JP6777599B2 - 中空構造物及びその埋設方法 - Google Patents

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Description

本開示は、中空構造物及びその埋設方法に関するものである。
従来、鉄道の線路、すなわち、軌道や道路を地面よりも高い所に通すために構築された盛土や地盤の内部にボックスカルバート等の中空構造物を埋設することによって、軌道や道路の下方に地下通路を形成する技術が採用されている。なお、前記中空構造物は、非開削推進工法によって埋設されることが多い。
しかし、寒冷地において盛土や地盤の内部にボックスカルバート等の中空構造物を埋設すると、冬季には、埋設された中空構造物の内部から冷却されることによって、凍上が発生しやすくなる。凍上が発生すると、中空構造物の上方の軌道や道路が持上げられ、安全性が損なわれてしまう。
そこで、中空構造物の上板の上面に凹部を形成し、該凹部内に非凍上性材料を載置することによって、中空構造物の上方の凍上を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−247396号公報
しかしながら、前記従来の中空構造物では、非凍上性材料が載置された凹部の上面が開放されているので、非開削推進工法によって埋設される際、地盤を掘削しながら中空構造物を前進させると、非凍上性材料の多くが凹部の外に落下してしまい、埋設が完了した中空地下構造物の凹部内に残留する非凍上性材料の量が少なくなり、また、上部にある盛土材の流入量が増加する恐れがある。そのため、凍上を効果的に防止することができない。また、盛土上面の軌道や道路面の変状が生じる可能性もある。
もっとも、複数枚の金属の帯板を並べて非凍上性材料が載置された凹部の上面を覆う方法も提案されている。しかし、この場合、隣接する帯板同士の隙間が狭いために、非凍上性材料が地盤と接触する面積が狭く、適切な排水ができず、高含水状態となることから凍上を効果的に防止することができない。
ここでは、前記従来の技術の問題点を解決して、構造物本体の上面に形成された非凍上層の上面をスライド可能なカバー部材で覆い、カバー部材をスライドすることによって、非凍上層の上面の少なくとも一部が開放されるようにすることにより、非凍上層が確実に残留し、凍上を効果的に防止することができる中空構造物及びその埋設方法を提供することを目的とする。
そのために、中空構造物においては、地中に埋設可能な中空の構造物本体と、該構造物本体の上面に形成された非凍上層と、該非凍上層の上面を覆うスライド可能なカバー部材とを備え、該カバー部材がスライドすることによって、前記非凍上層の上面の少なくとも一部が開放される中空構造物であって、前記構造物本体は上板上に形成された凹部を含み、前記非凍上層は前記凹部内に収容され、前記カバー部材は、前記凹部内に非凍上層が収容された構造物本体の上面にスライド可能に載置され、前記構造物本体の上板内には空洞状の集水部が形成され、前記凹部の底面には傾斜が付与され、前記集水部は前記底面における最も低い位置に開口し、前記集水部には、下端が前記構造物本体の空間部内に露出する排水路が接続されている
他の中空構造物においては、さらに、前記カバー部材は、前記構造物本体及び非凍上層とともに地中に埋設された後に、スライドさせられる。
更に他の中空構造物においては、さらに、前記非凍上層は、断熱材と非凍上材とを積層したものである。
更に他の中空構造物においては、さらに、前記カバー部材は、端部から突出する補助部材を含み、該補助部材に連結された牽引用部材を介して牽引されることによって、スライドさせられる。
更に他の中空構造物においては、さらに、前記カバー部材は、スライド方向に複数個連結可能である。
更に他の中空構造物においては、さらに、前記カバー部材は、前記凹部内に非凍上層が収容された構造物本体の上面に載置される支持部材によってスライド可能に支持され、前記カバー部材及び支持部材はそれぞれ開口を含み、前記カバー部材は、該カバー部材及び支持部材の開口がオーバーラップしない状態からオーバーラップする状態となるようにスライド可能である。
中空構造物の埋設方法においては、中空の構造物本体と、該構造物本体の上面に形成された非凍上層と、該非凍上層の上面を覆うスライド可能なカバー部材とを備える中空構造物であって、前記構造物本体は上板上に形成された凹部を含み、前記非凍上層は前記凹部内に収容され、前記カバー部材は、前記凹部内に非凍上層が収容された構造物本体の上面にスライド可能に載置され、前記構造物本体の上板内には空洞状の集水部が形成され、前記凹部の底面には傾斜が付与され、前記集水部は前記底面における最も低い位置に開口し、前記集水部には、下端が前記構造物本体の空間部内に露出する排水路が接続されている中空構造物を非開削推進工法によって地中に埋設する工程と、前記カバー部材をスライドさせて前記非凍上層の上面の少なくとも一部を開放させる工程とを含む。
本開示によれば、構造物本体の上面に形成された非凍上層の上面をスライド可能なカバー部材で覆い、カバー部材をスライドすることによって、非凍上層の上面の少なくとも一部が開放される。これにより、非凍上層が確実に残留し、凍上を効果的に防止することができる。
第1の実施の形態における構造物本体の斜視図である。 第1の実施の形態における非凍上層が形成された構造物本体の斜視図である。 第1の実施の形態における非凍上層の模式図である。 第1の実施の形態におけるカバー部材が載置された構造物本体を示す図である。 第1の実施の形態におけるカバー部材の変形例の斜視図である。 第1の実施の形態における中空地下構造物の埋設方法を示す模式地下断面図である。 第2の実施の形態における排水機構の構造を示す図である。 第3の実施の形態における排水機構の構造を示す図である。 第4の実施の形態におけるカバー部材を示す斜視図である。
以下、本実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態における構造物本体の斜視図、図2は第1の実施の形態における非凍上層が形成された構造物本体の斜視図、図3は第1の実施の形態における非凍上層の模式図、図4は第1の実施の形態におけるカバー部材が載置された構造物本体を示す図、図5は第1の実施の形態におけるカバー部材の変形例の斜視図である。なお、図3において、(a)は非凍上性材料を示す図、(b)は断熱材を示す図、(c)は非凍上層の構成を示す図であり、図4において、(a)は斜視図、(b)は側面図であり、図5において、(a)〜(d)はカバー部材の変形例の各々を示す図である。
図において、10は、本実施の形態における中空構造物であり、構造物本体11と、該構造物本体11の上面にスライド可能に載置されたカバー部材として機能するスライド板15とを備える。前記構造物本体11は、好適には、鉄筋コンクリートから成る直方体形状で中空の箱状の部材である。そして、前記構造物本体11は、平板状の上板11aと、該上板11aに平行な平板状の下板11bと、前記上板11a及び下板11bの幅方向(Y軸方向)両端を接続し、上下方向(Z軸方向)に延在する平板状の一対の側板11sとを備える。そして、構造物本体11の中心部には、周囲を上板11a、下板11b及び側板11sによって画定された前後方向(X軸方向)に延在する断面形状が概略矩形の空間部12が形成されている。該空間部12は、構造物本体11の前面11f及び後面11rにおいて開口する貫通孔である。
前記構造物本体11は、一般的にボックスカルバートと称される地下構造物と同様の部材であって、非開削推進工法によって盛土や地盤の内部に埋設され、前記空間部12が地下通路として機能する。また、前記スライド板15は、構造物本体11の上面に載置された状態で構造物本体11とともに地中、例えば、盛土や地盤の内部に埋設された後に、引抜いて除去される。前記盛土や地盤は、いかなる地形におけるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、鉄道の線路、すなわち、軌道又は道路を通すために構築された盛土又は地盤であるものとして説明する。そして、前記空間部12は、前記軌道又は道路の下を通る地下通路として使用されるものとする。
なお、本実施の形態において、中空構造物10の各部及びその他の部材の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記中空構造物10の各部及びその他の部材が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
「背景技術」の項で説明したように、寒冷地において盛土や地盤の内部に構造物本体11を埋設して空間部12から成る地下通路を形成すると、冬季には、地下通路に浸入する冷気によって上板11a上の土砂が冷却されて凍上が発生し、上方の軌道又は道路が持上げられる可能性がある。
そこで、本実施の形態における構造物本体11は、上板11a上に形成された非凍上層収容空間としての凹部13を備え、該凹部13内に非凍上層21を収容することができるようになっている。具体的には、前記上板11aの上面から上方に突出する周壁14が形成され、該周壁14によって周囲を画定された空間が前記凹部13となっている。前記周壁14は、平面視において(Z軸方向から観て)矩形の角筒状の形状を有し、四方の壁の外面は、側板11sの外面並びに構造物本体11の前面11f及び後面11rとほぼ面一となっている。また、前記凹部13は、上方が開放され、上板11aの上面が底面13aとなっている深さ14dの窪みであって、図2に示されるように、非凍上層21を収容可能となっている。なお、前記周壁14の上面は、構造物本体11の上面でもあり、平坦面となっていることが望ましい。
前記非凍上層21は、図3に示されるように、平板状の断熱材21bと、該断熱材21b上に載置される非凍上材21aとを含んでいる。前記断熱材21bは、図3(b)に示されるように、例えば、ウレタン、ポリスチレン、EPS(Expanded Poly−Styrene)等から成る厚さ22bが、例えば、3〜5〔cm〕程度の板材である。また、前記非凍上材21aは、図3(a)に示されるように、例えば、粒度調整砕石、切込砕石、砂質土、セメント改良土等から成り、厚さ22aが、例えば、30〜50〔cm〕程度の層となるように形成されている。そして、前記断熱材21b及び非凍上材21aは、図3(c)に示されるように、合計の厚さ22が凹部13の深さ14dと同様となるように積層された状態で、非凍上層21として、前記凹部13内に収容される。なお、前記非凍上層21は、図3(c)に示されるように、断熱材21bと非凍上材21aとを積層したものを用いることもできる。
図4に示されるように、本実施の形態においては、凹部13内に非凍上層21が収容された構造物本体11の上面にスライド板15がスライド可能に載置される。該スライド板15は、少なくとも構造物本体11の上面全体を覆うことができる大きさの略矩形の平板状部材であり、望ましくは、図4(b)に示されるように、そのX方向の寸法が構造物本体11のX方向の寸法よりも大きく、構造物本体11の上面全体を覆うように載置されたときに、構造物本体11の後面11rよりも後方(X軸負方向)に突出している。また、前記スライド板15は、例えば、鉄筋コンクリート、鋼等から成る板材であり、構造物本体11の上面に載置された状態で構造物本体11とともに盛土や地盤の内部に埋設されたときに上方から荷重を受けても変形しない程度の剛性を有し、さらに、構造物本体11の上面から引抜かれるときに破断しない程度の強度を有するものである。なお、スライド板15の上下両面には、例えば、フッ素樹脂コーティング形成等の摩擦低減加工が施されることが望ましい。
また、図5に示されるように、前記スライド板15は、引抜作業を容易に行うための構成を備えるものであってもよい。前述のように、前記スライド板15は、構造物本体11の上面に載置された状態で構造物本体11とともに盛土や地盤の内部に埋設された後に、引抜いて除去される部材であるから、引抜作業を容易に行うための構成を備えることが望ましい。
図5(a)に示される例においては、スライド板15内に前後方向(X軸方向)に延在する、例えば、鋼等から成る棒状の一対の補助部材16が埋込まれ、スライド板15の一方の端部、すなわち、後端より後方に突出する各補助部材16の後端同士が連絡部材16aによって接続されている。そして、該連絡部材16aに、例えば、ワイヤーロープ等から成る牽引用部材31の先端に接続されたフック31aが掛止されて連結されている。これにより、前記牽引用部材31を、例えば、重機やその他の装置によって牽引し、スライド板15を後方に移動させて引抜くことができる。
図5(b)に示される例においては、前記連絡部材16aに、牽引用部材としての棒鋼32の先端が溶接等の手段によって連結されている。これにより、前記棒鋼32を、例えば、重機やその他の装置によって牽引し、スライド板15を後方に移動させて引抜くことができる。
図5(c)に示される例においては、突出する各補助部材16の後端同士を接続する連絡部材16aが存在しない。したがって、各補助部材16の後端を重機やその他の装置の牽引用部材に直接連結して牽引することによって、スライド板15を後方に移動させて引抜くことができる。
なお、前記スライド板15は、複数の区分から成り、各区分が相互に連結されていてもよい。図5(d)に示される例において、スライド板15は、第1カバー部材区分15−1及び第2カバー部材区分15−2から成り、第1カバー部材区分15−1の備える補助部材16の突出する後端が、第2カバー部材区分15−2の備える補助部材16の前端に接続されたスリーブ部17に連結されることによって、第1カバー部材区分15−1と第2カバー部材区分15−2とが相互に連結される。なお、スライド板15は、3つ以上の区分から成るものであってもよい。
次に、前記構成の中空構造物10の埋設方法について説明する。ここでは、いわゆる非開削推進工法によって埋設する方法について説明する。
図6は第1の実施の形態における中空地下構造物の埋設方法を示す模式地下断面図である。なお、図において、(a)〜(c)は各工程を示す図である。
まず、図6(a)に示されるように、軌道54の左右両側の地盤51に発進立抗52a及び到達立抗52bを掘削した後、軌道54直下に位置する直下地盤51aに、例えば、鋼製の角パイプ等を複数本、水平方向に圧入することによって、ルーフ55を形成する。該ルーフ55は、発進立抗52aから始まって到達立抗52bにまで到達するように、軌道54直下に形成される。続いて、発進立抗52a内に構造物本体11を配設し、該構造物本体11の前面11fにおける上端近傍を前記ルーフ55の発進立抗52a側の端、すなわち、後端に当接させる。そして、発進立抗52aの抗壁に支持板52cを介して受止められている油圧ジャッキ57を作動させてそのピストンロッドを伸張させることによって、構造物本体11を推進させ、到達立抗52bに向けて変位させる。なお、前記構造物本体11の前面11fには、刃口58が装着されている。また、前記構造物本体11の凹部13内には非凍上層21が収容され、その上面は構造物本体11の上面に載置されたスライド板15によって覆われている。
これにより、構造物本体11は、刃口58によって直下地盤51aを掘削しつつ、推進させられる。また、ルーフ55は、構造物本体11に押されて、その前端が到達立抗52b内に突出する。そして、該到達立抗52b内におけるルーフ55の突出量が大きくなった場合には、該ルーフ55の突出した部分は、適宜切除される。なお、図6(a)に示されるように、到達立抗52b内には、必要に応じて、仮受台53を配設することができる。また、発進立抗52a内における抗壁の支持板52cと油圧ジャッキ57との間には、スペーサ56を介在させることができる。該スペーサ56は、構造物本体11の前進状態に合わせて、その数を増加させることもできる。さらに、構造物本体11の前後方向の寸法が発進立抗52aから到達立抗52bまでの距離よりも短い場合には、複数の構造物本体11を前後方向に連結することができる。この場合、スライド板15を、図5(d)に示される例のように、連結可能なものとすることによって、すべての構造物本体11の上面に載置されたすべてのスライド板15を相互に連結して一体化することができる。
そして、図6(b)に示されるように、直下地盤51a内への構造物本体11の埋設が終了すると、構造物本体11の後面11rよりも後方に位置するスライド板15の後端近傍は、発進立抗52a内に突出した状態となる。なお、図に示される例においては、2つの構造物本体11が前後方向に連結されて直下地盤51a内に埋設されている。また、2つの構造物本体11の上面に載置された2つのスライド板15も連結されて一体化されている。さらに、ルーフ55は、直下地盤51aから排出され、到達立抗52b内に突出している。続いて、スペーサ56が発進立抗52a内から除去され、仮受台53及びルーフ55が到達立抗52b内から除去される。
そして、図6(c)に示されるように、重機であるバックホー61が発進立抗52a内に投入され、その油圧アーム62の先端に取付けられた牽引用部材としてのフック62aがスライド板15の後端から突出する補助部材16に掛止されて連結される。続いて、バックホー61の油圧アーム62を作動させて補助部材16を牽引することによって、スライド板15を後方に移動させて直下地盤51a中から引抜くことができる。すると、構造物本体11の凹部13内に収容された非凍上層21が、構造物本体11の上板11aとその上方の直下地盤51aの土砂との間に介在することとなるので、該土砂は、冬季においても、空間部12から成る地下通路に浸入する冷気によって冷却されることがない。したがって、構造物本体11の上方の直下地盤51aに凍上が発生することがなく、軌道54が持上げられることがないので、図6(c)に示されるように、列車65は安全に軌道54上を走行することができる。
このように、本実施の形態における中空構造物10は、地中に埋設可能な中空の構造物本体11と、構造物本体11の上面に形成された非凍上層21と、非凍上層21の上面を覆うスライド可能なスライド板15とを備え、スライド板15がスライドすることによって、非凍上層21の上面の少なくとも一部が開放される。なお、スライド板15は、構造物本体11及び非凍上層21とともに地中に埋設された後に、スライドさせられる。また、中空構造物10の埋設方法は、中空の構造物本体11と、構造物本体11の上面に形成された非凍上層21と、非凍上層21の上面を覆うスライド可能なスライド板15とを備える中空構造物10を非開削推進工法によって地中に埋設する工程と、スライド板15をスライドさせて非凍上層21の上面の少なくとも一部を開放させる工程とを含んでいる。
これにより、地中に埋設されても、非凍上層21が構造物本体11の上面に確実に残留するので、凍上を効果的に防止することができる。
また、非凍上層21は、断熱材21bと非凍上材21aとを積層させ、凍上を防止する効果を増大させることが可能である。
さらに、構造物本体11は上板11a上に形成された凹部13を含み、非凍上層21は凹部13内に収容され、スライド板15は、凹部13内に非凍上層21が収容された構造物本体11の上面にスライド可能に載置される。したがって、中空構造物10を非開削推進工法によって地中に埋設しても、非凍上層21が構造物本体11の上面に確実に残留する。
さらに、スライド板15は、後端から突出する補助部材16を含み、補助部材16に連結された牽引用部材31を介して牽引されることによって、スライドさせられる。また、スライド板15は、スライド方向に複数個連結可能である。したがって、スライド板15を容易にスライドさせることができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図7は第2の実施の形態における排水機構の構造を示す図である。なお、図において、(a)は上面図、(b)は(a)におけるA−A矢視断面図、(c)は変形例を示す(a)におけるA−A矢視部分断面図である。
本実施の形態における構造物本体11は、凹部13に浸入した水分を速やかに排水するための排水機構を備える。まず、凹部13の底面13aに傾斜が付与されている。具体的には、図7(a)において矢印Cで示されるように、底面13aの前後方向(X軸方向)中心から前後方向両側に行くほど低くなるように、かつ、図7(a)において矢印Dで示されるように、底面13aの幅方向(Y軸方向)の中心から幅方向両側に行くほど低くなるように、傾斜が付与されている。したがって、底面13aの四隅が最も低くなり、凹部13に浸入した水分は、底面13aの四隅に向かって流れるようになっている。
そして、構造物本体11の上板11a内の四隅には、空洞状の集水部33が形成されている。該集水部33は、その上端が底面13aに開口し、その下端には排水路34が接続されている。なお、前記集水部33の開口には、固形物の進入を防止するために、金網等の多孔部材が配設されていることが望ましい。前記排水路34は、構造物本体11の側板11s内に形成された概ね上下方向に延在する細長い空洞であって、その下端は空間部12内に露出している。図7(b)に示されるように、排水路34の下端が比較的高い位置で空間部12内に露出している場合には、前記下端に、樹脂等から成るパイプ状の補助排水路34aを接続することが望ましい。また、図7(c)に示されるように、排水路34の下端が比較的低い位置で空間部12内に露出している場合には、前記下端に補助排水路34aを接続しなくてもよい。
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。また、その他の点の作用及び効果についても、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、構造物本体11の上板11a内には空洞状の集水部33が形成され、凹部13の底面13aには傾斜が付与され、集水部33は底面13aにおける最も低い位置に開口し、集水部33には、下端が構造物本体11の空間部12内に露出する排水路34が接続されている。したがって、凹部13に浸入した水分を速やかに、かつ、確実に排水することができ、非凍上層21の凍上を防止する機能が損なわれることがない。
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、前記第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図8は第3の実施の形態における排水機構の構造を示す図である。なお、図において、(a)は上面図、(b)は(a)におけるB−B矢視断面図、(c)は変形例を示す(a)におけるB−B矢視断面図である。
本実施の形態における構造物本体11も、前記第2の実施の形態と同様に、凹部13に浸入した水分を速やかに排水するための排水機構を備えるが、本実施の形態においては、図8(a)において矢印Eで示されるように、底面13aの前後方向中心から前後方向両側に行くほど低くなるように、かつ、図8(a)において矢印Fで示されるように、底面13aの幅方向両端から幅方向中心に行くほど低くなるように、傾斜が付与されている。したがって、底面13aの幅方向中心における前後方向両端が最も低くなり、凹部13に浸入した水分は、底面13aの幅方向中心における前後方向両端に向かって流れるようになっている。
そして、構造物本体11の上板11a内の幅方向中心における前後方向両端には、空洞状の集水部33が形成されている。該集水部33は、その上端が底面13aに開口し、その下端には排水路34が接続されている。該排水路34は、前記上板11a内に形成された概ね上下方向に延在する細長い空洞であって、その下端は空間部12内に露出している。なお、排水路34の下端は、図8(b)に示されるように、上板11aの幅方向中心近傍で露出してもよいし、図8(c)に示されるように、上板11aの幅方向端部近傍で露出してもよい。そして、前記下端に、樹脂等から成るパイプ状の補助排水路34aを接続することが望ましい。
なお、その他の点の構成については、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。また、その他の点の作用及び効果についても、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、第4の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図9は第4の実施の形態におけるカバー部材を示す斜視図である。なお、図において、(a)は第1の状態を示す図、(b)は第2の状態を示す図、(c)はインナー部を示す図である。
本実施の形態におけるスライド板15は、アウター部15aと、該アウター部15a内にスライド可能に収容されるインナー部15bとを有する。そして、該インナー部15bがカバー部材として機能し、前記アウター部15aはカバー部材をスライド可能に支持する支持部材として機能する。
インナー部15bは、例えば、鉄筋コンクリート、鋼等から成る板材であり、図9(c)に示されるように、複数のスリット状の開口であるインナースリット18bが形成されている。該インナースリット18bは、インナー部15bを板厚方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔である。
また、アウター部15aは、例えば、鉄筋コンクリート、鋼等から成り、前記インナー部15bよりも板厚が厚い板材であって、図9(a)に示されるように、インナー部15bを収容可能な収容凹部15cを備える。前記インナー部15bは、前後方向(X軸方向)にスライド可能な状態で収容凹部15c内に収容される。さらに、アウター部15aには、複数のスリット状の開口であるアウタースリット18aが形成されている。該アウタースリット18aは、アウター部15aを板厚方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔である。
そして、スライド板15が第1の状態にあるときは、図9(a)に示されるように、インナー部15b全体が収容凹部15c内に収容され、かつ、アウタースリット18aとインナースリット18bとが全くオーバーラップしないようになっている。したがって、凹部13内に非凍上層21が収容された構造物本体11の上面に第1の状態にあるスライド板15を載置すると、非凍上層21の上方は、隙間なく覆われた状態となる。
続いて、この状態から、アウター部15aに対してインナー部15bを後方(X軸負方向)に引いてスライドさせると、スライド板15は、図9(b)に示されるような第2の状態になる。この状態では、アウタースリット18aとインナースリット18bとが完全にオーバーラップするので、非凍上層21は、開口であるアウタースリット18a及びインナースリット18bを通して、スライド板15の上面と連絡した状態となる。したがって、凹部13内に非凍上層21が収容された構造物本体11の上面に第1の状態にあるスライド板15を載置し、構造物本体11とともに盛土や地盤の内部に埋設された後に、インナー部15bをスライドさせて第2の状態にすると、非凍上層21が前記盛土や地盤の土砂と接触し、盛土上部からくる降雨等の水を滞留させることなく、適切に処理(排水)することが可能となり、凍上要因を取除くことができる。
なお、すべてのアウタースリット18aの面積の合計及びすべてのインナースリット18bの面積の合計は、それぞれ、アウター部15aの面積及びインナー部15bの面積の10〜50〔%〕であることが望ましいが、適宜変更することができる。
また、その他の点の構成については、前記第1〜第3の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。さらに、その他の点の作用及び効果についても、前記第1〜第3の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
このように、本実施の形態において、インナー部15bは、凹部13内に非凍上層21が収容された構造物本体11の上面に載置されるアウター部15aによってスライド可能に支持され、インナー部15b及びアウター部15aはそれぞれインナースリット18b及びアウタースリット18aを含み、インナー部15bは、インナースリット18b及びアウタースリット18aがオーバーラップしない状態からオーバーラップする状態となるようにスライド可能である。したがって、地中に埋設されても、インナー部15bを容易に、かつ、スムーズにスライドさせることができ、また、非凍上層21が構造物本体11の上面に確実に残留するので、凍上を効果的に防止することができる。
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。
本開示は、中空構造物及びその埋設方法に適用することができる。
10 中空構造物
11 構造物本体
11a 上板
12 空間部
13 凹部
13a 底面
15 スライド板
16 補助部材
21 非凍上層
21a 非凍上材
21b 断熱材
31 牽引用部材
32 棒鋼
33 集水部
34 排水路

Claims (7)

  1. 地中に埋設可能な中空の構造物本体と、
    該構造物本体の上面に形成された非凍上層と、
    該非凍上層の上面を覆うスライド可能なカバー部材とを備え、
    該カバー部材がスライドすることによって、前記非凍上層の上面の少なくとも一部が開放される中空構造物であって、
    前記構造物本体は上板上に形成された凹部を含み、前記非凍上層は前記凹部内に収容され、前記カバー部材は、前記凹部内に非凍上層が収容された構造物本体の上面にスライド可能に載置され、
    前記構造物本体の上板内には空洞状の集水部が形成され、前記凹部の底面には傾斜が付与され、前記集水部は前記底面における最も低い位置に開口し、前記集水部には、下端が前記構造物本体の空間部内に露出する排水路が接続されていることを特徴とする中空構造物。
  2. 前記カバー部材は、前記構造物本体及び非凍上層とともに地中に埋設された後に、スライドさせられる請求項1に記載の中空構造物。
  3. 前記非凍上層は、断熱材と非凍上材とを積層したものである請求項1又は2に記載の中空構造物。
  4. 前記カバー部材は、端部から突出する補助部材を含み、該補助部材に連結された牽引用部材を介して牽引されることによって、スライドさせられる請求項に記載の中空構造物。
  5. 前記カバー部材は、スライド方向に複数個連結可能である請求項に記載の中空構造物。
  6. 前記カバー部材は、前記凹部内に非凍上層が収容された構造物本体の上面に載置される支持部材によってスライド可能に支持され、前記カバー部材及び支持部材はそれぞれ開口を含み、前記カバー部材は、該カバー部材及び支持部材の開口がオーバーラップしない状態からオーバーラップする状態となるようにスライド可能である請求項に記載の中空構造物。
  7. 中空の構造物本体と、該構造物本体の上面に形成された非凍上層と、該非凍上層の上面を覆うスライド可能なカバー部材とを備える中空構造物であって、前記構造物本体は上板上に形成された凹部を含み、前記非凍上層は前記凹部内に収容され、前記カバー部材は、前記凹部内に非凍上層が収容された構造物本体の上面にスライド可能に載置され、前記構造物本体の上板内には空洞状の集水部が形成され、前記凹部の底面には傾斜が付与され、前記集水部は前記底面における最も低い位置に開口し、前記集水部には、下端が前記構造物本体の空間部内に露出する排水路が接続されている中空構造物を非開削推進工法によって地中に埋設する工程と、
    前記カバー部材をスライドさせて前記非凍上層の上面の少なくとも一部を開放させる工程とを含むことを特徴とする中空構造物の埋設方法。
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