JP6778407B2 - 共振子及び共振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動腕が面外の屈曲振動モードで振動する共振子及び共振装置に関する。
従来、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた共振装置が例えばタイミングデバイスとして用いられている。この共振装置は、スマートフォンなどの電子機器内に組み込まれるプリント基板上に実装される。共振装置は、下側基板と、下側基板との間でキャビティを形成する上側基板と、下側基板及び上側基板の間でキャビティ内に配置された共振子と、を備えている。
このような共振子において、共振子を上蓋と下蓋とで封止した後に蓋の上からレーザを照射して、周波数を調整する技術が知られている。例えば特許文献1には、シリコン材料やその周辺の構成要素に対するダメージを最小限に抑えつつ、シリコン材料にレーザを透過させてその先の対象物に照射することが可能なレーザの照射方法、及びそれを用いた圧電振動子の周波数調整方法について開示されている。特許文献1に記載の方法では、パルス幅が50〜1000fsのパルスレーザーを電子部品のパッケージのシリコン材料領域に照射して透過させることと、透過したレーザを圧電振動子に照射することにより圧電振動子の共振周波数を調整する。
国際公開第2011/043357号公報
MEMS技術を用いた共振装置を扱うような技術分野では、より簡便で高精度な周波数調整方法が求められ、さらなる改善の余地がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、より簡便で高精度な周波数調整方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る共振装置の製造方法は、電極に印加された電圧に応じて振動する振動部を有する共振子を備える共振装置の製造方法であって、振動部における他の領域よりも振動による変位の大きい領域に酸化モリブデンからなる調整膜を形成する工程と、レーザによって、調整膜のうち少なくとも一部を除去して共振子の周波数を調整する工程と、を含む。
本発明によれば、より簡便で高精度な周波数調整方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る共振装置の外観を概略的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。 を取り外した本発明の第1実施形態に係る共振子の平面図である。 図3のAA'線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の製造プロセスを示す図である。 本発明の第1実施形態に係るF調工程の様子を示す模式図である。 図3に対応し、下地膜の全面に調整膜を形成した場合の共振子の平面図である。 本発明の第2実施形態に係る共振子の平面図である。 図7のCC'線に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態に係る共振子の平面図である。 図9のDD'線に沿った断面図である。 図9に対応し、高調モードで振動する場合の振動部の平面構造を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る共振子の平面図である。 本発明に係る共振装置の製造方法の他の態様を示す図である。 本発明に係る共振装置の製造方法の他の態様を示す図である。 本発明に係る共振装置の製造方法の他の態様を示す図である。 本発明に係る共振装置の製造方法の他の態様を示す図である。 本発明に係る共振装置の製造方法の他の態様を示す図である。 本発明に係る共振装置の製造方法の他の態様を示す図である。 本発明に係る共振装置の製造方法の他の態様を示す図である。 本発明に係る共振装置の製造方法の他の態様を示す図である。 本発明に係る共振装置の製造方法の他の態様を示す図である。 本発明に係る共振装置の製造方法の他の態様を示す図である。
[第1実施形態]
以下、添付の図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る共振装置1の外観を概略的に示す斜視図である。また、図2は、本発明の第1実施形態に係る共振装置1の構造を概略的に示す分解斜視図である。
この共振装置1は、共振子10と、共振子10を挟んで互いに対向するように設けられた上蓋30及び下蓋20と、を備えている。すなわち、共振装置1は、下蓋20と、共振子10と、上蓋30とがこの順で積層されて構成されている。
また、共振子10と下蓋20及び上蓋30とが接合され、これにより、共振子10が封止され、共振子10の振動空間が形成される。共振子10、下蓋20及び上蓋30は、それぞれSi基板を用いて形成されている。そして、共振子10、下蓋20及び上蓋30は、Si基板同士が互いに接合されて、互いに接合される。共振子10及び下蓋20は、SOI基板を用いて形成されてもよい。
共振子10は、MEMS技術を用いて製造されるMEMS共振子である。なお、本実施形態においては、共振子10はシリコン基板を用いて形成されるものを例として説明する。以下、共振装置1の各構成について詳細に説明する。
(1.上蓋30)
上蓋30はXY平面に沿って平板状に広がっており、その裏面に例えば平たい直方体形状の凹部31が形成されている。凹部31は、側壁33に囲まれており、共振子10が振動する空間である振動空間の一部を形成する。
(2.下蓋20)
下蓋20は、XY平面に沿って設けられる矩形平板状の底板22と、底板22の周縁部からZ軸方向(すなわち、下蓋20と共振子10との積層方向)に延びる側壁23とを有する。下蓋20には、共振子10と対向する面において、底板22の表面と側壁23の内面とによって形成される凹部21が設けられる。凹部21は、共振子10の振動空間の一部を形成する。上述した上蓋30と下蓋20とによって、この振動空間は気密に封止され、真空状態が維持される。この振動空間には、例えば不活性ガス等の気体が充填されてもよい。
(3.共振子10)
図3は、本実施形態に係る、共振子10の構造を概略的に示す平面図である。図3を用いて本実施形態に係る共振子10の、各構成について説明する。共振子10は、振動部120と、保持部140と、保持腕111、112と、調整膜237とを備えている。
(a)振動部120
振動部120は、図3の直交座標系におけるXY平面に沿って広がる矩形の輪郭を有している。振動部120は、保持部140の内側に設けられており、振動部120と保持部140との間には、所定の間隔で空間が形成されている。図3の例では、振動部120は、基部130と4本の振動腕135A〜135D(まとめて「振動腕135」とも呼ぶ。)とを有している。なお、振動腕の数は、4本に限定されず、任意の数に設定される。本実施形態において、各振動腕135と、基部130とは、一体に形成されている。
・基部130
基部130は、平面視において、X軸方向に長辺131a、131b、Y軸方向に短辺131c、131dを有している。長辺131aは、基部130の前端の面131A(以下、「前端131A」とも呼ぶ。)の一つの辺であり、長辺131bは基部130の後端の面131B(以下、「後端131B」とも呼ぶ。)の一つの辺である。基部130において、前端131Aと後端131Bとは、互いに対向するように設けられている。
基部130は、前端131Aにおいて、後述する振動腕135に接続され、後端131Bにおいて、後述する保持腕111、112に接続されている。なお、基部130は、図3の例では平面視において、略長方形の形状を有しているがこれに限定されず、長辺131aの垂直二等分線に沿って規定される仮想平面Pに対して略面対称に形成されていればよい。基部130は、例えば、長辺131bが131aより短い台形や、長辺131aを直径とする半円の形状であってもよい。また、基部130の各面は平面に限定されず、湾曲した面であってもよい。なお、仮想平面Pは、振動部120における、振動腕135が並ぶ方向の中心を通る中心軸を含む平面である。
基部130において、前端131Aから後端131Bに向かう方向における、前端131Aと後端131Bとの最長距離である基部長L(図3においては短辺131c、131dの長さ)は35μm程度である。また、基部長方向に直交する幅方向であって、基部130の側端同士の最長距離である基部幅W(図3においては長辺131a、131bの長さ)は280μm程度である。
・振動腕135
振動腕135は、Y軸方向に延び、それぞれ同一のサイズを有している。振動腕135は、それぞれが基部130と保持部140との間にY軸方向に平行に設けられ、一端は、基部130の前端131Aと接続されて固定端となっており、他端は開放端となっている。また、振動腕135は、それぞれ、X軸方向に所定の間隔で、並列して設けられている。なお、振動腕135は、例えばX軸方向の幅が50μm程度、Y軸方向の長さが465μm程度である。
振動腕135はそれぞれ開放端に、錘部Gを有している。錘部Gは、振動腕135の他の部位よりもX軸方向の幅が広い。錘部Gは、例えば、X軸方向の幅が70μm程度である。錘部Gは、振動腕135と同一プロセスによって一体形成される。錘部Gが形成されることで、振動腕135は、単位長さ当たりの重さが、固定端側よりも開放端側の方が重くなっている。従って、振動腕135が開放端側にそれぞれ錘部Gを有することで、各振動腕における上下方向の振動の振幅を大きくすることができる。
本実施形態の振動部120では、X軸方向において、外側に2本の振動腕135A、135Dが配置されており、内側に2本の振動腕135B、135Cが配置されている。X軸方向における、振動腕135Bと135Cとの間隔W1は、X軸方向における、外側の振動腕135A(135D)と当該外側の振動腕135A(135D)に隣接する内側の振動腕135B(135C)との間の間隔W2よりも大きく設定される。間隔W1は例えば30μ程度、間隔W2は例えば25μm程度である。間隔W2間隔W1より小さく設定することにより、振動特性が改善される。ただし、共振装置1の小型化を図る場合には、間隔W1を間隔W2よりも小さく設定してもよいし、等間隔にしても良い。
・その他
振動部120の表面(上蓋30に対向する面)には、その全面を覆うように保護膜235が形成されている。さらに、振動腕135A〜135Dにおける保護膜235の表面の一部には、それぞれ、下地膜236A〜236D(以下、下地膜236A〜236Dをまとめて「下地膜236」とも呼ぶ。)が形成されている。保護膜235及び下地膜236によって、振動部120の共振周波数を調整することができる。尚、必ずしも保護膜235は振動部120の全面を覆う必要はないが、周波数調整における下地の電極膜(例えば図4の金属層E2)及び圧電膜(例えば図4の圧電薄膜F3)へのダメージを保護する上で、振動部120の全面の方が望ましい。
下地膜236は、振動部120における、他の領域よりも振動による変位の比較的大きい領域の少なくとも一部において、その表面が露出するように、保護膜235上に形成されている。具体的には、下地膜236は、振動腕135の先端、即ち錘部Gに形成される。他方、保護膜235は、振動腕135におけるその他の領域において、その表面が露出している。この実施例では、錘部Gにおいて振動腕135の先端まで下地膜236が形成され、先端部では保護膜235は全く露出していないが、保護膜235の一部が露出する様に、下地膜236を振動腕135の先端部には形成されない構成も可能である。
(b)保持部140
保持部140は、XY平面に沿って矩形の枠状に形成される。保持部140は、平面視において、XY平面に沿って振動部120の外側を囲むように設けられる。なお、保持部140は、振動部120の周囲の少なくとも一部に設けられていればよく、枠状の形状に限定されない。例えば、保持部140は、振動部120を保持し、また、上蓋30及び下蓋20と接合できる程度に、振動部120の周囲に設けられていればよい。
本実施形態においては、保持部140は一体形成される角柱形状の枠体140a〜140dからなる。枠体140aは、図3に示すように、振動腕135の開放端に対向して、長手方向がX軸に平行に設けられる。枠体140bは、基部130の後端131Bに対向して、長手方向がX軸に平行に設けられる。枠体140cは、基部130の側端(短辺131c)及び振動腕135Aに対向して、長手方向がY軸に平行に設けられ、その両端で枠体140a、140bの一端にそれぞれ接続される。枠体140dは、基部130の側端(短辺131d)及び振動腕135Dに対向して、長手方向がY軸に平行に設けられ、その両端で枠体140a、140bの他端にそれぞれ接続される。
本実施形態においては、保持部140は、保護膜235で覆われているとして説明するが、これに限定されず、保護膜235は、保持部140の表面には形成されていなくてもよい。
(c)保持腕111、112
保持腕111及び保持腕112は、保持部140の内側に設けられ、基部130の後端131Bと枠体140c、140dとを接続する。図3に示すように、保持腕111と保持腕112とは、基部130のX軸方向の中心線に沿ってYZ平面に平行に規定される仮想平面Pに対して略面対称に形成される。
保持腕111は、腕111a、111b、111c、111dを有している。保持腕111は、一端が基部130の後端131Bに接続しており、そこから枠体140bに向かって延びている。そして、保持腕111は、枠体140cに向かう方向(すなわち、X軸方向)に屈曲し、さらに枠体140aに向かう方向(すなわち、Y軸方向)に屈曲し、再度枠体140cに向かう方向(すなわち、X軸方向)に屈曲して、他端が枠体140cに接続している。
腕111aは、基部130と枠体140bとの間に、枠体140cに対向して、長手方向がY軸に平行になるように設けられている。腕111aは、一端が、後端131Bにおいて基部130と接続しており、そこから後端131Bに対して略垂直、すなわち、Y軸方向に延びている。腕111aのX軸方向の中心を通る軸は、振動腕135Aの中心線よりも内側に設けられることが望ましく、図3の例では、腕111aは、振動腕135Aと135Bとの間に設けられている。また腕111aの他端は、その側面において、腕111bの一端に接続されている。腕111aは、X軸方向に規定される幅が20μm程度であり、Y軸方向に規定される長さが40μm程度である。
腕111bは、基部130と枠体140bとの間に、枠体140bに対向して、長手方向がX軸方向に平行になるように設けられている。腕111bは、一端が、腕111aの他端であって枠体140cに対向する側の側面に接続し、そこから腕111aに対して略垂直、すなわち、X軸方向に延びている。また、腕111bの他端は、腕111cの一端であって振動部120と対向する側の側面に接続している。腕111bは、例えばY軸方向に規定される幅が20μm程度であり、X軸方向に規定される長さが75μm程度である。
腕111cは、基部130と枠体140cとの間に、枠体140cに対向して、長手方向がY軸方向に平行になるように設けられている。腕111cの一端は、その側面において、腕111bの他端に接続されており、他端は、腕111dの一端であって、枠体140c側の側面に接続されている。腕111cは、例えばX軸方向に規定される幅が20μm程度、Y軸方向に規定される長さが140μm程度である。
腕111dは、基部130と枠体140cとの間に、枠体140aに対向して、長手方向がX軸方向に平行になるように設けられている。腕111dの一端は、腕111cの他端であって枠体140cと対向する側の側面に接続している。また、腕111dは、他端が、振動腕135Aと基部130との接続箇所付近に対向する位置において、枠体140cと接続しており、そこから枠体140cに対して略垂直、すなわち、X軸方向に延びている。腕111dは、例えばY軸方向に規定される幅が20μm程度、X軸方向に規定される長さが10μm程度である。
このように、保持腕111は、腕111aにおいて基部130と接続し、腕111aと腕111bとの接続箇所、腕111bと111cとの接続箇所、及び腕111cと111dとの接続箇所で屈曲した後に、保持部140へと接続する構成となっている。
保持腕112は、腕112a、112b、112c、112dを有している。保持腕112は、一端が基部130の後端131Bに接続しており、そこから枠体140bに向かって延びている。そして、保持腕112は、枠体140dに向かう方向(すなわち、X軸方向)に屈曲し、さらに枠体140aに向かう方向(すなわち、Y軸方向)に屈曲して、再度枠体140dに向かう方向(すなわち、X軸方向)屈曲し、他端が枠体140dに接続している。腕112a、112b、112c、112dの構成は、それぞれ腕111a、111b、111c、111dと対称な構成であるため、詳細な説明については省略する。
なお、保持腕111、112は、各腕の接続箇所において直角に折れ曲がっている形状に限定されず、湾曲する形状でもよい。また、保持腕111、112が屈曲する回数は既述のものに限定されず、例えば1回だけ屈曲して基部130の後端131Bと枠体140c、140dとに接続される構成や、2回屈曲して基部130の後端131Bと枠体140aとに接続される構成や、一度も屈曲せず基部130の後端131Bと枠体140bとに接続される構成でもよい。また、基部130における保持腕111、112の接続箇所は後端131Bに限定されず、前端131Aと後端131Bとをつなぐ側面に接続される構成でもよい。
(d)調整膜237
複数の調整膜237は、下地膜236上に点在して形成されている。複数の調整膜237はそれぞれ、周波数調整用に各振動腕135の先端に形成されたスポット状の酸化モリブデンから成る膜である。下地膜236上において、複数の調整膜237のうち、一部の調整膜237は後述するF調工程で、レーザ(例えば基板を透過する波長を有するレーザ)によって除去される。図3は、一部の調整膜237が除去された後の様子を示している。図3の例では、振動腕135A乃至振動腕135Dにおいて、いずれも同じ位置に形成された調整膜237が残存しているがこれに限定されない。例えば振動腕135毎に異なる位置に形成された調整膜237が残存する構成でもよい。また、1つの調整膜237の径は、レーザのスポット径よりも小さいことが好ましく、具体的には0.1μm以上20μm以下程度である。
(4.積層構造)
図4を用いて共振子10の積層構造について説明する。図4は、図3のAA’断面、及び共振子10の電気的な接続態様を模式的に示す概略図である。
共振子10では、保持部140、基部130、振動腕135、保持腕111,112は、同一プロセスで一体的に形成される。共振子10では、まず、Si(シリコン)基板F2の上に、金属層E1が積層されている。そして、金属層E1の上には、金属層E1を覆うように、圧電薄膜F3が積層されており、さらに、圧電薄膜F3の表面には、金属層E2が積層されている。金属層E2の上には、金属層E2を覆うように、保護膜235が積層されている。振動部120上においては、さらに、保護膜235上に、下地膜236が積層されており、下地膜236の表面には複数の調整膜237が形成されている。尚、低抵抗となる縮退シリコン基板を用いる事で、Si基板F2自体が金属層E1を兼ねる事で、金属層E1を省略する事も可能である。
Si基板F2は、例えば、厚さ6μm程度の縮退したn型Si半導体から形成されており、n型ドーパントとしてP(リン)やAs(ヒ素)、Sb(アンチモン)などを含むことができる。Si基板F2に用いられる縮退Siの抵抗値は、例えば1.6mΩ・cm未満であり、より好ましくは1.2mΩ・cm以下である。さらにSi基板F2の下面には酸化ケイ素(例えばSiO)層(温度特性補正層)F21が形成されている。これにより、温度特性を向上させることが可能になる。
本実施形態において、酸化ケイ素層(温度特性補正層)F21とは、当該酸化ケイ素層F21をSi基板F2に形成しない場合と比べて、Si基板F2に温度特性補正層を形成した時の振動部における周波数の温度係数(すなわち、温度当たりの変化率)を、少なくとも常温近傍において低減する機能を持つ層をいう。振動部120が酸化ケイ素層F21を有することにより、例えば、Si基板F2と金属層E1、E2と圧電薄膜F3及び酸化ケイ素層(温度特性補正層)F21による積層構造体の共振周波数の、温度に伴う変化を低減することができる。
共振子10においては、酸化ケイ素層F21は、均一の厚みで形成されることが望ましい。なお、均一の厚みとは、酸化ケイ素層F21の厚みのばらつきが、厚みの平均値から±20%以内であることをいう。
なお、酸化ケイ素層F21は、Si基板F2の上面に形成されてもよいし、Si基板F2の上面と下面の双方に形成されてもよい。また、保持部140においては、Si基板F2の下面に酸化ケイ素層F21が形成されなくてもよい。
金属層E2、E1は、例えば厚さ0.1〜0.2μm程度のMo(モリブデン)やアルミニウム(Al)等を用いて形成される。金属層E2、E1は、エッチング等により、所望の形状に形成される。金属層E1は、例えば振動部120上においては、下部電極として機能するように形成される。また、金属層E1は、保持腕111,112や保持部140上においては、共振子10の外部に設けられたアースに下部電極を接続するための配線として機能するように形成されてもよい。
他方で、金属層E2は、振動部120上においては、上部電極として機能するように形成される。また、金属層E2は、保持腕111、112や保持部140上においては、共振子10の外部に設けられた回路に上部電極を接続するための配線として機能するように形成される。
なお、交流電源及びアースから下部配線または上部配線への接続にあたっては、上蓋30の外面に電極(外部電極の一例である。)を形成して、当該電極が回路と下部配線または上部配線とを接続する構成や、上蓋30内にビアを形成し、当該ビアの内部に導電性材料を充填して配線を設け、当該配線が交流電源と下部配線または上部配線とを接続する構成が用いられてもよい。
圧電薄膜F3は、印加された電圧を振動に変換する圧電体の薄膜であり、例えば、AlN(窒化アルミニウム)等の窒化物や酸化物を主成分とすることができる。具体的には、圧電薄膜F3は、ScAlN(窒化スカンジウムアルミニウム)により形成することができる。ScAlNは、窒化アルミニウムにおけるアルミニウムの一部をスカンジウムに置換したものである。また、圧電薄膜F3は、例えば、1μm程度の厚さを有するが、0.2μmから2μm程度を用いることも可能である。
圧電薄膜F3は、金属層E2、E1によって圧電薄膜F3に印加される電界に応じて、XY平面の面内方向すなわちY軸方向に伸縮する。この圧電薄膜F3の伸縮によって、振動腕135は、下蓋20及び上蓋30の内面に向かってその開放端を変位させ、面外の屈曲振動モードで振動する。
保護膜235は、絶縁体の層であり、エッチングによる質量低減の速度が下地膜236より遅い材料により形成される。例えば、保護膜235は、AlNやSiN等の窒化膜やTa(5酸化タンタル)やSiO等の酸化膜により形成される。なお、質量低減速度は、エッチング速度(単位時間あたりに除去される厚み)と密度との積により表される。保護膜235の厚さは、圧電薄膜F3の厚さの半分以下で形成され、本実施形態では、例えば0.2μm程度である。
下地膜236は、導電体の層であり、エッチングによる質量低減の速度が保護膜235より速い材料により形成される。下地膜236は、モリブデン(Mo)により形成される。
なお、保護膜235と下地膜236とは、質量低減速度の関係が上述のとおりであれば、エッチング速度の大小関係は任意である。
下地膜236は、振動部120の略全面に形成された後、エッチング等の加工により所定の領域のみに形成される。
調整膜237は、下地膜236を酸化することで、下地膜236上に点在して形成された所定形状の酸化モリブデンの膜である。酸化モリブデンには多数の種類があり、一般的にはMoO(三酸化モリブデン)であるが、MoO(二酸化モリブデン)やそれ以外の非化学量論的な酸化Moでも良い。調整膜237の厚さは例えば0.1〜5μm程度である。
(5.共振子の機能)
図4を参照して共振子10の機能について説明する。本実施形態では、外側の振動腕135A、135Dに印加される電界の位相と、内側の振動腕135B、135Cに印加される電界の位相とが互いに逆位相になるように設定される。これにより、外側の振動腕135A、135Dと内側の振動腕135B、135Cとが互いに逆方向に変位する。例えば、外側の振動腕135A、135Dが上蓋30の内面に向かって開放端を変位すると、内側の振動腕135B、135Cは下蓋20の内面に向かって開放端を変位する。
これによって、本実施形態に係る共振子10では、逆位相の振動時、すなわち、図4に示す振動腕135Aと振動腕135Bとの間でY軸に平行に延びる中心軸r1回りに振動腕135Aと振動腕135Bとが上下逆方向に振動する。また、振動腕135Cと振動腕135Dとの間でY軸に平行に延びる中心軸r2回りに振動腕135Cと振動腕135Dとが上下逆方向に振動する。これによって、中心軸r1とr2とで互いに逆方向の捩れモーメントが生じ、振動部120で屈曲振動が発生する。このとき、基部130における中心軸r1、r2近傍の領域には歪みが集中することになる。
(6.プロセスフロー)
図5A乃至図5Lを用いて本実施形態に係る共振装置1の製造方法について説明する。
本実施形態に係る共振子10の製造方法においては、後述するF調工程において、上蓋を介してレーザを照射することで、複数の調整膜237のうち一部が削られ、振動腕135の重量が変化する。これによって、共振子10の共振周波数を上昇させることで、共振周波数を所望の値に調整して、共振装置1を製造する。
図5A乃至図5Kは、本実施形態に係る共振装置1のプロセスフローの一例を示す図である。なお、図5A乃至図5Kでは、便宜上、ウエハに形成される複数の共振装置1のうち、1つの共振装置1を示して説明するが、共振装置1は、通常のMEMSプロセスと同様に、1つのウエハに複数形成された後に、当該ウエハが分割されることによって得られる。
図5Aに示す最初の工程では、用意したSi基板F2に、熱酸化によって、酸化ケイ素層F21を形成する。次に、凹部21を有する下蓋20を用意し、当該下蓋20と、酸化ケイ素層F21が形成されたSi基板F2とを、Si基板F2の下面が下蓋20と対向するように配置し、側壁23で接合する。なお、図5Aにおいては図示を省略するが、接合後に化学的機械研磨や、エッチバック等の処理によって、Si基板F2の表面を平坦化することが望ましい。
次に図5Bに示す工程において、さらにSi基板F2の表面には、下部電極や配線の材料となる金属層E1の成膜、パターニング及びエッチング等によって下部電極等が形成される。次に、金属層E1の表面に、圧電薄膜F3が積層され、さらに圧電薄膜F3上に上部電極や配線の材料となる金属層E2の成膜、パターニング及びエッチング等によって上部電極等が形成される。
次に図5Cに示す工程において、金属層E2の表面に、保護膜235が積層される。
次に図5Dに示す工程において、保護膜235の表面に、モリブデンから成る金属層が積層され、この金属層がエッチング等によって加工されることにより、振動腕135(図5F参照)の自由端となる部分の近傍に下地膜236が形成される。
次に、図5Eに示す工程において、共振子10に、下部電極及び上部電極をそれぞれ外部電源と接続させるためのビアE1V、E2Vが形成される。ビアE1V、E2Vが形成されると、ビアE1V、E2Vにアルミニウム等の金属が充填され、下部電極、及び上部電極を保持部140に引き出す引出線C1、C2が形成される。さらに、保持部140に接合部Hが形成される。
次に、図5Fに示す工程において、エッチング等の加工によって、保護膜235、金属層E2、圧電薄膜F3、金属層E1、圧電薄膜F31、Si基板F2、及び酸化ケイ素層F21が順に除去されることによって、振動部120、保持腕111,112、が形成され、共振子10が形成される。
次に図5Gに示す工程において、共振子10の表面に酸化ケイ素膜238を形成する。そして、酸化ケイ素膜238を例えばフォトリソ等により直径が0.1μm以上20μm以下程度の複数のパターン状にエッチングする。これによって、共振子10のうち酸化させたい箇所(すなわち調整膜237が形成される箇所)以外の表面をマスクする。そして、酸素雰囲気中で熱処理を行った後に、酸化ケイ素膜238を除去する。これによって、下地膜236を直径が0.1μm以上20μm以下程度の複数のパターン状に部分的に酸化して調整膜237を形成することができる(図5H)。なお、Mo膜上の酸化ケイ素膜を除去して、Mo膜の全面に酸化Moを形成してもよい(図6参照)。広い領域を除去する事で、より周波数調整範囲を広くする事ができる。なお、下地膜を酸化させる際には、MoO(二酸化モリブデン)に酸化させても、MoO(三酸化モリブデン)に酸化させてもよい。ただし、MoO(二酸化モリブデン)は、昇華性がないため、MoO(二酸化モリブデン)に酸化させて調整膜237を形成した方が封止の影響を受けにくい。また、Moを酸化させて酸化モリブデンを形成したが、例えばスパッタなどにより直接酸化モリブデンを形成しても良い。MoOを含む酸化モリブデン膜をスパッタで形成される事が知られている。
下地膜236における厚み方向の酸化量は、熱処理を行う時間や温度により調整することができる。例えば、図5Hに示した構成の代わりに、下地膜236を厚み方向においてすべてMoOに酸化させ、Mo層をなくす構成でもよい(図5I)。
なお、酸化ケイ素膜238を成膜し除去すること等により、下地膜236の表面に自然酸化膜が形成される場合がある。自然酸化膜は調整膜237に比べて十分薄い膜(例えば50nm以下である。)である。したがって、自然酸化膜が形成された場合でも、後述するF調工程において、バリを発生させずに周波数を調整することができる。
必須ではないが、共振子10が形成された後、共振子10の膜厚を粗調整するトリミング工程を行ってもよい。トリミング工程によって、同一ウエハにおいて製造される複数の共振装置1の間で、周波数のばらつきを抑えることができる。
トリミング工程では、まず各共振子10の共振周波数を測定し、周波数分布を算出する。次に、算出した周波数分布に基づき、共振子10の膜厚を調整する。共振子10の膜厚の調整は、例えばアルゴン(Ar)イオンビームを照射してエッチングを行うことで行う。このときイオンビームの照射は、共振子10の全面に対して行ってもよいし、例えばマスク等を用いて振動腕135の先端の錘部Gにのみ行ってもよい。全面に照射する場合には、例えばAlNなど、Moや酸化モリブデンよりエッチングレートの低い保護膜が、変位の小さな領域に露出している事が望ましい。これにより、効率よく、しかも照射による温度特性の変化を抑制した周波数調整ができる。共振子10の膜厚が調整されると、共振子10の洗浄を行い、飛び散った膜を除去することが望ましい。なお、トリミング工程ではイオンビームの他、プラズマエッチングなどを用いてもよい。トリミング工程による周波数の調整は、なるべく広範囲の周波数調整に対応していることが好ましい。また、レーザにより周波数を調整しても良い。
次に、図5Jに示す工程において、共振子10を封止(パッケージ)する工程が行われる。具体的には、この工程では、共振子10を挟んで上蓋30と下蓋20とを対向させる。上蓋30における凹部31と、下蓋20における凹部21とが一致するように、位置合わせされた上蓋30が、接合部Hを介して下蓋20に接合される。また、上蓋30には引出線C1、C2と接続する電極C1´、C2´が形成されている。電極C1´、C2´は例えばアルミニウムやゲルマニウム等の金属層から成る。電極C1´、C2´を介して、金属層E1、E2は外部に設けられた回路へ接続される。下蓋20と上蓋30とが接合されると、ダイシングによって、複数の共振装置1が形成される。
次に、図5Kに示す工程において、共振周波数を調整するF調工程が行われる。F調工程においては、上蓋30を介してレーザを照射することで調整膜237を削ることで共振周波数の調整が行われる。前工程(図5J)において、共振子10は上蓋30と下蓋20とによって封止されているが、用いるレーザの波長を選択することで、上蓋30(又は下蓋20)を透過させてレーザを調整膜237に照射することができる。例えば、本実施形態のように上蓋30がシリコンから形成されている場合には、600nm以上の波長を有するレーザを用いることが好ましい。
図5Lは、F調工程において、調整膜が除去される様子を概略的に示した模式図である。F調工程では、錘部Gの先端の調整膜237を除去することで周波数を上昇させることができる。さらにレンズ等を用いてレーザビームを、その焦点が調整膜237上となるように調節することで、効率よく調整膜237を除去することができる。
酸化モリブデンはモリブデンに比べ、昇華温度が低く、レーザの吸収性が良い。したがって、調整膜237に酸化モリブデンを用いることで、F調工程において、下地膜236には、ほとんど影響を与えずに、調整膜237のみをレーザで除去することができる。これにより下地膜236が残存するため、F調工程による圧電薄膜F3へダメージを低減することができる。また下地膜236は削られずに残存するため、下地膜236が削られた部位が発生することによる特性変動を防ぐことができる。さらに、F調工程にレーザを用いることで、熱の発生が部分的であり、かつ、短時間で冷却されるため、例えばモリブデンを酸化させる調整方法等に比べて、より正確な周波数調整を行うことができる。
このように本実施形態における周波数調整方法によると、共振子10を封止後にF調工程を行うことができる。共振子10を封止する際に発生する熱や、封止によって真空状態となることによって、共振子10の周波数は変動してしまう。封止後にF調工程を行うことによって、このような封止による周波数変動を補正することができるため、より高精度な周波数を得ることができる。なお、ダイシングによる周波数への影響は小さいため、F調工程は封止後、ダイシングの前にウエハの状態で行ってもよい。さらに、複数の調整膜237をスポット状に形成することによって、周波数の調整は、複数の調整膜237のうち、所定の個数の調整膜237をすべて除去することによって行うことができる。これにより、1つの調整膜237に着目した場合に、その一部だけが、バリとして残存することを抑制できるため、特性の低下を防ぐことができる。
[第2実施形態]
第2実施形態以降では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
図7は、本実施形態に係る、共振子10の構造の一例を概略的に示す平面図である。以下に、本実施形態に係る共振子10の詳細構成のうち、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。本実施形態に係る共振子10は、第1実施形態に示した構成に加えて、ビアV1乃至V4を有している。
ビアV1乃至V4は振動腕135の先端(錘部G)上に形成された金属が充填された孔であり、下地膜236と、金属層E1、又はE2(図4参照)とを電気的に接続させる。
図8は、図7のCC’断面を示す概略図である。図7を参照して、本実施形態に係る共振子10における、下地膜236と金属層E1、又はE2との接続態様について、金属層E2と接続された場合を例に説明する。
図8に示すように、ビアV4は、金属層E2が露出するように、振動腕135Dの先端において、保護膜235の一部を除去して形成された孔に導電体が充填されて形成されている。ビアV4に充填される導電体は、例えばMo(モリブデン)やアルミニウム(Al)等である。
下地膜236が金属層E1,E2に電気的に接続されることの効果について説明する。後述するF調工程において、レーザが共振子10に照射された場合、保護膜235にもレーザが照射されてしまうことで、レーザの有する電荷によって保護膜235も帯電してしまう。また、保護膜235に焦電体を使用した場合には、熱の昇降温によって焦電効果が発生するため、保護膜235の界面に電荷が析出する。
本実施形態に係る共振子10では、保護膜235上の一部に形成された、導電体から成る下地膜236をビアV1乃至V4を介して金属層E2、又はE1へと接続させる。これによって、保護膜235に帯電された電荷を金属層E2、E1へと移動させることができる。金属層E2、E1へ移動させた電荷は、金属層E2、E1に接続された外部との接続端子を介して、共振装置1の外部へ逃がすことができる。このように本実施形態に係る共振子10では、振動部120上に形成された保護膜235に電荷が帯電することを抑制できるため、振動部120に帯電した電荷による共振周波数の変動を防止することができる。
さらに、下地膜236が、金属層E2と接続される場合には、保護膜235上に形成された導電層(下地膜236)を保護膜235に近い層に接続させることができる。これによって、保護膜235に帯電した電荷が共振周波数に与える影響をより低減することができる。また、下地膜236が、金属層E2と接続される場合において、保護膜235にAlN等の圧電体を用いる場合には、圧電薄膜F3と同じ配向のものを用いることが好ましい。これによって、振動腕135の振動を阻害することなく、下地膜236を金属層E2に接続させることができる。
なお、ビアV1、V2、V3、の接続態様、及び材質、効果等は、ビアV4と同様であるため説明を省略する。
その他の共振子10の構成、機能は第1の実施形態と同様である。
[第3実施形態]
図9乃至図11を用いて第3実施形態に係る共振子10の詳細構成のうち、第1実施形態との差異点を中心に説明する。
図9は、本実施形態に係る共振子10の平面図、図10はそのDD’断面図である。本実施形態では、共振子10は、XY平面内において輪郭振動する面内振動子である。
(1)振動部120
振動部120は、図9の直交座標系におけるXY平面に沿って平板状に広がる略直方体の輪郭を有している。また、振動部120は、X軸方向に短辺121a、121bを有し、Y軸方向に長辺121c、121dを有している。振動部120は、短辺121a、121bにおいて、保持腕111、112によって保持部140に接続され、保持されている。また、振動部120の全面を覆うように、保護膜235が形成されている。
保護膜235の表面には、下地膜236が積層されている。下地膜236は、少なくとも振動部120の4隅を覆うように形成されている。本実施形態においては、下地膜236は、4隅の領域のうち長辺に沿って並ぶ2つの隅の領域を結ぶように振動部120の長辺側の領域に亘って形成されている。
その他の振動部120の構成は、第1実施形態と同様である。
(2)保持腕111、112
本実施形態において、保持腕111,112は、Y軸方向に長辺を、X軸方向に短辺を有する略矩形の形状を有している。
保持腕111は、一端が振動部120における短辺121aの中心近傍と接続し、そこからY軸方向に沿って略垂直に延びている。また、保持腕111の他端は、保持部140における枠体140aの中心近傍と接続している。
他方、保持腕112は、一端が振動部120における短辺121bの中心近傍と接続し、そこからY軸方向に沿って略垂直に延びている。また、保持腕112の他端は、保持部140における枠体140bの中心近傍と接続している。
その他の保持腕111、112の構成・機能は第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態のように輪郭振動する面内振動子において、高調モードで振動する場合、振動部120は振動方向に沿って複数の振動領域に分割されることになる(図11の振動領域120A乃至120E)。図11は、高調モードで振動する場合の振動部120の構成を模式的に示した図である。この場合、図11に示すように下地膜236は、例えば各振動領域の長辺に沿って形成される。
[第4実施形態]
図12を用いて第4実施形態に係る共振子10の詳細構成のうち、第1実施形態との差異点を中心に説明する。図12は、静電MEMSの技術を用いた共振子10の平面図を示している。
本実施形態に係る共振子10は、振動部120には圧電体は形成されておらず、半導体シリコンから構成されている。図12に示すように、振動部120を挟むようにして駆動電極E4、E5が設けられている。また、振動部120からは検出電極E6が引き出されている。なお検出電極E6は出力回路(不図示)に接続されている。駆動電極E4,E5にはそれぞれ同位相となる交番電界が印加される。振動部120は駆動電極E4、E5によって電圧が印加されることによって図12に示すXY平面内において、輪郭振動する。このとき、共振子10においては、振動部120と駆動電極E4、E5との間に発生する静電容量の変化を検出電極E6が検出し、当該検出電極E6を介して出力回路に出力する。例えば出力された静電容量に応じて駆動電極E4,E5に印加する電圧を制御することで、振動部120において所望の周波数の振動を得ることができる。
振動部120の表面においては、下地膜236が、少なくとも振動部120の4隅を覆うように形成されている。本実施形態においては、下地膜236は、4隅の領域のうち長辺に沿って並ぶ2つの隅の領域を結ぶように振動部120の長辺側の領域に亘って形成されている。なお、本実施形態では保護膜235は形成されていないが、これに限定されない。また、振動部120の形状は図12のものに限定されず、例えば円形や多角形の板状のものでもよい。
その他の構成、機能等は第1実施形態と同様である。
[その他の実施形態]
図13A乃至図13Iを用いてF調工程又は積層構造のバリエーションについて説明する。図13A乃至図13Iは、いずれもF調工程において、調整膜が除去される様子を概略的に示した模式図である。
第1実施形態では、図5Gに示す工程において、酸化ケイ素膜238をパターン状にエッチングする例について説明した。この点、図13A、図13B、及び図13Cは、酸化ケイ素膜238を下地膜236の全面から除去することで、下地膜236表面の全面に調整膜237を形成した場合において、F調工程を行う様子を示している(図6参照)。図13A,図13Bは下地膜236を厚み方向においてすべて酸化させた例であり、図13Cは途中まで酸化させた例を示している。また、積層構造として、図13Aは、上述の例と同様に金属層(上部電極)E2を保護膜235で覆った構成を表し、他方で図13Bは、金属層E2が露出した構成を示している。
下地膜236表面の全面に調整膜237を形成した場合、レーザの照射位置を徐々に動かすことで、広範囲にわたって調整膜237を除去することができるため、周波数変化率の大きな周波数調整をすることができる。なお、図13Aのように金属層E2を保護膜235で覆うことで、圧電薄膜F3へのダメージをより低減することができる。
図13D乃至図13Gは、既述の実施形態とは異なる積層構造の共振子10において、酸化ケイ素膜238をパターニングして、調整膜237を複数のパターン状に形成した場合の例を示している。図13Dの例では、積層構造として、下地膜236が電極層E2(上部電極)を兼ねた例を示している。下地膜236が電極層E2を兼ねることにより、より簡易な積層構造を実現することができる。
図13Eは、積層構造は図4に示したものと同様であるが、調整膜237が下地膜236の側面も覆うように形成された例を示している。例えば、上述した図5Fの工程の際に、下地膜236をあらかじめパターニングし、パターニングした下地膜236を酸化させることでこのような構成を得ることができる。なお、この場合のF調工程では、下地膜236の側面を覆う調整膜237も除去することが好ましいが、これに限らず、上面を覆う部分のみを除去してもよい。
図13Fは、下地膜236及び調整膜237が振動腕135の根元(固定端近傍)にも形成されている場合において、F調工程を行う様子を示している。この場合、錘部Gの調整膜237を除去することで周波数を上昇させ、根元側の調整膜237を除去することで周波数を低下させることができる。
図13H及び図13Iは、上述の例とは、異なるパターンの調整膜237が形成された場合において、F調工程を行う様子を示している。図13Hは、図13Eと同様に下地膜236の側面も調整膜237で覆われている。図13H及び13Iに示すように、少なくとも錘部Gの先端において、調整膜237とは別に、別パターン237’を形成し、別パターン237’を上部電極(電極層E2)もしくは下部電極(電極層E1)と接続することによって、より効率よく電荷を逃すことができる。接続は、例えば、保護膜235を貫通するビア(図13Hの例ではビアV1)を、別パターン237’に形成する事で可能となる。なお、この別パターン237’は、接続を維持するため、レーザを照射しないのが望ましい。
図13Jは、保護膜235の上に下地膜236を形成せずに、金などの他の導電膜239を形成し、当該導電膜239上に調整膜237を形成する例を示している。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。本発明の一実施形態に係る共振装置1の製造方法は、電極に印加された電圧に応じて振動する振動部120を有する共振子10を備える共振装置1の製造方法であって、振動部120における他の領域よりも振動による変位の大きい領域に、酸化モリブデンからなる調整膜237を形成する工程と、レーザによって、調整膜237のうち少なくとも一部を除去して共振子10の周波数を調整する工程と、を含む。これにより、より簡便な方法によって高精度の周波数調整が可能になる。
また、調整膜237を形成する工程は、調整膜237を複数のスポット状に形成する工程を含み、周波数を調整する工程は、レーザによって少なくとも1つのスポット状の調整膜237を除去することが好ましい。また、周波数を調整する工程は、複数のスポット状の調整膜237の径よりも大きいスポット径を有するレーザを照射する工程をさらに含んでもよい。このように本発明の一実施形態に係る共振装置1の製造方法によると、複数の調整膜237をスポット状に形成される。そして、周波数の調整は、複数の調整膜237のうち、所定の個数の調整膜237をすべて除去することによって行われる。これにより、1つの調整膜237に着目した場合に、その一部だけが、バリとして残存することを抑制できるため、特性の低下を防ぐことができる。
また、上記の方法は、振動部120を形成する工程をさらに含み、当該振動部120を形成する工程は、基板F2の上面に、第1電極層E1、圧電層F3、第2電極層E2を順に形成する工程を含んでもよい。また、振動部120を形成する工程は、第1電極層E1、第2電極層E2、及び圧電層F3から、屈曲振動する振動腕135を形成する工程を含み、上記の他の領域よりも振動による変位の大きい領域は、振動腕135の先端の領域であることが好ましい。また、振動部120を形成する工程は、第1電極層E1、第2電極層E2、及び圧電層F3から、輪郭振動する矩形形状の振動部120を形成する工程を含み、上記の他の領域よりも振動による変位の大きい領域は、振動部120の四隅の領域であることが好ましい。
さらに、振動部120は、他の領域よりも振動による変位の大きい領域に、モリブデンからなる下地膜236を含む、調整膜237を形成する工程は、下地膜236を酸化させて調整膜237を形成する工程を含むことが好ましい。また、振動部120を形成する工程は、第2電極層E2の表面に保護膜235を形成し、当該保護膜235上に下地膜236を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
また、振動部120を形成する工程は、下地膜236と、第1電極層E1又は第2電極層E2とを電気的に接続させる工程をさらに含んでもよい。また、振動部120を形成する工程は、第2電極層E2に保護膜235を形成する工程をさらに含み、調整膜237を形成する工程は、調整膜237と、第1電極層E1又は第2電極層E2とを電気的に接続させる工程をさらに含んでもよい。これにより、振動部120上に形成された保護膜235に電荷が帯電することを抑制できるため、振動部120に帯電した電荷による共振周波数の変動を防止することができる。
また上記の方法は、下蓋20を用意する工程と、共振子10を挟んで、下蓋20と対向するように上蓋30を配置する工程とをさらに含んでもよい。さらに、周波数を調整する工程は、上蓋30を配置する工程のあとに上蓋30を通してレーザを調整膜237に照射させて行われることが好ましい。この好ましい態様によると、共振子10を封止後にF調工程を行うことができる。共振子10を封止する際に発生する熱や、封止によって真空状態となることによって、共振子10の周波数は変動してしまう。封止後にF調工程を行うことによって、このような封止による周波数変動を補正することができるため、より高精度な周波数を得ることができる。
また、本発明の一実施形態に係る共振子10は、電極に印加された電圧に応じて振動する圧電部を有する振動部120と、振動部120の周囲の少なくとも一部に設けられた保持部140と、振動部120と保持部140との間に設けられ、一端が振動部120に接続され、他端が保持部140に接続された保持腕111、112と、振動部120における、他の領域よりも振動による変位の大きい領域に形成された酸化モリブデンから成る、複数のスポット状の調整膜237と、を備える。
振動部120は、基板F2と、基板F2の上面に配置された、第1電極層E1、圧電層F3、及び第2電極層E2を有することが好ましい。また、振動部120は、他の領域よりも振動による変位の大きい領域に、モリブデンからなる下地膜を有することが好ましい。この好ましい態様によると、共振子10の発振特性を向上させることができる。
また、振動部120は、第2電極層E2の表面に形成された保護膜235をさらに有しており、下地膜236は、保護膜235上に形成されたものであることが好ましい。さらに、振動部120は、下地膜236と、第1電極層E1又は第2電極層E2とを電気的に接続させるビアを有してもよい。また、振動部120は、第2電極層E2の表面に形成された保護膜235と、調整膜237と、第1電極層E1又は第2電極層E2とを電気的に接続させるビアと、を有してもよい。これにより、振動部120上に形成された保護膜235に電荷が帯電することを抑制できるため、振動部120に帯電した電荷による共振周波数の変動を防止することができる。
また、複数のスポット状の調整膜237は、0.1μm以上20μm以下の径を有することが好ましい。
また、振動部120は、固定端と開放端とを有し、屈曲振動する振動腕135、並びに、振動腕135の固定端に接続される前端、及び当該前端に対向する後端を有する基部130を有し、下地膜236は、振動腕135における開放端側の先端の領域に形成されたことが好ましい。また、振動部120は、矩形状の主面を有し、当該主面に沿った平面内で輪郭振動し、下地膜236は、振動部120の四隅の領域に形成することが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係る共振装置1は、上記の共振子10と、共振子10を間に挟んで互いに対向して設けられた上蓋30及び下蓋20と、外部電極とを備える。
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、既述の実施形態において、共振子10は、屈曲振動子として説明したがこれに限定されず、矩形形状の振動部を有する面内輪郭振動子でもよい。この場合、下地膜236は、振動部120の四隅に形成されることが好ましい。また、既述の実施形態では、F調工程は封止後に行う態様について説明したが、これに限定されない。F調工程は封止前に行ってもよい。本発明は、圧電方式以外の、例えば静電MEMSの周波数調整に対しても適用できる。(幅拡がりモード)また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 共振装置
10 共振子
30 上蓋
20 下蓋
140 保持部
140a〜d 枠体
111、112 保持腕
120 振動部
130 基部
135A〜D 振動腕
F2 Si基板
F21 酸化ケイ素層(温度特性補正層)
235 保護膜
236 下地膜
237 調整膜

Claims (21)

  1. 電極に印加された電圧に応じて振動する振動部を有する共振子を備える共振装置の製造方法であって、
    前記振動部における他の領域よりも振動による変位の大きい領域に設けたモリブデンからなる下地膜の表面に、酸化モリブデンからなる調整膜を形成する工程と、
    レーザによって、前記下地膜を残存させつつ前記調整膜のうち少なくとも一部を除去して前記共振子の周波数を調整する工程と、
    を含む、
    共振装置の製造方法。
  2. 前記調整膜を形成する工程は、前記調整膜を複数のスポット状に形成する工程を含み、
    前記周波数を調整する工程は、レーザによって少なくとも1つのスポット状の前記調整膜を除去する、
    請求項1に記載の共振装置の製造方法。
  3. 前記周波数を調整する工程は、
    前記複数のスポット状の調整膜の径よりも大きいスポット径を有するレーザを照射する工程をさらに含む、
    請求項2に記載の共振装置の製造方法。
  4. 前記振動部を形成する工程をさらに含み、
    当該振動部を形成する工程は、
    基板の上面に、第1電極層、圧電層、第2電極層を順に形成する工程を含む、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の共振装置の製造方法。
  5. 前記振動部を形成する工程は、
    前記第1電極層、前記第2電極層、及び前記圧電層から、屈曲振動する振動腕を形成する工程を含み
    前記他の領域よりも振動による変位の大きい領域は、前記振動腕の先端の領域である、
    請求項4に記載の共振装置の製造方法。
  6. 前記振動部を形成する工程は、
    前記第1電極層、前記第2電極層、及び前記圧電層から、輪郭振動する矩形形状の振動部を形成する工程を含み、
    前記他の領域よりも振動による変位の大きい領域は、前記振動部の四隅の領域である、
    請求項4に記載の共振装置の製造方法。
  7. 記調整膜を形成する工程は、前記下地膜を酸化させて前記調整膜を形成する工程を含む、
    請求項4乃至6の何れか一項に記載の共振装置の製造方法。
  8. 前記振動部を形成する工程は、
    前記第2電極層の表面に保護膜を形成し、当該保護膜上に前記下地膜を形成する工程をさらに含む、
    請求項7に記載の共振装置の製造方法。
  9. 前記振動部を形成する工程は、
    前記下地膜と、前記第1電極層又は前記第2電極層とを電気的に接続させる工程をさらに含む、
    請求項8に記載の共振装置の製造方法。
  10. 前記振動部を形成する工程は、
    前記第2電極層に保護膜を形成する工程をさらに含み、
    前記調整膜を形成する工程は、
    前記調整膜と、前記第1電極層又は前記第2電極層とを電気的に接続させる工程をさらに含む、
    請求項4乃至7の何れか一項に記載の共振装置の製造方法。
  11. 下蓋を用意する工程と、
    前記共振子を挟んで、前記下蓋と対向するように、上蓋を配置する工程と、
    をさらに含む、
    請求項1乃至10の何れか一項に記載の共振装置の製造方法。
  12. 前記周波数を調整する工程は、前記上蓋を配置する工程のあとに前記上蓋を通してレーザを前記調整膜に照射させて行われる、
    請求項11に記載の共振装置の製造方法。
  13. 電極に印加された電圧に応じて振動する振動部と、
    前記振動部の周囲の少なくとも一部に設けられた保持部と、
    前記振動部と前記保持部との間に設けられ、一端が前記振動部に接続され、他端が前記保持部に接続された保持腕と、
    前記振動部における、他の領域よりも振動による変位の大きい領域に設けられたモリブデンからなる下地膜と、
    前記振動部における、他の領域よりも振動による変位の大きい領域において、前記下地膜の表面に形成された酸化モリブデンからなる、複数のスポット状の調整膜と、
    を備える共振子。
  14. 前記振動部は、
    基板と、当該基板の上面に配置された、第1電極層、圧電層、及び第2電極層を有する、
    請求項13に記載の共振子。
  15. 前記振動部は、
    前記第2電極層の表面に形成された保護膜をさらに有しており、前記下地膜は、前記保護膜上に形成されたものである、
    請求項14に記載の共振子。
  16. 前記振動部は、
    前記下地膜と、前記第1電極層又は前記第2電極層とを電気的に接続させるビアを有する、請求項1に記載の共振子。
  17. 前記振動部は、
    第2電極層の表面に形成された保護膜と、
    前記調整膜と、前記第1電極層又は前記第2電極層とを電気的に接続させるビアと、
    を有する、請求項14に記載の共振子。
  18. 前記複数のスポット状の調整膜は、0.1μm以上20μm以下の径を有する、請求項13乃至1の何れか一項に記載の共振子。
  19. 前記振動部は、
    固定端と開放端とを有し、屈曲振動する振動腕、並びに、前記振動腕の固定端に接続される前端、及び当該前端に対向する後端を有する基部
    を有し、
    前記他の領域よりも振動による変位の大きい領域は、
    前記振動腕における開放端側の先端の領域である、
    請求項13乃至1の何れか一項に記載の共振子。
  20. 前記振動部は、
    矩形状の主面を有し、当該主面に沿った平面内で輪郭振動し、
    前記他の領域よりも振動による変位の大きい領域は、
    前記振動部の四隅の領域である、
    請求項13乃至1の何れか一項に記載の共振子。
  21. 請求項13乃至2の何れか一項に記載の共振子と、
    前記共振子を間に挟んで互いに対向して設けられた上蓋及び下蓋と、
    外部電極と、
    を備える共振装置。
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