JP6776271B2 - 圧力制御バルブ及び超臨界流体クロマトグラフ - Google Patents

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Description

本発明は、圧力制御バルブ及びその圧力制御バルブを使用した超臨界流体クロマトグラフに関するものである。
近年、超臨界流体クロマトグラフィー(以下、SFC:Supercritical Fluid Chromatography)が注目されている。SFCは、二酸化炭素などに一定の温度及び圧力をかけて超臨界流体とし、その超臨界流体を溶媒として行なうクロマトグラフィーである。超臨界流体は液体と気体の両方の性質をもち、液体よりも拡散性が高く粘性が低いという特徴がある。かかる超臨界流体を溶媒として用いることで、高速・高分離・高感度での分析が可能となる。
超臨界流体クロマトグラフでは、移動相に液体の二酸化炭素を用いる。この際、試料の分離度を調整することを目的としてモディファイア(有機溶媒、主にメタノール)を添加し、混合液を送液する。移動相の二酸化炭素を液体状態で保っておくために、系内の圧力を10MPa以上にする必要がある。このため、SFC装置には、流路系を10MPa以上の一定圧力で保つための圧力制御バルブが分析カラムの後段側に設けられている。
SFCに質量分析装置(MS:Mass Spectrometry)を接続してSFC−MSの構成にすることで、検出感度や同定感度を向上させることが可能である。SFC−MSの構成にする場合、圧力制御バルブの下流側にMSが接続されるため、分離カラムで時間的に分離した被検査成分が必ず圧力制御バルブを通過することになる。圧力制御バルブ内に移動相の流通経路に含まれないデッドボリュームが存在していると、このデッドボリュームで移動相が淀むことによって分離カラムで時間分離された成分が混じり合うことが起こり、混じり合った成分をMSで正確に解析することができなくなる。
そこで、膜と平面との間の隙間を微細に制御することで、圧力制御空間のデッドボリュームを小さくしつつ、圧力制御を高分解能で行なうことができる圧力制御バルブが提案されている(特許文献1参照。)。
WO2015/029252 A1
上記の圧力制御バルブは、入口流路と出口流路が設けられたブロック(以下、圧力制御ブロックと称する。)に平面形状の底面を有する掘込穴が形成されており、その掘込穴の底面に入口流路と出口流路の端部が開口として設けられている。掘込穴の底面は弾性を有する膜状の弁体で覆われており、掘込穴の底面と弁体との間に生じる隙間が圧力を制御するための圧力制御空間を構成する。この隙間量をアクチュエータによって微細に調節することで、超臨界流体クロマトグラフの系内圧力を制御する。
超臨界流体クロマトグラフでは、系内の圧力が10MPa以上の高圧になる上、圧力制御バルブの後段側が大気圧になっていることから、移動相の急激な圧力降下によって二酸化炭素が気化し、気化熱の影響で瞬時に冷却されて圧力制御バルブ内においてドライアイスが発生する場合がある。それらの影響によって弁体と対向するブロックの平面が損傷すると、弁体とブロック平面との間の隙間が大きくなり、弁体をブロック平面側へ押し付けても、系内の圧力を所望の圧力に制御することができなくなる。そのため、圧力制御バルブの弁体や弁体と対向する圧力制御ブロックの平面は耐薬品性のほかに耐衝撃性にも優れている必要がある。
上記問題を防止するため、圧力制御ブロックとしてSUS316L等の硬質材料が用いられることがある。SUS316L等の硬質材料は、系内圧力やドライアイスの発生、弁体の駆動による衝撃に対して十分な耐性をもっている。そのため、圧力制御ブロックの材質としてSUS316L等の硬質材料を用いれば、十分な耐久性を有する圧力制御ブロックが形成できると考えられていた。
しかし、SUS316Lのような硬質材料で圧力制御ブロックを形成しても、何らかの理由で圧力制御ブロックに損傷が生じ、それによってバルブの圧力制御機能が経時的に低下することがわかった。圧力制御ブロックに損傷が生じ、その損傷が酷くなると、弁体の駆動によって系内を所望の圧力に制御することができず、圧力制御ブロックを交換する必要が生じる。
そこで、本発明は、圧力制御ブロックの損傷を抑制して、圧力制御ブロックの交換頻度を低減することを目的とするものである。
本発明にかかる圧力制御バルブは、1つの外面に設けられた開口部、開口部の底部に平面として設けられた圧力制御面、及び圧力制御面にそれぞれの端部の開口をもつ2本の内部流路を有する圧力制御ブロックと、弾性を有し圧力制御面を覆うように配置されたシート状の弁体と、弁体を挟んで圧力制御面とは反対側に設けられ、弁体を圧力制御面に対して垂直な方向へ押圧することによって弁体と圧力制御面との間の隙間量を調節する弁体駆動部と、を備え、圧力制御面が耐衝撃性及び耐摩耗性を有する硬質材料よりも高い硬度を有する材質により構成されているものである。
ここで、「硬質材料」とは、例えばSUS316L等、超臨界流体クロマトグラフの圧力制御バルブの母材として用いられる耐衝撃性及び耐摩耗性の優れた材料をいう。
本発明に係る超臨界流体クロマトグラフは、分析流路と、分析流路に移動相を供給する移動相供給部と、分析流路中に試料を導入する試料導入部と、分析流路上で試料導入部よりも下流側に配置された分離カラムと、分析流路上で分離カラムよりも下流側に配置され、分離カラムで分離された試料成分を検出する検出器と、分析流路上で検出器よりも下流側に配置され、分析流路内の圧力を移動相が超臨界状態となる圧力に制御する本発明の圧力制御バルブと、を備えたものである。
超臨界流体クロマトグラフの系内は最大で40MPaに制御されるが、圧力制御バルブの出口では、流体の圧力がそのような高圧から大気圧にまで一気に低下し、二酸化炭素が気化して気泡が発生し、その気泡が破裂する、いわゆるキャビテーションが起こる。このキャビテーションの衝撃が流体中のモディファイアを通じて圧力制御面に伝達されることで圧力制御面が損傷する、いわゆるエロージョンが発生し、時間経過とともにそのエロージョンによって圧力制御面に設けられている開口(内部流路の端部)の間を連通させる溝が形成されてしまう。かかる現象は、圧力制御ブロックの材質としてSUS316L等の硬質材料を用いた場合でも発生することがわかった。
本発明の圧力制御バルブでは圧力制御面がSUS316L等の硬質材料よりも高い硬度を有する。これにより、キャビテーションに対する耐性が向上し、キャビテーションに伴うエロージョンが抑制され、圧力制御ブロックの交換頻度を低減することができる。
本発明の超臨界流体クロマトグラフでは、分析流路内の圧力を移動相が超臨界状態となる圧力に制御する圧力制御バルブとして上記圧力制御バルブを備えているので、圧力制御バルブの圧力制御ブロックの交換頻度が少なくなり、コストの低減を図ることができる。
超臨界流体クロマトグラフの一実施例を概略的に示す流路図である。 圧力制御バルブの一実施例を示す断面図である。 同実施例の圧力制御バルブの掘込穴内部を上から見た図である。 移動相を送液する前におけるSUS316Lがむき出しの圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を48時間送液した後におけるSUS316Lがむき出しの圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を送液する前におけるDLC被膜が施された圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を48時間送液した後におけるDLC被膜が施された圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を144時間送液した後におけるDLC被膜が施された圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を240時間送液した後におけるDLC被膜が施された圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を360時間送液した後におけるDLC被膜が施された圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を504時間送液した後におけるDLC被膜が施された圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を送液する前の窒化処理が施された圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を48時間送液した後における窒化処理が施された圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を144時間送液した後における窒化処理が施された圧力制御面の状態を示す画像である。 移動相を240時間送液した後における窒化処理が施された圧力制御面の状態を示す画像である。
本発明に係る圧力制御バルブの圧力制御面はHV1000以上であることが好ましい。SUS316Lのビッカース硬さはHV200以下である。したがって、圧力制御面をHV1000以上にすることで、圧力制御面がSUS316Lよりも格段に高い硬度を有することとなり、キャビテーションに対しさらに高い耐性が得られる。
さらに、本発明に係る圧力制御バルブの圧力制御面はHV2000以上であることが好ましい。そうすれば、キャビテーションに対しさらに高い耐性が得られる。
そのような圧力制御面の一例として、DLC(Diamond-Like Carbon:ダイヤモンドライクカーボン)膜によって被膜されたものが挙げられる。DLC膜の硬度はその膜厚等にもよるが、ビッカース硬さに換算するとHV2000以上の硬さを有することがわかっている。
圧力制御ブロックは硬質材料により構成されていることが好ましい。DLC膜を製膜する母材の硬度が高ければ、母材が変形しにくくDLC膜が剥がれにくくなり、DLC膜の耐久性が向上する。
本発明に係る圧力制御バルブは、高圧条件下で送液される移動相中のモディファイアの気泡が破裂することによって起こるキャビテーションに対応するためのものである。したがって、モディファイアと液体二酸化炭素の混合液を移動相として送液する流路に、前記流路内の圧力を前記移動相が超臨界状態となる圧力に制御するために設けられるものであることが好ましい。
図1は超臨界流体クロマトグラフの一実施例を概略的に示す流路図である。
液体状態の二酸化炭素をポンプ6により送液する二酸化炭素送液流路2と、モディファイアであるメタノールをポンプ10により送液するメタノール送液流路4がミキサ14に接続されている。ミキサ14には分析流路16が接続されている。分析流路16上には、この分析流路16に試料を注入する試料注入部(オートサンプラ)18、分離カラム20、検出器22及び圧力制御バルブ24が配置されている。
二酸化炭素とメタノールはミキサ14で混合され、移動相として分析流路16に導入される。二酸化炭素送液流路2、メタノール送液流路4及びミキサ14は移動相送液部を構成している。分析流路16は圧力制御バルブ24によって内圧が10MPa以上に制御されており、分析流路16に導入された移動相は超臨界流体の状態となる。試料注入部18により注入された試料は超臨界流体となった移動相によって分離カラム20に搬送され、成分ごとに分離され、検出器22及び圧力制御バルブ24を経て外部へ排出される。なお、圧力制御バルブ24の後段側に質量分析装置(MS)が接続されていてもよい。
圧力制御バルブ24の一実施例について図2及び図3を用いて説明する。
この圧力制御バルブ24は圧力制御ブロック30を備えている。圧力制御ブロック30の材質は耐薬品性及び耐圧力性に優れた、例えばSUS316L等の硬質材料である。圧力制御ブロック30の一つの外面に垂直に円柱状に掘り込まれた掘込穴32が設けられている。掘込穴32の内径は、例えば6mm程度である。
圧力制御ブロック30の互いに対向する側面の角部はテーパ状に形成されており、そのテーパ状部分に配管接続部36aと36bがそれぞれ設けられている。配管接続部36aには配管40aの端部がフェルール及びメイルナットからなる固定部材42aによって固定されている。同様に、配管接続部36bには配管40bの端部がフェルール及びメイルナットからなる固定部材42bによって固定されている。移動相は配管40aを介して流入し、配管40bを介して流出するものとする。
圧力制御ブロック30は配管接続部36aと連通する内部流路38a、配管接続部36bと連通する内部流路38bを備えている。内部流路38a,38bの端部はそれぞれ掘込穴32内部に設けられた平面形状の圧力制御面34の中央部に達し、圧力制御面34の2つの開口39a,39bをなしている(図3参照)。配管40a,40bはそれぞれ内部流路38a,38bを介して圧力制御面34に通じている。
掘込穴32内部の圧力制御面34にはDLC被膜が施されており、その表面に膜厚が3μm程度のDLC膜35が形成されている。DLC膜35は、真空中にC6H6ガスを導入し、アーク放電プラズマ中において成膜されたものである。
掘込穴32内部の圧力制御面34上に円板状の弁体44が配置されている。弁体44は耐薬品性、耐衝撃性及び耐圧力性を備えたPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、超高分子ポリエチレンなどの樹脂により構成されている。弁体44は圧力制御面34の全体を覆っており、その周縁部が封止部材46によって圧力制御面34側へ押し付けられている。
封止部材46は中央部に貫通孔を有する円筒形状の部材であり、その外周面にネジが形成されている。掘込穴32の内周面には封止部材46の外周面のネジと螺合するネジが形成されている。封止部材46を回転させることにより封止部材46を掘込穴32内において上下動させることができる。封止部材46の掘込穴32に挿入されている先端面が弁体44の周縁部に接し、弁体44の周縁部を圧力制御面34へ押し付けている。封止部材46としては、弁体44を掘込穴32側へ押し付けるためにPEEK樹脂やステンレスなどある程度硬い材質で構成されていればよい。
封止部材46の中央の貫通孔を押し棒48が貫通している。押し棒48の先端は弁体44の中央部に接している。押し棒48はアクチュエータ56によって一方向(図において上下方向)に駆動される。アクチュエータ56としては、例えばステッピングモータとピエゾ素子とを組み合わせたものが挙げられる。
この圧力制御バルブ24では、配管40aから流入する移動相の圧力によって圧力制御面34の中央部と弁体44との間に僅かな隙間が生じ、その隙間を移動相が流れる。圧力制御面34の中央部と弁体44との間の隙間量をアクチュエータ56によって制御することで、この圧力制御バルブ24よりも上流側の流路内の圧力が制御される。
この圧力制御バルブ24は、上流側流路内の圧力を10MPa以上の圧力を保持している状態のときの圧力制御面34と弁体44との間の隙間の高さが数μm程度となり、その内部ボリュームは1μL以下となる。このため、ごく微少量の移動相を流通させた状態で圧力を高精度に制御することができる。さらに、弁体44の周縁部は底面34に押し付けられて封止されているため、移動相の淀み点となるようなデッドボリュームはほとんど存在しない。
この実施例では、圧力制御ブロック30の圧力制御面34がDLC膜35によって被膜されていることにより、圧力制御面34の硬度が増強され、圧力制御ブロック30内において発生するキャビテーションに対する耐性が向上し、圧力制御面34におけるエロージョンの発生が抑制される。
SUS316Lの表面に成膜された膜厚3μm程度のDLC膜の硬度をナノインデーション法により計測した結果、51.5[GPa]であった。ナノインデーション法による硬度の計測では、鋭角圧子を9.8[mN]の強さでDLC膜に押し込み、そのときの抵抗力を硬さとして算出した。ナノインデーション法により計測された硬度は、その数値に50を乗じることによっておおよそのビッカース硬さを算出することができるとされており、3μmの膜厚のDLC膜はHV2500相当の硬度を有することがわかった。
SUS316Lの硬度はHV200以下であることから、圧力制御面34をDLC膜によって被膜することで、ビッカース硬さにして10倍以上の硬度を得ることができる。
図4A及び図4BはSUS316Lがむき出しの(DLC膜により被膜されていない)圧力制御面34の状態を示す画像である。図4Aは移動相を送液する前の状態、図4Bは移動相を48時間連続で送液した後の状態である。この実験は、移動相として液体二酸化炭素とメタノール(濃度30%)の混合溶液を用い、流量を2mL/minに設定して行なった。なお、この画像に表れている円弧上の模様は、掘込穴32の形成時の加工跡である。
図4Bに示されているように、圧力制御面34にSUS316Lがむき出しの状態では、移動相を連続して48時間送液すると、移動相中におけるキャビテーションの影響で圧力制御面34にエロージョンが発生し、多数の凹部が連なって形成され、2つの穴(39aと39b(図3参照))の間を連通させる溝を形成するに至っている。かかる状態になると、弁体44を圧力制御面34に押し付けても系内の圧力を所望の圧力に制御することができず、圧力制御ブロック30の交換が必要となる。
図5A−図5Fは、DLC膜35によって被膜した圧力制御面34の状態を示す画像である。図5Aは移動相を送液する前の状態、図5Bは移動相を48時間連続で送液した後の状態、図5Cは移動相を144時間連続で送液した後の状態、図5Dは移動相を240時間連続で送液した後の状態、図5Eは移動相を360時間連続で送液した後の状態、図5Fは移動相を504時間連続で送液した後の状態である。実験条件は上記図4A及び図4Bの実験と同じである。
圧力制御面34をDLC膜35で被膜すると、図5B−図5Dに示されているように、移動相を連続して240時間送液した後でも、圧力制御面34には、ほとんどエロージョンが生じてないことがわかる。そして、図5Eに示されているように、移動相を360時間送液した後では、ある程度のエロージョンが見られるものの2つの穴を連通させる溝が形成されるには至っていない。
したがって、圧力制御面34をDLC膜35で被膜することで、この実験条件では少なくとも360時間の移動相の送液に耐える耐久性が得られる。一般に、超臨界流体クロマトグラフにおける1回の分析に要する時間は3分程度である。したがって、この実験条件と同じ条件で分析を行なうとすれば、圧力制御面34にDLC膜35を被膜した圧力制御ブロック30は、少なくとも7200回の分析に耐えることができ、SUS316Lが圧力制御面34にむき出しの場合に比べて、圧力制御ブロック30の交換頻度を低下させることができる。
なお、キャビテーションに対する耐性を向上させる方法として、DLC被膜に代えて、圧力制御面34に低温窒化処理を施す方法が挙げられる。通常の窒化処理は、SUS316Lからなる圧力制御ブロック30の圧力制御面34をNH3雰囲気中に暴露した状態で、600℃程度で加熱する処理であるが、低温窒化処理は、SUS316Lからなる圧力制御ブロック30の圧力制御面34をNH3雰囲気中に暴露する前に母材にフッ化膜をコーティングすることで、300℃後半の温度で加熱を行なう処理である。これにより、圧力制御面34の耐摩耗性が向上し、硬度がHV1000―1200程度にまで向上する。また、この低温窒化処理を2回実施することで、硬度がHV1300程度にまで向上する。
図6A−図6Dは、低温窒化処理が施された圧力制御面34の状態を示す画像である。図6Aは移動相を送液する前の状態、図6Bは移動相を48時間連続で送液した後の状態、図6Cは移動相を144時間連続で送液した後の状態、図6Dは移動相を240時間連続で送液した後の状態である。実験条件は上記図4A、図4B、図5A−図5Fの実験と同じである。
これらの画像から、低温窒化処理が施された圧力制御面34には、移動相を144時間送液した後でもほとんどエロージョンは生じていない。しかし、移動相を240時間送液した後では圧力制御面34にエロージョンが生じて2つの穴の間を連通させる溝が形成されている。このことから、圧力制御面34に低温窒化処理を施すことで、DLC被膜には劣るものの、キャビテーションに対する耐性を向上させることができる。
なお、本願発明者らは、圧力制御面34のSUS316Lを500℃以下の温度で、オーステナイト組織中に炭素を固溶拡散させるパイオナイト化処理を施した場合や圧力制御面34に無電解ニッケル被膜を施した場合についても実験を行なったが、SUS316Lをそのまま用いた場合に比べればキャビテーション耐性の向上が見られることはわかった。パイオナイトの硬度はHV800−900程度、無電解ニッケル被膜はHV500程度であり、いずれもSUS316Lより高い硬度を有する。ただし、キャビテーションに伴うエロージョンを抑制する効果として十分に高いとはいえない。
以上のことから、圧力制御面34の硬度はHV1000以上であることが望ましく、特に、HV2000以上の硬度を有するDLC被膜が施されていることが望ましい。
2 二酸化炭素送液流路
4 メタノール送液流路
6,10 ポンプ
8 二酸化炭素
12 メタノール(モディファイア)
14 ミキサ
16 分析流路
18 試料注入部
20 分離カラム
22 検出器
24 圧力制御バルブ
30 圧力制御ブロック
32 掘込穴
34 圧力制御面
35 DLC膜
36a,36b 配管接続部
38a,38b 内部流路
40a,40b 配管
42a,42b 固定部材
44 弁体
46,46a 封止部材
48 押し棒
56 アクチュエータ

Claims (3)

  1. 1つの外面に設けられた開口部、前記開口部の底部に平面として設けられた圧力制御面、及び前記圧力制御面にそれぞれの端部の開口をもつ2本の内部流路を有する圧力制御ブロックと、
    弾性を有し前記圧力制御面を覆うように配置されたシート状の弁体であって、移動相の圧力によって前記圧力制御面と前記弁体との間に隙間が生じ前記隙間を移動相が流れる弁体と、
    前記弁体を挟んで前記圧力制御面とは反対側で前記圧力制御面に対して垂直な方向に駆動されるように設けられ、前記弁体を前記圧力制御面に対して垂直に駆動することによって前記弁体と前記圧力制御面との間の隙間量を調節する弁体駆動部と、を備え、
    前記圧力制御面は耐衝撃性及び耐摩耗性を有する硬質材料よりも高い硬度を有することで二酸化炭素のキャビテーションに対する耐性を有する材質により構成され
    前記圧力制御面はDLC膜により覆われていることによりHV2000以上の硬度を有する、又は、前記圧力制御面に低温窒化処理が施されることにより前記圧力制御面がHV1000以上の硬度を有する、超臨界流体用圧力制御バルブ。
  2. 前記圧力制御バルブは、モディファイアと液体二酸化炭素の混合液を移動相として送液する流路に、前記流路内の圧力を前記移動相が超臨界状態となる圧力に制御するために設けられるものである請求項1に記載の超臨界流体用圧力制御バルブ。
  3. 分析流路と、
    前記分析流路に移動相を送液する移動相送液部と、
    前記分析流路中に試料を導入する試料導入部と、
    前記分析流路上で前記試料導入部よりも下流側に配置された分離カラムと、
    前記分析流路上で前記分離カラムよりも下流側に配置され、前記分離カラムで分離された試料成分を検出する検出器と、
    前記分析流路上で前記検出器よりも下流側に配置され、前記分析流路内の圧力を前記移動相が超臨界状態となる圧力に制御する請求項1または2に記載の超臨界流体用圧力制御バルブと、を備えた超臨界流体クロマトグラフ。
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