JP6776120B2 - 磁気検出装置、磁気検出装置の製造方法および磁気検出装置を用いてなる電流検出装置 - Google Patents

磁気検出装置、磁気検出装置の製造方法および磁気検出装置を用いてなる電流検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気検出装置、磁気検出装置の製造方法および磁気検出装置を用いてなる電流検出装置に関する。
電気自動車やハイブリッドカーにおけるモータ駆動技術などの分野や、柱状トランスなどインフラ関連の分野では、比較的大きな電流が取り扱われるため、大電流を非接触で測定することが可能な電流検出装置が求められている。このような電流検出装置としては、被測定電流からの誘導磁界を検出する磁気検出装置を用いたものが知られている。磁気検出装置用の磁気抵抗効果素子として、例えば、GMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)などの磁気抵抗効果素子が挙げられる。
GMR素子は、固定磁性層とフリー磁性層とが非磁性材料層を介して積層された積層構造を基本構造とする。固定磁性層は、反強磁性層と強磁性層との積層構造による交換結合バイアスや、2つの強磁性層が非磁性中間層を介して積層されるセルフピン止め構造によるRKKY相互作用(間接交換相互作用)により、磁化方向が一方向に固定されている。フリー磁性層は外部磁界に応じて磁化方向が変化可能とされている。
GMR素子を備えた磁気検出装置を用いてなる電流検出装置では、被測定電流からの誘導磁界がGMR素子に印加されることにより、フリー磁性層の磁化方向が変化する。このフリー磁性層の磁化方向と、固定磁性層の磁化方向との相対角度に応じてGMR素子の電気抵抗値が変動するため、この電気抵抗値を測定することにより、フリー磁性層の磁化方向を検出することができる。そして、磁気検出装置により検出された磁化方向に基づいて、誘導磁界を与えた被測定電流の大きさおよびその向きを求めることが可能である。
ところで、電気自動車やハイブリッドカーにおいては、モータの駆動を電流値に基づいて制御する場合があり、また、バッテリーに流れ込む電流値に応じてバッテリーの制御方法を調整する場合がある。したがって、磁気検出装置を用いてなる電流検出装置には、電流値をより正確に検出できるように、磁気検出装置の測定精度を高めることが求められている。磁気検出装置の測定精度を向上させるためには、オフセットの低減、出力信号のばらつきの低減、およびリニアリティ(出力線形性)の向上などを実現することが重要である。
磁気検出装置は、GMR素子および固定抵抗素子、またはGMR素子同士を直列接続し、その一端に電源電圧を供給し、他端を接地した構成のブリッジを備えている。外部磁界が生じるとGMR素子の抵抗が変化するので、直列接続の中点の電位(中点電位)が変化する。この中点電位の変化を計測することによって、磁気検出装置は外部磁界を検出する。中点の電位が電源電圧の1/2になるようにGMR素子や固定抵抗素子の電気抵抗を調整することにより、磁気検出装置の測定精度が向上する。
特許文献1には、ブリッジを構成するGMR素子や固定抵抗素子の抵抗値のばらつきを調整し、室温においてブリッジの中点電位が電源電圧の1/2からずれること(オフセット)を抑制するために、素子の保護層の一部を除去して、除去した部分に導電性膜を成膜して、GMR素子や固定抵抗素子の抵抗値が調整された磁気検出装置が開示されている。
特開2013−36862号公報
特許文献1の磁気検出装置は、GMR素子や固定抵抗素子の抵抗値のばらつきを調整することによって電気抵抗を調整し、ブリッジの中点電位のオフセットを抑制する。同文献には、GMR素子と固定抵抗素子とが直列に接続されたブリッジおよび、GMR素子が直列に接続されたブリッジが記載されている。後者は、GMR素子の感度軸方向を決定する強磁性層の磁化方向(ピン方向)が逆方向のGMR素子を接続することにより、ブリッジの中点電位の変化を大きくして、検出精度を向上させている。強磁性層の磁化方向は、成膜する際に印加される磁場の方向により決定される。このため、同じウエハ上にピン方向が異なる二種類のGMR素子を形成するためには、GMR素子を形成する工程を二回行う必要がある。
GMR素子は複数の層が積層された構成であるから、二種類のGMR素子は複数の層を積層する複数工程の後に、当該複数工程が繰り返される。この複数工程によって形成されるGMR素子の各層の厚さに僅かでも差が生じると、GMR素子の温度特性に差異が生じるという問題が生じる。この中点電位が電源電圧の1/2からずれるオフセットが温度環境によって変化する問題、すなわち磁気検出装置のオフセット電位の温度特性が変化する問題について、特許文献1には記載されていない。
本発明は、磁気検出装置のオフセット電位の温度特性が調整された磁気検出装置、磁気検出装置の製造方法および当該磁気検出装置を用いてなる電流検出装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明者ら検討した結果、二種類のGMR素子を備えた磁気検出装置のオフセット温度特性を評価し、評価結果に応じてGMR素子の一部を除去して、除去した部分にGMR素子とは抵抗温度係数(以下、適宜「TCR」ともいう。)が異なる金属層を成膜することにより、二種類のGMR素子のオフセット温度特性をウエハ上で調整できるという新たな知見を得た。本発明は、当該知見に基づいて完成したものであり、以下の構成を備えている。
本発明の磁気検出装置は、積層膜からなる第1磁気抵抗効果素子と、積層膜からなる第2磁気抵抗効果素子と、が直列に接続された第1の直列回路に電圧が印加された磁気検出装置であって、前記第1磁気抵抗効果素子および前記第2磁気抵抗効果素子の少なくとも一方の一部に金属層を備えており、前記金属層の抵抗温度係数が、前記第1磁気抵抗効果素子および第2磁気抵抗効果素子の抵抗温度係数とは異なることを特徴とするものである。
前記第1磁気抵抗効果素子および前記第2磁気抵抗効果素子の少なくとも一方の一部に金属層を設けることにより、積層膜の膜厚の相違に起因する、第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子との抵抗温度係数の差を小さくする調整が可能になる。
前記金属層は、前記積層膜を厚さ方向に貫いて形成されている構成としても良い。
積層膜を厚さ方向に貫くようにして積層膜の全層を金属層で置換することより、積層膜の一部を置換する場合に生じうるエッチングのばらつきを防止できる。また、一部の層を置換する場合と比較して、TCRをより広い範囲で調整することができる。したがって、TCRの調整精度が良く、調整レンジも広い磁気検出装置となる。
前記金属層は、前記第1磁気抵抗効果素子および前記第2磁気抵抗効果素子にそれぞれ設けられており、前記第1磁気抵抗効果素子に設けられた第1の金属層と、前記第2磁気抵抗効果素子に設けられた第2の金属層とは、大きさが異なるものであってもよい
い。
第1磁気抵抗効果素子および第2磁気抵抗効果素子の両方に金属層を設ける構成により、第1の金属層および第2の金属層を容易に形成できる大きさとし、両者の大きさの差を用いてオフセット温度特性を調整することができる。したがって、抵抗温度係数の調整量が微小である場合に、第1磁気抵抗効果素子または第2磁気抵抗効果素子の一方にのみ小さな金属層を形成するよりも、容易に金属層を形成できるから、オフセット温度特性を容易かつ正確に調整することができる。
前記第1磁気抵抗効果素子および前記第2磁気抵抗効果素子の少なくともいずれか一方の表層に導電膜が形成されているものであってもよい。
表層に設けた導電膜の大きさを変化させることにより、第1磁気抵抗効果素子および第2磁気抵抗効果素子の少なくともいずれか一方の、室温における抵抗値を変化させて、磁気検出装置の室温におけるオフセット電位を調整できる。
前記金属層は、非磁性材料の単層膜、もしくは積層膜から成るものであってもよい。
金属層として、加熱前後におけるシート抵抗と抵抗温度係数の変化が小さいものを用いることにより、金属層が形成された後の加熱の影響により抵抗値と抵抗温度係数が変化することを抑制できる。この点から、金属層としてCrが好ましいといえる。
本発明の磁気検出装置は、前記磁気検出装置が基板上に複数形成されてなるものであってもよい。この場合、前記第2磁気抵抗効果素子と前記第1磁気抵抗効果素子とが、前記第1の直列回路とは反対の順番で直列に接続された第2の直列回路が形成されており、前記第1の直列回路と前記第2の直列回路に同じ電圧が印加され、前記第1の直列回路での前記第1磁気抵抗効果素子と前記第2磁気抵抗効果素子との中点出力と、前記第2の直列回路での前記第2磁気抵抗効果素子と前記第2磁気抵抗効果素子との中点出力との差動出力が検知出力となる構成とすることが好ましい。
この構成により、磁気の検出可能範囲において、出力電圧が正負反対の挙動をする、第1の直列回路の中点出力と第2の直列回路の中点出力との差動を検知出力として用いることができる。したがって、第1の直列回路の中点出力のみを用いた場合と比較して、磁気検出装置の検知感度を高くすることができる。
本発明の磁気検出装置の製造方法は、磁気検出装置のオフセット温度特性の初期値を評価し、その後に、第1磁気抵抗効果素子および第2磁気抵抗効果素子の少なくともいずれか一方の一部を除去し、前記第1磁気抵抗効果素子または前記第2磁気抵抗効果素子が除去された部分に、前記第1磁気抵抗効果素子および前記第2磁気抵抗効果素子とは抵抗温度係数が異なる金属層を形成したことを特徴とするものである。
磁気検出装置のオフセット温度特性の初期値の評価に基づいて、第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子の少なくともいずれか一方の一部を除去し、除去された部分に金属層を形成することにより、第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子との抵抗温度係数の差を小さくすることができる。
前記金属層を成膜した後に、前記第1磁気抵抗効果素子と前記第2磁気抵抗効果素子の少なくともいずれか一方の表層の一部を除去し、前記表層が除去された部分に前記金属層とは異なる導電膜を成膜してもよい。
表層の一部を除去して導電膜を形成することにより、磁気検出装置室温におけるオフセットを調整することが可能である。
本発明の電流検出装置は、本発明の磁気検出装置を備えている。
本発明によれば、ウエハ製造工程において金属層を設けることにより、積層膜の膜厚の違いに起因する、第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子との抵抗温度係数の差を小さくできるから、磁気検出装置のオフセット温度特性を調整することが可能になる。ウエハの製造工程において調整することにより、磁気検出装置のオフセット温度特性を効率よくかつ高精度に調整することができる。
本発明の磁気検出装置1に使用される磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20を示す平面図である。 図1のAA矢視断面における磁気抵抗効果素子10の積層膜50の膜構成を示す説明図である。 図1のA’A’矢視断面における磁気抵抗効果素子20の積層膜60の膜構成を示す説明図である。 磁気検出方向が異なる2つの磁気抵抗効効果素子を備えた磁気検出装置の製造方法のフローチャートである。 図1のBB矢視断面図である。 図1の磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20のそれぞれに、導電膜16および導電膜26が形成された状態を示す平面図である。 図6のCC矢視断面図である。 本発明の磁気検出装置の回路ブロック図である。 本発明の磁気検出装置の製造方法のフローチャートである。 GMR1およびGMR2よりもTCR値が小さい金属層(1000(ppm/℃))を用いて、GMR2を置換する金属層の長さを5μmとし、GMR1を置換する金属層の長さを5μm〜10μmとして、相対的にGMR1のTCRを下げてオフセット温度特性を調整した場合の計算結果を示すグラフである。 GMR1およびGMR2よりもTCR値が大きい金属層(3000〜5000(ppm/℃))を用いて、それぞれについて、GMR1を置換する金属層の長さを5μmとし、GMR2を置換する金属層の長さを5μm〜10μmとして、相対的にGMR2のTCRを上げてオフセット温度特性を調整した場合の計算結果を示すグラフである。 金属層として用いる電極材料の検討における、(a)Ta/AlCu/Ta、(b)Cr単層、(c)Ta単層のシート抵抗Rsの測定結果を示すグラフである。 GMR1とGMR2のトリミング長さの差と、当該差に起因する磁気検出装置のオフセット温度特性変化量との関係を示すグラフである。 GMR1とGMR2のトリミング長さの差と、GMR1およびGMR2を備える磁気検出装置の室温(25℃)におけるオフセット変化量との関係を示すグラフである。 磁気検出装置の比例感度変化率とトリミング電極長との関係を示すグラフである。 磁気検出装置の比例感度温度特性変化量とトリミング電極長との関係を示すグラフである。 磁気検出装置の線形性変化量とトリミング電極長との関係を示すグラフである。 磁気検出装置のゼロ磁場ヒステリシス変化量とトリミング電極長との関係を示すグラフである。 熱処理前後における磁気検出装置のオフセット温度特性変化量とトリミング電極長との関係を示すグラフである。 熱処理前後における磁気検出装置の常温におけるオフセット変化量とトリミング電極長との関係を示すグラフである。
1.磁気検出装置
図1は本発明の一実施形態に係る磁気検出装置1に使用される磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20を示す平面図である。
図1に示すように、磁気検出装置1は、磁気抵抗効果素子10と磁気抵抗効果素子20とが導電部30を介して直列に接続された直列回路2により構成されている。磁気抵抗効果素子10,20は、そのストライプ長手方向D1(以下、単に「長手方向D1」ともいう。)が互いに平行になるように配置された複数の帯状の長尺パターン(ストライプ)11,21が折り返してなる形状(ミアンダ形状)を有する。
図2は、図1のAA矢視断面における磁気抵抗効果素子10の積層膜50の膜構成を示す説明図である。磁気抵抗効果素子10の積層膜50は、基板40の表面から、図示しない絶縁層等を介して、下地層(シード層)51、固定磁性層52、非磁性材料層53、フリー磁性層54、および保護層55の順に積層されて成膜されている。これら各層は、例えばスパッタ工程やCVD工程で成膜される。
下地層51は、NiFeCr合金(ニッケル・鉄・クロム合金)あるいはCr等で形成される。
固定磁性層52は、下地層51側から、第1磁性層52aと非磁性中間層52bと第2磁性層52cの順に隣接しており、磁性52aと第2磁性層52cとの間に非磁性中間層52bが位置したセルフピン止め構造である。第1磁性層52aの固定磁化方向と、第2磁性層52cの固定磁化方向とは反平行となっている。そして、第2磁性層52cの固定磁化方向P1が、固定磁性層52における固定磁化方向、すなわち感度軸方向である。
第1磁性層52aは下地層51上に形成されており、第2磁性層52cは、後述する非磁性材料層53に接して形成されている。第1磁性層52aは、第2磁性層52cよりも高保磁力材料のCoFe合金で形成されることが好適である。
非磁性材料層53に接する第2磁性層52cは磁気抵抗効果(具体的にはGMR効果)に寄与する層であり、第2磁性層52cには、アップスピンを持つ伝導電子とダウンスピンを持つ伝導電子の平均自由行程差を大きくできる磁性材料が選択される。
図2に示される磁気抵抗効果素子10では、第1磁性層52aと第2磁性層52cとの磁化量(飽和磁化Ms・層厚t)の差が実質的にゼロとなるように調整されている。
固定磁性層52の磁化固定力を高めるには、第1磁性層52aの保磁力Hcを高めること、第1磁性層52aと第2磁性層52cの磁化量の差を実質的にゼロに調整すること、更に非磁性中間層52bの厚さを調整して第1磁性層52aと第2磁性層52c間に生じるRKKY相互作用による反平行結合磁界を強めることが重要とされている。このように適宜調整することで、固定磁性層52が外部からの磁界に対して影響を受けることなく、磁化がより強固に固定される。
非磁性材料層53は、Cu(銅)などである。
図2に示される磁気抵抗効果素子10のフリー磁性層54は、その材料および構造が限定されるものではない。例えば、材料としてCoFe合金(コバルト・鉄合金)、NiFe合金(ニッケル・鉄合金)などを用いて、単層構造、積層構造、積層フェリ構造などとして形成することができる。
保護層55を構成する材料は限定されない。Ta(タンタル)などが例示される。
図3は、図1のA’A’矢視断面における磁気抵抗効果素子20の積層膜60の膜構成を示す説明図である。磁気抵抗効果素子20は、基板40の表面から、図示しない絶縁層等を介して、下地層(シード層)61、固定磁性層(第2の固定磁性層)62、非磁性材料層63、フリー磁性層(第2のフリー磁性層)64、および保護層65の順に積層されて成膜されている。これら各層は、例えばスパッタ工程やCVD工程で成膜される。
磁気抵抗効果素子20における、下地層61、非磁性材料層63、フリー磁性層64、および保護層65は、磁気抵抗効果素子10における下地層51、非磁性材料層53、フリー磁性層54、および保護層55と同一である。磁気抵抗効果素子20は、固定磁性層62の固定磁化方向P2が、固定磁性層52の固定磁化方向P1と反対に向いている(180度異なる)点においてのみ、磁気抵抗効果素子10と異なっている。
図2,図3に示される磁気抵抗効果素子10,20では、固定磁性層がフリー磁性層と基板との間に位置するように積層された、いわゆるボトムピン構造である。しかしこれに限られるものではなく、フリー磁性層が固定磁性層と基板との間に位置するように積層された、いわゆるトップピン構造であってもよい。
図2,図3に示される磁気抵抗効果素子10,20では、固定磁性層52,62がセルフピン止め構造を有するが、これに限定されない。固定磁性層52,62の代わりに、例えば、反強磁性層と強磁性層との積層構造を有し、強磁性層が特定の向きに磁化された構成のものを用いてもよい。
図1に示されるように、磁気抵抗効果素子10,20はミアンダ形状に形成されている。磁気抵抗効果素子10を構成する互いに平行になるように配置された複数の帯状の長尺パターン11のうち、配列方向端部に位置するもの以外の長尺パターン11のそれぞれは、端部において最近位の他の帯状の長尺パターン11と導電部12により接続されている。配列方向端部に位置する長尺パターン11は、導電部12を介して、その一端において接続端子13に接続されており、他端において導電部30に接続されている。
磁気抵抗効果素子20を構成する長尺パターン21も、上述した長尺パターン11同様、導電部22により接続され、導電部22を介して、その一端において接続端子23に接続されており、他端において導電部30に接続されている。
ミアンダ形状の磁気抵抗効果素子10における感度軸方向P1は、長尺パターン11の長手方向D1に対して直交する、図1に向かって上向きの方向D2(以下、単に「幅方向D2」ともいう。)である。そして、ミアンダ形状の磁気抵抗効果素子20における感度軸方向P2は、長尺パターン21の長手方向D1に対して直交する、図1に向かって下向きの方向D3(以下、単に「幅方向D3」ともいう。)である。このように、磁気抵抗効果素子10と磁気抵抗効果素子20とは、感度軸方向P1と感度軸方向P2とが異なっているから、直列回路2に一定の電圧が印加された状態でD2方向またはD3方向の磁界強度が変化すると、両者を接続する導電部30(直列回路2の中点)の電位が変化する。
導電部12,22、接続端子13,14,23,24および導電部30は、電気抵抗の低い材料から構成することが好ましい。磁気検出装置1は、導電部30に接続された中点端子31から電気的な信号を出力し、当該信号が、図示しない演算部に入力され、演算部において当該信号に基づいて被測定電力が算出される。このように、磁気検出装置1は、感度軸方向が異なる磁気抵抗効果素子10と磁気抵抗効果素子20とを用いて、磁界の変化に伴う直列回路2の中点の電位の変化を用いて磁気を検出する。
図4は、磁気検出方向が異なる2つの磁気抵抗効効果素子を備えた磁気検出装置の製造方法の工程図である。磁気検出方向が異なる2つの磁気抵抗効効果素子を同一基板上に形成する場合、同図に示すように、基板上に絶縁層を形成し(S1)、第1磁気抵抗効果素子を形成し(S2)、エリアを形成し(S3)、第2磁気抵抗効果素子を形成し(S4)、ストライプを形成し(S5)、電極を形成(S6)する。
感度軸方向が異なる磁気抵抗効果素子10と磁気抵抗効果素子20とは、別の工程(S2,S4)によって形成される。これら工程S2およびS4により、全く同一の積層構造を形成することを意図しても、製造誤差に起因して積層膜を構成する各層の厚みに相違が生じる。この積層膜の厚みの相違が、磁気検出装置1における中点電位のオフセット温度特性に相違が生じる原因となっていた。
磁気検出装置のオフセット温度特性の相違(誤差)は、磁気検出装置からの検知信号を処理する集積回路(IC)側で補正することができる。しかし、集積回路側で補正可能な誤差の範囲は限られているから、補正できない磁気検出装置は使用できなかった。このため、磁気検出装置の歩留まりを向上させるためには、基板上におけるウエハ製造工程(ウエハプロセス)において磁気検出装置のオフセット温度特性を調整することが有効である。
そこで、磁気検出装置1は、図1に示すように、磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20の一部にそれぞれ、金属層15および金属層25を形成している。
図5は、図1のBB矢視断面図である。図5に示すように、磁気抵抗効果素子10の長尺パターン11の一部において、積層膜50(図2参照)の全体が金属層15によって置換されており、金属層15が積層膜50を厚さ方向に貫いて形成されている。磁気抵抗効果素子20も同様に、長尺パターン21の一部において、積層膜60(図3参照)の全体が金属層25によって置換されており、金属層25が積層膜60を厚さ方向に貫いて形成されている。
金属層15および金属層25は、抵抗温度係数(TCR)が、磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20とは異なっている。このため、大きさ(長さ)の異なる金属層15と金属層25とを形成することにより、磁気抵抗効果素子10と磁気抵抗効果素子20との抵抗温度係数を調整して、磁気検出装置1のオフセット温度特性を調整して、所定範囲内とすることができる。
図1には、長尺パターン11および長尺パターン21それぞれの一部を金属層15および金属層25で置換した態様を示した。しかし、長尺パターン11または長尺パターン21のいずれか一方の一部にのみ、金属層15または金属層25を設ける構成としてもよい。ただし、金属層15および金属層25のサイズ(長さ)が大きくなり、容易かつ精緻に制御することができるから、長尺パターン11および長尺パターン21のそれぞれに金属層15および金属層25を形成し、両者の大きさ(長さ)の差により、抵抗温度係数を調整することが好ましい。
金属層15および金属層25は、単層、積層のいずれでもよいが、例えば、Ta単層、Cr単層、Ta/AlCu/Taの積層構造などが挙げられる。加熱による抵抗値の変化が少ないことから、Crが好ましい。
金属層15および金属層25の幅寸法は、配線間の短絡などの問題の発生を防止する観点から、それぞれ、置換される長尺パターン11および長尺パターン21の幅寸法の0.5〜2.0倍程度に設定することができる。
金属層15および金属層25と長尺パターン11および長尺パターン21との幅寸法が等しい場合、置換前後における磁気検出装置1の室温オフセットの変化を抑制する観点から、シート抵抗値Rs(Ω/□)が、磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20のそれぞれに対して、0.5〜1.5倍の範囲内であることが好ましく、0.7〜1.3倍の範囲内であることがより好ましく、0.9〜1.1倍の範囲内であることが好ましい。
金属層15および金属層25と長尺パターン11および長尺パターン21との幅寸法が等しくない場合、幅寸法の相違を考慮して、磁気検出装置1の室温でのオフセットの変化の抑制に好ましいシート抵抗値Rs(Ω/□)とすればよい。金属層15および金属層25の幅寸法が大きくなれば抵抗値が小さくなることから、例えば、金属層15および金属層25の幅寸法を長尺パターン11の幅寸法の2倍とする場合、金属層15および金属層25を磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20のシート抵抗値が2倍の材料を用いることが好ましい。
図6は、図1の磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20のそれぞれに、導電膜16および導電膜26が形成された状態示す平面図であり、磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20における長尺パターン11および長尺パターン21上にそれぞれ、導電膜16および導電膜26が形成された状態を示している。
図7は、図6のCC矢視断面図である。図7に示すように、導電膜16は、室温における磁気検出装置1のオフセット電位を調整するためのものであり、長尺パターン11を構成する積層膜50の表層に形成されている。ここで表層とは、積層膜50表面からの最外層である保護層55(図2参照)までの範囲をいう。また、導電膜26も、導電膜16同様、長尺パターン21を構成する積層膜60の表層に形成されている。
導電膜16および導電膜26は、磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20よりも電気抵抗が小さい層であり、アルミニウム、銅、銀、金などのうちの一種類の金属または合金、あるいは銀粉や金粉を含む導電性インキなどで形成される。導電膜16および導電膜26の幅寸法は、配線間の短絡などの問題の発生を防止する観点から、それぞれ、置換される長尺パターン11および長尺パターン21の幅寸法の0.5〜2.0倍程度に設定することができる。
2.ブリッジ回路
図8は、本実施形態の磁気検出装置5の回路ブロック図である。磁気検出装置5は、フルブリッジ回路6により構成されている。同図に示すように、フルブリッジ回路6は、磁気抵抗効果素子10と磁気抵抗効果素子20との順番を入れ替えた2つの直列回路2(図1参照)が並列に接続された構成である。図8では、磁気抵抗効果素子10の端子13が電源電圧Vdd7に接続され、磁気抵抗効果素子20の端子23が接地電位GND8に接続されたものを直列回路2aとし、磁気抵抗効果素子20の端子23が電源電圧Vdd7に接続され、磁気抵抗効果素子10の端子13が接地電位GND8に接続されているものを直列回路2bとしている。
フルブリッジ回路6を構成する直列回路2aの中点端子31aの出力電位(Out1)と、直列回路2bの中点端子31bの出力電位(Out2)との差動出力(Out1)−(Out2)が、図中にHで示した矢印方向の磁界の検知出力(検知出力電圧)として得られる。
図8に示す磁気検出装置5では、磁気抵抗効果素子10のフリー磁性層54(図3参照)および磁気抵抗効果素子20のフリー磁性層64(図4参照)の向きが外部磁界Hの方向に倣うように変化する。このとき、磁気抵抗効果素子10の抵抗値は、固定磁性層52cの固定磁化方向P1とフリー磁性層54の磁化方向との相対角度に応じて変化する。また、磁気抵抗効果素子20の抵抗値も同様に、固定磁性層62cの固定磁化方向P2とフリー磁性層64の磁化方向との相対角度に応じて変化する。
例えば、外部磁界磁場Hが図8に示す矢印の方向に作用したとすると、磁気抵抗効果素子20では感度軸方向P1と外部磁界磁場Hの方向が反対であるため電気抵抗値は大きくなり、一方、磁気抵抗効果素子20では感度軸方向P2と外部磁界磁場Hの方向が一致するため電気抵抗値は小さくなる。この電気抵抗値の変化により、検知出力電圧Vs=(Out1)−(Out2)が極大となる。外部磁界磁場Hが紙面に対して右向きに変化するにしたがって、検知出力電圧Vsが低くなっていく。そして、外部磁界磁場Hが図8の紙面に対して上向きまたは下向きに、または磁場強度が小さくなると、検知出力電圧Vsがゼロになる。
このように、外部磁界磁場Hの方向や強度が変化すると、それに伴いフルブリッジ回路6の検知出力電圧Vsも変動する。したがって、フルブリッジ回路6から得られる検知出力電圧Vsに基づいて、検知対象の移動方向や移動量(相対位置)を検知することができる。
図8には、図の紙面に向かって左右方向の磁場を検出可能に構成された磁気検出装置5を示したが、磁気検出装置5と図の紙面に向かって上下方向の磁場を可能に構成された磁気検出装置とを組み合わせて、紙面に向かって上下方向および左右方向の磁場を同時に検出することができる構成としてもよい。
3.磁気検出装置の製造方法
図9は、本発明の磁気検出装置の製造方法の工程図である。図9における工程S1〜S6は、図6における工程S1〜S6と同じである。以下、図1〜図3、図5および図6を参照しつつ、図9に基づいて磁気検出装置の製造方法について説明する。
(絶縁層形成工程:S1)
基板40(図2参照)上に、図2には示していない絶縁層を形成する。
(第1磁気抵抗効果素子形成工程:S2)
絶縁層の上に下地層51を成膜し、その上に、セルフピン止め構造を有する固定磁性層52を積層する。具体的には、図2に示されるような、第1磁性層52a、非磁性中間層52bおよび第2磁性層52cを順次積層する。各層の成膜手段は限定されない。スパッタが例示される。第1磁性層52aを成膜する際に磁場を印加しながら行うことにより、第1磁性層52aを図1における幅方向D2(図1参照)の反対向きに磁化させれば、RKKY相互作用により第2磁性層52cを第1磁性層52aの磁化方向と反平行な向きに強く磁化することが可能である。こうして磁化された第2磁性層52cは、その後の製造過程において自らの磁化方向と異なる向きの磁場が印加されても、その影響を受けずに幅方向D2に磁化された状態を維持することが可能である。
次に、固定磁性層54上に非磁性材料層53を積層する。非磁性材料層53の積層方法は限定されず、スパッタが具体例として挙げられる。
続いて、非磁性材料層53上に、フリー磁性層54を積層する。フリー磁性層はCo、Fe、Niの合金から成る単層、もしくは積層膜であり軟磁性材料で構成される。
最後に、保護層55を積層する。保護層55の積層方法は限定されず、スパッタが具体例として挙げられる。
(エリア形成工程:S3)
続いて、第1磁気抵抗効果素子の表面に第2磁気抵抗効果素子を形成するエリア(領域)を形成するため、当該領域を露出部とするエリアパターンをレジストで形成する。そして、露出部における第1磁気抵抗効果素子をエッチングにより取り除く。
(第2磁気抵抗効果素子形成工程:S4)
第1磁気抵抗効果素子が取り除かれた領域に絶縁膜を形成した後、第1磁気抵抗効果素子形成工程(S2)と同様にして、第2磁気抵抗効果素子を形成する。第2磁気抵抗効果素子形成工程は、第1磁性層62aを図1における幅方向D3(図1参照)の反対向きに磁化させ、第2磁性層62cを幅方向D3に磁化する。このようにして、感度軸方向P1とは反対向き(180度異なる)の感度軸方向P2の第2磁気抵抗効果素子を形成する。
(ストライプ形成工程:S5)
以上の成膜工程により得られた積層膜に対して除去加工(ミリング)を行い、複数の長尺パターン11および21が幅方向D1に沿って配列されたストライプ形状とする(図1参照)。
(電極形成工程:S6)
複数の長尺パターン11を接続する導電部12、複数の長尺パターン21を接続する導電部22、接続端子13,14,23,24、導電部30および中点端子31を形成して、図1に示されるミアンダ形状を有する磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20を備えた磁気検出装置1を得る。
(特性検査1:S7)
次の工程において調整するオフセット温度特性の初期値を特定するため、室温(例えば25℃)および高温(例えば85℃)において、WQST(Wafer Quasi Static Test、ウエハレベル静磁界測定)を行う。WQSTによって得られた25℃におけるオフセット電位と85℃におけるオフセット電位とを用いて求めたオフセット電圧の変化量(μV/℃)をオフセット温度特性の初期値とする。
(オフセット温度特性調整用の金属層形成工程:S8)
特性検査1において評価されたオフセット温度特性の初期値に基づいて、オフセット温度特性が所定の値になるように金属層を形成する。長尺パターン11および長尺パターン21のそれぞれの一部を金属層15および金属層25で置換し、両者の大きさ(長さ)の差により、オフセット温度特性を調整する。オフセット温度特性は、特性検査1で得られた初期値と、あらかじめ評価しておいた金属層の長さ(あるいは両金属層の長さの差)とオフセット温度特性の変化量との関係とに基づいて、金属層15と金属層25の大きさ(長さ)を設定することにより行う。
上述した金属層15および金属層25に置換する工程は、以下のようにして行う。
まず、長尺パターン11および長尺パターン21の一部分が露出するようにレジストパターニングを行う。その際、オフセット温度特性の調整量に応じて、長尺パターン11および長尺パターン21それぞれのトリミング長を決定し、当該決定に対応したトリミング長の露出部を形成する。
トリミング長は、金属層15と金属層25の一方を安定に形成できる長さ(例えば、5μm)に固定し、他方をこれより長く(例えば、5μm+xμm)し、オフセット温度特性の調整量に対応するように両者の長さの差(xμm)を設定する。
レジストパターニングにより形成された露出部における長尺パターン11および長尺パターン21をエッチング処理して全層除去する。エッチング処理に連続して、磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20とは抵抗温度係数が異なる金属層15および金属層25を成膜する。その後、磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20を保護していたレジストパターンを除去する。
金属層15および金属層25のシート抵抗値Rsを調整することにより、本工程による磁気検出装置の室温オフセットの変化を抑制することができる。例えば、金属層15および金属層25の幅寸法が長尺パターン11および長尺パターン21と同じ場合、金属層15および金属層25のシート抵抗値Rsを磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20と同等にすることが好ましい。
なお、本工程による磁気検出装置の室温オフセットの変化を抑制する必要はないが、本工程後における室温オフセットは、後の室温オフセット調整用の導電膜形成工程(S10)で調整可能な範囲内とする必要がある。
(特性検査2:S9)
上記工程において、磁気検出装置のオフセット温度特性が所定範囲内に調整されたことを確認するために、例えば25℃および85℃においてWQSTを行う。WQSTの結果に基づいて、オフセット温度特性が目的の範囲内に調整されたかを確認し、オフセット温度特性が調整された後の磁気検出装置の室温オフセット電位を測定する。オフセット温度特性の調整が不十分であった場合には、S8とS9を再度実施することで調整精度を高めることも可能である。その際は、1回目と異なる長尺パターン上にトリミングパターンを形成する。
(室温オフセット調整用の導電膜形成工程:S10)
特性検査2(S9)において、オフセット温度特性が所定範囲内に調整されたことを確認し、室温オフセットの調整が必要である場合、室温オフセットを目的範囲内にするために導電膜16および導電膜26を形成する(図6、図7参照)。
まず、磁気抵抗効果素子10および磁気抵抗効果素子20の一部が露出するように、レジストパターニングを行う。そして、露出した部分の表層を除去し、次に、除去された部分に導電膜16および導電膜26を成膜する。これにより、導電膜16および導電膜26が成膜された部分が短絡されることになるから、室温オフセットが調整される。なお、本工程は室温オフセットを調整するのみであり、オフセット温度特性は本工程の前後において変化しない。なぜならば、短絡部の抵抗はGMRの長尺パターンの抵抗に対して非常に小さいので、短絡部のTCRがオフセット温度特性に与える影響は無視できるほど小さいからである。
(特性検査3:S11)
上記工程において、室温オフセット電位が所定範囲内に調整されたことを確認するために、25℃において、WQSTを行う。WQSTの結果に基づいて、室温オフセットが目的の範囲内に調整されたことを確認する。
上述したように、ウエハの製造工程(ウエハプロセス)において金属層を形成することで、ウエハ上のチップ状態における磁気検出装置のオフセット温度特性を調整することができる。したがって、磁気検出装置のオフセット温度特性を規定範囲内として、後のICを用いた調整が不可能なオフセット温度特性の使用できない磁気検出装置が生じることを抑制できる。これにより、磁気検出装置の製造における歩留まりが向上する。
ウエハ面全体を一単位としてS7〜S9を行えば、ウエハ面に形成された磁気検出装置のオフセット温度特性の分布の中心を規定範囲の中心に近づけることができる。ウエハ面全体ではなく、ウェハ内を細分化し、各区分ごとにオフセット温特調整S7〜S9を行えば、ウエハ面内の位置によるオフセット温度特性のばらつきを考慮して、オフセット温度特性を調整することができる。したがって、オフセット温度特性の分布を狭くして、ウェハ面内ばらつきを小さくできる。
4.電流検出装置
本発明の一実施形態に係る磁気抵抗効果素子を備えた磁気検出装置は、電流検出装置として好適に使用されうる。かかる電流検出装置は、磁気抵抗効果素子を1つ備える構成でもよいが、4つの素子を用い、ブリッジ回路を組んで測定感度を高めることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る電流検出装置の具体例として、磁気比例式電流検出装置および磁気平衡式電流検出装置が挙げられる。
磁気比例式電流検出装置は、本発明の一実施形態に係る磁気抵抗効果素子を少なくとも1つ含んで構成され、被測定電流からの誘導磁界に応じた電位差を生じる2つの出力を備える磁界検出ブリッジ回路を有する。そして、磁気比例式電流検出装置では、誘導磁界に応じて磁界検出ブリッジ回路から出力される電位差により、被測定電流が測定される。
磁気平衡式電流検出装置は、本発明の一実施形態に係る磁気抵抗効果素子を少なくとも1つ含んで構成され、被測定電流からの誘導磁界に応じた電位差を生じる2つの出力を備える磁界検出ブリッジ回路と、磁気抵抗効果素子の近傍に配置され、誘導磁界を相殺するキャンセル磁界を発生するフィードバックコイルと、を具備する。そして、磁気平衡式電流検出装置では、電位差によりフィードバックコイルに通電して誘導磁界とキャンセル磁界とが相殺される平衡状態となったときのフィードバックコイルに流れる電流に基づいて、被測定電流が測定される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素子は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(オフセット温度特性の計算)
抵抗温度係数(以下、適宜「TCR」という)値が異なる、第1磁気抵抗効果素子(以下、適宜、「GMR1」という。)と第2磁気抵抗効果素子(以下、適宜、「GMR2」という。)のいずれか一方の一部をGMR1およびGMR2とはTCR値が異なる金属層で置換することによる、GMR1およびGMR2を備えた磁気検出装置のオフセット温度特性への影響を計算により見積もった。本計算では、GMR1のTCR値が2376(ppm/℃)、GMR2のTCR値が2371(ppm/℃)である磁気検出装置についての結果を示す。
図10は、GMR1およびGMR2よりもTCR値が小さい金属層(1000(ppm/℃))を用いて、GMR2を置換する金属層の長さを5μmとし、GMR1を置換する金属層の長さを5μm〜10μmの範囲で変化させて、相対的にGMR1のTCRを下げてオフセット温度特性を調整した場合の計算結果を示すグラフである。
図11は、GMR1およびGMR2よりもTCR値が大きい金属層(3000〜5000(ppm/℃))を用いて、それぞれについて、GMR1を置換する金属層の長さを5μmとし、GMR2を置換する金属層の長さを5μm〜10μmとして、相対的にGMR2のTCRを上げてオフセット温度特性を調整した場合の計算結果を示すグラフである。
図10および図11のグラフにおける縦軸の「オフセット温度特性」(mV/℃)は、磁気検出装置の25℃におけるオフセット電位値と85℃におけるオフセット電位値との差を、温度差(60℃)で除して得られる値(傾き)を示している。
図10および図11に示すように、GMR1およびGMR2とTCR値が異なる金属層を用いて、GMR1およびGMR2の一部を置換(トリミング)する金属層の長さ(大きさ)を調整することにより、磁気検出装置のオフセット温度特性を調整できる。
図11に示すように、GMR1およびGMR2のTCR値と置換に用いる金属層のTCR値との差が大きいほど、置換される電極の長さの差が大きくなるに伴いTCR値の変化も急峻になる。これらの結果から、金属層としては、非磁性であって、適度なTCR値を備える材料を選定することが重要である。
(金属層として用いる材料の検討)
磁気検出装置は、金属層の形成によってオフセット温度特性が調整された後、窒化シリコン等の保護層が270℃程度における化学気相成長 (Chemical Vapor Deposition、CVD)により形成される際、高温になる。保護層を形成するための加熱処理後にもオフセット温度特性を維持する観点から、金属層は、加熱処理による抵抗値の変化が小さい電極材料が好ましい。
そこで、以下の表1に示す材料を用いて金属層(電極)を形成し、290℃条件下で3時間のアニールを行う前(as−depo)と、アニールを行った後(アニール後)とにおいて、シート抵抗値Rs(Ω/□)を測定した、結果を表2に示す。
図12は、(a)電極1〜3(Ta/AlCu/Ta)、(b)電極4〜6(Cr単層)、(c)電極7〜9(Ta単層)の測定結果を示すグラフである。3種類の金属層の材料のうち、アニール前後のシート抵抗Rs値の変化が小さいことから、Crを用いた単層膜が好ましい。Ta単層膜は、膜厚を厚くするとアニール後においてシート抵抗値Rsが顕著に低下した。これは、β相(アモルファス)からα相(結晶相)への相変体に起因するものと推測できる。
上述した実験結果から、磁気検出装置のオフセット温度特性の調整に用いる金属層として、Ta/AlCu/Taの積層膜およびCr単層からなる膜の2つを選択した。
(オフセット温度特性の評価結果)
GMR1およびGMR2の一部をそれぞれ金属膜で置換し、磁気検出装置のオフセット温度特性に対する、金属膜の長さの差の影響を評価した。
以下では、置換された金属膜を適宜「トリミング電極」ともいい、金属膜のストライプ長手方向D1(図1参照)の長さを「トリミング電極長さ」ともいう。
表3に示す、Ta/AlCu/Taの積層膜からなる金属層AおよびCr単層からなる金属層Bのそれぞれをトリミング電極として用い、トリミング電極長さの差とオフセット温度特性変化量との関係、およびトリミング電極長さと室温オフセット変化量との関係を測定した。金属層Aおよび金属層Bのシート抵抗値Rsの狙い値は、GMR1およびGMR2のシート抵抗値Rsと同じ12.00(Ω/□)とした。
表3に示す金属層Aおよび金属層Bをそれぞれ用いて、表4に示すトリミング電極長さのトリミング電極をGMR1およびGMR2の一部にそれぞれ形成した。GMR1およびGMR2のストライプの幅寸法(長尺パターンの幅、図1参照)を4μm、トリミング電極の幅寸法を幅8μmとした。
図13は、GMR1とGMR2のトリミング電極長さの差と、当該差に起因する磁気検出装置のオフセット温度特性変化量との関係を示すグラフである。同図および以下の図では、金属層Aの結果をNo1とし、金属層Bの結果をNo2とする。磁気検出装置のオフセット温度特性は、トリミング電極の長さの差に応じて直線的に変化(比例)した。したがって、トリミング電極の長さを調整することにより、ウエハプロセスにおいて、磁気検出装置のオフセット温度特性を調整できることが分かった。なお、GMR1およびGMR2のTCR値を約1800(ppm/℃)と想定した場合、図13に示した傾きから、金属層Aおよび金属層BのTCR値は、この順に1400(ppm/℃)および1700(ppm/℃)と見積もることができる。
図14は、GMR1とGMR2のトリミング電極長さの差と、GMR1およびGMR2を備える磁気検出装置の室温(25℃)におけるオフセット変化量との関係を示すグラフである。図14に示すように、磁気検出装置の室温におけるオフセットも、トリミング電極の長さの差に応じて直線的に変化(比例)した。
トリミング電極のシート抵抗値Rsは、トリミング電極の幅とGMR1およびGMR2のストライプ幅(図1参照)とが等しいとすると、図14のグラフの傾きに基づいて、約6(Ω/□)と見積もることができる。測定対象のトリミング電極は、幅寸法がGMR1およびGMR2の幅寸法(4μm)の2倍(8μm)であるから、シート抵抗値Rsが実際の抵抗値(約12(Ω/□))の半分の値の振る舞いを示したと推測される。この推測によれば、シート抵抗値Rsの狙い値をGMR1およびGMR2の約2倍の約24(Ω/□)とすれば、室温におけるオフセット変動量が小さくなると考えられる。ただし、これに連動してオフセット温度特性の変動量の傾きも、図13に示す結果の2倍になると推測される。
(磁気検出装置の種々の特性に及ぼす影響の評価結果)
上述した評価結果1同様、表3に示す金属層AおよびBのそれぞれを用いて、表4に示すトリミング電極長さを有するトリミング電極をGMR1およびGMR2の一部にそれぞれ形成した磁気検出装置について、トリミング電極長さが磁気検出装置の種々の特性に及ぼす影響を評価した。
図15は、磁気検出装置の比例感度変化率とトリミング電極長さとの関係を示すグラフである。同図に示すように、比例感度変化率は、トリミング電極長さが大きくなるに伴って、やや低下する傾向が認められた。これはトリミング電極長さが長くなるに伴って寄生抵抗が大きくなることに起因するといえる。しかし、比例感度変化率の低下は、最大でも0.5%程度であり、通常の製造工程における製造ロットやウエハ内における平均的なばらつきよりも小さく、使用上問題にならないものであった。
図16は、磁気検出装置の比例感度温度特性変化量とトリミング電極長さとの関係を示すグラフである。比例感度温度特性はややプラス側にシフトするが、変動量は小さかった。
図17は磁気検出装置の線形性変化量とトリミング電極長さとの関係を示すグラフであり、図18は磁気検出装置のゼロ磁場ヒステリシス変化量とトリミング電極長さとの関係を示すグラフである。図17、図18に示すように、線形性変化量およびゼロ磁場ヒステリシス変化量はいずれも変動量が小さかった。
以上のように、金属層Aおよび金属層Bのいずれも、表4に示したトリミング電極長さの範囲では、図15〜図18に示した磁気検出装置の種々の特性に影響を及ぼすことなく、磁気検出装置のオフセット温度特性を調整可能であることが分かった。
(熱処理による影響の評価)
熱処理による影響を調べるために、表3に示す金属層AまたはBのトリミング電極を、表4に示すトリミング電極長さで形成した磁気検出装置について、290℃条件下で3時間のアニールを行う前後で、オフセット温度特性および室温オフセットを測定した。
図19は、熱処理前後における磁気検出装置のオフセット温度特性変化量とトリミング電極長さとの関係を示すグラフである。同図に示すように、トリミング電極として、Cr単層(金属層B)を用いることにより、Ta/AlCu/Taの積層膜(金属層A)を用いるよりも、熱処理によるオフセット温度特性の変化量が小さい磁気検出装置となることが分かった。
図20は、熱処理前後における磁気検出装置の室温におけるオフセット変化量とトリミング電極長さとの関係を示すグラフである。同図に示すように、トリミング電極として、Cr単層(金属層B)を用いることにより、Ta/AlCu/Taの積層膜(金属層A)を用いるよりも、熱処理による室温オフセットの変化量が小さい磁気検出装置となることが分かった。
オフセット温度特性および室温におけるオフセットが調整された後、保護膜を形成する工程における加熱による影響が小さい、オフセット温度特性および室温オフセットの安定な磁気検出装置が得られることから、トリミング電極として、Cr単層(金属層B)を用いることが好ましいといえる。
本発明の一実施形態に係る磁気抵抗効果素子を備えた磁気検出装置は、電気自動車、ハイブリッドカー等の輸送機器、柱状トランスなどのインフラ機器に設置される電流検出装置の構成要素子として好適に使用されうる。
1 磁気検出装置
2,2a,2b 直列回路
5 磁気検出装置
6 フルブリッジ回路
7 電源電圧Vdd
8 設置電位GND
10,20 磁気抵抗効果素子
11,21 長尺パターン
12,22,30 導電部
13,14,23,24 接続端子
15,25 金属層
16,26 導電膜
31,31a,31b 中点端子
40 基板
50,60 積層膜
51,61 下地層
52,62 固定磁性層
52a,62a 第1磁性層
52b,62b 非磁性中間層
52c,62c 第2磁性層
53,63 非磁性材料層
54,64 フリー磁性層
55,65 保護層
D1 ストライプ長手方向
D2 幅方向
D3 幅方向
P1 固定磁化方向
P2 固定磁化方向

Claims (10)

  1. 積層膜からなる第1磁気抵抗効果素子と、積層膜からなる第2磁気抵抗効果素子と、が直列に接続された第1の直列回路に電圧が印加された磁気検出装置であって、
    前記第1磁気抵抗効果素子および前記第2磁気抵抗効果素子の少なくとも一方の一部に金属層を備えており、
    前記金属層の抵抗温度係数が、前記第1磁気抵抗効果素子および第2磁気抵抗効果素子の抵抗温度係数とは異なり、
    前記金属層は、前記積層膜を厚さ方向に貫いて形成されていることを特徴とする磁気検出装置。
  2. 前記金属層は、前記第1磁気抵抗効果素子および前記第2磁気抵抗効果素子にそれぞれ設けられており、
    前記第1磁気抵抗効果素子に設けられた第1の金属層と、前記第2磁気抵抗効果素子に設けられた第2の金属層とは、大きさが異なることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出装置。
  3. 前記第1磁気抵抗効果素子および前記第2磁気抵抗効果素子の少なくともいずれか一方の表層に導電膜が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気検出装置。
  4. 前記金属層は、非磁性材料の単層膜、もしくは積層膜から成る請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
  5. 前記金属層は、Crである請求項4に記載の磁気検出装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の前記磁気検出装置が、基板上に複数形成されてなることを特徴とする磁気検出装置。
  7. 前記第2磁気抵抗効果素子と前記第1磁気抵抗効果素子とが、前記第1の直列回路とは反対の順番で直列に接続された第2の直列回路が形成されており、
    前記第1の直列回路と前記第2の直列回路に同じ電圧が印加され、前記第1の直列回路での前記第1磁気抵抗効果素子と前記第2磁気抵抗効果素子との中点出力と、前記第2の直列回路での前記第2磁気抵抗効果素子と前記第1磁気抵抗効果素子との中点出力との差動出力が検知出力となることを特徴とする請求項6に記載の磁気検出装置。
  8. 磁気検出装置のオフセット温度特性の初期値を評価し、
    その後に、第1磁気抵抗効果素子および第2磁気抵抗効果素子の少なくともいずれか一方の一部を除去し、
    前記第1磁気抵抗効果素子または前記第2磁気抵抗効果素子が除去された部分に、前記第1磁気抵抗効果素子および前記第2磁気抵抗効果素子とは抵抗温度係数が異なる金属層を形成すること、を特徴とする磁気検出装置の製造方法。
  9. 前記金属層を形成した後に、前記第1磁気抵抗効果素子と前記第2磁気抵抗効果素子の少なくともいずれか一方の表層の一部を除去し、
    前記表層が除去された部分に前記金属層とは異なる導電膜を成膜することを特徴とする請求項8に記載の磁気検出装置の製造方法。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の磁気検出装置を備えていることを特徴とする電流検出装置。
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