JP6844747B2 - 共振子及び共振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、共振子及び共振装置に関する。
電子機器において計時機能を実現するためのデバイスとして、圧電振動子等の共振子が用いられている。電子機器の小型化に伴い、共振子も小型化が要求されており、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて製造される共振子(以下、「MEMS振動子」ともいう。)が注目されている。
MEMS振動子においては、製造ばらつきによって共振周波数にばらつきが生じることがある。そこで、MEMS振動子の製造中や製造後に、追加エッチング等によって周波数を調整することが行われる。
例えば、特許文献1には、複数の振動腕を有する振動子において、振動腕の先端側に設けられた粗調用の質量部と、振動腕の基端側に設けられた微調用の質量部とをそれぞれ減少させることにより、共振周波数を調整する構成が開示されている。
特開2012−065293号公報
特許文献1に記載の質量部は、絶縁体層と、当該絶縁体層上に形成された導電層とを有している。MEMS振動子において、このような質量部を形成して、イオンビーム等を用いて共振周波数を調整した場合、絶縁体層が帯電してしまう場合がある。MEMS振動子上の絶縁体層が帯電した状態で、MEMS振動子が振動すると、絶縁体層における電荷によってクーロン力が発生してしまい、共振周波数が変動してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、共振子の絶縁体層又は、絶縁体層の導電層に帯電した電荷が共振周波数に与える影響を抑制することを目的とする。
本発明の一側面に係る共振装置は、基部と、当該基部に接続された固定端及び当該基部から離れて設けられた開放端を有し、固定端から開放端まで延在する複数の振動腕とを備え、基部及び複数の振動腕は、圧電膜と、当該圧電膜を間に挟んで対向するように設けられた下部電極及び上部電極と、上部電極を覆うように設けられた絶縁膜と、を有する振動部と、複数の振動腕の開放端側に延在して設けられた保持部と、振動部と保持部とを接続する保持腕と、を有する共振子と、共振子の上部電極に対向して設けられた上蓋と、共振子の下部電極に対向して設けられた下蓋と、を備え、下蓋は、複数の振動腕のうち隣り合う2つの振動腕の間に突起する突起部を有し、突起部は絶縁膜を有し、振動腕は、開放端側に設けられかつ振動腕における他の部位よりも幅が広い錘部を有し、錘部は、絶縁膜上に形成された導電膜を有し、下蓋における下部電極と対向する面を平面視したときに、複数の振動腕が延在する方向において、隣り合う2つの振動腕のいずれか1つの錘部と保持部との間の第1距離よりも、当該錘部と前記突起部との間の第2距離のほうが大きい。
本発明によれば、共振子の絶縁体層又は、絶縁体層の導電層に帯電した電荷が共振周波数に与える影響を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る共振装置の外観を概略的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。 上蓋を取り外した本発明の第1実施形態に係る共振子の平面図である。 図2のAA´線に沿った断面図である。 図3のBB´線に沿った断面図である。 図3のCC´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置のプロセスフローの一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置のプロセスフローの一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置のプロセスフローの一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の効果を検証した結果を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の効果を検証した結果を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る共振子の平面図である。 本発明の第3実施形態に係る共振子の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る共振子の平面図である。
[第1実施形態]
以下、添付の図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。なお、各図においては、共振装置1の構造における特徴の少なくとも一部を説明するのに必要な構成を抽出して記載しているが、共振装置1が不図示の構成を備えることを妨げるものではない。
図1は、本発明の第1実施形態に係る共振装置1の外観を概略的に示す斜視図である。また、図2は、本発明の第1実施形態に係る共振装置1の構造を概略的に示す分解斜視図である。
この共振装置1は、共振子10と、共振子10を挟んで互いに対向するように設けられた上蓋30及び下蓋20と、を備えている。すなわち、共振装置1は、下蓋20と、共振子10と、上蓋30とがこの順で積層されて構成されている。
また、共振子10と下蓋20との接合、及び共振子10と上蓋30との接合により、共振子10が封止され、共振子10の振動空間が形成される。共振子10、下蓋20及び上蓋30は、それぞれSi(シリコン)基板を用いて形成されている。共振子10及び下蓋20のそれぞれのSi基板同士は互いに接合され、また、共振子10及び上蓋30のそれぞれのSi基板同士は互いに接合されている。共振子10及び下蓋20は、SOI基板を用いて形成されてもよい。なお、下蓋20と上蓋30とが互いに接合され、下蓋20及び上蓋30によって形成される振動空間に共振子10が封止されてもよい。
共振子10は、MEMS技術を用いて製造されるMEMS共振子である。なお、本実施形態においては、共振子10はSi基板を用いて形成されるものを例として説明する。また、以下の説明では、下蓋20において、共振子10と対向する面を表面、当該表面と対向する面を裏面とする。さらに上蓋30において、共振子10と対向する面を裏面、当該裏面に対向する面を表面とする。共振子10において、下蓋20と対向する面を裏面、上蓋30と対向する面を表面とする。同様に、共振子10の構成要素において、それぞれの下蓋20と対向する面を裏面、それぞれの上蓋30と対向する面を表面とする。下蓋20から上蓋30に向かう方向を上とし、その反対方向を下とする。
以下、共振装置1の各構成について詳細に説明する。
(1.上蓋30)
上蓋30はXY平面に沿って平板状に広がっており、その裏面に例えば平たい直方体形状の凹部31が形成されている。凹部31は、側壁33に囲まれており、共振子10が振動する空間である振動空間の一部を形成する。
(2.下蓋20)
下蓋20は、XY平面に沿って設けられる矩形平板状の底板22と、底板22の周縁部からZ軸方向(すなわち、下蓋20と共振子10との積層方向)に延びる側壁23とを有する。下蓋20には、共振子10と対向する面において、底板22の表面と側壁23の内面とによって形成される凹部21が設けられる。凹部21は、共振子10の振動空間の一部を形成する。
上述した上蓋30と下蓋20とによって、この振動空間は気密に封止され、真空状態が維持される。この振動空間には、例えば不活性ガス等の気体が充填されてもよい。
下蓋20の内面、すなわち底板22の表面には振動空間内に突出する突起部50が形成される。突起部50の詳細な構成については後述する。
(3.共振子10)
図3は、上蓋30を取り外した共振装置1の平面図である。図3を用いて本実施形態に係る共振子10の、各構成について説明する。共振子10は、振動部120と、保持部140と、保持腕111、112と、ビアV1、V2、V3、V4とを備えている。
(a)振動部120
振動部120は、図3の直交座標系におけるXY平面に沿って広がる櫛歯形状の輪郭を有している。振動部120は、保持部140の内側に設けられており、振動部120と保持部140との間には、所定の間隔で空間が形成されている。図3の例では、振動部120は、基部130と、4本の振動腕135A〜135D(まとめて「複数の振動腕135」とも呼ぶ。)とを有している。なお、振動腕の数は、4本に限定されず、例えば2本以上の任意の数に設定される。本実施形態において、複数の振動腕135と、基部130とは、一体に形成されている。
基部130は、平面視において、X軸方向に沿って延びる長辺131a、131b、Y軸方向に沿って延びる短辺131c、131dを有している。長辺131aは、基部130の前端の面131A(以下、「前端131A」とも呼ぶ。)の一つの辺であり、長辺131bは基部130の後端の面131B(以下、「後端131B」とも呼ぶ。)の一つの辺である。基部130において、前端131Aと後端131Bとは、互いに対向するように設けられている。
基部130は、前端131Aにおいて、複数の振動腕135に接続され、後端131Bにおいて、保持腕111、112に接続されている。なお、基部130は、図3の例では平面視において、略長方形の形状を有しているがこれに限定されず、長辺131aの垂直二等分線に沿って規定される仮想平面Pに対して略面対称に形成されていればよい。基部130は、例えば、長辺131bが長辺131aより短い台形や、長辺131aを直径とする半円の形状であってもよい。また、長辺131a、131b及び短辺131c、131dは直線に限定されず、それぞれの少なくとも一部が曲線であってもよい。
基部130において、前端131Aから後端131Bに向かう方向における、前端131Aと後端131Bとの最長距離である基部長(図3においては短辺131c、131dの長さ)は40μm程度である。また、基部長方向に直交する幅方向であって、基部130の側端同士の最長距離である基部幅(図3においては長辺131a、131bの長さ)は285μm程度である。
複数の振動腕135は、Y軸方向に延び、それぞれ同一のサイズを有している。複数の振動腕135は、それぞれが基部130と保持部140との間にY軸方向に平行に設けられ、一端は、基部130の前端131Aと接続されて固定端となっており、他端は開放端となっている。また、複数の振動腕135は、それぞれ、X軸方向に所定の間隔で、並列して設けられている。なお、複数の振動腕135は、それぞれ、例えばX軸方向の幅が50μm程度、Y軸方向の長さが420μm程度である。
複数の振動腕135はそれぞれ開放端に、錘部Gを有している。錘部Gは、複数の振動腕135の他の部位よりもX軸方向の幅が広い。錘部Gは、例えば、X軸方向の幅が70μm程度である。錘部Gは、複数の振動腕135の他の部位と同一プロセスによって一体形成される。錘部Gが形成されることで、複数の振動腕135は、単位長さ当たりの重さが、固定端側よりも開放端側の方が重くなっている。従って、複数の振動腕135が開放端側にそれぞれ錘部Gを有することで、複数の振動腕135のそれぞれにおける上下方向の振動の振幅を大きくすることができる。
本実施形態の振動部120では、X軸方向において、外側に2本の振動腕135A、135Dが配置されており、内側に2本の振動腕135B、135Cが配置されている。X軸方向における、隣り合う内側の振動腕135B、135C同士の間隔W1は、X軸方向における、外側の振動腕135A(135D)と当該外側の振動腕135A(135D)に隣接する内側の振動腕135B(135C)との間の間隔W2よりも大きく設定される。間隔W1は例えば35μm程度、間隔W2は例えば25μm程度である。間隔W2は間隔W1より小さく設定することにより、振動特性が改善される。また、共振装置1を小型化できるように、間隔W1を間隔W2よりも小さく設定してもよいし、等間隔にしてもよい。
振動部120の表面側には、その全面に亘って保護膜235が形成されている。さらに、複数の振動腕135における保護膜235の表面の一部には、それぞれ、導電膜236が形成されている。保護膜235及び導電膜236によって、振動部120の共振周波数を調整することができる。尚、必ずしも保護膜235は振動部120の全面に亘って設けられる必要はないが、周波数調整において下地の電極膜(例えば図4の金属層E2)及び圧電膜(例えば図4の圧電薄膜F3)をダメージから保護する上で、振動部120の全面に亘って設けられる方が望ましい。
導電膜236は、振動部120における、他の領域よりも振動による平均変位の大きい領域の少なくとも一部において、その表面が露出するように、保護膜235上に形成されている。具体的には、導電膜236は、複数の振動腕135のそれぞれの先端、即ち錘部Gにおいて、保護膜235上に形成される。他方、保護膜235は、複数の振動腕135における錘部G以外の領域において、その表面が露出している。この実施例では、複数の振動腕135のそれぞれの先端まで導電膜236が形成され、先端部では保護膜235は全く露出していない。しかし、保護膜235の一部が複数の振動腕135の少なくとも1つの先端部で露出する様に、導電膜236が複数の振動腕135の少なくとも1つの先端部には形成されなくてもよい。なお、複数の振動腕135のそれぞれの根本側(基部130と接続する側)に第2の導電膜が形成されてもよく、このような第2の導電膜は、例えば保護膜235上に形成される。この場合、周波数調整に伴う、周波数の温度特性の変化を抑制する事ができる。
(b)保持部140
保持部140は、XY平面に沿って矩形の枠状に形成される。保持部140は、平面視において、XY平面に沿って振動部120の外側を囲むように設けられる。なお、保持部140は、振動部120の周囲の少なくとも一部、具体的には基部130から視て複数の振動腕135の開放端側に延在して設けられていればよく、枠状の形状に限定されない。例えば、保持部140は、振動部120を保持し、また、上蓋30及び下蓋20と接合できる程度に、振動部120の周囲に設けられていればよい。
本実施形態においては、保持部140は一体形成される角柱形状の枠体140a〜140dからなる。枠体140aは、図3に示すように、複数の振動腕135の開放端に対向して、長手方向がX軸に平行に設けられる。枠体140bは、基部130の後端131Bに対向して、長手方向がX軸に平行に設けられる。枠体140cは、基部130の側端(短辺131c)及び振動腕135Aに対向して、長手方向がY軸に平行に設けられ、その両端で枠体140a、140bの一端にそれぞれ接続される。枠体140dは、基部130の側端(短辺131d)及び振動腕135Dに対向して、長手方向がY軸に平行に設けられ、その両端で枠体140a、140bの他端にそれぞれ接続される。
保持部140には、その略全面に亘って保護膜235が形成されている。さらに、保持部140の枠体140aにおける複数の振動腕135の開放端と対向する領域では、保護膜235の上に導電膜236が設けられている。具体的には、導電膜236は、枠体140aにおいて、保持部140における内縁に沿って、振動腕135Aに対向する領域から振動腕135Dに対向する領域に亘って形成されている。導電膜236は、平面視において、その内縁が保持部140の内縁と略一致する位置に設けられており、その外縁が、保持部140における内縁と外縁との間に位置するように設けられてもよい。なお保持部140の導電膜236は、導線238によって引き出され、後述するビアV5に電気的に接続されている。
(c)保持腕111、112
保持腕111及び保持腕112は、保持部140の内側に設けられ、基部130の後端131Bと枠体140c、140dとを接続する。図3に示すように、保持腕111と保持腕112とは、基部130のX軸方向の中心線に沿ってYZ平面に平行に規定される仮想平面Pに対して略面対称に形成される。
保持腕111は、腕111a、111b、111c、111dを有している。保持腕111は、一端が基部130の後端131Bに接続しており、そこから枠体140bに向かって延びている。そして、保持腕111は、枠体140cに向かう方向(すなわち、X軸方向)に屈曲し、さらに枠体140aに向かう方向(すなわち、Y軸方向)に屈曲し、再度枠体140cに向かう方向(すなわち、X軸方向)に屈曲して、他端が枠体140cに接続している。
腕111aは、基部130と枠体140bとの間に、枠体140cに対向して、長手方向がY軸に平行になるように設けられている。腕111aは、一端が、後端131Bにおいて基部130と接続しており、そこから後端131Bに対して略垂直、すなわち、Y軸方向に延びている。腕111aのX軸方向の中心を通る軸は、振動腕135Aの中心線よりも内側に設けられることが望ましく、図3の例では、腕111aは、振動腕135Aと135Bとの間に設けられている。また腕111aの他端は、その側面において、腕111bの一端に接続されている。腕111aは、X軸方向に規定される幅が20μm程度であり、Y軸方向に規定される長さが40μmである。
腕111bは、基部130と枠体140bとの間に、枠体140bに対向して、長手方向がX軸方向に平行になるように設けられている。腕111bは、一端が、腕111aの他端であって枠体140cに対向する側の側面に接続し、そこから腕111aに対して略垂直、すなわち、X軸方向に延びている。また、腕111bの他端は、腕111cの一端であって振動部120と対向する側の側面に接続している。腕111bは、例えばY軸方向に規定される幅が20μm程度であり、X軸方向に規定される長さが75μm程度である。
腕111cは、基部130と枠体140cとの間に、枠体140cに対向して、長手方向がY軸方向に平行になるように設けられている。腕111cの一端は、その側面において、腕111bの他端に接続されており、他端は、腕111dの一端であって、枠体140側の側面に接続されている。腕111cは、例えばX軸方向に規定される幅が20μm程度、Y軸方向に規定される長さが140μm程度である。
腕111dは、基部130と枠体140cとの間に、枠体140aに対向して、短手方向がX軸方向に平行になるように設けられている。腕111dの一端は、腕111cの他端であって枠体140cと対向する側の側面に接続している。また、腕111dは、他端が、振動腕135Aと基部130との接続箇所付近に対向する位置において、枠体140cと接続しており、そこから枠体140cに対して略垂直、すなわち、X軸方向に延びている。腕111dは、例えばY軸方向に規定される幅が20μm程度、X軸方向に規定される長さが10μm程度である。
このように、保持腕111は、腕111aにおいて基部130と接続し、腕111aと腕111bとの接続箇所、腕111bと111cとの接続箇所、及び腕111cと111dとの接続箇所で屈曲した後に、保持部140へと接続する構成となっている。
保持腕112は、腕112a、112b、112c、112dを有している。保持腕112は、一端が基部130の後端131Bに接続しており、そこから枠体140bに向かって延びている。そして、保持腕112は、枠体140dに向かう方向(すなわち、X軸方向)に屈曲し、さらに枠体140aに向かう方向(すなわち、Y軸方向)に屈曲して、再度枠体140dに向かう方向(すなわち、X軸方向)屈曲し、他端が枠体140dに接続している。
なお、腕112a、112b、112c、112dの構成は、それぞれ腕111a、111b、111c、111dと対称な構成であるため、詳細な説明については省略する。
(d)ビアV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7
ビアV1、V2、V3、V4は複数の振動腕135における先端部近傍に形成された金属(図7Cの導電体237である。)が充填された孔であり、振動腕135A〜135Dそれぞれに形成された導電膜236と、後述する金属層E1(図6参照)とを電気的に接続させる。このため、振動腕135A〜135Dそれぞれの表面に発生する電荷をキャンセルすることができる。特に、振動腕135A〜135Dそれぞれに形成された導電膜236が金属層E1を通してアースされる場合、振動腕135A〜135Dそれぞれの導電膜236表面に発生する電荷をキャンセルできる。図6においては、二点鎖線は電気的な接続を示しており、破線は、特にビアV1、V2、V3、V4による電気的な接続を示している。
詳細については後述するが、ビアV1、V2、V3、V4は、それぞれ振動腕135A、135B、135C、135Dの先端部における導電膜236が露出する領域と、保護膜235が露出する領域の境界近傍に形成される。本実施形態では、錘部Gの固定端側の端部に形成されている。
ビアV5、V6、V7は、保持部140における保持腕111又は112との接続箇所近傍に形成されることが好ましい。図3の例では、ビアV5、V6は枠体140cにおける保持腕111(腕111d)との接続箇所近傍に形成されており、ビアV7は枠体140dにおける保持腕112(腕112d)との接続箇所近傍に形成されている。なお、ビアV5、V6、V7が形成される位置はこれに限定されず、保持部140の任意の位置に形成されてよい。
ビアV5には金属(図4および図7Cの導電体237である。)が充填されており、後述する金属層E1(下部電極)と導線238とを電気的に接続させる。これによって、保持部140における複数の振動腕135と対向する領域に発生する電荷をキャンセルすることができる。特に、枠体140aの導電膜236が金属層E1を通してアースされる場合、保持部140の表面に発生する電荷をさらにキャンセルできる。また、複数の振動腕135の導電膜236と枠体140aの導電膜236とは、金属層E1を通して互いに電気的に接続されれば同電位とすることができる。これによれば、複数の振動腕135と枠体140aとの間で発生するクーロン力を低減し、共振周波数の変動を抑制できる。
ビアV6、ビアV7は後述する金属層E2(上部電極)と外部の駆動電源とを電気的に接続させるための端子が形成されている。これによって、振動部120に駆動電源が与えられる。
(4.突起部50)
突起部50は、隣り合う振動腕135Bと振動腕135Cの間に突起するように下蓋20に形成されている。本実施形態では、突起部50は、振動腕135B、135Cに平行に延びる角柱形状に形成されている。突起部50の振動腕135B、135Cに沿った方向の長さは240μm程度、当該方向に直交する長さ(幅)は15μm程度である。下蓋20に突起部50が形成されることで、例えば共振装置1を薄型化するために、下蓋20の厚さを低減したとしても、下蓋20の反りの発生を抑制することが可能になる。図3では、一例として、振動腕135B、135Cそれぞれの錘部Gと突起部50とがY軸方向において対向している、すなわち、X軸方向(複数の振動腕135の延在方向に直交する方向)に重なる領域を有している例を示しているが、必ずしもこの態様に限定されない。
突起部50の表面には導電膜236が露出している。図3には示さないが、突起部50には、保護膜235が形成されており、導電膜236は保護膜235の表面に形成されている。
さらに突起部50の枠体140b側の端部にはビアV8が形成されていることが好ましい。ビアV8には金属(図7Cの導電体237)が充填されており、後述する金属層E1(下部電極)と突起部50に形成された導電膜236とを電気的に接続させる。これによって突起部50の表面に発生する電荷をキャンセルすることができる。特に、突起部50に形成された導電膜236が金属層E1を通してアースされる場合、突起部50の表面で発生する電荷をさらにキャンセルできる。また、複数の振動腕135の導電膜236と突起部50の導電膜236とは、金属層E1を通して互いに電気的に接続されれば同電位とすることができる。これによれば、複数の振動腕135と突起部50との間で発生するクーロン力を低減し、共振周波数の変動が抑制できる。しかし、突起部50の導電膜236の下に形成された保護膜235の側面に発生した電荷は、導電膜236を通してキャンセルできない。同様に、複数の振動腕135及び保持部140(枠体140a)の導電膜236の下に形成された保護膜235の側面に発生する電荷は、導電膜236を通してキャンセルできない。このように保護膜235や圧電薄膜F3などの絶縁膜の側面に発生した電荷は、共振子10の共振周波数を変動させる恐れがある。
ここで、図3において(すなわち、下蓋20の共振子10に対向する面を平面視した場合において)、振動腕135B、又は振動腕135Cのいずれか1つの錘部Gと保持部140(枠体140a)との距離を距離L1とし、当該錘部Gと突起部50との間の距離を距離L2とする。距離L2は、より詳細には、下蓋20の共振子10に対向する面を平面視した場合に複数の振動腕135の延在方向(Y軸方向)における、突起部50と錘部Gとの距離をいう。より詳細には、距離L2は、突起部50の錘部Gに最も近い端部と、錘部Gの突起部50に最も近い端部との間の、Y軸方向における距離をいう。また、距離L1は、より詳細には、下蓋20の共振子10に対向する面を平面視した場合に複数の振動腕135の延在方向(Y軸方向)における、振動腕135B又は振動腕135Cのいずれかの錘部Gと、保持部140との距離をいう。より詳細には、距離L1は、錘部Gの枠体140aに最も近い端部と、枠体140aの錘部Gに最も近い端部との間の、Y軸方向における距離をいう。このとき、距離L2は、距離L1よりも長く設定されており、より好ましくは2倍以上に設定されている。例えば距離L2は20μm以上である。この構成により、錘部Gと突起部50との間のクーロン力による特性の劣化を低減することができる。これによれば、複数の振動腕135、突起部50及び枠体140aの側面に発生した電荷に起因する共振子10の振動特性の劣化が抑制できる。また、導電膜235が金属層E1又は金属層E2に電気的に接続されておらず、したがって導電膜235の表面の電荷がキャンセルされていなくても、共振子10の振動特性の劣化が低減できる。また、突起部50及び枠体140aの導電膜235が省略され、突起部50及び枠体140aの表面に発生した電荷がキャンセルされていなくても、共振子10の振動特性の劣化が低減できる。
.積層構造)
図4を用いて共振子10の積層構造について説明する。図4は、図2のAA'断面図である。AA'断面は、枠体140bに平行であり、ビアV5をとおる断面である。
−1.上蓋の積層構造)
上蓋30は、所定の厚みのSi(シリコン)ウエハSにより形成されている。図4に示すように、上蓋30はその周辺部(側壁33)での裏面によって、後述する接合層40により共振子10の保持部140と接合されている。上蓋30の裏面は、酸化ケイ素膜(不図示)に覆われていることが好ましい。酸化ケイ素膜は、例えばSiウエハSの表面の酸化や、化学気相蒸着(CVD: Chemical Vapor Deposition)によって、SiウエハSの表面に形成される。
なお、図4には示さないが、上蓋30の表面には、端子が形成されている。端子は上蓋30に形成された貫通孔に不純物ドープされた多結晶シリコン(Poly−Si)やCu(銅)やAu(金)や不純物ドープされた単結晶シリコン等の導電性材料が充填されて形成される。端子は、ビアV6、V7と電気的に接続されており、外部電源と共振子10とを電気的に接続させる配線として機能する。端子は下蓋20の裏面や、上蓋30又は下蓋20の側面に形成されてもよい。
−2.下蓋の積層構造)
下蓋20の底板22及び側壁23は、Si(シリコン)ウエハSにより、一体的に形成されている。また、下蓋20は、側壁23の表面によって、共振子10の保持部140と接合されている。Z軸方向に規定される下蓋20の厚みは例えば、150μm、凹部21の深さは例えば50μmである。なお、SiウエハSは、縮退されていないシリコンから形成されており、その抵抗率は例えば16mΩ・cm以上である。
−3.共振子の積層構造)
共振子10では、保持部140、基部130、複数の振動腕135、保持腕111,112は、同一プロセスで一体的に形成される。共振子10では、まず、Si(シリコン)基板F2の上に、金属層E1(下部電極の一例である。)が積層されている。そして、金属層E1の上には、金属層E1を覆うように、圧電薄膜F3(圧電膜の一例である。)が積層されており、さらに、圧電薄膜F3の表面には、金属層E2(上部電極の一例である。)が積層されている。すなわち、金属層E1と金属層E2が圧電薄膜F3を挟んで対向するように設けられ、金属層E1には下蓋20が対向して設けられ、金属層E2には上蓋30が対向して設けられている。金属層E2の上には、金属層E2を覆うように、保護膜235が積層されている。複数の振動腕135のそれぞれの錘部Gにおいては、さらに、保護膜235の上に、導電膜236が積層されている。本実施例では、金属層E2は、複数の振動腕135の先端まで延在しない構成になっている。これによって、金属層E1や導電膜236との短絡による特性変化を抑制することができる。このように金属層E2は、複数の振動腕135の先端まで延在させない様にパターニングする方が望ましいが、先端まで延在させてもよい。尚、低抵抗となる縮退シリコン基板をSi基板F2として用いる場合、Si基板F2自体が下部電極の機能を兼ねる事で、金属層E1を省略する事も可能である。
Si基板F2は、例えば、厚さ6μm程度の縮退したn型Si半導体から形成されており、n型ドーパントとしてP(リン)やAs(ヒ素)、Sb(アンチモン)などを含むことができる。また、Si基板F2に用いられる縮退Siの抵抗値は、例えば1.6mΩ・cm未満であり、より好ましくは1.2mΩ・cm以下である。さらにSi基板F2の下面にはたとえば酸化ケイ素(例えばSiO2)層F21からなる温度特性補正層が形成されている。これにより、温度特性を向上させることが可能になる。
本実施形態において、温度特性補正層とは、振動部における周波数の温度係数(すなわち、温度当たりの変化率)を、少なくとも常温近傍において低減する機能を持つ層をいう。振動部120が温度特性補正層に相当する酸化ケイ素層F21を有することにより、例えば、Si基板F2と、金属層E1、E2と、圧電薄膜F3と、酸化ケイ素層F21とによる積層構造体の共振周波数の、温度に伴う変化を低減することができる。
共振子10においては、酸化ケイ素層F21は、均一の厚みで形成されることが望ましい。なお、均一の厚みとは、酸化ケイ素層F21の厚みのばらつきが、厚みの平均値から±20%以内であることをいう。
なお、酸化ケイ素層F21は、Si基板F2の上面に形成されてもよいし、Si基板F2の上面と下面の双方に形成されてもよい。また、保持部140においては、Si基板F2の下面に酸化ケイ素層F21が形成されなくてもよい。
金属層E2、E1は、例えば厚さ0.1〜0.2μm程度のMo(モリブデン)やアルミニウム(Al)等を用いて形成される。金属層E2、E1は、エッチング等により、所望の形状に形成される。金属層E1は、例えば振動部120においては、下部電極またはフロート電極またはグランド電極として機能するように形成される。本実施例では、下部電極となっている。また、金属層E1は、保持腕111,112や保持部140においては、共振子10の外部に設けられた交流電源に下部電極を電気的に接続するための下部配線、もしくはアースにグランド電極を電気的に接続するための下部配線として機能するように形成される。
他方で、金属層E2は、振動部120においては、上部電極として機能するように形成される。また、金属層E2は、保持腕111、112や保持部140においては、共振子10の外部に設けられた回路または交流電源に上部電極を電気的に接続するための上部配線として機能するように形成される。
なお、外部の交流電源またはアースから下部配線への電気的な接続にあたっては、上蓋30と共振子10の接合部分に引出電極を形成して、当該引出電極が共振装置1の内部と外部とを電気的に接続する構成や、上蓋30内にビアを形成し、当該ビアの内部に導電性材料を充填してビア配線を設け、当該ビア配線が共振装置1の内部と外部とを電気的に接続する構成が用いられてもよい。このような引出電極やビア電極を用いた電気的接続は、外部の回路または交流電源から上部配線への電気的な接続についても同様に適用することができる。なお、金属層E1及び金属層E2の機能は入れ替わっていてもよい。すなわち、金属層E2(上部電極)が外部の交流電源またはアースに電気的に接続され且つ金属層E1(下部電極)が外部の回路に電気的に接続されてもよい。
圧電薄膜F3は、印加された電圧を振動に変換する圧電体の薄膜であり、例えば、AlN(窒化アルミニウム)等の窒化物や酸化物を主成分とすることができる。具体的には、圧電薄膜F3は、ScAlN(窒化スカンジウムアルミニウム)により形成することができる。ScAlNは、窒化アルミニウムにおけるアルミニウムの一部をスカンジウムに置換したものである。また、圧電薄膜F3は、例えば、1μmの厚さを有するが、0.2μmから2μm程度を用いることも可能である。
圧電薄膜F3は、金属層E2、E1によって圧電薄膜F3に印加される電界に応じて、XY平面の面内方向すなわちY軸方向に伸縮する。この圧電薄膜F3の伸縮によって、複数の振動腕135は、下蓋20及び上蓋30の内面に向かってその開放端を変位させ、面外の屈曲振動モードで振動する。なお、本実施形態では、4本腕の面外屈曲振動モードにおいて、上部電極を分割して、それぞれ交流電源に接続する事で、内腕2本と外腕2本とが互いに逆方向に屈曲振動する構成となっているが、これに限定されない。例えば、振動腕が1本の構成や、面内屈曲振動モードで振動する構成でもよい。
保護膜235は、絶縁体の層であり、エッチングによる質量低減の速度が導電膜236より遅い材料により形成される。例えば、保護膜235は、AlNやSiN等の窒化膜やTa25(5酸化タンタル)やSiO2等の酸化膜により形成される。なお、質量低減速度は、エッチング速度(単位時間あたりに除去される厚み)と密度との積により表される。保護膜235の厚さは、圧電薄膜F3の厚さ(C軸方向)の半分以下で形成され、本実施形態では、例えば0.2μm程度である。なお、保護膜235のより好ましい厚さは、圧電薄膜F3の厚さの4分の1程度である。さらに、保護膜235がAlN等の圧電体によって形成される場合には、圧電薄膜F3と同じ配向を持った圧電体が用いられることが好ましい。
導電膜236は、導電体の層であり、エッチングによる質量低減の速度が保護膜235より速い材料により形成される。導電膜236は、例えば、モリブデン(Mo)やタングステン(W)や金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の金属により形成される。
なお、保護膜235と導電膜236とは、質量低減速度の関係が上述のとおりであれば、エッチング速度の大小関係は任意である。
導電膜236は、振動部120の略全面に形成された後、エッチング等の加工により所定の領域のみに形成される。
本実施形態に係る共振装置1では、上述のような共振子10が形成された後、導電膜236の膜厚を調整するトリミング工程が行われる。
トリミング工程では、まず共振子10の共振周波数を測定し、狙い周波数に対する偏差を算出する。次に、算出した周波数偏差に基づき、導電膜236の膜厚を調整する。導電膜236の膜厚の調整は、例えばアルゴン(Ar)イオンビームを共振装置1の全面に対して照射して、導電膜236をエッチングすることによって行うことができる。イオンビームは共振子10よりも広い範囲に照射することが可能である。なお、本実施形態では、イオンビームによりエッチングを行う例を示すが、エッチング方法は、イオンビームによるものに限られない。さらに、導電膜236の膜厚が調整されると、共振子10の洗浄を行い、飛び散った膜を除去することが望ましい。
ビアV5は、金属層E1の表面が露出するように導電膜236、保護膜235、金属層E2及び圧電薄膜F3の一部を除去した孔に導電体237が充填されて形成される。ビアV5に充填される導電体237は、例えばMo(モリブデン)やアルミニウム(Al)等である。保持部140の枠体140aに形成された導電膜236と金属層E1はビアV5に充填された導電体237を介して電気的に接続されている。
図5は、図3のBB’線に沿って振動腕135Dを切断した場合の断面の概略図である。図5に示すように、金属層E2は導電膜236となるべく重なり合う領域が小さくなるように、その面積が調整されて形成される。
ビアV4は、金属層E1の表面が露出するように導電膜236、保護膜235、金属層E2及び圧電薄膜F3の一部を除去した孔に導電体237が充填されて形成される。ビアV4に充填される導電体237は、例えばMo(モリブデン)やアルミニウム(Al)等である。導電膜236と金属層E1はビアV4に充填された導電体237を介して電気的に接続されている。これによって、保護膜235に帯電された電荷を金属層E1へと移動させることができる。金属層E1へ移動させた電荷は、金属層E1に接続された外部との接続端子を介して、共振装置1の外部へ逃がすことができる。このように本実施形態に係る共振子10では、振動部120に形成された保護膜235に電荷が帯電することを抑制できるため、振動部120に帯電した電荷による共振周波数の変動を防止することができる。
ここで、金属層E1と導電膜236とを電気的に接続させた場合、保護膜235と圧電薄膜F3とには逆方向の電界が印加されることになる。このため、金属層E2と導電膜236との重なり合う領域が大きいと、共振子10の振動が阻害されてしまう。本実施形態に係る共振子10によると、金属層E2と導電膜236との重なり合う領域がなるべく小さくなるように設定されている。これによって、保護膜235に印加される電界によって、圧電薄膜F3の振動が阻害されることを抑制することができる。なお、ビアV1、V2、V3の接続態様、及び材質、効果等は、ビアV4と同様であるため説明を省略する。
図6は、図3のCC’線に沿って共振子10を切断した場合の断面の概略図である。本実施形態では、外側の振動腕135A、135Dに印加される電界の位相と、内側の振動腕135B、135Cに印加される電界の位相とが互いに逆位相になるように設定されている。これにより、外側の振動腕135A、135Dと内側の振動腕135B、135Cとが互いに逆方向に変位する。例えば、外側の振動腕135A、135Dが上蓋30の内面に向かって開放端を変位すると、内側の振動腕135B、135Cは下蓋20の内面に向かって開放端を変位する。
これによって、本実施形態に係る共振子10では、逆位相の振動時、すなわち、図に示す振動腕135Aと振動腕135Bとの間でY軸に平行に延びる中心軸r1回りに振動腕135Aと振動腕135Bとが上下逆方向に振動する。また、振動腕135Cと振動腕135Dとの間でY軸に平行に延びる中心軸r2回りに振動腕135Cと振動腕135Dとが上下逆方向に振動する。これによって、中心軸r1とr2とで互いに逆方向の捩れモーメントが生じ、基部130で屈曲振動が発生する。
−4.突起の積層構造)
図4に戻り、共振装置1の積層構造の続きを説明する。
突起部50は、下蓋20のSiウエハSと一体形成される第1層51と、共振子10と同一プロセスで形成される第2層52とを有している。第2層52には、上述の酸化ケイ素層F21と、Si基板F2と、金属層E1と、圧電薄膜F3と、金属層E2と、保護膜235と、導電膜236とがこの順に積層されて形成される。
−5.接合層40の積層構造)
上蓋30の周縁部と保持部140との間には、接合層40が形成されており、この接合層40によって、上蓋30が保持部140と接合される。接合層40は、例えばAu(金)膜及びSn(錫)膜から形成されている。
.プロセスフロー)
次に、図7A乃至図7Cを参照して、共振装置1のプロセスフローについて説明する。図7Aは、図3のDD'断面のプロセスフローである。
まず、最初の工程では、下蓋20となるハンドルSi(SiウエハS)を用意する(STEP1)。次に、ハンドルSiにエッチングでキャビティを形成し、下蓋20と突起部50の第1層51とを形成し(STEP2)、STEP3で別途用意したSOI基板(酸化ケイ素層F21が形成されたSi基板F2)と熱接合する(STEP4)。次に、SOI基板上に、金属層E1、圧電薄膜F3、金属層E2をこの順で成膜する(STEP5)。なお、金属層E1とSi基板F2との間にシード層を成膜してもよい。シード層は、例えば、窒化アルミニウム層等である。この場合、金属層E1上に形成される圧電薄膜F3の結晶性を向上させることができる。
続く工程を図7B、図7Cを用いて説明する。図7B(A)及び図7C(A)は、図7Aと同様、図3のDD’断面のプロセスフローである。他方、図7B(B)及び図7C(B)は図3のEE’断面のプロセスフローである。
上述のSTEP5に続くSTEP6では、金属層E2をエッチング等によってパターニングし、上部電極を形成する(STEP6)。なお、STEP5において金属層E1、圧電薄膜F3、金属層E2を成膜する際に、金属層E1、圧電薄膜F3をパターニングしてもよい。次に、保護膜235、導電膜236をこの順で成膜する(STEP7、STEP8)。
続くステップでは、ビアV1〜V5を形成する(STEP9)。具体的にはビアV1〜V5を形成する領域において金属層E1が露出するように、導電膜236、保護膜、金属層E2、圧電薄膜F3を除去する。次に、導電体237を積層させビアV1〜V5を導電体237で充填する(STEP10)。導電体237は、ビアV1〜V5の開口を覆うようにパターニングされる(STEP11)。
さらに、振動部120の外形を形成するため、エッチング等により複数の振動腕135の間や、複数の振動腕135と保持部140との間をリリースする(STEP12)。その後別途用意した上蓋30と接合され、共振装置1が形成される。
.効果)
図8、図9を参照して、突起部50から錘部Gまでの距離L2を、複数の振動腕135の開放端から保持部140までの距離L1よりも長く設定することの効果について説明する。
図8、図9は、距離L1に対する距離L2の長さが、保護膜235にチャージ(帯電)された電荷による周波数変動に与える影響を検証した結果を示すグラフである。
図8に結果を示す検証では、距離L1を10μmに固定し、距離L2を共振装置のサンプルごとに49μm(A−1,A−2)、25μm(B−1)、19μm(C−1)、9μm(D−1)、5μm(E−1,E−2,E−3)の間で変動させている。A−1,B−1,C−1,D−1,E−1のサンプルでは、突起部50に形成した導電膜236を接地させている。A−2、E−2のサンプルでは、突起部50に形成した導電膜236をフロート状態にしている。さらにE−3のサンプルでは、突起部50には導電膜236は形成されていない。各サンプルにおけるその他の構成は、上述のとおりである。
図8のグラフは、各サンプルに対してイオンビームを1.0秒程度照射してトリミングを行った場合の周波数の変化を示している。図7の検証にはArイオンビームを用いている。また、周波数の測定は発信回路と周波数カウンタによって行った。
共振子にイオンビームを照射して、導電膜236がエッチングされると、周波数は上昇する。しかし、電荷のチャージの影響がある場合、イオンビームの照射直後は一時的に周波数が低下する。ここで図8のグラフを参照して、距離L2が5μmの場合(E−1,E−2,E−3)では、突起部50の導電膜236が接地状態、フロート状態、及び突起部50が導電膜236を有していない場合のいずれも、イオンビーム照射直後に周波数が低下しており、チャージの影響を受けていることが分かる。
次に、距離L2の長さが9μmの場合(D−1)、突起部50の導電膜236を接地しても、イオンビーム照射直後に周波数が低下しており、チャージの影響を受けていることが分かる。
他方、距離L2の長さが19μm以上の場合(A−1,A−2,B−1,C−1)には、イオンビーム照射直後の周波数の低下は緩和されており、チャージの影響が低減されていることが分かる。
図9を図8の検証結果を、横軸を距離L2の長さ、縦軸を周波数変化率として示したグラフである。図9から明らかなように、距離L2は10μmより大きい、すなわち距離L1よりも大きい場合には、周波数変化率が低減されている。さらに距離L2が20μm以上、すなわち距離L1の2倍以上の場合にはこの傾向は顕著である。
このように本実施形態に係る共振装置1は、突起部50と錘部Gの後端までの距離L2が、複数の振動腕135の開放端から保持部140における開放端と対向する領域までの距離L1より長く設定されている。より好ましくは、距離L2は距離L1の2倍以上の長さであり、例えば距離L2の長さは20μmである。これによって、保護膜235にチャージされた電荷によるクーロン力が共振子10の周波数の変動に与える影響を低減することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
図10は、図4に対応し、本実施形態に係る共振装置2のAA’断面図である。共振装置2は、共振装置1における突起部50に代えて、突起部60を有している。突起部60は、突起部50における第1層51から構成され、第2層52を有していない。その他の突起部60の構成は突起部50と同様である。
その他の共振装置2の構成・機能は、共振装置1と同様である。同様に、第1層51上の、半導体層、下部電極、圧電膜、上部電極、絶縁膜、導電膜は、それぞれ、必要に応じて、あっても無くてもよい。
[第3実施形態]
図11を用いて第3実施形態に係る共振装置3の構成、機能について説明する。図11は、図3に対応し、本実施形態における共振装置3から上蓋30を取り外した平面図の一部を抜粋した図である。共振装置3は、共振装置1の振動腕135A乃至135D、突起部50に代えて、振動腕136A乃至136D(複数の振動腕136)、突起部70を有している。
複数の振動腕136は、それぞれの開放端がR形状である。また、図11において、振動腕136の錘部Gは、図11の振動腕136B,136Cに示した一点鎖線よりも開放端側の領域をいう。さらに複数の振動腕136は、錘部Gが形成される領域近傍において、開放端に向かうにつれて徐々に幅が広がる形状をしている。また突起部70は、複数の振動腕136が伸びる方向に沿った先端がR形状である。
共振装置3において、距離L1は、下蓋20の共振子10に対向する面を平面視した場合に、複数の振動腕136の延在する方向における、振動腕136の開放端と枠体140aとの間の距離をいう。他方、距離L2は、下蓋20の共振子10に対向する面を平面視した場合に、複数の振動腕136の延在する方向における、錘部Gと、突起部70との距離をいう。ここで、下蓋20の共振子10に対向する面を平面視した場合に、複数の振動腕136の延在する方向に直交する方向における、突起部70と振動腕136B、136Cとの距離をL3とする。このとき、共振装置3では、距離L3は距離L1より小さく、かつ距離L2より小さく設定されている。これにより、振動腕の根本側の電荷の影響より、振動腕先端側の電荷の影響を小さくすることで、周波数変動を抑制する事ができる。
その他の共振装置3の構成は第1実施形態における共振装置1の構成と同様である。
[第4実施形態]
図12を用いて第4実施形態に係る共振装置4の構成、機能について説明する。図14は、図3に対応し、本実施形態における共振装置4から上蓋30を取り外した平面図の一部を抜粋した図である。共振装置4は、共振装置1の振動腕135A乃至135D、突起部50に代えて、振動腕137A乃至137C(複数の振動腕137)、突起部80A、80Bを有している。
複数の振動腕137は、1本の内側の振動腕137Bと、2本の外側の振動腕137A、137Cと、からなる3本の振動腕である。外側の振動腕137A、137Cは、内側の振動腕137Bとは逆相で振動する。突起部80Aは、振動腕137Aと振動腕137Bとの間に形成されている。突起部80Bは、振動腕137Bと振動腕137Cとの間に形成されている。
その他の共振装置4の構成・機能は、共振装置1と同様である。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。
本発明の一実施形態に係る共振装置1は、基部130と、当該基部130に接続された固定端及び当該基部130から離れて設けられた開放端を有し、固定端から開放端まで延在する複数の振動腕135とを備え、基部130及び複数の振動腕135は、圧電膜F3と、当該圧電膜F3を間に挟んで対向するように設けられた下部電極E1及び上部電極E2と、上部電極E2を覆うように設けられた絶縁膜235と、を有する振動部120と複数の振動腕135の前記開放端側に延在して設けられた保持部140と、振動部120と保持部140とを接続する保持腕111、112と、を有する共振子10と、共振子10の上部電極E2に対向して設けられた上蓋30と、共振子10の下部電極E1に対向して設けられた下蓋20と、を備え、下蓋20は、複数の振動腕135のうち隣り合う2つの振動腕135B、135Cの間に突起する突起部50を有し、突起部50は絶縁膜235を有し、振動腕135は、開放端側に設けられかつ振動腕135における他の部位よりも幅が広い錘部Gを有し、錘部Gは、絶縁膜235上に形成された導電膜236を有し、下蓋20における下部電極E1と対向する面を平面視したときに、複数の振動腕135が延在する方向において、隣り合う2つの振動腕135B、135Cのいずれか1つの錘部Gと保持部140との間の第1距離L1よりも、当該錘部Gと突起部50との間の第2距離L2のほうが大きい。第2距離L2は、より好ましく第1距離L1の2倍以上である。これにより、保護膜235または導電膜236にチャージされた電荷によるクーロン力が共振子10の周波数の変動に与える影響を低減することができる。
また、第2距離L2は、20μm以上であることが好ましい。この場合、第1距離L1をより広く確保することができるため、保護膜235または導電膜236にチャージされた電荷によるクーロン力が共振子10の周波数の変動に与える影響をより低減することができる。
また、複数の振動腕135は、3本の振動腕であり、中央の振動腕と外側の振動腕とは、逆相で振動することが好ましい。この好ましい態様によると、中央の振動腕と外側の振動腕との回転方向のモーメントを打ち消すことができ、より高いQの共振を得ることができる。
また複数の振動腕135は、4本の振動腕であり、内側の2本の振動腕と外側の2本の振動腕とは、逆相で振動することが好ましい。この好ましい態様によると、内側の振動腕2本の間を広げて形成することができ、この結果、共振子の振動のしやすさを表すkQを向上させることができる。
また、錘部Gに形成された導電膜236は、上部電極E2又は下部電極E1と接続されることが好ましい。また保持部140は、絶縁膜235と当該絶縁膜235上に形成された導電膜236とを有し、保持部140の導電膜236は、上部電極E2又は下部電極E1と接続されることが好ましい。また、突起部50は、絶縁膜235上に形成された導電膜236をさらに有し、突起部50の導電膜236は、上部電極E2又は下部電極E1と接続されることが好ましい。この好ましい態様によると、保護膜235または導電膜236にチャージされた電荷によるクーロン力が共振子10の周波数の変動に与える影響をより低減することができる。
また突起部50は、隣り合う2つの振動腕135B,135Cのうち錘部G以外の部位同士の間に突起しており、突起部50と振動腕135B,135Cにおける錘部G以外の部位までの第3距離L3は、第1距離L1よりも小さいことが好ましい。
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
例えば、既述の実施形態において、保持部140における振動腕135の開放端と対向する領域には導電膜236が形成されている構成を説明した。しかし、これに限定されず、保持部140の表面には導電膜236は形成されていない構成でもよい。同様に、既述の実施形態において、突起部50の表面には導電膜236が露出する構成を説明したが、突起部50には導電膜236が形成されていなくてもよい。
また、既述の実施形態において、錘部Gの導電膜236、及び突起部50の導電膜236はいずれも金属層E1(下部電極)と接続される構成を説明したが、金属層E2(上部電極)と接続されてもよい。また、錘部Gの導電膜236、及び突起部50の導電膜236は金属層E1,E2とは接続されず、フロート状態でもよい。この場合、共振装置1はビアV1〜V5を有さない。
さらに既述の実施形態において、突起部50、60、70は、振動腕135B、135Cの間(すなわち内側の振動腕の間)に形成される構成を説明したがこれに限定されない。突起部50、60、70は、隣り合う2つの振動腕135の何れかの間に形成されていればよく、振動腕135A,135Bの間でもよいし、振動腕135C,135Dの間でもよい。また、すべての振動腕135の間に形成されていてもよい。
また、既述の実施形態では、共振子10は4本の振動腕135を有する構成と3本の振動腕137を有する構成とを説明したが、共振子10が有する振動腕135の数は、2本以上の任意の本数でもよい。例えば、共振子10が5本以上の振動腕を有する構成の場合、外側2本の振動腕と、外側2本以外の振動腕とが逆相で振動する構成でもよい。突起部は、少なくとも1組の隣り合う振動腕の間に形成されればよい。
1、2、3、4 共振装置
10 共振子
20 下蓋
30 上蓋
50、60、70、80A、80B 突起部
111、112 保持腕
120 振動部
130 基部
135(135A〜135D)、136、137 振動腕
140 保持部
235 保護膜
236 導電膜

Claims (9)

  1. 基部と、当該基部に接続された固定端及び当該基部から離れて設けられた開放端を有し、前記固定端から前記開放端まで延在する複数の振動腕とを備え、前記基部及び前記複数の振動腕は、圧電膜と、当該圧電膜を間に挟んで対向するように設けられた下部電極及び上部電極と、前記上部電極を覆うように設けられた絶縁膜と、を有する振動部と、
    前記複数の振動腕の前記開放端側に延在して設けられた保持部と、
    前記振動部と前記保持部とを接続する保持腕と、
    を有する共振子と、
    前記共振子の前記上部電極に対向して設けられた上蓋と、
    前記共振子の前記下部電極に対向して設けられた下蓋と、
    を備え、
    前記下蓋は、前記複数の振動腕のうち隣り合う2つの振動腕の間に突起する突起部を有し、前記突起部は絶縁膜を有し、
    前記振動腕は、前記開放端側に設けられかつ前記振動腕における他の部位よりも幅が広い錘部を有し、前記錘部は、前記絶縁膜上に形成された導電膜を有し、
    前記下蓋における前記下部電極と対向する面を平面視したときに、前記複数の振動腕が延在する方向において、前記隣り合う2つの振動腕のいずれか1つの前記錘部と前記保持部との間の第1距離よりも、当該錘部と前記突起部との間の第2距離のほうが大きい、
    共振装置。
  2. 前記第2距離は、前記第1距離の2倍以上である、
    請求項1に記載の共振装置。
  3. 前記第2距離は20μm以上である、
    請求項1又は2に記載の共振装置。
  4. 前記複数の振動腕は、
    3本の振動腕であり、中央の振動腕と外側の振動腕とは、逆相で振動する、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の共振装置。
  5. 前記複数の振動腕は、
    4本の振動腕であり、内側の2本の振動腕と外側の2本の振動腕とは、逆相で振動する、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の共振装置。
  6. 前記錘部に形成された前記導電膜は、前記上部電極又は前記下部電極と電気的に接続される、
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の共振装置。
  7. 前記保持部は、絶縁膜と当該絶縁膜上に形成された導電膜とを有し、
    前記保持部の前記導電膜は、前記上部電極又は前記下部電極と電気的に接続される、
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の共振装置。
  8. 前記突起部は、前記絶縁膜上に形成された導電膜をさらに有し、
    前記突起部の前記導電膜は、前記上部電極又は前記下部電極と電気的に接続される、
    請求項1乃至7の何れか一項に記載の共振装置。
  9. 前記突起部は、前記隣り合う2つの振動腕のうち前記錘部以外の部位同士の間に突起しており、
    前記突起部と前記振動腕における前記錘部以外の部位までの第3距離は、前記第1距離よりも小さい、
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の共振装置。
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