JP6777154B2 - 走行台車システム及び走行制御方法 - Google Patents
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Description
上記の昇降台を昇降させながら走行可能な搬送車では、搬送車の走行中に昇降台が揺れることを防止するために、搬送車に対して制振制御を行っている。
本発明の一見地に係る走行台車システムは、軌道と、走行台車と、制御部と、を備える。走行台車は、軌道を走行する。制御部は、走行台車の目標位置を決定し、目標位置が制振制御を適用する第1走行モードにて走行台車を走行させる第1属性を割り当てられている位置であるか、又は、制振制御を適用しない第2走行モードにて走行台車を走行させる第2属性を割り当てられている位置であるかを判定し、目標位置が第1属性又は第2属性を割り当てられているかに基づいて、走行台車を第1走行モードにて走行させるか第2走行モードにて走行させるかを決定する。
これにより、走行台車は、目標位置へ到達するまでに制振制御を適用する必要がある場合にのみ、制振制御を適用されて走行する。その結果、走行台車に対して無駄に制振制御を適用することがなくなり、走行台車が目標位置に到達するまでの時間が無駄に長くなることを抑制できる。
この場合、制御部は、目標位置において下方の棚にて荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に第1属性が割り当てられていると判定する。または、制御部は、目標位置において上方の棚にて荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に第2属性が割り当てられていると判定する。
一方、目標位置において天井搬送車が上方の棚にて荷物をやりとりする場合には、目標位置に到達するまでに制振制御を適用しないことにより、天井搬送車を目標位置により短時間に移動できる。
これにより、目標位置が第1ゾーンに存在するか第2ゾーンに存在するかに基づいて、走行台車に対して制振制御を適用するか否かを決定できる。
この場合、制御部は、目標位置において上方の棚にて荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に第1属性が割り当てられていると判定する。または、制御部は、目標位置において下方の棚にて荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に第2属性が割り当てられていると判定する。
一方、目標位置において走行台車がクレーンを用いて下方の棚にて荷物をやりとりする場合には、目標位置に到達するまでに制振制御を適用せず、走行台車を目標位置により短時間に移動できる。
これにより、制御部は、第1走行モードと第2走行モードの切替(すなわち、制振制御を適用するかしないかの切替)を安定的に行うことができる。
これにより、制御部は、走行モードを切り替えることが困難な場合に、走行モードを切り替えないで走行台車を走行させることができる。
◎走行台車の目標位置を決定するステップ。
◎目標位置が、第1属性を割り当てられている位置であるか、又は、第2属性を割り当てられている位置であるかを判定するステップ。第1属性は、制振制御を適用する第1走行モードにて走行台車を走行させる属性である。第2属性は、制振制御を適用しない第2走行モードにて走行台車を走行させる属性である。
◎目標位置が第1属性又は第2属性を割り当てられているかに基づいて、走行台車を第1走行モードにて走行させるか第2走行モードにて走行させるかを決定するステップ。
この場合、目標位置が第1属性を割り当てられているか第2属性を割り当てられているかを判定するステップは、以下のステップを含む。
◎目標位置において下方の棚にて荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に第1属性が割り当てられていると判定するステップ。
◎目標位置において上方の棚にて荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に第2属性が割り当てられていると判定するステップ。
この場合、目標位置が第1属性を割り当てられているか第2属性を割り当てられているかを判定するステップは、以下のステップを含む。
◎目標位置において上方の棚にて荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に第1属性が割り当てられていると判定するステップ。
◎目標位置において下方の棚にて荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に第2属性が割り当てられていると判定するステップ。
(1)走行台車システムの構成
(1−1)軌道
図1〜図3を用いて、第1実施形態に係る走行台車システム100のレイアウトを説明する。図1は、第1実施形態に係る走行台車システムの平面図である。図2は、第1実施形態に係る走行台車システムの斜視図である。図3は、第1実施形態に係る走行台車システムの側面図である。
走行台車システム100は、軌道1を備える。軌道1は、図2及び図3に示すように、複数の支柱Pによって天井Cから吊り下げられている(すなわち、天井吊りされている)、走行台車3(後述)が走行するレールである。本実施形態では、軌道1は、4つの曲線部を有することで周回軌道を形成している。
ラック11は、図3に示されるように、軌道1よりも低い位置に配置され、鉛直方向(図2及び図3の上下方向)及び軌道1に沿った水平方向に並べられた複数の棚111を有する設備である。なお、ラック11の配置数は2つに限られず、走行台車システム100が適用される環境に応じて、任意の数とできる。
走行台車システム100は、走行台車3を備える。走行台車3は、主に、走行装置31と、昇降台33と、昇降装置35とを有する天井搬送車である。走行装置31は、軌道1を走行するための機構である。昇降台33は、荷物Aが載置される構造物である。この実施形態では、昇降台33には移載装置331が設けられている。
走行台車システム100は、制御部5を備える。制御部5は、図4に示すように、走行台車3に設置され、走行台車3を制御する。図4は、制御部の制御構成を示す図である。制御部5は、CPU、RAM、ROM等の記憶装置、各種インターフェースからなり、プログラムを実行可能なコンピュータシステムである。
一方、第1ゾーンZ1のうち上方の棚111に対応する領域と、第2ゾーンZ2とに対しては、昇降台33を昇降させずに走行台車3を走行させる第2走行モードを実行する第2属性を設定している。
具体的には、第1走行モードにて走行台車3を走行させる際には、昇降台33を昇降中に揺れさせないような波形の駆動信号がモータM1に入力される。
次に、上記の第1実施形態に係る走行台車システム100の動作について、図5を用いて説明する。図5は、第1実施形態に係る走行台車システムの動作を示すフローチャートである。
上位コントローラ52から走行台車3に関する指令が出されると、当該指令を受信した制御部5は、走行台車3の移動先である目標位置を決定する(ステップS1)。
これにより、走行台車3を走行させる駆動信号は、ローパスフィルタ54を通過し所定の周波数以上の成分が除去されて、モータ制御回路53aに入力される。一方、昇降台33を移動させる駆動信号は、モータ制御回路53bに入力される。この結果、走行台車3は、制振制御を適用された状態で第1走行モードにて目標位置まで走行する。それと同時に、昇降台33が目標昇降位置まで昇降する(ステップS3)。
これにより、制御部5は、第1走行モードと第2走行モードの切替(すなわち、制振制御を適用するかしないかの切替)を安定的に行うことができる。
属性が変更された場合(ステップS8において「Yes」の場合)、制御部5は、昇降台33を新たに決められた目標昇降位置に移動させる駆動信号を、モータ制御回路53bに出力することで、昇降台33を当該新たな目標昇降位置に移動させる(ステップS9)。その後、新たに決められた目標昇降位置にて、荷物Aの移載、又は、荷物Aの受け取りが実行される(ステップS5)。
なお、走行台車3は、上記のステップS8の段階で、走行開始前に決定した目標位置でなく、第2走行モードにて走行中に変更された新たな目標位置に到達している。
なお、走行台車3を第2ゾーンZ2へ移動させた場合など、荷物Aの移載又は受け取りが実行されない場合(ステップS10において「No」の場合)には、走行台車3は、現在の停止位置に停止した状態で、制御部5が上位コントローラ52から次の指令を受信するまで待機する。
一方、メンテナンスなどで走行台車システム100を停止する場合(ステップS11にて「Yes」の場合)には、走行台車システム100は動作を停止する。
上記の第1実施形態にて説明した目標位置(及び目標昇降位置)に応じて制振制御を適用するか否かを切り替える走行台車の制御方法は、第1実施形態にて説明した走行台車システム100以外の走行台車システムに対しても適用できる。
例えば、図7に示すような、床面Fに設置された(床設された)直線状の往復軌道1'と、往復軌道1'を往復移動可能なスタッカクレーンである走行台車3'と、水平方向及び鉛直方向に配置され荷物Aを載置可能な複数の棚111'を有し往復軌道1'に沿って延びるラックと11'と、を備える走行台車システム200に対しても適用できる。図7は、第2実施形態に係る走行台車システムの斜視図である。
一方、目標位置において下方の棚111’にて荷物Aの移載又は受け取りを実行する場合、制御部は、制振制御を適用せずに走行台車3’を当該目標位置に到達させる第2属性が目標位置に割り当てられていると判定する。
一方、目標位置において走行台車3'がクレーン31'を用いて上方の棚111'にて荷物Aをやりとりする場合には、目標位置に到達するまでに制振制御を無駄に適用せず、走行台車3'が目標位置に到達するまでの時間を短縮して、目標位置までの到達時間が無駄に長くなることを抑制できる。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
例えば、図5及び図6のフローチャートにて示した各処理は、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更したり、処理の順番を変更したりできる。
また、例えば、荷物を積載して走行する有軌道式無人搬送台車などの地上走行式の走行台車に対しても適用できる。
例えば、第1実施形態に係る走行台車システム100においては、走行台車3が停止中の現在の昇降台33の位置が下方の棚111に対応する位置である場合にも、当該現在位置にも第1属性が割り当てられていると判定し、昇降台33を吊り下げた状態の走行台車3に制振制御を適用して安全に走行させることができる。
1 軌道
1’ 往復軌道
11、11’ ラック
111、111’ 棚
3、3’ 走行台車
31 走行装置
31’ クレーン
311’ マスト
313’ 昇降台
33、33’ 昇降台
331 移載装置
35 昇降装置
B ベルト
5 制御部
51 メモリ
52 上位コントローラ
53a、53b、53c モータ制御回路
54 ローパスフィルタ
55 スイッチ
A 荷物
C 天井
F 床面
M1、M2、M3 モータ
P 支柱
Z1 第1ゾーン
Z2 第2ゾーン
Claims (14)
- 軌道と、
前記軌道を走行する走行台車と、
前記走行台車の目標位置を決定し、
前記目標位置が制振制御を適用する第1走行モードにて前記走行台車を走行させる第1属性を割り当てられている位置であるか、又は、制振制御を適用しない第2走行モードにて前記走行台車を走行させる第2属性を割り当てられている位置であるかを判定し、
前記目標位置が前記第1属性又は前記第2属性を割り当てられているかに基づいて、前記走行台車を前記第1走行モードにて走行させるか前記第2走行モードにて走行させるかを決定する制御部と、
を備える、走行台車システム。 - 前記軌道は、天井吊りされた周回軌道であり、
前記走行台車は、上下方向に配列された複数の棚のいずれかに荷物を移載するか、又は、前記複数の棚のいずれかから荷物を受け取る天井搬送車であり、
前記制御部は、
前記目標位置において下方の棚にて前記荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に前記第1属性が割り当てられていると判定するか、又は、
前記目標位置において上方の棚にて前記荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に前記第2属性が割り当てられていると判定する、
請求項1に記載の走行台車システム。 - 前記周回軌道は、周回方向において前記複数の棚が設置され前記第1属性が割り当てられた第1ゾーンと、前記周回方向において前記複数の棚が設置されていない前記第2属性が割り当てられた第2ゾーンと、を有する請求項2に記載の走行台車システム。
- 前記軌道は、床設された往復軌道であり、
前記走行台車は、上下方向に配列された複数の棚のいずれか荷物を移載するか、又は、前記複数の棚のいずれかから荷物を受け取るクレーンを有し、
前記制御部は、
前記目標位置において上方の棚にて前記荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に前記第1属性が割り当てられていると判定するか、又は、
前記目標位置において下方の棚にて前記荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に前記第2属性が割り当てられていると判定する、
請求項1に記載の走行台車システム。 - 前記制御部は、前記目標位置が前記第1属性を割り当てられているか前記第2属性を割り当てられているかを、前記走行台車の走行を開始する前、又は、走行を開始するタイミングにて判定し、
前記走行台車を前記第1走行モードにて走行させるか前記第2走行モードにて走行させるかを、前記走行台車の停止中に決定する、
請求項1〜4のいずれかに記載の走行台車システム。 - 前記制御部は、前記走行台車を前記第2走行モードにて走行中に前記第1属性を割り当てられた位置に前記目標位置を変更しても、前記走行台車に対して前記第2走行モードにて走行するよう指令する、請求項1〜5のいずれかに記載の走行台車システム。
- 前記走行台車はサーボモータを走行の動力とするものであり、
前記制御部は、前記サーボモータへの駆動信号に対して制振フィルタを適用することで前記制振制御を実行する、請求項1〜6のいずれかに記載の走行台車システム。 - 軌道を走行する走行台車の走行制御方法であって、
前記走行台車の目標位置を決定するステップと、
前記目標位置が、制振制御を適用する第1走行モードにて前記走行台車を走行させる第1属性を割り当てられている位置であるか、又は、制振制御を適用しない第2走行モードにて前記走行台車を走行させる第2属性を割り当てられている位置であるかを判定するステップと、
前記目標位置が前記第1属性又は前記第2属性を割り当てられているかに基づいて、前記走行台車を前記第1走行モードにて走行させるか前記第2走行モードにて走行させるかを決定するステップと、
を含む、走行制御方法。 - 前記走行台車は、前記軌道として天井吊りされた周回軌道を走行し、上下方向に配列された複数の棚のいずれかに荷物を移載するか、又は、前記複数の棚のいずれかから荷物を受け取る天井搬送車であり、
前記目標位置が前記第1属性を割り当てられているか前記第2属性を割り当てられているかを判定するステップは、
前記目標位置において下方の棚にて前記荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に前記第1属性が割り当てられていると判定するステップと、
前記目標位置において上方の棚にて前記荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に前記第2属性が割り当てられていると判定するステップと、
を含む、請求項8に記載の走行制御方法。 - 前記周回軌道は、周回方向において前記複数の棚が設置され前記第1属性が割り当てられた第1ゾーンと、前記周回方向において前記複数の棚が設置されていない前記第2属性が割り当てられた第2ゾーンと、を有する請求項9に記載の走行制御方法。
- 前記走行台車は、前記軌道として床設された往復軌道を走行し、上下方向に配列された複数の棚のいずれかに荷物を移載するか、又は、前記複数の棚のいずれかから荷物を受け取るクレーンを有し、
前記目標位置が前記第1属性を割り当てられているか前記第2属性を割り当てられているかを判定するステップは、
前記目標位置において上方の棚にて前記荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に前記第1属性が割り当てられていると判定するステップと、
前記目標位置において下方の棚にて前記荷物の移載又は受け取りを実行する場合、当該目標位置に前記第2属性が割り当てられていると判定するステップと、
を含む、請求項8に記載の走行制御方法。 - 前記目標位置が前記第1属性を割り当てられているか前記第2属性を割り当てられているかを判定するステップは、前記走行台車の走行を開始する前、又は、走行を開始するタイミングにて実行され、
前記走行台車を前記第1走行モードにて走行させるか前記第2走行モードにて走行させるかを決定するステップは、前記走行台車の停止中に実行される、
請求項8〜11のいずれかに記載の走行制御方法。 - 前記走行台車が前記第2走行モードにて走行中に前記第1属性を割り当てられた位置に前記目標位置が変更されても、前記走行台車に対して前記第2走行モードを維持するよう指令するステップをさらに含む、請求項8〜12のいずれかに記載の走行制御方法。
- 前記制振制御は、前記走行台車のサーボモータへの駆動信号に対して制振フィルタを適用する制御である、請求項8〜13のいずれかに記載の走行制御方法。
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