従来、ヘッドボックスから垂下された梯子形支持コードによって多数の水平スラットが上下に一定の間隔を隔てて支持され、ヘッドボックスからスラットを通って垂下され下端が下板に連結された昇降コードによってスラットの昇降が行われるように構成された横型ブラインドが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この横型ブラインドでは、梯子形支持コードが、ヘッドボックス内に配置された部分とスラットを支持する梯子形部分とに分けて形成され、両部分が着脱自在に連結される。また、多数のスラットの畳み代よりも長い補助コードが、昇降コード挿通孔に挿通可能な連結具によって昇降コードの下端に着脱自在に連結される。更に、補助コードは下板の中に収納可能に構成され、昇降コードの下端を下板に固定する固定具が昇降コードの直径より広くかつ連結具より狭い幅のスリットを有し、補助コードの下端に昇降コード挿通孔を通過不能なストッパが設けられる。
このように構成された横型ブラインドでは、窓上部の壁面等に取付けられたヘッドボックスから、多数のスラットを含むブラインド本体を容易に取外すことができるので、ブラインドの掃除或いは交換を簡単に行うことができる。また、昇降コードの下端に連結した補助コードによって、取外されたスラットがバラバラになるのを防止できるので、取扱いに極めて便利である。
一方、一端がヘッドボックス内に配置された昇降ドラムに止着され、他端がヘッドボックスから垂下され各スラットの昇降テープ孔を貫通してボトムレールに止着されたベネシャンブラインド用昇降テープが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このベネシャンブラインド用昇降テープは、上端が昇降ドラムに止着されたジョイントテープと、このジョイントテープの下端に上端が脱着自在に止着されたテープ本体とからなり、ジョイントテープの下端にテープ本体の上端がジョイント金具を介して連結される。また、ヘッドボックスに回転軸が取付けられ、この回転軸に昇降ドラムとラダードラムが一体回転するように取付けられる。更に、昇降ドラムに昇降テープが巻かれる。
このように構成されたベネシャンブラインド用昇降テープでは、ブラインドの点検保全等のためにヘッドボックスを建物に固定したまま、スラットをそっくり取外すか或いは取付ける場合、昇降テープについてはジョイントテープとテープ本体の連結を脱着するだけでよく、昇降テープの下端を各スラットの昇降テープ孔に抜き差ししてボトムレールに脱着する厄介な作業を不要にすることができる。
しかし、上記従来の特許文献1に示された横型ブラインドでは、昇降コード挿通孔の大きさを連結具が挿通可能な大きさに設定することにより、昇降コード挿通孔が大きくなるため、昇降コード挿通孔からの光漏れ量が多くなる不具合があった。また、上記従来の特許文献1に示された横型ブラインドでは、補助コードの上端に設けられた連結具より昇降コード挿通孔が大きいため、ブラインド本体の取外し後に補助コードが昇降コード挿通孔から抜けてしまうおそれがあり、補助コードがブラインドの畳み代より長いけれども比較的短いため、補助コードが昇降コード挿通孔から抜けてしまうと、補助コードを昇降コード挿通孔に再び挿通するのに極めて多くの時間を要する問題点もあった。
一方、上記従来の特許文献2に示されたベネシャンブラインド用昇降テープでは、ジョイント金具を含む部分が昇降テープに比べて厚いため、昇降テープの昇降ドラムへの巻取り時に、ジョイント金具を含む部分が他の部分より膨らみ、昇降ドラムの巻取り直径が部分的に大きくなる。これにより、昇降ドラムによる昇降テープの巻取り回転時に局所的に巻取り量が変化するため、昇降ドラムが同一角速度で回転する場合、ボトムレールの引上げ速度が変化する。このため、モータ制御等で複数台のブラインドを同時に上昇させる際に、ボトムレールの引上げ速度が変化することにより、昇降コードの巻取り時に複数のボトムレールの位置が揃わず、昇降時におけるブラインドの見栄えを損なう不具合があった。また、上記従来の特許文献2に示されたベネシャンブラインド用昇降テープでは、昇降テープのジョイント金具の幅が昇降テープの幅より広いと、昇降ドラムの巻取り部分の幅、即ち一対のフランジ間の寸法も昇降テープの幅より広くしなければならない。これにより、昇降ドラムに巻取られた昇降テープとフランジとの間に隙間が生じるため、昇降テープがこの隙間に脱落してしまい、昇降テープのスムーズな巻取りに支障をきたす問題点もあった。
本発明の第1の目的は、連結具を遮蔽体の通孔に挿通不能に形成することにより、通孔を必要以上に大きくする必要がなく、通孔からの光漏れを最小限に抑えることができるとともに、昇降コードが通孔から抜けてしまうのを防止できる、日射遮蔽装置を提供することにある。本発明の第2の目的は、通常の遮蔽体の昇降時に連結具が露出せず、昇降コードの見栄えを損なわない、日射遮蔽装置を提供することにある。本発明の第3の目的は、連結具が昇降コードより若干太くても、昇降コードの巻取ドラムへの巻取り速度及び巻取ドラムからの繰出し速度が変化せず、遮蔽体及びボトムレールを安定した速度で昇降できるとともに、昇降コードが巻取ドラムに巻かれた昇降コード上から脱落するという事態を回避でき、昇降コードを巻取ドラムにスムーズに巻取ることができかつ巻取ドラムからスムーズに繰出すことができる、日射遮蔽装置を提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1〜図4に示すように、窓枠の上枠部、天井又は壁11に取付けられるヘッドボックス12と、このヘッドボックス12から垂下され重合可能又は折畳み可能に展開される遮蔽体13と、この遮蔽体13の下方又は下端に水平方向に延びて設けられたボトムレール14と、ヘッドボックス12内に回転可能に取付けられた巻取ドラム16と、遮蔽体13に形成された複数の通孔に挿通され下端がボトムレール14に取付けられ上端が巻取ドラム16に取付けられかつ巻取ドラム16に繰出し可能に巻取られることによりボトムレール14及び遮蔽体13を昇降可能な昇降コード17とを備えた日射遮蔽装置10であって、昇降コード17は、複数の通孔に挿通され下端がボトムレール14に取付けられボトムレール14が最も下降したときに上端が巻取ドラム17から繰出されかつ遮蔽体13より上方に位置する主コード部21と、上端が巻取ドラム16に取付けられボトムレール14が最も下降したときに下端が巻取ドラム16から繰出される補助コード部22と、主コード部21の上端と補助コード部22の下端とを離脱可能に連結しこの連結した状態で主コード部21及び補助コード部22とともに巻取ドラム16に巻取り可能な連結具23とを有し、連結具23のうち主コード部21の上端と補助コード部22の下端とを離脱させたときに主コード部21の上端に残る主係止部21が複数の通孔に挿通不能に形成されたことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図2に示すように、連結具23が、主コード部21の上端に嵌着された上記主係止部23aと、補助コード部22の下端に嵌着された補助係止部23bと、主係止部23a及び補助係止部23bを連結する連結本体23cとからなることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に連結具が、主コード部の上端に嵌着された上記主係止部と、補助コード部の下端に嵌着され主係止部に離脱可能に係止する補助係止部とからなることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図5に示すように、昇降コード17を巻取ドラム16に整列した状態で一重に巻取るコード整列機構30が巻取ドラム16に設けられたことを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図3〜図5に示すように、ボトムレール14が最も下降した状態で主コード部21及び補助コード部22を連結する連結具23がヘッドボックス12内に位置するように主コード部21及び補助コード部22の長さが設定されたことを特徴とする。
本発明の第6の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1〜図4に示すように、遮蔽体13が、ヘッドボックス12から垂下されたラダーコード19により鉛直方向に所定の間隔をあけて配設された水平方向に延びる複数のスラットであり、複数のスラット13にそれぞれ形成された通孔に昇降コード17が挿通されたことを特徴とする。
本発明の第7の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に遮蔽体が、水平方向に延びる複数の折り目でジクザグ状に折曲げられて折畳み可能に展開される単一のスクリーン本体であり、ジグザグ状のスクリーン本体に形成された複数の通孔に昇降コードが挿通されたことを特徴とする。
本発明の第1の観点の日射遮蔽装置では、この日射遮蔽装置の点検等のためにヘッドボックスを壁等に固定したまま、遮蔽体をボトムレールとともに取外す場合、ボトムレールを最も下降させた状態で、昇降コードの主コード部と補助コード部を連結している連結具を解除することにより、主コード部の上端を補助コード部の下端から離脱させる。このような比較的簡単な作業で遮蔽体をボトムレールとともにヘッドボックスから取外すことができる。また、連結具の主係止部を遮蔽体の通孔に挿通不能に形成したので、これらの通孔を必要以上に大きくする必要がなく、通孔からの光漏れを最小限に抑えることができるとともに、昇降コードが通孔から抜けてしまうのを防止できる。
本発明の第2の観点の日射遮蔽装置では、ヘッドボックスを壁等に固定したまま、遮蔽体をボトムレールとともに取外す場合、ボトムレールを最も下降させた状態で、連結具の主係止部を連結本体から外すことにより、主コード部の上端を補助コード部の下端から離脱させる。このような比較的簡単な作業で遮蔽体をボトムレールとともにヘッドボックスから取外すことができる。また、本発明の第1の観点の日射遮蔽装置と同様に、連結具の主係止部を遮蔽体の通孔に挿通不能に形成したので、これらの通孔を必要以上に大きくする必要がなく、通孔からの光漏れを最小限に抑えることができるとともに、昇降コードが通孔から抜けてしまうのを防止できる。
本発明の第3の観点の日射遮蔽装置では、ヘッドボックスを壁等に固定したまま、遮蔽体をボトムレールとともに取外す場合、ボトムレールを最も下降させた状態で、連結具の主係止部を補助係止部から外すことにより、主コード部の上端を補助コード部の下端から離脱させる。このような比較的簡単な作業で遮蔽体をボトムレールとともにヘッドボックスから取外すことができる。また、本発明の第1の観点の日射遮蔽装置と同様に、連結具の主係止部を遮蔽体の通孔に挿通不能に形成したので、これらの通孔を必要以上に大きくする必要がなく、通孔からの光漏れを最小限に抑えることができるとともに、昇降コードが通孔から抜けてしまうのを防止できる。
本発明の第4の観点の日射遮蔽装置では、昇降コードを巻取ドラムに整列した状態で一重に巻取るコード整列機構を巻取ドラムに設けたので、連結具が昇降コードより若干太いけれども、遮蔽体及びボトムレールの昇降時に昇降コードの巻取ドラムへの巻取り速度及び巻取ドラムからの繰出し速度が変化せず、遮蔽体及びボトムレールを安定した速度で昇降できる。また、昇降コードが既に巻取ドラムに巻かれた昇降コード上から脱落するという事態を回避できるので、昇降コードを巻取ドラムにスムーズに巻取ることができかつ巻取ドラムからスムーズに繰出すことができる。
本発明の第5の観点の日射遮蔽装置では、ボトムレールが最も下降した状態で主コード部及び補助コード部を連結する連結具がヘッドボックス内に位置するように主コード部及び補助コード部の長さを設定したので、通常の遮蔽体の昇降時に連結具が露出せず、昇降コードの見栄えを損なわない。
本発明の第6の観点の日射遮蔽装置では、この日射遮蔽装置である横型ブラインドの点検等のためにヘッドボックスを壁等に固定したまま、複数のスラットをボトムレールとともに取外す場合、ボトムレールを最も下降させた状態で、昇降コードの主コード部と補助コード部を連結している連結具を解除することにより、主コード部の上端を補助コード部の下端から離脱させる。このような比較的簡単な作業で複数のスラットをボトムレールとともにヘッドボックスから取外すことができる。また、連結具の主係止部を複数のスラットの通孔に挿通不能に形成したので、これらの通孔を必要以上に大きくする必要がなく、通孔からの光漏れを最小限に抑えることができるとともに、昇降コードが通孔から抜けてしまうのを防止できる。
本発明の第7の観点の日射遮蔽装置では、この日射遮蔽装置であるプリーツスクリーンの点検等のためにヘッドボックスを壁等に固定したまま、ジグザグ状のスクリーン本体をボトムレールとともに取外す場合、ボトムレールを最も下降させた状態で、昇降コードの主コード部と補助コード部を連結している連結具を解除することにより、主コード部の上端を補助コード部の下端から離脱させる。このような比較的簡単な作業でジグザグ状のスクリーン本体をボトムレールとともにヘッドボックスから取外すことができる。また、連結具の主係止部をジグザグ状のスクリーン本体の通孔に挿通不能に形成したので、これらの通孔を必要以上に大きくする必要がなく、通孔からの光漏れを最小限に抑えることができるとともに、昇降コードが通孔から抜けてしまうのを防止できる。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1、図3及び図4に示すように、日射遮蔽装置10は、この実施の形態では、横型ブラインドである。この横型ブラインド10は、壁11に取付けられるヘッドボックス12と、ヘッドボックス12から垂下され重合可能な複数のスラット13と、これらのスラット13の下方に水平方向に延びて設けられたボトムレール14と、ヘッドボックス12内に回転可能に取付けられた巻取ドラム16と、複数のスラット13に形成された通孔に挿通され下端がボトムレール14に取付けられ上端が巻取ドラム16に取付けられた昇降コード17とを備える。ヘッドボックス12は壁11にブラケット18を介して取付けられる(図4)。また、複数のスラット13はヘッドボックス12から垂下された複数のラダーコード19により保持される。これらのラダーコード19は、ヘッドボックス12の長手方向及び前後方向にそれぞれ間隔をあけてヘッドボックス12から垂下される。
具体的には、ラダーコード19は、この実施の形態では、ヘッドボックス12の長手方向に間隔をあけて2本、かつヘッドボックス12の前後方向に間隔をあけて2本、それぞれヘッドボックス12から垂下される、即ち合計4本のラダーコード19がヘッドボックス12から垂下される(図3及び図4)。そして複数のスラット19は、これらのラダーコード19の間に鉛直方向に所定の間隔をあけかつ水平方向に延びた状態で、ラダーコード19により保持される。また、各ラダーコード19は、ヘッドボックス12の下面と最上段のスラット13との間で上側の補助ラダー部19aと下側の主ラダー部19bとに分割され、補助ラダー部19a下端に設けられたアッパフック19cと主ラダー部19b上端に設けられたアッパリング19dにより連結される(図4)。更に、複数のスラット13のうち最下段のスラット13の下方にボトムレール14が水平方向に延びて設けられ、このボトムレール14は上記4本のラダーコード19の下端に取付けられる。
一方、この実施の形態では、2本の昇降コード17が、正面視(図3)でラダーコード19に重なるように巻取ドラム16からそれぞれ垂下され、各スラット13に形成された通孔(図示せず)に挿通され、これらの昇降コード17の下端にボトムレール14が取付けられる(図3及び図4)。これらの昇降コード17が巻取ドラム16に巻取られると、昇降コード17の下端に取付けられたボトムレール14がこの上面に複数のスラット13を下側から順次載せながら上昇し、これらの昇降コード17が巻取ドラム16から繰出されると、ボトムレール14に載った複数のスラット13が上側から順次所定の間隔をあけて離れながらボトムレール14が下降するように構成される。
上記昇降コード17は、複数のスラット13の通孔に挿通され下端がボトムレール14に取付けられた主コード部21と、上端が巻取ドラム16に取付けられた補助コード部22と、主コード部21の上端と補助コード部22の下端とを離脱可能に連結する連結具23とを有する(図1〜図3)。主コード部21は、ボトムレール14が最も下降したときに上端が巻取ドラム16から繰出されかつ複数のスラット13のうち最上段のスラット13より上方に位置するように構成され、補助コード部22は、ボトムレール14が最も下降したときに下端が巻取ドラム16から繰出されるように構成される。また、主コード部21及び補助コード部22の長さは、ボトムレール14が最も下降した状態で主コード部21及び補助コード部22を連結する連結具23がヘッドボックス12内に位置するように設定されることが好ましい。更に、スラット13の通孔はスラット13の幅方向に延びる長孔状に形成される。
連結具23は、この実施の形態では、主コード部21の上端に嵌着された主係止部23aと、補助コード部22の下端に嵌着された補助係止部23bと、主係止部23a及び補助係止部23bを連結する連結本体23cとからなる(図2)。主係止部23aは、主コード部21の上端を補助コード部22の下端から離脱させたときに主コード部21の上端に残り、各スラット13の通孔に挿通不能に形成される。具体的には、主係止部23aは、主コード部21を挿通可能な挿通孔23dを有し主コード部21の直径より大きい球状に形成される。また、補助係止部23bは補助コード部22を挿通可能な挿通孔23eを有し補助コード部22の直径より大きい球状に形成される。連結本体23cは、下面及び上面にロア透孔23f及びアッパ透孔23gをそれぞれ有しかつ外周面に長手方向に延びて設けられロア透孔23f及びアッパ透孔23gの一部を切欠く開口部23hを有し内部に主係止部23a及び補助係止部23bを収容可能な円筒状に形成される。ロア透孔23fの内径は主コード部21の外径と略同一に形成され、アッパ透孔23gは補助コード部22の外径と略同一に形成される。更に、開口部23hは、連結本体23cの長手方向の中央が主係止部23a及び補助係止部23bを挿脱可能な幅に形成された幅広部23iと、連結本体23cの長手方向の下部及び上部が主コード部21及び補助コード部22の直径と略同一の幅に形成された幅狭部23jとからなる。上記連結具23は、主コード部21の上端と補助コード部22の下端とを連結した状態で主コード部21及び補助コード部22とともに巻取ドラム16に巻取り可能に構成される。
なお、主コード部21及び補助コード部22はポリエステル等により形成されることが好ましく、主係止部23a及び補助係止部23bは鉄、真鍮等の金属により形成されることが好ましく、連結本体23cは鉄、真鍮等の金属板の折曲げ加工により形成されることが好ましい。また、主係止部23aを主コード部21の上端に嵌着するには、主コード部21の上部を主係止部23aの挿通孔23dに挿通しその上端を熱して溶融することにより、主コード部21の上端を挿通孔23dの孔径より大径にする方法を用いることが好ましい。また、補助係止部23bを補助コード部22の下端に嵌着するには、補助コード部22の下部を補助係止部23bの挿通孔23eに挿通しその下端を熱して溶融することにより、補助コード部22の下端を挿通孔23eの孔径より大径にする方法を用いることが好ましい。
一方、ヘッドボックス12内には回転軸24を回動可能に保持するドラムホルダ26が取付けられ、横型ブラインド10の前方向又は後方向に回転軸24とともに揺動可能な傾動ドラム27にラダーコード19の上端が連結される(図1、図3及び図5)。また、図5に詳しく示すように、巻取ドラム16は回転軸24とともに回転可能に構成され、傾動ドラム27に形成されたプーリ溝27aに円弧板状のラダーリング28の内周部が嵌合される。そして、傾動ドラム27及び巻取ドラム16が回転軸24を介して前方向又は後方向に90度未満の角度だけ回転すると、ラダーリング28の内周部と傾動ドラム27のプーリ溝27aの摩擦によりラダーリング28も傾動ドラム27と一体的に回転し、ラダーコード19の前後が上下することにより、スラット13が前側又は後側に傾斜するように構成される。また、傾動ドラム27及び巻取ドラム16が回転軸24を介して前方向又は後方向に90度以上回転すると、ラダーリング28がストッパ(図示せず)に当たって傾動ドラム27の回転が停止し、スラット13がそれ以上傾斜しなくなるけれども、巻取ドラム16は回転し続けて、昇降コード17が巻取ドラム16に巻取られ又は巻取ドラム16から繰出されるように構成される。なお、図3及び図4中の符号29は、回転軸24を回転させるためにヘッドボックス12の一端部から垂下された操作コードである。
一方、巻取ドラム16には、昇降コード17を巻取ドラム16に整列した状態で一重に巻取るコード整列機構30が設けられる(図5)。巻取ドラム16の一側端部16aは巻取ドラムカバー32により回転可能に保持され、巻取ドラム16の他側端部16bは後述のストッパドラムキャップ42に嵌着され、巻取ドラム16の外周面には円周方向に等間隔にかつ軸方向に延びる4本の凹溝16cが形成される。また、巻取ドラム16には摺動リング31が嵌入され(図1、図3及び図5)、この摺動リング31の内周面には上記4本の凹溝16cに係合する4つの突起31aが形成される(図5)。これにより摺動リング31は巻取ドラム16の長手方向に摺動可能にかつ巻取ドラム16と一体的に回転するように構成される。また、巻取ドラム16の一側端部16aは、端側が大径の円錐状に形成され、その一側端部16aに続く部分が一側端部16aよりも緩い傾斜の円錐状に形成される。巻取ドラム16の一側端部16aを囲む巻取ドラムカバー32の側壁32aの内端面は、斜め下方端側に延長する傾斜面32bに形成される。この側壁32aの傾斜面32bは正面視で巻取ドラム16の一側端部16aと直交するように構成される。更に、昇降コード17は、側壁32aの傾斜面32bに寄り添って巻取ドラム16の一側端部16aの円錐状周面に巻付き、先端の結び目17aは摺動リング31の下部に形成された凹部31bに収容されることにより摺動リング31に係止される。上記巻取ドラム16の一側端部16aと、巻取ドラムカバー32の側壁32aの傾斜面32bと、摺動リング31とによりコード整列機構30が構成される。
一方、ヘッドボックス12内には、ボトムレール14が最も下降したとき、昇降コード17の弛みを検出して、昇降コード17を繰出す方向への巻取ドラム16の回転を阻止し、昇降コード17の無用な繰出しを阻止するストッパ機構40が設けられる(図1、図3、図5及び図6)。このストッパ機構40は、図5及び図6に詳しく示すように、回転軸24と一体的に回転しドラムホルダ26に回転可能に取付けられたストッパドラム41と、このストッパドラム41と巻取ドラム16の他端との間に介装されたストッパドラムキャップ42と、一端がストッパドラムキャップ42からストッパドラム41に向って突設されたピン42aと、このピン42aに挿通孔43aを遊嵌することによりストッパドラムキャップ42に揺動可能に構成されたストッパ本体43とを有する。このストッパ機構40では、スラット13の下降時に、昇降コード17が緊張していると、ストッパ本体43がストッパドラム41とストッパドラムキャップ42との間においてストッパドラム41の半径方向外側に突出しない位置を保持することにより、巻取ドラム16から昇降コード17が繰出され、ボトムレール14が障害物(図示せず)に当接して昇降コード17が弛緩すると、ストッパ本体43がストッパドラム41とストッパドラムキャップ42との間においてストッパドラム41の半径方向外側へ突出しドラムホルダ26のストッパブロック部(図示せず)と接触することにより、ストッパドラム41、ストッパドラムキャップ42及び巻取ドラム16の回転が阻止され、ボトムレール14の下降が停止するようになっている。但し、ボトムレール14が最下降位置まで下降した状態で、昇降コード17を把持して引っ張ることにより、昇降コード17を所定の長さだけ引出すことができるようになっている。
一方、複数のスラット13及びボトムレール14にはガイドワイヤ51が挿通される(図3及び図4)。このガイドワイヤ51の上部はヘッドボックス12内の張力保持部材52により保持され、ガイドワイヤ51の下端は床53に取付けられる。張力保持部材52は、ヘッドボックス12内に挿入されたガイドワイヤ51を解放可能に保持するワイヤストッパ54と、ワイヤストッパ54を通過してこのワイヤストッパ54から突出したガイドワイヤ51をヘッドボックス12外に案内してガイドワイヤ51の突出端部51aを形成するワイヤ案内部56とを有する(図7及び図8)。ワイヤストッパ54は、上部にガイドワイヤ51が通過する大径の円筒孔57aが形成され下部に円筒孔57aに連通し下方に向うに従って次第に小径になるテーパ孔57bが形成されかつこのテーパ孔57bがヘッドボックス12の底壁12aに形成された第1透孔12bに臨むアウタケース57と、円筒孔57a及びテーパ孔57bに上下動可能であって下端がテーパ孔57bから突出可能に収容され中心にガイドワイヤ51が挿通される挿通孔58aが形成されかつ外周面から挿通孔58aに達する横穴58bが形成された略円錐台状のインナ可動片58と、インナ可動片58の横穴58bに横方向に移動可能に収容されたボール59と、円筒孔57aに収容されインナ可動片58を押下げる方向に付勢する圧縮コイルばね61とからなる。
上記インナ可動片58は、円錐台状部58cと、この円錐台状部58cの上面に突設されこの上面と同径の円柱状に形成された大径部58dと、円錐台状部58cの下面に突設されこの下面と同径の円柱状に形成された小径部58eとを一体成形することにより形成される(図7及び図8)。また、インナ可動片58が圧縮コイルばね61により押下げられてアウタケース57のテーパ孔57bに密着したときにボール59が挿通孔58a内のガイドワイヤ51に圧接されるように構成される。そして、ワイヤストッパ54は、ガイドワイヤ51の突出端部51aを操作したときにガイドワイヤ51を解放してその長手方向への移動を許容し、ガイドワイヤ51の突出端部51aの操作を停止したときにガイドワイヤ51を保持してその長手方向への移動を阻止するように構成される。更に、ワイヤ案内部56は、ワイヤストッパ54の上面から突出したガイドワイヤ51をUターンさせて下向きに変更しヘッドボックス12の底壁12aからヘッドボックス12外に突出させるように構成される。なお、図4中の符号62は、床53に取付けられたロアフックである。このロアフック62にガイドワイヤ51の下端のロアリング51bを係合することにより、ガイドワイヤ51の下端が床53に取付けられる。
ワイヤ案内部56は、上面が円弧状に形成され下面が平坦に形成されかつ縦方向に2分割された一対の案内部本体56a,56aと、一対の案内部本体56a,56aの下部にそれぞれ一体的に設けられた一対の取付部(図示せず)とからなる(図7及び図8)。これらの分割された一対の案内部本体56a,56aを互いに向き合せてビス55で固定し合体させることにより、上記一対の側溝56b,56bがガイドワイヤ51を遊挿可能な単一の遊挿孔56cになる。また、一対の案内部本体56a,56aの下側部にはワイヤストッパ54の略半分を収容可能なストッパ収容凹部56dが形成される。更に、ヘッドボックス12外に突出したガイドワイヤ51の突出端部51aは、ガイドワイヤ51の張力を調整するために作業者が把持して操作する部分である(図3、図4、図7及び図8)。なお、図7中の符号12cは、ヘッドボックス12の底壁12aに形成された第2透孔である。この第2透孔12cは、ガイドワイヤ51の突出端部51aをヘッドボックス12の底壁12aから突出させるために形成される。また、図1〜図4中の符号63は、ヘッドボックス12の側端面を閉止するヘッドキャップである。また、図7中の符号64は、ヘッドボックス12の底壁12a下面に取付けられた受け板であり、インナ可動片58が最も下降した状態で、インナ可動片58の下面が受け板64下面より下方に突出しないように構成される。更に、図7中の符号64aは、受け板64に形成されインナ可動片58の小径部58eを遊挿可能な孔である。
このように構成された横型ブラインド10の複数のスラット13及びボトムレール14を点検等のためにヘッドボックス12から取外す方法を説明する。先ず、操作コード29を操作して昇降コード17を巻取ドラム16に巻取り、複数のスラット13を全てボトムレール14上に重合させる。この状態で、ラダーコード19の主ラダー部19bのアッパリング19dを補助ラダー部19aのアッパフック19cから全て外す。次いで、操作コード29を操作して昇降コード17を巻取ドラム16から繰出すと、全てのスラット13がボトムレール14上に重合したまま、全てのスラット13及びボトムレール14が下降する。そして、ボトムレール14が最下降位置に達したときに、ストッパ機構40が作動して、操作コード29による昇降コード17の繰出しは阻止される。このとき、昇降コード17の連結具23はヘッドボックス12内に位置しているため、昇降コード17を把持して引っ張った状態で操作コード29を下降方向(昇降コード17の繰出し方向)へ操作すると、昇降コード17が引出されて、連結具23がヘッドボックス12の下方に出現する。次に、昇降コード17の主コード部21と補助コード部22を連結している連結具23を解除することにより、即ち主コード部21の上端の主係止部23aを連結本体23cから外すことにより、主コード部21の上端を補助コード部22の下端から離脱させる。
更に、ガイドワイヤ51を張力保持部材52から取外す。具体的には、下端がアウタケース57のテーパ孔57bから突出してヘッドボックス12の底壁12aの第1透孔12b及び受け板64の孔64aに遊挿されたインナ可動片58の小径部58eを圧縮コイルばね61の付勢力に抗して押上げることにより、インナ可動片58の円錐台状部58cの外周面がアウタケース57のテーパ孔57bの内周面から離れて、3個のボール59が3つの横孔58b内を円錐台状部58cの外周面側にそれぞれ移動するので、ガイドワイヤ51へのボール59の圧接力が弛む。この状態でガイドワイヤ51をヘッドボックス12の底壁12aの第1透孔12b及び受け板64の孔64aから引抜くことにより、ガイドワイヤ51の上部をヘッドボックス12から取外すことができる。そして、ガイドワイヤ51のロアリング51bを床53のロアフック62から外すことにより、ガイドワイヤ51の下端を床53から取外す。このような比較的簡単な作業で複数のスラット13をボトムレール14とともにヘッドボックス12から取外すことができる。また、上記ヘッドボックス12から取外した複数のスラット13の通孔に連結具23の主係止部23aを挿通不能に形成したので、昇降コード17が意図せずにスラット13の通孔から抜けてしまうのを防止できる。
点検等が完了した複数のスラット13及びボトムレール14をヘッドボックス12に組付ける手順は、上記ヘッドボックス12から取外す手順の逆の手順で行われる。連結具23の主係止部23aを複数のスラット13の通孔に挿通不能に形成したので、これらの通孔を必要以上に大きくする必要がなく、通孔からの光漏れを最小限に抑えることができる。また、昇降コード17を巻取ドラム16に整列した状態で一重に巻取るコード整列機構30を巻取ドラム16に設けたので、連結具23が昇降コード17より若干太いけれども、スラット13及びボトムレール14の昇降時に昇降コード17の巻取ドラム16への巻取り速度及び巻取ドラム16からの繰出し速度が変化せず、スラット13及びボトムレール14を安定した速度で昇降できるとともに、昇降コード17が既に巻取ドラム16に巻かれた昇降コード17上から脱落するという事態を回避できるので、昇降コード17を巻取ドラム16にスムーズに巻取ることができかつ巻取ドラム16からスムーズに繰出すことができる。更に、ボトムレール14が最も下降した状態で主コード部21及び補助コード部22を連結する連結具23がヘッドボックス12内に位置するように主コード部21及び補助コード部22の長さを設定したので、通常のスラット13の昇降時に連結具23が露出せず、昇降コード17の見栄えを損なわない。
なお、上記実施の形態では、ヘッドボックスを壁に取付けたが、ヘッドボックスを窓枠の上枠部や天井等に取付けてもよい。また、上記実施の形態では、日射遮蔽装置として横型ブラインドを挙げたが、プリーツスクリーンにも適用できる。この場合、遮蔽体は、水平方向に延びる複数の折り目でジクザグ状に折曲げられて折畳み可能に展開される単一のスクリーン本体であり、このジグザグ状のスクリーン本体に形成された複数の通孔に昇降コードが挿通される。また、上記実施の形態では、主係止部と補助係止部と連結本体とからなる連結具を挙げたが、主コード部の上端に嵌着された主係止部と、補助コード部の下端に嵌着され主係止部に離脱可能に係止する補助係止部とからなる連結具であってもよい。この場合、主係止部の外径は複数のスラット(遮蔽体)の通孔の孔径より大きく形成される。また、上記実施の形態では、2本の昇降コードコードをヘッドボックスからそれぞれ垂下したが、3本以上の昇降コードをヘッドボックスから垂下してもよい。また、上記実施の形態では、2本のラダーコードをヘッドボックスの長手方向に間隔をあけてヘッドボックスから垂下したが、3本以上のラダーコードをヘッドボックスの長手方向に間隔をあけてヘッドボックスから垂下してもよい。更に、上記実施の形態では、スラット及びボトムレールに挿通されたガイドワイヤの上部をヘッドボックス内の張力保持部材により保持し、その下端を窓枠の下枠部に取付けたが、上記ガイドワイヤ及び張力保持部材は用いなくてもよい。