方、図12に示す超音波画像表示システム1Aは、評価対象物の透過率ではなく、評価対象物の反射率により音響インピーダンスの変化を検出する。
図12の構成において、図1と同様な構成については、同一の符号を付してある。以下、図1の超音波画像表示システムと異なる構成及び動作について説明する。
音波受信部14は、音波発生部13から放射されるバースト波の評価対象物の表面からの反射を受信できる位置に設けられている。また、音波受信部14は、音波発生駆動部12から照射されて、評価対象物100から反射されたバースト波を受信し、反射されたバースト波の強度を示す受信信号を、音波検出部15に対して出力する。
また、その他の音響インピーダンスの変化の検出の動作については、透過率を反射率に置き換えることにより、図1における超音波画像表示システムと同様である。
また、上記においては、透過率と反射率とを用いた音響インピーダンスの強度の変化の検出を説明した。しかしながら、他にバースト波を構成するパルスの位相及びゲイン、バースト波の回折などを用いて、評価対象物における音響インピーダンスの強度の変化を検出する構成としても良い。
超音波画像表示方法は、評価対象物に対して物理的な負荷を印加し、前記負荷が印加されている前記評価対象物に対して超音波を照射し、当該超音波が照射された照射面における、超音波の照射された位置での前記評価対象物内における当該超音波の照射方向の音響インピーダンスの差分の強度を検出し、前記照射面における当該音響インピーダンスの差分の強度分布を示す超音波画像を生成し、生成した前記超音波画像と前記負荷とを関連づけて表示する。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWW(World Wide Web )システムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせを含む。
Claims (8)
- 評価対象物である電池に対して一定の電力を消費させる負荷を印加し、前記負荷が印加されている前記評価対象物に対して超音波を照射し、
当該超音波が照射された照射面における、超音波の照射された位置での前記評価対象物内における当該超音波の照射方向の音響インピーダンスの差分の強度を検出し、
前記照射面における当該音響インピーダンスの差分の強度分布を示す超音波画像を生成し、
生成した前記超音波画像と前記負荷とを関連づけて表示する
ことを特徴とする超音波画像表示方法。 - 前記評価対象物に対して印加する前記負荷の強度を変化させる毎に、前記超音波画像を取得し、前記負荷の強度と前記当該強度における前記超音波画像とを関連付けて表示する ことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像表示方法。
- 前記照射面内においてスキャン走査されて、超音波が照射された点である照射ドットにおける前記音響インピーダンスの差分の強度を示す超音波パラメータと、音響インピーダンスの差分の強度を判定する閾値とを比較し、前記超音波画像における前記照射ドットの強度レベルに応じた当該照射ドットの表示色を設定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波画像表示方法。 - 前記超音波パラメータが、前記評価対象物における前記超音波の透過率または反射率を含むパラメータのいずれかである
ことを特徴とする請求項3に記載の超音波画像表示方法。 - 前記超音波画像とともに、
第1軸に印加した前記負荷の強度が割り当てられ、第2軸に当該負荷が印加された際の
超音波画像の識別番号が割り当てられたグラフを表示する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の超音波画像表示方法。 - 前記グラフの前記第2軸において、前記超音波画像の順番が前記負荷の強度の大きさの順に設定されている
ことを特徴とする請求項5に記載の超音波画像表示方法。 - 前記グラフにおける前記負荷と前記超音波画像の前記識別番号とからなる曲線上の点を選択することにより、当該点に対応する前記負荷の強度が印加された際の前記超音波画像が表示される
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の超音波画像表示方法。 - 評価対象物である電池に対して、一定の電力を消費させる負荷を印加する負荷印加部と、
前記負荷の印加に対応した前記評価対象物における音響インピーダンスを、空中から照射された超音波により検出する音波検出部と、
前記負荷を印加した時点における、前記評価対象物に対して超音波を照射した照射面における前記音響インピーダンスの差分の強度分布を示す超音波画像を生成する超音波画像生成部と、
前記負荷の強度と、当該強度の前記負荷を印加した時点における前記超音波画像とを関連づけて表示する画像表示部と
を備えることを特徴とする超音波画像表示システム。
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