JP6777517B2 - 吹付け材料及び湿式吹付け工法 - Google Patents

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Description

本発明は液体急結剤を使用する吹付け材料及び湿式吹付け工法に関する。
トンネル切削工事では、切削した地山に急結剤を混合したコンクリートを吹付けることで崩落を防いでいる。このような急結剤の一つとして、カルシウムアルミネートを主成分とし、アルミン酸ナトリウムや炭酸ナトリウムを混合した粉体急結剤が開発されている(例えば特許文献1,2等)。粉体急結剤は吹付け直後からの強度発現が優れる一方、ベースのコンクリートと圧縮エアで搬送された粉体急結剤とを吹付け先端部で合流混合するため粉じんが多くなり作業環境の悪化が懸念される。
一方、粉じん発生量の少ない吹付け方法として、急結剤をスラリー化し、かつ、コンクリートと、アルカリ金属アルミン酸塩を溶解した液を混合して施工する方法(特許文献3)、硫酸アルミニウム等の水溶液を成分の一つとした液体急結剤を使用する方法(例えば特許文献4)が提案されている。しかしながら、急結剤をスラリー化する方法は、現場にてスラリーを製造するための特別の設備が必要になる等施工が煩雑になる問題があり、液体急結剤を使用する方法では一般的に短期強度の発現性が低いことが大きな課題となっている。
そこで、液体急結剤を使用した吹付け材料において高い急結性を得る手段として、アルカリ金属硫酸塩と遅延剤を併用した技術が提案されている(特許文献5)。
特公昭60−4149号公報 特公昭56−27457号公報 特開平5−139804号公報 特開2002−047048号公報 特開2012−36028号公報
しかしながら、遅延剤はセメントの水和への影響が敏感であり、また温度環境による影響も大きいことから、その添加量の管理が難しい。このため、添加量が少なすぎて可使時間の確保が十分できなかったり、逆に過剰添加してしまうことによって初期の急結性を阻害し付着性が悪化したり、短期強度発現性が大きく低減する等の問題が生じる虞がある。
従って、本発明の課題は、短期強度の発現性が低い液体急結剤を用いる吹付け工法において、モルタル(コンクリート)が十分な可使時間を有し、かつ良好な短期強度発現性を有する吹付け材料及び吹付け工法を実用に供しやすい技術として提供することにある。
そこで、本発明者は、液体急結剤を用いる吹付け材料について鋭意検討を重ねた結果、アルカリ金属硫酸塩と特定の分子量分布を有するポリカルボン酸系減水剤を一定量併用することによって、前記課題を解決できることを見出し、発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔6〕を提供するものである。
〔1〕次の成分(A)と成分(B)とを組み合わせてなる吹付け材料。
(A)(a1)セメントと、(a2)アルカリ金属硫酸塩と、(a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリエチレンオキサイド換算分子量における重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000、Z平均分子量(Mz)が100,000未満であるポリカルボン酸系高分子化合物を含む減水剤をセメント100質量部に対し固形分換算で0.1質量部以上とを含有するモルタル
(B)硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤
〔2〕前記ポリカルボン酸系高分子化合物の多分散度〔重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)〕が2.2以下である〔1〕記載の吹付け材料。
〔3〕(a2)アルカリ金属硫酸塩の含有量がセメント100質量部に対して1〜5質量部である〔1〕又は〔2〕記載の吹付け材料。
〔4〕(A)(a1)セメントと、(a2)アルカリ金属硫酸塩と、(a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリエチレンオキサイド換算分子量における重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000、Z平均分子量(Mz)が100,000未満であるポリカルボン酸系高分子化合物を含む減水剤をセメント100質量部に対し固形分換算で0.1質量部以上と(a4)水とを混合して得られたモルタルに、該モルタル製造後60分以内に(B)硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤を混合して吹付けることを特徴とする湿式吹付け工法。
〔5〕前記ポリカルボン酸系高分子化合物の多分散度〔重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)〕が2.2以下である〔4〕記載の湿式吹付け工法。
〔6〕(a2)アルカリ金属硫酸塩の含有量がセメント100質量部に対して1〜5質量部である〔4〕又は〔5〕記載の湿式吹付け工法。
本発明の吹付け材料を用いれば、液体急結剤を用いているにもかかわらず、施工性に優れ、かつ短期強度発現性にも優れた吹付け施工を行うことができる。また、粉じんが少なく環境に優しく、かつ経済的な吹付け施工を行うことができる。
本発明の吹付け材料は、次の成分(A)〔モルタル〕と成分(B)〔液体急結剤〕とを組み合わせてなる。
(A)(a1)セメントと、(a2)アルカリ金属硫酸塩と、(a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリエチレンオキサイド換算分子量における重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000、Z平均分子量(Mz)が100,000未満であるポリカルボン酸系高分子化合物を含む減水剤をセメント100質量部に対し固形分換算で0.1質量部以上とを含有するモルタル。
(B)硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤。
(A)モルタルに用いられる(a1)セメントとしては、種々のものを使用することができ、例えば、ポルトランドセメントを使用することができる。そのようなポルトランドセメントとしては、例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、エコセメント等が挙げられる。これらのセメントは、いずれか1種を選択して使用することもできるが、2種以上のセメントを組み合わせて使用してもよい。この中で、短期強度発現性の点から、早強ポルトランドセメントが好ましい。
(A)モルタルに用いられる(a2)アルカリ金属硫酸塩としては硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウムをいずれも使用することが可能であるが、硫酸ナトリウムが安価であるためより好ましい。
アルカリ金属硫酸塩の使用量は、十分な初期強度向上性能を得る点及び可使時間を確保する点から、セメント100質量部に対して1〜5質量部が好ましく、1.5〜4質量部がより好ましく、2.0〜4.0質量部がさらに好ましい。
(A)モルタルに用いられる(a3)減水剤は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリエチレンオキサイド(PEO)換算分子量において、重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000であって、Z平均分子量(Mz)が100,000未満であるポリカルボン酸系高分子化合物を含有する減水剤である。
ポリカルボン酸系高分子化合物の重量平均分子量が10,000〜50,000の範囲外、又はZ平均分子量(Mz)が100,000以上の場合、さらにはポリカルボン酸系減水剤以外の減水剤、例えばナフタレンスルホン酸塩系、メラミンスルホン酸塩系、リグリンスルホン酸塩系の減水剤を用いた場合は、モルタルの可使時間を60分以上保持し、かつ液体急結剤添加後の短期強度の発現性に優れた吹付け材料が得られない。
前記ポリカルボン酸系高分子化合物のMwは、より良好な短期強度発現性を得るという点から、30,000〜50,000が好ましい。
また、前記ポリカルボン酸系高分子化合物のZ平均分子量(Mz)は、Mw以上100,000未満が好ましく、60,000以上80,000未満がより好ましい。さらに、前記ポリカルボン酸系化合物の多分散度〔重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)〕は、2.3以下であるのが、モルタルの可使時間を60分以上保持し、液体急結剤添加後の短期強度の発現性の点で好ましく、2.2以下であるのがより好ましく、2.1以下であるのがさらに好ましい。なお、多分散度は1以上である。
ここで、各分子量の定義は下記のとおり。
Mn=Σ(Mi・Ni)/ΣNi =ΣCi/Σ(Ci/Mi)
Mw=Σ(Mi2・Ni)/Σ(Mi・Ni) =Σ(Ci・Mi)/ΣCi
Mz=Σ(Mi3・Ni)/Σ(Mi2・Ni) =Σ(Ci・Mi2)/Σ(Ci・Mi)
(ここで、Nはポリマー分子の数、Mは分子量、Cは試料濃度(wt./vol.))
(a3)ポリカルボン酸系高分子化合物を含む減水剤の使用量は、セメント100質量部に対して固形分換算で0.1質量部以上であるのが、十分な可使時間を得る点で重要である。(a3)減水剤の使用量は、十分な可使時間を得る点及び十分な初期強度を得る点から、セメント100質量部に対して固形分換算で0.1〜0.8質量部が好ましく、0.15〜0.8質量部がより好ましく、0.25〜0.5質量部がさらに好ましい。
本発明の吹付け材料に配合されるポリカルボン酸系高分子化合物の構成成分としては、例えば、ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物を含むものが挙げられる。
当該ポリカルボン酸系高分子化合物としては、特に限定されず、例えばポリアルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリル酸系共重合体及びポリアルキレングリコール鎖を有するマレイン酸系共重合体等が挙げられ、これらは1種でも2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち(メタ)アクリル酸系共重合体としては、基−COOM(式中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アミンを示す)及びポリアルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリル酸系共重合体が好ましいものとして挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸系共重合体の基−COOM中のMは、水素原子;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム又は有機アミンが好ましい。
さらに(メタ)アクリル酸系共重合体の好ましいものとしては、全構成単位中に、下記式(1)で示される構成単位(1)を40〜80モル%、下記式(2)で示される構成単位(2)を2〜25モル%、下記式(3)で示される構成単位(3)を3〜20モル%及び下記式(4)で示される構成単位(4)を1〜45モル%の割合で含む共重合体である。なお、構成単位のモル%は、(1)〜(4)の全構成単位を100モル%とした場合の夫々の構成単位のモル%を示す。
Figure 0006777517
〔式中、R1、R2、R4及びR5は同一若しくは異なって水素原子又はメチル基を示し、R3及びR6は炭素数1〜3のアルキル基を示し、M1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アミンを示し、Xは−SO32又はO−Ph−SO32(ここで、M2は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アミンを示し、Phはフェニレン基を示す)を示し、nは2〜200の整数を示す〕
3及びR6としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が挙げられ、就中メチル基が好ましい。また、M1としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルカノールアミン等が好ましく、特に、水に対する溶解性の面からナトリウムが好ましい。また基X中のM2としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アンモニウム及びエタノールアミン等のアルカノールアミン等の有機アミンが挙げられる。これらのうちXとしては、−SO3Naが好ましい。また、(4)式中のnは2〜200であるが、5〜109が好ましい。
本発明における(A)モルタルは遅延剤を実質的に含まないのが好ましい。本明細書において、「遅延剤を実質的に含まない」とは、遅延剤の含有量が、セメント100質量部に対して、0.01質量部未満であることを指し、0質量部であってもよい。本発明に係るモルタルによれば、遅延剤を添加することなく、アルカリ金属硫酸塩と特定のポリカルボン酸系減水剤の配合量の調整によって、適切な可使時間を調整することができる。遅延剤を添加して可使時間を調整した場合は、短期強度の発現が悪くなりやすいことから好ましくない。
ここでの遅延剤は、通常セメント、コンクリート用に使用されている有機系の遅延剤を指し、例えば、短鎖脂肪酸等の分子量が比較的小さく、カルボキシル基を有する有機酸又はその塩(ただし、上記ポリカルボン酸系高分子化合物は除く。)、糖類、糖アルコールが挙げられる。具体的には、ギ酸、酢酸、プロピン酸、酪酸、吉草産、ヘプタン酸、サリチル酸、安息香酸、フタル酸、ピルビン酸、ガラクトン酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、ヘプトン酸、乳酸、テレフタル酸、グルコン酸、ウロン酸又はそれらの塩、ショ糖、ラクトース、マンノース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、ソルビトール、アラビトール等が挙げられる。
また、本発明における(A)モルタルには、発明の効果を損ねない範囲で、各種混和剤(材)が添加されることを妨げるものではない。各種混和剤としては、例えば増粘剤、膨張材、収縮低減剤、急硬材、防錆剤、防凍剤、顔料、消泡剤、発泡剤、繊維、ポリマー、シリカフューム、石灰石微粉末、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ等が挙げられ、これらを一種又は二種以上添加することができる。
本発明で使用する(B)液体急結剤は、硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤である。該液体急結剤は、通常、粉末状の硫酸アルミニウム(又はその水和物)を水と混ぜ、水溶液として調製されるが、特にこれに限定されるものではない。可溶性アルミニウム成分と硫酸等の硫黄源を調整して、硫酸アルミニウムを水溶液として調製したものと同じ効果をもたらすものであってもかまわない。また、(B)液体急結剤には、本発明の特長が損なわない程度において、さらに他の成分を添加することを妨げない。他の成分としては、例えば、沈降性シリカ、アルカノールアミン等が挙げられる。液体急結剤中の硫酸アルミニウム含有量は、15質量%以上が好ましく、30〜65質量%がより好ましく、40〜60質量%がさらに好ましい。
液体急結剤の使用量は、十分な急結性を得る点及び見かけの水セメント比の向上による長期強度低下を防止する点から、セメント100質量部に対して2〜20質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましい。
本発明のモルタル(コンクリート)の製造方法は、特に限定されるものではなく、生コン工場や工事現場に設置した慣用のミキサで各材料を混合すればよい。
モルタルの水セメント比は、モルタルの粘性を低く保持し、ポンプ圧送性を確保する点、及び急結性、強度発現性を確保し、吹付け時の剥落を防止する点から、20〜70%が好ましく、特に25〜60%が好ましい。
本発明の吹付け工法は、湿式であり、(A)(a1)セメントと、(a2)アルカリ金属硫酸塩と、(a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリエチレンオキサイド換算分子量における重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000、Z平均分子量(Mz)が100,000未満であるポリカルボン酸系高分子化合物を含む減水剤をセメント100質量部に対し固形分換算で0.1質量部以上と(a4)水とを混合して得られたモルタルに、該モルタル製造後60分以内に(B)硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤を混合して吹付けることを特徴とする。
吹付け装置及び急結剤添加装置も、液体急結剤用として公知の装置を任意に使用することができる。
本発明のモルタルは、遅延剤を添加しなくとも、60分以上の可使時間を得ることができる。通常はモルタルの製造後、60分以内にモルタルを吹付けノズルの筒先までポンプで圧送し、ノズルの筒先で液体急結剤が添加混合され、吹付け施工が行われる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<使用材料>
セメントa:早強ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)
セメントb:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)
セメントc:エコセメント(太平洋セメント株式会社製)
アルカリ金属硫酸塩A:無水硫酸ナトリム(市販品)
アルカリ金属硫酸塩B:硫酸カリウム(市販品)
アルカリ金属硫酸塩C:硫酸リチウム(市販品)
ポリカルボン酸系減水剤A:Mz=111,796(市販品)
ポリカルボン酸系減水剤B:Mz=53,377(市販品)
ポリカルボン酸系減水剤C:Mz=63,477(市販品)
リグニン酸系減水剤:(市販品)
メラミン酸系減水剤:(市販品)
細骨材:栃木県産珪砂
液体急結剤:硫酸アルミニウム系アルカリフリー液体急結剤(市販品)
<ポリカルボン酸系減水剤のGPC測定>
以下にGPCの測定条件を記す。
・装置:ビルトアップGPCシステム(東ソー製、島津製作所製)
・カラム:TSKgel GMPWXL(7.8mmI.D.×30cm)×2本(東ソー製)
・検出器:RI検出器 polarity(+)
・溶離液:0.2mol/L リン酸バッファー(pH=7)/アセトニトリル=9/1
・流速:1.0mL/min.
・濃度:1mg/mL
・注入量:100μL
・カラム温度:40℃
・試料前処理:試料を秤量し、所定量の溶離液を加えて室温で一晩静置溶解させ、穏やかにふり混ぜた後、0.5μmのセルロースアセテートカートリッジフィルターでろ過した。
・検量線:ポリエチレンオキサイド(PEO)を用いた3次近似曲線。得られる分子量はポリエチレンオキサイド換算分子量となる。
各ポリカルボン酸系減水剤のGPC測定の結果を表1に示す。測定は2回行い、その平均値をとった。
Figure 0006777517
<試験方法>
・フロー試験:JIS R 5201に準拠し練上り直後、30分後、60分後のモルタルフローを測定した。
・圧縮強度試験:急結剤を混合し、4×4×16cmの型枠に成型した試験体の材齢3時間での圧縮強度を測定した。
(実施例1)
セメントとして早強セメントを使用し、20℃環境下にてモルタルを練混ぜた後に急結剤を添加し、各種試験を実施した。各配合と試験結果を表2に示す。
Figure 0006777517
(実施例2)
セメントとして普通セメント及びエコセメントを使用し、減水剤としてポリカルボン酸系減水剤Cを使用し、20℃環境下にてモルタルを練混ぜた後に急結剤を添加し、各種試験を実施した。各配合と試験結果を表3に示す。
Figure 0006777517
(実施例3)
実機吹付け試験を実施した。パン型ミキサに早強セメント、細骨材、硫酸ナトリウム、ポリカルボン酸系減水剤Cを及び水を所定量投入した。モルタルの配合は、水セメント比が33%、砂セメント比が1、硫酸ナトリウムの添加率がセメントに対して2.5質量%、ポリカルボン酸系減水剤の添加率がセメントに対して0.25質量%とし、配合量の合計が60リットルとなるように調整し、3分間混練してモルタル試料とした。練混ぜたモルタルをモルタルポンプで圧送、筒先にてリングガンを用いて液体急結剤を混合し、吹付けを実施した。吹付けはシートで閉鎖し無風状態とした模擬トンネル内で、L型擁壁の地面に垂直な壁面に向かって行った。1回の吹付け量は120リットル、モルタルの吐出量と液体急結剤の使用量から算定した液体急結剤の添加量はセメントに対し6.6質量%であった。
吹付けの施工性は目視にてモルタルの圧送性、吹付けモルタルの付着性、粉じん量を評価した。また、材齢3時間の強度はプルアウト試験による測定値から推定圧縮強度を算定した。
実機吹付け試験の結果を以下に示す。約30分の吹付け実施中、モルタルの圧送性に支障はなく良好であった。モルタルの付着性は良好であり、粉じん発生も目視ではほとんど認められなかった。3時間の推定圧縮強度も6.64N/mm2と充分な短期強度発現性が確認された。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)と成分(B)とを組み合わせてなる吹付け材料。
    (A)(a1)セメントと、(a2)アルカリ金属硫酸塩と、(a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリエチレンオキサイド換算分子量における重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000、Z平均分子量(Mz)が100,000未満であるポリカルボン酸系高分子化合物を含む減水剤をセメント100質量部に対し固形分換算で0.1質量部以上とを含有するモルタル
    (B)硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤
  2. 前記ポリカルボン酸系高分子化合物の多分散度〔重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)〕が2.2以下である請求項1記載の吹付け材料。
  3. (a2)アルカリ金属硫酸塩の含有量がセメント100質量部に対して1〜5質量部である請求項1又は2記載の吹付け材料。
  4. (A)(a1)セメントと、(a2)アルカリ金属硫酸塩と、(a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリエチレンオキサイド換算分子量における重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000、Z平均分子量(Mz)が100,000未満であるポリカルボン酸系高分子化合物を含む減水剤をセメント100質量部に対し固形分換算で0.1質量部以上と(a4)水とを混合して得られたモルタルに、該モルタル製造後60分以内に(B)硫酸アルミニウムを有効成分とする液体急結剤を混合して吹付けることを特徴とする湿式吹付け工法。
  5. 前記ポリカルボン酸系高分子化合物の多分散度〔重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)〕が2.2以下である請求項4記載の湿式吹付け工法。
  6. (a2)アルカリ金属硫酸塩の含有量がセメント100質量部に対して1〜5質量部である請求項4又は5記載の湿式吹付け工法。
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