JP6777979B2 - 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、受光面側から順に、受光面側保護材(ガラス基体でありカバーガラス)、封止材、太陽電池セル、封止材、裏面側保護材(裏面保護材)が積層された太陽電池モジュールが開示されている。さらに具体的には、この太陽電池モジュールでは、受光面側保護材と裏面側保護材の間に形成される空間のうち、中央側に位置する部分では、上記した積層構造が形成されている。すなわち、この空間の中央側に位置する部分は、受光面側に位置する封止材と裏面側に位置する封止材の間に太陽電池セルが位置する構造となっている。対して、この空間の周縁部となる部分では受光面側保護材と裏面側保護材の間に封止材のみが位置する状態となっている。つまり、太陽電池セルは受光面側に位置する封止材と裏面側に位置する封止材の間に位置しており、受光面側の封止材、太陽電池セル、裏面側の封止材からなる積層体がその周囲を別の封止材によって囲まれた状態となっている。
そして、このように形成された薄膜光電変換装置の周囲に端部封止材を設置し、裏面側を裏面保護シート(裏面保護材)で覆って封止している。
例えば、特許文献3には、ガラス製の受光面保護材(カバーガラス、ガラス基体)、受光面側封止材、太陽電池セル、裏面側封止材、裏面保護材からなる板状の積層体の周縁部分にアルミフレームを一体的に取り付けた太陽電池モジュールが開示されている。なお、特許文献3の太陽電池モジュールでは、EVA(エチレン‐酢酸ビニル重合体)やエチレン・α−オレフィン重合体を含む熱可塑性発泡体によって裏面側封止材や裏面保護材を形成している。
このことから、太陽電池パネルの製造時にはみ出た封止材をトリミングする必要がなく、太陽電池パネルにフレーム部材を固定する際に別途接着材を塗布したり、ガスケットやシーリング材を介在させたりする必要がない。そのため、太陽電池モジュールの製造工程の簡易化、部品点数の削減が可能であり、太陽電池モジュールを簡単且つ安価に製造可能である。また、単にガスケットやシーリング材を設けない構成とは異なり、端部側の封止性を損なうことがない。
なお、作図の都合上、一部の太陽電池セル5にのみ符号を付し、他の太陽電池セル5の符号を省略している。
なお、接続配線は、セル列10と他のセル列10とを電気的に接続するための配線部材であり、出力配線は電力を取り出すための配線部材となっている。すなわち、少なくとも1のセル列10の正極に電気的に接続された出力配線と、少なくとも1のセル列10の負極に電気的に接続された出力配線とが端子ボックス(図示しない)の内部に引き込まれており、端子ボックスの内部でそれぞれ別の出力ケーブルと電気的に接続された状態となっている。
下板部27の上面は、上板部25の下面と上下方向で離間対向しており、上板部25の外側端部と下板部27の外側端部とが立板部26によって連結された状態となっている。そして、上板部25と下板部27の間に位置する空間、すなわち、上板部25、立板部26、下板部27によって3方を囲まれた空間が太陽電池パネル2の縁端部分を挿入するためのパネル挿入空間30となっている。
外壁形成部34は、直立した姿勢の長方形平板状の部分であり、その上端部分がパネル挿入部18における立板部26の下端部分と連続している。言い換えると、外壁形成部34と立板部26とが一体の立板状の部分を形成している。
補強用立板部35は、その上側部分が外側へ屈曲した立板状部分であり、上端部分がパネル挿入部18における下板部27の下面と連続している。
本実施形態では、透光性基板6としてガラス基板を採用している。
すなわち、オレフィン系、スチレン系樹脂、ウレタン系、アイオノマー等の樹脂が好適に採用可能である。
また、本実施形態の太陽電池パネル2では、受光面側封止材8aと裏面側封止材8bに同一の樹脂材料が採用されており、具体的には、オレフィン系が採用されている。言い換えると、封止材8としてオレフィン系が採用されており、この封止材8は、摂氏60度乃至摂氏120度の熱を加えることで溶融するものとなっている。
ここで、本実施形態の裏面保護材7は、図2、図3等で示されるように、端部側の一部を切り落としたような形状となっている。すなわち、裏面保護材7の縁端部分は、外側に向かうにつれて厚さが薄くなるように形成されている。言い換えると、裏面保護材7の下面のうち、縁端に位置する部分では、外側に向かうにつれて高さが高くなるように上り勾配で傾斜する傾斜面が形成された状態となっている。
なお、ここでいう各辺からの「はみ出し長さ」とは、太陽電池パネル2の辺を形成する透光性基板6の縁端(又は裏面保護材7の縁端)の上のいずれかの部分(いずれかの1点)から、当該辺と直交するように内側から外側へ向かう方向で離れた位置にある封止材8の縁端までの水平方向における距離とする。
また、辺と辺が交わる角部分での「はみ出し長さ」とは、対象となる角部分から、当該角部分の外側に位置する封止材8の縁端のいずれかの部分(いずれかの1点)までの水平方向における距離とする。なお、この「角部分の外側に位置する封止材8」とは、角部分と連なる2辺のうちの1辺を延長した線をl1とし、他の1辺を延長した線をl2としたとき、平面視でl1とl2の間に形成される領域αと重なる部分に位置する封止材8である。
なお、各辺におけるはみ出し長さの最大値Lとは、対象となる辺からはみ出した封止材8のうち、最も外側まではみ出している部分のはみ出し長さであるといえる。
また、2辺が交わる角部分におけるはみ出し長さの最大値L2とは、2辺うちの1辺からはみ出した封止材8のうちで最も当該角部分よりの縁端から、もう1辺からはみ出した封止材8のうちで最も当該角部分よりの縁端までの間において、2辺が交わる角部分から最も外側まではみ出している部分のはみ出し長さであるといえる。
なお、このとき、封止材8が摂氏60度乃至摂氏120度となるように熱を加えている。すなわち、封止材8が融点温度以上であり、太陽電池パネル2の許容温度以下となるように熱を加えている。なお、「太陽電池パネル2の許容温度」とは、太陽電池パネル2の耐熱温度であり、太陽電池パネル2が加熱されたとき、それに起因する不具合が生じない温度範囲内における最大温度となっている。
より具体的には、図2で示されるように、パネル挿入空間30のうち、太陽電池パネル2の全体から透光性基板6と裏面保護材7の間から外側にはみ出た封止材8を除いた部分(以下、パネル本体部と称す)と、パネル挿入部18の間に形成される空間(以下、空隙30aと称す)の間にはみ出た封止材8が充填されていく。
同時に、溶融した封止材8の他の一部は、パネル本体部によって押圧されることと、その自重により、空隙30aを下側に流れていき、その後、フレーム部材3側から太陽電池パネル2側へ向かう方向に流れ、下側の開口30bへと到達する。そして、さらに同方向へ流れることにより、下側の開口30bから外部へと流出する。
このことから、太陽電池パネル2の他部材の界面、言い換えると、太陽電池パネル2の一部である封止材8と、太陽電池パネル2ではない他の部材(フレーム部材3)との界面が透光性基板6と裏面保護材7の間や、パネル本体の側端ではなく、これらから外側に離れた位置に形成される。詳細には、上板部25の下面と隣接する部分と、立板部26の内側面と隣接する部分と、下板部27の上面と隣接する部分、すなわち、パネル挿入部18の内側面と隣接する部分に界面が形成されることとなる。
このとき、図7で示されるように、封止材208のはみ出し部分が透光性基板6等の他の部材と接触しないように形成してもよく、封止材208のはみ出し部分の一部が透光性基板6等の他の部材と一部接触するように形成してもよい。
すなわち、図8(b)で示されるように、太陽電池パネル2の端部をフレーム部材3のパネル挿入空間30に挿入した状態で、ガラス製の透光性基板6の外側からレーザー光を照射し、透光性基板6を透過したレーザー光によってはみ出した封止材8を加熱してもよい。
すなわち、透光性基板の上に、透明電極層、光電変換層、裏面電極層等を積層させた積層体を形成させ、これらを分割して複数の太陽電池セルを形成し、且つ、これら太陽電池セルを電気的に相互接続させ、封止材で封止し、裏面保護材で裏面側を覆ったものであってもよい。この場合もまた、透光性基板と裏面保護材の間に充填させた封止材を外側にはみ出させた太陽電池パネルに対し、フレーム部材3を一体に取り付けることで、太陽電池モジュールを形成する。
2 太陽電池パネル
3 フレーム部材
5 太陽電池セル
6 透光性基板
7 裏面保護材
8,108,208 封止材
18 パネル挿入部
30b 開口
Claims (6)
- 透光性基板と、封止材と、太陽電池セルと、裏面保護材を有し、前記透光性基板と前記裏面保護材の間に前記太陽電池セルと前記封止材とが位置する太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの縁端部分に取り付けられるフレーム部材を備えた太陽電池モジュールにおいて、
前記封止材は、前記透光性基板と前記裏面保護材の間から外側にはみ出ており、
裏面保護材の縁端側部分は、縁側に向かうにつれて厚さが薄くなるように形成され、裏面側に傾斜面を有し、
前記透光性基板及び/又は前記裏面保護材と前記フレーム部材の間の少なくとも一部に、はみ出た前記封止材が位置しており、
前記太陽電池パネルのうち、前記透光性基板と前記裏面保護材の間から外側にはみ出た前記封止材を除いた部分をパネル本体部としたとき、
前記パネル本体部と前記フレーム部材の間に形成される空間は、前記パネル本体部の受光面側に隣接する部分と裏面側に隣接する部分のいずれか一方又は双方に外部と連通する開口が形成され、前記封止材の一部が前記開口を経て外側に位置した状態となっており、前記開口の外部側に隣接する位置に、前記封止材の一部が塊状となって形成される瘤状部を有していることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 前記フレーム部材は、前記太陽電池パネルの縁端部分を挿入可能なパネル挿入部を有し、前記太陽電池パネルの縁端部分が前記パネル挿入部に挿入されており、
前記パネル挿入部の内部では、前記パネル本体部と前記フレーム部材の間に形成される空間の大半又は全てがはみ出た前記封止材によって充填されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。 - 前記封止材は、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアイオノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種の非架橋性樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
- 透光性基板と、封止材と、太陽電池セルと、裏面保護材を有し、前記透光性基板と前記裏面保護材の間に前記太陽電池セルと前記封止材とが位置する太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの縁端部分に取り付けられるフレーム部材を備えた太陽電池モジュールであり、前記封止材は、前記透光性基板と前記裏面保護材の間から外側にはみ出ており、前記透光性基板及び/又は前記裏面保護材と前記フレーム部材の間の少なくとも一部に、はみ出た前記封止材が位置する太陽電池モジュールを製造するための太陽電池モジュールの製造方法であって、
前記透光性基板と前記裏面保護材の間に前記封止材と前記太陽電池セルを位置させ、加熱下で一体化し、前記封止材の一部が前記透光性基板と前記裏面保護材の間から外側にはみ出た前記太陽電池パネルを製造する工程と、
前記太陽電池パネルの縁端部分を前記フレーム部材に接触又は近接させる工程と、
前記太陽電池パネルのうち、前記透光性基板と前記裏面保護材の間から外側にはみ出た前記封止材を除いた部分をパネル本体部としたとき、はみ出た前記封止材を加熱して溶融させ、前記パネル本体部と前記フレーム部材の間の少なくとも一部に前記封止材を充填させる工程とを有し、
はみ出た前記封止材を加熱して溶融させる工程では、熱源を前記フレーム部材に接触させた状態で昇温し、熱伝導で前記封止材を加熱し、
前記封止材を充填させる工程において、前記パネル本体部と前記フレーム部材の間に形成される空間を前記封止材で充填し、前記空間と外部を連通する開口付近まで前記封止材を至らせ、前記封止材を外部に露出させた後に硬化させ、前記開口の外部側に隣接する位置に前記封止材一部が塊状となる瘤状部を形成することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。 - 前記太陽電池パネルを製造する工程において、前記透光性基板と前記裏面保護材の間から外側にはみ出た前記封止材のはみ出し長さが30mm乃至70mmとなるように前記封止材をはみ出させることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- はみ出た前記封止材を加熱して溶融させる工程において、前記封止材が摂氏60度乃至120度となるように加熱することを特徴とする請求項4又は5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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