JP6777927B2 - 椅子 - Google Patents

椅子 Download PDF

Info

Publication number
JP6777927B2
JP6777927B2 JP2016157117A JP2016157117A JP6777927B2 JP 6777927 B2 JP6777927 B2 JP 6777927B2 JP 2016157117 A JP2016157117 A JP 2016157117A JP 2016157117 A JP2016157117 A JP 2016157117A JP 6777927 B2 JP6777927 B2 JP 6777927B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slide
seat
rotation
operation lever
locking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016157117A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018023569A (ja
Inventor
純一 田崎
純一 田崎
Original Assignee
株式会社オフィス・ラボ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社オフィス・ラボ filed Critical 株式会社オフィス・ラボ
Priority to JP2016157117A priority Critical patent/JP6777927B2/ja
Publication of JP2018023569A publication Critical patent/JP2018023569A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6777927B2 publication Critical patent/JP6777927B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Chairs Characterized By Structure (AREA)

Description

本発明は、椅子に関し、特に、介護の用途に適した椅子に関する。
介護が必要な要介護者は、椅子に座ったり、椅子から立ったり、座った椅子を前に引いたり、座った椅子を後に下げたりする動作を一人で行うのが困難な場合が多く、また、要介護者が座った状態の椅子を介護者が動かすのも体力的に困難である。
下記特許文献1には、下から順に設置された脚部、台枠、一対のレール、回転板及び座部を備え、座部の回動と前後移動とを可能にすることで、高齢者等が楽に着席等を行うことのできる椅子が開示されている。
登録実用新案第3139480号公報
しかし、上記特許文献1に開示された椅子は、高齢者等が座部を容易に回動させたり前後移動させたりできるように、弱い力でも座部を自在に動かすことができるように構成されている。このため、高齢者等が椅子に座る際に座部にぶつかると、座部が大きく移動してしまって高齢者等が転んでしまう恐れがある。また、座部を移動させる際に座部に力を加え過ぎると、座部が移動し過ぎてしまって、同じく高齢者等が転んでしまうおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、回動や前後スライドが可能な座部を備える椅子において、不用意に座部が移動してしまうことのない椅子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る椅子は、座部と、脚部と、前記座部を前記脚部に対して前後スライド可能に且つ鉛直軸回りに回動可能に連結する連結部と、を備える椅子において、前記連結部は、回動部材と、スライド部材と、を備え、前記回動部材は、前記脚部に対して固定される第一回動板と、前記第一回動板に対して鉛直軸回りに回動可能に連結される第二回動板と、前記第一回動板と前記第二回動板とを段階的に係止して回動不可状態とする回動係止部材と、を備え、前記スライド部材は、前記第二回動板に対して固定される第一スライド部材と、前記第一スライド部材に対して前後方向にスライド可能に連結されると共に前記座部に対して固定される第二スライド部材と、前記第一スライド部材と前記第二スライド部材とを段階的に係止してスライド不可状態とするスライド係止部材と、を有し、前記スライド係止部材は、前記第一スライド部材又は前記第二スライド部材の一方側に設置された複数のスライド係止穴と、前記第一スライド部材又は前記第二スライド部材の他方側に横方向水平軸回りに揺動可能に、且つ、前記座部の下方においてその前側端から後側端まで延在して設置され、前記座部の前側からも後側からも操作可能であるスライド操作レバーであって、所定のスライド位置において前記スライド係止穴に嵌まることで前記スライド不可状態となるスライド係止凸部を有する、前記スライド係止凸部が前記スライド係止穴に嵌まる揺動方向に自重又は弾性部材により付勢されたスライド操作レバーと、を備え、前記スライド操作レバーの後側取っ手は、前記座部の上面側に露出していることを特徴とする。
本発明に係る椅子によれば、回動や前後スライドが可能な座部を備える椅子において、意図しない力が座部に加わっても、座部が不用意に移動することがなく、高齢者等であっても安全に使用することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る介護用椅子の分解斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る介護用椅子の斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係る介護用椅子の回動及びスライド動作を説明するための斜視図である。 図4は、本発明の実施形態に係る連結部の構成を示す斜視図である。 図5は、本発明の実施形態に係る回動部材の構成を示す図である。 図6は、本発明の実施形態に係る介護用椅子のスライド動作を説明するための図である。 図7は、本発明の実施形態に係る介護用椅子のスライド動作を説明するための図である。 図8は、本発明の実施形態に係る介護用椅子のスライド動作を説明するための図である。 図9は、本発明の実施形態に係る介護用椅子のスライド動作を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る介護用椅子について説明する。本実施形態では、要介護者である高齢者等の介護に用いる介護用椅子を例に挙げて説明するが、もちろん本発明は、介護用の椅子に限らず、様々な用途の椅子に適用することができる。
図1は、本実施形態に係る介護用椅子の分解斜視図である。図2は、本実施形態に係る介護用椅子の斜視図である。図3は、本実施形態に係る介護用椅子の回動及びスライド動作を説明するための斜視図であり、図3(a)は、スライド動作を示し、図3(b)は、回動動作を示している。
図4は、本実施形態に係る連結部の斜視図である。図5は、本実施形態に係る回動部材の構成を示す図であり、図5(a)は、回動操作レバーの操作状態を示す側面図であり、図5(b)は、回動部材の回動状態を示す底面図である。
図6〜図9は、本実施形態に係る介護用椅子のスライド動作を説明するための図であり、図6及び図7は、座部が後方にスライドした状態、図8及び図9は、座部が前方にスライドした状態を示している。
介護用椅子1は、脚部10と、座部20と、脚部10と座部20とを回動可能且つ前後にスライド可能に連結する連結部30とを備える。脚部10は、四本の脚11と、四本の脚11を一体に連結すると共に連結部30に連結される脚連結部12とを備える。
座部20は、連結部30に連結される座板21と、座板21の上面に設置される座クッション23と、座板21に固定される背部25と、座板21に固定される肘部28とを備える。背部25は、その表面に設置される背クッション26を備えている。
連結部30は、座部20を脚部10に対して鉛直軸回りに回動自在に連結するための回動部材40と、座部20を脚部10に対して前後方向にスライド可能に連結するためのスライド部材60とを備えている。本実施形態では、回動部材40が下側に位置して脚部10に連結され、スライド部材60が上方に位置して座部20に連結されている。
このように、本実施形態では、床に設置された脚部10と、鉛直回動軸回りに回動可能な回動部材40と、水平前後方向にスライド可能なスライド部材60と、座部20とが順次下から設置されている。よって、床に設置された脚部10に対して、スライド部材60及び座部20が一体となって鉛直軸回りに回動可能であり、スライド部材60に対して、座部20が前後方向にスライド可能である。すなわち、本実施形態では、床に設置される脚部10に対して、座部20は鉛直回動軸回りに回動可能であると共に、前後方向にスライド可能である。
回動部材40は、第一回動板41と、第一回動板41に対して回動自在にその上側に連結設置された第二回動板45と、回動係止部材50とを備えている。第一回動板41は、略正方形状の板であり、脚部10の脚連結部12の中央部分に固定されている。略正方形状の板である第二回動板45は、第一回動板41に対して、鉛直軸回りに回動自在に連結されている。
回動係止部材50は、第一回動板41と第二回動板45とを相対的に回動できないように係止するための部材であり、これにより、第一回動板41と第二回動板45とは段階的に90°毎に係止させられて停止しながら回動する。回動係止部材50は、回動係止穴51と、回動操作レバー52と、回動操作レバー支持部55とを備えている。
回動係止穴51は、第一回動板41の各辺中央部分に形成された切り欠きであり、鉛直回動軸回りに90°毎に四つ形成されている。この回動係止穴51に後述する回動操作レバー52の回動係止凸部が嵌まることで、第一回動板41と第二回動板45とが係止されて、相互に回動できない回動不可状態となる(図5参照)。
回動操作レバー支持部55は、回動操作レバー52を第二回動板45に対して水平な揺動軸回りに揺動自在に軸支するための部材であり、回動操作レバー52の揺動軸となる回動操作揺動軸551と、回動操作レバー52を所望の揺動方向に付勢するための付勢ばね552とを備えている。回動操作揺動軸551は、介護用椅子1の略前後方向に水平に延在する軸である。弾性部材である付勢ばね552は、コイルばねであり、回動操作揺動軸551がコイル部分内を貫通している。
回動操作レバー52は、座部20の右側半分において略左右横方向に水平に延在して設置された棒状部材であり、上述したように、回動操作レバー支持部55により水平な揺動軸回りに揺動自在に軸支されている。回動操作レバー52は、内側先端に回動係止穴51に嵌まる回動係止凸部521が形成され、外側先端に取っ手522が形成されている。取っ手522は、ゴムキャップ523が被せられている。
回動操作レバー支持部55は、座部20に対して前後方向にスライド可能な第二回動板45の右側(座部20に着席した者から見て右側)に固定されており、取っ手522が座部20の右側外側に突出するように回動操作レバー52を支持している。もちろん、取っ手522が座部20の左側に突出するように設置しても良い。
回動操作レバー52は、その延在方向の真ん中部分よりも内側寄り(回動係止凸部521寄り)の部分に揺動軸挿通穴526が形成されており、揺動軸挿通穴526を回動操作揺動軸551が貫通することで、回動操作レバー52は、第二回動板45に対して揺動可能に軸支されている。
回動操作レバー52が揺動可能に軸支される第二回動板45は、座部20に対して鉛直軸回りに回動することはなく、前後方向にスライド可能なだけであるため、回動操作レバー52の取っ手522は、前後方向にスライドされることはあるが、常に座板21の右側縁付近に突出したままである。
よって、介護用椅子1に座っている要介護者は、右手で操作することになる座板21の右側縁付近に取っ手522が位置する操作レバーが、座部20を鉛直軸回りに回動させるための回動操作レバー52であると簡単に覚えることができ、回動操作時に間違って前後方向スライド用の操作レバー(スライド操作レバー71)を間違って操作してしまうことを防止することができる。
ここで、回動操作レバー52の取っ手522側が上方に移動すると、回動操作揺動軸551を挟んで反対側の回動係止凸部521が下降し(図5(a)の実線で示した状態)、反対に、取っ手522側が下方に移動すると、回動係止凸部521が上昇する(図5(a)の一点鎖線で示した状態)。付勢ばね552は、取っ手522が上昇し、回動係止凸部521が下降する方向に、揺動軸回りに回動操作レバー52を付勢している。
第一回動板41の四つの回動係止穴51は、回動操作レバー52が設置された第二回動板45が第一回動板41に対して回動する際に回動係止凸部521が通過する軌跡上に、90°毎に設置されている。回動操作レバー52は、付勢ばね552より、回動係止凸部521が下方に移動するように付勢されており、第二回動板45の回動中に、回動係止凸部521が回動係止穴51の位置に来ると、上記付勢力により回動係止凸部521が回動係止穴51に嵌まり込むように構成されている。
よって、介護用椅子1に座っている要介護者等が回動操作レバー52を触っていない、すなわち、回動操作レバー52に力が加えられていない状態では、回動係止凸部521が回動係止穴51以外の部分に位置する場合には、回動係止凸部521は、第一回動板41の上面に圧接しており、第一回動板41と第二回動板45とが相互に回動可能な回動可能状態となっている。
一方、回動操作レバー52に力が加えられていない状態で、回動係止凸部521が回動係止穴51の部分に位置する場合には、回動係止凸部521は、回動係止穴51に嵌まり、第一回動板41と第二回動板45とが回動方向に係止されて、相互に回動できない回動不可状態となる。
回動不可状態において、要介護者等によって取っ手522が操作され、付勢ばね552の弾性力に抗して下降すると、回動係止凸部521が上昇し、回動係止穴51から外れて係止状態が解除される。すなわち、第二回動板45が第一可動板41に対して回動可能な回動可能状態となる(図3(b)参照)。
このように構成された介護用椅子1において、第二回動板45を第一回動板41に対して一周(360°)回転させる場合には、回動操作レバー52の取っ手522を付勢ばね552の弾性力に逆らって上方に上げ続けておかない限り、90°毎に回動係止凸部521が回動係止穴51に嵌まって回動不可状態となり、その都度、回動操作レバー52を操作して係止状態を解除する必要がある。
すなわち、介護用椅子1は、座部20がいったん回転し始めても、回転し続けることなく、90°毎に段階的に係止されて回転が停止する。よって、座部20が回転し過ぎることにより、着席している要介護者が介護用椅子1から落ちたり、姿勢を大きく崩したりしてケガをすることもなく、安全に使用することができる。
スライド部材60は、座部20側に固定されるスライドレール(第二スライド部材)65と、回動部材40側に固定されるリニアガイド61と、スライドレール65とリニアガイド(第一スライド部材)61とを相対的にスライドできないように係止するスライド係止部材70とを備えている。
第二スライド部材であるスライドレール65は、座板21の裏面の左右両側に平行に二本固定設置されている。第一スライド部材であるリニアガイド61は、第二回動板45の上面の左右両側に平行に二本固定設置されており、各リニアガイドは、前後方向の二箇所で第二回動板45の上面に固定されている。
第二回動板45の右側に設置されたリニアガイド61が右側のスライドレール65にスライド自在に嵌合され、第二回動板45の左側に設置されたリニアガイド61が左側のスライドレール65にスライド自在に嵌合されている。
スライド係止部材70は、スライドレール65とリニアガイド61とを段階的に係止させて停止させるための部材であり、スライド操作レバー71と、スライド操作レバー71を揺動可能に支持するためのスライド操作レバー支持部73と、リニアガイド(第一スライド部材)61側である第二回動板45に固定設置されたスライド係止板76とを備えている。
スライド操作レバー71は、介護用椅子1の前後方向に延在する棒状部材であり、座板21の裏面の左後方部分に固定されたスライド操作レバー支持部73によって、座部20の横方向水平軸回りに揺動可能に軸支されている。
スライド操作レバー71は、スライド係止凸部712と、前方に設置された前側取っ手713と、後方に設置された後側取っ手714と、スライド操作レバー支持部73に支持される、横方向に水平に延在するスライド操作揺動軸716とを備えている。前側取っ手713は、主として、介護用椅子1に座っている要介護者が使用する取っ手であり、後側取っ手714は、主として、介護用椅子1に座らずに要介護者の傍に位置する介護者が使用する取っ手である。
前側取っ手713は、水平横方向に延在する長方形状のフレーム部材であり、座板21の前側縁近傍において、左端から右端まで延在設置されている。よって、座部20の着席者である要介護者は、前側の左端から右端の何れかの部分から座板21の下方に手先を入れれば前側取っ手713に容易に触ることができ、前側取っ手713を直接目視しなくても触ることができる。
後側取っ手714は、スライド操作レバー71の後側端部において、鉛直上方に折れ曲がって延在する部分であり、端部に被せられたゴムキャップ715を備えている。後側取っ手714は、座板21のスライド操作用穴211を通って、座板21の上面側に露出しており、操作者は、座板21の上方から後側取っ手714を触ることができる。
スライド操作揺動軸716は、スライド操作レバー71の前後延在部分の後側取っ手714寄りの部分に形成されており、スライド操作レバー71の本体から左方向に水平に突出した棒状部分である。
スライド係止凸部712は、スライド操作レバー71の前後方向の真ん中付近とスライド操作揺動軸716との間に形成された下方凸部であり、スライド操作レバー71の本体から下方に鉛直に突出した棒状部分である。スライド係止凸部712は、後述する第二回動板45に形成された二つのスライド係止穴77に嵌まることで、スライドレール65とリニアガイド61とを相対的にスライドできないように係止して、スライド不可状態とする。
スライド操作レバー支持部73は、座板21の裏面の左後方部分に固定されており、スライド操作揺動軸716を保持する円筒部731と、スライド操作レバー71を所定の揺動方向に付勢するための付勢ばね732とを備えている。
円筒部731は、横方向に水平に延在する円筒形状であり、内部にスライド操作揺動軸716が回動自在に嵌挿されている。これにより、スライド操作揺動軸716は、スライド操作レバー支持部73によって、横方向水平揺動軸回りに揺動自在に軸支される。
弾性部材である付勢ばね732は、板ばねであり、一端が第二回動板45の下面に固定されると共に、他端がスライド操作レバー71のスライド操作揺動軸716よりも後方の部分の下面に接触して、この部分を上方に押し上げるように付勢している。すなわち、付勢ばね732は、その弾性力により、後側取っ手714が上昇し、前側取っ手713が下降する揺動方向にスライド操作レバー71を付勢している。
よって、スライド操作レバー71が要介護者等によって操作されていない状態では、スライド操作レバー71は前側が下がると共に後側が上がるように、すなわち、スライド係止凸部712が下方に移動するように付勢ばね732によって押されている(図6の実線で示す状態)。
スライド係止板76は、スライド操作レバー71の前後方向延在部分の下方において、左側のリニアガイド61と一体に第二回動板45に固定されている。スライド係止板76には、縦方向に所定の間隔でスライド係止穴77が二箇所に形成されている。
ここで、スライド操作レバー71は、スライド操作揺動軸716よりも前側(スライド係止凸部712側)が下方に移動する揺動方向に付勢されており、前側が下降した状態では、スライド係止凸部712がスライド係止穴77内に嵌まり込むように構成されている。
よって、座部20側に固定されたスライドレール65が、回動部材40の第二回動板45に固定されたリニアガイド61に対してスライドして、スライド係止凸部712がスライド係止穴77の上方に位置すると、付勢ばね732により前側が下がるように押されているスライド操作レバー71のスライド係止凸部712がスライド係止穴77に嵌まり込み、スライドレール65とリニアガイド61とが相対的に移動できないように形成されたスライド不可状態となる。
一方、スライド係止凸部712の下方にスライド係止穴77が位置していない状態では、スライド係止凸部712は、スライド係止板76の上面に押し付けられて接触しているだけであるため、スライドレール65とリニアガイド61とは前後方向にスライド可能なスライド可能状態となる。
また、スライド係止凸部712がスライド係止穴77に嵌まっているスライド不可状態を解除するためには、付勢ばね732の弾性力に抗してスライド係止凸部712を上昇させてスライド係止穴77の外に出す必要がある。本実施形態では、スライド係止穴77が二箇所に形成されており、スライド部材60は、二つの位置でスライド不可状態となる。すなわち、座部20は、後方にスライドした状態(図6及び図7に示す状態)と、前方にスライドした状態(図8及び図9に示す状態)の二つの位置でスライド不可状態として安定する。
スライド不可状態を解除するためには、スライド操作レバー71の前側取っ手713を上昇させるか、後側取っ手714を下降させる必要がある(図6の一点鎖線で示す状態)。前側取っ手713は、座板21の前側縁近傍に位置しており、座部20に着席している要介護者の手で引き上げるのに適している。後側取っ手714は、座板21の後側縁近傍に位置しており、介護者の手で押し下げるのに適している。
このように、本実施形態では、スライド不可状態を解除するためのスライド操作レバー71の取っ手713,714を座部20の前側部分と後側部分の双方に設けているため、介護用椅子1に着席している要介護者と、介護用椅子1の脇で介助を行う介護者の双方が容易にスライド解除のためのスライド操作レバー71の操作を行うことができる。
また、本実施形態では、回動不可状態を解除するための回動操作レバー52の取っ手522が座部20の右側縁部近傍に設置されているのに対して、スライド不可状態を解除するためのスライド操作レバー71の取っ手713,714は座部20の前後縁部近傍に設けられている。このように、回動操作用の取っ手522とスライド操作用の取っ手713,714とが離れた場所に設置されており、回動係止解除とスライド係止解除の操作を間違うことがなく、高齢者等であっても安全に使用することができる。
以上、介護用椅子1の構成について説明したが、続いて、介護用椅子1の使用態様について説明する。本実施形態では、食事の際に要介護者が食事テーブルの傍に設置されている介護用椅子1に座る場合を例に挙げて説明する。また、初期状態では、スライド部材60は、座部20が最も引っ込んだ位置でスライド不可状態となっており、回動部材40は、座部20が食事テーブルに対向する基本位置(0°)から右回りに90°回動した位置で回動不可状態となっている。
まず、食事テーブルに対して右側に90°回転した状態の座部20に要介護者が着席する。座部20が右側に回動しているので、要介護者は食事テーブルと椅子1との間に入る必要がなく、椅子1の横から容易に座部20に座ることができる。また、椅子1は回動不可状態及びスライド不可状態であるため、着席時に要介護者が座部20にぶつかっても座部20が回転したりスライドしたりすることがないので、安全に座ることができる。
要介護者の着席後、座部20を食事テーブルの正面に向けるために、着席したまま座部20を左回りに90°回転させる。着席時、椅子1は回動不可状態にあるため、回動操作レバー52を操作して回動不可状態を解除する。具体的には、回動操作レバー52の取っ手522の部分を、付勢ばね552の付勢力に抗して、要介護者又は介護者が下方に押し下げることで、回動係止凸部521が上昇して回動係止穴51から抜け、回動係止部材50の回動不可状態が解除されて回動可能状態となる(図3(b)参照)。
図5(a)において、実線で示している回動操作レバー52は、力が加えられておらず、回動係止凸部521が回動係止穴51に嵌まっている回動不可状態を示しており、一点鎖線で示している回動操作レバー52は、回動操作レバー52が付勢ばね552の付勢力に抗して操作され、回動可能となった状態を示している。
解除後、要介護者又は介護者により座部20を左回りに回転させる。座部20が少しでも左回りに回転すると、回動係止凸部521は回動係止穴51が存在しない場所に移動するので、回動操作レバー52の取っ手522から手を離しても回動係止凸部521が回動係止穴51に嵌まることはなく、回動可能状態のままである。
よって、要介護者又は介護者は、回動操作レバー52から手を離したまま、座部20を回転させることができる。座部20が左回りに90°回転して食事テーブルの正面に向くと、回動係止凸部521が隣の回動係止穴51に到達し、付勢ばね552により下方に付勢されている回動係止凸部521が回動係止穴51に嵌まり、回動部材40は再び回動不可状態となる。図5(b)において、点線で示した部分は、回動部材40が90°回転して回動不可となった状態を示している。
続いて、着席している要介護者が食事をし易いように、座部20を食事テーブルに近付けるために前方向にスライドさせる。初期状態では、スライド部材60は、座部20が後方にスライドした状態且つスライド不可状態である(図8及び図9に示す状態)ため、座部20をスライドさせる際には、要介護者又は介護者がスライド操作レバー71を操作してスライド係止部材70によるスライド不可状態を解除する必要がある。
具体的には、図3(a)に示すように、付勢ばね732の付勢力に抗して、スライド操作レバー71の前側取っ手713を引き上げるか、後側取っ手714を押し下げることで、スライド係止凸部712が上昇してスライド係止穴77から抜け、スライド不可状態が解除されてスライド可能状態となる(図3(b)参照)。座部20に座っている要介護者が操作する場合には、前側取っ手713を操作し、椅子1の傍に位置している介護者が操作する場合には、後側取っ手714を操作すれば、容易にスライド操作レバー71を操作することができる。
解除後、要介護者又は介護者により座部20を前方向にスライドさせる。座部20が少しでも前側にスライドすると、スライド係止凸部712はスライド係止穴77が存在しない場所に移動するので、スライド操作レバー71の取っ手713,714から手を離してもスライド係止凸部712がスライド係止穴77に嵌まることはなく、スライド係止板76の上面に当接しながら移動するだけで、スライド可能状態は維持されたままである。
よって、要介護者又は介護者は、スライド操作レバー71から手を離したまま、座部20を前方向にスライドさせることができる。座部20が前方向にスライドし、スライド係止凸部712が前側に位置するスライド係止穴77の位置まで移動すると、付勢ばね732により下方に付勢されているスライド係止凸部712がスライド係止穴77に嵌まり、スライド部材60は再びスライド不可状態となる(図8及び図9に示す状態)。
このように、座部20が前方に移動し、スライド不可状態となって固定されると、着席作業は終了する。これにより、介護用椅子1全体を移動させることなく、要介護者は食事テーブルに近付くことができ、食事がし易くなる。また、食事が終わった後は、逆の動作をすることで、要介護者が容易に椅子から立ち上がることができる。
以上、詳細に説明した本実施形態によれば、回動係止部材50の付勢ばね552により回動操作レバー52が回動不可状態となる揺動方向に付勢され、スライド係止部材70の付勢ばね732により、スライド操作レバー71がスライド不可状態となる揺動方向に付勢されているため、回動部材及びスライド部材は基本的には動作不可状態となり、係止状態を解除するためには、付勢ばね552,732の弾性力に抗して操作レバーを操作して解除する必要がある。
また、動作不可状態が解除された後も、所定の距離スライドや回動すると、必ず係止状態となって回動不可状態となる。よって、本実施形態においては、意図しない力が座部20に加わったとしても、座部が不用意に移動することがなく、高齢者等であっても安全に介護用椅子1を利用することができる。
また、本実施形態では、連結部30において、回動部材40が下側に設置され、スライド部材60が上側に設置されている。スライド部材60が下側に設置されていると、回動部材40の鉛直回動軸が介護用椅子1の重心から離れてしまい、座部20の回動が不安定になるおそれがあるが、回動部材40が下側であれば、回動軸が常に椅子の重心付近で固定されるため、回動動作が安定し、椅子の転倒等を防ぐことができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態に係る介護用椅子を構成する部材のサイズや形状等は適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、スライド部材は、二つの位置で係止状態となって二段階でスライド可能に構成され、回動部材は、四つの位置で係止状態となって四段階で回動可能に構成されているが、係止状態となる位置の数や場所は適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、スライド部材は、第一スライド部材であるリニアガイドが下方の第二回動板に固定され、第二スライド部材であるスライドレールが上方の座部に固定されているが、第一スライド部材がスライドレールで、第二スライド部材がリニアガイドであっても良い。
また、上記実施形態では、回動係止部材は、回動係止穴が第一可動板側に設置され、回動操作レバーが第二可動板側に設置されているが、逆に、回動係止穴が第二可動板側に設置され、回動操作レバーが第一可動板側に設置されていても良い。
また、上記実施形態では、スライド係止部材は、スライド係止穴が第二可動板側に設置され、スライド操作レバーが座部側に設置されているが、逆に、スライド係止穴が座部側に設置され、スライド係止穴が座部側に設置されていても良い。
また、上記実施形態では、回動操作レバー及びスライド操作レバーを係止状態となる揺動方向に付勢する部材として付勢ばねを設置しているが、付勢ばねを設置する代わりに、自重により回動操作レバー及びスライド操作レバーが係止状態となる揺動方向に付勢されるように構成しても良い。例えば、上記実施形態に係るスライド操作レバーは、揺動軸よりも前側の部分の体積が後側の部分よりも格段に大きいため、付勢ばねが設置されていなくても、前側取っ手側が下方に移動する揺動方向に付勢されることになる。
1 介護用椅子
10 脚部
11 脚
12 脚連結部
20 座部
21 座板
23 座クッション
25 背部
26 背クッション
28 肘部
30 連結部
40 回動部材
41 第一回動板
51 回転係止穴
45 第二回動板
52 回動操作レバー
521 回動係止凸部
522 取っ手
523 ゴムキャップ
526 揺動軸挿通穴
55 回動操作レバー支持部
551 回動操作揺動軸
552 付勢ばね
76 スライド係止板
77 スライド係止穴
50 回動係止部材
60 スライド部材
61 リニアガイド
65 スライドレール
71 スライド操作レバー
712 スライド係止凸部
713 前側取っ手
714 後側取っ手
715 ゴムキャップ
716 スライド操作揺動軸
73 スライド操作レバー支持部
731 円筒部
732 付勢ばね
70 スライド係止部材

Claims (4)

  1. 座部と、脚部と、前記座部を前記脚部に対して前後スライド可能に且つ鉛直軸回りに回動可能に連結する連結部と、を備える椅子において、
    前記連結部は、回動部材と、スライド部材と、を備え、
    前記回動部材は、
    前記脚部に対して固定される第一回動板と、
    前記第一回動板に対して鉛直軸回りに回動可能に連結される第二回動板と、
    前記第一回動板と前記第二回動板とを段階的に係止して回動不可状態とする回動係止部材と、を備え、
    前記スライド部材は、
    前記第二回動板に対して固定される第一スライド部材と、
    前記第一スライド部材に対して前後方向にスライド可能に連結されると共に前記座部に対して固定される第二スライド部材と、
    前記第一スライド部材と前記第二スライド部材とを段階的に係止してスライド不可状態とするスライド係止部材と、を有し、
    前記スライド係止部材は、
    前記第一スライド部材又は前記第二スライド部材の一方側に設置された複数のスライド係止穴と、
    前記第一スライド部材又は前記第二スライド部材の他方側に横方向水平軸回りに揺動可能に、且つ、前記座部の下方においてその前側端から後側端まで延在して設置され、前記座部の前側からも後側からも操作可能であるスライド操作レバーであって、所定のスライド位置において前記スライド係止穴に嵌まることで前記スライド不可状態となるスライド係止凸部を有する、前記スライド係止凸部が前記スライド係止穴に嵌まる揺動方向に自重又は弾性部材により付勢されたスライド操作レバーと、を備え、
    前記スライド操作レバーの後側取っ手は、前記座部の上面側に露出していることを特徴とする椅子。
  2. 前記スライド操作レバーは、その前側が下方に移動する方向に付勢されており、その前側が下降した状態で前記スライド係止凸部が前記スライド係止穴に嵌まるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の椅子。
  3. 前記横方向水平軸は、前記スライド操作レバーの前後延在部分の後側寄りの部分に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の椅子。
  4. 前記スライド操作レバーの前側取っ手は、前記座部の前側縁近傍において、左端から右端まで延在設置されていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の椅子。
JP2016157117A 2016-08-10 2016-08-10 椅子 Active JP6777927B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016157117A JP6777927B2 (ja) 2016-08-10 2016-08-10 椅子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016157117A JP6777927B2 (ja) 2016-08-10 2016-08-10 椅子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018023569A JP2018023569A (ja) 2018-02-15
JP6777927B2 true JP6777927B2 (ja) 2020-10-28

Family

ID=61193318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016157117A Active JP6777927B2 (ja) 2016-08-10 2016-08-10 椅子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6777927B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7345186B2 (ja) * 2020-03-06 2023-09-15 秀郎 阿武 椅子
JP7345189B2 (ja) * 2020-04-08 2023-09-15 秀郎 阿武 椅子

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5748658Y2 (ja) * 1976-06-26 1982-10-25
JPH0248252Y2 (ja) * 1984-09-29 1990-12-18
JP2004008443A (ja) * 2002-06-06 2004-01-15 Kariya Mokuzai Kogyo Kk 回転台及びこれを用いた椅子
JP3139480U (ja) * 2007-11-08 2008-02-21 光彦 穂積 椅子
EP2493353B1 (en) * 2009-10-27 2024-04-24 Robert Anders Nilsson An item of furniture
JP2016043708A (ja) * 2014-08-19 2016-04-04 丸菱工業株式会社 スライド機構付座席回転ユニット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018023569A (ja) 2018-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5468791B2 (ja) 幼児椅子のためのトレイラッチ機構
US20240099917A1 (en) Reclining armchair with lifting seat and extending footrest
US2248369A (en) Leg rest
JPH0445564Y2 (ja)
JP5966161B1 (ja) アームレストロック機構とそれを有する合体ベッド
JP6777927B2 (ja) 椅子
US20200352804A1 (en) Adjustable backrest and wheelchair therewith
JP2014176752A (ja) 浴室用椅子
KR20130007300U (ko) 다리받침대를 구비한 사무용 의자
JP6228251B2 (ja) 浴室用椅子
JP5938322B2 (ja) 医療台
NZ565820A (en) A chair or a bed having a seat, a backrest and an armrest as well as use thereof
JP6270172B2 (ja) 車椅子
JP7084599B2 (ja) 着座起立補助装置および着座起立補助機能を有する椅子
JP5759189B2 (ja) ペーパーホルダー
JP6712390B2 (ja) 椅子
JP3192528U (ja) 歩行困難者用の椅子
JP6178137B2 (ja) 椅子
JP4491317B2 (ja) 椅子の座構造
JP4368099B2 (ja) ポータブルトイレの肘掛け構造
JP6783617B2 (ja) 什器の支持構造体及び什器
JP3922362B2 (ja) 移動体
JP3185141B2 (ja) 移動用座椅子
GB2511031A (en) A rocking chair
JP3176037U (ja) 椅子の足置き装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200930

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6777927

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250